(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施の形態は、血液検体の塗抹標本を作製する臨床検体処理装置に本発明を適用したものである。本実施の形態に係る臨床検体処理装置は、塗抹標本作製装置と搬送装置を備えている。なお、塗抹標本の作製の要否は、通常、前段の血液分析装置等による血液検体の分析結果に基づいて判断される。塗抹標本の作製を行う場合、血液検体を収容した検体容器を保持する検体ラックが、搬送装置にセットされる。しかる後、この検体ラックが搬送装置により搬送され、塗抹標本作製装置により塗抹標本が作製される。
【0022】
以下、本実施の形態に係る臨床検体処理装置について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、臨床検体処理装置1の構成を示す斜視図である。臨床検体処理装置1は、塗抹標本作製装置2と搬送装置3を備えている。なお、以下、X軸正方向を左方向、X軸負方
向を右方向、Y軸正方向を後方、Y軸負方向を前方、Z軸正方向を上方向、Z軸負方向を下方向と称する。
【0024】
塗抹標本作製装置2は、カバーの前面にタッチパネルからなる表示操作部2aを備えている。また、塗抹標本作製装置2のカバーの右上と、左上と、前面には、それぞれ、開口2b、2c、2dが形成されている。また、塗抹標本作製装置2は、開口2dを介して検体容器Tを保持するためのハンド部41aを備えている。ユーザは、表示操作部2aを操作することにより塗抹標本作製装置2を制御し、開口2bを介して後述するカセット収容部47(
図2参照)にカセット20をセットし、開口2cを介して後述するカセット保管部51(
図2参照)に保管されているカセット20を取り出すことができる。
【0025】
また、塗抹標本作製装置2には、後述する染色部50にて使用される染色液等を収容するボトル101〜105が接続されている。本実施の形態では、ボトル101〜105には、それぞれ、メタノールと、メイグリュンワルド液(染色液)と、ギムザ液(染色液)と、リン酸緩衝液(希釈液)と、標本洗浄用の水が収容されている。さらに、塗抹標本作製装置2には、メタノールを収容するための2つのチャンバ(第1メタノールチャンバ111と第2メタノールチャンバ112)が接続されている。
【0026】
なお、塗抹標本作製装置2には、第1メタノールチャンバ111と第2メタノールチャンバ112以外にも、
図5に示すように、第1染色液チャンバ121と、第2染色液チャンバ122と、染色液チャンバ131と、希釈液チャンバ143と、第1混合チャンバ151と、第2混合チャンバ152と、廃液チャンバ165が接続されている。
【0027】
搬送装置3は、塗抹標本作製装置2の前面に設置されており、搬入部3aと取り出し部3bを有している。搬送装置3は、搬入部3aに位置付けられた検体ラックLを取り出し部3bまで搬送する。検体容器Tは、ハンド部41aの前方に位置付けられると、ハンド部41aにより抜き出され、塗抹標本作製装置2内に引き込まれる。
【0028】
図2は、塗抹標本作製装置2を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【0029】
塗抹標本作製装置2は、吸引分注機構部41と、スライドガラス供給部42と、スライドガラス横送り部43と、塗抹機構部44と、塗抹乾燥部45と、印字部46と、カセット収容部47と、カセット横送り部48と、カセット回転部49と、染色部50と、カセット保管部51と、を備えている。
【0030】
吸引分注機構部41は、ハンド部41aと、ピアサ(吸引針)41bと、分注ピペット41cを有している。ハンド部41aの前方に位置付けられた検体容器Tは、ハンド部41aにより把持されて検体ラックLから抜き出される。そして、この検体容器Tに収容された血液検体は、ピアサ41bにより吸引され、左右に移動可能な分注ピペット41cにより、塗抹機構部44の前方に位置付けられたスライドガラス10に滴下される。
【0031】
スライドガラス供給部42は、複数の新しいスライドガラス10を保持しており、これら新しいスライドガラス10を、順次スライドガラス横送り部43上まで移動させる。スライドガラス横送り部43は、スライドガラス供給部42から供給された新しいスライドガラス10を左方向に移動させて、塗抹機構部44の前方に位置付ける。
【0032】
塗抹機構部44は、前方に位置付けられたスライドガラス10に血液検体が滴下されると、この血液検体を塗抹する。塗抹された血液検体を含むスライドガラス10は、スライドガラス横送り部43により、右方向に移動され、順次、塗抹乾燥部45の前方と、印字部46の真下位置に位置付けられる。塗抹乾燥部45は、塗抹乾燥部45の前方に位置付
けられたスライドガラス10に塗抹された血液検体を、ファン(図示せず)により乾燥させる。印字部46は、プリンタ(図示せず)からなり、スライドガラス10の端部に、検体番号、日付、受付番号、氏名などを印字する。
【0033】
カセット収容部47は、前方に移動可能なベルト47aと、ベルト47aの前端と後端の近傍に配され発光部と受光部からなる透過型のセンサ47sを有している。ユーザは、開口2b(
図1参照)を介してベルト47a上に空のカセット20をセットすることができる。ベルト47aにセットされた空のカセット20は、ベルト47aが動くことにより前方に搬送される。センサ47sは、ベルト47a上にカセット20があるか否かを検出する。
【0034】
図3(a)、(b)は、カセット20の構成を示す斜視図である。なお、
図3(a)、(b)には、カセット20がベルト47aに載置されたときの
図2の座標軸が併せて示されている。
【0035】
図3(a)を参照して、カセット20は、樹脂からなり、収容部20eにスライドガラス10を収容することができるよう、Y軸方向に厚みを有している。カセット20の上部には、仕切り部20cで左右に仕切られた収納口20a、20bが形成されている。仕切り部20cの下方向には、仕切り部20dが設置されており、カセット20の内部には、収容部20eが形成されている。カセット20の左右には、鍔部20f、20gが形成されており、鍔部20f、20gの下面が、下側から支持されることにより、
図2のベルト47a上に載置される。カセット20の下方には、底部20hが形成されている。スライドガラス10は、収納口20aを介して、上側から挿入される。
【0036】
図3(b)は、カセット20にスライドガラス10が収容された状態を示す斜視図である。
図3(b)に示すようにスライドガラス10が収容されると、収容部20eのうち、仕切り部20c、20dよりも右側の領域に隙間が生じる。かかる隙間により、スライドガラス10がカセット20に収容された状態でも、収納口20bを介してピペットが挿入可能となる。
【0037】
図2に戻り、カセット横送り部48は、カセット支持部48aと、左右に移動可能なベルト48bと、発光部と受光部からなる透過型のセンサ48sを有している。カセット支持部48aは、ベルト48bに固定されており、カセット20の底部20hを上方向に支持するよう構成されている。カセット収容部47の前方に位置付けられた空のカセット20は、カセット支持部48aに支持されて、カセット回転部49の前方まで左方向に搬送される。センサ48sは、カセット回転部49の前方に配されており、カセット支持部48aに支持されカセット回転部49の前方に位置付けられたカセット20にスライドガラス10が収容されているか否かを検出する。
【0038】
カセット回転部49は、平面49aを有している。平面49aは、X−Y平面に平行な状態とX−Z平面に平行な状態とに回転するよう構成されている。カセット回転部49は、カセット回転部49の前方に位置付けられた空のカセット20を受け取り、印字部46から押し出されたスライドガラス10をカセット20内に受け取る。続いて、平面49a上のスライドガラス10を収容するカセット20は、カセット横送り部48のカセット支持部48aに移動される。しかる後、このカセット20は、カセット横送り部48により左方向に搬送され、染色部50の前方に位置付けられる。
【0039】
染色部50は、送り込み機構部50aと、後方に移動可能なベルト50bと、メタノール処理機構部Mと、染色処理機構部D1〜D3と、洗浄処理機構部Wと、送り出し機構部50cを有する。各処理機構部は、分注ピペットMa、D1a、D2a、D3a、Waと
、回収ピペットD1b、D2b、D3b、Wbと、センサMs、D1s、D2s、D3s、Wsと、を含んでいる。
