(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主回路設置機器は、前記外部電源から供給される電圧を検出する電圧検出部(34)と、前記電圧検出部の検出結果に基づいて動作する検出結果利用部(36)と、を含む、
請求項3から6のいずれか1項に記載の消費電力削減装置。
前記主回路設置機器は、前記外部電源から供給される電圧を検出する電圧検出部(34)と、前記電圧検出部の検出結果に基づいてアクチュエータ(M22)を駆動するための駆動信号(SU、SV、SW)を生成する駆動信号生成部(36)と、を含む、
請求項3から6のいずれか1項に記載の消費電力削減装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0033】
(1)概要および空調機10の構成
図1は、モータ駆動装置30の概略構成図である。
図1では、アクチュエータとしての室内ファンモータM22と、この室内ファンモータM22を駆動制御するための本実施形態に係るモータ駆動装置30の構成を示している。
【0034】
室内ファンモータM22は、空調機10の室内ユニット21(
図2参照)に含まれる機器の1つである室内ファン22の駆動源として用いられるファンモータであって、交流電圧を印加されることによって駆動する交流モータである。
【0035】
モータ駆動装置30は、室内ユニット21内に搭載されており、室内ファンモータM22に流れる電流であるモータ電流Imに基づいて室内ファンモータM22をベクトル制御(すなわち、交流モータの磁界方向制御:Field Oriented Control)する装置である。
【0036】
以下、
図2を参照して空調機10の構成について説明する。
図2は、空調機10の概略構成図である。
【0037】
空調機10は、主として、屋外に設置される室外ユニット11と、室内の天井や壁面等に設置される室内ユニット21とを有する、セパレートタイプの空調機である。これらのユニット11、21は、冷媒配管Pi1、Pi2によって接続されており、蒸気圧縮式の冷媒回路10aが構成されている。空調機10は、冷房運転および暖房運転等を行うことが可能となっており、運転モードおよび停止モードを含む制御モードを有している。運転モードは、空調機10を運転させる場合に選択される。停止モードは、空調機10の運転を停止させる場合に選択される。
【0038】
(1−1)室外ユニット11
室外ユニット11は、主として、圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、および室外ファン16を有している。
【0039】
圧縮機12は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して高圧のガス冷媒とした後に吐出する機構である。ここでは、圧縮機12として、ケーシング(図示省略)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示省略)が、同じくケーシング内に収容された圧縮機モータM12を駆動源として駆動される密閉式圧縮機が採用されており、これにより圧縮機12の容量制御が可能になっている。すなわち、圧縮機12は、容量可変自在なタイプの圧縮機である。圧縮機モータM12は、3相のブラシレスDCモータであって、ステータおよびロータ等を有している。
【0040】
四路切換弁13は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。四路切換弁13は、冷房運転時には、圧縮機12の吐出側と室外熱交換器14のガス側とを接続するとともに後述の室内熱交換器23のガス側と圧縮機12の吸入側とを接続する。また、四路切換弁13は、暖房運転時には、圧縮機12の吐出側と室内熱交換器23のガス側とを接続するとともに室外熱交換器14のガス側と圧縮機12の吸入側とを接続する。つまり、四路切換弁13の採り得る接続状態は、空調機10の運転種類に応じて変化する。
【0041】
室外熱交換器14は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器14は、その液側が膨張弁15に接続されており、ガス側が四路切換弁13に接続されている。
【0042】
膨張弁15は、電動膨張弁で構成されている。膨張弁15は、冷房運転時には、室外熱交換器14において放熱した高圧の液冷媒を室内熱交換器23に送る前に減圧する。また、膨張弁15は、暖房運転時には、室内熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器14に送る前に減圧する。
【0043】
室外ファン16は、室外空気を室外ユニット11内に吸入して室外熱交換器14に供給した後に、当該空気を室外ユニット11の外に排出する。室外ファン16としては、例えばプロペラファンが採用されており、室外ファンモータM16を駆動源として回転駆動される。室外ファンモータM16は、ステータおよびロータを有する3相のブラシレスモータである。
【0044】
その他、室外ユニット11は、冷媒圧力センサ、冷媒温度検知センサ、外気温度検知センサ等の様々なセンサの他、該ユニット11内の各種機器を制御する室外ユニット制御部(図示省略)等を有している。
【0045】
(1−2)室内ユニット21
室内ユニット21は、主として、室内ファン22および室内熱交換器23を有しており、これらは、該ユニット21のケーシング内部に配置されている。
【0046】
室内ファン22は、室内空気を吸込口(図示省略)を介してケーシング内に吸い込むとともに、室内熱交換器23にて熱交換された後の空気を吹出口(図示省略)を介してケーシング内から室内に吹き出す送風機である。室内ファン22は、例えばクロスフローファンで構成され、室内ファンモータM22を駆動源として回転駆動される。室内ファンモータM22は、モータ駆動装置30によって駆動制御される。
【0047】
ここで、室内ファンモータM22について、
図1を用いて詳述する。室内ファンモータM22は、他のモータM12、M16と同様、3相のブラシレスDCモータにて構成されており、ステータ22aとロータ22bとを有している。
【0048】
ステータ22aは、スター結線されたU相、V相およびW相の駆動コイルLu、Lv、Lwを含む。各駆動コイルLu、Lv、Lwの一方端は、それぞれインバータ37(後述)から延びるU相、V相およびW相の各配線の駆動コイル端子TU、TV、TWに接続されている。各駆動コイルLu、Lv、Lwの他方端は、互いに端子TNとして接続されている。これら3相の駆動コイルLu、Lv、Lwは、ロータ22bが回転することにより、その回転速度とロータ22bの位置に応じた誘起電圧を発生させる。
【0049】
ロータ22bは、N極およびS極からなる複数極の永久磁石を含み、ステータ22aに対し回転軸を中心として回転する。ロータ22bの回転トルクは、この回転軸と同一軸心上にある出力軸(図示省略)を介して室内ファン22に伝達される。ロータの構造に着目すると、モータの種類には、大きく分けて表面磁石型モータ(Surface Permanent Magnet Motor:以下、SPMモータと記載する)と埋め込み磁石型モータ(Interior Permanent Magnet Motor:以下、IPMモータと記載する)とがある。以下の説明では、室内ファンモータM22として使用されるブラシレスDCモータが、主に一般的なSPMモータである場合を想定することとする。
【0050】
室内熱交換器23は、冷房運転時には、冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には、冷媒の凝縮器として機能する熱交換器である。室内熱交換器23は、各冷媒配管Pi1、Pi2に接続されており、例えば、複数のフィンと、このフィンに挿入された複数の伝熱管とで構成されている。室内熱交換器23は、ケーシング内に吸い込まれた室内の空気と、伝熱管を流れる冷媒との間で、熱交換を行う。
【0051】
その他、室内ユニット21は、図示してはいないが、吹出口に設けられた水平フラップ、吸込空気温度センサ等の各種センサ、該ユニット21内の各種機器を制御する室内ユニット制御部等を有している。
