(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は本発明に基づく電動機装置(motor arrangement)のステータ(固定子)2の長手方向の概略的な断面図を示し、
図2はステータ2の対応する斜視図を示し、
図3は
図2に対応する概略図を示す。電動機装置はさらに、たとえば、
図25に指定されているように、ロータ・シャフト(回転子軸)を有するロータ(回転子)Rを有するが、図解を簡明にするため、
図1〜
図3にはロータは図示されていない。ロータRは、従来技術によって実現可能である。ロータ・シャフトはそれが回転可能になるように配設されており、
図1は概略的に長手軸Lを図解しており、この長手軸Lはロータ・シャフトの回転方向と同じである。
【0051】
さらに、電動機装置は媒体チューブ4を有する。媒体チューブ4は、より特定的には、ロータ・シャフトの長手方向において見た場合、電動機装置の一方の側から対向する側に、媒体を案内するように設計されている。媒体は、たとえば、空気および/または水、または光または電流であり得る。媒体チューブ4はステータ2の長手軸Lに平行して延びることができる。
【0052】
図6に図解した概略的な長手方向断面図から例示の方法によって集合可能であるように、電動機装置はさらにシース(sheath、鞘、密閉)要素6を有しており、当該シース要素6は射出成形によってステータ2をカプセル状に包囲することにより形成されている。
【0053】
シース要素6は外部から環状(リング)に形状化した方法で閉じた方法で、気密的に、ステータ2および媒体チューブ4の両者を包囲している。このことはまた、
図7に図解した概略的なクロス断面図から明らかである。
図4および
図5は異なる斜視方向から見たシース要素6を有する2つのステータ2の図面を示す。
【0054】
シース要素6は、特に、高温ポリマー、たとえば、PEEK,PPS,LCP,PAI,PPSU,PSU,または、PEDで構成される高温ポリマーからなる得る。シース要素6は、特に、殺菌処理をする場合に、ステータ2を保護するために提供されている。
【0055】
ステータ2は、たとえば、銅製のコイルの形態におけるステータ巻線を有することができ、当該ステータ巻線は、たとえば、
図1に図示した巻線オーバーハング8を形成することができ、好ましくは、ステータ巻線または巻線オーバーハング8の第1の部分81が、ロータ・シャフトまたは長手軸Lに関して、媒体チューブ4の外部に放射状に配設されており、第2の部分82は放射状に内側に配設されている。媒体チューブ4は、それにより、それがステータ2内にあるように一体化でき、それにより、全体的に特に装置のコンパクトな構造が、特に、放射状の広がりにおいて可能となる。
図7の図解から明らかなように、ロータ巻線は区分85を有することができ、その区分において、ステータ巻線のワイヤ(線)が長手軸Lに平行して走る方法に、指向されている。
【0056】
図6におけ例示に示されるように、シース要素6は、ロータ・シャフトに沿って見られように、ステータ2を越えて両側まで延びることができる。この場合、もし、シース要素6が、ステータ2の両側において、シーリングする(密閉する)方法において,全ての側に、環状に形状化された方法で、直接、媒体チューブ4を包囲するならば、ステータ2の特に良好なシーリングが可能となる。この場合、媒体チューブ4の導入ファンネル(introduction funnel )61が、利益的には、シース要素6によって形成可能である。このことは、媒体を媒体チューブ4に導入することを容易にする。
【0057】
ステータ2はさらに、利益的には、管状のコイル形成器(tubular coil former)10を有することができ、当該管状のコイル形成器10は、ロータ・シャフトに関して、または、長手軸Lに関して、ステータ2の放射状の内部境界を形成しており、シース要素6は管状のコイル形成器10に直接、隣接する方法で配設されている。特に、シース要素6は、射出成形によるカプセルで包囲する(encapsulation )の処理の間、それがコイル形成器10に印加されるように、射出成形によるカプセルによる包囲によって形成されうる。
【0058】
図1および
図6に図解のように、ロータ・シャフトまたは長手軸Lに沿って見ると、ステータ2の2つの横方向の(lateral)境界がそれぞれ巻線オーバーハング8、8‘によって形成されており、これら2つの境界または巻線オーバーハング8、8‘の外側において、シース要素6が密閉するように直接的にコイル形成器10に配設されている。
【0059】
コイル形成器10は、媒体チューブ4を固定するために、便宜的には、ラッチング(掛け金)要素の形態で、好ましくは、保持要素101を有する。その結果、特に、射出成形によるカプセル状の包囲を行う処理過程の期間、媒体チューブ4はコイル形成器10に関して意図した相対的な位置において、保持することが可能である。
【0060】