【0040】
センサMsは、発光部と受光部からなる透過型のセンサであり、メタノール処理機構部Mによる処理が行われる位置Mp(カセット横送り部48の左端位置)にカセット20が位置付けられたことを検出する。センサD1s、D2s、D3s、Wsは、接触型のセンサであり、それぞれ、染色処理機構部D1、D2、D3、水洗処理機構部Wによる処理が行われる位置D1p、D2p、D3p、Wpにカセット20が位置付けられたことを検出する。
【0041】
センサMsによりカセット20が検出されると、メタノール処理機構部Mの分注ピペットMaを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内にメタノールが分注(吐出)される。このとき、カセット20は、カセット横送り部48のカセット支持部48aに支持されている。しかる後に、このカセット20は、送り込み機構部50aにより、ベルト50b上に送り込まれる。
【0042】
送り込み機構部50aによりベルト50b上に送り込まれたカセット20は、ベルト50bに鍔部20f、20gが支持される。この状態で、ベルト50bが動くことにより、カセット20は後方に搬送される。
【0043】
センサD1sによりカセット20が検出されると、染色処理機構部D1の回収ピペットD1bを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内のメタノールが回収(吸引)される。そして、図示しないファンによりスライドガラス10上の塗抹標本が乾燥させられる。こうして、メタノールによる塗抹標本の固定(定着)が終了する。しかる後、分注ピペットD1aを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内にメイグリュンワルド液が分注(吐出)される。そして、このカセット20は、ベルト50bにより後方に搬送される。
【0044】
センサD2sによりカセット20が検出されると、染色処理機構部D2の回収ピペットD2bを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内のメイグリュンワルド液が回収(吸引)される。そして、分注ピペットD2aを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内にメイグリュンワルド希釈液が分注(吐出)される。しかる後、このカセット20は、ベルト50bにより後方に搬送される。なお、メイグリュンワルド希釈液とは、ボトル102のメイグリュンワルド液と、ボトル104の希釈液との混合液である。
【0045】
センサD3sによりカセット20が検出されると、染色処理機構部D3の回収ピペットD3bを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内のメイグリュンワルド希釈液が回収(吸引)される。そして、分注ピペットD3aを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内にギムザ希釈液が分注(吐出)される。しかる後、このカセット20は、ベルト50bにより後方に搬送される。なお、ギムザ希釈液とは、ボトル103のギムザ液と、ボトル104の希釈液との混合液である。
【0046】
センサWsによりカセット20が検出されると、洗浄処理機構部Wの回収ピペットWbを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内のギムザ希釈液が回収(吸引)される。そして、分注ピペットWaを介して、カセット20の収納口20bから収容部20e内に標本洗浄用の水が分注(吐出)される。そして、回収ピペットWbを介して、カセット20の収容部20e内の標本洗浄用の水が回収(吸引)される。しかる後、このカセット20は、ベルト50bにより後方に搬送される。
【0047】
ベルト50bの後方に搬送されたカセット20は、送り出し機構部50cによって、左方向に送り出される。これにより、カセット20は、カセット保管部51の後方に位置付けられる。
【0048】
カセット保管部51は、送り込み機構部51aと、前方に移動可能なベルト51bを有する。送り出し機構部50cから送り出されたカセット20は、送り込み機構部51aにより、ベルト51b上に送り込まれる。ベルト51b上に送り込まれたカセット20は、ベルト51bが動くことにより、前方に搬送される。ベルト51bの前方に位置付けられたカセット20は、開口2c(
図1参照)を介してユーザにより取り出される。こうして、塗抹標本の作製が終了する。なお、カセット保管部51に回収されたカセット20は、開口2c(
図1参照)を介してユーザに取り出された後、開口2b(
図1参照)を介して再びカセット収容部47にセットされる。
【0049】
次に、
図4を参照して、染色部50(メタノール処理機構部Mと、染色処理機構部D1〜D3と、洗浄処理機構部W)の動作を説明する。なお、メタノール処理機構部Mと、染色処理機構部D2、D3と、洗浄処理機構部Wの動作は、染色処理機構部D1と略同様である。
【0050】
図4(a)〜(c)は、染色処理機構部D1をY軸正方向に見た時の側面図である。染色処理機構部D1は、
図2に示した分注ピペットD1aと回収ピペットD1bに加え、基板D11と、ストッパD12と、支持部材D13と、把持部D14を有する。
【0051】
図4(a)を参照して、基板D11は、塗抹標本作製装置2内に固定されている。ストッパD12は、基板D11に対して上下(Z軸方向)に移動可能な金属板であり、ストッパD12の前面(Y軸負方向側の面)には、
図2に示したセンサD1sが設置されている。分注ピペットD1aと、回収ピペットD1bと、把持部D14は、支持部材D13と一体となって上下に移動可能となるよう構成されている。
【0052】
図4(a)の状態において、ベルト50bに支持されて後方に搬送されるカセット20は、後方側の面がストッパD12に当接して停止する。このときのカセット20は、
図2の位置D1pに位置付けられ、センサD1sにより、カセット20の到来が検出される。この状態で、支持部材D13が下方向に移動され、分注ピペットD1aと回収ピペットD1bの先端部が、
図4(b)に示す如く、カセット20の収容部20e内に位置付けられる。
【0053】
続いて、
図4(b)の状態で、カセット20内のメタノールが回収ピペットD1bにより回収される。そして、カセット20内のスライドガラス10が把持部D14により把持されて、カセット20から上方向に引き上げられる。この状態で、図示しないファンによりスライドガラス10が乾燥され、しかる後、スライドガラス10がカセット20内に戻される。このとき、分注ピペットD1aを介してカセット20内にメイグリュンワルド液が分注される。そして、支持部材D13とストッパD12が上方向に移動し、
図4(c)の状態において、カセット20がベルト50bにより、後方へ搬送される。
【0054】
なお、メタノール処理機構部Mは、
図4のストッパD12と回収ピペットD1bに相当する構成を有していない。メタノール処理機構部Mでは、位置Mp(
図2参照)に位置付けられたカセット20に収容されるスライドガラス10は、
図4の把持部D14に相当する把持部により上方向に引き上げられた後、分注ピペットMaを介してカセット20にメタノールが分注される。そして、上方向に引き上げられたスライドガラス10は再びカセット20内に戻される。しかる後、このカセット20は、送り込み機構部50aによりベルト50b上に送り込まれる。
【0055】
また、染色処理機構部D2と、染色処理機構部D3と、洗浄処理機構部Wは、
図4の把持部D14に相当する構成を有していない。染色処理機構部D2と、染色処理機構部D3と、洗浄処理機構部Wでは、それぞれ、位置D2p、D3p、Wpに位置付けられたカセット20にスライドガラス10が収容された状態で、染色液等の分注と回収が行われる。
【0056】
カセット保管部51に回収されたカセット20は、再びカセット収容部47にセットされる。このように、カセット20が繰り返し使用されると、カセット20への染色液の付着が進む。そこで、本実施の形態の塗抹標本作製装置2では、上記染色処理とは別に、メタノールをカセット20内に分注することにより、カセット20内の洗浄が行われる。
【0057】
