特許第5648936号(P5648936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5648936
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20060101AFI20141211BHJP
   C02F 1/42 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   C02F1/00 J
   C02F1/42 A
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-101888(P2013-101888)
(22)【出願日】2013年5月14日
(62)【分割の表示】特願2009-249806(P2009-249806)の分割
【原出願日】2009年10月30日
(65)【公開番号】特開2013-176767(P2013-176767A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2013年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 三郎
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】平尾 匡章
【審査官】 片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−293094(JP,A)
【文献】 実開昭58−151406(JP,U)
【文献】 特開平09−155342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00、28、42、44、50−56、70−78
B01D 23/00−35/30、61/00−71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下端部に第一開口および第二開口を形成し、前記第一開口と前記第二開口との間に水処理材を収容する合成樹脂製の容器であって、ファイバーグラスのワインディングにより耐圧用のコーティングが施されている容器と、
前記容器を支持固定する架台と、
前記第一開口および前記第二開口間の中間部において前記容器と離間して配置され、前記第一開口および前記第二開口とそれぞれ第一連通手段,第二連通手段を介して連通接続され、前記容器内の水の流れを切換えるバルブユニットとを備え、
前記架台は、前記バルブユニットを横方向へ移動自在に支持するレール部材を有する支持手段を備え、
前記バルブユニットを前記支持手段に固定することを特徴とする水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟水装置や濾過装置などの水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、軟水装置は、メンテナンス性や処理水量などの要求に応じて、容器の水の流れを切り換えるバルブユニットを容器の頂部に配置する。容器の頂部に配置する目的は、バルブユニットの交換が容易なことと、製造時の組み立てが簡素化できることにある。反対にバルブユニットを頂部に配置するためには、交換時に容易に人の手が届くことや、要求水量に見合う水路径が確保できることが条件となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−260519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バルブユニットを容器の頂部に載置し、容器の上端開口部に集水管を挿入する方式の軟水装置を大容量化する際には、つぎの課題を生ずる。すなわち、容器の上端開口部に集水管を挿入する方式は、水の入口と出口とが前記上端開口に形成されるものであり、水の入口および出口の通路面積が小さくなるため、通水時の圧力損失が高くなり、所望の水処理性能の発揮ができなくなる可能性がある。また、容器の背が高くなり、容器内に挿入する水を取り出すための集水管(水の出口を水の入り口に設けるために必要となる)が長くなり、組み立てやメンテナンスの際の集水管の出し入れが困難となるとともに、バルブユニットのメンテナンスも困難となる。
【0005】
また、軟水装置を大型化するに伴い軟水装置の軽量化が望まれている。また、濾過装置においては濾材を収容した容器は、軟水装置と比較して大容量であるので、大型の軟水装置と同様に軽量化が望まれる。
【0006】