さらに、ステータ2は、利益的には、環状のリターン・パス要素12を有しており、当該リターン・パス要素12は、環状の形状の方法で、好ましくは、コイル形成器10を包囲している。リターン・パス要素12は(また、以下、簡単に、「リターン・パス12」として記載される)、より特定的には、軟磁性体材料で形成され得る。この場合、コイル形成器10は、ロータ・シャフトまたは長手軸Lに沿ってリターン・パス要素12を位置決めするために、
図6における例示によって示されているように、アバットメント(abutment、突き当て) 要素102を有することができる。例示により、アバットメント要素102は、長手方向ストップ(longtudinal stop)として構成可能である。
【0061】
さらに、コイル形成器10は、センタリング(centering)要素103を有することができ、当該センタリング要素103は、ロータ・シャフトまたは長手軸Lに関して、リターン・パス要素12を中心に位置決めする(centering)ために使用される。
【0062】
ここで図解した例示における場合のように、コイル形成器10は、好ましくは、複数の放射状に対向しているダブル・ウェブ110を有しており、当該ダブル・ウェブは、より特定的には、それらの6個が、媒体チューブ4を固定する保持要素101と、リターン・パス要素12をセンタリングするセンタリング要素103との両者を動かす(act)ことを可能にするように設計されている。さらに、それらは、アバットメント要素102を形成する放射状に外側に対向している隆起した(elevated)区分を有することができる。
【0063】
電動機装置は、
図3における例示により示されている、少なくとも1つのさらなる媒体チューブ4’を付加的に有することができ、ここで、電動機装置は、さらなる媒体チューブ4’に関して、好ましくは、最初に述べた媒体チューブ4に関する実施の形態と類似した方法で実現されている。
【0064】
電動機装置は、付加的には、ステータ2と電気的な接触を行わせるための電気的なコンタクト・ロッド5(また、以下、簡単に、コンタクト5という)、および/または、光源、たとえば、LED(light-emitting diode)と電気的な接触を行わせるためのさらなる電気コンタクト・ロッド5’を有することができる。コンタクト・ロッド5とさらなるコンタクト・ロッド5’との構成は、媒体チューブ4の構成に類似させて構成することができる。それゆえ、コンタクト・ロッド5、5’は、巻線オーバーハング8などを通じて、対応的に、導かれることが可能である。
【0065】
さらに特定的には、ステータ2を有する電動機装置は、下記の図解に基づいて構成することができる。
【0066】
本発明の第1の観点によれば、それゆえ、小型で、気密的に密閉されており、コンパクトで、殺菌可能なステータ2を特定することが可能であり、ここで、銅製のコイルおよび軟磁性体のリターンパス要素12、媒体チューブ4,4’および光源のための電気的な接続部5’が、また、射出形成によってカプセルに収容されているが、ステータの端部の側においてステータ2から出ており、これらの出口位置が、供給ホース内の存在するコネクタの位置に関して、相関している。この場合、媒体チューブ4,4’および電気的コンタクト5は、コネクタの開口から離れているステータ・シース材料によって、完全に包囲されるべきである。
【0067】
このため、ステータ2としては、下記のごとく構成されることが提案される。
【0068】
射出成形によって高温ポリマー(たとえば、PEEK,PPS,LCP,PAI,PPSU,PSU,PES)でカプセルに収容されたステータ2は、コンパクトで、不浸透性があり、殺菌処理に対する耐用性のあるボディ(本体)を形成しており、当該ボディは、モータ巻線、軟磁性体のリターン・パス要素12、媒体チューブ4,4’、および、電気的なコンタクト・ロッド5,5’を具備しており、その内部の直径はコイル形成器10によって形成されており、その端部面において、ソケットが形成されており、媒体チューブ4,4’に接続されており、その端部の面から電気的なコンタクト・ロッド5,5’または電気的なコンタクト・ソケットが突出している。
【0069】
コイル巻線の実施の形態は、好ましくは、下記のとおりである。
【0070】
コイル形成器10は、外部周辺に配置されており、60°(3相)配置にける独立した位相を分離するために使用している、ダブル分離用ウェブ101(また、以下、ダブル・ウォールド(walled) 分離用ウェブ101として記載する)を有するスリーブからなる。ダブル分離用ウェブ101には、隆起(elevation)が設けられており、当該隆起はアバットメント要素102を形成しており、当該アバットメント要素は磁気リターン・パス12の軸方向の位置を予め決定する。銅製のコイル巻線がダブル分離用ウェブ101の間に配設されている。外部周辺に、ダブル分離用ウェブ101が、軟磁性体のリターン・パス要素12を支持し、中心に位置決めしている。
【0071】
図8に図解された特別な実施の形態において、ダブル分離用ウェブ101が軟磁性体のリターン・パス要素12を保持している(樹脂製の)スリーブ121の切り欠き(cutouts)内に挿入されており、その内部の直径において、直接、リターン・パス要素12を中心に位置決めしている。
【0072】
