(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5648873
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】リニアモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 41/03 20060101AFI20141211BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-11098(P2013-11098)
(22)【出願日】2013年1月24日
(65)【公開番号】特開2014-143847(P2014-143847A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2013年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100104503
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100191112
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】柳 啓二
(72)【発明者】
【氏名】木場 龍彦
【審査官】
マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−086726(JP,A)
【文献】
特開2012−105432(JP,A)
【文献】
米国特許第5783877(US,A)
【文献】
米国特許第4151477(US,A)
【文献】
特表2009−506747(JP,A)
【文献】
特開平11−299214(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102006022355(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向と短手方向とを備え、界磁と電機子のいずれか一方を可動子、他方を固定子として、前記界磁と前記電機子を前記長手方向に沿って相対的に移動可能なリニアモータであって、
前記界磁は、
対向配置された2つのヨーク板と、
前記2つのヨーク板の各一方側の端部を固定するヨークベースと、
前記2つのヨーク板の対向面にそれぞれ固定され、前記可動子の移動方向に沿って並べられた複数の永久磁石と、
前記2つのヨーク板の各他方側の端部が互いに離れるように、当該2つのヨーク板の前記対向面に接触して前記短手方向に付勢する弾性部材と、
を有することを特徴とするリニアモータ。
【請求項2】
界磁と電機子のいずれか一方を可動子、他方を固定子として、前記界磁と前記電機子を相対的に移動可能なリニアモータであって、
前記界磁は、
対向配置された2つのヨーク板と、
前記2つのヨーク板の各一方側の端部を固定するヨークベースと、
前記2つのヨーク板の対向面にそれぞれ固定され、前記可動子の移動方向に沿って並べられた複数の永久磁石と、
前記2つのヨーク板の前記対向面を、当該2つのヨーク板の各他方側の端部が互いに離れる方向に付勢する弾性部材と、
を有し、
前記複数の永久磁石は、
対向配置された極性の異なる2つの前記永久磁石で構成された永久磁石対が前記移動方向に所定の間隔で配置されて構成され、
前記弾性部材は、
前記移動方向に隣り合う前記永久磁石対の間に、当該永久磁石対の各々と接触するように配置される
ことを特徴とするリニアモータ。
【請求項3】
前記複数の永久磁石は、前記移動方向に磁化されており、
前記永久磁石対とその両側の前記弾性部材とで磁気回路が構成される
ことを特徴とする請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項4】
前記複数の永久磁石は、
前記ヨーク板に垂直な方向に磁化された主極磁石と、
前記移動方向に磁化され、前記移動方向に隣り合う主極磁石対の間で前記弾性部材に固定された補極磁石と、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のリニアモータ。
【請求項5】
界磁と電機子のいずれか一方を可動子、他方を固定子として、前記界磁と前記電機子を相対的に移動可能なリニアモータであって、
前記界磁は、
対向配置された2つのヨーク板と、
前記2つのヨーク板の各一方側の端部を固定するヨークベースと、
前記2つのヨーク板の対向面にそれぞれ固定され、前記可動子の移動方向に沿って並べられた複数の永久磁石と、
前記2つのヨーク板の前記対向面を、当該2つのヨーク板の各他方側の端部が互いに離れる方向に付勢する弾性部材と、
を有し、
前記弾性部材は、板状の金属部材を屈曲して形成された板バネであり、
前記2つのヨーク板をそれぞれ付勢する2つの付勢部と、
前記2つの付勢部を接続し、前記ヨークベースに載置されるベース部と、を有する
