(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の磨耗インジケータのうちの少なくとも1つは、該インジケータの少なくとも1つの特性の変化を明示することによって適合性を示すように、前記第1の器具上に載置されており、該変化した特性は、色、形状、サイズのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
前記複数の磨耗インジケータのうちの少なくとも1つは、該インジケータの少なくとも1つの特性の変化を明示することによって治療分布を示すように、前記第1の器具上に載置されており、該変化した特性は、色、形状、サイズのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
前記適合性は、前記器具内の着色剤の放出によって、または、生分解性または溶解性ポリマーの分解によって、または、前記インジケータのサイズの損失によって示される、請求項2に記載のシステム。
第2の器具上に位置付けられたいくつかの第2の磨耗インジケータをさらに含み、該いくつかの第2の磨耗インジケータは、磨耗速度を有する第1の位置インジケータと、磨耗速度を有する第2の位置インジケータとを少なくとも含み、該第1の位置インジケータの磨耗速度と該第2の位置インジケータの磨耗速度とは、同一であり、該第1の位置インジケータは、該第2の器具上の該第2の位置インジケータとは異なる位置に配置されている、請求項1に記載のシステム。
前記複数の磨耗インジケータのうちの少なくとも1つは、該インジケータの少なくとも1つの特性の変化を明示することによって適合性を示すように、前記器具上に載置されており、該適合性は、該器具のポリマー層によって予め覆われた着色材料の露出によって示される、請求項8に記載の装置。
前記複数の磨耗インジケータのうちの少なくとも1つは、該インジケータの少なくとも1つの特性の変化を明示することによって適合性を示すように、前記器具上に載置されており、該適合性は、該器具が磨耗されている間に変化がないこと、色の変化、または、歯列矯正移動の間の機械的変形のいずれかによって示される、請求項8に記載の装置。
前記方法は、患者によって使用された後に、前記第1の磨耗インジケータと前記第2の磨耗インジケータとの比較に基づいて、第2の歯科器具上に配置されるべき第3の磨耗インジケータを決定することを含む、請求項13に記載の方法。
前記方法は、患者によって使用された後に、前記第1の磨耗インジケータまたは前記第2の磨耗インジケータと基準磨耗速度との比較に基づいて、第2の歯科器具上に配置されるべき第3の適合性インジケータを決定することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、顎16の上の歯を覆って適合するように構成される例示的取り外し可能な器具15を示す。使用インジケータ100は、患者の適合性を示すために、1本の歯の上、または器具15の上に取り付けられることができる。
【0013】
一実装では、インジケータ100は、1本の歯または器具の上の化学剤による被膜であることができる。代替として、インジケータ100は、器具の磨耗を表す電気的作用物質、光学的作用物質、または機械的作用物質であることができる。いくつかの実施形態では、インジケータ剤は、液体または水分と接触するまでは不活性である。代替として、作用物質の放出は、液体または水分によって刺激されることができる。したがって、一事例において、着用により、口腔液は作用物質を活性化し、作用物質が浸出し、適合性を示すことを可能にする。代替として、特に唾液等の口腔液は、適合性を示すために作用物質を活性化させるために浸透することができる。
【0014】
別の実施形態では、器具は、歯を覆って器具が着用される際に、口腔環境に着色剤を放出することができる。そのような機構は、作用物質を含む層を含み得る。層は、整復器具の表面の少なくとも一部を覆って形成され得る。これらの表面は、設置されると歯と接触する空洞内部の表面、および外部表面、設置されると頬および唇と接触する器具の表面の両空洞表面を含む。層は、種々の材料であり得、種々の形を取ってもよい。例えば、層は、本質的に作用物質から成ってもよい。言い換えると、作用物質は、弾性整復器具のポリマーシェルの表面に直接付着され得る。これは、噴霧、塗装、および/または浸漬等のいくつかの方法を利用して、作用物質(随意に不活性担体または希釈剤に入れた)そのものを表面に塗布することによって達成され得る。整復器具が患者の歯を覆う際、作用物質は、次いで、口腔環境に放出され得る。
【0015】
代替として、層は、器具への接着または付着を促進する、および/または作用物質が拡散または溶解によってそこから放出されることができるマトリクスを作成する、担体または結合剤中に存在する作用物質を含み得る。いくつかの実施形態では、作用物質は担体または結合剤に溶解される。この場合、作用物質は、粉末または類似の形で提供され、溶媒に溶解され得る。得られるものは、典型的には、噴霧、塗装、および/または浸漬によって、被覆またはフィルムを形成するためにシェルの表面に塗布され得る溶液であり得る。整復器具が患者の歯を覆う際、次いで、適合性表示剤がこの被覆から口腔環境へ放出され得る。放出は、担体の活性化または不活性化、または口腔液中の酵素またはタンパク質等による任意の他の放出機構によるものであり得る。または、放出は、例えば、口腔液との接触による担体の分解によるものであり得る。ある場合には、結合剤または担体は、層に塗られると表面に作用物質を残して気化し得る。これらの事例では、作用物質は、前述のように、作用物質が表面に直接付着されるのと類似の手法によって放出され得る。フッ化物材料、抗生物質、もしくは他の薬あるいは医薬品、ビタミン剤、漂白材料、および/または息清涼剤等の任意の適切な作用物質がこのように口腔環境に送達され得るということは理解されるであろう。
【0016】
別の実施形態では、作用物質は層内に封入または懸濁される。作用物質の懸濁のための一般的な材料は、ゲル、ゼリー、またはパテ等の半固体材料である。そのような材料は、噴霧、塗装、および/または浸漬によって、被覆またはフィルムを形成するためにシェルの表面に塗られ得る。ここで、すべての事例において、懸濁は、科学的な定義に限定されず、担体が作用物質を保持、含有、支持、または別様に含む任意の状態を指し得る。代替としてまたは加えて、半固体材料は、歯を受ける形状とされ、ポリマーシェルの空洞に堆積され得る。空洞は、任意の所望の水準まで充填されることができる。整復器具が歯を覆って位置づけられると、歯は空洞内の半固体材料と直接接触することになり、歯が空洞内に挿入されるにつれて、任意の余剰の材料に取って代わる。したがって、材料の器具からの過剰な流出を避ける水準まで空洞を充填することが望ましい。半固体懸濁材料を使用した作用物質の送達は、例えば、漂白治療およびフッ素治療において一般的である。しかしながら、そのような治療は、歯に整復の力をかけないトレイや一般の器具を使用して材料を適用する。整復器具を修正することによって、前述のように、歯列矯正治療はそのような作用物質の送達の間中、継続され得る。任意の作用物質、特にフッ化物材料、抗生物質、漂白材料、および息清涼剤が、口腔環境にこのように送達され得ることが理解されるであろう。
【0017】
作用物質の封入または懸濁のための別の一般的な材料は、放出制御材料である。したがって、層は、速度制御材料から成ってもよく、速度制御材料は、作用物質が層から放出される速度を制御する。放出制御または速度制御材料は、所定の量の作用物質を所定の速度で送達する。しばしば、そのような送達は、所望の治療域内の環境における作用物質の定常状態の濃度を長期間にわたって維持する。したがって、処方用量が送達され得る。加えて、送達を持続する能力は、口腔環境への用量送達のための反復適用の必要性を排除する。
【0018】