【0052】
(2)モータ駆動装置30の構成
以下、
図1を参照してモータ駆動装置30の構成について説明する。モータ駆動装置30は、例えば1枚のプリント基板上に実装されており、主として、主回路30aと、補助回路30bと、第1切換部51と、第2切換部52(以下、第1切換部51および第2切換部52を併せて切換部50と記載する)と、から構成されている。
【0053】
主回路30aには、第1直流電圧生成部31と、電圧検出部34と、電流検出部35と、駆動電圧生成部36と、第1レベルシフタ41(主電源に相当)と、が配設されている。このうち、電圧検出部34、電流検出部35および駆動電圧生成部36を、主回路30aに配設される機器にあたる主回路設置機器301として説明する。主回路30aは、室内ファンモータM22と電気的に接続されている。
【0054】
補助回路30bには、第2直流電圧生成部42と、第2レベルシフタ43(補助電源に相当)と、統括制御部60と、が配設されている。このうち、統括制御部60を、補助回路30bに配設される機器にあたる補助回路設置機器302として説明する。主回路30aおよび補助回路30bは、商用電源70と接続されて電力供給されている。なお、主回路30aおよび補助回路30bと商用電源70とは、例えば家屋内のコンセントを介して電源コードによって接続される。
【0055】
第1切換部51は、商用電源70と主回路30aとの間において主回路30aと直列に接続されている。第2切換部52は、商用電源70と補助回路30bとの間において補助回路30bと直列に接続されている。統括制御部60は、主回路30a、補助回路30bおよび切換部50と、電気的に接続されている。
【0056】
(2−1)主回路30a
(2−1−1)第1直流電圧生成部31
第1直流電圧生成部31は、商用電源70から入力される交流電圧Vacを直流電圧Vdc1に変換するためのものである。第1直流電圧生成部31は、主として、整流部32と、平滑コンデンサ33と、を有する。
【0057】
整流部32は、4つのダイオードD1a、D1b、D2a、D2bによってブリッジ状に構成されている。具体的には、ダイオードD1aとD1b、D2aとD2bは、それぞれ互いに直列に接続されている。ダイオードD1a、D2aの各カソード端子は、ともに平滑コンデンサ33のプラス側端子に接続されており、整流部32の正側出力端子として機能する。
【0058】
ダイオードD1b、D2bの各アノード端子同士は、平滑コンデンサ33のマイナス側端子に接続されており、整流部32の負側出力端子として機能する。ダイオードD1a、D1b同士の接続点およびダイオードD2a、D2b同士の接続点は、それぞれ商用電源70に接続されている。すなわち、ダイオードD1a、D1b同士の接続点、およびダイオードD2a、D2b同士の接続点は、それぞれ整流部32の入力の役割を担っている。
【0059】
このような構成を有する整流部32は、後述する第1スイッチSW1を介して商用電源70から入力される交流電圧Vacを整流し、これを平滑コンデンサ33に供給する。
【0060】
平滑コンデンサ33は、一端が整流部32の正側出力端子に接続され、他端が整流部32の負側出力端子に接続されている。平滑コンデンサ33は、整流部32によって整流された電圧を平滑する。平滑された電圧は、リップルの低い直流電圧Vdc1であり、平滑コンデンサ33の後段、すなわち出力側に接続されたインバータ37に印加される。このコンデンサの他端側が、主回路30aの基準電位(以下GNDと略す)となる。
【0061】
なお、コンデンサの種類としては、電解コンデンサやセラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ等が挙げられるが、本実施形態においては、平滑コンデンサ33として電解コンデンサが採用される場合を例に採る。
【0062】
(2−1−2)電圧検出部34
電圧検出部34は、平滑コンデンサ33の出力側において、平滑コンデンサ33に並列に接続されている。電圧検出部34は、平滑コンデンサ33の両端電圧、すなわち第1直流電圧生成部31から供給される電圧である直流電圧Vdc1の値を検出する。
【0063】
特に、本実施形態に係る電圧検出部34は、
図3に示すように、例えば直列に接続された2つの抵抗R34a、R34bが平滑コンデンサ33に並列接続され、直流電圧Vdc1を分圧する構成を有している。2つの抵抗R34a、R34b同士の接続点の電圧値は、直流電圧Vdc1に所定の分圧比をかけた値として、駆動電圧生成部36のセンサレス制御部40(後述)に入力される。なお、所定の分圧比は、互いに直接に接続された各抵抗R34a、R34bの値によって決定される。
【0064】
このような構成を有する電圧検出部34は、直流電圧Vdc1に伴う電流が電圧検出部34の内部(具体的には、抵抗R34a、R34b)を流れることで、直流電圧Vdc1の値を検出している。したがって、本実施形態に係る第1直流電圧生成部31は、電圧検出部34内部に電流を供給するための「電流供給部」ともいえる。この電流が各抵抗に流れることにより、モータM22が駆動していない状態においても、電圧検出部34においては電力が消費されることになる。
【0065】
(2−1−3)電流検出部35
電流検出部35は、
図1に示すように、平滑コンデンサ33と駆動電圧生成部36におけるインバータ37との間であって、かつ平滑コンデンサ33の負側出力端子側に接続されている。電流検出部35は、室内ファンモータM22の起動後、室内ファンモータM22に流れるモータ電流Imを検出する。このような電流検出部35は、
図3に示すように、例えばシャント抵抗R35aおよび増幅回路35bによって構成される。
【0066】
シャント抵抗R35aは、平滑コンデンサ33の負側出力端子に接続されているGND配線L1上において、直列に接続されている。
【0067】
増幅回路35bは、シャント抵抗R35aの両端の電圧を所定の倍率で増幅させるためのオペアンプなどからなる回路であって、2つの入力はシャント抵抗R35aの両端に接続されており、1つの出力はセンサレス制御部40に接続されている。
【0068】
室内ファンモータM22を流れる電流(すなわちモータ電流Im)はGND配線L1上を流れるため、電流検出部35は、このモータ電流Imに伴うシャント抵抗R35aの両端電圧を通電状態に応じて検出することによって、モータ電流Imを検出することができる。
【0069】
(2−1−4)駆動電圧生成部36
駆動電圧生成部36は、室内ファンモータM22を駆動するための交流電圧である駆動電圧SU、SV、SW(駆動信号に相当)を、電圧検出部34および電流検出部35の各検出結果Vdc1、Im等に基づいて生成し、生成した駆動電圧SU、SV、SWを室内ファンモータM22に出力する。特に、本実施形態に係る駆動電圧生成部36は、電圧検出部34の検出結果である直流電圧Vdc1の値等を用いて、ロータ位置センサレス方式に基づく駆動電圧SU、SV、SWを生成する。
【0070】
駆動電圧生成部36は、
図1に示すように、インバータ37(出力部に相当)と、室内ファン制御部38(決定部に相当)とによって構成されている。
【0071】
(2−1−5)インバータ37
インバータ37は、平滑コンデンサ33の出力側に接続されている。インバータ37は、
図1に示すように、複数の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、単にトランジスタという)Q3a、Q3b、Q4a、Q4b、Q5a、Q5bおよび複数の還流用ダイオードD3a、D3b、D4a、D4b、D5a、D5bを含む。
【0072】
トランジスタQ3aとQ3b、Q4aとQ4b、Q5aとQ5bは、それぞれ互いに直列に接続されている。各ダイオードD3a〜D5bは、トランジスタのコレクタ端子とダイオードのカソード端子とが接続されるとともにトランジスタのエミッタ端子とダイオードのアノード端子とが接続されることで、各トランジスタQ3a〜Q5bに対して逆並列に接続されている。
【0073】
