特許第5649078号(P5649078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649078
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】遊技機用制御装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20141211BHJP
【FI】
   A63F5/04 512Z
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-99720(P2012-99720)
(22)【出願日】2012年4月25日
(65)【公開番号】特開2013-226234(P2013-226234A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2013年10月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 満士
【審査官】 鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−216326(JP,A)
【文献】 特開2000−271323(JP,A)
【文献】 特開2000−271324(JP,A)
【文献】 特開平08−182802(JP,A)
【文献】 特開2010−268936(JP,A)
【文献】 特開2011−024801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたパルス電圧に基づいて、制御信号を生成して制御対象に出力するものであって、前記制御対象を前記制御信号に応じた制御状態に切り換える切換手段を備え、
前記切換手段は、
電源制御回路に入力された前記パルス電圧を平均化して、前記パルス電圧のデューティ比に応じた大きさの電圧を出力する電圧平均化手段と、
前記電圧平均化手段の出力電圧の大きさと、前記制御対象に対応して予め設定された比較電圧の大きさとを比較した結果に対応した前記制御信号を出力する電圧比較手段と、
前記電源制御回路に入力された前記パルス電圧を検出し、検出された前記パルス電圧が異常状態であるか否かを判断した結果の前記制御信号を出力する電圧監視手段と、
前記電圧監視手段により前記パルス電圧が異常であると判断された結果異常状態の前記制御信号が前記電圧監視手段から出力された場合に、前記制御対象に規定の異常対応状態に制御する異常対応信号を出力する異常対応信号出力手段と
を備え
前記電圧監視手段は、
前記電源制御回路に入力された前記パルス電圧が入力されることにより、パルス電圧を検出し、
前記電圧監視手段は、検出されたパルス電圧が、予め定めた範囲以外のデューティ比である異常状態であるか否かを判断する場合において、
前記電圧監視手段は、検出された前記パルス電圧が、予め設定された所定時間の間、一方のレベル状態(Hi)と他方のレベル状態(Lo)との間で電位が切り換わらない異常状態であるか否かを判断することにより、前記パルス電圧のデューティ比が予め定めた範囲か否かを判断し、
前記電圧監視手段は、前記パルス電圧が異常状態と判断された場合に、異常状態の前記制御信号を出力することを特徴とする遊技機用制御装置。
【請求項2】
予め設定された複数の前記デューティ比のうちのいずれかの前記デューティ比の前記パルス電圧を生成するパルス電圧生成手段をさらに備え、
前記切換手段は、
技機が備える複数の前記制御対象それぞれの制御状態を、前記パルス電圧の前記デューティ比に対応した所定の制御状態に切り換える前記制御信号を、前記各制御対象に出力して前記各制御対象それぞれの制御状態を切り換えるものであり、
前記電圧比較手段は、
前記各制御対象それぞれに1対1に対応して複数設けられ、前記比較電圧が、対応する前記制御対象ごとにそれぞれ設定されたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機用制御装置。
【請求項3】
技状況を検出する遊技状況検出手段をさらに備え、
前記遊技状況検出手段により予め設定された前記遊技状況が検出された場合に、前記パルス電圧生成手段が、少なくとも1つの前記制御対象の制御状態を電源オフ状態に切り換えるための前記制御信号を前記切換手段が出力するような前記デューティ比の前記パルス電圧を生成することを特徴とする請求項2に記載の遊技機用制御装置。
【請求項4】
前記各制御対象それぞれは、前記切換手段により出力された前記制御信号に基づいて当該制御対象の電源オン、電源オフを切り換える電源スイッチ回路を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の遊技機用制御装置。
【請求項5】
前記制御対象として照明手段を備え、
前記照明手段は、前記パルス電圧生成手段により生成された前記パルス電圧に基づいて前記照明手段の輝度を調整する輝度調整回路を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の遊技機用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に搭載された複数の制御対象を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スロットマシンやパチンコ機等の遊技機において、遊技者が実際に遊技を行っていないときには遊技機が備える電気装置の消費電力を低減させて、電力の消費を抑制することが要求されている。例えば、特許文献1に記載の遊技機では、遊技者が遊技機を操作しているか否かが操作検出手段により検出され、操作検出手段により遊技者が遊技機を操作していないと判断されたときは、電源節約手段により、装飾ランプが備えるディスチャージャーランプおよび白熱ランプ、各種データを表示する液晶表示装置などの電気装置が電源オフされたり、低電力化される。
【0003】
具体的には、操作検出手段は、赤外線センサや超音波センサにより形成されて遊技者を検出する人感センサや、パチンコ玉受けにパチンコ玉が存在するか否かを検出するパチンコ玉センサを備えており、人感センサやパチンコ玉センサの検出信号に基づいて操作検出手段により遊技機の遊技状況が検出される。そして、操作検出手段により検出された遊技機の遊技状況に基づいて、ディスチャージャーランプや液晶表示装置の電源のオン、オフが電源節約手段により切り換えられたり、白熱ランプを点灯駆動するパルス電圧のデューティ比が電源節約手段により調整される。
【0004】
また、例えば、特許文献2に記載の遊技機では、上球皿に設けられた演出ボタンが遊技者により操作されたり、遊技機の内部に設けられた省電力スイッチが遊技店の店員により操作されたりすることによって、遊技機が省電力化される。すなわち、上記した演出ボタンまたは省電力スイッチが操作されることにより、電源生成回路において使用される電源生成用の抵抗が通常用と通常用よりも抵抗値が大きい省電力用との間で統括制御CPUによって切り換えられる。そして、ランプ駆動回路および音生成回路に供給するために電源生成回路において生成される駆動電圧が、通常用と通常用よりも低電圧の省電力用との間で切り換えられることによって、遊技機が省電力化される。
【0005】
また、上記した演出ボタンまたは省電力スイッチが操作されると、図柄表示装置を制御する表示制御CPUに省電力コマンドが出力される。そして、表示制御CPUに入力された省電力コマンドに基づいて、インバーター基板から図柄表示装置に供給されるパルス電圧を調整することによって図柄表示装置のバックライトの輝度を低下させることにより遊技機が省電力化される。
【0006】
また、例えば、特許文献3に記載の遊技機では、液晶表示装置のバックライトを駆動する電源回路が、ランプ制御基板を介して演出制御基板により制御されることによって、バックライトに供給されるパルス電圧のデューティ比が調整されることにより、遊技機の遊技状況に応じてバックライトの光量が調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−271323号公報(段落0023〜0055,0067、図2〜4、要約書など)
