特許第5649143号(P5649143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649143
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】オフセット遠隔中心マニピュレーター
(51)【国際特許分類】
   A61B 19/00 20060101AFI20141211BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   A61B19/00 502
   B25J3/00 Z
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-20339(P2013-20339)
(22)【出願日】2013年2月5日
(62)【分割の表示】特願2011-115141(P2011-115141)の分割
【原出願日】2005年9月9日
(65)【公開番号】特開2013-135859(P2013-135859A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2013年2月5日
(31)【優先権主張番号】10/957,077
(32)【優先日】2004年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410453
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クーパー
(72)【発明者】
【氏名】トッド ソロモン
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6702805(US,B1)
【文献】 仏国特許出願公開第2845889(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 19/00
B25J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって:
近位端および遠位端を有するベースリンク(42);
近位端および遠位端を有する第1のリンク(44)であって、該第1のリンクの近位端が該ベースリンクの遠位端に回転可能に連結される第1のリンク;
近位端および遠位端を有する第2のリンク(46)であって、該第2のリンクの近位端が該第1のリンクの遠位端に回転可能に連結され、該第2のリンクが、該ベースリンクに対して回転することから束縛される第2のリンク;および
該第2のリンクの遠位端に回転可能に連結される器具ホルダーのリンク(34)であって、該第1のリンクに対して回転することから束縛される器具ホルダーのリンク、を備え、
該第2のリンクが、該第1のリンクが該第2のリンク上に静止するための間隔を提供するように角度をなして屈曲される、装置。
【請求項2】
少なくとも1つのプーリー(76、78a、78b、80、82a、82b)および該プーリーに連結された少なくとも1つの可撓性要素(84a、84b、86a、86b)をさらに備え、該可撓性要素が、回転の中心に対する前記器具ホルダーに連結されたシャフトの動きを束縛するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記器具ホルダーが、該器具ホルダーの長手軸に沿って外科用器具(32)をスライド可能に延ばすよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のリンクが、前記装置を駆動するための少なくとも1つのモーターを収容する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
取り付けベース(40)をさらに備え、該ベースがさらに、前記近位端および前記遠位端を連結する連結軸(56)を備え、前記ベースリンクの近位端が該取り付けベースに直接連結される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記器具ホルダーが、該器具ホルダーの長手軸(74)に沿って前記外科用器具をスライデ可能に延ばすように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも2つの直接連結されるリンクが、互いからオフセットされる回転の平面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のリンクおよび前記第2のリンクが、互いからオフセットされる回転の平面を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記器具ホルダーのリンクおよび前記第2のリンクが、互いからオフセットされる回転の平面を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
取り付けベース(40)をさらに備え、前記ベースリンクの近位端が該取り付けベースに連結され、該ベースリンクの近位端が該取り付けベースに対して第1の軸(56)の周りで回転可能であり、該ベースリンクの遠位端が該第1の軸からオフセットされる軸(68)上に横たわる、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般に、医療、外科、および/またはメボット利用デバイスおよびシステムに関する。例示の実施形態では、本発明は、最小侵襲的ロボット利用手術の間に、外科用器具の位置を束縛するオフセット中心マニピュレーターを提供する。