この発明が解決しようとする主たる課題は、容器の大容量化に拘わらず、所望の水処理性能を発揮できるとともに、組み立て性およびメンテナンス性を向上させ、しかも軽量化を実現する水処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、上下端部に第一開口および第二開口を形成し、前記第一開口と前記第二開口との間に水処理材を収容する合成樹脂製の容器であって、ファイバーグラスのワインディングにより耐圧用のコーティングが施されている容器と、前記容器を支持固定する架台と、前記第一開口および前記第二開口間の中間部において前記容器と離間して配置され、前記第一開口および前記第二開口とそれぞれ第一連通手段,第二連通手段を介して連通接続され、前記容器内の水の流れを切換えるバルブユニットとを備え、前記架台は、前記バルブユニットを横方向へ移動自在に支持するレール部材を有する支持手段を備え、前記バルブユニットを前記支持手段に固定することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、水の入口と出口とを前記第一開口と前記第二開口とに分けることができるので、水の入口および出口の通路面積を大きくでき、所望の水処理性能を発揮することができる。また、前記容器を合成樹脂にて構成することにより、装置の軽量化を実現できるとともに、重量の大きい前記バルブユニットを前記容器の上端で支持することなく、前記架台で支持するので、前記容器の合成樹脂化による対荷重性の低下に拘わらず、前記バルブユニットを支障なく支えることができる。さらに、前記バルブユニットを前記第一開口と前記第二開口との中間部で支持するので、前記バルブユニットの組み立ておよびメンテナンスが容易となるとともに、従来のような集水管を必要としないので、装置の組み立ておよびメンテナンスが容易となる。また、前記バルブユニットの支持固定作業を安全かつ容易に行うことができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、容器の大容量化に拘わらず、所望の水処理性能を発揮できるとともに、組み立て性およびメンテナンス性を向上させ、しかも軽量化を実現する水処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1の概略構成を示す斜視図である。
図2図1の頂部の拡大による斜視図である。
図3図1の底面側からみた底部の拡大による斜視図である。
図4】同実施例1の概略構成を示す縦断面図である。
図5図4の要部拡大の縦断面図である。
図6】同実施例1の拡大による平面図である。
図7】同実施例1のバルブユニットの上部の固定状態を説明する要部拡大による断面図である。
図8】同実施例1のバルブユニットの下部の固定状態を説明する要部拡大による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、この発明の水処理装置の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、軟水装置や濾過装置などの水処理装置に好適に実施される。
【0014】
この実施の形態を具体的に説明する。この実施の形態の水処理装置は、合成樹脂製の容器と、架台と、前記容器内の水の流れを切換えるバルブユニットとを主要部として備えている。
【0015】
前記容器は、上下端部に水の入口または出口となる第一開口および第二開口を形成している。前記架台は、前記容器を支持固定するものである。前記バルブユニットは、前記第一開口および前記第二開口間の中間部において前記容器と離間して配置され、前記第一開口および前記第二開口とそれぞれ第一連通手段,第二連通手段を介して連通接続され、前記架台に支持固定される。
【0016】
この実施の形態においては、特許文献1のように開口を上端の第一開口のみとするのではなく、前記容器の下端部にも前記第二開口を形成している。このため水の出入口を一箇所とするのではなく、二箇所としているので、水の入口および出口の通路面積を大きくできる。その結果、通路面積が狭くなることによる水処理性能の低下を防止でき、所望の水処理性能を発揮することができる。
【0017】
また、前記容器は、従来金属製であったものを合成樹脂製として、水処理装置の軽量化を図っている。そして、合成樹脂製の容器とフランジに螺子で締結された合成樹脂製の回転自在のエルボでは、重量の大きい前記バルブユニットを支えきれないので、前記バルブユニットは、従来のように前記容器の上端で支持することなく、前記架台で支持固定するように構成している。その結果、前記容器の合成樹脂化と前記合成樹脂の回転自在のエルボの対荷重の低下に拘わらず、前記バルブユニットを支障なく支えることができる。
【0018】
さらに、前記バルブユニットを前記第一開口と前記第二開口との中間部で支持するので、水処理装置の大容量化に伴い、前記容器の高さが高くなっても前記バルブユニットの組み立ておよびメンテナンスを容易に行うことができる。また、水の入口と出口とを上端開口に形成されることに伴い必要となる集水管を必要としないので、水処理装置の大容量化に伴い長くなった集水管の出し入れを行う必要がなくなるので、この点からも装置の組み立ておよびメンテナンスが容易となる。