【特許文献2】特開2010−268936号公報(段落0063,0073〜0075,0083、図4、要約書など)
【特許文献3】特開2011−24801号公報(段落0057〜0068、図3、要約書など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、遊技機の遊技状況等に応じて、液晶表示装置のバックライトや演出用の各種ランプ等の制御対象を駆動するパルス電圧のデューティ比を調整することによって、バックライトや各種ランプの輝度を低下させることにより遊技機の省電力化を図ることができる。ところが、パルス電圧を生成する回路から各制御対象への信号線(電源ライン)に断線や接触不良が生じることにより各制御対象へのパルス電圧の供給が停止したり、パルス電圧を生成する回路が故障することにより各制御対象へ供給されるパルス電圧のデューティ比が予め定めた範囲以外となったりしたときにも、各制御対象が電源オフされたり、バックライトや各種ランプの輝度が低下する。この場合の各制御対象の制御状態が、正常なパルス電圧に基づいて制御されている制御対象の制御状態と区別がつかないので問題となっていた。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、入力されたパルス電圧が異常状態であるときに、制御対象を規定の異常対応状態に制御することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる遊技機用制御装置は、入力されたパルス電圧に基づいて、制御信号を生成して制御対象に出力するものであって、前記制御対象を前記制御信号に応じた制御状態に切り換える切換手段を備え、前記切換手段は、電源制御回路に入力された前記パルス電圧を平均化して、前記パルス電圧のデューティ比に応じた大きさの電圧を出力する電圧平均化手段と、前記電圧平均化手段の出力電圧の大きさと、前記制御対象に対応して予め設定された比較電圧の大きさとを比較した結果に対応した前記制御信号を出力する電圧比較手段と、前記電源制御回路に入力された前記パルス電圧を検出し、検出された前記パルス電圧が異常状態であるか否かを判断した結果の前記制御信号を出力する電圧監視手段と、前記電圧監視手段により前記パルス電圧が異常であると判断された結果異常状態の前記制御信号が前記電圧監視手段から出力された場合に、前記制御対象に規定の異常対応状態に制御する異常対応信号を出力する異常対応信号出力手段とを備え、前記電圧監視手段は、前記電源制御回路に入力された前記パルス電圧が入力されることにより、パルス電圧を検出し、前記電圧監視手段は、検出されたパルス電圧が、予め定めた範囲以外のデューティ比である異常状態であるか否かを判断する場合において、前記電圧監視手段は、検出された前記パルス電圧が、予め設定された所定時間の間、一方のレベル状態(Hi)と他方のレベル状態(Lo)との間で電位が切り換わらない異常状態であるか否かを判断することにより、前記パルス電圧のデューティ比が予め定めた範囲か否かを判断し、前記電圧監視手段は、前記パルス電圧が異常状態と判断された場合に、異常状態の前記制御信号を出力することを特徴としている(請求項1)。
【0011】
また、予め設定された複数の前記デューティ比のうちのいずれかの前記デューティ比の前記パルス電圧を生成するパルス電圧生成手段をさらに備え、前記切換手段は、遊技機が備える複数の前記制御対象それぞれの制御状態を、前記パルス電圧の前記デューティ比に対応した所定の制御状態に切り換える前記制御信号を、前記各制御対象に出力して前記各制御対象それぞれの制御状態を切り換えるものであり、前記電圧比較手段は、前記各制御対象それぞれに1対1に対応して複数設けられ、前記比較電圧が、対応する前記制御対象ごとにそれぞれ設定されていてもよい(請求項2)。
【0012】
また、遊技状況を検出する遊技状況検出手段をさらに備え、前記遊技状況検出手段により予め設定された前記遊技状況が検出された場合に、前記パルス電圧生成手段が、少なくとも1つの前記制御対象の制御状態を電源オフ状態に切り換えるための前記制御信号を前記切換手段が出力するような前記デューティ比の前記パルス電圧を生成してもよい(請求項3)。
【0013】
また、前記各制御対象それぞれは、前記切換手段により出力された前記制御信号に基づいて当該制御対象の電源オン、電源オフを切り換える電源スイッチ回路を備えていてもよい(請求項4)。
【0014】
また、前記制御対象として照明手段を備え、前記照明手段は、前記パルス電圧生成手段により生成された前記パルス電圧に基づいて前記照明手段の輝度を調整する輝度調整回路を備えていてもよい(請求項5)。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、入力されたパルス電圧に基づいて、制御信号を生成して制御対象に出力するものであって、制御対象を制御信号に応じた制御状態に切り換える切換手段を備えており、パルス電圧が、予め定めた範囲以外の前記デューティ比である異常状態であるか否かが電圧監視判断手段により判断され、電圧監視判断手段によりパルス電圧が異常であると判断された場合に、制御対象に対して、正常なパルス電圧に基づいて出力される制御信号の代わりに、当該制御対象を規定の異常対応状態に制御する異常対応信号が異常対応信号出力手段により出力される。したがって、入力されたパルス電圧が異常状態であるときに、異常対応信号により制御対象を規定の異常対応状態に制御することができ、遊技者や遊技機が設置されるホールの管理者は、当該制御対象が規定の異常対応状態に制御されているか否かに基づいて、入力されたパルス電圧が異常状態であるか否かを確実に認識することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、予め設定された複数のデューティ比のうちのいずれかのデューティ比のパルス電圧がパルス電圧生成手段により生成されて、遊技機が備える複数の制御対象それぞれの制御状態を、パルス電圧のデューティ比に対応した所定の制御状態に切り換える制御信号が切換手段によって各制御対象に出力されることにより、各制御対象それぞれの制御状態が切り換えられる。
【0017】
具体的には、パルス電圧が平均化されて、デューティ比に応じた大きさの電圧が電圧平均化手段により出力される。また、各制御対象それぞれに対応して設けられた各電圧比較手段により、電圧平均化手段の出力電圧の大きさと、制御対象ごとにそれぞれ設定された比較電圧の大きさとが比較される。そして、各制御対象それぞれに対応して設けられた各電圧比較手段における比較結果に基づく制御信号が、各制御対象に対して出力される。したがって、パルス電圧生成手段により生成されて1本の信号線により送信可能なパルス電圧に基づいて、切換手段によって各制御対象それぞれに対してパルス電圧のデューティ比に応じた制御信号が出力されることにより、複数の制御対象を所定の制御状態に切り換えることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、遊技状況検出手段により予め設定された遊技状況が検出された場合に、パルス電圧生成手段により、少なくとも1つの制御対象の制御状態を電源オフ状態に切り換えるための制御信号を切換手段が出力するようなデューティ比のパルス電圧が生成される。したがって、予め設定された遊技状況において、少なくとも1つの制御対象の制御状態が切換手段により電源オフ状態に切り換えられるので、簡単な構成により遊技機の節電を図ることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、各制御対象それぞれは、切換手段により出力された制御信号に基づいて当該制御対象の電源オン、電源オフを切り換える電源スイッチ回路を備えているため、パルス電圧のデューティ比を適切に調整することにより、切換手段により各制御対象の電源オン、電源オフを制御することができるので、非常に実用的な構成の遊技機用制御装置を提供することができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、制御対象として照明手段を備え、照明手段は、パルス電圧生成手段により生成されたパルス電圧に基づいて照明手段の輝度を調整する輝度調整回路を備えているので、パルス電圧生成手段により生成されるパルス電圧のデューティ比を適切に調整することにより、同一のパルス電圧に基づいて、切換手段により照明手段を所定の制御状態に切り換えることができると共に、輝度調整回路により照明手段の輝度を適切に調整することができる。