そのような放出制御材料は、前述のように、ゲル、ゼリー、またはパテ等の半固体材料として提供され得るが、これらの材料はまた、整復器具のポリマーシェルに付着された固体材料として提供され得る。放出制御材料の一種類は、ポリマーマトリクス膜を含み、その内部に微細分散された作用物質の粒子が懸濁される。作用物質は、濃度勾配にしたがってマトリクス膜を通って拡散し得る。代替としてまたは加えて、作用物質は、ポリマーマトリクス膜材料の分解によって放出され得る。いずれの事例においても、放出制御材料は、シェルの表面に積層され得るシートとして提供され得る。放出制御シートは、エラストマーポリマーと層を成し、型を覆って真空成形されて整復器具を形成し得る。放出制御材料は、材料および所望の用途に応じて、器具の内側または外側表面に存在することができるように調製され得る。または、放出制御シートは、所望の領域における作用物質の送達を供給するために、形成後、ポリマーシェルの表面に積層または接着され得る。代替として、放出制御材料は、整復器具のポリマーシェルの内部に挿入され得るタブレットまたは類似の塊として提供され得る。次いで、作用物質は、時間とともにタブレットから口腔環境内に溶出し得る。
【0019】
別の実施形態では、作用物質は、材料の気孔に保持され得、制御された速度で気孔から溶出し得る。作用物質それ自体は、材料の気孔に吸収され得、または、作用物質は、材料の気孔に吸収される担体に懸濁され得る。後者の事例では、作用物質は、拡散によっておよび/または担体材料の制御された分解によって担体から放出され得る。これは、気孔からの制御された作用物質の放出に加えて、速度制御機構を組み込み得る。記載のように、ある場合には、患者の口腔液中の酵素が放出を活性化するか、または担体材料を分解して作用物質を放出させる。作用物質は、放出方法の任意のものの組み合わせによって放出され得るということを理解されたい。
【0020】
さらなる実施形態では、整復器具それ自体のポリマーシェルは、作用物質を含む放出制御材料を含む。この場合、ポリマーシェルの少なくとも一部が放出制御材料から形成され、速度制御材料は、作用物質がシェルから放出される速度を制御する。前述のように、放出制御材料は、シートの形式で提供され得る。したがって、放出制御材料のシートは、患者の歯の型を覆って真空成形され、整復器具それ自体を形成し得る。このように、器具を形成するためには、追加的なエラストマー材料は必要とされなくてもよい。放出制御材料は、ポリマーマトリクス膜、多孔性材料、または任意の適切な材料であり得る。放出制御は、作用物質の溶出速度が歯の整復速度に対応するように設計され得る。作用物質は、歯が器具によって指定された所望の配列に達したときに完了する、整復プロセスの全体を通して溶出し得る。
【0021】
依然としてさらなる実施形態において、少なくともいくつかの整復器具に結合した放出機構は、歯を受ける空洞に加えて、器具のシェルに形成されるリザーバを含む。典型的には、速度制御膜が、リザーバを覆って配置され、速度制御膜は、リザーバから物質が放出される速度を制御する。リザーバは、作用物質または物質を送達するために、予め充填されるか、または予め装填され得る。この場合、器具は、作用物質を送達するために器具に充填する必要なしに、任意のパッケージから除去されるとすぐに挿入または使用されるために準備可能となり得る。放出機構が1回だけの送達期間のために設計される場合、器具は処方された整復期間の全体にわたって着用され得、次いで、廃棄される。放出機構が複数の送達期間のために設計される場合、リザーバは、処方された整復期間の全体にわたって、任意の回数放出されるために、作用物質を補充され得る。特に、フッ化物材料、抗生物質、漂白材料、および息清涼剤等の任意の作用物質が、このように口腔環境に送達され得るということを理解されたい。
【0022】
いくつかの例では、口腔器具のポリマーシェルの視覚特性を変化させることが望ましい場合がある。そのような器具は、歯を覆って取り外し可能に配置可能であるような形状とされた空洞を有するポリマーシェルおよびシェルの視覚特性を変化させる、シェル上またはシェル内部の材料を含む。そのような変化は、典型的には、環境の変化に対応するものである。ある場合には、視覚特性は、緑、赤、または青等の色であり、したがって、器具は、口腔環境内、または取り外された際のいずれかにおいて、着色されているか、ある一定の環境状態下において特定の色に見えることがある。記載の材料は、温度の変化に対応して色を変化させる染料であり得る。例えば、染料は、器具が口から取り外され、温度が体温(37度)から室温(25度)に変化した際に色を変化させ得る。同様に、染料は、器具が冷水で洗浄された際に色を変化させ得る。
【0023】
器具は、口腔内薬送達システムを提供するために使用されることができる。前出の作用物質に加えて、他の化合物も使用されることができる。例えば、薬で被覆された器具が、除痛医薬品を過敏な歯に送達するために使用されることができる。薬物質は、単純に、Sensodyne(登録商標)等の除痛歯磨き粉またはゲルに入れた少量の活性成分であることができる。除痛剤は、器具の表面全体にわたって分散され、比較的に長期間にわたり、患者の過敏な歯に実質的に一定の速度で送達される。
【0024】
器具は、作用物質を予め装填され、任意のパッケージから除去されるとすぐに使用されるために準備され得るが、予め充填または予め装填されていない器具は、歯を覆って器具を設置する前または直前の装填を必要とし得る。装填は、歯を受ける空洞内に作用物質を設置するステップを含み得る。前述のように、空洞は、任意の所望の水準まで充填され得る。器具は、歯を覆って位置決めされ、歯は、歯が空洞に挿入されるにつれて、空洞内において直接作用物質と接触する。代替として、装填は、歯を覆う器具の設置の直前の、器具内の作用物質放出リザーバに作用物質を設置するステップを含み得る。作用物質は、次いで、器具が歯を覆って設置されると、リザーバから口腔環境へと溶出する。溶出速度は、リザーバを周辺環境から隔離する放出制御膜によって制御され得る。装填はまた、歯を覆う器具の設置に先立って、作用物質を含む速度制御材料を器具の表面に接着するステップを含み得る。そのような材料は、作用物質の送達のために所望の領域内の器具のポリマーシェルに取り外し可能または永久的に接着されるポリマーマトリクス膜を含み得る。そして最後に、装填は、歯を覆う器具の設置の直前に、作用物質を器具上または器具内の多孔性材料に吸収させるステップを含み得る。
【0025】
作用物質を放出する機構は、前述のそのような機構の任意のものを含む、いくつかの実施形態を含み得る。典型的には、作用物質を放出する機構は、前述のように、作用物質を含む層を含み、結合するステップは、層を器具の表面の少なくとも一部に接着するステップを含む。層は、本質的に作用物質から成り、接着するステップは、器具の表面への作用物質の被覆、噴霧、浸漬、または塗装を伴い得る。したがって、予成形された器具は、患者の口の中への挿入に先立って、単純に作用物質で被覆され得る。層が担体または結合剤の上または内部に存在する作用物質を含む場合、接着するステップは、器具の表面に担体または結合剤を付加するステップを伴い得る。同様に、作用物質が層に封入される場合、層は器具の表面に付着され得る。層は、速度制御材料が、作用物質が層から放出される速度を制御する、速度制御材料のシートを含み得る。この場合、シートは、器具の表面に接着剤で接着され得る。代替として、シートは、プレス嵌めによって表面に付着され得る。シートおよび表面は、それぞれが一緒に押圧することによってスナップまたは嵌入するような形状とされ得る。例えば、シートは、形成された突起を有し得、表面は、形成されたインセットを有し得、突起は、インセット上に押圧される場合にインセットに嵌入し、シートを適切な位置に保持する。多くの例において、器具は、多孔性であり得、または治療の専門家および/または患者が、それが適切であると判断した場合にはいつでも、所望の作用物質が装填されることができるリザーバを有し得る。例えば、器具は、器具が特定の時間に作用物質を吸収することができるように、作用物質の溶液に浸漬されることができる。
【0026】