インバータ37には、平滑コンデンサ33からの直流電圧Vdc1が印加される。そして、インバータ37は、ゲート駆動部39(後述)により指示されたタイミングで各トランジスタQ3a〜Q5bがオンおよびオフを行うことで、所望のデューティを有する駆動電圧SU、SV、SW(駆動信号に相当)を生成する。この駆動電圧SU、SV、SWは、各トランジスタQ3aとQ3b、Q4aとQ4b、Q5aとQ5bの各接続点NU、NV、NWから室内ファンモータM22に出力される。すなわち、インバータ37は、室内ファンモータM22に電力を供給する。
【0074】
(2−1−6)室内ファン制御部38
室内ファン制御部38は、RAM、ROMおよびCPUからなるマイクロコンピュータであって、インバータ37と接続されている。室内ファン制御部38は、室内ファンモータM22専用の駆動制御用コンピュータであり、インバータ37が室内ファンモータM22に出力すべき駆動電圧SU、SV、SWを、電圧検出部34の検出結果等を用いて決定する制御を行う。
【0075】
このような室内ファン制御部38は、
図1に示すように、主として、ゲート駆動部39およびセンサレス制御部40を有する。
【0076】
(2−1−6−1)ゲート駆動部39
ゲート駆動部39は、センサレス制御部40からの電圧指令値Vpwmに基づき、インバータ37の各トランジスタQ3a〜Q5bのオンおよびオフの状態を変化させる。具体的には、ゲート駆動部39は、センサレス制御部40によって決定されたデューティを有する駆動電圧SU、SV、SWがインバータ37から室内ファンモータM22に出力されるように、各トランジスタQ3a〜Q5bのゲートに印加するゲート制御電圧Gu、Gx、Gv、Gy、Gw、Gzを生成する。生成されたゲート制御電圧Gu、Gx、Gv、Gy、Gw、Gzは、それぞれのトランジスタQ3a〜Q5bのゲート端子に印加される。
【0077】
ここで、電圧指令値Vpwmとは、駆動電圧SU、SV、SWに関するパラメータを定めるための指令値である。電圧指令値Vpwmは、電圧検出部34および電流検出部35それぞれによって検出された直流電圧Vdc1の値およびモータ電流Imの値などに関連して決定され、センサレス制御部40から出力される。駆動電圧SU、SV、SWに関するパラメータとしては、駆動電圧SU、SV、SWそれぞれのデューティ、周波数、電圧値等が挙げられるが、本実施形態では、電圧指令値Vpwmが駆動電圧SU、SV、SWのデューティを定めるための指令値である場合、つまりは室内ファンモータM22がPWM制御される場合を例に採る。
【0078】
(2−1−6−2)センサレス制御部40
センサレス制御部40は、電圧検出部34、電流検出部35、ゲート駆動部39、および統括制御部60と接続されている。センサレス制御部40は、室内ファンモータM22をセンサレス方式(より具体的には、ロータ位置センサレス方式)にて駆動制御するための機能部である。
【0079】
具体的には、室内ファンモータM22は、まずは、直流励磁方式または強制駆動方式にて起動する。直流励磁方式とは、起動直前の室内ファンモータM22に対して直流通電を行うことで、室内ファンモータM22におけるロータ22bの位置を所定位置に一旦固定させ、ロータ22bが固定した状態から室内ファンモータM22の駆動を開始させる方式である。また、強制駆動方式とは、ロータ22bの位置に関係なく、ある程度の電圧値および周波数を有する駆動電圧SU、SV、SWを室内ファンモータM22に印加する強制通電を行うことで、室内ファンモータM22を強制的に起動させる方式である。
【0080】
そして、センサレス制御部40は、起動後の室内ファンモータM22のロータ22bの位置を推定するとともに、推定したロータ22bの位置に基づいて室内ファンモータM22の回転数を推定する。推定された室内ファンモータM22の回転数は、回転数信号FGとして、統括制御部60に入力される。
【0081】
さらに、センサレス制御部40は、統括制御部60から回転数指令Vfgを含む運転指令が送られてくると、この運転指令、推定したロータ22bの位置、推定した回転数、電圧検出部34の検出結果および電流検出部35の検出結果を用いて、ロータ位置センサレス方式により各制御タイミングにおける駆動電圧SU、SV、SWのデューティを、電圧指令値Vpwmとして決定していく。
【0082】
ここで、ロータ位置センサレス方式とは、室内ファンモータM22の特性を示す各種パラメータ、直流電圧Vdc1(すなわち、電圧検出部34の検出結果)、モータ電流Im(すなわち、電流検出部35の検出結果)、および室内ファンモータM22の制御に関する所定の数式モデル等を用いて、ロータ22bの位置の推定、回転数の推定、回転数に対するPI制御、およびモータ電流Imに対するPI制御等を行う方式である。室内ファンモータM22の特性を示す各種パラメータとしては、使用される室内ファンモータM22の巻線抵抗、インダクタンス成分、誘起電圧、極数などが挙げられる。
【0083】
(2―1−7)第1レベルシフタ41(主電源に相当)
第1レベルシフタ41は、
図1に示すように、平滑コンデンサ33に対し並列に接続されており、平滑コンデンサ33の両端電圧(つまりは直流電圧Vdc1)が印加される。第1レベルシフタ41の出力は、室内ファン制御部38、統括制御部60および第1駆動部PS1に接続されている。
【0084】
このような第1レベルシフタ41は、印加された直流電圧Vdc1を、3つの所定電圧V1、V2、V3に変換し、変換後の所定電圧V1、V2、V3を制御用電源電圧として室内ファン制御部38、統括制御部60および第1駆動部PS1それぞれに印加する。
【0085】
すなわち、第1レベルシフタ41は、室内ファン制御部38、統括制御部60および第1駆動部PS1の制御用電源として機能する。一例として、直流電圧Vdc1が140Vであるとして、第1レベルシフタ41は、この直流電圧Vdc1を、3Vの電圧V1と、5Vの電圧V2およびV3と、に変換する。3Vの電圧V1は、統括制御部60を動作させるために印加される電源電圧である。5Vの電圧V2またはV3は、室内ファン制御部38または第1駆動部PS1を動作させるために印加される電源電圧である。なお、第1レベルシフタ41は、上記と同様に、インバータ37を制御するための制御用電源電圧(例えば15V)をさらに変換してもよい。
【0086】
(2−2)補助回路30b
(2−2−1)第2直流電圧生成部42
第2直流電圧生成部42は、商用電源70から入力される交流電圧Vacを直流電圧Vdc2に変換するためのものである。第2直流電圧生成部42は、第1直流電圧生成部31と略同一の構成であり、主として、整流部42aと平滑コンデンサ42bとを有する。
【0087】
整流部32は、4つのダイオードD6a、D6b、D7a、D7bによってブリッジ状に構成されている。ダイオードD6a、D7aの各カソード端子は、ともに平滑コンデンサ42bのプラス側端子に接続されており、整流部42aの正側出力端子として機能する。ダイオードD6b、D7bの各アノード端子同士は平滑コンデンサ42bのマイナス側端子に接続されており、整流部42aの負側出力端子として機能する。
【0088】
ダイオードD6a、D6b同士の接続点およびダイオードD7a、D7b同士の接続点は、それぞれ商用電源70に接続されている。すなわち、ダイオードD6a、D6b同士の接続点、およびダイオードD7a、D7b同士の接続点は、それぞれ整流部42aの入力の役割を担っている。
【0089】
このような構成を有する整流部42aは、商用電源70から入力される交流電圧Vacを整流し、これを平滑コンデンサ42bに供給する。
【0090】
平滑コンデンサ42bは、一端が整流部42aの正側出力端子に接続され、他端が整流部42bの負側出力端子に接続されている。平滑コンデンサ42bは、整流部42aによって整流された電圧を平滑する。平滑された電圧は、リップルの低い直流電圧Vdc2であり、平滑コンデンサ42bの後段、すなわち出力側に接続された第2レベルシフタ43に印加される。なお、このコンデンサの他端側が、補助回路30bの基準電位GND2となる。
【0091】
(2−2−2)第2レベルシフタ43(補助電源に相当)
第2レベルシフタ43は、平滑コンデンサ42bに対し並列に接続されており、平滑コンデンサ42bの両端電圧(つまりは直流電圧Vdc2)が印加される。第2レベルシフタ43の出力は、統括制御部60および第2駆動部PS2に接続されている。
