(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
床材を部屋などの下地面に施工する場合、床材の端面同士を突き合わせながら敷設し、さらに、壁面付近の床材については、床材の端面を壁面に突き合わせて敷設する。
しかしながら、床材の中には熱や湿気などによって僅かに伸張するものがあり、このような床材を上記のように端面同士を突き合わせて敷設すると、経時的に床材同士が継ぎ目において浮き上がるという問題がある。
【0003】
このため、上記のような床材においては、隣接する床材の端面間に又は床材の端面と壁面の間に目地を確保しながら敷設することが好ましい。しかし、この目地の幅が広すぎると、床材施工後に目地が目立って外観が低下する上、その目地にゴミなどが溜まるといった不具合が発生する。特に、樹脂製床タイルのような樹脂製床材においては、木質系などの他の床材に比べて厚みが薄いので、目地の幅が広すぎると目立ち、逆にこれが狭すぎると浮き上がりが生じやすい。このことから、樹脂製床材において、現実的には、目地の幅は0.1mm〜0.5mmのような僅かな幅に設定される。
このような僅かな幅の目地を物差しで測りながら床材を敷設することは、現実的には困難である。
【0004】
特許文献1には、木質基材の防音床材の施工するために2つの平板の側辺同士を直交させて連設した略L字状の目隙設定用治具(目地調整具に相当)を用いる方法が開示されている。この2つの平板からなる略L字状の目地調整具の一方の平板を床材の表面に載置すると共に、他方の平板(差込み片に相当)を隣接する床材の端面間に介在させることにより、前記差込み片の厚みに対応した目地を床材の端面間に確保できる。
【0005】
しかしながら、この目地調整具の使用時には、一方の平板が床材の表面に密着し且つ差込み片が床材の端面間に挟持されているので、目地調整具を簡単に床材から取り外すことができないという問題点がある。
特に、樹脂製床材を施工する場合には、上述のように目地幅が極めて僅かな幅に設定される場合が多い上、樹脂製床材の弾性変化によって差込み片が強く挟持されるので、目地調整具の取り外しがさらに困難となる。
【0006】
また、特許文献1の目地調整具の差込み片を端面間に介在させて床材を突き合わせた場合、当該床材の押し込み量が強過ぎると、床材の端面が前記差込み片の厚み分を吸収するように弾性変形する場合がある。この状態で目地調整具を取り外しても、床材の端面間に上記のような僅かな幅の目地を確保できない。他方、床材の端面が変形しないように、床材の押し込み量を施工者が調整することは困難である。このような弾性変形は、木質床材に比べて樹脂製床材、特に薄型の樹脂床タイルで顕著である。
従って、木質基材に用いる目地調整具を樹脂製床材の施工に流用することは困難である。
また、床材の目地調整具は、あらゆる施工者が簡単に且つ間違うことなく使えるような構造であることが求められる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について図面を参照しつつ説明する。
なお、目地調整具の本体の下面を床材の表面に載置した状態を基準にして、「上」及び「下」という方向性を示す用語を使用する。
【0016】
図1及び
図2において、1は、隣接する床材の端面間に目地を設けるために、前記床材の端面間に介在させる差込み片51と、床材の表面に載置可能な下面2a及び少なくとも1つの側辺を有する本体2と、を備える目地調整具を示す。
なお、本発明の目地調整具1は、後述するように床材の端面間に目地を設けるためだけでなく、床材の端面と壁面の間に目地を設けるためにも使用できる。この場合、目地調整具1の差込み片は、床材の端面間だけでなく、床材の端面と壁面の間にも介在される。
そして、目地調整具1の本体2には、本体2の下面2aを床面の表面に載置した状態で上方に起立する取っ手部3が設けられている。
【0017】
本実施形態の目地調整具1は、本体2及び取っ手部3がそれぞれ平面視矩形状に形成されている。なお、平面視矩形状とは、本体2の下面2a及び取っ手部3の正面3aを各々その法線方向から見たときの形状をいう。