媒体チューブ4,4’および電気的コンタクト・ロッド5,5’は、完成された完全なステータ2が射出成形により、カプセル状に収容される前に、ダブル分離用ウェブ101内にクリップされて、向きを決められる。媒体チューブ/コンタクト・ロッド4,4’、5,5’の広がりにおいて、ステータ2の両側の面に、筒状の拡張または円筒形の切り欠き(cutouts)がステータ2に導入されて、まず、供給ホースおよびモータ内部リレー(motor-internal relaying )において、媒体の接続と流体的かつ電気なコンタクトさせるために使用される。
【0073】
媒体チューブ4,4’およびコンタクト・ロッド5,5’は、好ましくは、曲げおよびオフセットなしに、真っ直ぐ、実現される。媒体チューブ4,4’は、好ましくは、その端部または一体化した形態において、分離された導入ファンネルを持たない。導入ファンネル61またはソケットは、射出成形によるカプセル状の包囲の期間、ステータ・ボディ(ステータ本体)に直接、付随的に、一体に形成される。
【0074】
この場合、変形例を考えることができる。巻線は、シングル・ウォールド(single walled )、よりソリッドな分離用ウッブを用いて適用される。媒体チューブ4,4’は、隣接する2つの巻線区分の空隙に挿入され、巻線区分はそれゆえ、その後の射出成形にるカプセル状に収容する期間に含まれる位置に正確に保持される。それゆえ、3相電流が、モータの加熱をもたらさない、狭い限界内に、実現可能とする。
【0075】
図9〜
図12はステータ2の変形例を示す。参照符号は類似して使用されている。
図9はリターン・パス要素12を除去したステータ2の側面図を示し、
図10および11は対応する斜視図を示す。
図12はリターン・パス要素12を有するステータ2の斜視図を示す。
【0076】
この変形例において、コイル形成器10は2つの放射状に外側に対向しているリブ20,22を有しており、当該リブはステータ巻線のための横方向境界を構成している。リブ20,22は、保持要素24を有しており、好ましくは、媒体チューブ4,4’およびコンタクト・ロッド5,5’を固定するためのラッチング要素の形態をしている。2つのリブの一方について、図示の場合におけるリブ22について、リターン・パス要素12の長手方向を指向する(longitudinal orientation)ためのアバットメント要素102’の変形例は、一体的に形成することができ、このことは、つまり、より特定的には、射出生成によるカプセル状の包囲処理の期間、装着の援助として、供用することができる。さらに、リブ20,22は、センタリング要素を有することができ、または、そのようなセンタリング要素として実現することができ、リターン・パス要素12をセンタリングするために用いている。
【0077】
ステータ巻線は、デルタ巻線として実現することができる、特に、6のデルタ・コイル30がステータ巻線として提供することができる。より特定的には、下記の構成を提起することができる。
【0078】
デルタ・コイル30は、管状(tabular)コイル・ボディまたはコイル形成器10に固定されており、2 つの端部に、周辺にあるリブ20,22を有しており、60°ピッチで、切り欠きを有しており、当該切り欠き内に媒体チューブ4,4’および電気的なコンタクト・ロッド5,5’がクリップされている。デルタ・コイル30は、2つの周辺にあるリブ20,22の間に配設されており、接続体が上方に接続されており、コンタクトが設けられている。3相モータの電気的接続のためのコンタクト5はまた、2つの周辺にあるリブ20,22の少なくとも1つに、好ましくは、リブ20,22の両者に、クリップされ得る。
【0079】
デルタ・コイル30を正確に位置決めするため、ボラード(bollard、柱)32が、コイル形成器10の横方向の表面に配設されており、デルタ・コイル30がこれらのボラード内に懸垂されている。代替的に、ベアリング(軸受)の縁が、この目的のために提供可能である。デルタ・コイル30は、コイル形成器10の横方向の表面に直接置かれ、この位置において、一体的に形成されて、焼き固められる。媒体チューブ4,4’は、1つのデルタコイル30から隣接するコイルへの遷移における縁内に位置決めされる。それゆえ、これらのチューブはデルタ・コイル30の上に置かれ、コイル形成器10にデル・タコイルを保持する。
【0080】
コイルに関する、または、コイル形成器10に関する、磁気リターン・パス要素12のセンタリングは、周辺に配設された媒体チューブ4,4’により遂行されるが、利益的には、より正確には、2つの周辺にあるリブ20,22よって行われ、当該リブにリターンパス・アセンブリ12が支え、たとえば、カラー(collar) またはフランジの形態で、ストップ(係止部)102により軸方向に保持される。このことは、また、その後の射出成形によるカプセルによる包囲処理の期間、クリップされた媒体チューブ4,4’の位置が変化することを防止する。
【0081】
完全に予め組み立てられたステータ2はそれ故、ホット・インジェクション・モールド・ダイ(高温射出形成型)の中に簡単に挿入されることができ、全ての接続体が予め固定され、ホット・ダイにおける受容部(receptacles)内に厄介な挿入をすることはない。