加えて、シートは、器具の表面または歯の表面または歯肉に対して嵌入するように構成される形状に予成形され得る。例えば、シートは、歯または歯肉の1つ以上の表面の形状を反映するように、特に、歯肉の辺縁に沿って予成形され得る。次いで、予成形されたシートは、シートが器具に結合され、器具が歯を覆っている場合、表面に対して保持され得る。結合するステップは、器具にシートを付加する任意の機構を伴い得る。特に、予成形されたシートは、シートの器具の表面への接着を提供し得る接着剤層をさらに含み得る。
【0027】
図1の器具を作成する材料は、導電性の充填剤、磁気充填剤、照明充填剤、圧電性充填剤、および/または感光性の充填剤等の追加的な充填剤によって補完されることができる。弾性率、電気抵抗、材料透過性、および複屈折性(材料の配向または応力の程度)等のこれらの追加的な充填剤を使用して、または使用せずに作成された器具の材料特性は、これらの特性は、構造、組織、および/または充填剤の間の空間的間隔の変化によって変わるので、照明パターンまたは特別な光源下におけるパターンは、器具が着用された後に時間が経つにつれて、変化する場合がある。例えば、充填された合成物の導電率が浸透理論にしたがって充填物の体積濃度に対応することは既知である。したがって、機械的変形または非導電性ポリマーマトリクスの熱膨張は、充填物間の平均間隔の増大、または充填物の体積濃度の低下を招き、その結果、導電率の低下となる。電気的に伝導性の充填剤の実施例は、金属、グラファイト、電気的に伝導性のポリマー、半導体、および超電導体を含む。これらの特性の変化は、適合性のためのインジケータとして使用されることができ、器具の使用によって診断されることができる。同様に、伝導性の充填剤の分離は、熱伝導率を低下させることになり、これもまた器具の使用によって測定されることができる。充填剤が反磁性体(Cu、Au、Ag等)および常磁性体(例えば、Al、Cr、Na、Ti、Zr等)等の外部からの刺激の存在下で磁気的挙動を有する場合、または強磁性体(Fe、Co、Ni等)、反強磁性体(例えば、MnO)、および強磁性体(MFe.sub.2O.sub.4)等の固有の磁気特性を呈す場合、キュリー温度より上で、ポリマーマトリクスの機械的変形による充填物の間隔の分離もまた、磁気特性の低下を招く。発光性、蛍光性、またはリン光性を示すもの等の照明充填剤による合成物の機械的変形は、照度が低下する結果となる。圧電性ファイバの曲げ変形または変位は、測定されるか、または他の電気的に駆動されるインジケータ(例えば、低電力LED光)を活性化するために使用されることができる電位をもたらすことができる。例えば、UV、IR、または可視スペクトルにおいてその吸収係数が変動するもの等の、外部電場に依存する光学特性を持つ充填剤もまた、マトリクス変形のインジケータとしての役割を果たすことができる。
【0028】
次に
図2Aを参照すると、表示付着デバイス200の実施形態が示される。表示付着デバイス200は、ポリマーウェル201を含み、ウェル201は、半透性の膜202を含む。膜202は、ウェル201と口腔環境に対する界面との間の双方向の流れを可能にする。ウェル201内には、着色材料等の材料204が提供される。
【0029】
いくつかの実施形態では、着色材料204は、着色ポリ(ビニルシロキサン)(PVS)材料等の放出可能材料である。PVS材料は、染料を保持するために使用され、膜202は、セルロースアセテート膜であることができる。当業者は、ポリエステル、ポリウレタン、エチルビニルアセテート等の他の放出可能材料が、本特許の教示をもたらすために操作されることができるということを理解するであろう。
【0030】
別の実施形態では、ウェル材料204は、酵素または口腔液からの酵素と反応するリアクターであることができる。口腔液または口腔液からの酵素がウェルに入ると、材料204は、酵素と反応して表示を提供する。代替として、pHインジケータが材料204として使用されることができる。また別の実施形態では、膜202は、PVSの代わりにシリコーンであることができる。
【0031】
別の実施形態では、ポリマーは、水溶性ポリマー、軽度に架橋したヒドロゲル、およびいくらかの限定された耐水性を示す高分子型水素結合プラスチックを含む水溶性ポリマーであることができる。天然由来の水溶性ポリマーは、スターチ、スターチ酸化物、セルロース、アルコキシル化セルロース、カルボキシアルキル化セルロース、キチン、キトサン、ペクチン、ヒアルロン酸、タンパク質、およびリグニンを含む。水溶性ポリマーは、付加/ビニル、縮合、および開環による重合を通じて合成原料から作成されることもできる。これらの種類のポリマーの実施例は、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエステル、およびポリ(アルキレン酸化物)である。生分解性ポリマーの加水分解不安定度は、口腔液の存在がポリマーの分解を促進することになるため、有利である。
【0032】
次に
図2Bを参照すると、適合性表示付加デバイス(適合性インジケータ)200の横断面図が示される。図示されるように、膜202は、放出可能材料およびまたはそこに取り囲まれる染料204を持つポリマーウェル、チャンバ、または筐体201の上部に位置決めされる。
図2Cに示されるように、所定の期間、例えば、2週間後、着色PVS材料204の一部は、表示付着デバイスの外観の変化をもたらしつつ浸出した。PVSがデバイスの内部に留まる一方で、染料は放出される。この場合、色の変化が発生することができるか、または代替として、材料の量が変化し、この場合、サイズが減少する。
【0033】
いくつかの実施形態では、適合性インジケータ200は、透明な、歯の色をした、または審美的に満足のいくポリマーリザーバウェル、チャンバ、または筐体201を有する。透明な、または透き通った半透性の膜202は、リザーバチャンバ201内部の内容物を外部口腔環境から分離する。リザーバチャンバ201内部の内容物は、適合性を監視するための全体的な戦略によって異なる。1つの実施において、内容物は、リザーバチャンバ201から膜202を通って、外部環境へと拡散する。例えば、内容物は、チャンバ201から、膜202を通って、外部口腔環境へと拡散する、FDAによって承認された可視染料であることができる。内容物が空になると、内容物の色の輝度および値は減少する。米国FDAによってヒトの食物への直接の添加が許可されている着色剤は、アナトー抽出物、ベータカロテン、ビート粉、カンタキサンチン、カラメル色素、ニンジン油、コチニール抽出物(カルミン)、綿実粉、果汁、パプリカ、リボフラビン、サフラン、ターメリック、野菜汁、FD&C青色1号(ブリリアントブルー)および2号(インジゴチン)、FD&C緑色3号(ファストグリーンFCF)、FD&C赤色3号(エリトロシン)および40号(アルラレッド)、FD&C黄色5号(タルトラジン)および6号(サンセットイエロー)を含む。FDAの食品安全・応用栄養センター(Center for Food Safety and Applied Nutrition)のウェブサイトhttp://www.cfsan.fda.gOv/.about.dms/col−toc.htmlに見られる他の食用着色剤もまた使用されることができる。
【0034】
別の実装では、外部環境からの物質が、リザーバチャンバ201の内部で拡散し、内容物204と反応する。例えば、外部環境からのグルコース分子が、膜202を通って拡散し、内容物内にある酵素と反応し、得られた酵素生成物は内容物内にある他の反応物質と相互に作用して、色の変化をもたらす。より多くのグルコース分子が拡散すると、内容物の色の輝度および値は上昇する。都合の良い酵素システムは、ブドウ糖酸化酵素およびホースラディッシュペルオキシダーゼである。第1の酵素であるブドウ糖酸化酵素は、グルコースの酸化を触媒して、グルコン酸および過酸化水素を形成する。過酸化水素は、次いで、ホースラディッシュペルオキシダーゼの触媒作用下で3−3,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)と反応して、黄色TMBを緑色に変換する。ヨウ化カリウム(緑色から茶色)等の他の着色剤が使用され得る。これらの酵素は、チャンバ内部に固定化されることができる。反応の速度、つまり色の変化は、膜202の透過性、チャンバ201内の反応物質の濃度、および送達の方法を選択することによって制御されることができる。グルコース分子の反応または濃度もまた、分光法または他の分析的試験を通じて検出されることができる。試験結果は、治療に対する適合性と相関する。