【0092】
このような第2レベルシフタ43は、印加された直流電圧Vdc2を、互いに値の異なる2つの所定電圧V4、V5に変換し、変換後の所定電圧V4、V5を制御用電源電圧として統括制御部60および第2駆動部PS2それぞれに印加する。
【0093】
すなわち、第2レベルシフタ43は、統括制御部60および第2駆動部PS2の制御用電源として機能する。一例として、直流電圧Vdc2が140Vであるとして、第2レベルシフタ43は、この直流電圧Vdc2を、3Vの電圧V4と、5Vの電圧V5と、に変換する。3Vの電圧V4は、統括制御部60に印加される電源電圧であって、5Vの電圧V5は、第2駆動部PS2に印加される電源電圧である。
【0094】
(2−2−3)統括制御部60
統括制御部60(補助回路設置機器に相当)は、RAM、ROMおよびCPUからなるマイクロコンピュータである。統括制御部60は、第1レベルシフタ41および/または第2レベルシフタ43から電源電圧を供給される。統括制御部60は、室内ファン制御部38の他に、図示してはいないが、リモートコントローラ、室内ユニット制御部、室外ユニット制御部等とも接続されている。
【0095】
統括制御部60は、空調機10に含まれる複数の機器(具体的には、圧縮機12、四路切換弁13、室外ファン16、室内ファン22等)を、統括的に制御する。例えば、統括制御部60は、リモートコントローラから運転開始の指示がなされた場合には、室外ユニット制御部に対し、圧縮機モータM12や室外ファンM16の起動指示を運転開始指示として出力する。
【0096】
また、統括制御部60は、リモートコントローラから運転開始の指示がなされた場合には、室内ユニット制御部に対し、室内ファンモータM22の起動指示を出力する。さらに、統括制御部60は、室内ファンモータM22の回転数を示す回転数信号FGの監視を行ったり、回転数指令Vfgを含む運転指令をセンサレス制御部40に出力したりする。
【0097】
また、統括制御部60は、後述する切換部50の制御を行っているが、これについては、後の「(2−4)統括制御部60による切換部50の制御」において詳述する。
【0098】
(2−3)切換部50
第1切換部51は、主回路30aへの電流の流れを切換えるためのものであり、上述のように商用電源70と主回路30aとの間において主回路30aと直列に接続されている。また、第2切換部52は、補助回路30bへの電流の流れを切換えるためのものであり、上述のように商用電源70と補助回路30bとの間において補助回路30bと直列に接続されている。このように切換部50が配設されていることにより、モータ駆動装置30においては、主回路30aまたは補助回路30bへの電力供給を遮断できるようになっている。
【0099】
第1切換部51は、主として、第1スイッチSW1と、第1駆動部PS1と、から構成されている。第2切換部52は、第2スイッチSW2と、第2駆動部PS2と、から構成されている。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2を併せてスイッチSWと記載する。また、第1駆動部PS1と第2駆動部PS2とを併せて駆動部PSと記載する。
【0100】
(2−3−1)スイッチSW
スイッチSWは、交流電圧Vacが印加されていれば電流が流れてしまう構成となっている主回路30aまたは補助回路30bにおいて、不必要に電力が消費されてしまうのを防ぐための電気部品である。
【0101】
スイッチSWは、例えば半導体スイッチの一種であるMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)で構成されており、主回路30aまたは補助回路30bに電流が流れるか流れないかを切換えるスイッチの役割を担っている。MOSFETは、ゲート端子の電位をソース端子の電位に対して閾値以上とすることによりオンする。そのため、ゲート端子に適切な電圧を印加することにより、MOSFETで構成されたスイッチSWは、オンとオフとを切換えるスイッチとして動作することができる。
【0102】
(2−3−2)駆動部PS
駆動部PSは、複数のトランジスタ等によって構成されている。
【0103】
第1駆動部PS1の入力は、統括制御部60および第1レベルシフタ41に接続されている。また、第1駆動部PS1の出力は、第1スイッチSW1のゲート端子に接続されている。第1駆動部PS1は、第1レベルシフタ41から所定電圧V2を供給される。第1駆動部PS1は、統括制御部60からの指示に応じて、第1スイッチSW1のスイッチ駆動用電源Vsw1を生成し、これを第1駆動部PS1に出力する。すなわち、第1スイッチSW1がオンおよびオフする動作は、統括制御部60によって制御されている。
【0104】
具体的に、第1駆動部PS1は、例えば5Vであるスイッチ駆動用電源Vsw1を第1スイッチSW1に供給することで第1スイッチSW1をオンさせ、主回路30aおよび主回路設置機器301へ商用電源70からの電力が供給され電流が流れるようにする。また、第1駆動部PS1は、スイッチ駆動用電源Vsw1の第1スイッチSW1への供給を断つことによって、第1スイッチSW1をオフさせて、主回路30aおよび主回路設置機器301への電力供給を遮断して電流が流れないようにする。
【0105】
第2駆動部PS2の入力は統括制御部60および第2レベルシフタ43に接続されている。第2駆動部PS2の出力は、第2スイッチSW2のゲート端子に接続されている。第2駆動部PS2は、第2レベルシフタ43から所定電圧V5を供給される。第2駆動部PS2は、統括制御部60からの指示に応じて、第2スイッチSW2のスイッチ駆動用電源Vsw2(以下、スイッチ駆動用電源Vsw1およびVsw2を併せてスイッチ駆動用電源Vswと記載)を生成し、これを第2駆動部PS2に出力する。すなわち、第2スイッチSW2がオンおよびオフする動作は、統括制御部60によって制御されている。
【0106】
第2駆動部PS2は、例えば5Vであるスイッチ駆動用電源Vsw2を第2スイッチSW2に供給することで第2スイッチSW2をオンさせ、補助回路30bおよび補助回路設置機器302へ商用電源70からの電力が供給され電流が流れるようにする。また、第2駆動部PS2は、スイッチ駆動用電源Vsw2の第2スイッチSW2への供給を断つことによって、第2スイッチSW2をオフさせて、補助回路30bおよび補助回路設置機器302への電力供給を遮断して電流が流れないようにする。
【0107】
なお、スイッチSWが、具体的にどのタイミングでオンからオフまたはオフからオンへと切換えられるのかについては、「(3)スイッチSWおよび室内ファンモータM22の動作について」において説明する。
【0108】
(2−4)統括制御部60による切換部50の制御
統括制御部60は、スイッチ駆動用電源VswのスイッチSWへの供給および遮断を駆動部PSに行わせることで、切換部50の制御を行っている。
【0109】
具体的に、統括制御部60は、室内ファンモータM22が駆動している運転モード時には、第1スイッチSW1をオンするように制御する。これにより、運転モード時には主回路30aおよび主回路設置機器301に電力が供給され電流が流れるようになっている。また、統括制御部60は、室内ファンモータM22が駆動していない停止モード時には、第1スイッチSW1をオフするように制御する。これにより、主回路30aおよび主回路設置機器301への電力供給が遮断され電流が流れないようになっている。
【0110】
一方で、統括制御部60は、室内ファンモータM22が駆動している運転モード時には、第2スイッチSW2をオフするように制御する。これにより、運転モード時には補助回路30bへの電力供給が遮断され電流が流れないようになっている。また、統括制御部60は、室内ファンモータM22が駆動していない停止モード時には、第2スイッチSW2をオンするように制御している。これにより、停止モード時には補助回路30bに電力が供給され電流が流れるようになっている。
【0111】