【0019】
ここで、この発明の実施の形態の水処理装置を構成する構成要素を説明する。前記容器の形状は、肉厚を薄くし、かつ所定の強度を維持するという観点から、円筒状とし、軽量化の観点から合成樹脂製としている。この容器は、内部からの水圧に耐えるようにガラスにて耐圧用のコーティング(ファイバーグラスのワインディングと称することができる。
)することが望ましい。
【0020】
水処理装置を下降流で通水工程を行い、上昇流で逆洗工程(再生工程と称することができる。)を行う軟水装置または濾過装置とする場合、前記第一開口は、通水工程時原水の入口となり、逆洗工程時の排水の出口となる。また、前記第二開口は、通水工程時処理水の出口となり、逆洗工程時逆洗水の入口となる。
【0021】
前記容器内には、通水工程において原水を処理して処理水とする水処理材を前記第一開口と前記第二開口との間に収容している。前記水処理材は、軟水装置の場合は、イオン交換樹脂であり、濾過装置の場合は、濾材である。
【0022】
前記バルブユニットは、金属製または合成樹脂製の複数のバルブから構成され、前記通水工程時と前記逆洗工程時とで、前記容器内の水の流れを切換える機能を有するものである。勿論、前記通水工程,前記逆洗工程に加えてこれと別の工程を行う際にも前記容器内の水の流れを切換えるように構成することができる。このバルブユニットは、その機能に応じて公知の構成のものとすることができる。
【0023】
前記第一連通手段および前記第二連通手段は、好ましくは、それぞれ前記第一開口,前記第二開口への連結部に合成樹脂製のエルボを備え、前記各エルボは、前記容器側の連結部において回動自在で環状のシール部材によりシールされて結合されるものとする。
【0024】
こうした構成を採用することにより、前記バルブユニットの装置への組み立てを容易に行うことができる。すなわち、この組み立ての際には、前記第一連通手段を用いて前記第一開口と前記バルブユニットとを連通接続し、前記第二連通手段を用いて、前記第二開口と前記バルブユニットとを連通接続するが、前記各エルボを回転させることで、その作業を容易に行うことができる。また、前記各エルボを回転させても前記シール部材によりシール性を確保することができる。
【0025】
また、前記第一連通手段および前記第二連通手段は、さらに好ましくは、前記第一開口および前記第二開口にそれぞれ一体的に形成したフランジに接合され多数のボルトおよびナットにて固定され、中央に連結孔部を形成した結合補助部材を備えている。そして、前記連結孔部には、雌螺子部と螺子を形成していないシール面部とが形成される。前記各エルボには、前記容器側端部に前記雌螺子部に螺合される雄螺子部と、前記シール部材が嵌め込まれる環状の凹部とが形成される。そして、前記各エルボは、前記シール部材を前記凹部に嵌め込んだ状態で前記雄螺子部を前記雌螺子部に螺合することにより、前記シール部材が前記シール面部に圧接するように、前記フランジ部材に回動自在に連結される。
【0026】
前記バルブユニットは、前記第一開口および前記第二開口間の中間部において前記容器と離間して配置され、前記架台に固定支持される。中間部とは、好ましくは、前記第一開口および前記第二開口間の組み立てやメンテナンスが容易な位置とする。従って、前記容器の大型化に際しては、丁度中間でなく、丁度中間より下方に変移させて支持することができる。
【0027】
前記バルブユニットの前記架台への支持固定は、前記架台を構成する支柱に適宜の支持部材を連結して、この支持部材に着脱自在に螺子などで固定する。
【0028】
また、前記架台は、特定の構造の架台に限定されない。また、前記架台に対して前記容器を支持する支持手段も特定の構造のものに限定されないが、好ましくは、前記バルブユニットを左右に移動可能に支持するレール部材を有する支持手段にて支持して固定するものとする。こうした構成を採用することにより、重量の重い前記バルブユニットを前記レール部材に引っ掛けて、ユニットの左右の位置を調整した後、螺子などにより固定することができ、前記バルブユニットの支持固定作業を容易に行うことができる。
【実施例1】
【0029】
以下、この発明を濾過装置に実施した実施例1を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施例1の概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1の頂部の拡大による斜視図であり、図3は、図1の底面側からみた底部の拡大による斜視図であり、図4は、同実施例1の概略構成を示す縦断面図であり、図5は、図4の要部拡大の縦断面図であり、図6は、同実施例1の拡大による平面図であり、図7は、同実施例1のバルブユニットの上部の固定状態を説明する要部拡大による断面図であり、図8は、同実施例1のバルブユニットの下部の固定状態を説明する要部拡大による断面図である。
