【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の食品生地切断片旋回装置は、
図1〜3に示すごとき構成である。なお、この食品生地切断片旋回装置は、既に公知の構成であるから、概略的に説明することにする。
【0006】
食品生地切断片旋回装置1は、上流側コンベア3と、当該上流側コンベア3よりも搬送速度が大きい下流側コンベア5とを食品生地7の搬送方向(
図1において左右方向、X軸方向)に直線的に配置して備えている。上流側コンベア3は、シート状の前記食品生地7を下流側コンベア5方向へ搬送するものである。上記食品生地7は、上流側コンベア3による搬送途中において、
図1に示すように、複数列、複数行の二等辺三角形状の切断片9が互に隣接した状態に切断される。
【0007】
そして、前記上流側コンベア3から下流側コンベア5へY軸方向の各列が移載されるときに、下流側コンベア5の搬送速度が上流側コンベア3の搬送速度より大であることにより、搬送方向に大きく離れるように分離される。また、前記下流側コンベア5上に移載された列における複数の切断片9は、例えば奇数行目の切断片9に対して偶数行目の切断片9が先行するように、すなわち奇数行目の切断片9と偶数行目の切断片9とが千鳥足配置となるように配置されると共に、三角形状の切断片9における底辺側が頂部よりも搬送方向に先行するように、90°旋回される。
【0008】
ところで、
図1より明らかなように、食品生地7において隣接した列の切断片9の方向性は互に逆方向であるから、例えば1列目の切断片9を右回り方向(正回転方向)に90°旋回した場合、2列目の切断片9は左回り方向(逆回転方向)に90°旋回する必要があるものである。
【0009】
前述したように、上流側コンベア3から下流側コンベア5上へ各列の切断片9を移載するとき、切断片9を千鳥足状に配置すると共に三角形状の切断片9の底辺が搬送方向を指向するように正回転方向又は逆回転方向に90°旋回するために、前記上流側コンベア3の下流端と下流側コンベア5の上流端とが近接した位置には、千鳥足配置旋回手段11が備えられている。
【0010】
より詳細には、上流側コンベア3と下流側コンベア5とが近接した位置のY軸方向の両側にはそれぞれ箱状のフレーム13A,13Bが配置してあり、上記各フレーム13A,13B内には、X軸方向に長い回転軸15A,15Bがブラケット17を介して回転自在に支持されている。この回転軸15A,15Bには円筒カム19A,19Bが一体的に取付けてあり、かつ上記円筒カム19A,19Bの両端側の離れた位置において、前記回転軸15A,15Bには、それぞれ円盤状のカム21A,21Bが一体的に取付けてある。前記回転軸15A,15Bを同期回転するために、前記回転軸15A,15Bの端部には、モータ23によって回転される中間軸25の両端部に備えたベベルギアと噛合したベベルギアが備えられている。
【0011】
上記構成により、Y軸方向の両側に備えられた円筒カム19A,19B及び円盤状のカム21A,21Bはそれぞれ同期回転するものである。前記円筒カム19A,19Bは同一の構成であって、円筒カム19A,19Bの外周面には、展開したときに大略W字状を呈するカム溝27A,27B(円筒カム19Aには図示省略)が位相を同一にして形成してある。なお前記カム溝27A,27Bにおいて、上流側(
図1において右側)のカム溝27AにおけるX軸方向の工程寸法は、下流側のカム溝27BにおけるX軸方向の工程寸法よりも小さく設けてある。
【0012】
したがって、前記円筒カム19A,19Bの各カム溝27A,27Bに係合されるカムフォロア33,35は、円筒カム19A,19Bが1回転すると、X軸方向に2往復することになり、かつ上流側のカム溝27Aに係合したカムフォロア33のX軸方向のストローク長よりも、下流側のカム溝27Bに係合したカムフォロア35のX軸方向のストローク長が大きくなるものである。