ここで、統括制御部60は、運転モード時には第1レベルシフタ41から電力供給され、停止モードには第2レベルシフタ43から電力供給されている。より詳細には、補助回路設置機器302である統括制御部60は、運転モード時には(商用電源70から第1スイッチSW1を介して)第1レベルシフタ41から電力供給され、待機モード時には(商用電源70から第2スイッチSW2を介して)第2レベルシフタ43から電力供給されている。すなわち、統括制御部60は、常時、電力を供給されている。これにより、統括制御部60は、常時、モード移行の判断およびスイッチSWの切換制御を行うことができるようになっている。
【0112】
このように、統括制御部60は、運転モードか停止モードかによって、スイッチSWのオンまたはオフを切り換えている。これにより、停止モード時に主回路30aおよび主回路設置機器301へ電力供給され電流が流れることを抑制し、運転モード時に補助回路設置機器302(すなわち統括制御部60)を除く補助回路30bへ電力供給され電流が流れることを抑制している。これにより、停止モード時に主回路設置機器301、とりわけ電圧検出部34の電力消費を低減することができる。
【0113】
(3)スイッチSWおよび室内ファンモータM22の動作について
以下、
図4を参照して、スイッチSWがオンからオフへと切換えられるタイミング、およびオフからオンへと切換えられるタイミング、室内ファンモータM22の動作等について説明する。
図4は、空調機10のモード状態と、室内ファンモータM22の駆動状態と、スイッチSWの採り得る状態と、主回路設置機器301および統括制御部60(補助回路設置機器302)の動作状態と、が時間の経過とともにどのように変化するかを表したタイミングチャートである。
【0114】
図4に示す運転モード時においては、空調機10は運転している状態である。室内ファンモータM22に着目すると、運転モードの場合、室内ファン制御部38には5Vの電源電圧V2が印加されており、室内ファン制御部38は、室内ファンモータM22を駆動制御している状態にある。そのため、室内ファンモータM22は駆動している。
【0115】
また、第1スイッチSW1は第1駆動部PS1から第1スイッチ駆動用電源Vsw1を供給されてオンしている状態であり、主回路30aへ電流が流れる状態となっている。したがって、主回路設置機器301は、電力供給されて動作可能な状態にある。例えば、電圧検出部34は、室内ファンモータM22の駆動制御において必要となる平滑コンデンサ33の両端電圧(つまりは、直流電圧Vdc1)の値を検出している。一方、この時点で、第2スイッチSW2はオフしている状態である。よって、補助回路30bへの電力供給は遮断されており、統括制御部60(補助回路設置機器302)への電力供給は第1レベルシフタ41から行なわれている。
【0116】
次に、図示しないリモートコントローラなどを介してユーザにより運転停止指示がなされた場合、モードは運転モードから停止モードへと移行する。ここで、停止モードは、更なる詳細なモードとして、待機判断モードと待機モードとを有している。
【0117】
運転停止指示がなされてから所定時間までの間は、待機判断モードが選択される。待機判断モードは、待機モードに移行してもよいか否かを判断するためのモードである。言い換えると、待機判断モードは、主回路30aへの電力供給を遮断してよいか否かを判断するためのモードである。一方で、待機モードは、例えば商用電源70から主回路30aへの電力供給を遮断することによって、主回路設置機器301の動作を停止して、空調機10のおける消費電力をセーブするモードである。所定時間が経過したか否か(すなわち待機判断モードから待機モードへと移行してよいか否か)の判断は、統括制御部60によって行われる。なお、当該所定時間は、実際の製品の設計仕様や設置環境などを考慮して、適宜、適当な数値を設定することが可能である。
【0118】
運転停止指示がなされて、運転モードから停止モードにおける待機判断モードへと移行したタイミングにおいて、まず室内ファンモータM22の駆動が停止され、室内機10の運転が停止される。また、統括制御部60は、第2スイッチSW2をオンするように第2切換部52を制御する。これにより、補助回路30bへ電力供給されるようになり、統括制御部60(補助回路設置機器302)は、第2レベルシフタ43からの電力供給によっても動作可能な状態となる。
【0119】
そして、運転停止指示から所定時間が経過して、待機判断モードから待機モードへと移行したタイミングにおいて、統括制御部60は、第1スイッチSW1をオンからオフへと切換えるように第1切換部51の制御を行う。これにより、主回路30aへの電力供給が遮断され、電圧検出部34や室内ファン制御部38などの主回路設置機器301は動作不能状態となる。すなわち、この時点においては、補助回路30bおよび補助回路設置機器302にあたる統括制御部60が電力を消費しており、主回路設置機器301は電力を消費しておらず、その中でも特に電力消費の大きい電圧検出部34による電力消費が抑えられている。
【0120】
次に待機モード中に、ユーザにより運転指示がなされると、待機モード(停止モード)から運転モードへとモード移行する。このタイミングにおいて、統括制御部60は、第1スイッチSW1をオンするように第1切換部51を制御する。これにより、主回路30aへ電力が供給され、主回路設置機器301が動作可能状態となる。そして、室内ファンモータM22の起動動作が開始されるとともに、空調機10の運転が開始される。
【0121】
また、運転モードへ移行してから所定時間が経過すると、統括制御部60は、第2スイッチSW2をオフするように第2切換部52を制御する。これにより、補助回路30bへの電力供給が遮断され、統括制御部60(補助回路設置機器302)は第1レベルシフタ41のみから電力を供給される。すなわち、この時点においては、主回路設置機器301が電力を消費しており、補助回路設置機器302を除く補助回路30bでは電力を消費していない。なお、当該所定時間は、例えば待機判断モード時において用いられる所定時間と同一の時間であり、当該時間が経過したか否かは、統括制御部60によって判断される。
【0122】
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態では、第1スイッチSW1は、商用電源70と主回路30aとの間において主回路30aと直列に接続され、商用電源70から主回路30aへの電力供給を遮断可能に構成されている。統括制御部60は、第2レベルシフタ43と電気的に接続されて電力を供給され、第1スイッチSW1の切換えを制御している。これにより、状況に応じて、主回路30aへの電力供給を遮断して補助回路30bのみに電力を供給することが可能となっている。このため、主回路30aに電力を供給する必要がある場合である運転モード時には主回路30aへ電力を供給し、主回路30aに電力を供給する必要がない場合である待機モード時には主回路30aへの電力供給を遮断できるようになっている。その結果、主回路30aに電力を供給する必要がない場合である待機モードにおける主回路30aでの消費電力が削減されている。したがって、空調機10の消費電力を削減できている。
【0123】
(4−2)
上記実施形態では、統括制御部60は、主回路設置機器301が動作する運転モード時においては主回路30aへ電力が供給され、主回路設置機器301が動作を停止する待機モード時においては主回路30aへの電力供給が遮断されるように、第1スイッチSW1を切り換えている。これにより、運転モード時においては主回路30aへ電力が供給され、待機モード時においては主回路30aへの電力供給が遮断されるようになっている。その結果、待機モード時における主回路30aでの消費電力が削減している。
【0124】
なお、上述の(4−1)(4−2)の効果を得るだけであれば、統括制御部60への第1レベルシフタ41からの電力供給は不要であり、第2切換部52も不要である。
【0125】
(4−3)