【0035】
次に
図3Aおよび
図3Bを参照すると、表示付着デバイスの別の実施形態が示される。
図3Aの実施形態では、シート300上に多孔性ポリマー材料が提供される。ポリマー材料は、1つ以上の容器304として、シート300上に配置される。容器304は、上記
図2A〜
図2Cの議論に開示されたウェルであり得る。所定の期間の使用後、ポリマー材料は、例えば、
図2B〜
図2Cのいずれかに示されるような色またはサイズに変化して、外観を変化させる。他の実装は、着色ポリマー(熱可塑性物質および熱硬化性材料の両方)および多孔性ポリマー材料と同一の適合性機構を利用した合成物を含むことができる。
【0036】
図3A〜
図3Bの適合性インジケータは、したがって、口腔液の存在下で放出される、ポリマーに封入された染料であることができる。染料は、口腔液と反応し、ポリマーから放出される着色剤であることができる。ポリマーは、モノリシック多孔性ポリマー(現在クロマトグラフィにおいて使用される)、PVS、高内相エマルジョン(HIPEポリマー、現在薬放出において使用される)、または任意のマクロ多孔質ポリマー等の多孔性ポリマーであることができる。着色ポリマーは、アライナの外部に接着されることができる小型のボタンに構成されることになる。染料の損失量は、アライナが使用された時間量に対応することになる。ポリマーの気孔のサイズおよび染料の粒子のサイズは、ボタンから口腔液環境への染料の拡散の速度に影響を及ぼし、適合性の必要に応じて、これらの要因は制御されることができる。
【0037】
多孔性ポリマーは、樹脂の重合プロセス中に「ポロゲン」を加えることによって調製される。ポロゲンは、モノマー中では可溶性であるが、形成されたポリマー中では不溶性である。重合が発生すると空間に気孔が形成され、その間にポロゲンが見られる。最も新しい種類の多孔性ポリマーは、「高内相エマルジョン」(「HIPE」)として知られる。HIPE構造は、ほんの数オングストロームの気孔径を持つ以前の多孔性材料よりもずっと大きい気孔径を有する。
【0038】
別の多孔質ポリマーは、現在クロマトグラフィで使用されているモノリシック多孔性ポリマーである。この硬質マクロ多孔質ポリマーの重合は、通常はカラムである鋳型の形をとり、そこにモノマーおよびポロゲンが注ぎ込まれる。概して、気孔の容積は、モノリスに加えられたポロゲンの量と同程度である。
【0039】
次に
図4Aおよび
図4Bを参照すると、表示付着デバイス400のボタンの実施形態が示される。本実装の形態では、生分解性ポリマー材料は、歯または歯科器具のいずれかに付着される。一定の期間使用された後、ポリマー材料は、形状またはサイズまたは色のいずれかを変化させ、
図4Bに示されるように、生分解性ポリマー材料の体積は、継続して減少する。いくつかの実施形態では、ボタンは、生分解性ポリマーボタンである。ボタンは、生分解性ポリマーから成形されることができ、外部アライナに接着されることができる。ボタンは、口腔液の継続的な存在下、2週間の分解期間等の所定の分解期間を有することになる。潜在的に、ポリマーは、ボタンの分解のより目に見える表示のために、着色されることができる。サイズおよび材料がボタンの分解期間を決定することになる。しかしながら、ボタンの最適な分解時間を決定する際には、歯磨きやアライナおよび洗浄等の他の要因が考慮に入れられなければならない。
【0040】
分解生成物は、しばしば、ポリマーの生体適合性を定義する。合成の生分解性ポリマーは、原材料の信頼性のために、天然のものよりも好まれる。以下は、一般的な生分解性ポリマーの一覧である。ポリグリコリド(PGA)、ポリラクチド(PLA)、1−ラクチド(LPLA)、ポリ(ジ−ラクチド)(DLPLA)、ポリ(.エプシロン.−カプロラクトン)(PCL)、ポリジオキセタン(PDO)、ポリ(グルコリド−コ−トリメチレン炭酸塩)(PGA−TMC)、およびポリオルトエステル。
【0041】
図5は、表示付着デバイスのまた別の実施形態を示す。本実施形態では、器具416は接着染料マトリクス412を受け取る。マトリクス412は、裏当てフィルム410を使用して、一端または両端を密閉される。マトリクス412における材料は、器具416とフィルム410との間、または2枚の裏当てフィルムの間の側面に放出されることができる。開口418は、染料の放出を促進するために、器具416の中および裏当てフィルム片面に提供され得る。一実装において、経皮パッチは、薬放出経皮パッチに類似の手段によって貼り付けられてもよい。薬を接着マトリクスの中に埋め込んだり放出したりする代わりに、染料が放出され、染料損失の機構は水分(口腔液)である。一実装において、器具磨耗適合性は、接着剤層の色によって表され、染料が失われるほど磨耗時間は長くなる。
【0042】
図6は、水溶性のフィルムを通じて磨耗の表示が達成されるまた別の実施形態を示す。本実施形態では、不透明水溶性フィルム420が、器具上または歯の上の1つ以上の着色領域、領域、スポット、またはドット422を覆うように位置決めされる。フィルムは、インジケータ(例えば、ドット)を歯磨き等の磨耗から保護するために使用されることができる、保護被覆であることができる。これらの器具は、一日のほとんどにおいて使用されることを意図し得るため、(例えば、20+数時間)、多くの状況において、インジケータの保護は、適合性の判定において役立つ場合がある。
【0043】
いくつかの実施形態では、保護被覆は、取り外し可能であることができ、器具または1つ以上の歯への使用の前および/または間に、インジケータを保護するために使用されることができる。そのような実施形態もまた、いくつかの例において適合性分析の正確性を向上させることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、ドット422は、種々の厚さのフィルム420を持つ一連の着色ドットであることができ、それぞれの露出した色は、器具磨耗時間の異なる量に対応する。実施形態では、ドット422は、器具上に印刷され、フィルム420は、器具の表面上に層状とされる。染料放出の機構は水分(口腔液)である。
【0045】
図7は、歯付着物444Aが染料放出合成物から成る別の実施形態を示す。歯に接着される染料放出合成物444Aは、器具416によって覆われることになる。時間が経つと、染料放出合成物444Aは、覆われていない歯付着物444Bにおける染料の損失と比較して、色の損失が減少するか、まったくなくなる。付着物の色は、アライナの磨耗の量と対応することになる。染料放出の機構は、本実施形態では、水分(口腔液)である。
【0046】
また別の実施では、診断用インジケータが提供されることができる。診断用インジケータは、デバイス構成において適合性インジケータと類似し、外部環境からの生体化学物質検体が、リザーバチャンバ内の内容物と反応するために膜を通って拡散することができる、内向きの拡散ストラテジを利用する。したがって、外部環境からのバイオマーカーは、膜を通って拡散し、内容物の内部の試薬と反応して、直接的または間接的に色の変化または化学物質の変化を誘起し、これは、ヒトの目または実験室試験で、またはコンピュータ視覚システムによって定量化することができる。より多くのバイオマーカーが診断用インジケータ内に拡散するにつれて、例えば、輝度および値が上昇する等、内容物の色は変化する、可能なバイオマーカーは、酵素、pH、グルコース、塩、経口フィルム、歯垢、口腔に存在し得る微生物および口腔液の量を含む。
【0047】
図8に示す実施形態では、適合性インジケータは、時間温度インジケータ480であることができる。インジケータ480は、口腔内で口(歯の上に直接、または器具470の上かいずれか)の中に設置され、インジケータが予め選択された口腔内温度環境に置かれていた時間の表示を提供する。
【0048】