【0013】
前記円筒カム19A,19Bにおける前記各カム溝27A,27Bには、前記上流側コンベア3、下流側コンベア5の上方においてY軸方向に長く、かつX軸方向へ移動自在に設けた上流側、下流側の移動ビーム29,31のY軸方向の両端部に備えた前記カムフォロア33,35がそれぞれ係合してある。なお、前記移動ビーム29,31は、前記フレーム13A,13Bに備えたX軸方向のガイド部材37A,37B(
図2参照)に移動自在に案内支持されている。したがって、前記円筒カム19A,19Bが回転されると、前記移動ビーム29,31は、カム溝27A,27BによってX軸方向に往復動されるものである。
【0014】
前記上流側の移動ビーム29には、前記食品生地7における奇数行の切断片9に対応する複数の切断片旋回手段39AがY軸方向に等間隔にかつ下流側へ突出して備えられている。また、下流側の移動ビーム31には、偶数行の切断片9に対応する複数の切断片旋回手段39BがY軸方向に等間隔にかつ上流側へ突出して備えられている。前記上流側移動ビーム29に備えた複数の切断片旋回手段39Aと下流側移動ビーム31に備えた複数の切断片旋回手段39Bは、初期状態においては、
図1に示すように、Y軸方向に一列に整列するものである。なお、前記切断片旋回手段39A,39Bは同一又は対称的な構成であるから、切断片旋回手段39Bの構成について説明し、切断片旋回手段39Aの構成については説明を省略する。
【0015】
前記切断片旋回手段39Bは、
図3に示すように、前記下流側移動ビーム31にY軸方向へ位置調整可能に支持された支持ブラケット41に中空回転軸43を垂直にかつ回転自在に備えた構成である。この中空回転軸43の下端部にはブラケット45を介してエジェクタプレート47が一体的に取付けてある。前記中空回転軸43に回動(回転)を付与するために、前記中空回転軸43の外周面には雄ねじのごとき螺旋溝49が形成してあると共に、ナットのごとき螺旋部材51が上下動可能に螺合してある。
【0016】
したがって、前記中空回転軸43に対して螺旋部材51を上下動することにより、右回転(正回転)及び左回転(逆回転)されることになる。
【0017】
前記螺旋部材51を上下動するために、Y軸方向に長い昇降ビーム53が上下動自在に備えられており、この昇降ビーム53には前記螺旋部材51を一体的に備えたナット支持部材55が位置調節可能に取付けてある。そして、前記中空回転軸43に対する前記螺旋部材51の上下動を円滑に行うために、前記ナット支持部材55にはX軸方向に水平に延伸したロッド57が備えられており、このロッド57は、昇降ビーム59に備えたブラケット61に形成したU字形状の溝にX軸方向へ移動自在に係合支持されている。
【0018】
前記昇降ビーム59は、前記切断片旋回手段39Aにおけるナット支持部材(図示省略)を支持するものであって、前記切断片旋回手段39Bにおける前記昇降ビーム53に相当するものである。
【0019】
前記中空回転軸43内には、旋回軸63が上下動のみ自在に挿通してあり、この旋回軸63の下端部には、前記切断片9を突刺し自在な突刺し部材の1例としての複数のピン65を備えたピン支持部材67が一体的に取付けてある。そして、前記旋回軸63の上端部は、当該旋回軸63を上下動するための昇降部材69に連結してある。上記昇降部材69は、Y軸方向に長い昇降用ビーム71に位置調節可能に取付けてある。
【0020】
したがって、前記昇降用ビーム71を上下動することにより、コンベア3,5上の切断片9を、ピン65によって突刺すことができ、かつ上記ピン65が切断片9を突刺した状態において前記昇降ビーム53を上下動することにより、中空回転軸43A及び旋回軸63を正回転又は逆回転することができ、前記切断片9を90°回転することができるものである。よって、前記食品生地7における各列における切断片9を、底辺が下流側となるように回動することができるものである。
【0021】