【0082】
本発明に基づく電動機装置の1つの部分的な観点、または、本発明に基づく小型の電動機)は、ステータに関する。3相モータのためにセグメント(区分)巻線を有するステータは知られており、ステータは位相区分を有しており、コイル形成器にコイルとして巻かれており、または、たとえば、デルタ形状において、独立したコイルとして分離して巻かれて形成されており、コイル形成器にその後、固定される。
【0083】
コイル巻線の場合に、コイルの端部に存在するワイヤループが巻線オーバーハング内に形成されている。従来のH巻線の場合、それぞれのコイル区分が大きな領域を包囲しており、この場合、3つの区分がコイルの端部における他の上部の1つに、置かれている。このことは、
図13にクロス断面図として示されており、コイル区分は、ローマ数字で、I,I’,II,II’,III,III’として示されている。例示により、矢印Pによって指定された位置に、3つのコイル区分I,II,III が放射状に他の上部の1つに、詳細には、内部の位置から外側にこの順序で、配設されていることは自明である。要するにコンパクトなモータであり、これらのワイヤループが巻線オーバーハング内に形成されている。したがって、比較的大きな巻線オーバーハングが3つの区分の場合に生ずる。
【0084】
好ましくは、したがって、コイル巻線が、60°(120°に代えて)を越える区分巻線として、実現されている。このことは、
図14に対応的に図解されている。それゆえ、フィールド(界磁)・ラインによって透過された包まれた領域は、疑いもなくより小さくなるが、2つの区分が巻線オーバーハングにおいて重ね合わさられ(superimposed)、その結果として、巻線オーバーハングがより容易に働くことができ、顕著により小さくなるよう巻き上げられる(turn up)。例示により、矢印P’によって指定された位置に、3つのコイル区分I’,II’,III’が放射状に他の上部の1つに、詳細には、内部の位置から外側にこの順序で、配設されている。このことは、特に、もし媒体チューブ4,4’およびコンタクト・ロッド5,5’もまた巻線オーバーハングを介して導かれているとき、特に、利益である。
【0085】
これらのリードスルー、または、媒体チューブ4,4’、または、コンタクト・ロッド5,5’は、
図14における例示して示したように、コイル形成器10から放射状に外側に延びている、ダブルウォールド分離用ウェブ101における上記図解と類似して配設されることができる。
【0086】
しかしながら、媒体チューブ4,4’またはコンタクト・ロッド5,5’はまた、2つの隣接する巻線区分の間に位置決めされる得る。これは
図15に例示が示されており、
図16は
図15に基づく装置の拡大部分を示している。この場合、
図15および
図16の各場合により容易に方向づける(orientaion)ため、小さな矢印でマークされている。例示により、
図16を参照すると、矢印によってマークされた媒体チューブ4またはコンタクト・ロッド5は、右から巻線区分Iおよび左から巻線区分III`により、直接、隣接されていることが自明である。
【0087】
2つの巻線区分の間の配置の場合、隣接する区分から重複する巻線ワイヤ、および、その後の射出成形にるカプセル包囲処理の期間、電気的な損失が起こることなく、媒体チューブまたはコンタクト・ロッドが正確に保持される。巻線区分の間の配置の場合、巻線オーバーハングがより容易に形成可能である。
【0088】
コイル形成器10は、
図15に図解のように、6個の放射状に外側に対向しているウェブ120を有することができ、当該ウッブは、2つの連接するウェブが、各ケースにおいて、60°の角度を形成している。ウェブ120は、特に、長手軸Lと平行に延びており、各ケースにおいて、2つのダブル・ウォールド分離用ウェブ101の間の中心に配置されている。このように、巻線区分は、特に良好に位置決めできる。この構成において、したがって、媒体チューブ4,4’またはコンタクト・ロッド5,5’は、各ケースにおいて、2つのウェブ120の間の中心に配設可能である。
【0089】
図15に示した構成において、隣接するコイルの独立したターン(巻き)の重複は起こらない。したがって、平衡にされたコイル電流が形成できる。隣接するコイルまたは隣接するコイル区分の間の間隙は、媒体チューブ4,4’またはコンタクト・ロッド5,5’によって充満されることができ、その結果として、コイルまたは巻線区分がコイルまたは巻線区分が所望の形態または位置に、特に良好に保持可能であり、それらは、理想的な幾何学的位置にあるように、置かれる。
【0090】
比較のため、
図17は
図9〜11に図解した実施の形態に対応して、デルタ区分の装置を示している。
【0091】
光源を有する電動機装置は、もし、光源が、たとえば、平坦な回路基板の電子コンポーネントのためのキャリア要素に配設されているLEDを有する場合、特に、短く製造することができ、当該キャリア要素は、半径方向における長手軸Lに関して、その広がりが軸方向におけるその広がりよりも大きいように、配設されている。それに関する例示的な実施の形態が