図9に示すまた別の実施形態では、着色ファイバ504を有する複数のブラシ502が、器具500の上に位置づけられる。器具500を着用することにより、ブラシ502は徐々に腐食されるにつれ、ファイバ504内の染料、または他の適切な磨耗の兆候は、ヒトによる、または機械による視覚検出のために露出される。代替として、ブラシ502は、器具500の上ではなく、1つ以上の歯の上に設置されることができる。
【0049】
また別の実施形態では、適合性表示は、物理的または機械的または視覚特性をヒトによって容易に観察可能であるように変更することにより、ヒトが読めるものである。他の実施形態では、適合性表示は機械可読である。例えば、器具の着用中に器具の電気的特性を変更する一実施形態では、適合性を検出するための電気計測が、コンピュータによって行われることができる。バイオマーカーを使用する別の実施形態では、バイオマーカーセンサを持つコンピュータが、適切なコンピュータプログラムとともに適合性を検出するために使用されることができる。また別の実施形態では、適合性を検出するために、コンピュータ視覚プログラムによって色の変化が検出されることができる。
【0050】
それぞれのコンピュータプログラムは、本明細書に記載の手順を実施するために、記憶媒体またはデバイスがコンピュータによって読み込まれる際、コンピュータの動作を設定し制御するために、汎用または特殊用途のプログラム可能なコンピュータによって可読な、機械可読記憶媒体またはデバイス(例えば、プログラムメモリまたは磁気ディスク)に有形的に保存される。発明的なシステムは、コンピュータ可読記憶媒体に具体化され、コンピュータプログラムを用いて構成されると考えられ得、そのように構成される記憶媒体が、特定のおよび所定の手段において、本明細書に記載の機能を実施するために、コンピュータを動作させる。
【0051】
システムおよび対応する発明を実施するための形態の一部が、コンピュータメモリ内のデータビット上のソフトウェアまたはアルゴリズムおよび命令表示で提供される。これらの記述および表現は、それによって当業者がその作業の内容を効果的に当業者に伝えるものである。アルゴリズム、とは、本明細書で使用される場合、および概して使用される場合、所望の結果をもたらす首尾一貫した連続するステップを想起させる。ステップとは、物理量の物理的操作を必要とするもののことである。通常、必須ではないが、これらの量は、記録、転送、組み合わせ、比較、および操作されることが可能な光学信号、電気信号、または磁気信号の形をとる。時に、大抵は一般的な使用の理由のために、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、キャラクタ、用語、番号等と呼ぶことが便宜的であるということが証明されている。
【0052】
しかしながら、これらのおよび類似の用語のすべては、適切な物理量に関連し、単に便宜的標示がこれらの量に適用されるということに留意されたい。具体的に別途記載されない限り、または議論から明白であるように、「処理する」「演算する」「計算する」「判定する」または「表示する」等の用語は、コンピュータシステムの作用および処理、または類似の電子コンピュータデバイスを示し、これはコンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の、物理量、電子量として示されるデータを処理し、コンピュータシステムメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報ストレージ、伝送、または標示デバイスの内部の、同様に物理量として示される他のデータに変換する。
【0053】
図10は、歯の治療のプロセスの種々の段階において使用されるためのいくつかの器具を示す。
図10は、1つのシステムにおいていくつかのインジケータが器具の上に設置されることができることを図示する。図解される実施形態では、3種類のインジケータ1090(インジケータA型)、1091(インジケータB型)、および1092(インジケータC型)が各段階1015−1、1015−2、および1015−3において使用される。いくつかの実施形態では、より多いかより少ないインジケータが各段階において使用されることができ、段階の数はより多いかより少なく、各段階の数におけるインジケータの数は異なってもよく、および/またはインジケータの種類は異なり得る。
【0054】
本明細書に記載のように、磨耗インジケータは、小さな層状のディスクであることができ、これは、いくつかの層、種々の実施形態では、特にいくつかの形状および型の中でも、から成ることができる。例えば、いくつかの実施形態では、磨耗インジケータは、結合層、活性インジケータ層、および保護層等の3つの層を含むことができる。そのような実施形態では、例えば、構造の中でも特に、結合層が内部表面上、活性インジケータ層(例えば、磨耗層)が中間、および保護層が外側表面上とすることができる。
【0055】
例えば、結合層は、生体適合性感圧接着(例えば、アクリル系、シリコーン、および/またはポリイソブテン)から成ることができ、これはインジケータのアライナ表面、または他の適切な表面への接着を可能にする。例えば、磨耗層は、FD&C(FDAによって承認された)の「アルミニウムレーキ」染料と混合された水溶性ポリマー(例えば、高分子量ポリビニルアルコール)から成ることができ、これは他の材料の中でも特に、ある期間の色の浸出を可能にする。
【0056】
これらの材料の濃縮および/または他の材料の使用は、いくつかの異なる磨耗速度を提供するために利用することができる。これらのインジケータの磨耗速度は、患者間で標準化されることができない可能性があるが、これらのインジケータの磨耗速度は、互いに所定のものであることができる。そのような実施形態では、種々の磨耗速度のインジケータが互いに利用されることができる。器具の使用中に、関連付けられた磨耗性材料が磨耗するため、そのような磨耗インジケータは、適合性インジケータとして、または治療分配装置(例えば、本明細書に記載のように作用物質を分配するため)として使用されることができる。
【0057】
これらの磨耗速度は、例えば、磨耗インジケータを均一の反応物質(例えば、インジケータを変化させる材料)に暴露することによって確立されることができる。インジケータに対する変化の期間は測定されることができ、したがって、同様に試験される他のインジケータに対して期待される変化の量を設定するために使用されることができる。
【0058】
例えば、保護層は、歯磨き、頬および/または舌の接触、および/または他の外部の力から活性インジケータ層を保護する、フィルム(例えば、透明)であることができる。いくつかの実施形態では、保護層は、輸送中または適用中にインジケータを保護するために使用されることができ、いくつかの実施形態では、着用中におよび/または適用の前または間において取り外し可能であることができる。
【0059】
図10に図示される実施形態では、患者は、治療の専門家の指示のように使用するために、段階1、2、および3で器具を与えられることができる。一定の期間後、患者は検査のために器具を返却する。いったん検査されると、治療の専門家は、1つ以上の器具上の1つ以上のインジケータによって示される磨耗の量に基づいて、患者の治療のために次に続く段階のための適切なインジケータを選択することができる。
【0060】
図10の実施形態では、適合性インジケータまたは治療分配の磨耗速度を調整するために、3つの磨耗インジケータが使用された。異なる種類の磨耗インジケータが使用されることは、例えば、患者ごとに非常に大きい磨耗速度の偏差を有する場合がある多数の患者集団を含む可能性のある範囲の磨耗速度を含むために有益であり得る。
【0061】
例えば、当初の試験では、それぞれの患者の口腔環境には多くの偏差および差異がある場合があることが判明し、したがって、1種類の磨耗インジケータが、あらゆる人物における所望の着用期間に十分耐えそうにないことがある。磨耗層の磨耗速度を決定する磨耗の種類のいくつかの例は、基準の中でも特に、産出される唾液の量、1つ以上の歯の生体構造または場所、唾液の組成、患者の睡眠傾向の分析、液体消費量、および消費される1つ以上の種類の液体を含む群から選択される要因のうちの1つに基づいて決定される。