この本体2の下面2aに対して取っ手部3が略直交して起立するように、本体2の第1側辺21と取っ手部3の第1側辺31とが連設されている。従って、本体2と取っ手部3は、
図1に示すように略L字状に連設されている。
【0018】
前記本体2及び取っ手部3は、剛性のある矩形状の平板から構成されている。従って、少なくとも本体2の下面2a及び取っ手部3の正面3aは平坦状とされている。
本体2及び取っ手部3の厚みは、それらが容易に変形しないような剛性を有している限り特に限定されず、例えば、0.5mm〜10mm程度が例示される。形成材料として比較的剛性の高い合成樹脂や金属を用いた場合には、本体2及び取っ手部3の厚みを0.5mm〜1.5mmとすることもでき、このような比較的薄い目地調整具1は、軽くて取扱いに優れる。
【0019】
本体2の上面2bと取っ手部3の背面3bの成す角は、特に限定されず、鈍角、直角又は鋭角の何れでもよい。本実施形態では、本体2の上面2bと取っ手部3の背面3bの成す角は、鋭角とされ、好ましくは70度以上90度未満とされ、より好ましくは80度以上90度未満とされている。
【0020】
本体2の側辺方向長さ2L及び取っ手部3の側辺方向長さ3Lは、特に限定されないが、これらが余りに短いと、本体2の下面2aを床材の表面に載置したときに安定性が悪くなり、一方、これらが余りに長いと、床材から目地調整具1がはみ出る虞があるので、例えば30mm〜200mm程度が好ましい。
本体2の側辺方向長さ2L及び取っ手部3の側辺方向長さ3Lは、
図2に示すように、同じ長さでもよいし、或いは、何れか一方の側辺方向長さが他方よりも短くてもよい。
【0021】
また、側辺方向長さが異なる複数の目地調整具を用いると、さらに施工効率が向上する。具体的には、例えば、側辺方向長さが30mm〜50mm程度の比較的短い目地調整具と、側辺方向長さが100mm〜200mm程度の比較的長い目地調整具と、を準備する。この短い目地調整具を、短くカットされた床材片を壁面の残部領域に敷設する際、前記床材片の端面と壁面の間の目地を設けるために使用すれば、床材片の側部から目地調整具がはみ出さない。一方、長い目地調整具を、通常の床材の端面間の目地を設けるために使用すれば、目地調整具を安定的に床材上に載置できる。このように辺方向長さが異なる複数の目地調整具を用いると、床材の施工を効率良く行うことができる。
【0022】
側辺方向と直交する方向における本体2の長さ2Wは、特に限定されないが、これが余りに短いと、床材の表面に載置したときに安定性が悪くなる上、壁面と床材の端面の目地を調整するために目地調整具1を使用したときに本体2が摘み難く、一方、これが余りに長いと、取扱い性が悪くなる。これらを考慮すると、前記長さ2Wは、例えば20mm〜50mm程度が好ましい。
側辺方向と直交する方向における取っ手部3の長さ3Wは、特に限定されないが、これが余りに短いと、取っ手部3が摘み難くなり、一方、これが余りに長いと、取扱い性が悪くなるので、例えば10mm〜30mm程度が好ましい。
【0023】
本実施形態の目地調整具1は、別個独立した2つの差込み片51,52を有する。以下、第1の差込み片51及び第2の差込み片52という。
第1の差込み片51は、隣接する床材の端面間に差し込まれる部分であり、第2の差込み片52は、床材の端面と壁面の間に差し込まれる部分である。
第1の差込み片51及び第2の差込み片52は、所定幅の細長い帯板部から構成されている。
【0024】
第1の差込み片51は、本体2の側辺方向に延び、且つ本体2の第1側辺21から下方に向かって突設されている。従って、第1の差込み片51は、その基部が本体2の第1側辺21に連設され、且つその基部から先端部までが本体2の下面2aに対してその法線方向に突出している。
第2の差込み片52は、取っ手部3の側辺方向に延び、且つ取っ手部3の第2側辺32から取っ手部3の正面3aと反対方向に向かって突設されている。第2の差込み片52は、その基部が取っ手部3の第2側辺32に連設されている。なお、第2の差込み片52は、本体2の下面2aと平行に突出しており、従って、第2の差込み片52は、取っ手部3の正面3aに対して鋭角状に突出している。
なお、取っ手部3の第2側辺32とは、取っ手部3の第1側辺31に対向した側辺を指す。
【0025】