上記実施形態では、統括制御部60は、第1レベルシフタ41とも電気的に接続されて電力の供給をうけ、運転モード時には補助回路30bへの電力供給が遮断され待機モード時には補助回路30bに電力が供給されるように第2スイッチSW2を切り換えている。これにより、待機モード時における主回路30aへの電力供給が遮断されるとともに、運転モード時における補助回路30bへの電力供給が遮断されるようになっている。その結果、待機モード時における主回路30aでの消費電力が削減されるとともに、運転モード時における補助回路30bでの消費電力が削減されている。したがって、空調機10の消費電力を削減できている。
【0126】
(4−4)
上記実施形態では、統括制御部60は、運転モード時には補助回路30bへの電力供給が遮断され待機モード時には補助回路30bへ電力が供給されるように第2スイッチSW2を切り換えている。また、補助回路設置機器302である統括制御部60は、運転モード時には(商用電源70から第1スイッチSW1を介して)第1レベルシフタ41から電力の供給を受け、待機モード時には(商用電源70から第2スイッチSW2を介して)第2レベルシフタ43から電力の供給を受けている。これにより、待機モード時における主回路30aでの消費電力が削減されるとともに、運転モード時における補助回路30bでの消費電力が削減されるようになっている。したがって、空調機10の消費電力を削減できている。
【0127】
(4−5)
上記実施形態では、主回路設置機器301が動作を停止してから所定時間が経過した時に待機モード状態となるように構成されている。これにより、主回路30aへの電力供給を確実に遮断してよい場合にのみ電力供給が遮断されるようになっている。その結果、安定した第1スイッチSW1の切換制御を実現できている。
【0128】
(4−6)
上記実施形態では、主回路設置機器301は、空調機10に含まれている機器である。これにより、空調機10の消費電力を削減できている。
【0129】
(4−7)
上記実施形態では、主回路設置機器301は、電圧検出部34と、検出結果利用部である室内ファン制御部38と、を含んでいる。これにより、電圧検出部34または検出結果利用部である室内ファン制御部38を含むモータ駆動装置30の消費電力を削減できている。
【0130】
(4−8)
上記実施形態では、主回路設置機器301は、電圧検出部34と、駆動信号生成部である駆動電圧生成部36と、を含んでいる。これにより、電圧検出部34または駆動信号生成部である駆動電圧生成部36を含むモータ駆動装置30の消費電力を削減できている。
【0131】
(4−9)
上記実施形態では、アクチュエータは、空調機10に含まれている複数の機器の、少なくとも1つの駆動源である室内ファンモータM22である。これにより、空調機10において室内ファンモータM22を制御するための消費電力を削減できている。
【0132】
(5)変形例
(5−1)変形例1A
上記実施形態では、モータ駆動装置30が、室内ファン22の駆動源である室内ファンモータM22を駆動制御するための装置として用いられる場合について説明した。しかし、モータ駆動装置30の駆動対象は、室内ファンモータM22に限定されず、室外ファンモータM16や圧縮機モータM12、膨張弁15であってもよい。また、モータ駆動装置30は、空調機10ではなく、給湯器などの他のヒートポンプ装置に含まれる圧縮機モータやポンプ用モータ、室外ファンモータ等の駆動用装置として用いられてもよい。
【0133】
(5−2)変形例1B
上記実施形態では、モータ駆動装置30が、ロータ位置センサレス方式にて室内ファンモータM22の駆動を制御する場合について説明した。しかし、モータ駆動装置30は、室内ファンモータM22の駆動制御を行うにあたり、平滑コンデンサ33の両端電圧(つまり、直流電圧Vdc1)の値を用いて室内ファンモータM22の駆動制御を行うタイプの装置であればよい。したがって、モータ駆動装置30は、ロータ位置センサレス方式にて室内ファンモータM22を駆動制御するタイプの装置に限定されるのではなく、例えばロータ22bの位置を検出する位置検出センサ(例えば、ホール素子)が搭載されている室内ファンモータM22に対し、該センサの検出結果に基づく制御を行うタイプの装置においても、適用可能である。
【0134】
また同様に、モータ駆動装置30の駆動対象であるモータは、ブラシレスDCモータではなく、インバータで駆動する誘導モータなど、他の種類のモータであってもよい。
【0135】
(5−3)変形例1C
上記実施形態では、室内ファンモータM22がブラシレスDCモータであって、さらに具体的にはSPMモータである場合について説明した。しかし、本発明に係るブラシレスDCモータの種類は、SPMモータに限定されない。
【0136】
(5−4)変形例1D
上記実施形態では、主回路30aおよび補助回路30bは、商用電源70とスイッチSWを介して電気的に接続され電力供給されるように構成されていたが、商用電源ではない電源とスイッチSWを介して電気的に接続され電力供給されるように構成されてもよい。
【0137】
(5−5)変形例1E
上記実施形態では、第1レベルシフタ41及び第2レベルシフタ43は、それぞれ直流電圧Vdc1、Vdc2をレベルシフトすることで、主電源、補助電源の役割を担っていたが、主電源、補助電源の構成はこれに限定されない。
【0138】
また、上記実施形態では、主回路30aにおいて、第1直流電圧生成部31よりも後段に第1レベルシフタ41が配設されたが、第1レベルシフタ41を第1直流電圧生成部31よりも前段に配設してもよい。すなわち、主電源を主回路30aとは別個に設けてもよい。また、上記実施形態の回路で言えば、交流電圧Vacに主電源30aを接続して電源を作成してもよい。
【0139】
また、これと同様に、補助回路30bにおいて、第2直流電圧生成部42よりも後段に第2レベルシフタ43が配設されたが、直流電圧Vdc2を使う他の機器がある場合には、第2レベルシフタ43を第2直流電圧生成部42よりも前段に配設してもよい。すなわち、補助電源を補助回路30bとは別個に設けてもよい。また、上記実施形態の回路で言えば、交流電圧Vacに補助電源を接続して電源を作成してもよい。
【0140】
(5−6)変形例1F
上記実施形態では、主回路30aに、電圧設定値Vpwmを設定することで直接制御対象が電圧であるいわゆる電圧形インバータであるインバータ37が配設される場合を例にとって説明した。しかし、主回路30aに、インバータ37に代えて、電圧検出部34による検出結果に基づいてアクチュエータの駆動制御を行うチョッパやマトリックスコンバータを配設してもよい。
【0141】
(5−7)変形例1G
上記実施形態では、電圧検出部34の検出対象が、直流電圧Vdc1の値である場合について説明した。しかし、電圧検出部34の検出対象は、電圧の特性を示す情報であればよい。したがって、電圧検出部34の検出対象は、直流の電圧ではなく、交流の電圧であってもよい。この場合、電圧検出部34は、例えば第1スイッチSW1と第1直流電圧生成部31の間において配設され、商用電源70の交流電圧Vacを検出する。その検出値から直流電圧Vdc1が推定されることで、モータ駆動装置30は、前述と同様の制御を行うことができる。
【0142】
また、電圧検出部34は、電圧の値を検出するのではなく、電圧の位相、ゼロクロス点および極性などの電圧の特性を検出するようにしてもよい。この場合には、検出した電圧の特性から電圧値を推定することで、モータ駆動装置30は、前述と同様の制御を行なうことができる。あるいは、位相制御を行うモータなどの、電圧の位相、ゼロクロス点および極性などの電圧の特性を直接用いて制御を行なう用途にも適用が可能である。
【0143】
(5−8)変形例1H
上記実施形態では、
図1に示すように、切換部50がスイッチSWと駆動部PSとを有する場合について説明した。しかし、
図5に示すように、第1切換部51および第2切換部52は、駆動部PSを有さずに、スイッチSWのみを有していていもよい。
図5に示す実施形態では、スイッチSWのゲート端子と統括制御部60とを接続して、統括制御部60が送るスイッチ制御信号をスイッチ駆動用電源Vswとして印加することにより、スイッチSWのオンおよびオフを切り換えている。
【0144】
また、切換部50が駆動部PSを有していたとしても、スイッチ駆動用電源Vswの供給および供給の遮断に応じてスイッチSWをオンまたはオフするのではなく、統括制御部60から送られてくるスイッチ制御信号の状態に応じて、スイッチSWをオンまたはオフしてもよい。
