(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記製品保持部は、前記物品の側方に位置し当該物品を挟んで対向する少なくとも一組のガイド部材を備え、そのうちの少なくとも一組に前記支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の箱詰め装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、機枠又は支持板を箱内に降下させて続いて支持板を開いて積層用紙を落下させることにすれば、製品へのダメージが少なく且つ正確な箱詰めが行えると考えられるが、製品と箱との間の隙間が狭い場合、機枠又は支持板が箱に干渉し円滑な箱詰めを行うことができない。
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、製品と箱との間の隙間が狭い場合であっても、製品にダメージを与えることなく正確な箱詰めを円滑に行うことができる
箱詰め装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、箱の上方又は下方から扁平な物品を挿入し当該物品が積層された状態に箱詰めを行う箱詰め装置において、前記物品を傾斜した状態で保持し前記箱に挿入する箱詰手段を
具備し、当該箱詰手段は製品保持部を備え、当該製品保持部には前記物品の底面に当接し当該物品を傾斜した状態に維持する支持部材が設けられており、当該支持部材は前記底面に当接しない位置に退避可能となっていることを特徴としている。
【0008】
前記支持部材が前記物品の底面に当接するとは、当該底面と前記物品の側面とが交差する角部先端に接する場合も含まれる。また前記支持部材としては、複数個を一組とし、これらを上下方向において相対的に位置を異ならせることによって前記物品を傾斜した状態に維持する構成や、前記物品の底面との当接面を傾斜面とすることによって前記物品を傾斜した状態に維持する構成等を採用することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係る箱詰め装置を前提とし、前記製品保持部は、前記物品の側方に位置し当該物品を挟んで対向する少なくとも一組のガイド部材を備え、そのうちの少なくとも一組に前記支持部材が設けられていることを特徴としている。前記支持部材が設けられている前記ガイド部材は、前記物品を斜めに傾斜した状態に維持する他、前記物品の横方向へのずれを規制する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係る箱詰め装置を前提とし、前記支持部材は
前記ガイド部材の固定板に対して起伏可能に設けられ、倒伏すると前記物品の前記底面に当接しない位置に退避することを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係る箱詰め装置を前提とし、前記支持部材がバネ弾性力により起立方向に付勢されていることを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明は、請求項2の発明に係る箱詰め装置を前提とし、前記支持部材は
前記ガイド部材の固定板に対して起伏可能に設けられ、倒伏すると前記物品の前記底面に当接しない位置に退避し、さらに前記ガイド部材は、前記固定板に沿って往復運動するスライダーと、当該スライダーに連結されその移動に伴って回転運動する作動部材とを備え、当該作動部材の回転運動を前記支持部材に伝達することにより当該支持部材を起伏させることを特徴としている。前記作動部材としては、例えば、前記スライダーの往復運動によって回るカムやリンク機構等を採用することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明に係る箱詰め装置を前提とし、
前記固定板は平板状の形状を有しており、前記支持部材もまた平板状の形状を有しその一端部で
前記固定板に対し上下方向に回転可能に連結され、前記スライダーは
前記固定板の厚みと同等で且つ逆U字状の形状を有し、その左右両側の側方部材が
前記固定板の各側面に沿って移動し、両側の前記側方部材間に平板形状とした前記作動部材がその一端部で回転可能に介設されると共に、他端部が前記支持部材に対して回転可能に連結されていることを特徴としている。これにより、前記製品保持部の厚みを可及的に抑えることができる。