【0062】
いくつかの実施形態では、どれが患者の適合性および生理学的プロファイルを最もよく表しているかを判断するために、患者は、当初は広範な種類の磨耗インジケータを利用することができる。患者は、次いで、インジケータの1つ以上の種類を継続して使用することができ、それらの適合性は、当初のインジケータの磨耗に基づいて決定されるそれぞれの個々の患者の所定の基準速度に基づいて評価されることができる。このように、その患者に関する磨耗速度が理解される場合、1つ以上の磨耗インジケータが、歯列矯正プログラムに対する患者の適合性のインジケータとして使用されることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、同一の種類の複数の磨耗インジケータが、器具上の種々の位置において利用されることができる。そのような配列は、磨耗インジケータが適合性のために、および/または治療分配のために使用される場合、以下に詳述されるように、設置のさらなる正確性のために使用されることができる。異なる設置位置の実施例は、例えば、頬側と舌側の位置、臼歯と前歯、歯肉と咬合の位置、および/またはそのような位置の他の比較、あるいは前述のものに加えて、もしくはその代わりの他の適切な位置を含む。
【0064】
例えば、いくつかの実施形態では、歯列矯正治療を監視するためのシステムは、第1の1つ以上の歯を覆って設置する器具を含むことができる。この器具は、少なくとも1つの磨耗速度を有する第1の位置インジケータ(すなわち、口内の位置の適合性を分析するための使用される磨耗インジケータ)と、1つの磨耗速度を有する第2の位置インジケータを含む複数の磨耗インジケータを含むことができ、第1および第2の位置インジケータの磨耗速度は同一であり、第1の位置インジケータは、第2の位置インジケータとは異なる第1の器具上の位置に設置される。いくつかの実施形態では、第2の器具上の第3の磨耗インジケータの位置は、第1の器具上の、特に頬側、舌側、臼歯、前歯、歯肉、および/または咬合から選択される位置に位置づけられる第1および第2のインジケータの分析に基づいて決定される。
【0065】
治療分配装置の実施形態では、磨耗インジケータは、特定の患者に対する適した治療分配のための磨耗速度を決定するために使用されることができる。これは、いくつかの例において、投薬量が特定の患者のニーズにより効果的に合うようにすることを可能にする。これは、例えば、一定の期間後、磨耗インジケータを再検討し、その期間においてどのインジケータが最も効果的に磨耗したか(例えば、最も長い磨耗、最も均一な磨耗等)評価することによって達成することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、一定の期間後の磨耗インジケータの検査によって、治療の適した分配のための適切な場所がどこかを判定するために、および観察された磨耗に基づいて、どの1つ以上の場所が適切であるかの判定のために、異なるインジケータの位置が使用されることもできる。いくつかの例では、磨耗インジケータは、そのような判定のために、同一の磨耗速度を有し得る。
【0067】
適合性の分析は、当初のインジケータによって提供された情報に基づいた任意の適切な手段によって達成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、次に続く歯科器具上に設置される適合性インジケータの種類の判定は、器具が患者によって所定の期間使用された後に、2つ以上の適合性インジケータの比較に基づくことができる。そのような実施形態では、当初のインジケータは、例えば、次に続く段階で使用されるインジケータと比較されることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、次に続く歯科器具上に設置される適合性インジケータの種類の判定は、器具が患者によって使用された後に、1つ以上の適合性インジケータと基準磨耗速度との比較に基づくことができる。そのような実施形態では、基準は当初のインジケータによって提供された情報に基づいて決定される。
【0069】
図11は、器具インジケータの磨耗の種々の組み合わせの意味を表す表を示す。
図11において、表は、器具上のそれぞれのインジケータの磨耗(例えば、インジケータ1090(インジケータA型)、1091(インジケータB型)、および1092(
図10のインジケータC型))を提供する列1193を含む。
図11の実施例では、インジケータCは、最も早く磨耗するように設計され、インジケータBは、インジケータCよりもゆっくりと、しかしインジケータAよりも早く磨耗するように設計され、インジケータAは、最も遅く磨耗するように設計される。
【0070】
いくつかの実施形態では、インジケータの位置が利用されない場合がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、この情報は、最も多い/最も少ない磨耗が測定されることができる位置、またはどの種類のインジケータが、特定の患者の適合性を判定するために、および/または治療分配のために最もよく機能するか等の、種々の目的のために利用され得る。例えば、
図11の実施形態では、右下のインジケータは、インジケータA型1090を表し、左下のインジケータは、インジケータB型1091を表し、上のインジケータは、
図10のインジケータC型1092を表す。
【0071】
例えば、表のいちばん上の行において、上のインジケータは濃い青、左は濃い青、および右は薄い青である。したがって、上および左のインジケータが変化せず、右のインジケータが変化しているため、この特定の患者の監視および/または治療分配のためには、右のインジケータが良い選択となる。右のインジケータは
図10のインジケータA型1090に対応し、したがって、列1194の行1の指示は、退色しつつある基準色(例えば、薄い青)により、Aインジケータが使用されることになることを表す。
【0072】
表のいちばん上の行の一連のインジケータ結果は、この患者によって経験された磨耗が軽度であることを表す。前述のように、これは、種々の問題に起因する可能性がある。しかしながら、この行が選択された場合、この表は、どの種類のインジケータを追加的な段階に提供するか、および/またはどの種類の基準がこの患者に使用されるべきかに関する方向を提供するために使用されることができる。
【0073】
図11の表の2番目の行において、上のインジケータは濃い青、左は濃い青、および右は白である。したがって、上記の実施例と同様に、上と左のインジケータが変化せず、右のインジケータが変化したため、この特定の患者の監視および/または治療分配のためには右のインジケータが良い選択となる。繰り返すが、
図11の実施形態では、右のインジケータが
図10のインジケータA型1090に対応し、したがって、列1194の行2の指示は、退色しつつある基準色(例えば、薄い青)により、Aインジケータが使用されることになることを表す。
【0074】
図11の表の第3行目において、上のインジケータは濃い青、左は薄い青、および右は白である。この種類のインジケータ配列では、上が依然として濃く、右は白(例えば、インジケータが過度に磨耗していることを示す)、依然としていくらかの磨耗残りがあるため、この特定の患者の監視および/または治療分配のためには、右のインジケータが良い選択となる。
図11の実施形態では、右のインジケータが
図10のインジケータB型1091に対応し、したがって、列1194の行3の指示は、退色しつつある基準色(例えば、薄い青)により、Bインジケータが使用されることになることを表す。
【0075】
図11の表は、当初のインジケータの使用に基づいたインジケータの選択についてのいくらかの推奨を提供するが、治療の専門家は、特定のインジケータの種類を選択する際に、自らの判断を使用し得る。いくつかのそのような実施形態では、インジケータAは、次に続く器具における使用のために指定され得る。しかしながら、いくつかの例では、インジケータは、治療の専門家による検査の期間よりもずっと早く磨耗し、したがって、適合性および/または治療分配のための期限が概算されなければならないと考えられる。