この場合、カセット収容部47に収容されている空のカセット20が、染色部50に搬送される。そして、位置Mpにおいて、分注ピペットMaにより、このカセット20内にメタノールが分注され、位置D1pにおいて、回収ピペットD1bにより、このカセット20内のメタノールが回収される。これにより、カセット20内に付着した染色液が洗浄される。
【0058】
なお、カセット20内の洗浄処理においては、分注ピペットMaによるメタノールの分注と、回収ピペットD1bによるメタノールの回収のみが行われる。すなわち、カセット20は、位置D2p、D3p、Wpにてストッパにより止められることなく、後方に移動される。
【0059】
また、カセット20内の洗浄処理において、分注ピペットMaによりカセット20内に分注されるメタノールの液面は、上記染色処理において、分注ピペットMaによりカセット20内に分注されるメタノールの液面と同じ高さとされる。すなわち、カセット20内の洗浄処理の場合に分注されるメタノールの量は、上記染色処理の場合に分注されるメタノールの量よりも、スライドガラス10の浸かっている体積分だけ多い。これにより、カセット20の洗浄時において、カセット20内に付着している染色液にメタノールが接触するため、確実に洗浄が行われ得る。
【0060】
図5は、塗抹標本作製装置2の流体回路図の概要を示す図である。
【0061】
塗抹標本作製装置2には、
図1に示したボトル101〜104と、第1メタノールチャンバ111と、第2メタノールチャンバ112に加えて、第1染色液チャンバ121と、第2染色液チャンバ122と、染色液チャンバ131と、希釈液チャンバ143と、第1混合チャンバ151と、第2混合チャンバ152と、廃液チャンバ165が接続されるよう流路が形成されている。なお、
図5では、洗浄用の水を収容するボトル105と、分注ピペットWaと、回収ピペットWbと、これらに対応する流路等の図示が、便宜上、省略されている。
【0062】
また、流路には、図示の如く、バルブv11〜v17、v18a、v18b、v19、v20〜v28、v29a、v29b、v30a、v30b、v31〜v34、v35a、v35b、v41a〜v43a、v41b〜v43b、v51a、v51b、v52a、v52b、v53〜v56が接続されている。各バルブが開放状態または遮断状態に設定されることにより、このバルブを介して染色液等が通過可能または通過不可能な状態となる。さらに、流路には、図示の如く、圧力を調節するための圧力調節器113〜115、123〜125、127、132、133、141、144、146、161、163、166と、一定量の染色液等を吸引および排出する機能を有するダイアフラムポンプ116、126、128、134、142、145、147、162、164が接続されている。
【0063】
図6を参照して、第1メタノールチャンバ111は、内部にフロートスイッチ111aが設けられたタンク111bによって構成されている。フロートスイッチ111aは、浮き部材111cと、浮き部材111cを上下方向に移動可能に支持する支持棒111dから構成されている。浮き部材111cの内部には、磁石111eが埋め込まれている。浮き部材111cは、タンク111b内の液面に応じて上下方向に移動し、磁石111eは液面高さに位置付けられている。支持棒111dの上下方向の所定位置(以下、「基準位置」という)には、磁気検知型のリードスイッチ111fが埋め込まれている。
【0064】
タンク111b内の液面が基準位置に位置付けられると、リードスイッチ111fがオン状態となる。また、タンク111b内の液面が基準位置にないと、リードスイッチ111fがオフ状態となる。これにより、第1メタノールチャンバ111内に、規定量のメタノールが貯留されているかが判別される。
【0065】
なお、第2メタノールチャンバ112と、第1染色液チャンバ121と、第2染色液チャンバ122と、染色液チャンバ131と、希釈液チャンバ143と、廃液チャンバ165についても、第1メタノールチャンバ111と同様の構造を有しており、内部にフロートスイッチが設けられている。また、各チャンバの貯留する液体の規定量はそれぞれ個別に設定されており、これに応じて、リードスイッチがオン状態となる基準位置が個別に設定されている。
【0066】
図5に戻り、第1メタノールチャンバ111に、ボトル101からメタノールが供給される場合、まず、バルブv12〜v16が遮断状態とされ、バルブv11が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器113により第1メタノールチャンバ111内が減圧される。これにより、ボトル101に収容されているメタノールが、第1メタノールチャンバ111に供給される。
【0067】
第2メタノールチャンバ112に、ボトル101からメタノールが供給される場合、まず、バルブv11、v13、v17、v19が遮断状態とされ、バルブv12が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器114により第2メタノールチャンバ112内が減圧される。これにより、ボトル101に収容されているメタノールが、第2メタノールチャンバ112に供給される。
【0068】
第1メタノールチャンバ111に貯留されているメタノールが、分注ピペットMaからカセット20に分注される場合、まず、バルブv11、v14、v15、v17、v18bが遮断状態とされ、バルブv16、v18aが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器115によりダイアフラムポンプ116内が減圧される。これにより、第1メタノールチャンバ111に貯留されているメタノールが、ダイアフラムポンプ116内に一定量吸引される。続いて、バルブv18aが遮断状態とされ、バルブv18bが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器115によりダイアフラムポンプ116内が加圧される。これにより、ダイアフラムポンプ116内のメタノールが、分注ピペットMaからカセット20に分注される。
【0069】
第2メタノールチャンバ112に貯留されているメタノールが、分注ピペットMaからカセット20に分注される場合、まず、バルブv12、v16、v18b、v19が遮断状態とされ、バルブv17、v18aが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器115によりダイアフラムポンプ116内が減圧される。これにより、第2メタノールチャンバ112に貯留されているメタノールが、ダイアフラムポンプ116内に一定量吸引される。続いて、上記第1メタノールチャンバ111の場合と同様にして、ダイアフラムポンプ116内のメタノールが、分注ピペットMaからカセット20に分注される。
【0070】
カセット20に収容されているメタノールが、回収ピペットD1bを介して第1メタノールチャンバ111に回収される場合、バルブv11、v14、v16が遮断状態とされ、バルブv15が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器113により第1メタノールチャンバ111内が減圧される。これにより、回収ピペットD1bから吸引されたメタノールが、第1メタノールチャンバ111に回収される。
【0071】
第1メタノールチャンバ111に貯留されているメタノールが排出される場合、バルブv11、v15、v16が遮断状態とされ、バルブv14が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器113により第1メタノールチャンバ111内が加圧される。これにより、第1メタノールチャンバ111に貯留されているメタノールが排出される。
【0072】
次に、第1染色液チャンバ121に、ボトル102から染色液としてのメイグリュンワルド液が供給される場合、まず、バルブv22〜v24、v26、v27が遮断状態とされ、バルブv20、v21が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器123により第1染色液チャンバ121内が減圧される。これにより、ボトル102に収容されているメイグリュンワルド液が、第1染色液チャンバ121に供給される。
【0073】