【0014】
請求項7発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の箱詰め装置を前提とし、前記製品保持部は、前記支持部材を前記底面に当接しない位置に退避させると同時に又は退避させた直後に前記製品保持部を上方に移動させることを特徴としている。請求項8の発明は、
箱の上方又は下方から扁平な物品を挿入し当該物品が積層された状態に箱詰めを行う箱詰め装置において、前記物品を傾斜した状態で保持し前記箱に挿入する箱詰手段を具備し、当該箱詰手段は製品保持部を備え、当該製品保持部には前記物品を側方から挟持し当該物品を傾斜した状態に維持する支持部材が設けられており、当該支持部材は前記物品に当接しない位置に退避可能となっていることを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明は、
請求項8に記載の箱詰め装置を前提とし、
前記製品保持部は前記支持部材どうしの上下方向における相対位置を変更可能になっていることを特徴としている。【0016】
前記支持部材どうしの上下方向における相対位置を変更可能とすることで、水平状態で受け取った前記物品を、前記箱に移送する間に姿勢を傾斜した状態へと変更することができる。また、前記箱のサイズによっても前記物品の角度を任意に変更することができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずかに記載の箱詰め装置を前提とし、前記箱詰手段は前記物品を傾斜した状態で前工程から受け取ることを特徴としている。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の箱詰め装置を前提とし、前記箱詰手段は前記物品を複数段に積層して箱詰めすることを特徴としている。
【0019】
本発明は、前記製品保持部は、前記支持部材を前記底面に当接しない位置に退避させると同時に又は退避させた直後に前記製品保持部を上方に移動させることを特徴としている。
【0020】
本発明は、前記物品の底面を支持して傾斜した状態を保持しつつ前記箱に挿入し、次に前記底面の支持を解除して落下させることにより前記物品を水平状態にすることを特徴としている。
【0021】
本発明は、箱の上方又は下方から扁平な物品を挿入し当該物品を積層した状態に箱詰めを行う方法において、前記物品を側方から挟持して傾斜した状態を保持しつつ前記箱に挿入し、次に側方からの挟持を解除して落下させることにより前記物品を水平状態にすることを
特徴とする。【0022】
本発明は、前記物品を傾斜した状態で落下させることを特徴としている。これによれば、前記物品の下側の空気が上方に抜け易くなるため前記物品をスムーズに落とすことができる。
【0023】
本発明は、複数段に積み重ねた前記物品を箱詰めすることを特徴としている。
【0024】
本発明は、前工程から前記物品を傾斜した状態で受け取り、その傾斜した状態を維持して箱詰めすることを特徴としている。
【0025】
本発明は、前工程から水平状態で受け取った前記物品を傾斜した状態に変更する手順を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る
箱詰め装置によれば、製品保持部が入る隙間を十分に確保して円滑な箱詰めを行うことができ、よって生産の効率化や高速化を図ることができる。また、箱の上方から製品を落下させることなく箱詰めできるため箱詰め時の製品のダメージを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、
本発明の箱詰め装置に係る実施形態について説明を行う。
第1図に示す包装設備1は、シート状のハップ剤を積層状態に箱詰めする設備であって、製品供給装置2、製函装置3、箱詰め装置4、搬出装置5等が一体的に組み込まれている。
【0028】
製品供給装置2は、集積装置6で段積みされたハップ剤の束A(以下、積層体Aとも言う)を箱詰め装置4まで移送するバケットコンベアであり、積層体Aを収容可能な複数個のバケット7を、周回する駆動チェーン8に所定間隔で取り付けたものである(第2図)。各バケット7は四隅にアングル型のガイド部7aを立設するとともに、中央部において積層体を下から支持する受け部(図示省略)を設けたもので、受け部の上面は傾斜面に形成されている。
【0029】