図18〜20に概略的に図解されている。この場合、
図18は、ここでは平坦な回路基板の形態において、キャリア要素210から見た概略的な断面からの抜粋を示している。保持部分220が便宜的に設けられており、光源またはLED200を保持するために使用されている。特に、キャリア要素210が保持部分220に配設可能である。
【0092】
図20は、分離した状態で、保持部分220とキャリア要素210とを示しており、両方向の向きに付けられた矢印によって象徴的に指示されているように、長手軸Lに関する向きが維持されている。
図18、19から明瞭であるように、保持部分220は、半径方向Rにおける長手軸Lに関して、その広がりが軸方向Aにおけるその広がりより大きくなくように、配設されている。好ましくは、保持部分220はまた、放射方向におけるその広がりが軸方向におけるその広がりより大きくなるように、配設されている。
【0093】
さらに、ベアリング(軸受)装置が便宜的に設けられており、当該ベアリング装置により、保持部分220が変移可能な形態で装着されており、好ましくは、長手軸Lに関して放射方向に変移可能な方法で、保持部分が装着されており、すなわち、変移可能とは、
図20に概略的に両方向の矢印で示す方向においてである。好ましくは、ベアリング装置は、電動機装置のモータ・ハウジング300に形成されている。より特定的には、ベアリング装置は、保持部分220が電動機装置の静止部(rest)から離脱可能で、その後、再び、ベアリング装置に導入可能なように、構成できる。
【0094】
好ましくは、保証化(securing)要素230が、たとえば、リング要素の形態で、さらに設けられ、リング状に、長手軸Lの周囲に延びており、ベアリング装置に沿った移動と対して保持部分220を保証するために使用されている。保持部分220は、したがって、電動機装置の休止部に関して意図した相対的な位置に固定されることができる。
【0095】
LED200と電気的な接触をさせるため、コンタクト・ピン230が、利益的には、設けられ、たとえば、弾性的な方法で、コンタクト・ロッド231に装着される。コンタクト・ロッド231は、シース要素6によって包囲されており、それゆえ、ステータ2内に一体化される、コンタクト・ロッド5として、本発明の第1の観点に関して上述した記述に基づいて、実現される。
【0096】
保持部分220は、好ましくは、傾斜した(oblique)領域240を有しており、ベアリング装置に沿って保持部分220が移動する場合、コンタクト・ピン230が傾斜した領域240によるその弾性的な装着に対向して押圧されるように、電動機装置が構成されている。このことは、特に、LED200に良好な電気的な接触を可能にする。
【0097】
図24は変形例を示しており、この図解から明瞭なように、保持部分220は、たとえば、収束用レンズの形態における光学要素221を有することができる。その結果として、LED200から出射された光がハンドピース内に配設され、ハンドピースの処理位置にその光を案内するように設計されている、光学的ウェーブ・ガイド260内に効果的に結合させることができる。光学要素221は、保持部分220の一体的な部分として構成させることもできるし、または、保持部分220によって保持させることもできる。
【0098】
その装置は、より詳細に表されているように、実現することができる。
【0099】
歯科医療用のモータの長さを短縮する1つのアプローチは、したがって、主な広がりを持つ光源の配置構成を、モータの軸または長手軸Lと横切らせることである。このことは、好ましくは、SMD−LED200によって実現されており、当該SMD−LEDは平坦なプリント基板または回路基板に配設されており、その主要な広がりはモータの軸に対して横切っている。
【0100】
プリント回路基板および場合によって要求された電気回路は、保持部分220内に、および/または、保持部分220に位置づけられている。保持部分220は、LED200の主要な放射方向の広がりにおいて、一体的に形成された、または、保持された光学要素221を有しており、当該光学要素は、LED光を、光学的ファイバ・ロッド内に、または、アングュラー・ピース側に装着された光学的ウェーブガイド260内に結合する。保持部分220は、モータ・ハウジング300にある切り欠き内に放射状に挿入され、スクリュー・カラー・リング(screw collar ring)の形態おける保証化要素230によって固定されている。
【0101】
SMD−LED200は、たとえば、プリント回路基板の形態において、キャリア要素210に位置付けされ、そして、(たとえば、ろうづけにより、クランピングにより、導電性粘着剤によるボンディングにより、配線ボンディングにより)電気的に接続される。加熱を防止するため、ダイオード電流が、
図24の例示において示されている、直列抵抗器250によって制限されている。この抵抗器は同時に、異なるLEDの品質に対して、および、(ダイバース・ドライブ・ユニット(歯科ユニット/制御ユニット)内の異なる電源に対して、照明を適合させるために使用されている。
【0102】