第2染色液チャンバ122に、ボトル102からメイグリュンワルド液が供給される場合、まず、バルブv21、v23、v25、v28が遮断状態とされ、バルブv20、v22が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器124により第2染色液チャンバ122内が減圧される。これにより、ボトル102に収容されているメイグリュンワルド液が、第2染色液チャンバ122に供給される。
【0074】
第1染色液チャンバ121に貯留されているメイグリュンワルド液が、分注ピペットD1aからカセット20に分注される場合、まず、バルブv21、v24、v26、v28、v29b、v30aが遮断状態とされ、バルブv27、v29aが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器125によりダイアフラムポンプ126内が減圧される。これにより、第1染色液チャンバ121に貯留されているメイグリュンワルド液が、ダイアフラムポンプ126内に一定量吸引される。続いて、バルブv29aが遮断状態とされ、バルブv29bが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器125によりダイアフラムポンプ126内が加圧される。これにより、ダイアフラムポンプ126内のメイグリュンワルド液が、分注ピペットD1aからカセット20に分注される。
【0075】
第2染色液チャンバ122に貯留されているメイグリュンワルド液が、分注ピペットD1aからカセット20に分注される場合、まず、バルブv22、v25、v27、v29b、v30aが遮断状態とされ、バルブv28、v29aが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器125によりダイアフラムポンプ126内が減圧される。これにより、第2染色液チャンバ122に貯留されているメイグリュンワルド液が、ダイアフラムポンプ126内に一定量吸引される。続いて、上記第1染色液チャンバ121の場合と同様にして、ダイアフラムポンプ126内のメイグリュンワルド液が、分注ピペットD1aからカセット20に分注される。
【0076】
カセット20に収容されているメイグリュンワルド液が、回収ピペットD2bを介して第1染色液チャンバ121に回収される場合、バルブv21、v24、v27が遮断状態とされ、バルブv26が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器123により第1染色液チャンバ121内が減圧される。これにより、回収ピペットD2bから吸引されたメイグリュンワルド液が、第1染色液チャンバ121に回収される。
【0077】
第1染色液チャンバ121に貯留されているメイグリュンワルド液が、第1混合チャン
バ151に供給される場合、まず、バルブv21、v24、v26、v28、v29a、v30bが遮断状態とされ、バルブv27、v30aが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器127によりダイアフラムポンプ128内が減圧される。これにより、第1染色液チャンバ121に貯留されているメイグリュンワルド液が、ダイアフラムポンプ128内に一定量吸引される。続いて、バルブv30aが遮断状態とされ、バルブv30bが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器127によりダイアフラムポンプ128内が加圧される。これにより、ダイアフラムポンプ128内のメイグリュンワルド液が、第1混合チャンバ151に供給される。なお、第1混合チャンバ151には、チャンバ内の圧力が外気圧と同じになるよう開口が設けられている。
【0078】
第2染色液チャンバ122に貯留されているメイグリュンワルド液が、第1混合チャンバ151に供給される場合、まず、バルブv22、v25、v27、v29a、v30bが遮断状態とされ、バルブv28、v30aが開放状態とされる。この状態で、圧力調節器127によりダイアフラムポンプ128内が減圧される。これにより、第2染色液チャンバ122に貯留されているメイグリュンワルド液が、ダイアフラムポンプ128内に一定量吸引される。続いて、第1染色液チャンバ121の場合と同様にして、ダイアフラムポンプ128内のメイグリュンワルド液が、第1混合チャンバ151に供給される。
【0079】
第1染色液チャンバ121に貯留されているメイグリュンワルド液が排出される場合、バルブv21、v25〜v27が遮断状態とされ、バルブv24が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器123により第1染色液チャンバ121内が加圧される。これにより、第1染色液チャンバ121に貯留されているメイグリュンワルド液が排出される。
【0080】
第2染色液チャンバ122に貯留されているメイグリュンワルド液が排出される場合、バルブv22、v24、v28が遮断状態とされ、バルブv25が開放状態とされる。この状態で、圧力調節器124により第2染色液チャンバ122内が加圧される。これにより、第2染色液チャンバ122に貯留されているメイグリュンワルド液が排出される。
【0081】
上記と同様、対応するバルブ、圧力調節器、ダイアフラムポンプを制御することにより、染色液チャンバ131に、ボトル103からギムザ液(染色液)が供給され、染色液チャンバ131に貯留されているギムザ液が、第2混合チャンバ152に供給され、希釈液チャンバ143に、ボトル104からリン酸緩衝液(希釈液)が供給され、希釈液チャンバ143に貯留されている希釈液が、第1混合チャンバ151に供給され、希釈液チャンバ143に貯留されている希釈液が、第2混合チャンバ152に供給される。
【0082】
第1混合チャンバ151では、第1染色液チャンバ121または第2染色液チャンバ122から供給されたメイグリュンワルド液と、希釈液チャンバ143から供給された希釈液とが混合される。これにより、第1混合チャンバ151内にメイグリュンワルド希釈液が生成される。第2混合チャンバ152では、染色液チャンバ131から供給されたギムザ液と、希釈液チャンバ143から供給された希釈液とが混合される。これにより、第2混合チャンバ152内にギムザ希釈液が生成される。
【0083】
対応するバルブ、圧力調節器、ダイアフラムポンプを制御することにより、第1混合チャンバ151に貯留されているメイグリュンワルド希釈液が、分注ピペットD2aからカセット20に分注され、第2混合チャンバ152に貯留されているギムザ希釈液が、分注ピペットD3aからカセット20に分注される。また、カセット20に収容されているメイグリュンワルド希釈液が、回収ピペットD3bを介して廃液チャンバ165に回収され、第1混合チャンバ151に貯留されているメイグリュンワルド希釈液が、廃液チャンバ165に供給され、第2混合チャンバ152に貯留されているギムザ希釈液が、廃液チャンバ165に供給される。バルブv53〜v56と圧力調節器166を制御することによ
り、廃液チャンバ165に貯留されている染色液等が排出される。
【0084】
なお、カセット20に収容されているギムザ希釈液は、上記と同様にして、図示しないチャンバと、ダイアフラムポンプと、バルブにより、回収ピペットWbを介して回収される。また、ボトル105に収容されている洗浄用の水は、上記と同様にして、図示しないチャンバと、ダイアフラムポンプと、バルブにより、分注ピペットWaを介してカセット20に分注され、回収ピペットWbを介して回収される。
【0085】
このように、ボトル101〜105に収容される染色液等を、流路を介して分注ピペットMa、D1a〜D3a、Waによりカセット20に分注することができる。また、回収ピペットD1b〜D3b、Wbによりカセット20から吸引された染色液等を、流路を介して対応するチャンバに回収することができる。また、各チャンバに貯留されている染色液等を、流路を介して排出することができる。
【0086】
図7は、塗抹標本作製装置2と搬送装置3の構成の概要を示す図である。
【0087】
塗抹標本作製装置2は、制御部201と、記憶部202と、駆動部203と、センサ部204と、液体移送部205と、通信部206と、表示操作部2aを備えている。
【0088】
制御部201は、記憶部202に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、塗抹標本作製装置2の各部を制御する。記憶部202は、ハードディスク等の記憶装置からなり、塗抹標本作製装置2を動作させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。