因みに、集積装置6は図示しないが、先端部を二股形状とした断面L字型の受け板を昇降可能に備え、当該受け板を段階的に下降させながら搬送コンベアにより供給されてくるハップ剤aを順次受け取ることで、複数段に段積みした積層体Aを形成する。受け板の底面部材は先端側を高くして傾斜させた形になっているため、各ハップ剤aは傾斜した状態で段積みされる。積層体Aが規定の段数に達すると、下降して次工程への受渡し位置まで移動すると同時に別の受け板が入れ代わり、搬送されてくるハップ剤aを引き続き受け取って積層体Aを形成する。受渡し位置に移動した受け板は、製品供給装置2のバケット内に上方から侵入して積層体Aを受け部に受け渡し、次いで側方に移動してバケット内から退避し、再び上昇して次の受け取りに備えて待機する。
【0030】
製函装置3は、ブランクシートBをストックするマガジン9とブランクシートの起函手段(図示省略)とを備えており、起函手段はストックされているブランクシートBを吸着手段により引き出し、所定位置に移動させつつ角筒状に開き、続いて底面フラップを折り込んで接着テープを貼着し底面を形成する。こうして製函された箱Cを天面のフラップを開いた状態で箱詰め装置4へ移送する。
【0031】
箱詰め装置4は、製品供給装置2で搬送されてくる積層体Aを箱詰めする箱詰手段10と、箱内に仕切板をセットする仕切板供給手段11と、能書を供給する能書供給手段12とを備えている。また、複数本のフリーローラー(図示省略)を同一の高さで且つ所定ピッチで配設して搬送路13が構成されており、搬送路13の両側方には水平に周回する駆動チェーン14がそれぞれ配設され、各駆動チェーン14には搬送方向における箱のサイズと同一ピッチで設けられ、且つ搬送方向における箱の前後を規制しつつ搬送することができる押送部材15が設けられている(第2図)。この箱詰め装置4については後程詳述する。
【0032】
搬出装置5は、箱詰め装置4によりハップ剤aが充填された箱Cの内、外フラップC
1、C
2を折り込み(第2図)、続いて粘着テープを貼着して封緘する封緘装置68が設けられており、封緘後の箱を作業員の受取り場所までウエイトチェッカー等の検査機器を経由させつつ搬送する。
【0033】
次に、前述の箱詰め装置4について詳しく述べる。第2図に示すように箱詰め装置4は製品供給装置2に隣接して配置されており、その箱詰手段10は、製品供給装置2の搬送方向と直交し且つ水平に設けられた横リニアガイド16と、横リニアガイド16に摺動可能に装着された縦リニアガイド17とを備え、縦リニアガイド17のブロックにハップ剤をキャッチアップする製品保持部18がブラケット19を介して取り付けられている。ブラケット19と同製品保持部18はロータリーテーブル20を介して吊設され縦軸回りに回転可能になっている。
【0034】
製品保持部18は、第3乃至第4図に示すように、上下に平行に配置した上板21と底板22とを左右一対の側板23により連結した角筒状の支持フレーム24を有し、同支持フレーム24の上板21とロータリーテーブル20のテーブルとが連結されており、底板22の上面には摺動方向を側板23と平行にしたリニアガイド25が設けられている(第5図)。リニアガイド25には2個のブロック26、27が独立して移動可能に装着されており、各ブロック26、27にはブラケット28、29が固定され、これらのブラケット28、29によって支持フレーム24の開口側の両側にそれぞれ配置された第一、第二ガイド部材30、31が支持されている。第5図における符号100、101は、それぞれブラケット28、29と連結され同ブラケット28、29を進退させるエアシリンダーである。
【0035】
続いて第一、第二ガイド部材30、31について説明するが、これらのガイド部材で共通する部分については重複を避けるため説明を省略する。第一、第二ガイド部材30(31)は縦長矩形状の板状部材であり、縦長矩形状の固定板32(33)、同固定板32(33)に沿って摺動するスライダー34(35)と、ハップ剤aの底面に当接して支持する支持部材36(37)と、支持部材36(37)を動かすための作動部材38(39)とが一体的に設けられ、支持フレーム24を挟んで対向するように配置されるとともにその間隔が変更可能になっている。
【0036】
第一、第二ガイド部材30(31)の固定板32(33)は下から3分の1ほどの範囲で両側縁部を削除し、その削除した部分に沿って角柱状ガイド40(41)が固定されている。各角柱状ガイド40(41)の下側部分には、横方向に貫通し且つ上下方向に延びるガイド孔40a(41a)が形成されており、ガイド孔40a(41a)には長手方向に沿って摺動可能な小さなブロック状の軸受け部材42(43)が設けられている。また、固定板32(33)の下端中央部には下向きに突出したヒンジ部32aが形成されており、同ヒンジ部32aを介して支持部材36と連結されている。