【0021】
また、パルス電圧のデューティ比に基づいて、切換手段によって電源スイッチ回路が制御されて照明手段の電源オン、電源オフが切り換えられる構成であれば、パルス電圧のデューティ比を適切に調整することにより、切換手段による照明手段の電源オン、電源オフの制御と、輝度調整回路による照明手段の輝度調整とを適切に行うことによって、照明手段の消費電力を低減して遊技機の節電を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明にかかる遊技機用制御装置を備えるスロットマシンの斜視図である。
図2】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図3】サブ制御基板および液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
図4】液晶表示装置が備える電源制御回路の構成を示すブロック図である。
図5】パルス電圧のデューティ比と電源供給状態との関係を示す図である。
図6】パルス電圧のデューティ比に応じた電源のオン、オフ制御の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1図6を参照して本発明にかかる遊技機用制御装置を備える遊技機の一実施形態たるスロットマシンについて説明する。
【0024】
<スロットマシンの概要>
図1は本発明にかかる遊技機用制御装置を備えるスロットマシンの斜視図である。図2はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0025】
この実施形態におけるスロットマシン1は、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
【0026】
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には複数種類の図柄を可変表示する左・中・右リールが配置されている。左・中・右リールには、例えば「赤7」「白7」「BAR」「ベル(BE)」「Replay(RP)」「オレンジ(OR)」「チェリー(CH)」「ハナ(HA)」「ナマズ(NA)」の複数種類(この実施形態では9種類)の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リールがそれぞれ形成される。そして、リールが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11越しに視認可能な状態で変動表示される。表示窓11からは、各リールの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリールが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。
【0027】
また、各リールをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リールには、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。
【0028】
更に、操作板7には、遊技者所有の遊技媒体として内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(この実施形態では、遊技状態に応じて1枚または3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リールの回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リールの回転をそれぞれ停止させるための左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、遊技状態に応じて1枚または3枚の2種類が設定される。
【0029】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、映像などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知する演出を行うための液晶表示装置27が設けられ、液晶表示装置27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、これら液晶表示装置27および説明パネル29の左右には、音楽などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0030】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルの払出口39や、この払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
【0031】
また、各リールは筐体3の内部に設けられた支持枠体により支持され、支持枠体は筐体3の後壁に固定されている。支持枠体の下方には、メダルを払出口39に排出するためのホッパーユニット43が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48が配設されている。また、ホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49が筐体3の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り換える電源スイッチ50が設けられるとともに、役抽選における当選役への当選確率の高低を設定するための設定変更処理のためのキーシリンダおよび押しボタン式の設定変更ボタン52が設けられている。
【0032】
図2において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
【0033】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リールの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リールにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リールが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0034】
変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりオンオフが切り換えられる。
【0035】
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルを払出口39に向けて払い出すものである。
【0036】
また、このスロットマシン1では、遊技に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、遊技に関連する演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられている。
【0037】
メイン制御基板63のRAM65は、スロットマシン1の遊技状態を示すデータや、役抽選手段の役抽選結果等の遊技の進行に関するデータなどを一時的に記憶するものであり、これにより、スロットマシン1の遊技状態に応じて設定された規定数まで、投入センサ53により検出されたメダルの枚数やクレジットメダルの枚数を記憶する記憶領域などが形成される。また、メイン制御手段63のROM67は予め設定されたデータ(役抽選テーブル、停止テーブル)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
【0038】
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1の遊技状態を示すデータや、役抽選手段の役抽選結果等の遊技の進行に関するデータなどの種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0039】