【0145】
また、上記実施形態では、切換部50は、主として第1切換部51および第2切換部52とから構成されたが、
図6に示すように、第2切換部52については適宜省略してもよい。かかる場合には、統括制御部60は、第2レベルシフタ43から電源電圧V4を常時供給されているため、第1レベルシフタからの電源電圧V1の供給は不要である。よって、統括制御部60は、第1レベルシフタ41とは接続されていない。このような
図6に示す実施形態においても、主回路設置機器301が動作する運転モード時には主回路30aへ電力を供給し、主回路設置機器301が動作を停止する待機モード時には主回路30aへの電力供給を遮断できる。その結果、待機モード時における主回路30aでの消費電力が削減され、空調機10の消費電力を削減できる。
【0146】
(5−9)変形例1I
上記実施形態では、スイッチSWが、MOSFETによって構成されている場合について説明した。しかし、本発明に係るスイッチSWの構成は、MOSFETに限定されない。例えば、スイッチSWは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やソリッドステートリレー等の他の半導体スイッチ、電磁リレーであってもよい。
【0147】
(5−10)変形例1J
上記実施形態では、統括制御部60を補助回路設置機器302として説明したが、これに限定されない。例えば、統括制御部60は、主回路30aに配設される機器にあたる主回路設置機器301であってもよい。また、統括制御部60を補助回路設置機器302ではない独立した機器として配設してもよい。
【0148】
また、上記実施形態では、統括制御部60によって、スイッチSWの切り替え制御がなされる場合について説明した。しかし、これに限定されず、統括制御部60に代えて新たにスイッチ制御部を配設し、統括制御部60を主回路設置機器301として主回路30aに配設してもよい。その場合、統括制御部60は、第1レベルシフタ41のみから電源電圧V1の供給をうけて、主回路設置機器301の制御を統括的に行う。一方、スイッチ制御部は、第1レベルシフタ41および/または第2レベルシフタ43から電源電圧の供給をうけて、スイッチSWの切換制御を行う。なお、スイッチ制御部がスイッチSWの切換えを行うタイミングについては、
図4に示すタイミングと同様に構成すればよい。
【0149】
(5−11)変形例1K
上記実施形態では、
図4に示すように、運転停止指示がなされた時、所定時間経過後に、モードが待機判断モードから待機モードへと移行する場合について説明した。しかし、これに限定されず、待機判断モードについては省略してもよい。すなわち、運転停止指示がなされたタイミングにおいて、モードが運転モードから直接待機モードへと移行するとともに、第1スイッチSW1がオンからオフへと切換えられてもよい。
【0150】
また、上記実施形態では、運転指示がなされた時、所定時間経過後に第2スイッチSW2がオンからオフへと切換えられる場合について説明した。しかし、これに限定されず、運転指示がなされたタイミングにおいて、第2スイッチSW2がオンからオフへと切換えられてもよい。
【0151】
(5−12)変形例1L
上記実施形態では、待機モード時において、室外ユニット11への電力供給が遮断されるか否かについて言及しなかったが、待機モード時には、室外ユニット11とその駆動用電源である商用電源70との間の主電源リレー(図示省略)もオフして、商用電源70から室外ユニット11への電力供給が断たれるようにしてもよいことはもちろんである。これにより、待機モード時に室外ユニット11において消費される電力を削減することができる。
【0152】
(5−13)変形例1M
上記実施形態においては、本発明に係る消費電力削減装置は、アクチュエータ駆動装置であるモータ駆動装置30に適用されたが、アクチュエータ駆動装置ではない装置にも適用可能である。すなわち、本発明に係る消費電力削減装置は、外部電源から電力を供給される回路を有する装置であれば適用可能である。例えば、
図7に示すように、商用電源70から供給される電源電圧の位相を常時検出して常時電力を消費しているような直流電源装置80などにも適用できる。以下、
図7に示す直流電源装置80について説明する。
【0153】
直流電源装置80は、商用電源70から供給される交流電圧Vacを直流電圧Vdc1に変換する装置である。直流電源装置80は、主として、主回路80aと、補助回路80bと、スイッチ制御部90と、第1切換部51´と、第2切換部52´(以下、第1切換部51´と、第2切換部52´を併せて切換部50´と記載する)と、から構成されており、商用電源70および負荷100と電気的に接続されている。なお、第1切換部51´および第2切換部52´は、第1切換部51および第2切換部52と同一の構成であるため、説明を省略する。また、以下の説明においては、説明の便宜上、スイッチSW1´およびスイッチSW2´を併せてスイッチSW´と記載し、第1駆動部PS´および第2駆動部PS´を併せて駆動部PS´と記載する。
【0154】
主回路80aには、リアクタ81と、第3スイッチSW3と、第1直流電圧生成部82と、電圧位相検出部83と、第3スイッチ制御部84と、第1レベルシフタ85(主電源に相当)と、が配設されている。このうち、電圧位相検出部83と、第3スイッチ制御部84と、を、主回路80aに配設される機器にあたる主回路設置機器801として説明する。なお、第1直流電圧生成部82は、第1直流電圧生成部31と、同一の構成であるため、説明を省略する。
【0155】
リアクタ81は、商用電源70と、第1直流電圧生成部82の交流入力端との間に接続される。第3スイッチSW3は、商用電源70を短絡するためのスイッチであり、
図7では1つの素子で表しているが、実際には、電流を双方向に流すために、例えばダイオードブリッジや MOSFET・IGBTなどの半導体素子を組み合わせて構成されることが多い。第1直流電圧生成部82は、商用電源70の交流電圧Vac及び第3スイッチSW3の短絡・開放動作により流れる電流を整流して負荷へ供給する。
【0156】
電圧位相検出部83は、商用電源70の両端に接続され、商用電源70の電圧位相を検出している。より詳細には、電圧位相検出部83は、主として、フォトカプラと、抵抗と、ダイオードと、から構成される(図示省略)。フォトカプラの1次側は、商用電源70の正または負のいずれかの半サイクル期間にのみフォトカプラがオンするように、ダイオードを介して商用電源70に接続されている。フォトカプラの2次側は、出力トランジスタのコレクタが抵抗によってプルアップされて、マイクロコンピュータである第3スイッチ制御部84の入力ポートに接続されている。このような電圧位相検出部83では、モータ駆動装置30の電圧検出部34と同様、その検出結果を利用する負荷において電力が消費されない場合にも、電流が流れ、電力が消費されるようになっている。
【0157】
第3スイッチ制御部84は、電圧位相検出部83からの出力パルス信号をもとに商用電源70の真のゼロクロス点を推測する。また、第3スイッチ制御部84は、電圧位相検出部83からの出力パルス信号に対して、タイミングを補正した後、第3スイッチSW3を駆動する駆動信号を生成することによって、例えば電源半周期毎に1回第3スイッチSW3の短絡・開放を繰り返す。
【0158】
第3スイッチSW3の短絡・開放動作に関して、第3スイッチ制御部84は、商用電源70の真のゼロクロス点から所定時間後に短絡し、その後所定時間後に開放するよう、第3スイッチSW3を制御している。すなわち、直流電圧装置80は、交流電源の電圧の位相を検出する場合における主要なばらつき要因であるフォトカプラによるばらつきを、電圧位相検出部83から出力される電圧位相検出信号のパルス幅に応じて第3スイッチSW3を短絡・開放するタイミングを補正することにより、力率のばらつきを抑制している。
【0159】
第1レベルシフタ85は、平滑コンデンサ82bに対し並列に接続されており、平滑コンデンサ82bの両端電圧(つまりは直流電圧Vdc1)が印加される。第1レベルシフタ85の出力は、第3スイッチ制御部84、スイッチ制御部90および第1駆動部PS1´に接続されている。