【0030】
図1および図4を参照して、この実施例1の濾過装置1は、合成樹脂製の容器2と、架台3と、容器2内の水の流れを切換えるバルブユニット4とを備えている。
【0031】
容器2は、第一開口5および第二開口6を形成している(図4参照)。容器2の高さは、濾過装置1の濾過層長の1.3倍以上となる。架台3は、容器2を支持固定するものである。バルブユニット4は、第一開口5および第二開口6間の丁度中間部より下方において容器2と離間して配置され、第一開口5および第二開口6に対してそれぞれ第一連通手段7,第二連通手段8を介して連通接続され、架台3に支持固定されている。
【0032】
また、容器2は、円筒状で合成樹脂製とし、内部からの水圧に耐えるようにガラスにて耐圧用のコーティング(図示省略)を施している。
【0033】
そして、容器2内には、通水工程において原水を濾過処理して処理水とする水処理材としての濾材9を第一開口5と第二開口6との間に収容している。符号10,11はそれぞれ第一開口5,第二開口6に装着した濾材の流出を防止する有底円筒状の第一フィルター,第二フィルターである。
【0034】
濾過装置1は、下降流で原水を濾過する通水工程を行い、上昇流で濾材9の逆洗工程を行うように構成されている。第一開口5は、通水工程時原水の入口となり、逆洗工程時逆洗排水の出口となる。また、第二開口6は、通水工程時処理水の出口となり、逆洗工程時逆洗排水の入口となる。逆洗水は、この実施例1では、原水を用いて行うが、処理水タンク(図示省略)に貯留の処理水を用いて行うことができる。
【0035】
バルブユニット4は、金属製の複数のバルブから構成され、通水工程と再生工程で通水工程時とで容器2内の水の流れを切換えるように構成されている。
【0036】
すなわち、通水工程では、原水管(原水ライン)12から流入する原水を第一連通手段7を介して第一開口5から第一フィルター10を通して容器2内へ導き、濾材9を通過して、第二フィルター11,第二開口6,第二連通手段8を介してバブルユニット4へ導き、処理水管(処理水ライン)13から流出する水の流れを形成する。
【0037】
また、逆洗工程では、原水管12から流入する逆洗水としての原水を第二連通手段8を介して第二開口6から第二フィルター11を通して容器2内へ導き、濾材9を通過して、第一フィルター10,第一開口5,第一連通手段7を介してバブルユニット4へ導き、排水管(排水ライン)14から流出する水の流れを形成する。このバルブユニット4は、公知の構成のものとすることができる。
【0038】
第一連通手段7および第二連通手段8は、この実施例1では、配管の長さを除き、同じ構成としているので、第一連通手段7について説明し、第二連通手段8については、同じ構成要素に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図4を参照して、第一連通手段7は、いずれも合成樹脂製の結合補助部材15,第一エルボ16,ジョイント17,第一配管18,第二エルボ19,第二配管20,第一接続フランジ21,第二接続フランジ22,第三配管23から構成されている。第一連通手段7の第二配管20および第三配管23は、第二連通手段8のそれらよりも長さを短くすることで、バルブユニット4を第一開口5および第二開口6の丁度中間よりも上方に変移させている。これにより、組み立て、メンテナンス性を考慮したバルブユニットの高さに最適化させている。
【0040】
結合補助部材15は、第一開口5と第一エルボ16との連結部を構成する。図5および図6を参照して、結合補助部材15は、第一開口5および第二開口6にそれぞれ一体的に形成した第三接続フランジ24に接合され多数(実施例1では12組)のボルト25およびナット26にて固定され、中央に開口(符号省略)を有する筒状の連結孔部27を形成している。この連結孔部27には、平行螺子からなる雌螺子部28と、螺子を形成していないシール面部29とが形成されている。雌螺子部28は、第一フィルター10,第二フィルター11を螺合して固定するための螺子部を兼ねている。
【0041】
一方、第一エルボ16には、容器側端部16Aに雌螺子部28に螺合される雄螺子部30と、環状の第一シール部材31が嵌め込まれる環状の第一凹部32とが形成されている。そして、第一エルボ16は、シール部材31を凹部32に嵌め込んだ状態で雄螺子部30を結合補助部材15の雌螺子部28に螺合すると、第一シール部材31がシール面部29に圧接するように構成されている。こうして、第一エルボ16は、結合補助部材15および第三接続フランジ24に対して回動自在に連結される。