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(スロットマシン1の遊技状態や、役抽選手段の役抽選により複数の役のいずれかに当選したかなどに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示装置27やスピーカ31L,31R、上部ランプ部33、下部ランプ部37L,37Rなどの演出機器の制御を行う。
【0040】
<サブ制御基板および液晶表示装置>
次に、サブ制御基板73および液晶表示装置27について詳細に説明する。図3はサブ制御基板および液晶表示装置の構成を示すブロック図である。図4は液晶表示装置が備える電源制御回路の構成を示すブロック図である。
【0041】
(サブ制御基板)
サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信された通信コマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。図3に示すように、サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えており、液晶表示基板27a(VDP:Video Display Processor)に対する制御信号CSや、電源制御回路100に対するパルス電圧(PWM信号)を出力したり、電源制御回路100に対して電源電圧V1,V2を出力する。
【0042】
(1)遊技状況検出手段73a
遊技状況検出手段73aは、赤外線センサや超音波センサにより形成されて遊技者を検出する人感センサや、メダル受け41にメダルが存在するか否かを検出するセンサなど、スロットマシン1の遊技状況を検出するための各種のセンサを備えている。そして、遊技状況検出手段73aは、各センサの検出信号や、メイン制御基板63から送信される各スイッチ15,17,19,21L,21M,21R,23が遊技者により操作された否かの情報などに基づいて、スロットマシン1において遊技者により遊技が行われているか、スロットマシン1の前に遊技者が着席しているか、などのスロットマシン1の遊技状況を検出する。
【0043】
(2)パルス電圧生成手段73b
パルス電圧生成手段73bは、遊技状況検出手段73aにより検出されたスロットマシン1の各遊技状況に応じて予め定められたデューティ比Dのパルス電圧(PWM信号)を生成する。パルス電圧生成手段73bは、例えば、スイッチング素子のオン、オフを利用した回路など、周知の一般的なPWM信号生成回路により構成することができ、遊技状況検出手段73aにより検出されたスロットマシン1の遊技状況に応じてスイッチング素子のオン、オフのタイミングを変更したりすることにより、任意のデューティ比Dのパルス電圧を生成することができる。なお、この実施形態では、パルス電圧生成手段73bにより、デューティ比Dが、0%<D<100%のパルス電圧が生成されるように構成されている。
【0044】
(液晶表示装置)
液晶表示装置27は、液晶表示基板27a、液晶ディスプレイ(LCD)27b、冷却用のファン27c、電源制御回路100を備え、サブ制御基板73から液晶表示基板27aに入力される制御信号CSに基づいて、LCD27bが液晶表示基板27aにより制御されることによって、LCD27bに動画や静止画が表示されることによる演出が行われたり、遊技者やスロットマシン1が設置されるホールの管理者に対する各種のエラーメッセージがLCD27bに表示される。また、液晶表示装置27の電源制御回路100には、液晶表示基板27aおよびファン27cのための電源電圧V1と、LCD27aのバックライトのための電源電圧V2とがサブ制御基板73から入力されると共に、パルス電圧生成手段73bにより生成された所定のデューティ比Dを有するパルス電圧が入力される。
【0045】
電源制御回路100は、入力されたパルス電圧のデューティ比Dに基づく制御信号を出力する切換手段110を備えている。また、電源制御回路100は、切換手段110から出力される制御信号に基づいて、電源電圧V1の液晶表示基板27aおよびファン27cへの供給状態を切り換える第1電源スイッチ回路120と、電源電圧V2のLCD27bのバックライトへの供給状態を切り換える第2電源スイッチ回路130とを備えている。
【0046】
(3)切換手段110
切換手段110は、液晶表示装置27(スロットマシン1)が備える、本発明の「制御対象」としての、液晶表示基板27a、LCD27b、ファン27cそれぞれの制御状態を、パルス電圧生成手段73bから入力されたパルス電圧のデューティ比Dに対応した所定の制御状態に切り換える制御信号を、液晶表示基板27aおよびファン26cに対応して設けられた第1電源スイッチ回路120と、LCD27bに対応して設けられた第2電源スイッチ回路130とに出力することによって、各制御対象27a〜27cそれぞれの制御状態を切り換えるものである。
【0047】
具体的には、この実施形態では、切換手段110からの制御信号に基づいて、液晶表示基板27aおよびファン27cへの電源電圧V1の供給状態が第1電源スイッチ回路120により切り換えられ、LCD27bのバックライトへの電源電圧V2の供給状態が第2電源スイッチ回路130により切り換えられるように構成されており、切換手段110は、電圧平均化部111(本発明の「電圧平均化手段」に相当)、電圧監視部113(本発明の「電圧監視手段」に相当)、異常対応信号出力部114(本発明の「異常対応信号出力手段」に相当)、出力部115(本発明の「異常対応信号出力手段」に相当)を備えている。
【0048】
a)電圧平均化部111
電圧平均化部111は、パルス電圧生成手段73bにより生成されて電源制御回路100に入力されたパルス電圧を平均化して、パルス電圧のデューティ比Dに応じた大きさの電圧を出力するものである。電圧平均化部111は、例えば、入力されたパルス電圧を分圧する2つの分圧用抵抗と、分圧用抵抗のグランド側に並列接続されたコンデンサとから成る平均化回路を備えており、パルス電圧が平均化されることによる該パルス電圧のデューティ比Dに応じた大きさの電圧が平均化回路のコンデンサの両端に出力される。なお、電圧平均化部111の構成は、パルス電圧のデューティ比Dに応じた大きさの電圧を出力することができれば、積分回路を用いたものなど、周知のどのような構成のものであってもよい。
【0049】
b)電圧比較部112
電圧比較部112は、液晶表示基板27aおよびファン27cに対応して設けられた第1の電圧比較回路112a(本発明の「電圧比較手段」に相当)と、LCD27bに対応して設けられた第2の電圧比較回路112b(本発明の「電圧比較手段」に相当)とを備えている。第1の電圧比較回路112aは、オペアンプを有する一般的なコンパレータ回路により構成されており、電圧平均化部111の出力電圧の大きさと、液晶表示基板27aおよびファン27cに対応して予め設定された比較電圧Vref1の大きさとを比較して、電圧平均化部111の出力電圧の大きさが比較電圧Vref1の大きさよりも大きければ、高(H)レベル状態の制御信号を出力する。第2の電圧比較回路112bは、第1の電圧比較回路112aと同様に、オペアンプを有する一般的なコンパレータ回路により構成されており、電圧平均化部111の出力電圧の大きさと、LCD27bに対応して予め設定された比較電圧Vref2の大きさとを比較して、電圧平均化部111の出力電圧の大きさが比較電圧Vref2の大きさよりも大きければ、高(H)レベル状態の制御信号を出力する。
【0050】
c)電圧監視部113
電圧監視部113は、電源制御回路100に入力されたパルス電圧を検出し、検出されたパルス電圧が異常状態であるか否かを判断するものである。具体的には、電圧監視部113は、例えば、クロック端子CKおよび出力端子であるRバー(以下、”バー”を”/”と記載することにより、例えば「Rバー」を「/R」と記載する)を有するウォッチドッグタイマICを備えており、パルス電圧生成手段73bにより生成されて電源制御回路100に入力されたパルス電圧がクロック端子CKに入力されることによりパルス電圧を検出する。また、電圧監視部113は、検出されたパルス電圧が、予め定めた範囲以外のデューティ比である異常状態であるか否かを判断する。具体的には、この実施形態では、電圧監視部113は、パルス電圧のデューティ比Dが0%もしくは100%であるかを判断する。なお、この実施形態では、電圧監視部113は、検出されたパルス電圧が、予め設定された所定時間(例えば5秒間)の間、高(H)レベル状態と低(L)レベル状態との間で電位が電位が切り換わらない異常状態であるか否かを判断することにより、パルス電圧のデューティ比Dが0%もしくは100%であるかを判断する。そして、電圧監視部113は、パルス電圧が異常状態と判断された場合に、出力端子/Rから高(H)レベル状態の制御信号を出力する。