第1の差込み片51及び第2の差込み片52の側辺方向長さ51L,52Lは、特に限定されないが、本実施形態では本体2及び取っ手部3の長さ2L,3Lと同長に形成されている。
第1の差込み片51の突出長さ51Wは、床材の厚みと略同じ又は床材の厚みよりも短いことが好ましい。第1の差込み片51の突出長さ51Wが床材の厚みよりも長いと、第1の差込み片51を床材の端面間に差し入れたときに、第1の差込み片51の先端部が下地面に当たり、本体2の下面2aが床材の表面から浮いてしまうからである。
第1の差込み片51の具体的な突出長さ51Wは、例えば、1mm〜5mmであり、好ましくは1mm〜3mmである。
【0026】
第2の差込み片52の突出長さ52Wは、第2の差込み片52を床材の端面と壁面の間に差し入れることができる長さに設定される。
第2の差込み片52の具体的な突出長さ52Wは、1mm〜5mmであり、好ましくは1mm〜3mmである。
【0027】
第1の差込み片51の厚みは、床材の端面間に設ける予定の目地の幅を考慮して適宜設定できる。本発明の目地調整具1が合成樹脂製の床材の目地を調整するために使用される場合には、前記第1の差込み片51の厚みは、例えば、0.05mm〜1.0mmであり、好ましくは0.1mm〜0.5mmであり、より好ましくは0.1mm〜0.3mmである。
【0028】
また、第2の差込み片52の厚みは、床材の端面と壁面の間に設ける予定の目地の幅を考慮して適宜設定できる。本発明の目地調整具1が合成樹脂製の床材の目地を調整するために使用される場合には、前記第2の差込み片52の厚みは、例えば、0.1mm〜2mmであり、好ましくは0.2mm〜1.0mmであり、より好ましくは0.2mm〜0.5mmである。第1の差込み片51の厚みと第2の差込み片52の厚みが異なるのは、一般に、床材の端面間の目地幅よりも床材の端面と壁面の間の目地幅の方が少し広くなるように設定することが好ましいからである。
【0029】
第1の差込み片51の一面と本体2の下面2aの成す角αは、鈍角とされ、好ましくは90度を超え110度以下とされ、より好ましくは90度を超え100度以下とされ、さらに好ましくは90度を超え95度以下とされている。第1の差込み片51と本体2の下面2aの成す角αが鈍角とされていることにより、後述するように床材を押し込み過ぎると目地調整具1の本体2の下面2aが床材から浮き上がるので、床材の押し込み過ぎを目視によって確認できる。
尚、前記角αが90度に近づくに従って床材の押し込み過ぎが判り難くなるが、他方、前記角αが180度に近づくに従って第1の差込み片51の鈍角の度合いが大きくなるため、目地幅を正確に調整できなくなるおそれがあるので、前記角αは、90度を超え110度以下とされていることが好ましい。
【0030】
上記目地調整具1の材質は、特に限定されず、硬質の合成樹脂、金属などが挙げられる。
また、本実施形態では、合成樹脂又は金属を用いて、本体2、取っ手部3及び第2の差込み片52が一体的に形成され、合成樹脂又は金属を用いて形成された別体の帯板を取っ手部3の正面3aの下方部に接着することによって、第1の差込み片51が本体2に設けられている。
【0031】
次に、上記目地調整具1の使用方法を説明する。
上記目地調整具1を使用すれば、床材の端面間の目地及び床材の端面と壁面の間の目地をそれぞれ調整できる。
本発明の目地調整具1は、熱や水分などによって僅かに伸張する床材を敷設する際に使用することが好ましい。このような床材は経時的に伸張するので、目地を設けて床材を敷設する必要があるからである。
【0032】
尚、目地とは、床材の端面間に又は床材の端面と壁面の間における僅かな隙間をいう。
目地の幅は、特に限定されないが、合成樹脂製の床材の場合には、床材の端面間の目地の幅は、0.1mm〜0.3mm程度、床材の端面と壁面の間の目地の幅は、0.3mm〜0.5mm程度とされる。
【0033】
床材としては、上記のように経時的に伸張するようなものであれば特に限定されず、代表的には従来公知の合成樹脂製の床材が挙げられる。
床材の厚みも特に限定されず、一般的には、1mm〜8mm程度である。このように比較的薄い床材の場合、目地の幅が広すぎると目立と、逆にそれが狭すぎると浮き上がりが生じやすい。本発明の目地調整具1は、このような床材に特に好適に使用することができる。