【0037】
一方、支持部材36(37)は横長矩形状の板状部材であり、中央部に切り込み部36aが形成されている逆U字状の形状を備え、上端部には左右一対の幅広のヒンジ部36bが突設されていて、両ヒンジ部間に固定板32のヒンジ部32aを挿入したかたちで連結ピン44(45)により連結されている。また、支持部材36(37)の外面(第一、第二ガイド部材30、31が対向する面と反対側の面)には作動部材38(39)との干渉を避けるため、切り込み部36aの上側を窪ませるとともに底面を前傾の傾斜面とした斜線部の凹部36b(37b)が形成されている。
【0038】
作動部材38(39)は逆T字型の板状部材であり、凸部の先端にヒンジ部38a(39a)が形成されていて、凸部を支持部材36(37)の切り込み部36aに挿入した状態で、支持部材36(37)を横方向に貫通する連結ピン46(47)をヒンジ部38a(39a)に挿通させることより支持部材36(37)と連結されている。さらに、両側端部の下端近傍において、固定板32(33)の両角柱状ガイド40(41)の軸受け部材42(43)と連結ピン48(49)を介して連結されている。また、凸部の左右両側方の部位には、内面の上半分と下半分との間に段差を形成し上半分を外面側に後退させることによって、支持部材36(37)の左右の下端部を当接させための受け部38b(39b)が形成されている。
【0039】
スライダー34(35)は固定板32(33)の両側面に沿って配置され上下方向に摺動可能な各柱状の一対のスライドバー50(51)を備え、これらが上端部において板状連結部材52(53)により連結されることで逆U字状をなし、両スライドバー50(51)の下端部は作動部材38(39)と軸受け部材42(43)との連結ピン48(49)を延長した一端部とそれぞれ連結されている。また、スライダー34(35)の上下動は板状連結部材52(53)とブラケット28(29)との間に配設したエアシリンダー54(55)により行われる。
【0040】
即ち、片ロッド式のエアシリンダー54(55)がピストンロッド54a(55a)の伸縮方向を上下方向とし、そのシリンダー本体54b(55b)が固定板32(33)を支持しているブラケット28(29)に固定されるとともに、ピストンロッド54a(55a)の先端部が板状連結部材52(53)に固定され、ピストンロッド54a(55a)を伸縮させることにより、スライダー34(35)の位置を上昇位置と下降位置とに切り替えることができる。
【0041】
さらに詳述すれば、ピストンロッド54a(55a)を短縮することでスライダー34(35)が固定板32(33)との相対関係において最下位に位置した状態となり、スライドバー50(51)の先端部と連結されている軸受け部材42(43)も最下位に位置するから作動部材38(39)は上下方向に向いた姿勢となり、よって支持部材36(37)は倒伏した状態となる(第6図(a))。
【0042】
一方、エアシリンダー54(55)のピストンロッド54a(55a)を伸長すれば、スライダー34(35)は固定板32(33)との相対関係において最上位に位置した状態となり、軸受け部材42(43)もまた最上位に位置するから作動部材38(39)は連結ピン48(49)を中心に内側に回転し、この回転力が支持部材36(37)に伝達され上方に回転させる力として作用するため、支持部材36(37)は内方に突出した起立状態になる(第6図(b))。
【0043】
以上のような構成を第一、第二ガイド部材30、31は基本構成として備えているが、その長さ及び支持フレーム24に対する取付位置が異なっている。即ち、短尺の第一ガイド部材30は長尺の第二ガイド部材31よりも支持部材36が上方に位置するようブラケット28に支持されている。なお、各ブラケット28、29の両側面には左右一対となるステー56、57が垂設されており、一対のステー間にはブラケット28、29の下方において第一、第二ガイド部材30、31を支持する別のブラケット58、59が配設されている。
【0044】