直列抵抗器250は、同じキャリア要素210に、または、LED200として同じプリント回路基板に配設されている。プリント回路基板は、理想的には、良好な熱伝導性を持つ材料で形成され、その材料は、たとえば、セラミック、樹脂充填物、ヒートシンクとして金属を有するFR4などである。プリント回路基板には、好ましくは、スルー・ホールが設けられており、当該スルー・ホールを介して、冷却用空気、より特定的には、モータ冷却用空気が案内されることができ、それゆえ、SMD−LED200を冷却する。
【0103】
そこにろうづけされた構成要素(LED、抵抗器)を有するプリント回路基板は、好ましくは、透明な保持部分220によって保持されており、当該透明な保持部分は、たとえば、プラスチックまたはガラス(被覆されているもの、保持されているもの)からなり、SMD−LED200の光学軸270の広がりにおいて、収束用レンズを有しており、当該収束用レンズを介してLEDの光が、ハンドヘルド・アングュラー・ピース内の光学ファイバ・ロッド内にまたは光学的ウェーブガイド260内に結合される。保持部分220は、向きを調整するために用いられる外側の輪郭ガイド領域に、モータ・ハウジング300において、完全な光源(SMD−LED200+プリント回路基板+保持部分220)を有する。
【0104】
光源は、図面に図解された方法で、モータ・ハウジング300に設けられた切り欠き内に放射状に挿入されている。スクリュー・カラー・リングまたは保証化要素230は、所定の位置に光源を固定している。好ましいスクリュー・カラー・リングはまた、透明な保持部分220からの迷光(stray light )の横方向における出現を防止する。
【0105】
接触領域が、キャリア要素210の、または、LED200に対向して置かれているプリント回路基板の、下側または側に、設けられている。光源をモータ・ハウジング300内に放射状に挿入している期間、モータ内の弾性的なコンタクト・ピン230は、傾斜した領域240またはベベル(bevel)240によって、短時間、保持部分220またはプリント回路基板に張力がかけられる。プリント回路基板の下側の接触領域はともにこれらのコンタクト・ビンが、供給ホース接続に対して電気的な接続を構成している。スプリング・コンタクト230は、ホース側にあるプラグ・コンタクトに接続されている導電性スリーブに電気的に挿入される。
【0106】
モータ軸に沿って延びているハロゲンランプに対して、LED光源の主な広がりが、モータ軸に関して横切っている。それゆえ、歯科用モータの長さの顕著な短縮が得られている。
【0107】
図25は、本発明の第1の観点(シース要素)および本発明の第2の観点(キャリア要素に装着されたLED)の両者を実現する、電動機装置の概略的な長手方向の断面図を示す。ここで、電動機装置のロータRが、長手軸Lの回りに回転可能な形態で装着されている、ことが示されている。
図26は対応する斜視図を示す。
【0108】
例示的な実施の形態に基づく装置は、
図27〜29に斜視形態を示した、より拡大して図解されている。この場合、2つのコンタクト・ロッド231は、引き離すことができ、したがって、LED200と電気的な接触を行わせるためのコンタクト・ピン230が2つ弾性的に装着されている。参照符号211は、コンタクト・ピン230と接触させるキャリア要素210に形成された接触領域を示している。
【0109】
参照符号260は、保持部分220を受け入れるためのモータ・ハウジング300内に形成された切り欠きを示している。参照符号310は、ハンドピースに接続するためのカップリング要素として実現されたカップリング・ピンを示している。
【0110】
LEDは特定の極性で動作する。不正確な極性の場合、チップLEDは光を射出せず、または、並列に接続された保護用ダイオードが存在し、適切ならば、赤い光を射出する。歯科用ユニットおよびドライブ装置は大量に、フィールド内に大きな変形で、設置される。器具の照明のための極性は、この場合、規定されない。電動機装置のユーザが、簡単な方法で、LED200の極性を反転することを可能とするため、ベアリング装置および保持部分220は、好ましくは、保持部分220が2つの異なる向きにおける外側からベアリング装置に導入することができ、その後、意図した方法でベアリング装置に沿って変移可能なように、実現される。その結果として、当該電動機装置は、LED200が不正確な極性で接続されている場合において、正しい極性が、保持部分220の向きを変化させることにより確実になるように、設計されている。
【0111】
例示により、電動機装置は、接触が対応する他の極性において行われるまで、保持部分220がベアリング装置に沿って変移することにより電動機装置の静止部から分離されることができ、それから、180°回転することができ、この方法において想定された新しい向きに、再び、ベアリング装置に挿入されることができるように、設計することができる。
【0112】
図30〜
図35はこの構成の変形例を図解している。
図30は概略的な長手方向の断面図を示しており、
図31は斜視図を示しており、
図32、33は