【背景技術】
【0002】
最小侵襲的医療技法は、診断または外科的手順の間に損傷される異質組織の量を低減することが意図され、それによって、患者の回復時間、不快および有害な副作用を低減する。最小侵襲的手術の1つの効果は、例えば、術後入院回復時間が減少されることである。標準的な手術について平均の入院は、代表的には、類似の最小侵襲的手術についての平均の入院より有意に長いので、最小侵襲的技法の増加した使用は、毎年の病院費用において数百万ドルを節約し得る。合衆国で毎年実施される多くの手術は、潜在的に最小侵襲的様式で実施され得るが、現在の手術の一部分のみが、最小侵襲的器具およびこれらをマスターする際に関与するさらなる外科的訓練における制限に起因してこれらの有用な技法を用いているに過ぎない。
【0003】
最小侵襲的ロボット利用手術または遠隔手術システムが、外科医の器用さを増し、そして伝統的な最小侵襲的技法に関するいくつかの制限を避けるために開発されている。遠隔手術では、外科医は、例えば、サーボ機構のような遠隔制御の特定の形態を用い、手によって直接器具を保持し、そして移動することよりも、外科用器具の動きを操作する。遠隔手術シテスムでは、外科医は、外科ワークステーションで手術部位の画像を提供され得る。ディスプレイ上で手術部位の二次元または三次元画像を見ながら、外科医は、マスター制御デバイスを操作することにより、患者に対する手術手順を実施し、これは、次に、サーボ機構によって作動される器具の動きを制御する。
【0004】
遠隔手術のために用いられるサーボ機構は、しばしば、2つのマスターコントローラー(外科医の手の各々のためのもの)からの入力を受け、そして外科用器具が各々取り付けられる2つ以上のロボットアームを含み得る。マスターコントローラーと、関連するロボットアームと、器具アセンブリとの間の作動通信は、代表的には、制御システムを通じて達成される。このコントロールシステムは、代表的には、少なくとも1つのプロセッサーを含み、これは、マスターコントローラーからの入力コマンドを、関連するロボットアームおよび器具アセンブリに、そして例えば、フィードバックなどを行う場合、これら器具およびアームアセンブリから関連するマスターコントローラーに戻してリレーする。ロボット利用外科的システムの1つの例は、Mountain View CAのIntuitive Surgical,Inc.から入手可能なDA VINCI(登録商標)システムである。
【0005】
種々の構造配列が、ロボット利用手術の間の手術部位で外科用器具を支持するために用いられ得る。駆動される連結または「スレーブ」は、しばしば、ロボット利用外科用マニピュレーターと呼ばれ、そして最小侵襲的ロボット利用手術の間にロボット利用外科用マニピュレーターとして使用のための例示の連結配列は、特許文献1、2および3に記載され、これらの完全な開示は、本明細書中に参考として援用される。これらの連結は、しばしば、シャフトを有する器具を保持するために平行四辺形を使用する。このようなマニピュレーター構造は、器具を、この器具が剛直なシャフトの長さに沿って間隔を置かれて位置される球回転の中心の周りで旋回するように束縛し得る。この回転の中心を、内部手術部位への切開点(例えば、腹腔鏡手術の間の腹腔壁でトロカールまたはカニューレによる)と整列することにより、外科用器具のエフェクターが、腹腔壁に対して危険な力を課すことなく、マニピュレーター連結を用いてシャフトの端部を移動することによって安全に位置決めされ得る。代替のマニピュレーター構造は、例えば、特許文献4、5、6、7、8および9に記載され、これらの全体の開示が本明細書中に参考として援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,758,843号
【特許文献2】米国特許第6,246,200号
【特許文献3】米国特許第5,800,423号
【特許文献4】米国特許第6,702,805号
【特許文献5】米国特許第6,676,669号
【特許文献6】米国特許第5,855,583号
【特許文献7】米国特許第5,808,665号
【特許文献8】米国特許第5,445,166号
【特許文献9】米国特許第5,184,601号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
新たな遠隔手術システムおよびデバイスは、高度に有効および有利であることが照明されているが、なおさらなる改良が所望され得る。一般に、最小侵襲的ロボット利用手術を実施するための改良された構造およびシステムを提供することが所望され得る。より詳細には、これらシステムの使用の効率および容易さを増大することが有利であり得る。例えば、ロボット利用外科用マニピュレーターによって提供される移動の範囲を、同時に、システムの全体の複雑さ、サイズ、および物理的重量を低減しながら改良することが特に有利であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、一般に、医療、手術、および/またはロボット利用デバイスおよびシステムに関する。特に、本発明は、外科用器具を支持するために用いられる改良された遠隔中心マニピュレーターに関し、そして最小侵襲的ロボット利用手術の間の器具の所望の位置で任意のベアリングまたは機械的支持体から遠隔にある球回転の中心を提供する。この遠隔中心マニピュレーターは、器具が回転の固定された中心の周りで動くように束縛し、これは、好ましくは、患者の腹腔壁のような患者中の侵入切開と一致する。1つの例示の実施形態では、本発明は、オフセット遠隔中心平行四辺形マニピュレーター連結アンセブリを提供し、これは、最小侵襲的ロボット利用手術の間に外科用器具の位置を束縛する。この改良された遠隔中心マニピュレーターは、第1および第2の軸に沿った器具の動きの範囲を有利に増大し、これは、同時に、このロボット利用外科用システムの複雑さ、サイズ、および物理的重量を低減する。このような利点は、次いで、このようなロボット利用外科用システムの使用の効率および容易さを増大する。