【0076】
治療の専門家はまた、いくつかの例において、インジケータCを使用することを選択することができる。しかしながら、このインジケータは検査の間の期間中になんらの変化も表さない場合があり、したがって、適合性が判明されることができない場合がある。
【0077】
図11の表の第4行目において、上のインジケータは濃い青、左は白、右は白である。この種類のインジケータ配列では、上が依然として濃く、左と右が白(例えば、インジケータが過度に磨耗していることを表す)であるため、この特定の患者の監視および/または治療分配のためには、左のインジケータが良い選択となる。これは、
図11の表で示される実施形態では、インジケータB型1091がインジケータA型1090よりも遅い磨耗速度を有し、したがって、インジケータA型1090よりも長く耐用されることになるためである。したがって、列1194の行4の指示は、基準色がなし(例えば、白)であることにより、Bインジケータが使用されることになることを表す。
【0078】
図11の表の第5行目において、上のインジケータは薄い青、左は白、右は白である。この種類のインジケータ配列では、いくらかの磨耗残りがあることを示す上が唯一のインジケータであるため、したがって、依然としていくらかの磨耗残りがあるため、この特定の患者の監視および/または治療分配のためには、上のインジケータが良い選択となる。
図11の実施形態では、上のインジケータが
図10のインジケータC型1092に対応し、したがって、列1194の行5の指示は、退色しつつある基準色(例えば、薄い青)により、Cインジケータが使用されることになることを表す。
【0079】
図11の表の最後の行において、すべてのインジケータは白である。この種類のインジケータ配列では、すべてのインジケータが白(例えば、インジケータが過度に磨耗していることを表す)であるため、これが最も遅く磨耗するため、この特定の患者の監視および/または治療分配のためには、上のインジケータが良い選択となる。これは、
図11の表で示される実施形態では、インジケータC型1092が、インジケータ1090および1091(インジケータA型およびB型)のどちらよりも遅い磨耗速度を有し、したがって、インジケータ1090および1091(インジケータA型およびB型)よりも長く耐用されることになるためである。
【0080】
したがって、列1194の行6の指示は、基準がなし(例えば、白)であることにより、Cインジケータが使用されることになることを表す。この最後の一連の結果は、1つ以上のよりゆっくりと磨耗するインジケータが、これらのインジケータがいくらかの磨耗残りを有するかどうか識別するために使用されるべきであることを示し得る。そのようなゆっくりと磨耗するインジケータは、例えば、1つ以上の次に続く段階において提供されることができる。
【0081】
前述のように、
図11に図示される実施形態では、実施形態は複数のインジケータ(例えば、
図11の3つ)を含む。特定の順序で図示されているが、インジケータは任意の適切な順序または位置に位置決めされることができる。
【0082】
いくつかのそのような実施形態では、例えば、1つ以上の歯を覆って設置する器具が提供されることができ、複数の磨耗インジケータ(例えば、少なくとも第1の磨耗速度を有する第1の磨耗インジケータと、第1とは異なる第2の磨耗速度を有する第2の磨耗インジケータを含む)がそれとともに利用されることができる。例えば、インジケータは、噴霧、形成、接着、または別様に器具に貼付されるか、または器具とともに提供されることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、3つ以上のインジケータの使用は、患者による適合性および/または治療分配のための期間において、より大きな多様性を提供することができる。例えば、それぞれ異なる磨耗速度を有する複数のインジケータは、治療の専門家が、デバイスの使用の量をより正確に突き止めることを可能にする。
【0084】
例えば、1つのインジケータは5日後に完全に磨耗し、第2は10日後に完全に磨耗し、第3は15日後に完全に磨耗することができる。そのような実施形態では、治療の専門家は、それぞれのインジケータの磨耗パターンの個別の本質により、どのくらいの使用が患者によって行われたかをより正確に理解することができる。
【0085】
いくつかのそのような実施形態では、システムは、適合性および/または行われた治療分配の量インジケータの少なくとも1つの特性における変化を明示することによって示すために、器具上に取り付けられた1つ以上の複数の磨耗インジケータを含むことができる。例えば、変化した特性は、特に色、形状、および/またはサイズである。いくつかの実施形態では、適合性および/または分配は、変化がないことによって表されることができる。
【0086】
歯列矯正治療の適合性を監視するための装置は、1つ以上の歯を覆って着用されるように構成される器具と、適合性を示すために器具上に取り付けられた適合性インジケータを含む。
図12は、本開示の実施形態による、離型剤容器を有する器具を示す。
図12は、離型剤容器は、他の種類の歯科器具の中でも特に、歯の治療のためのアライナ等の器具1215上に(例えば、上に設置、上に加工)提供することができることを図示する。
【0087】
図12の実施形態では、離型剤容器は、内側部分1252が外側部分1250の内部に提供された、外器具の表面1248上に提供された側部1250および開口1254を含む。いくつかの実施形態では、内側部分1252は、外側部分1250の内部に封入されることができる。
【0088】
種々の実施形態では、外側部分は、例えば、適切な材料の中でも特に、ポリマーおよび/または硬化性材料(例えば、紫外硬化性アクリル系)によって提供されることができる。適切な材料の他の実施例は、適切な材料の中でも特に、紫外アクリル材料、エポキシ材料、ウレタン材料、ゴム材料、エチレン酢酸ビニル材料、エラストマー材料、プラスチック材料、および/またはシリコーン材料等の材料を含むがこれに限定されない。
【0089】
内側部分1252は、離型剤容器の活性部として利用されることができ、内側部分は染料、顔料、または他のインジケータ材料等の活性成分、および/または治療のために使用されることができる材料を有する。そのような実施形態では、これらの容器は、適合性表示の機能を有する限り、適合性インジケータとよばれることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、活性成分は、ポリマーまたは他の適切な種類の材料に埋め込まれることができる。ポリマーおよびそのような他の材料は、例えば、活性成分が放出または浸出する速度は、活性成分が埋め込まれている種類のポリマーまたはそのような他の材料によって制御され得るため、そのような実施形態では、有用であることができる。
【0091】
離型剤容器の内側部分における材料の放出を促進するために、1つ以上の開口1254が、外側部分1250を通って、および内側部分1252の表面に提供されることができる。いくつかの実施形態では、開口1254は、外側部分1250を通って、一部または全部の内側部分1252を通って、および/または器具1215の表面1248に近接した外側部分1250の中へ、またはこれを通って提供されることができる。種々の実施形態では、1つ以上の開口のサイズおよび/または形状は、材料の内側部分1252からの放出の量、速度、方向、および/または他の特性を変更するように調節されることができる。
【0092】
1つ以上の開口は、任意の適切な手段によって形成されることができる。
例えば、いくつかの実施形態では、開口は、水分、より具体的には唾液が、内側部分の中の活性成分と相互に作用しあうことができるように、硬化した接着剤を穿孔されることができる。いくつかの実施形態では、開口は、器具の他の部分の形成中形成されることができる(いくつかの実施形態では、例えば、器具および離型剤容器が一体的に形成される)。
【0093】