また、床材の平面視形状は、一般的には、正方形のものが使用されるが、長方形、三角形、六角形などでもよい。本発明の目地調整具1は、直線状に延びる端面を有する床材であって端面同士を突き合わせて敷設される床材に対して使用でき、そのような床材であればその平面形状は限定されない。なお、床材が正方形である場合、その一辺は、250mm〜750mm程度が挙げられる。
特に、縦800mm〜1000mm、横100mm〜200mmの長方形の床材においては、長手方向に伸張し易いので、浮き上がりが生じやすくなる。本発明の目地調整具1は、このような長方形の床材に特に好適に使用することができる。
【0034】
図3及び
図4は、上記目地調整具1を用いて床材の端面間に目地を設けるときの施工例を示している。
下地面に敷設された第1床材71の端面71aに目地調整具1の第1の差込み片51の一面を当てつつ、第1床材71の表面に目地調整具1の本体2の下面2aを載置する。次に、第2床材72の端面72aが前記第1の差込み片51の先端部に当たるように第2床材72を突き合わせて敷設する。
上記目地調整具1においては、第1の差込み片51が本体2の下面2aに対して鈍角状に突出している。第1の差込み片51は、第1床材71の端面71a及び第2床材72の端面72aに対して僅かに傾斜した状態で、第1床材71の端面71aと第2床材72の端面72aの間に介在される。
【0035】
その後、取っ手部3を摘んで上方に引き上げることにより、第1の差込み片51を第1床材71と第2床材72の端面72a間から抜くことができる。第1の差込み片51を抜いた後には、第1床材71の端面71aと第2床材72の端面72aの間に所定幅の目地が確保されている。なお、上記のように第1の差込み片51は第1床材71の端面71a及び第2床材72の端面72aに対して僅かに傾斜して介在されているので、前記端面間の目地の幅は、第1の差込み片51の厚みよりも若干広くなる。
上記角αが180度に近づくに従って第1の差込み片51の鈍角の度合いが大きくなるため、目地の幅は第1の差込み片51の厚みよりも広くなっていく。従って、目地の幅をより正確に調整する必要がある場合には、前記角αを90度に近づけることが好ましい。
【0036】
本発明の目地調整具1は、第1の差込み片51が突設された本体2の第1側辺21に沿って、取っ手部3が上方に突設されているので、取っ手部3を容易に摘むことができる上、この取っ手部3を引き上げれば第1の差込み片51が端面71a,72a間から抜けて目地調整具1を床材から取り外すことができる。
また、本発明の目地調整具1は、第1の差込み片51が本体2の下面2aに対して鈍角状に突出されているので、第2床材72を第1床材71側に押し込みすぎると、
図5に示すように、第1床材71の端面71aと第1の差込み片51の一面が平行になって本体2の下面2aが第1床材71の表面から浮き上がる。
【0037】
前記角αが180度に近づくに従って第1の差込み片51の鈍角の度合いが大きくなるため、それに応じて、第2床材72を第1床材71側に押し込みすぎた場合の本体2の下面2aの浮き上がりが大きくなる。従って、第2床材72の押し込みすぎをより鋭敏に視認したい場合には、第1の差込み片51の鈍角の度合いを大きくすることが好ましい。
【0038】
このように目地調整具1の本体2が上方に動くと、第2床材72の押し込み量が多いことを目視で確認できるので、床材を押し込み過ぎることなく、設定された所定幅の目地を床材の端面間に確実に設けることができる。
本発明の目地調整具1は、簡易な構造であり、使用方法も簡便であるので、熟練者でない施工者でも所定幅の目地を確保しながら床材を敷設できる。
【0039】
なお、
図4に示すように、第1床材71の表面に本体2の下面2aを載せると、取っ手部3が床材の表面に対して起立した状態で立ち上がるので、この取っ手部3の背面3b又は/及び正面3aが施工者の目に止まりやすい。このため、取っ手部3の背面3b又は/及び正面3aに、例えば「床材の端面用」などの表示を行っておけば、「床材の端面間の目地を設けるときには本体の下面を床材の表面に載せる」という使用方法を施工者に伝えることができるので、使用方法の勘違いを防止できる。よって、施工時の間違いを減らし、作業効率を向上させることが可能となる。