【0089】
また、記憶部202には、後述するように、メタノールの再利用回数を示す再利用カウンタRkと、再利用回数の上限を示す閾値回数R0と、メタノールの回収回数を示す回収カウンタCkと、回収回数の上限を示す閾値回数C0とが記憶されている。これら回数については、追って
図10(b)、
図12(b)、
図14を参照して説明する。
【0090】
駆動部203は、吸引分注機構部41と、スライドガラス供給部42と、スライドガラス横送り部43と、塗抹機構部44と、塗抹乾燥部45と、印字部46と、カセット収容部47と、カセット横送り部48と、カセット回転部49と、染色部50と、カセット保管部51と、塗抹標本作製装置2内の各部を駆動させるための機構を含んでおり、制御部201により制御される。
【0091】
センサ部204は、メタノール処理機構部MのセンサMsと、染色処理機構部D1〜D3のセンサD1s〜D3sと、水洗処理機構部WのセンサWsを含んでいる。また、センサ部204は、第1メタノールチャンバ111のリードスイッチ111fと、他のチャンバに設置された同様のリードスイッチを含んでいる。センサ部204に含まれる各センサは、制御部201により制御され、センサ部204の検出信号は、制御部201に出力される。
【0092】
液体移送部205は、圧力調節器113〜115、123〜125、127、132、133、141、144、146、161、163、166と、バルブv11〜v17、v18a、v18b、v19、v20〜v28、v29a、v29b、v30a、v30b、v31〜v34、v35a、v35b、v41a〜v43a、v41b〜v43b、v51a、v51b、v52a、v52b、v53〜v56を含んでいる。液体移送部205に含まれる各部は、制御部201により制御されている。
【0093】
表示操作部2aは、
図1に示したように、表示機能と入力機能が一体となったタッチパ
ネルである。ユーザにより表示操作部2aが操作されると、制御部201に操作内容を示す信号が出力される。また、制御部201により、表示操作部2aに各種情報が表示される。通信部206は、搬送装置3の通信部304との間でデータ通信を行う。
【0094】
搬送装置3は、制御部301と、駆動部302と、センサ部303と、通信部304を備えている。制御部301は、搬送装置3内の各部を制御する。駆動部302は、搬送装置3内の各部を駆動させるための機構を含んでおり、制御部301により制御される。センサ部303は、搬送装置3内のセンサを含んでおり、制御部301により制御され、センサ部303の検出信号は、制御部301に出力される。通信部304は、塗抹標本作製装置2の通信部206との間でデータ通信を行う。
【0095】
図8は、塗抹標本作製装置2の処理を示すフローチャートである。
【0096】
制御部201は、ユーザにより、表示操作部2aに表示される標本作製開始ボタン401、カセット洗浄開始ボタン402またはシャットダウン開始ボタン501の何れかのボタンが押下されると、押下されたボタンに応じた処理を実行する。
【0097】
図9(a)は、表示操作部2aに表示されるスタート設定画面400を示す図である。スタート設定画面400には、標本作製開始ボタン401とカセット洗浄開始ボタン402が配されている。
図9(b)は、表示操作部2aに表示されるシャットダウン設定画面500を示す図である。シャットダウン設定画面500には、シャットダウン開始ボタン501が配されている。なお、ユーザは、表示操作部2aを操作することにより、適宜、スタート設定画面400とシャットダウン設定画面500を表示させることができる。
【0098】
図8に戻り、制御部201は、標本作製開始ボタン401が押下されたと判定すると(S11:YES)、“塗抹標本作製処理”を実行する(S12)。制御部201は、カセット洗浄開始ボタン402が押下されたと判定すると(S12:NO、S13:YES)、“カセット洗浄処理”を実行する(S14)。制御部201は、シャットダウン開始ボタン501が押下されたと判定すると(S11:NO、S13:NO、S15:YES)、塗抹標本作製装置2のシャットダウン処理を行う。“塗抹標本作製処理”と“カセット洗浄処理”については、それぞれ、
図10(a)および
図12(a)を参照して説明する。なお、制御部201は、塗抹標本作製処理(S12)を実行している間、「塗抹標本作製処理中です」というメッセージを表示操作部2aに表示する。一方、カセット洗浄処理(S14)を実行している間、制御部201は、「カセット洗浄処理中です」というメッセージを表示操作部2aに表示する。これにより、操作者以外の者であっても、塗抹標本作製装置2の表示操作部2aの表示を確認することで、装置が現在実行している処理が何かを容易に把握することができる。
【0099】
また、標本作製開始ボタン401が選択されて塗抹標本作製処理(S12)が実行されている間、カセット洗浄開始ボタン402は選択できないように無効化される。一方、カセット洗浄開始ボタン402が選択されてカセット洗浄処理(S14)が実行されている間、標本作製開始ボタン401は選択できないように無効化される。このように、一方の処理中に他方の処理が割り込まないようにすることで、染色液が付着したカセット20と洗浄済みのカセット20とがカセット保管部51に混在してしまうことを防止することができる。また、誤操作によって処理が中断されてしまうことも防止することができる。
【0100】
図10(a)は、塗抹標本作製処理を示すフローチャートである。
【0101】
制御部201は、ハンド部41a(
図1参照)の前方に位置付けられた検体を吸引して、塗抹処理を行う(S121)。すなわち、制御部201は、吸引した検体から塗抹標本
を作製し、この塗抹標本をカセット20に収容して、位置Mpに位置付ける。続いて、制御部201は、位置Mpに位置付けられたカセット20に対して、染色部50による染色処理を行い(S122)、カセット保管部51まで搬送する。
【0102】
次に、制御部201は、全ての検体に対して標本作製(S121、S122)が終了したかを判定する(S123)。全ての検体に対して標本作製が終了していないと(S123:NO)、制御部201は、処理をS121に戻し、後続の検体について順次標本作製を行う。他方、全ての検体に対して標本作製が終了すると(S123:YES)、塗抹標本作製処理が終了する。
【0103】
ここで、本実施の形態の染色処理では、第1メタノールチャンバ111から分注ピペットMaを介してカセット20に分注されたメタノールは、回収ピペットD1bを介して再び第1メタノールチャンバ111に回収され、再び分注ピペットMaによる分注に利用される。
【0104】
図10(b)は、本実施の形態の染色処理におけるメタノールの分注処理を示すフローチャートである。
【0105】
分注処理が開始されると、制御部201は、カセット20が位置Mpに到達するのを待つ(S201)。カセット20が位置Mpに到達すると(S201:YES)、制御部201は、第1メタノールチャンバ111からカセット20にメタノールを分注し(S202)、再利用カウンタRkに1を加算する(S203)。再利用カウンタRkは、記憶部202に記憶されており、塗抹標本作製装置2の初回起動時に予めリセットされている。続いて、制御部201は、再利用カウンタRkが予め設定された閾値回数R0に到達したかを判定する(S204)。閾値回数R0は記憶部202に記憶されている。
【0106】
なお、カセット20に分注されたメタノールは、位置D1pにおいて、カセット20から第1メタノールチャンバ111に回収される。このため、分注処理が進むにつれて、第1メタノールチャンバ111内のメタノールが徐々に汚れる。メタノールの回収処理については、追って
図13(a)を参照して説明する。
【0107】
再利用カウンタRkが閾値回数R0に到達していないと(S204:NO)、制御部201は、処理をS201に戻し、S201以降の処理を繰り返す。こうして、再利用カウンタRkが閾値回数R0に到達するまで、第1メタノールチャンバ111からメタノールがカセット20に分注される。本実施の形態では、閾値回数R0がユーザにより設定可能とされている。閾値回数R0は、第1メタノールチャンバ111内のメタノールを新たなメタノールに交換するための指標となるものである。
【0108】
図11(a)は、閾値回数R0の設定処理を示すフローチャートである。
【0109】