ことを特徴とするリニアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、リニアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コアレス型のリニアモータが記載されている。このリニアモータは、交互に極性が異なる複数の永久磁石を隣り合わせに並べて配置した界磁ヨークと、永久磁石列と磁気的空隙を介して対向配置されると共に、集中巻にした複数個のコイル群を樹脂モールドにより固定し、かつ、平板状に成形された電機子コイルを有するコアレス型の電機子とを備え、界磁ヨークと電機子のいずれか一方を固定子に、他方を可動子として、界磁ヨークと電機子を相対的に走行させる。
【0003】
上記リニアモータは、2枚の平板状の界磁ヨークとこれらを片持ち梁状に平行に支持する界磁ヨーク固定板とからなる断面略コの字状の界磁ヨーク組立体を有する。界磁ヨーク組立体の各界磁ヨークの内側には、相対移動方向に交互に極性が異なるように配置された複数の永久磁石が、対向する永久磁石と極性が異なるように固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−86726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように構成されるリニアモータにおいて、高出力を得るために強力な永久磁石を用いると、対向配置された磁石同士の吸引力により界磁ヨークの撓みが大きくなる。この撓みを小さくするために、界磁ヨークの肉厚を厚くして剛性を高めると、モータの小型化、軽量化が困難になるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、小型化及び軽量化を図りつつ高出力を得ることが可能なリニアモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、界磁と電機子のいずれか一方を可動子、他方を固定子として、前記界磁と前記電機子を相対的に移動可能なリニアモータであって、前記界磁は、対向配置された2つのヨーク板と、前記2つのヨーク板の各一方側の端部を固定するヨークベースと、前記2つのヨーク板の対向面にそれぞれ固定され、前記可動子の移動方向に沿って並べられた複数の永久磁石と、前記2つのヨーク板の前記対向面を、当該2つのヨーク板の各他方側の端部が互いに離れる方向に付勢する弾性部材と、を有するリニアモータが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リニアモータの小型化及び軽量化を図りつつ高出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るリニアモータの外観を表す斜視図である。
【
図3】リニアモータの磁束の流れを表す説明図である。
【
図5】板バネをヨーク板に取り付ける前の要部の正面方向の断面図、板バネをヨークに取り付けた状態の要部の正面方向の断面図、及び、板バネをヨークに取り付けた状態の要部の側断面図である。
【
図6】板バネがポールシューの機能を兼ね備える変形例における磁束の流れを表す説明図、及び、永久磁石をハルバッハ配列とした変形例の磁束の流れを表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、開示の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、リニアモータの長手方向(
図1中の左奥〜右手前方向)を「長手方向」とし、リニアモータの短手方向(
図1中の左手前〜右奥方向、
図2中の左右方向)を「短手方向」とし、リニアモータの高さ方向(
図1中の上下方向、
図2中の上下方向)を「上下方向」とする。
【0011】
<リニアモータの全体構成>
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るリニアモータ1は、界磁となる固定子10と、電機子21を有する可動子20とを備えている。
【0012】
<固定子10の構成>
固定子10は、対向配置された2つのヨーク板11,11と、ヨークベース12と、各ヨーク板11の対向面(内側面)に一対一組で対向配置された複数の永久磁石13と、固定子10の長手方向に沿って隣接する永久磁石13,13の間に形成された間隙14に配置された板バネ15とを、有している。
【0013】
2つのヨーク板11は、それぞれ同じ長尺の略矩形形状の平板である。ヨーク板11は、上記短手方向に互いに離間して対向しつつ、固定子10の上記長手方向に亘るよう配置されている。
【0014】
ヨークベース12は、略平板状の形状を備え、固定子10の上記長手方向全体に亘って設けられている。またヨークベース12は、2つのヨーク板11,11の各一方側(この例では下方側)の端部の間を連結し、それらヨーク板11,11を片持ち梁状に支持している。なお、前記板バネ15の据わりを良くするために、ヨークベース12の上面には、複数の凹部12bが、長手方向に離散的に配置されており、各凹部12bは上記短手方向に延設されている。また、2つのヨーク板11,11とヨークベース12を一体としたコの字形状としてもよい。
【0015】
複数の永久磁石13は、それぞれ上記長手方向に沿った幅を有する略矩形形状の平板で構成されている。そのような複数組の永久磁石13が、固定子10の長手方向(可動子の移動方向に相当)に沿って所定の間隙14を空けて並設されている。これにより、各ヨーク板11の内側面に、それぞれ上記長手方向に沿った永久磁石列16が形成されている。
【0016】