前記昇降ビーム53は、前記中空回転軸49、ナット支持部材55等を介して前記下流側移動ビーム31と一体的にX軸方向に移動し、昇降ビーム59は前記上流側移動ビーム29と一体的にX軸方向に移動するものである。そして、前記移動ビーム31,29のX軸方向への移動位置に対応して、前記昇降ビーム53,59は上下動するものである。
【0022】
より詳細には、前記昇降ビーム53,59の両端部は、前記両側のフレーム13A,13B内においてX軸方向に長くかつ上下動自在に備えられた支持軸73(
図2参照)にX軸方向へ移動自在に支持されている。そして、前記支持軸73を上下動するために、上記支持軸73のX軸方向の両端部は昇降ブラケット75に支持されており、この昇降ブラケット75は、上下方向へ揺動自在に設けた揺動リンク77の先端部に支持リンクを介して枢支連結されている。
【0023】
上記揺動リンク77は、前記フレーム13A,13Bに備えたブラケット79に上下方向へ揺動自在に支持された揺動リンク81に長手方向へ移動自在に支持されている。そして、前記揺動リンク77の中間部には、前記円盤状のカム21A,21Bの一側面に形成したカム溝(図示省略)に係合したカムフォロア83が備えられている。したがって、円盤状のカム21A,21Bが前記円筒カム19A,19Bと一体的に回転すると、揺動リンク77が上下に揺動され、前記支持軸73を上下動するものである。よって、前記昇降ビーム53,59の上下動は、前記移動ビーム29,31のX軸方向への移動に関連して行われるものである。
【0024】
前記切断片旋回手段39B,39Aにおける昇降用ビーム71,71Aは、前記移動ビーム31,29とそれぞれ一体的にX軸方向へ移動し、かつ移動ビーム31,29のX軸方向への移動に関連して上下動するものである。したがって、前記昇降用ビーム71,71AのY軸方向の両端部は、前記両側のフレーム13A,13B内においてX軸方向に長くかつ上下動自在に備えられた支持軸84(
図2参照)にX軸方向へ移動自在に支持されている。
【0025】
前記支持軸84のX軸方向の両端部は、昇降ブラケット85に支持されており、この昇降ブラケット85は、上下方向へ揺動自在に設けた揺動リンク87の先端部に支持リンクを介して枢支連結されている。上記揺動リンク87は、前記フレーム13A,13Bに備えたブラケット89に上下動自在に支持されており、この揺動リンク87の中間位置には、前記円盤状のカム21A,21Bの他側面に形成したカム溝(図示省略)に係合したカムフォロア91が備えられている。したがって、前記円筒カム19A,19Bと一体的にカム21A,21Bが回転すると、揺動リンク87を介して昇降ビーム71,71Aが上下動され、切断片旋回手段39A,39Bにおける旋回軸63が上下動されることになる。すなわち、旋回軸63は、前記移動ビーム31,29のX軸方向への移動に関連して行われるものである。
【0026】
以上のごとき構成において、初期状態においては、切断片旋回手段39A,39Bは、
図1に示すように、Y軸方向に整列した状態にある。そして、モータ23によって回転軸15A,15Bが回転されると、先ず、昇降用ビーム71,71Aが上昇位置から下降し、上流側コンベア3から下流側コンベア5へ移載される直前のY軸方向に1列に整列した状態にある各切断片9に対してピン65を突刺す。そして、前記回転軸15A,15Bがさらに回転されると、移動ビーム29,31は、円筒カム19A,19Bに形成したカム溝27A,27Bの作用によってX軸方向の下流側(
図1において左側)へ次第に移動される。
【0027】