【0009】
本発明の第1の局面では、外科用器具の位置を束縛するための遠隔中心マニピュレーターが提供される。最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結可能な外科用器具は、細長いシャフトを含む。このシャフトは、患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有する。上記遠隔中心マニピュレーターは、第1の軸の周りの回転のための平行四辺形連結ベースに回転可能に連結された取り付けベースを有する関節連結アセンブリを備える。上記平行四辺形連結ベースは、複数のリンクおよびジョイントによって上記器具ホルダーに連結され。上記リンクおよびジョイントは、上記器具が上記器具ホルダーに取り付けられ、そして上記シャフトが少なくとも1つの自由度で移動するとき、平行四辺形を、上記器具の細長いシャフトを回転の中心に対して束縛するように規定する。上記第1の軸および上記平行四辺形連結ベースに隣接する上記平行四辺形の第1の辺が、上記回転の中心で上記シャフトと交差する。重要なことに、上記平行四辺形の第1の辺は、上記第1の軸から角度をなしてオフセットされる。
【0010】
上記平行四辺形の第1の辺は、上記第1の軸から、少なくとも2゜だけ角度がオフセットされる。一般に、上記平行四辺形の第1の辺は、上記第1の軸から、約2゜〜約45゜の範囲、好ましくは、約2゜〜約35゜の範囲で角度がオフセットされる。上記平行四辺形の第1の辺は、しばしば、上記第1の軸の下で、一般に、上記平行四辺形の少なくとも1つの辺は上記第1の軸の下で延びる。上記マニピュレーターは、上記第1の軸に沿って±90゜より大きい、好ましくは、上記第1の軸に沿って±95゜より大きい範囲にある改良されたシャフト移動を提供する。特に、片持ちされた平行四辺形連結ベースは、上記第1の軸に沿って±168゜からの範囲でシャフト移動を提供、ここで、この第1の軸は、しばしば、偏揺れ軸と称される。有利には、上記オフセット関節連結アセンブリは、第2の軸に沿って±55゜より大きい、好ましくは、この第2の軸に沿って±60゜より大きいシャフト移動の改良された範囲を提供する。一般に、上記オフセット関節連結アセンブリは、上記第2の軸に沿って±75゜の間の範囲にある改良されたシャフト移動を提供し、ここで、この第2の軸は、しばしば、ピッチ軸と称される。
【0011】
好ましくは、上記リンクの少なくとも1つは、屈曲リンク上で静止するために別のリンクのための間隔を提供するように屈曲している。この間隔は、ピッチ移動の改良された範囲をさらに可能にするように連結間の衝突を防ぐ。例えば、上記リンクは、約22゜の角度で屈曲し得る。上記マニピュレーターは、少なくとも1つの自由度で釣り合っていなくても良い。従って、ブレーキシステムが上記関節連結アセンブリに連結され得る。このブレーキシステムは、上記ジョイントの少なくとも1つの関節を離脱可能に阻害する。好ましくは、上記複数のリンクおよびジョイントは、少なくとも1つのプーリー、およびこのプーリーに連結され、上記回転の中心に対してシャフト移動を束縛する形態である少なくとも1つの可撓性要素を備える。1つの実施形態では、これら複数のリンクおよびジョイントは、6つのプーリーおよび4つのベルトを備える。これら複数のリンクおよびジョイントは、サーボ機構によって駆動される。上記複数のリンクおよび上記平行四辺形連結ベースは、連結間衝突の可能性を減少するように、異なる平面でオフセットされている。上記リンクおよび上記器具ホルダーは、しかし、同一平面中に位置され得る。
【0012】
一般に、上記関節連結アセンブリは、上記回転の中心に対するシャフト移動を束縛するような形態である。従って、上記シャフトは、このシャフトが少なくとも1つの自由度で旋回移動されるとき、上記回転の中心を通って実質的に整列されて維持される。好ましくは、この回転の中心は、例えば、腹腔鏡手術の間に腹腔壁でトロカールまたはカニューレとともに、内部手術部位への切開点と整列される。従って、上記外科用器具の端部エフェクターは、腹腔壁に対して危険な力を課すことなくオフセット遠隔中心ロボット利用マニピュレーターを用いてシャフトの近位端を移動することによって安全に位置決めされ得る。
【0013】
本発明の別の局面では、外科用器具の位置を束縛する遠隔中心マニピュレーターが提供される。最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結可能な外科用器具は、細長いシャフトを含む。このシャフトは、患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有する。上記遠隔中心マニピュレーターは、第1の軸の周りの回転のための平行四辺形連結ベースに回転可能に連結された取り付けベースを有する関節連結アセンブリを備える。この平行四辺形連結ベースは、複数のリンクおよび旋回軸によって上記器具ホルダーに連結される。このリンクおよび旋回軸は、上記器具が上記器具ホルダーに取り付けられ、そして上記シャフトが上記平行四辺形の平面に沿って移動するとき、平行四辺形を、上記器具の細長いシャフトを回転の中心に対して束縛するように規定する。重要なことに、上記第1の軸および上記平行四辺形連結ベースに隣接する上記平行四辺形の第1の旋回軸は、角度をなしてオフセットされ、そしてこれらリンクの少なくとも1つが屈曲される。