【0040】
次に、
図6及び
図7は、上記目地調整具1を用いて床材の端面と壁面の間に目地を設けるときの施工例を示している。
具体的には、壁面に配置する床材73の端面73aと壁面9の間に目地調整具1の第2の差込み片52を介在させ、床材73の表面に目地調整具1の取っ手部3の正面3aを対面させる。上記目地調整具1は、取っ手部3と本体2が鋭角状に連設されているので、取っ手部3の正面3aの全体が床材73の表面に当接せず、取っ手部3の第1側辺31が床材73の表面に接し、取っ手部3の正面3aは床材73の表面から浮いている。
【0041】
第2の差込み片52を介在させた状態で床材73を壁面9側に押し込むことにより、第2の差込み片52の一面が壁面9に当接し且つ第2の差込み片52の他面が床材73の端面73aに当接する。
取っ手部3を床材73の表面に対面させた状態にあっては、本体2が床材73の表面に対して立ち上がっている。このため、本体2を容易に摘むことができ、この本体2を引き上げれば第2の差込み片52が床材73の端面73aと壁面9の間から抜けて目地調整具1を床材から取り外すことができる。
【0042】
このようにして床材の端面と壁面の間にも、所定幅の目地を確実に設けることができる。一般に、床材の端面と壁面の間の目地幅は、床材の伸長が壁面部に集中する場合があるので、床材の端面間の目地幅よりも少し広くなるように設定することが好ましい。
【0043】
なお、上記目地調整具1においては、床材73の表面に取っ手部3の正面3aを対面させると、本体2が床材73の表面に対して起立した状態で立ち上がるので、この本体2の下面2aが施工者の目に止まりやすい。このため、本体2の下面2aに、例えば「壁面用」などの表示を行っておけば、「床材の端面と壁面の間の目地を設けるときには取っ手部の正面を床材の表面に対面させる」という使用方法を施工者に伝えることができ、使用方法の勘違いを防止できる。
【0044】
次に、
図8は、1枚の床材が嵌り込まない領域に適合するように床材を切断するときの施工例を示す模式図である。尚、
図8においては、施工例を判り易く説明するために、床材の長さを短く図示している。
床材は、一般的には、下地面の中央部から壁面方向に順次敷設される。通常、順次床材を敷設していくと、壁面付近には、1枚の床材よりも狭い領域が残ってしまう。本明細書において、この残った領域を、残部領域という。この残部領域に床材を嵌め込むために、残部領域に適合するように1枚の床材を切断する。
【0045】
この1枚の床材の切断は、次のようにして行うことができる。
残部領域8に直近した敷設済みの床材74の上に、切断対象の床材75を一致させて重ね置き、この切断対象の床材75の上に更に別途の1枚の床材76を置く。この別途の床材76は、物指しの代用である。上記
図6及び
図7と同様に、目地調整具1の第2の差込み片52を介在させながら、前記別途の床材76の端面76aを壁面9に当てる。次に、別途の床材76の対辺761に沿ってカッターを動かして前記切断対象の長方形床タイルを切断する。そして、切断によって得られた床材片77(床材片77を、便宜上薄墨塗りで示している)を残部領域8にスライド移動させ、これを残部領域8に嵌め合わせる。このようにして形成された床材片77は、残部領域8よりも第2の差込み片52の厚み分だけ短いので、残部領域8に嵌めた床材片77の端面と壁面9の間に所定幅の目地を設けることができる。
【0046】
本発明の床材の目地調整具1は、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に設計変更できる。
例えば、上記実施形態においては、第1の差込み片51が本体2と取っ手部3の連設部分である本体2の第1側辺21から突設されているが、例えば、
図9に示すように、第1の差込み片51は、本体2の第2側辺22から下方に向かって突設されていてもよい。この場合、第1の差込み片51の一面と本体2の下面2aの成す角αは、上記実施形態と同様に鈍角状であることが好ましい。
【0047】
さらに、