【0051】
d)異常対応信号出力部114
異常対応信号出力部114は、電圧監視部113によりパルス電圧が異常であると判断されてHレベル状態の制御信号が電圧監視部113から出力された場合に、液晶表示基板27a、LCD27b、ファン27cを、規定の異常対応状態に制御する異常対応信号を出力するものである。具体的には、異常対応信号出力部114は、例えば同期型のDフリップフロップを備えており、入力端子Dが接地されると共に、リセット端子/PREには電圧監視部113の出力端子/Rが接続されている。
【0052】
したがって、パルス電圧が正常である場合には、Dフリップフロップのリセット端子/PREには電圧監視部113の出力端子/RからLレベル状態の制御信号が入力されるので、異常対応信号出力部114は、クロック端子CKに入力されるクロック信号に関係なく低(L)レベル状態の制御信号を出力端子Qから出力する。また、異常対応信号出力部114は、パルス電圧が異常である場合には、電圧監視部113の出力端子/RからHレベル状態の制御信号がDフリップフロップのリセット端子/PREに出力されてDフリップフロップがリセットされることによって、クロック端子CKに入力されるクロック信号に関係なく、高(H)レベル状態の制御信号を異常対応信号として出力端子Qから出力する。
【0053】
また、図示省略されているが、異常対応信号出力部114が備えるDフリップフロップの出力端子/Qには、例えばモニタ用のLEDが接続される。そして、電圧監視部113において監視されるパルス電圧が正常状態である場合には、Dフリップフロップの出力端子/Qからは高(H)レベル状態の制御信号が出力されるため、モニタ用のLEDは点灯状態に維持される。その一方で、電圧監視部113において監視されるパルス電圧が異常状態である場合には、Dフリップフロップの出力端子/Qからは低(L)レベル状態の制御信号が出力されるため、モニタ用のLEDが消灯する。したがって、Dフリップフロップの出力端子/Qの点灯状態を視認することにより、スロットマシン1が設置されるホールの管理者は、電圧監視部113により監視されるパルス電圧が正常状態であるか、異常状態であるか、を確認することができる。なお、この実施形態では、異常対応信号出力部114が備える同期型のDフリップフロップの動作を安定させるために、Dフリップフロップのクロック端子CKには、パルス電圧生成手段73bにより生成されて電圧制御回路100に入力されたパルス電圧が入力されている。
【0054】
e)出力部115
出力部115は、電圧比較部112におけるパルス電圧のデューティ比Dに基づく比較結果と、電圧監視部113におけるパルス電圧の監視状態とに基づいて、後述する第1電源スイッチ回路120および第2電源スイッチ回路130に制御信号を出力するものである。具体的には、出力部115は、この実施形態では論理回路により構成されており、液晶表示基板27aおよびファン27cに対応して設けられた第1のOR回路115aと、LCD27bに対応して設けられた第2のOR回路115bとを備え、第1、第2の電圧比較回路112a,112bにおける比較結果に基づく制御信号を、第1電源スイッチ回路120および第2電源スイッチ回路130に出力する。また、電圧監視部113によりパルス電圧が異常であると判断されて異常対応信号出力部114から異常対応信号が出力された場合には、出力部115は、正常なパルス電圧のデューティ比Dに基づいて電圧比較部112(第1、第2の電圧比較回路112a,112b)から出力される制御信号の代わりに、液晶表示基板27a、LCD27b、ファン27cを、規定の異常対応状態である電源オン状態に制御する異常対応信号を、液晶表示基板27a、LCD27b、ファン27cに対して出力する。
【0055】
さらに詳細に説明すると、第1のOR回路115aには、第1の電圧比較回路112aの出力と、異常対応信号出力部114の出力端子Qの出力とが入力されており、第1の電圧比較回路112aの出力および異常対応信号出力部114の出力端子Qの出力のいずれかがHレベル状態の制御信号であれば、第1のOR回路115aは、高(H)レベル状態の制御信号を第1電源スイッチ回路120に対して出力する。また、第2のOR回路115bには、第2の電圧比較回路112bの出力と、異常対応信号出力部114の出力端子Qの出力とが入力されており、第2の電圧比較回路112bの出力および異常対応信号出力部114の出力端子Qの出力のいずれかがHレベル状態の制御信号であれば、第2のOR回路115bは、高(H)レベル状態の制御信号を第2電源スイッチ回路130に対して出力する。
【0056】
なお、出力部115は、電圧比較部112および異常対応信号出力部114の出力信号のいずれもがLレベル状態の制御信号である場合には、第1電源スイッチ回路120および第2電源スイッチ回路130それぞれに対して低(L)レベル状態の制御信号を出力する。
【0057】
(4)第1電源スイッチ回路120
第1電源スイッチ回路120は、液晶表示基板27aおよびファン27cに対応して設けられており、出力部115の第1のOR回路115aから出力された制御信号に基づいて、液晶表示基板27aおよびファン27cに対する電源電圧V1の供給状態を切り換えることにより、液晶表示基板27aおよびファン27cの電源オン(ON)、電源オフ(OFF)を切り換えるものである。具体的には、第1電源スイッチ回路120は、例えば電源用のパワーMOSFET等のスイッチング素子を備えており、出力部115の第1のOR回路115aがFETのゲートに接続され、液晶表示基板27aおよびファン27cへの電源電圧V1の供給ラインにFETのソースおよびドレインが介挿されている。
【0058】
したがって、第1のOR回路115aからHレベル状態の制御信号が出力されれば、第1電源スイッチ回路120のスイッチング素子がオン状態となり、液晶表示基板27aおよびファン27cに電源電圧V1が供給されて、液晶表示基板27aおよびファン27cが電源オン状態に切り換えられる。また、第1のOR回路115aからLレベル状態の制御信号が出力されれば、第1電源スイッチ回路120のスイッチング素子がオフ状態となり、液晶表示基板27aおよびファン27cへの電源電圧V1が遮断されて、液晶表示基板27aおよびファン27cが電源オフ状態に切り換えられる。
【0059】
さらに詳細に説明すると、出力部115の第1のOR回路115aには、第1の電圧比較回路112aの出力と、異常対応信号出力部114の出力端子Qからの出力とが入力されている。したがって、パルス電圧のデューティ比Dが所定以上の大きさであり、該デューティ比Dに応じて電圧平均化部111から出力される出力電圧の大きさが比較電圧Vref1以上の大きさであれば、第1の電圧比較回路112aからHレベル状態の制御信号が出力されて、第1のOR回路115aからHレベル状態の制御信号が出力されることにより、第1電源スイッチ回路120がオン状態となって、液晶表示基板27aおよびファン27cが電源オン状態に切り換えられる。また、パルス電圧のデューティ比Dが所定の大きさよりも小さく、該デューティ比Dに応じて電圧平均化部111から出力される出力電圧の大きさが比較電圧Vref1よりも小さければ、第1の電圧比較回路112aからLレベル状態の制御信号が出力されて、第1のOR回路115aからLレベル状態の制御信号が出力されることにより、第1電源スイッチ回路120がオフ状態となって、液晶表示基板27aおよびファン27cが電源オフ状態に切り換えられる。
【0060】