制御部201は、ユーザにより閾値回数設定画面600の表示指示を受け付けると(S301:YES)、閾値回数設定画面600を表示操作部2a(
図1参照)に表示させる(S302)。
【0110】
図11(b)は、表示操作部2aに表示される閾値回数設定画面600を示す図である。閾値回数設定画面600には、入力領域601と、OKボタン602と、キャンセルボタン603が配されている。入力領域601は、ユーザにより1〜20の数字を入力することが可能な領域である。入力領域601には、上下方向のボタンが含まれており、ユーザにより上方向のボタンが押下されると、入力領域601内の数字が増加し、下方向のボタンが押下されると、入力領域601内の数字が減少する。なお、閾値回数R0には初期
値として20が設定されている。
【0111】
ユーザによりOKボタン602が押下されると(S303:YES)、制御部201は、入力領域601に入力された数値を、記憶部202に記憶されている閾値回数R0に上書きし(S304)、閾値回数設定画面600を閉じ、キャンセルボタン603が押下されると(S303:NO、S305:YES)、入力領域601に入力された値を破棄して、閾値回数設定画面600を閉じる。
【0112】
図10(b)に戻り、再利用カウンタRkが閾値回数R0に到達すると(S204:YES)、制御部201は、分注処理と並行して、第1メタノールチャンバ111のメタノールを新たなメタノールに交換するための処理を開始する(S205)。制御部201は、第1メタノールチャンバ111の交換処理が終了すると、再利用カウンタRkをリセットし(S206)、処理をS201に戻す。こうして、メタノール交換後の新たな分注処理が開始される。
【0113】
図12(a)は、カセット洗浄処理を示すフローチャートである。
【0114】
図9のカセット洗浄開始ボタン402が押されると、制御部201は、カセット収容部47に収容されているカセット20を、カセット保管部51に向けて搬送する(S141)。このとき、カセット収容部47に収容されているカセット20は、まず、ベルト47aにより前方に搬送され、カセット横送り部48のカセット支持部48aに支持される。続いて、カセット支持部48aに支持されたカセット20は、カセット回転部49の前方に位置付けられる。ここで、制御部201は、センサ48sにより、このカセット20にスライドガラス10が収容されているか否かを判定する(S142)。
【0115】
カセット20内にスライドガラス10がないと(S142:YES)、制御部201は、このカセット20に対して洗浄処理を行う(S143)。すなわち、上述したように、位置Mpに位置付けられたカセット20に対して、分注ピペットMaによりメタノールが分注され、位置D1pに位置付けられたカセット20に対して、回収ピペットD1bによりメタノールが回収される。洗浄処理が終了したカセット20は、カセット保管部51まで搬送される。他方、カセット20内にスライドガラス10があると(S142:NO)、洗浄処理が行われず、このカセット20は染色部50のベルト50bにより後方に搬送され、カセット保管部51まで搬送される。
【0116】
次に、制御部201は、全てのカセット20に対して洗浄(S141〜S143)が終了したかを判定する(S144)。かかる判定では、センサ47sにより、カセット20が検知されなければYESとされ、カセット20が検知されればNOとされる。全てのカセット20に対して洗浄が終了していないと(S144:NO)、制御部201は、処理をS141に戻し、後続のカセット20について順次洗浄を行う。他方、全てのカセット20に対して洗浄が終了すると(S144:YES)、カセット洗浄処理が終了する。
【0117】
ここで、本実施の形態の洗浄処理では、第1メタノールチャンバ111から分注ピペットMaを介してカセット20に分注されたメタノールは、上記塗抹標本作製処理の場合と同様、回収ピペットD1bを介して再び第1メタノールチャンバ111に回収され、再び分注ピペットMaによる分注に利用される。
【0118】
図12(b)は、本実施の形態の洗浄処理におけるメタノールの分注処理を示すフローチャートである。
【0119】
分注処理が開始されると、制御部201は、カセット20が位置Mpに到達するのを待
つ(S401)。カセット20が位置Mpに到達すると(S401:YES)、制御部201は、第1メタノールチャンバ111からカセット20にメタノールを分注し(S402)、再利用カウンタRkに1を加算する(S403)。なお、染色動作の後、カセット20の洗浄動作が開始された場合は、
図10(b)のS403にてカウントアップされた再利用カウンタRkに対してS403によるカウントアップが為される。続いて、制御部201は、再利用カウンタRkが予め設定された閾値回数R0に到達したかを判定する(S204)。再利用カウンタRkと閾値回数R0は、上記染色処理時の分注処理(
図10(b))で用いられるRk、R0と同じである。
【0120】
なお、この場合も、カセット20に分注されたメタノールは、位置D1pにおいて、カセット20から第1メタノールチャンバ111に回収される。このため、分注処理が進むにつれて、第1メタノールチャンバ111内のメタノールが徐々に汚れる。メタノールの回収は、
図13(a)の回収処理に従って行われる。
【0121】
再利用カウンタRkが閾値回数R0に到達していないと(S404:NO)、制御部201は、処理をS401に戻し、S401以降の処理を繰り返す。こうして、再利用カウンタRkが閾値回数R0に到達するまで、第1メタノールチャンバ111からメタノールがカセット20に分注される。
【0122】
次に、再利用カウンタRkが閾値回数R0に到達すると(S404:YES)、制御部201は、分注処理と並行して、第1メタノールチャンバ111のメタノールを新たなメタノールに交換するための処理を開始し(S405)、回収カウンタCkのカウントを開始する(S406)。回収カウンタCkは、記憶部202に記憶されている。メタノールの交換処理については、追って
図14を参照して説明する。また、回収カウンタCkのカウント処理については、追って
図13(b)を参照して説明する。
【0123】
しかる後、制御部201は、カセット20が位置Mpに到達するのを待つ(S407)。カセット20が位置Mpに到達すると(S407:YES)、制御部201は、第1メタノールチャンバ111に替えて第2メタノールチャンバ112からカセット20にメタノールを分注する(S408)。このように、メタノールの交換処理が開始されると、カセット20への分注に用いられるメタノールチャンバが、第1メタノールチャンバ111から第2メタノールチャンバ112に切り替えられる。
【0124】
次に、第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの交換が完了したかを判別する(S409)。第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの交換が完了していないと(S409:NO)、制御部201は処理をS407に戻す。こうして、第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの交換が完了するまで、第2メタノールチャンバ112からメタノールがカセット20に分注される。なお、このように第2メタノールチャンバ112からメタノールが分注される場合も、
図13(a)の回収処理が行われ、カセット20から第1メタノールチャンバ111にメタノールが回収される。第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの交換が完了すると(S409:YES)、制御部201は、再利用カウンタRkをリセットし(S410)、処理をS401に戻す。こうして、メタノール交換後の新たな分注処理が開始される。
【0125】
図13(a)は、メタノールの回収処理を示すフローチャートである。
【0126】
制御部201は、カセット20が位置D1pに到達するのを待つ(S501)。カセット20が位置D1pに到達すると(S501:YES)、制御部201は、カセット20から第1メタノールチャンバ111にメタノールを回収する(S502)。次に、制御部201は、第1メタノールチャンバ111の液面が基準位置を超えているかを判定し(S