【0042】
また、結合補助部材15には、第三接続フランジ24との接合部に、環状の第二凹部33と、この第二凹部33に嵌め込まれる環状の第二シール部材34とが設けられ、結合補助部材15と第三接続フランジ24と間の接合部の気密性を保持している。
【0043】
前記ジョイント17は、プレハブジョイントと称される公知のジョイントで、一端が第一エルボ16の配管接続側端部16Bと接着により結合され、他端が第一配管18に接着により結合される。そして、中央の大径のナット部(符号省略)を回すことにより、第一エルボ16と第一配管18とを連結するとともに、ナット部を反対方向へ回すことにより連結を外すことができるように構成されている。
【0044】
第一接続フランジ21,第二接続フランジ22は、それぞれ第二配管20の端部,第三配管23の端部が接着により結合され、両者は、ボルト,ナット(いずれも符号省略)により、連結される。第三配管23の他端は、バルブユニット4に接続されている。
【0045】
図1を参照して、架台3は、基台40と、この基台40に下端が固定される3本の支柱41,41,41と、各支柱41を連結する連結体42,42,42とで構成されている。
【0046】
そして、容器2は、その底面に固着した円筒上の固定脚43により、基台40にボルト(図示省略)により固定されている。固定脚43には、第二連通手段8が挿通される挿通用開口44を3箇所形成している。
【0047】
この容器2は、各支柱41間に巻き付けられる支持ベルトと、この支持ベルトによる容器2の締め付け度合いを調整する締付具(いずれも図示しない)とを含む水平方向支持手段(図示省略)により、容器2の水平方向外周を各支柱41に支持するように構成している。
【0048】
バルブユニット4の架台3への支持手段45は、図1を参照して、基台40と連結体42との間に架設される一対のコ字上の第一支持部材46、46と、この第一支持部材46,46間に架設される複数の第二支持部材47A,47Bとから構成されている。バルブユニット4は、第二支持部材47に着脱自在に螺子で固定している。
【0049】
第二支持部材47A,47Bによるバルブユニット4の支持固定の構成を図7および図8に基づき説明する。各第二支持部材47A,47Bは、第一支持部材46A,46B間に架設されるL字型金具からなるベース部材48A,48Bと、案内溝(隙間)49A,49Bを形成するように、これに溶接固定されるL字型金具からなるレール部材50A,50Bとから構成されている。なお、図1では、ベース部材48A,48B,レール部材50A,50Bなどの構成要素を図示省略している。
【0050】
一方、バルブユニット4の上下には、L字型金具からなる固定部材51A,51Bがボルト52およびナット53により固定されている。上下のレール部材50A,50B間の間隔は、上下の固定部材51A,51Aを取り付けたバルブユニット4がレール部材50A,50Bの横から前記案内溝49A,49B内へと差し込み可能となるように構成されている。
【0051】
そして、下の固定部材51Bの下端が下のレール部材50B上に乗っかった状態でバルブユニット4を左右にスライドするとき、上下の固定部材51A,51Bの垂直片は、バルブユニット4が倒れてこないように引っ掛けの役目をなすように構成されている。
【0052】
符号54は、バルブユニット4を所定の固定位置(ベース部材48A,48Bに螺子穴として形成した固定穴55と固定部材51に形成した固定穴56とが合致する位置)にスライドさせた状態で、ベース部材48A,48Bに固定部材51A,51Bを固定するための螺子である。
【0053】
この実施例1では、ベース部材48A,48Bとレール部材50A,50Bとで案内溝49A,49Bを形成しているが、凹上のレール部材にて案内溝49A,49Bを形成することができる。
【0054】
つぎに、この実施例1の組み立て方法と作用、効果とについて図1図8に従い説明する。
【0055】
まず、固定脚43を取り付けた容器2の第一開口5および第二開口6に対し、結合補助部材15と、ジョイント17の連結を外した上体の半分を連結しておく。この状態の容器2を基台40に載置固定する。そして、各支柱41を基台40に固定する。ついで、各連結体42を各支柱41間に連結固定して、架台3の組み立てを完成する。その後、前記水平方向支持手段により容器2を支持する。
【0056】
一方、バルブユニット4に対し、第一連通手段7および第二連通手段8のジョイント17の片半分と、第一配管18,第二エルボ19,第二配管20,第一接続フランジ21,第二接続フランジ22,第三配管23をこれらが同一平面状となるように連結しておく。
【0057】