また、電圧監視部113により監視されているパルス電圧が異常状態であり、異常対応信号出力部114の出力端子Qから異常対応信号としてHレベル状態の制御信号が出力されて第1のOR回路115aに入力された場合には、第1の電圧比較回路112aの出力状態に関わらず、第1のOR回路115aからHレベル状態の制御信号が出力されることにより、第1電源スイッチ回路120がオン状態となって、液晶表示基板27aおよびファン27cが強制的に電源オン状態に切り換えられる。以上のように、この実施形態では、電圧監視部113により監視されているパルス電圧が異常状態(デューティ比Dが0%もしくは100%)である場合には、出力部115の第1のOR回路115aから異常対応信号としてHレベル状態の制御信号が出力されることにより、液晶表示基板27aおよびファン27cが、規定の異常対応状態である電源オン状態に強制的に制御されるように構成されている。
【0061】
このように、切換手段110により出力された制御信号に基づいて液晶表示基板27aおよびファン27cの電源オン、電源オフを切り換える第1電源スイッチ回路120を備えているため、パルス電圧のデューティ比Dを適切に調整することにより、切換手段110により液晶表示基板27aおよびファン27cの電源オン、電源オフを制御することができる。
【0062】
(5)第2電源スイッチ回路130
第2電源スイッチ回路130は、LCD27bに対応して設けられており、出力部115の第2のOR回路115bから出力された制御信号に基づいて、LCD27bのバックライトに対する電源電圧V2の供給状態を切り換えることにより、LCD27bのバックライトの電源オン、電源オフを切り換えるものである。具体的には、第2電源スイッチ回路130は、例えば電源用のパワーMOSFET等のスイッチング素子を備えており、出力部115の第2のOR回路115bがFETのゲートに接続され、LCD27bのバックライトへの電源電圧V2の供給ラインにFETのソースおよびドレインが介挿されている。
【0063】
したがって、第2のOR回路115bからHレベル状態の制御信号が出力されれば、第2電源スイッチ回路130のスイッチング素子がオン状態となり、LCD27bのバックライトに電源電圧V2が供給されて、LCD27bのバックライトが電源オン状態に切り換えられる。また、第2のOR回路115bからLレベル状態の制御信号が出力されれば、第2電源スイッチ回路130のスイッチング素子がオフ状態となり、LCD27bのバックライトへの電源電圧V2が遮断されて、LCD27bのバックライトが電源オフ状態に切り換えられる。
【0064】
さらに詳細に説明すると、出力部115の第2のOR回路115bには、第2の電圧比較回路112bの出力と、異常対応信号出力部114の出力端子Qからの出力とが入力されている。したがって、パルス電圧のデューティ比Dが所定以上の大きさであり、該デューティ比Dに応じて電圧平均化部111から出力される出力電圧の大きさが比較電圧Vref2以上の大きさであれば、第2の電圧比較回路112bからHレベル状態の制御信号が出力されて、第2のOR回路115bからHレベル状態の制御信号が出力されることにより、第2電源スイッチ回路130がオン状態となって、LCD27bのバックライトが電源オン状態に切り換えられる。また、パルス電圧のデューティ比Dが所定の大きさよりも小さく、該デューティ比Dに応じて電圧平均化部111から出力される出力電圧の大きさが比較電圧Vref2よりも小さければ、第2の電圧比較回路112bからLレベル状態の制御信号が出力されて、第2のOR回路115bからLレベル状態の制御信号が出力されることにより、第2電源スイッチ回路130がオフ状態となって、LCD27bのバックライトが電源オフ状態に切り換えられる。
【0065】
また、電圧監視部113により監視されているパルス電圧が異常状態であり、異常対応信号出力部114の出力端子Qから異常対応信号としてHレベル状態の制御信号が出力されて第2のOR回路115bに入力された場合には、第2の電圧比較回路112bの出力状態に関わらず、第2のOR回路115bからHレベル状態の制御信号が出力されることにより、第2電源スイッチ回路130がオン状態となって、LCD27bのバックライトが強制的に電源オン状態に切り換えられる。以上のように、この実施形態では、電圧監視部113により監視されているパルス電圧が異常状態(デューティ比Dが0%もしくは100%)である場合には、出力部115の第2のOR回路115bから異常対応信号としてHレベル状態の制御信号が出力されることにより、LCD27bのバックライトが、規定の異常対応状態である電源オン状態に強制的に制御されるように構成されている。
【0066】
このように、切換手段110により出力された制御信号に基づいてLCD27bのバックライトの電源オン、電源オフを切り換える第2電源スイッチ回路130を備えているため、パルス電圧のデューティ比Dを適切に調整することにより、切換手段110によりLCD27bのバックライトの電源オン、電源オフを制御することができる。
【0067】
(6)液晶表示基板27a
液晶表示基板27aは、サブ制御基板73から入力される制御信号CSに基づいてLCD27bを制御することにより、図示省略されたハードディスクドライブやメモリ等の記憶手段に格納された演出データに基づく映像をLCD27bに表示したり、各種のエラーメッセージをLCD27bに表示するものである。
【0068】
(7)LCD27b
LCD27bは、図示省略されたバックライト(本発明の「照明手段」に相当)と、バックライトの輝度を調整する輝度調整回路27b1とを備えている。輝度調整回路27b1には、電源制御回路100を介して、パルス電圧生成手段73bにより生成されたパルス電圧がそのままの状態で入力されており、輝度調整回路27b1は、一般的なPWM信号を用いた光源の輝度調整と同様に、入力されたパルス電圧のデューティ比Dに基づいてLCD27bのバックライトの輝度を調整する。
【0069】
したがって、パルス電圧生成手段73bにより生成されるパルス電圧のデューティ比Dを適切に調整することにより、生成された同一のパルス電圧に基づいて、切換手段110によりLCD27bのバックライトの電源オン、電源オフを適切に切り換えることができると共に、輝度調整回路27b1によりバックライトの輝度を適切に調整することができる。
【0070】
(8)ファン27c
ファン27cは、液晶表示基板27aおよびLCD27bを空冷により冷却するものである。
【0071】
以上のように、遊技状況検出手段73a、パルス電圧生成手段73b、電源制御回路100、輝度調整回路27b1が本発明の「遊技機用制御装置」として機能している。
【0072】
<動作例>
次にスロットマシン1における電源のオン、オフ制御の一例について説明する。図5はパルス電圧のデューティ比と電源供給状態との関係を示す図である。図6はパルス電圧のデューティ比に応じた電源のオン、オフ制御の一例を示す図である。なお、以下ではスロットマシン1の動作例を説明するのに、Lレベル(0V)とHレベル(5V)との間で電位が切り換わるパルス電圧が使用される場合を例に挙げて説明する。
【0073】
この実施形態では、図5に示すように、パルス電圧生成手段73bにより生成されるデューティ比Dに応じて、液晶表示基板27aおよびファン27cに対する電源電圧V1の供給状態が切り換わり、LCD27bに対する電源電圧V2の供給状態が切り換わるように設定されている。すなわち、遊技状況検出手段73aにより検出されたスロットマシン1の遊技状況に応じて、デューティ比Dが、1%≦D<2%、15%≦D16%、30%≦D<100%のいずれかであるパルス電圧が、パルス電圧生成手段73bにより生成される。なお、電源電圧V1,V2の供給状態のオン、オフを切り換えるパルス電圧のデューティ比Dに”禁止”の帯域が設けられているのは、電源電圧V1,V2それぞれのオン、オフが設定された上記した3つの各デューティ比Dの帯域間に”禁止”の帯域を設けることにより、電源オン、電源オフの切り換えの誤動作を防止するためである。
【0074】