503)、液面が基準位置を超えていると(S503:YES)、第1メタノールチャンバ111の液面が基準位置になるまで第1メタノールチャンバ111からメタノールを排出する(S504)。その後、制御部201は、S501に戻って、次のカセット20が位置D1pに到達するのを待つ。こうして、カセット20に分注されたメタノールは全て第1メタノールチャンバ111に回収される。このため、第2メタノールチャンバ112内のメタノールは常に未使用の新しい状態に保たれる。
【0127】
図13(b)は、回収カウンタCkのカウント処理を示すフローチャートである。
【0128】
図12(b)のS406において回収カウンタCkのカウント処理が開始されると、制御部201は、回収カウンタCkをリセットする(S511)。そして、
図13(a)の処理によりカセット20から第1メタノールチャンバ111にメタノールが回収されると、制御部201は、回収カウンタCkに1を加算する(S513)。かかるカウント処理は、回収カウンタCkのカウント処理が中止されるまで行われる(S514)。回収カウンタCkのカウント処理の中止は、
図14のS602において行われる。
【0129】
図14は、第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの交換処理を示すフローチャートである。
【0130】
図12のS405においてメタノールの交換処理が開始されると、制御部201は、回収カウンタCkが閾値回数C0に到達するのを待つ(S601)。閾値回数C0は、記憶部202に予め記憶された値である。回収カウンタCkが閾値回数C0に到達すると(S601:YES)、制御部201は、回収カウンタCkのカウントを中止し(S602)、第1メタノールチャンバ111内のメタノールを全て排出し(S603)、その後、ボトル101から、第1メタノールチャンバ111に新たなメタノールを補給する(S604)。これにより、液面が基準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されると(S605:YES)、交換処理が終了する。これにより、
図12(b)のS409の判定がYESとなる。
【0131】
一方、液面が基準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されない場合(S605:NO)、制御部201は、メタノールの補給エラーとし、ユーザにボトル101の取替えを報知する(S606)。この報知は、たとえば、表示操作部2a(
図1参照)に報知画面を表示することにより行われる。補給エラーが検出されると、カセット20の搬送およびカセット20に対するメタノールの分注が中断される。
【0132】
しかる後、制御部201は、ボトル101が取り替えられるのを待つ(S607)。これを受けてユーザが、ボトル101を新たなボトル101に取替え、その後、たとえば、表示操作部2aの画面を介して取替え完了の入力を行うと(S607:YES)、制御部201は、ボトル101から、第1メタノールチャンバ111に新たなメタノールを補給する(S608)。これにより、メタノールの補給が開始される。
【0133】
ここで、液面が基準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されない場合(S609:NO)、制御部201は、ボトル取替えのエラーをユーザに通知し(S611)、新たなボトル101が適正に装着されるのを待つ(S607)。他方、液面が基準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されると(S609:YES)、制御部201は、補給エラーを解除し(S610)、交換処理を終了する。補給エラーが解除されると、カセット20の搬送およびカセット20に対するメタノールの分注が再開される。
【0134】
なお、
図14の交換処理では、
図12(b)のS405においてメタノールの交換処理
が開始されても、直ちに第1メタノールチャンバ111からメタノールが排出されず、S601にて回収カウンタCkが閾値回数C0に到達した後に、第1メタノールチャンバ111からメタノールが排出される。これは、新たなメタノールに交換された後の第1メタノールチャンバ111に、繰り返し再利用されたメタノールが回収されるのを防ぐためである。すなわち、
図12(b)のS405においてメタノールの交換処理が開始されたタイミングでは、通常、位置Mpから位置D1pまでの間に複数のカセット20が存在する。これらのカセット20には、繰り返し再利用されて劣化が進んだメタノールが第1メタノールチャンバ111から分注されている。このため、これらのカセット20からメタノール交換後の第1メタノールチャンバ111にメタノールが回収されるのは好ましくない。
【0135】
そこで、本実施の形態では、メタノールの交換処理が開始されても、回収カウンタCkが閾値回数C0に到達するまでは、直ちに第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの排出と補給を行わないように構成されている。閾値回数C0は、メタノールの交換が完了したタイミングにおいて、位置D1pには、
図12(b)のS408において第2メタノールチャンバ112から未使用のメタノールが分注されたカセット20が到達するように設定される。
【0136】
なお、閾値回数C0は、位置Mpにおいてカセット20にメタノールが分注されてから、位置D1pにおいてカセット20からメタノールが回収されるまでの時間(浸漬時間)に基づいて予め設定される。このように、第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの交換処理が実行されるまでに閾値回数C0に基づくタイムラグが設けられることにより、メタノールが交換された直後の第1メタノールチャンバ111に、交換前の汚れたメタノールが回収されることを防ぐことができる。
【0137】
図15は、第1メタノールチャンバ111および第2メタノールチャンバ112に対するメタノールの補給処理を示すフローチャートである。かかる補給処理は、第1メタノールチャンバ111または第2メタノールチャンバ112からメタノールが分注される毎に実行される。なお、ここでは便宜上、第1メタノールチャンバ111に対するメタノールの補給処理について説明を行うが、第2メタノールチャンバ112に対するメタノールの補給処理も、これと同様に行われる。
【0138】
第1メタノールチャンバ111の液面が基準位置を下回ると(S701:YES)、制御部201は、ボトル101から、第1メタノールチャンバ111に新たなメタノールを補給する(S702)。これにより、メタノールの補給が開始される。
【0139】
液面が基準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されると(S703:YES)、補給処理が終了する。一方、液面が基準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されない場合(S703:NO)、制御部201は、メタノールの補給エラーとし、ユーザにボトル101の取替えを報知する(S704)。カセット洗浄時に補給エラーが検出されると、カセット20の搬送およびカセット20に対するメタノールの分注が中断される。
【0140】
しかる後、制御部201は、ボトル101が取り替えられるのを待つ(S705)。これを受けてユーザが、ボトル101を新たなボトル101に取替え、その後、取替え完了の入力を行うと(S705:YES)、制御部201は、ボトル101から、第1メタノールチャンバ111に新たなメタノールを補給する(S706)。これによっても、液面が基準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されない場合(S707:NO)、制御部201は、ボトル取替えのエラーをユーザに通知し(S709)、新たなボトル101が適正に装着されるのを待つ(S705)。他方、液面が基
準位置に到達するまで第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給されると(S707:YES)、制御部201は、補給エラーを解除し(S708)、処理をS701に戻して、次の補給タイミングを待つ。補給エラーが解除されると、カセット20の搬送およびカセット20に対するメタノールの分注が再開される。
【0141】
図16は、上記洗浄処理の具体例を示す図である。
【0142】