この他、支持フレーム24には支持部材36、37を有していない第三、第四ガイド部材60、61が取り付けられている。第三、第四ガイド部材60、61は、矩形状の板材の一端部を直角に折り曲げて逆L字型に形成し、支持フレーム24の下方において上部水平部60a、61aを突き合わせた状態で左右に配置したものである。第三、第四ガイド部材60、61は、支持フレーム24の底面に固定されている一対のリニアガイド62(一方のみ図示)にそれぞれ装着されており、両リニアガイド62は駆動方向が同一直線上となるように配置され、各ブロック62aと第三、第四ガイド部材60、61の上部水平部60a、61aとがそれぞれ連結されている。よって、両ブロック間の距離を変えることで、第三、第四ガイド部材60、61の間隔を製品幅に合わせて変更することができる。リニアガイド62の下方にはダストパン63が配設されているが、このダストパン63は矩形状の底板の周縁部に側板を立設し、前半分を上方にやや傾斜させた形にしたもので、後端部において支持フレーム24の底面から吊設されている一対のステー64によって支持されている。
【0045】
次に、箱詰め装置4の具体的な動作について説明する。製品供給装置2は間欠運転しながら、積層体Aを集積装置6から箱詰め装置4へと搬送している。第2図、第7乃至8図に示すように箱詰め装置4の物品保持部18は、箱詰めしない時には箱Cと干渉しない位置に上昇させて待機させる(第2図)。この状態では、各エアシリンダー54、55を短縮してスライダー34、35を下降位置に位置させ、第一、第二ガイド部材30、31の支持部材36、37を倒伏させておく。
【0046】
箱Cは、製函装置3において組み立てられたものが、左右のフラップガイド65によって天面を構成する左右の外フラップC
2がやや外方に開いた状態のまま、箱詰め装置4の製品充填位置に送られる(第2図)。フラップガイド65は箱詰め装置4における箱の搬送路13の上方に、同搬送路13に沿って箱Cの幅よりも若干広い間隔で平行に設けられた長尺部材であり、断面形状は下向きに開口したコの字型になっていて、その内側で外フラップC
2の先端部を案内する。一方、箱Cの下流側に位置する内フラップC
1は、製品充填位置において図示しない押え部材により外方にやや開いた状態で保持される。押え部材は搬送路13に沿って上流、中間、下流の計三箇所に配置されており、箱Cの移動に伴って上流側及び下流側の内フラップC
1又は仕切板66を適宜押えるようになっている。
【0047】
また、箱Cは十字状の仕切板66によって内部が四つに区画され、各区画C
3に積層体を一つずつ充填するようになっている。仕切板66を箱Cに挿入するのは、箱詰手段10の下流側に配置され搬送路13の側方で自動的に組み立てられた仕切板66をピックアップし、箱Cの上方まで移送したのち箱内に挿入する仕切板供給手段11により行われる。
【0048】
以上のように、箱Cが製品充填位置にセットされるとともに、仕切板66が内部に挿入されて箱詰めの準備が整えば、積層体Aが収容されているバケット7が箱詰手段10の側方に位置したことをセンサー67が検知すると、箱詰手段10は縦リニアガイド17を横移動させて製品保持部18をバケット上に位置させる。その際、ロータリーテーブル20を駆動し、物品保持部18を時計回りに90°回転させる。即ち、積層体Aが傾斜している方向に第一、第二ガイド部材30、31を位置させ、特に積層体Aが下がっている方に長尺の第二ガイド部材31がくるように配置する。
【0049】
続いて、製品保持部18を下降して第一〜第四ガイド部材30、31、60、61を積層体Aの側方にそれぞれ位置させるが、第一、第二ガイド部材30、31は積層体Aの傾斜方向の側方に位置し、第三、第四ガイド部材60、61は傾斜方向と直交する方向の側方に位置する。そして、各エアシリンダー54、55のピストンロッド54a、5aを伸長しスライダー34、35を上昇位置にして支持部材36、37を起立させた後に製品保持部18を上昇させることで、各支持部材36、37が一段目のハップ剤aの底面に当接し積層体Aを下から支持する(第4図)。このとき積層体Aの下がった方を長尺の第二ガイド部材31の支持部材37が支え、他方を短尺の第一ガイド部材30の支持部材36が支えるため、積層体Aは傾斜した状態のまま且つ第一〜第四ガイド部材30、31、60、61によって四方をガイドされながら製品保持部18に保持されてバケット7から抜き取られる(第7図)。
【0050】
そして、製品保持部18を第一〜第四ガイド部材30、31、60、61と箱Cとが干渉しない位置まで上昇させた後、横移動させて箱Cの上方に位置させる。なお、横方向に移動させている間に製品保持部18を回転させて積層体Aの向きを反時計回りに90°変更しておく。