具体的には、図5に示すように、パルス電圧のデューティ比Dが15%以上である場合に液晶表示基板27aおよびファン27cに電源電圧V1が供給されるように、この実施形態では、第1の電圧比較回路112aの比較電圧Vref1が、パルス電圧のデューティ比Dが約10%であるときの電圧平均化部111の出力電圧に相当する0.6Vに設定されている。このように構成すると、同図に示すように、パルス電圧生成手段73bにより生成されるパルス電圧のデューティ比Dが1%≦D<2%である場合には、第1の電圧比較回路112aから確実にLレベル状態の制御信号が出力されるので、第1電源スイッチ回路120がオフ状態となって液晶表示基板27aおよびファン27cへの電源電圧V1の供給が遮断(オフ)される。一方、同図に示すように、パルス電圧生成手段73bにより生成されるパルス電圧のデューティ比Dが15%≦D<16%、30%≦D<100%である場合には、第1の電圧比較回路112aから確実にHレベル状態の制御信号が出力されるので、第1電源スイッチ回路120がオン状態となって液晶表示基板27aおよびファン27cに電源電圧V1が供給(オン)される。
【0075】
また、図5に示すように、パルス電圧のデューティ比Dが30%以上である場合にLCD27bのバックライトに電源電圧V2が供給されるように、この実施形態では、第2の電圧比較回路112bの比較電圧Vref2が、パルス電圧のデューティ比Dが約24%であるときの電圧平均化部111の出力電圧に相当する1.7Vに設定されている。このように構成すると、同図に示すように、パルス電圧生成手段73bにより生成されるパルス電圧のデューティ比Dが1%≦D<2%、15%≦D<16%である場合には、第2の電圧比較回路112bから確実にLレベル状態の制御信号が出力されるので、第2電源スイッチ回路130がオフ状態となってLCD27bのバックライトへの電源電圧V2の供給が遮断(オフ)される。一方、同図に示すように、パルス電圧生成手段73bにより生成されるパルス電圧のデューティ比Dが30%≦D<100%である場合には、第2の電圧比較回路112bから確実にHレベル状態の制御信号が出力されるので、第2電源スイッチ回路130がオン状態となってLCD27bのバックライトに電源電圧V2が供給(オン)される。
【0076】
このように、第1、第2の電圧比較回路112a,112bの比較電圧Vref1,Vref2がそれぞれ異なる値に設定されているため、パルス電圧生成手段73bにより生成されるパルス電圧のデューティ比Dが徐々に大きくなり電圧平均化部111の出力電圧が大きくなるのに伴い、値が小さい比較電圧Vref1が設定された第1の電圧比較回路112aに対応して設けられた液晶表示基板27aおよびファン27cから、値が大きい比較電圧Vref2が設定された第2の電圧比較回路112bに対応して設けられたLCD27bへと、順次電源供給されるように出力部115から制御信号が出力される。また、パルス電圧生成手段73bにより生成されるパルス電圧のデューティ比Dが徐々に小さくなり電圧平均化部111の出力電圧が小さくなるのに伴い、値が大きい比較電圧Vref2が設定された第2の電圧比較回路112bに対応して設けられたLCD27bから、値が小さい比較電圧Vref1が設定された第1の電圧比較回路112aに対応して設けられた液晶表示基板27aおよびファン27cへと、順次電源供給が遮断されるように出力部115から制御信号が出力される。したがって、各電圧比較回路112a,112bの各比較電圧Vref1,Vref2の大きさを適切に設定して、パルス電圧のデューティ比Dを適切に調整することにより、各電圧比較回路112a,112bそれぞれに対応して設けられた各制御対象(液晶制御基板27a、LCD27b、ファン27c)を任意の順番で制御することができる。
【0077】
なお、パルス電圧生成手段73bおよび電圧平均化部111の構成に応じて、パルス電圧のLレベルおよびHレベルにおける電位は異なる値となり、同一のデューティ比であっても、電圧平均化部111の出力電圧の大きさは異なる値となるため、各電圧比較回路112a,112bの各比較電圧Vref1,Vref2の値は、パルス電圧生成手段73bおよび電圧平均化部111の構成に応じて適宜適切な値を設定すればよい。
【0078】
また、この実施形態では、遊技状況検出手段73aにより予め設定された遊技状況が検出された場合に、液晶表示基板27a、LCD27bのバックライト、ファン27cの制御状態を電源オフ状態に切り換えるための制御信号を切換手段110が出力するようなデューティ比Dのパルス電圧がパルス電圧生成手段73bにより生成される。具体的には、図6に示すように、遊技者が長時間(例えば10分間)離席した場合に、液晶表示基板27aおよびファン27cの制御状態を電源オン状態から電源オフ状態に切り換えるための制御信号を切換手段110が出力するようなデューティ比D(1%≦D<2%)のパルス電圧がパルス電圧生成手段73bにより生成される。また、図6に示すように、遊技者が短時間(例えば5分間)離席した場合に、LCD27bのバックライトの制御状態を電源オン状態から電源オフ状態に切り換えるための制御信号を切換手段110が出力するようなデューティ比D(15%≦D<16%)のパルス電圧がパルス電圧生成手段73bにより生成される。
【0079】
したがって、予め設定された遊技状況が遊技状況検出手段73aにより検出された場合に、パルス電圧生成手段73bにより、液晶表示基板27aおよびファン27c、または、LCD27bのバックライトの制御状態を電源オン状態から電源オフ状態に切り換えるための制御信号を切換手段110が出力するようなデューティ比Dのパルス電圧が生成されるため、予め設定された遊技状況において、少なくとも1つの制御対象(液晶表示基板27a、LCD27b、ファン27c)が切換手段110により電源オフ状態に切り換えられるので、スロットマシン1の節電を図ることができる。なお、この実施形態では、遊技者が長時間離席した場合には、液晶表示基板27a、LCD27bおよびファン27cの全ての制御状態が電源オフ状態となるように構成されている。
【0080】
このように構成されたスロットマシン1では、図6に示すように、通常の遊技状況では、パルス電圧生成手段73bによりデューティ比Dが30%≦D<100%のパルス電圧が生成されることによって、液晶表示基板27aおよびファン27cの制御状態が電源オン状態に切換手段110により制御される。また、LCD27bのバックライトの制御状態が電源オン状態に切換手段110により制御されると共に、パルス電圧のデューティ比Dに基づいてLCD27bのバックライトの輝度が輝度調整回路27b1により調整される(調光状態)。そして、遊技者が短時間離席した場合には、パルス電圧生成手段73bによりデューティ比が15%≦D<16%のパルス電圧が生成されることによって、LCD27bのバックライトの電源オフ状態に切換手段110により制御される。
【0081】
さらに、遊技者が長時間離席した場合には、パルス電圧生成手段73bによりデューティ比が1%≦D<2%のパルス電圧が生成されることによって、液晶表示基板27a、LCD27bおよびファン27cの全ての制御状態が電源オフ状態に切換手段110により制御される。次に、遊技者が席に戻って着席した場合には、パルス電圧生成手段73bによりデューティ比が15%≦D<16%のパルス電圧が生成されることによって、液晶表示基板27aおよびファン27cの制御状態が電源オン状態に切換手段110により制御される。このように、LCD27bの制御状態が電源オン状態に切り換えられる前に、まず、液晶表示基板27aおよびファン27cの制御状態のみが電源オン状態に切換手段110により切り換えられることによって、LCD27bの制御状態が電源オン状態に切り換えられた際のLCD27bの誤表示を防止することができる。
【0082】
そして、液晶表示基板27aおよびファン27cの制御状態が電源オン状態となって所定時間が経過して液晶表示基板27aの起動が完了すれば、パルス電圧生成手段73bによりデューティ比Dが30%≦D<100%のパルス電圧が生成されることによって、LCD27bのバックライトの制御状態が電源オン状態に切換手段110により制御されると共に、パルス電圧のデューティ比Dに基づいてLCD27bのバックライトの輝度が輝度調整回路27b1により調整される。
【0083】
また、電圧監視部113により電源制御回路100に入力されるパルス電圧が異常状態(デューティ比DがD=0%もしくはD=100%)であれば、切換手段110により、液晶表示基板27aおよびファン27cの制御状態が強制的に電源オン状態に切り換えられると共に、LCD27bのバックライトの制御状態が強制的に電源オン状態に切り換えられて、輝度調整回路27b1によりLCD27bのバックライトの輝度が100に調整される。