この際、カム溝27A,27Bの勾配の相違により、上流側移動ビーム29よりも下流側移動ビーム31がより高速で下流側へ移動する。したがって、Y軸方向に整列した状態にあった各切断片9は、下流側コンベア5上に千鳥足状に配列されることになる。また、前述のごとく移動ビーム29,31が下流側へ移動されるとき、前記昇降ビーム53,59が最下降位置から上昇(又は最上昇位置から下降)するので中空回転軸43、旋回軸63が右回転(正回転)又は左回転(逆回転)して、各切断片9を90°旋回することになる(回転軸15A,15Bは1/4回転した状態にある)。すなわち、下流側コンベア5上に移載された各切断片9は千鳥足状に配置され、かつ三角形の底辺が下流側を指向した状態に旋回された状態にある。
【0028】
その後、前記回転軸15A,15Bがさらに回転されると、前記旋回軸63が上昇されると共に、前記移動ビーム29,31が元の位置に復帰され、隣接した次の切断片の列に対応した状態となる。上記隣接した次の列における切断片9の方向性は、前回の列における切断片9の方向性に対して逆方向であるから、前述のごとく移動ビーム29,31が元の位置に復帰するとき、前記昇降ビーム53,59の上昇又は下降はさらに継続されて、最上昇位置又は最下降位置に移動し、旋回軸63は180°旋回された状態にある(回転軸15A,15Bは2/4回転した状態)。
【0029】
そして、前記回転軸15A,15Bがさらに回転すると、前記移動ビーム29,31及び昇降用ビーム71,71Aは前述と同様に動作する。したがって、隣接した次の列における切断片9は、下流側コンベア5上に千鳥足状に形成されることになる。この際、前記昇降ビーム53,59は、最上昇位置から下降又は最下降位置から上昇することとなり、前記旋回軸63は左回転(逆回転)又は右回転(正回転)されることとなり、切断片9を前述とは逆方向に90°旋回することになる。したがって、下流側コンベア5上に千鳥足状に移載された次の列の各切断片9は、三角形状の底辺を下流側を指向した状態にある(回転軸15A,15Bは3/4回転した状態)。
【0030】
その後、回転軸15A,15Bがさらに回転されると、すなわち1回転されると、初期状態と同一状態となるものである。
【0031】
ところで、従来の切断片旋回手段39A,39Bにおける旋回軸63に備えた複数のピン65は、三角形状の切断片9に対応して三角形状に配置してあるので、例えば1列目の切断片9を正方向へ90°旋回した後、2列目の切断片9に対応するには、旋回軸63を正方向へさらに90°旋回して、初期状態から正方向へ180°旋回する必要がある。そして、2列目の切断片9を逆方向へ90°旋回した後に、3列目の切断片9に対応するには、旋回軸63を、正方向に180°旋回した状態から逆方向へ180°旋回する必要がある。
【0032】
したがって、余分な動きが多いという問題がある。換言すれば、前記旋回軸63を旋回するために前記昇降ビーム53,59を上下動するための円盤状カム21A,21Bにおけるカム溝には、初期状態の0°の位置、正方向に90°旋回した位置、正方向に180°旋回した位置、この180°旋回した位置から90°戻るように旋回する位置及びこの90°戻った旋回位置から初期の0°の位置に旋回する位置の各位置に対応する部分が必要であり、当該カム溝の形状が複雑であるという問題がある。また、前記各位置に対応して前記昇降ビーム53,59を上下動するときの加減速が多く、振動を生じ易いという問題がある。
【0033】
すなわち、前記回転軸15A,15Bをより高速で回転して生産性の向上を図ろうとする場合、カム溝の形状が複雑であることにより、振動を生じ易いという問題がある。
【0034】
また、前記円盤状のカム21A,21Bに代えて、例えばエアーシリンダなどのごとき直線動作型のアクチュエータを使用して旋回軸63を回動(旋回)する場合、旋回軸63を0°〜180°の間において正逆回転する必要があり、かつ90°の位置に正確に割り出し位置決めする必要があると共に、ストローク長の大きなアクチュエータを必要とする問題がある。
【0035】
また、ロータリーアクチュエータによって旋回軸63を旋回する場合には、0°〜180°の間において正逆回転すると共に、90°の位置に正確に割り出し位置決めする必要があるという問題がある。