図31から見た詳細を示している。特に、スクリュー・カラー・リングの形態の保証化要素230と、この変形例に基づく保持部分220’とは分離することができる。
図32から明らかなように、たとえば、保持部分220’が対称に実現されており、その結果、当該保持部分がモータ・ハウジング300のベアリング装置内に2つの異なる向きで挿入可能であり、ここで、2つの異なる向きは、特に、LED200の光学軸270と平行な回転軸の回りに、180°だけ回転することにより相互に変換可能である。
【0113】
図34は半透明の形態の保持部分220’を図解しており、
図35は対応する拡大図を示す。
【0114】
図36〜38は、保持部分220”が軸方向において、モータ・ハウジング300内に挿入可能な実施の形態を概略的に示している。
【0115】
図39〜44は、保持部分のさらなる構成を示している。
【0116】
図41〜44は、保持部分220'''およびキャリア要素210’を有する、さらなる変形例を図解している。この場合、
図42における概略的な断面図は、保持部分220'''の、または、対応するキャリア要素210'の対応する変形例の接触領域211'''に接触させるために実施された、代替的に設計されたコンタクト・ピン230’を示している。接触領域211は、この場合、長手軸Lに関して横方向に配設されている。この場合、したがって、接触は、2つの対向する外部領域、または、キャリア要素210'の外部縁、または、保持部分220'''の外部縁において行われ、好ましくは、2つのコンタクト・ピン230'の間のクランピングにより正確になる。これらのコンタクト・ピン230'は、今や、対応するコンタクト・ロッド230に対して電気的な導電的に接続されることができ、コンタクト・ロッド230はいまや、好ましくは、シース要素6によって包囲されている。そのような横方向の接触が行われている場合に、弾性的に装着されたコンタクト・ピンにも関わらず、樹脂で実現されたソリッド導電体も使用可能である。保持部分220'''は、いまや、「スライド」として設計可能であり、たとえば、保持リングまたは他のロック要素の形態で、保証化要素により固定可能である。この装置は、(1)保持リングの開放と除去により、(2)新しいLEDの挿入により、(3)保持リングの取り替えにより、簡単な設置と脱着を可能にしている。
【0117】
この構成において、正しくない極性に接触が行われている場合、照明要素または保持部分220'''は、モータ・ハウジング300から非常に簡単に分離することができ、正しい極性を確立するために、再び、対応的に回転され、挿入される。
【0118】
したがって、光学要素221、LED200およびキャリア要素210を含む、または、これらの構成要素からなる、照明要素を形成することが可能である。照明要素は、モータ・ハウジング300内に固定されたスライドを形成することができる。スライドおよびモータ・ハウジング300は、スライドが軸のまわりに180°だけ回転する方法で、モータ・ハウジング300内に挿入されることができる。
【0119】
キャリア要素210は、三次元的な射出成形で製造された回路キャリア(3−D MID)である得る。この場合、接触領域がサイド領域にある導体構造の一部として、実現可能である。接触領域および導電体は、CuNiAuまたはWoNiAuの層構造を有することができる。回路キャリアは、セラミック(アルミニウム・オキサイドまたはアルミニウム・ナイトライド)から生成可能であり、または、構成されることができる。回路キャリアは、マルチレイヤーとして、LTCC(low temperature cofired ceramic)で形成することができる。回路キャリアは、メタル・コアを含むことができる。回路キャリアは光学システムに関する向きを向けるために、手段(形状、タング溝(tongue-groove、ラグ・カットアウト(lug-cutout)を含むことができる。光学系統のハウジングと、回路キャリアとの間の接続は、スナップ動作の接続体により、または、粘着性結合接続体により、実現されることができる。ハウジングは、粘着剤を分布させるため、溝(毛細管)を有することができる。ハウジングは、切り欠きを有することができ、当該切り欠きは、粘着剤の容器または補給容器として、使用することができる。LED回路キャリアと、光学系統ハウジングとの間のキャビティは、透明なポッティング・コンパウンドまたは透明な粘着剤で充満されることができる。
【0120】
本発明のさらなる観点は、電動機装置のカップリング要素に関するものであり、そのカップリング要素はハンドピースに接続するために提供される。
【0121】
実験は、モータに対するハンドピース/アングュラー・ピースのカップリングにおけるガイド長さが、機能の損失なしに減少できることを示している。
【0122】
モータに関して、カップリング・ピンは対応的に短縮されている。ハンドピースおよびアングュラー・ピースにおいて、挿入深さ(カップリング・ピンを受け入れるための切り欠き)は対応的に短縮されることができ、または、ハンドピースおよびアングュラー・ピースを対応的に短く製造することができる。
【0123】