このとき、永久磁石13は、
図3に示すように、一対一組(永久磁石対)として対向するように各ヨーク板11それぞれの対向面に配置されている。各永久磁石13は、上記短手方向に磁化されている。このとき、上記短手方向に対向する2つの永久磁石13,13どうしの永久磁石対が互いに磁極(N極とS極)の配置向きが逆となるように配置され、さらに、固定子10の長手方向で隣接する上記永久磁石対どうしが互いに磁極(N極とS極)の配置向きが逆となるように、配置されている。
【0017】
<可動子20の構成>
可動子20は、
図4及び上記
図2に示すように、電機子ベース22と、上記電機子21とを備えている。電機子21は、プリント基板23と、複数の電機子コイル25とを有している。電機子ベース22は、略直方体形状で構成されており、その上記長手方向の長さは固定子10の長さよりも短い。プリント基板23は、略矩形形状の薄板であり、複数の電機子コイル25にそれぞれ電力を供給するための配線(図示せず)がプリントされている。
【0018】
電機子コイル25は、この例では空芯型で集中巻きのコアレスコイルである。各電機子コイル25は、モールド樹脂24によりプリント基板23の一方の表面に固定される。これにより、それらモールドされた複数の電機子コイル25及びプリント基板23の全体により、略板状の電機子21が構成される。その略板状の電機子21の上辺が、電機子ベース22の下面の溝部22aに挿入されて固定されることで、それら全体で可動子20が構成される。そして、可動子20の下側に設けた電機子21が、上記固定子10における2列の永久磁石列16,16の間に挿入されることにより、コアレス型のリニアモータ1が構成される。なお、電機子21の構成はこれらに限定されるものではなく、例えば、プリント基板23の板厚方向両側に電機子コイル25をそれぞれ配置してもよい。
【0019】
<板バネ>
そして、本実施形態では、最大の特徴として、上記
図3及び上記
図1に示すように、永久磁石列16において上記長手方向(移動方向に相当)に隣り合う2つの上記永久磁石対の間(言い換えれば上記間隙14)に、当該永久磁石対のそれぞれに接するように、板バネ15(弾性部材に相当)が配置されている。
図5(A)〜(C)及び上記
図1に示すように、各板バネ15は、2つのヨーク板11,11をそれぞれ付勢する2つの付勢部15A,15Aと、2つの付勢部15Aを接続し、ヨークベース12に載置されるベース部15Bと、先端側が互いに離反するように拡開する拡開部15Cと、を有する。
【0020】
ベース部15Bは、
図5(C)に示すように、ヨークベース12の上面のうち間隙14と一致する長手方向位置(言い換えれば隣接する永久磁石13,13の間となる長手方向位置)に形成された凹部12bに挿入される。このとき、ベース部15Bは、
図5(B)に示すように、例えば、外幅Wが、2つのヨーク板11,11の対向面の幅W1(
図5(A)参照)と同じ幅若しくはそれ以下となっている。またベース部15Bの内幅W4は、プリント基板23を含むモールド樹脂24の厚さW5よりも大きくなっている。
【0021】
付勢部15Aは、ベース部15Bの両端から起立している。拡開部15Cは、
図5(A)に示すように、少なくともその一部が、2つのヨーク板11,11の対向面の幅W1よりも幅広な幅W2となっている。この結果、上記凹部12bに板バネ15が装着されることで、2つのヨーク板11,11のそれぞれの他方側(この例では上方側)の端部が、離れる方向に付勢される。
【0022】
なお、この板バネ15は、板状或いは棒状の金属部材が屈曲されることで形成されている。具体的には、例えばヨーク板11とは異なる種類の金属のプレート(又は棒体)を折り曲げることで、板バネ15が構成されている。その際、材料が高強度であることが好ましく、要求されるバネ特性によっては、磁性材或いは非磁性材の使い分けが必要である。
【0023】
<実施形態の動作及び作用効果>
上記の構成において、リニアモータ1は、固定子10側に永久磁石列16からなる界磁を備え、可動子20側に電機子21を備えた構成である。可動子20側の電機子21に備えられた複数の電機子コイル25にそれぞれU相、V相、及びW相の3相交流電力のいずれかが適宜の位相で供給されることにより、各電機子コイル25が、上記短手方向両側から挟む永久磁石列16により推進力を受ける。この推進力により、可動子20全体が固定子10に対して上記長手方向に沿った相対移動を行う。このとき、2つのヨーク板11,11の各上端部は開放端となっていることから、対向する永久磁石13の吸引力によって接近しようとする(なお、2つのヨーク板11,11の下端部はヨークベース12によって固定されており相対位置関係は殆ど変化しない)。
【0024】
そこで、本実施形態では、固定子10に板バネ15が設けられる。板バネ15は、2つのヨーク板11,11の上端部が互いに離れる方向に、それらヨーク板11,11対向面を付勢する。これにより、2つのヨーク板11,11の対向面に固定された永久磁石13同士の吸引力によりヨーク板11が撓むのを防止し、2つのヨーク板11の対向間隔を略一定とすることができる。その結果、永久磁石13に強力な磁力を有するものを用いる場合でも、比較的剛性の低い薄肉のヨーク板11を用いることができる。この結果、リニアモータ1の小型化及び軽量化を図りつつ高出力を得ることができる。また、ヨーク板11の隙間を一定とするためにヨーク板11を永久磁石13の吸引力とは逆方向に反った形状とする等の加工が不要となるので、ヨーク板11の加工コストを削減できる効果もある。