【0084】
以上説明したように、この実施形態によれば、電源制御回路100に入力されたパルス電圧が、予め設定された所定時間の間、高レベル状態と低レベル状態との間で電位が切り換わらない異常状態であるか否かが電圧監視部113により判断され、電圧監視部113によりパルス電圧が異常であると判断された場合に、各制御対象(液晶表示基板27a、LCD27b、ファン27c)に対して、正常なパルス電圧のデューティ比Dに基づいて出力部115から出力される制御信号の代わりに、各制御対象を強制的に電源オン状態に制御する異常対応信号が出力部115により出力される。したがって、入力されたパルス電圧が異常状態であるときに、異常対応信号により制御対象を規定の異常対応状態に制御することができ、遊技者もしくはホール管理者は、各制御対象が強制的に電源オン状態に制御されて、例えば、LCD27bに所定のエラーメッセージが表示されているか否かにより、パルス電圧生成手段73bにより正常にパルス電圧が生成されていない異常を確実に認識することができる。
【0085】
また、スロットマシン1の複数の遊技状況に応じて予め設定されたデューティ比Dのパルス電圧がパルス電圧生成手段73bにより生成されて、スロットマシン1が備える複数の制御対象(液晶表示基板27a、LCD27b、ファン27c)それぞれの制御状態を、パルス電圧のデューティ比Dに応じて電源オン状態、電源オフ状態に切り換える制御信号が切換手段110によって出力されることにより、電源オン状態、電源オフ状態が切り換えられる。
【0086】
具体的には、電源制御回路100に入力されたパルス電圧が平均化されて、デューティ比Dに応じた大きさの電圧が電圧平均化部111により出力され、各制御対象それぞれに対応して設けられた各電圧比較回路112a,112bにより、電圧平均化部111の出力電圧の大きさと、制御対象ごとにそれぞれ設定された比較電圧Vref1,Vref2の大きさとが比較される。そして、各制御対象それぞれに対応して設けられた各電圧比較回路112a,112bにおける比較結果に基づく制御信号が、各制御対象に対して出力部115から出力される。したがって、パルス電圧生成手段73bにより生成された1本の信号線により送信可能なパルス電圧に基づいて、切換手段110により各制御対象それぞれに対してパルス電圧のデューティ比Dに応じた制御信号が出力されることによって、複数の制御対象を所定の電源オン、電源オフ状態に切り換えることができ、簡単な構成により節電制御を行うことができる。
【0087】
また、スロットマシン1の末端側に配置される制御対象の数が増加しても、中枢側に配置されるパルス電圧生成手段73b(サブ制御基板73)から1本の信号により送信可能なパルス電圧に基づいて、従来のように、制御信号を送信するための信号線の数を増やさなくとも、増加分の制御対象を制御することができる。すなわち、スロットマシン1の中枢側に配置されるサブ制御基板73(パルス電圧生成手段73b)のインターフェースの構成を設計変更しなくとも、増加分の制御対象を制御することができるため、従来の構成と比較すると末端側に配置される制御対象の数を容易に増やすことができ、スロットマシン1の設計変更を容易に行うことができる。
【0088】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。本発明の制御対象は上記した例に限るものではなく、例えば演出用の上部ランプ部33および下部ランプ部37L,37Rや、各スイッチ15,17,19,21L,21M,21R,23に設けられている光源が上記した例と同様に制御されてもよいし、演出用のスピーカ31L,31Rを制御対象としてもよい。また、各制御対象の制御状態は上記した例に限るものではなく、例えば、上部ランプ部33および下部ランプ部37L,37Rや、各スイッチ15,17,19,21L,21M,21R,23に設けられている光源が、パルス電圧のデューティ比に応じて点滅を繰り返すような制御信号を出力部115が出力するようにしてもよい。また、例えば、スピーカ31L,31Rから、パルス電圧のデューティ比に応じて特殊効果音や音声が出力されるような制御信号を出力部115が出力するようにしてもよい。
【0089】
また、上記した構成をメイン制御基板63に設けることにより、制御対象として、例えば左・中・右リールモータ14L,14M,14Rを制御してもよい。この場合、電圧平均化部111、電圧比較部112および出力部115をマイクロプロセッサ構成のモジュールにより構成することによって、パルス電圧のデューティ比Dに応じて、各リールを所定の態様で振動させるなどするリール演出を行うように出力部115から制御信号が出力されるようにするとよい。
【0090】
また、上記した実施形態では、第1電源スイッチ回路120および第2電源スイッチ回路130を電源制御回路100が備えるように構成されているが、第1電源スイッチ回路120および第2電源スイッチ回路130の両方もしくは一方を、対応する制御対象が備えるようにしてもよい。
【0091】
また、上記した実施形態では、異常対応信号出力部114の出力は、出力部115を経由して各制御対象に出力されるように構成されているが、異常対応信号出力部114の出力が、制御対象に直接出力されるようにしてもよい。また、上記した実施形態では、電圧監視部113によりパルス電圧が異常と判断された場合に、全ての制御対象を異常対応状態に制御するように構成されているが、少なくとも1つの制御対象が異常対応状態に制御されるようにすればよい。このように構成しても、異常対応状態に制御された当該制御対象を確認することにより、遊技者もしくはホール管理者は、パルス電圧が異常であることを認識することができる。
【0092】
また、複数の制御対象が設定されている場合に、パルス電圧のデューティ比に基づいて、複数のうちの1つの制御対象が制御されるように構成してもよいし、複数の制御対象が同時に制御されるように構成してもよい。例えば、制御対象がA〜Cの3種類設定されている場合に、各制御対象A〜Cに供給される電源のオン、オフが、パルス電圧のデューティ比に基づいて、下表のように切り換わる構成とすることができる。
【0093】
【表1】
【0094】
また、上記した実施形態では、電圧監視部113は、パルス電圧のデューティ比Dが0%もしくは100%のときにパルス電圧が異常状態であると判断するように構成されているが、電圧監視部113により異常状態と判断されるパルス電圧のデューティ比Dは0%および100%に限定されるものではない。例えば、パルス電圧のデューティ比Dの値が、図5に示すように、予め定めた範囲以外の”禁止”の帯域内である場合に、電圧監視部113によりパルス電圧が異常状態であると判断されるようにしてもよい。
【0095】
また、上記した実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせた遊技機(所謂、パロット)に本発明を適用してもよいし、パチンコ機に本発明を適用してもよく、一般的な遊技機に本発明を広く適用することができる。また、本発明の遊技機として、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームを採用してもよい。
【符号の説明】
【0096】
1…スロットマシン(遊技機)、27a…液晶表示基板(制御対象)、27b…液晶ディスプレイ(制御対象)、27b1…輝度調整回路、27c…ファン(制御対象)、73a…遊技状況検出手段、73b…パルス電圧生成手段、110…切換手段、111…電圧平均化部(電圧平均化手段)、112a,112b…電圧比較回路(電圧比較手段)、113…電圧監視部(電圧監視手段)、114…異常対応信号出力部(異常対応信号出力手段)、115…出力部(異常対応信号出力手段)、120…第1電源スイッチ回路(電源スイッチ回路)、130…第2電源スイッチ回路(電源スイッチ回路)、D…デューティ比、Vref1,Vref2…比較電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6