【0051】
続いて製品保持部18を下降して積層体Aを箱内部の一区画C
3に挿入するが、第一、第二ガイド部材30、31の間隔は積層体Aを傾斜した状態で保持しているため区画C
3のサイズに比べて十分に狭くすることができ、第一、第二ガイド部材30、31が箱Cの内面や仕切板66に干渉することがない。また、第三、第四ガイド部材60、61についても薄い板状部材で形成され狭い隙間にも入り込むことができ、積層体Aを箱Cの内部にスムーズに充填することができる。なお、仕切板供給手段11を箱内部に留まらせ、積層体Aを挿入する際に仕切板66を支持させておくこともできる。
【0052】
積層体Aを箱Cの一区画C
3に挿入した後は、第一、第二ガイド部材30、31のエアシリンダー54、55のピストンロッド54a、55aを縮めて支持部材36、37を倒伏状態にし、支持部材36、37をハップ剤aの底面に当接しない位置に退避させる。すると、積層体Aは下からの支持を失って落下し、製品保持部18を上昇させることで水平に段積みされた状態になる(第8図)。製品保持部18を上昇させて第一〜第四ガイド部材30、31、60、61を箱Cから引き上げ後は、再び同様の動作を行い左右方向に隣接する区画C
3に積層体Aを充填する。こうして下流側に位置する二区画C
3の充填が終了したならば、押送部材15を移動させて箱Cの位置を下流側にずらせることで上流側の二区画C
3を製品充填位置に位置させ、以下同様に積層体Aの充填を行う。そして、箱Cの全区画に積層体Aが充填されたのを見計らって能書供給手段12により図示しない能書を供給した後、押送部材15で下流に向けて押送し搬出装置5に受け渡す。
【0053】
搬出装置5では封緘装置68(第1図)において内、外フラップC
1、C
2の順に折り込み、粘着テープを貼着して天面を封緘した後ウエイトチェッカー(図示せず)で計量し、最終的に作業員の受け取り場所へと搬送する。
【0054】
この実施形態においては、前工程からあらかじめ傾斜させた積層体Aを受け取るので、そのまま箱詰めすることができる。また、第一〜第四ガイド部材30、31、60、61が板状形状であるため、箱Cのサイズを可及的に小さくし箱Cとハップ剤aとの間の隙間が狭い包装形態であっても、スムーズな箱詰めを行うことができる。
【0055】
次に、別の実施形態について説明を行う。箱詰め装置は箱詰手段の他に、仕切板供給手段や能書供給手段、扁平物品を収納した小箱を箱詰めする小箱用の箱詰手段を具備させることもできる。この小箱用の箱詰め手段と集積体の箱詰め手段とを兼用させることを妨げない。
【0056】
製品保持部は扁平物品が水平に段積みされた状態で積層体を受け取り、その後支持部材の位置や姿勢を変更することによって積層体を傾斜した状態にすることも可能である。これによれば、前工程において扁平物品を傾斜した状態で段積みする手間を要さない。
【0057】
積層体を箱に挿入した後の製品保持部を上昇させるタイミングとして、支持部材を退避させると同時又は退避させた直後とすることにより、積層体の下段側のハップ剤にかかる積層体の自重を軽減しつつ落下させることができる。
【0058】
支持部材は、積層体を側方から挟持して支持することも可能である。この場合、間隔変更可能な一対の支持部材を基本構造とすることができるため装置の構成をシンプルにすることができる。
【0059】
支持部材は、扁平物品を傾斜させる方向と直交する方向の両側縁部を支持させることもできる。例えば、傾斜させる方向において高さを違えた一組の支持部材によって両側縁部を支持させたり、傾斜した板で両側縁部を支持させるようにすることもできる。また、支持部材は水平方向に回転して支持と退避とを切り替え可能としても良い。必要であれば傾斜した扁平物品が滑り落ちないよう、傾斜させる方向にガイド部材を配置する等の対策を講じることも可能である。
【0060】
支持部材は実施形態のような作動部材の代わりにバネを設けて常時起立状態となるようにし、倒伏させる場合にはバネの弾性力に抗して支持部材を倒すよう構成することもできる。
【0061】
扁平物品の箱詰めは、積層体を規定の段数以下に小分けして行うこともできるし、一つずつ供給し箱内部において段積みすることもできる。
【0062】
製品保持部に保持した物品を傾斜した状態のまま落下させるようにすれば、物品の空気抵抗を軽減することができるためスムーズに箱内に収めることができる。