図10に示すように、第2の差込み片52の一面と取っ手部3の正面3aの成す角βが鈍角となるように、第2の差込み片52が取っ手部3の第2側辺32から突設されていてもよい。この角βは、好ましくは90度を超え110度以下であり、より好ましくは90度を超え100度以下であり、さらに好ましくは90度を超え95度以下である。第2の差込み片52が取っ手部3の正面3aに対して鈍角状に突設されていることにより、床材の端面と壁面の間に第2の差込み片52を介在させ且つ取っ手部3の正面3aを床材の表面に載置して、床材の端面と壁面の間に目地を設けるときに床材を押し込み過ぎると、取っ手部3が床材の表面から浮き上がる。よって、上記実施形態の目地調整具1の第1の差込み片51を用いて床材の端面間に目地を設ける場合と同様に、床材を押し込み過ぎることなく、設定された所定幅の目地を床材の端面と壁面の間に確実に設けることができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、側辺方向と直交する方向における本体2の長さ2Wが側辺方向と直交する方向における取っ手部3の長さ3Wよりも長いが、例えば、
図10に示すように、本体2と取っ手部3の前記長さ2W,3Wが略同じであってもよい。
【0049】
また、上記実施形態において、第1の差込み片51が本体2の下面2aに対して鈍角状に突設されているが、例えば、
図11に示すように、第1の差込み片51の一面と本体2の下面2aの成す角αが直角となるように、第1の差込み片51が突設されていてもよい。また、第2の差込み片52の一面と取っ手部3の正面3aの成す角βが直角となるように、第2の差込み片52が突設されていてもよい。
【0050】
この実施形態の目地調整具1では、床材の押し込み過ぎても本体2や取っ手部3が浮き上がらないので、床材の押し込み過ぎを目視で確認できるという効果を奏しないが、第1の差込み片51や第2の差込み片52を用いて目地を設けることができ且つ取っ手部3や本体2を摘んで目地調整具1を容易に取り外すことができるという効果を奏する。また、第1の差込み片51の一面と本体2の下面2aの成す角αが直角であると、設けられる目地の幅が第1の差込み片51の厚みと一致するので、第1の差込み片51の長さの製造誤差などの要因に影響されることなく、目地の幅を正確に調整することができる。なお、第2の差込み片52についても同様のことが言える。
【0051】
また、上記実施形態においては、第1の差込み片51が本体2の第1側辺21から突設されているが、例えば、
図12に示すように、第1の差込み片51が、本体2の下面2aの面内から下方に向かって突設されていてもよい。この場合、第1の差込み片51の一面と本体2の下面2aの成す角αは、直角とされていることが好ましい。
【0052】
さらに、上記実施形態では、本体2と取っ手部3はそれぞれ平板から構成されているが、平坦状の本体2の下面2aを有していれば、本体2と取っ手部3は平板に限られず、例えば、
図13に示すように、取っ手部3の第2側辺32と本体2の第2側辺が繋がった傾斜面を有する側面視三角形状の部材から本体2と取っ手部3が構成されていてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、取っ手部3に第2の差込み片52が設けられているが、例えば、この第2の差込み片52を設けずに、本体2のみに差込み片(第1の差込み片51)が設けられていてもよい。少なくとも本体2に差込み片が設けられている目地調整具1を用いれば、少なくとも床材の端面間の目地を調整できる。
【0054】
本体2のみに差込み片53が設けられる目地調整具1について、
図14に示すように、その差込み片53は本体2の第2側辺22から下方に突設されていることが好ましい。かかる目地調整具1によれば、本体2の下面2aを床材に載置し、その差込み片53を床材の端面間に介在させることもできるし、その差込み片53を床材の端面と壁面の間に介在させることもできる。なお、この差込み片53も、上記実施形態と同様に、本体2の下面2aとの成す角αが鈍角となるように突設されていることが好ましい。
【0055】
また、上記実施形態において、取っ手部3は本体2の側辺から突設されているが、例えば、取っ手部3が本体2の上面2bの面内から上方に突設されていてもよい。