活性成分は、口腔の表示、診断、および/または治療において使用するための、任意の適切な原料であることができ、また、任意の適切な手段によって放出されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、活性材料の溶解の機構および放出は、患者の口からの水分を通じて行われることができる。活性成分の適切な例は、適合性インジケータにおいてはFD&C青色染料であるが、しかしながら、そのような実施例は本開示の実施形態を限定するものであると見なされるべきではない。
【0094】
いくつかの実施形態では、
図13に図示されるように、離型剤容器は、器具の表面に形成されるか、一体的に結合されることができる。いくつかの実施形態では、離型剤容器は、器具の表面に接着されるか、非一体的に結合されることができる。
【0095】
そのような実施形態では、例えば、生体適合性感圧接着材(例えば、アクリル系、シリコーン、および/またはポリイソブテン)から成ることができる結合材料が使用されることができ、これは離型剤容器のアライナ表面への、または他の適切な表面への接着を可能にする。
【0096】
いくつかの実施形態では、適合性インジケータは、磨耗インジケータであることができる。本明細書に記載のように、種々の材料の使用は、いくつかの異なる磨耗速度を提供するために利用されることができる。磨耗材料は、例えば、FD&C(FDAによって承認された)の「アルミニウムレーキ」染料と混合された水溶性ポリマー(例えば、高分子量ポリビニルアルコール)から成ることができ、これは他の材料の中でも特に、ある期間の色の浸出を可能にする。
【0097】
これらのインジケータの磨耗速度は、患者間で標準化されることができない可能性があるが、これらのインジケータの磨耗速度は、互いに所定のものであることができる。そのような実施形態では、種々の磨耗速度のインジケータが互いに利用されることができる。
【0098】
そのような磨耗インジケータは、器具の使用中に、磨耗インジケータに関連付けられた磨耗性材料が磨耗するため、適合性インジケータとして、または治療分配装置(例えば、本明細書に記載のように作用物質を分配するため)として使用されることができる。この磨耗は、例えば、前述のように、水分との相互作用を通じて産生されることができる。
【0099】
そのような磨耗速度は、例えば、磨耗インジケータを均一の反応物質(例えば、インジケータを変化させる材料)に暴露することによって確立されることができる。インジケータに対する変化の期間は測定されることができ、したがって、同様に試験される他のインジケータに対して期待される変化の量を設定するために使用されることができる。
【0100】
例えば、染料は、特定の経年磨耗パターンを有し得、これは、均一であっても、経年によって増加、減少、または変化し得る。インジケータによって提供される磨耗の表示が、インジケータ内で使用される特定の材料の磨耗パターンのどこにあるかに基づいて、そのような速度が決定され、器具の使用が算出されることができる。
【0101】
磨耗層の磨耗速度を決定するために使用されることができる磨耗の種類のいくつかの実施例は、基準の中でも特に、産出される唾液の量、1つ以上の歯の生体構造または場所、唾液の組成、患者の睡眠傾向の分析、液体消費量、および消費される1つ以上の種類の液体を含む群から選択される要因のうちの1つに基づいて決定される。適合性の分析は、当初のインジケータによって提供された情報に基づいた任意の適切な手段によって達成されることができる。
【0102】
図13は、
図12の実施形態の離型剤容器の切り取り側面斜視図を示す。
図13の実施形態では、離型剤容器は、内側部分1352が外側部分1350の内部に提供された、器具の表面1348上に提供された外側部分1350、および開口1354を含む。いくつかの実施形態では、内側部分1352は、外側部分1350の内部に封入され、封入が行われた後に開口が形成されることができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、器具1348は、離型剤容器の少なくとも1つの特性における変化を明示することによって適合性および/または行われた治療分配の量を示すために、器具1348上に取り付けられた1つ以上の離型剤容器を含むことができる。例えば、変化した特性は、特に色、形状、および/またはサイズである。いくつかの実施形態では、適合性および/または分配は、変化がないことによって表されることができる。
【0104】
離型剤容器の内側部分における材料の放出を促進するために、前述のように、1つ以上の開口1354が、外側部分1350を通って、および内側部分1352の表面に提供されることができる。いくつかの実施形態では、開口1354は、外側部分1350を通って、いくつかの、またはすべての内側部分1352を通って、および/または器具1315の表面1348に近接した外側部分1350の中へ、またはこれを通って提供されることができる。
【0105】
いくつかの実施形態は、器具の一部または全部の厚さを通じて開口を継続させる場合がある。そのような実施形態は、内側部分1352からの材料が、器具1315の内部の開口1354の上または近くに位置づけられた患者の歯および/または歯肉と相互に作用することを可能にする。種々の実施形態において、1つ以上の開口のサイズおよび/または形状は、材料の内側部分1352からの放出の量、速度、方向、および/または他の特性を変更するように調節されることができる。
【0106】
本明細書において特定の実施形態が図示され説明されたが、同一技術を実現するために算出された任意の配列が、示される実施形態を代用することができるということは、当業者であれば理解するであろう。本開示は、本開示の種々の実施形態の任意のおよびすべての適応または変形を網羅することを意図する。
「1つの(a)」、「1つの(an)」、「1つ以上の」、「多くの」または「少なくとも1つの」の用語の使用は、すべて1つ以上の項目が認められるという意味に解釈されることを理解されたい。加えて、上記の記述は、説明となるようになされたものであり、制限的なものではないということを理解されたい。上記の実施形態の組み合わせ、および本明細書に具体的に記載されない他の実施形態は、上記の記述を閲覧することにより当業者に明白となろう。
【0107】
本開示の種々の実施形態の範囲は、上記の構造および方法が使用される任意の他の用途を含む。したがって、本開示の種々の実施形態の範囲は、そのような請求項に与えられるあらゆる同等物に加え、添付の請求項を参照して決定されるべきである。
【0108】
前述の発明を実施するための形態において、種々の特徴は、本開示の合理化を目的として単一の実施形態に集合される。開示の本方法は、本開示の実施形態が、各請求項に明確に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものであると解釈されない。
【0109】
むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、開示された単一の実施形態の全部の特徴に存在するわけではない。したがって、以下の請求項は本明細書の発明を実施するための形態に組み込まれ、それぞれの請求項は個別の実施形態として自立する。
【0110】
前述の明細書において用いられた用語および表現は、制限のためではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、本明細書に示され記載されるか、またはその一部である特徴の同等物を除外する意図はなく、本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ定義され制限されるものであると理解される。例えば、フィルムまたは器具が適合性測定の機構として開示されたが、液滴もまた、適合性表示物質を患者に送達するために使用されることができる。
【0111】
適合性表示のための他の実施形態が使用されることもできる。一方、特定の本発明の実施形態は、本明細書において説明を目的として記載され、本発明を逸脱することなく添付の請求項に定義されるとおり、多数の変形例が作成され得るということは、当業者には明白となろう。