【0014】
上記平行四辺形の第1の旋回軸は、上記第1の軸から、少なくとも2゜だけ、好ましくは、10゜だけ角度がオフセットされる。一般に、上記平行四辺形の第1の旋回軸は、上記第1の軸から、約2゜〜約45゜の範囲で、好ましくは、約2゜〜約35゜の範囲で角度がオフセットされる。上記平行四辺形の第1の旋回軸は、しばしば、上記第1の軸の下で延び得、一般に、上記平行四辺形の少なくとも1つの旋回軸が上記第1の軸の下で延び得る。上記マニピュレーターは、上記第1の軸に沿って±90゜より大きい範囲で、好ましくは上記第1の軸に沿って±95゜より大きい範囲でシャフト移動を提供する。特に、片持ちされた平行四辺形連結ベースは、上記第1の軸、例えば、偏揺れ軸に沿って±168゜からの範囲で改良されたシャフト移動を提供する。有利には、上記オフセットされた平行四辺形および屈曲リンクは、一緒に、第2の軸に沿って±55゜より大きい、好ましくは、この第2の軸に沿って±60゜より大きいシャフト移動の範囲を提供する。代表的には、上記オフセットされた平行四辺形および屈曲リンクは、上記第2の軸、例えば、ピッチ軸に沿って±75゜からの範囲で改良されたシャフト移動を提供する。
【0015】
少なくとも1つのリンクは、屈曲リンク上で静止するために別のリンクのための間隔を提供するように所定角度(例えば、22゜)で屈曲している。上記リンクおよび旋回軸の少なくとも1つは、少なくとも1つの自由度で釣り合っていない。従って、ブレーキシステムが上記関節連結アセンブリに連結され得、このブレーキシステムは、上記旋回軸の少なくとも1つの関節を離脱可能に阻害する。好ましくは、上記複数のリンクおよび旋回軸は、少なくとも1つのプーリー、およびこのプーリーに連結され、上記回転の中心に対してシャフト移動を束縛する形態である少なくとも1つの可撓性要素を備える。1つの実施形態では、これら複数のリンクおよび旋回軸は、6つのプーリーおよび4つのベルトを備える。これら複数のリンクおよび上記平行四辺形連結ベースは、異なる平面でオフセットされ、その一方、上記リンクおよび上記器具ホルダーは、しかし、同一平面中に位置され得る。
【0016】
本発明のなお別の局面では、外科用器具の位置を束縛するための遠隔中心マニピュレーターが提供される。最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結可能な外科用器具は、細長いシャフトを含む。このシャフトは、患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有する。この遠隔中心マニピュレーターは、第1の軸の周りの回転のための平行四辺形連結ベースに回転可能に連結された取り付けベースを有する関節連結アセンブリを備える。この平行四辺形連結ベースは、複数のリンクおよび旋回軸によって上記器具ホルダーに連結される。これらリンクおよび旋回軸は、上記器具が上記器具ホルダーに取り付けられ、そして上記シャフトが該平行四辺形の平面に沿って移動するとき、平行四辺形を、上記器具の細長いシャフトを回転の中心に対して束縛するように規定する。上記第1の軸および上記平行四辺形は、上記回転の中心で上記シャフトと交差する。重要なことに、上記平行四辺形は、該第1の軸から角度をなしてオフセットされる。例えば、上記器具ホルダーに隣接するジョイントから上記回転の中心に延びる平行四辺形の遠位端は、上記細長いシャフトから角度をなしてオフセットされる。
【0017】
本発明のなお別の実施形態では、外科用器具の旋回運動のための遠隔中心マニピュレーターが提供される。最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結可能な外科用器具は、細長いシャフトを含む。このシャフトは、近位端、および患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有する。この遠隔中心マニピュレーターは、連結ベース、第1の連結アセンブリ、および第2の連結アセンブリを備える。この第1の連結アセンブリは、上記連結ベースによって旋回可能に支持され、そして第1の外側ハウジンクを有する。上記第2の連結アセンブリは、近位旋回ジョイントと遠位旋回ジョイントとの間で片持ちされ、そしてそれらの間に延びる第2の連結アセンブリ軸を規定する。上記近位旋回ジョイントは、上記第2の連結アセンブリを上記第1の連結アセンブリに連結する。上記遠位旋回ジョイントは、上記第2の連結アセンブリを上記器具ホルダーに連結する。上記第1および第2の旋回アセンブリは、上記シャフトの側方移動を上記シャフトに沿って配置された回転の中心の周りの旋回移動に束縛する。上記第2の連結は、第2の外側ハウジングを有し、この第2の外側ハウジングは、上記第1のジョイントと第2のジョイントとの間の間に配置され、そしてそれらから分離された凹部を有し、上記第1の連結アセンブリの第1の外側ハウジングが、上記シャフトの近位端が上記連結ベースに向かって移動するとき、上記凹部中に突き出し得、そして上記第2の連結軸を横切り得る。上記第2の連結アセンブリは、上記近位旋回ジョイントと上記遠位旋回ジョイントとの間で伸張する可撓性部材を備え得、そして少なくとも1つのガイドが、上記可撓性部材を、この可撓性部材を上記凹部から離れて配置するように側方に係合する。