【0025】
また、本実施形態では特に、上記短手方向に対向配置された極性の異なる2つの永久磁石13を一対(永久磁石対)としつつ、上記長手方向に所定の間隔で複数組が配置されている。そして、上記板バネ15が、上記長手方向に隣り合う永久磁石13の間(間隙14)に配置される。
【0026】
これにより、永久磁石13の配列に影響を与えることなく、板バネ15を配置することができる。また、上記のように複数の板バネ15を上記長手方向に間隔をおいて配置したり、あるいは、1つの板バネ15をヨーク板11の上記長手方向中央部近傍に配置したり(図示省略)、等が可能となり、板バネ15の配置の自由度を向上できる。
【0027】
また、本実施形態では特に、板バネ15は、長手方向両側に隣り合う上記永久磁石対の各々と接触するように配置される。これにより、固定子10を組み立てる際、板バネ15を用いて永久磁石13の位置決めを行うことができる。すなわち、例えば永久磁石13、板バネ15、永久磁石13、板バネ15、・・のように順に密着して配列させていくことで、等間隔で配置すべき永久磁石13の位置の設定を行うことができる。この結果、専用の永久磁石の位置決め治具が不要となる。
【0028】
また、本実施形態では特に、板状の金属部材を屈曲して形成された板バネ15は、2つのヨーク板11をそれぞれ付勢する2つの付勢部15Aと、2つの付勢部15Aを接続してヨークベース12に載置されるベース部15Bと、を有する構成である。これにより、簡単な構造でヨーク板11を付勢することができる。
【0029】
<変形例>
なお、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0030】
(1)板バネがポールシューの機能を兼ね備える場合
上記実施形態では、上記
図3に示したように、各ヨーク板11それぞれの対向面に配置された永久磁石13は、上記短手方向に磁化されている。この結果、ヨーク板11を通って磁気回路が構成されることから、ヨーク板11の板厚(肉厚)がある程度厚くなる。
【0031】
これに対し、本変形例では、
図6(A)に示すように、複数の永久磁石13が上記長手方向(移動方向に相当)に磁化されている。そして、磁性材の板バネ15が、隣接する永久磁石13に対してポールシューの機能を兼ねる。この場合、上記短手方向に対向する2つの永久磁石13,13(永久磁石対)と、その上記長手方向両側の磁性材の板バネ15,15とで、磁気回路が構成される。すなわち、ヨーク板11を磁気回路が通過しなくなる。この結果、ヨーク板11の肉厚を機械強度的に可能な範囲で極力薄くし、且つ、非磁性体で構成することができる。したがって、リニアモータ1の更なる小型化及び軽量化を図ることができる。
【0032】
(2)ハルバッハ配列とした場合
本変形例では、
図6(B)に示すように、ヨーク板11に垂直な方向(言い換えれば上記短手方向)に磁化された永久磁石13(主極磁石に相当)と、上記長手方向に磁化されるとともに当該長手方向に隣り合う永久磁石13,13によって形成される上記間隙14において非磁性の板バネ15に固定される永久磁石13A(補極磁石に相当)と、が設けられる。
【0033】
上記のような永久磁石の配置(いわゆるハルバッハ配列)では、永久磁石13の磁化方向と永久磁石13Aの磁化方向とが90°異なることから、ヨーク板11に対して各磁石13,13Aを固定する際に、その磁化方向の差異により隣接する磁石13,13Aの間、或いは磁石13,13Aとヨーク板11との間に、吸引力若しくは反発力が生じる。この結果、上記固定作業の作業性が低下すると共に、接触により磁石13,13Aに割れ・欠け等の破損が生じる可能性がある。
【0034】
そこで、本変形例では、非磁性の板バネ15を先にヨーク板11に装着し、その後に、永久磁石13をヨーク板11に装着する、その後に磁石13Aを非磁性の板バネ15に接着するという作業手順とすることができる。この結果、専用の永久磁石の位置決め治具が不要であり、各磁石13,13Aの固定作業の作業性を向上でき、磁石13,13Aの割れ・欠け等の破損を防止できる。
【0035】
(3)その他
なお、以上の実施形態及び変形例では、リニアモータ1は、界磁を固定部とし、電機子21を可動部として構成する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、界磁を可動部とし、電機子21を固定部としてリニアモータ1を構成してもよい。
【0036】
また、以上既に述べた以外にも、実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0037】
その他、一々例示はしないが、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 リニアモータ
10 固定子
11 ヨーク板
12 ヨークベース
13 永久磁石(主極磁石)
13A 永久磁石(補極磁石)
14 間隙
15 板バネ(弾性部材)
15A 付勢部
15B ベース部
20 可動子
21 電機子