この状態で、バルブユニット4を支持手段45に固定する。この固定につき説明する。まず、上下の固定部材51A,51Bを取り付けたバルブユニット4をレール部材50A,50Bの横から案内溝49A,49B内へと差し込むことにより、バルブユニット4をレール部材50A,50Bに引っ掛ける。これにより、バルブユニット4は、レール部材50B上に載置して支持される。この状態で、バルブユニット4を、固定穴55と固定部材51に形成した固定穴56とが合致するまで、横方向へスライドさせる。そして、螺子54を固定穴56にねじ込むことで、バルブユニット4を支持手段45に固定する。
【0058】
ついで、第一エルボ16を回転させて、ジョイント17により結合することにより、バルブユニット4が第一開口5および第二開口6の間に連通接続される。こうして、バルブユニット4の連結作業を完了する。
【0059】
なお、前記のバルブユニット4に対する第一連通手段7および第二連通手段8の連結と、バルブユニット4を支持手段45への固定との順序は逆にすることができる。すなわち、バルブユニット4を支持手段45に固定してから、第一連通手段7および第二連通手段8のジョイント17の片半分から第三配管23の接続を行うことができる。
【0060】
つぎに、この実施例1の作用効果を説明する。一般に、容器2を合成樹脂製とした場合、ボルト25を挿通するための第三接続フランジ24のボルト挿通孔(符号省略)の位置が第一開口5と第二開口6とで回転方向へずれる。第一エルボ16が回転できないように第一開口5および第二開口6に連結してシール性を保持する構造のものであると、第一開口5の第一エルボ16の中心軸と第二開口6の第一エルボ16の中心軸とがずれることになり、バルブユニット4の第一エルボ16への連結ができなくなる。連結するために、第一エルボ16を回転するとシール性が低下する。
【0061】
この実施例1によれば、第一連通手段7および第二連通手段8は、それぞれ第一開口5,第二開口6への連結部に第一エルボ16を備え、各第一エルボ16は、容器2側の連結部において回動自在で環状の第一シール部材31によりシールされている。その結果、仮に第三接続フランジ24のボルト挿通孔の位置が第一開口5と第二開口6とで回転方向へずれても、各第一エルボ16を回動することによりバルブユニット4の装置への組み立てを容易に行うことができる。この場合、前記ずれは、最大360度/12(ボルト25の本数)=30度となるので、第一エルボ16の回動は、一方の第一エルボ16のみ回動すると、最大30度だけで済むことになる。ボルト25の本数は、第二シール材34を均等に圧接できる本数とする。そして、第一エルボ16を回転させても第一シール部材31によるシール性に変化が無いので、所期のシール性を確保することができる。
【0062】
また、この実施例1によれば、容器2の上端部に第一開口5を、容器2の下端部に第二開口6を形成して、水の入口と出口とを別に設ける構成としているので、水の入口および出口の通路面積を大きくできる。その結果、水の入口および出口の通路面積が狭くなることによる濾過装置1の濾過性能の低下を防止することができる。
【0063】
また、バルブユニット4は、従来のように容器2の上端で支持することなく、前記架台3に支持手段45を用いて支持固定するように構成しているので、容器2および第一エルボ16の合成樹脂化による対荷重の低下に拘わらず、バルブユニット4を支障なく支えることができる。
【0064】
また、バルブユニット4を第一開口5と第二開口6との中間部で支持している。その結果、大容量の濾過装置1で、容器2の高さが高くなっても第一連通手段7、第二連通手段8およびバルブユニット4の組み付けおよびメンテナンスを容易に行うことができる。また、水の入口と出口とを上端開口に形成されることに伴い必要となる集水管を必要としないので、濾過装置1の大容量化に伴い長くなった集水管の出し入れを行う必要がなくなるので、この点からも濾過装置の組み立ておよびメンテナンスを容易に行うことができる。
【0065】
さらに、バルブユニット4を平行に左右方向へ移動自在とするレール部材50A,50Bを有する支持手段45により、バルブユニット4を支持しているので、重量の重いバルブユニット4支持固定作業を容易に行うことができる。そして、固定部材51A,51Bが案内溝49A,49Bに係合状態に支持されているので、重いバルブユニット4の組み立ておよびメンテナンス作業を一人で行えるとともに、螺子54を外してもバルブユニット4が転倒することがなく、安全に作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0066】
1 濾過装置
2 容器
3 架台
4 バルブユニット
5 第一開口
6 第二開口
7 第一連通手段
8 第二連通手段
16 第一エルボ(エルボ)
45 支持手段
50A レール部材
50B レール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8