【0160】
このような第1レベルシフタ85は、印加された直流電圧Vdc1を、3つの所定電圧V6、V7、V8に変換し、変換後の所定電圧V6、V7、V8を電源電圧として第3スイッチ制御部84、スイッチ制御部90および第1駆動部PS1´それぞれに印加する。
【0161】
すなわち、第1レベルシフタ85は、第3スイッチ制御部84、スイッチ制御部90および第1駆動部PS1´の電源として機能する。一例として、直流電圧Vdc1が140Vであるとして、第1レベルシフタ85は、この直流電圧Vdc1を、3Vの電圧V6、V7と、5Vの電圧V8と、に変換する。3Vの電圧V6またはV7は、第3スイッチ制御部84またはスイッチ制御部90に印加される電源電圧である。5Vの電圧V8は、第1駆動部PS1´に印加される電源電圧である。
【0162】
負荷100は、インバータ回路や、モータ等を想定しているが、これに限定されず、適宜選択が可能である。
【0163】
補助回路80bには、主として、第2直流電圧生成部86と、第2レベルシフタ87(補助電源に相当)と、スイッチ制御部90が配設されている。なお、
図6に示す実施形態においては、スイッチ制御部60を、補助回路に配設される機器にあたる補助回路設置機器802として説明する。また、第2直流電圧生成部80bは、第2直流電圧生成部30bと同一の構成であるため、説明を省略する。
【0164】
第2レベルシフタ87は、平滑コンデンサ85bに対し並列に接続されており、平滑コンデンサ42bの両端電圧(つまりは直流電圧Vdc2)が印加される。第2レベルシフタ87の出力は、スイッチ制御部90および第2駆動部PS2´に接続されている。
【0165】
このような第2レベルシフタ87は、印加された直流電圧Vdc2を、互いに値の異なる2つの所定電圧V9、V10に変換し、変換後の所定電圧V9、V10を電源電圧としてスイッチ制御部90および第2駆動部PS2´それぞれに印加する。すなわち、第2レベルシフタ87は、スイッチ制御部90および第2駆動部PS2´の電源として機能する。一例として、直流電圧Vdc2が140Vであるとして、第2レベルシフタ87は、この直流電圧Vdc2を3Vの電圧V9と5Vの電圧V10とに変換する。3Vの電圧V9は、スイッチ制御部90に印加される電源電圧であって、5Vの電圧V5は、第2駆動部PS2´に印加される電源電圧である。
【0166】
スイッチ制御部90は、RAM、ROMおよびCPUからなるマイクロコンピュータである。スイッチ制御部90は、第1レベルシフタ85および/または第2レベルシフタ87から電源電圧を供給される。スイッチ制御部90は、切換部50´の他に、図示してはいないが、リモートコントローラ等とも接続されている。また、スイッチ制御部90は、リモートコントローラからの指示をうけて、スイッチ駆動用電源Vsw´のスイッチSW´への供給および遮断を駆動部PS´に行わせることで、切換部50´の制御を行っている。
【0167】
第1切換部51´は、主回路80aへの電流の流れを切換えるためのものであり、上述のように商用電源70と主回路80aとの間において主回路80aと直列に接続されている。また、第2切換部52´は、補助回路80bへの電流の流れを切換えるためのものであり、上述のように商用電源70と補助回路80bとの間において補助回路80bと直列に接続されている。このように切換部50´が配設されていることにより、直流電源装置80においては、主回路80aまたは補助回路80bへの電力供給を遮断できるようになっている。
【0168】
第1駆動部PS1´の入力は、スイッチ制御部90および第1レベルシフタ85に接続されている。また、第1駆動部PS1´の出力は、第1スイッチSW1´のゲート端子に接続されている。第1駆動部PS1´は、第1レベルシフタ85から所定電圧V8を供給される。第1駆動部PS1´は、スイッチ制御部90からの指示に応じて、第1スイッチSW1´のスイッチ駆動用電源Vsw1´を生成し、これを第1駆動部PS1´に出力する。すなわち、第1スイッチSW1´がオンおよびオフする動作は、スイッチ制御部90によって制御されている。
【0169】
具体的に、第1駆動部PS1´は、例えば5Vであるスイッチ駆動用電源Vsw1´を第1スイッチSW1´に供給することで第1スイッチSW1´をオンさせ、主回路80aおよび主回路設置機器801へ商用電源70からの電力が供給され電流が流れるようにする。また、第1駆動部PS1´は、スイッチ駆動用電源Vsw1´の第1スイッチSW1´への供給を断つことによって、第1スイッチSW1´をオフさせて、主回路80aおよび主回路設置機器801への電力供給を遮断して電流が流れないようにする。
【0170】
第2駆動部PS2´の入力はスイッチ制御部90および第2レベルシフタ86に接続されている。第2駆動部PS2´の出力は、第2スイッチSW2´のゲート端子に接続されている。第2駆動部PS2´は、第2レベルシフタ87から所定電圧V9を供給される。第2駆動部PS2´は、スイッチ制御部90からの指示に応じて、第2スイッチSW2´のスイッチ駆動用電源Vsw2´(以下、スイッチ駆動用電源Vsw1´およびVsw2´を併せてスイッチ駆動用電源Vsw´と記載)を生成し、これを第2駆動部PS2´に出力する。すなわち、第2スイッチSW2´がオンおよびオフする動作は、スイッチ制御部90によって制御されている。
【0171】
第2駆動部PS2´は、例えば5Vであるスイッチ駆動用電源Vsw2´を第2スイッチSW2´に供給することで第2スイッチSW2´をオンさせ、補助回路80bおよび補助回路設置機器802へ商用電源70からの電力が供給され電流が流れるようにする。また、第2駆動部PS2´は、スイッチ駆動用電源Vsw2´の第2スイッチSW2´への供給を断つことによって、第2スイッチSW2´をオフさせて、補助回路80bおよび補助回路設置機器802への電力供給を遮断して電流が流れないようにする。
【0172】
具体的に、スイッチ制御部90は、リモートコントローラからの主回路設置機器動作指示をうけて、第1スイッチSW1´をオンするとともに、第2スイッチSW2´をオフするように制御する。これにより、主回路80aおよび主回路設置機器801に電力が供給され電流が流れるとともに、補助回路80bおよび補助回路設置機器802への電力供給が遮断され電流が流れないようになっている。また、スイッチ制御部90は、リモートコントローラからの主回路設置機器動作停止指示をうけて、第1スイッチSW1´をオフするとともに、第2スイッチSW2´をオンするように制御している。これにより、主回路80aへの電力供給が遮断され電流が流れないようになるとともに、補助回路80bに電力が供給され電流が流れるようになっている。
【0173】
ここで、スイッチ制御部90は、主回路設置機器801が動作している時には第1レベルシフタ84から電力供給され、主回路設置機器801が動作を停止している時には第2レベルシフタ90から電力供給されている。すなわち、スイッチ制御部90は、常時、電力を供給されている。これにより、スイッチ制御部90は、常時、スイッチSW´の切換制御を行うことができるようになっている。
【0174】
図7に示す実施形態では、第1スイッチSW1´は、商用電源70と主回路80aとの間において主回路80aと直列に接続され、商用電源80から主回路80aへの電力供給を遮断可能に構成されている。スイッチ制御部90は、第1レベルシフタ85および第2レベルシフタ87と電気的に接続されて電力を供給され、第1スイッチSW1´の切換えを制御している。これにより、状況に応じて、主回路80aおよび補助回路80bの一方への電力供給を遮断して主回路80aおよび補助回路80bの他方のみに電力を供給することが可能となっている。このため、主回路80aに電力を供給する必要がある場合には主回路80aへ電力を供給するとともに補助回路80bへの電力供給が遮断され、主回路80aに電力を供給する必要がない場合には主回路80aへの電力供給を遮断するとともに補助回路80bに電力を供給できるようになっている。その結果、主回路80aに電力を供給する必要がない場合における消費電力が削減されている。したがって、直流電源装置80の消費電力を削減できるようになっている。