短縮されたカップリング・ピンを有するモータは、いかなる時でも、以前に述べた古い実施の形態におけるハンドピース/アングュラー・ピースに用いることができる。しかしながら、短くなった器具から起こる人間工学的な(ergonimic)利益は、この場合、効果をもたらさない。新規な実施の形態における、ハンドピースおよびアングュラー・ピースは、古い実施の形態(長いカップリング・ピン)におけるモータと組み合わせて動作させることができない。カップリング・ピンが内部的にアングュラー・ピースを打ち、ロックさせることができない。
【0124】
ISO 3964に基づく、知られているINTRAマチック・カップリングの下記の特徴は、維持されている。
【0125】
・カップリング・ピンを有する壁における溝およびホールを介して、媒体冷却用空気、スプレー空気、スプレー水がアングュラー・ピースに供給される。媒体(スプレー空気/スプレー水)を分離するため、Oリングがカップリング・ピンの周辺部にある独立した出口の開口の間に配設されている。もし必要ならば、水が、Oリングによってカップリング・ピンにおける出口の開口をカバーすることにより、供給ラインに、ハンドピース/アングュラー・ピースから吸引されて戻ることが防止される。スプリー水が搬送されると、Oリングが上昇し(リフト・オフし)、スプレー水が処理サイトに流れることを可能にする。もし搬送圧力が存在しない場合、Oリングは出口の開口を閉じて、ハンドピースおよびアングュラー・ピースから吸引されてモータおよび供給ラインに戻ることを防止する。
【0126】
・リングをロックすること/保持すること
【0127】
・光を光学ファイバ・ロッドに結合すること
【0129】
本発明に基づくカップリングの概念が、
図45〜46を参照して詳細に図解されている。
図45は、従来技術に基づくカップリング・ピン310を示している。
図46は対応して短縮されたカップリング・ピン310’による設計を示している。ロータ・シャフトが2つのベアリング330、331によって長手軸Lの回りに回転可能に装着されるべく配設されている。モータ・ハウジング300は、ロータ・シャフトまたは長手軸Lに関して、外側から放射状に、ベアリング装置330、331を包囲している。さらに、第1の平衡リング320、第2の平衡リング321および永久磁石33が、モータの部品として、分離することが可能である。さらに、反転吸引ストップ334およびベアリング・シールド335が設計されている。ロータ・シャフトは内部から、カップリング・ピン310に、爪(claw) 336を用いて係合している。
【0130】
従来技術によれば、ISO 3964基準に基づくハンドピースおよびアングュラー・ピースのためのINTRAマチック・カップリングが、電動機装置のモータ・ハウジング300の端部側にネジで止められている。この場合、一方では、モータ・ハウジング300、他方では、カップリング要素の、対応するエンド・フェースに、平坦な方法で正確に延びないという、危険が存在し、このことは、装着されている状態におけるカップリング・ピン310が大きく傾斜しており、その後、取り付けられたハンドピースを傾斜させる可能性があるという効果を有する。さらに、重さと小型の構造の寸法などの人間工学的な観点が、歯科ドライブにおいて顕著な要因である。
【0131】
上述した問題は、
図47および
図48の例示から明瞭なように、モータ・ハウジング300’によって解決されうるのであり、当該モータ・ハウジング300’は、より特定的には、上述したように、ロータ・シャフトを装着させるため2つのベアリング330、331、カップリング・ピン310’の形態で電動機装置に配設されているカップリング要素を有し、一片に、または、一体的に実現されている。このように、電動機装置は、よた特定的には、また、短く、軽く製造されている。傾斜は最小である、その理由は、カップリング要素またはカップリング・ピン310’およびモータ・ハウジング300’が、1組に製造されているからである。短縮したカップリング・ピン310’による間違った位置となる可能性は、減少されている。
【0132】
さらに、ハンドピースに対する電動機装置からの音響結合が減少されており、器具からの放射が減少されている。結果的に、短縮されたカップリング・ピン310''を有する電動機装置および、モータ・ハウジング3007とカップリング要素とを一体化した実施の形態によれば、取り付けられたまたは結合されたハンドピースに関連づけた動作の間に起こる騒音は、極めて小さくすることができる。
【0133】
究極的に、殺菌処理に耐用性のある歯科用モータが、対応して提供され、下記の特徴ある特性によって顕著にされる。
【0134】
・半導体チップとして、SMD−LEDまたはLEDに基づく光源の使用。
【0135】
・20〜25mmのINTRAマチック・カップリングの短縮
【0136】
・一体化された媒体チューブ、および一体化された形状の接続ソケットによる、気密的に密閉された方法における射出成形による、カプセル状に包囲されたステータ
【0137】
・H巻線またはデルタ巻線の代わりに、コイル区分巻線として。ステータ巻線の実施の形態
【0138】
・媒体チューブのための開口を有する巻線オーバーハングの形成