同図(a)のように、メタノールの再利用時には、位置Mpにおいて第1メタノールチャンバ111からカセット20にメタノールが分注され、位置D1pにおいてカセット20から第1メタノールチャンバ111にメタノールが回収される。再利用カウンタRkが閾値回数R0に到達すると、交換時の処理が開始され、同図(b)のように、位置Mpにおいて第2メタノールチャンバ112からカセット20にメタノールが分注され、位置D1pにおいてカセット20から第1メタノールチャンバ111にメタノールが回収される。このとき、位置Mpと位置D1pの間には、最大d1個のカセット20が存在する。この処理は、回収カウンタCkが閾値回数C0に到達するまで繰り返される。その間に、第1メタノールチャンバ111に貯留されたメタノールが基準位置を超えると、同図(c)のように、第1メタノールチャンバ111からメタノールが排出される。
【0143】
その後、回収カウンタCkが閾値回数C0に到達すると、同図(d)のように、第1メタノールチャンバ111からメタノールが排出される。このとき、位置Mpのカセット20には、第2メタノールチャンバ112からメタノールが分注されている。しかる後、同図(e)に示すように、第1メタノールチャンバ111に基準位置までメタノールが補給されると、再利用時の処理に切り替わり、同図(f)のように、第1メタノールチャンバ111を用いた処理が再開される。
【0144】
以上、本実施の形態によれば、カセット収容部47に空のカセット20をセットした状態で、カセット洗浄開始ボタン402を押下することにより、カセット収容部47にセットされた全てのカセット20の洗浄が自動的に実行される。このため、カセット20の洗浄に要する手間を大幅に軽減することができる。
【0145】
また、本実施の形態によれば、カセット洗浄処理の際に、センサ48sによりカセット20にスライドガラス10が収容されていることが検出されると、このカセット20に対する洗浄処理がスキップされる。これにより、塗抹標本の作製が行われた後、スライドガラス10を取り出さずに、誤ってカセット20をカセット収容部47にセットした場合でも、このカセット20の洗浄を防ぐことができる。
【0146】
また、本実施の形態によれば、洗浄処理時に、カセット20に分注されたメタノールが回収ピペットD1bを介して回収され、第1メタノールチャンバ111のメタノールが再利用される。これにより、洗浄ごとにメタノールを捨てる場合に比べ、メタノールの消費量を低減することができる。また、環境負荷を軽減することができる。
【0147】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0148】
たとえば、上記実施の形態では、1つのカセット20には、1つのスライドガラス10(塗抹標本)が収容されたが、これに限らず、複数のスライドガラス10(塗抹標本)が収容されても良い。
【0149】
また、上記実施の形態では、塗抹標本作製処理(S12)およびカセット洗浄処理(S14)の一方を実行している間、他の処理を実行できないようにしたが、これに限らず、
一方の処理を実行中に他方の処理を割り込み的に実行させてもよい。たとえば、カセット洗浄処理中であっても塗抹標本作製処理を割り込み的に実行できるようにしてもよい。このようにすれば、カセット洗浄処理中に緊急検体の標本を作製する必要が生じた場合であっても迅速に標本を作製することができる。
【0150】
また、上記実施の形態では、メタノールの再利用時に、メタノールの再利用の回数(再利用カウンタRk)が、予め決められた回数(閾値回数R0)に到達すると、第1メタノールチャンバ111の交換処理が開始された(
図8のS107)。さらに、メタノール再利用時に、第1メタノールチャンバ111の液面が基準位置よりも下になると、液面が基準位置となるように第1メタノールチャンバ111にメタノールが補給された(
図12のS402)。しかしながら、これに限らず、メタノールの再利用時に、第1メタノールチャンバ111の液面が基準位置よりも下になっても、メタノールの補給を行わないようにすることもできる。この場合、第1メタノールチャンバ111を交換するための処理は、メタノールの再利用回数(再利用カウンタRk)に応じて実行されるのではなく、第1メタノールチャンバ111の残量に基づいて実行されるようにしても良い。
【0151】
また、上記実施の形態では、
図5に示した流路の接続範囲は、各バルブによって切り替えられたが、これに限らず、たとえば、それぞれの流路にシリンジポンプを設け、駆動するシリンジポンプを切り替えることにより流路の接続範囲が切り替えられるようにしても良い。
【0152】
また、上記実施の形態では、回収ピペットD1bを介してカセット20から回収されたメタノールは、第1メタノールチャンバ111に移送されているが、これに限らず、第1メタノールチャンバ111以外のチャンバに移送しても良い。この場合、かかるチャンバに移送されたメタノールを再利用しても良い。また、回収されたメタノールを、廃液チャンバ165に回収するようにしても良く、塗抹標本作製装置2外に排出するようにしても良い。
【0153】
また、上記実施の形態では、カセット洗浄処理において、カセット20へのメタノールの分注・回収は1回ずつ行われたが、これに限らず、複数回行われるようにしても良い。また、カセット洗浄処理において、メタノールを収容するカセット20が揺動されるようにしても良い。カセット20の揺動は、たとえば、ベルト50bが前後に動かされることにより行われても良く、他の機構によりベルト50bの左右のベルトの高さが変更されるようにしても良い。また、カセット洗浄処理において、カセット20内のメタノールが流動されるようにしても良い。メタノールの流動は、たとえば、カセット20内のメタノールに対して、位置D1pにおいて回収ピペットD1bにより吸引・吐出が繰り返されるようにしても良い。これらにより、カセット20がより確実に洗浄され得る。
【0154】
また、上記実施の形態では、カセット20の洗浄には、標本固定用のメタノールが使用されたが、これに限らず、メタノールとは別の洗浄液(たとえば水)が使用されるようにしても良い。なお、洗浄液として水が用いられる場合は、カセット20から水を回収した後、カセット20内を乾燥させる処理が行われるのが好ましい。
【0155】
また、上記実施の形態では、カセット20がベルト50bにより搬送されて、位置Mp、D1pに位置付けられたが、これに限らず、カセット20が所定位置に位置付けられた状態で、メタノールの分注・排出が行われるようにしても良い。この場合、たとえば、メタノールを分注するピペットと、メタノールを排出するピペットが、このカセット20の位置まで移動され、この位置においてメタノールの分注・排出が行われる。
【0156】
また、上記実施の形態では、染色処理と洗浄処理とで同じ閾値回数R0が用いられたが
、異なる閾値回数が用いられるようにしても良い。こうすると、染色処理と洗浄処理とで、それぞれ、メタノールの再利用による汚れに対する許容範囲を設定することができる。たとえば、染色処理の場合よりも洗浄処理の場合の方が小さい閾値回数に設定されても良い。こうすると、より汚れの少ないメタノールで洗浄処理を行うことができる。
【0157】
また、上記実施の形態では、染色動作の後で洗浄動作が開始された場合は、
図10(b)のS403にてカウントアップされた再利用カウンタRkに対してS403によるカウントアップが為された。しかしながら、これに限らず、第1メタノールチャンバ111内のメタノールを新しいメタノールに交換し、再利用カウンタRkをリセットした後で、洗浄動作が開始されるようにしても良い。
【0158】
また、上記実施の形態では、塗抹標本作製処理は、ユーザにより標本作製開始ボタン401(
図9(a))が押下されることにより行われたが、これに限らず、上記実施の形態の塗抹標本作製装置2が、塗抹標本作製の指示を受信した場合に行われるようにしても良い。たとえば、上記実施の形態の臨床検体処理装置1が、複数の分析装置と、搬送を制御する搬送コントローラからなる検体処理システムの一部として用いられることがある。この場合、塗抹標本作製装置2の制御部201が、搬送コントローラから塗抹標本作製の指示を受信した場合、または、搬送コントローラから送信された塗抹標本作製の指示を搬送装置3を介して受信した場合に、塗抹標本作製処理が行われるようにしても良い。
【0159】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。