【0018】
本発明のなお別の局面では、外科用器具を採用して、患者の身体腔内で最小侵襲的ロボット利用手術を実施するための方法が提供される。最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーの連結可能な外科用器具は、細長いシャフトを含む。このシャフトは、患者の身体壁中の切開を通る身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有する。子の方法は、上記のようなオフセットされた関節連結アセンブリを提供する工程を包含する。この器具のシャフトの少なくとも1つの遠位作業端部が上記切開を通り身体腔中に導入される。上記器具の少なくともシャフトは、上記遠位作業端部が身体腔内にある間に、少なくとも1つの自由度で旋回可能に移動される。上記オフセットされる関節連結アセンブリは、上記シャフトの側方移動を上記回転の中心の周りの旋回移動に束縛し、このシャフトは、この回転の中心を通って実施的に整列されて維持される。
【0019】
本発明の性質および利点のさらなる理解は、本明細書および図面の残りの部分への参照によって明らかになる。
例えば、本願発明は以下を提供する。
(項目1)
最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結された外科用器具の位置を束縛するための遠隔中心マニピュレーターであって、上記外科用器具が、細長いシャフトを含み、上記シャフトが、患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有し、上記遠隔中心マニピュレーターが:
第1の軸の周りの回転のための平行四辺形連結ベースに回転可能に連結された取り付けベースを有する関節連結アセンブリを備え、上記平行四辺形連結ベースが複数のリンクおよびジョイントによって上記器具ホルダーに連結され、上記リンクおよびジョイントが、上記器具が上記器具ホルダーに取り付けられ、そして上記シャフトが少なくとも1つの自由度で移動するとき、平行四辺形を、上記器具の細長いシャフトを回転の中心に対して束縛するように規定し、ここで、上記第1の軸および上記平行四辺形連結ベースに隣接する上記平行四辺形の第1の辺が、上記回転の中心で上記シャフトと交差し、そして上記平行四辺形の第1の辺が上記第1の軸から角度をなしてオフセットされる、マニピュレーター。
(項目2)
上記第1の軸が、上記回転の中心で交差する、項目1に記載のマニピュレーター。
(項目3)
上記平行四辺形の第1の辺が、上記第1の軸から、少なくとも2゜だけ角度がオフセットされる、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目4)
上記平行四辺形の第1の辺が、上記第1の軸から、約2゜〜約45゜の範囲で角度がオフセットされる、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目5)
上記平行四辺形の第1の辺が、上記第1の軸から、約10゜だけ角度がオフセットされる、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目6)
上記平行四辺形の遠位端が、上記器具ホルダーに隣接するジョイントから上記回転の中心まで延び、そして上記平行四辺形の遠位端が、上記細長いシャフトから角度がオフセットされる、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目7)
上記平行四辺形の第1の辺が、上記第1の軸の下で延びる、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目8)
上記マニピュレーターが、上記第1の軸に対して±90゜より大きい範囲にあるシャフト移動を提供する、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目9)
上記マニピュレーターが、上記第1の軸に対して±168゜の間の範囲にあるシャフト移動を提供する、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目10)
上記マニピュレーターが、上記第1の軸に対して±55゜より大きい範囲にあるシャフト移動を提供する、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目11)
上記マニピュレーターが、上記第1の軸に対して±75゜の間の範囲にあるシャフト移動を提供する、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目12)
上記リンクの少なくとも1つが屈曲している、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目13)
上記リンクの少なくとも1つが約22゜の角度で屈曲している、項目12に記載のマニピュレーター。
(項目14)
上記マニピュレーターが、少なくとも1つの自由度で釣り合っていない,項目2に記載のマニピュレーター。
(項目15)
上記関節連結アセンブリに連結されたブレーキシステムをさらに備え、上記ブレーキシステムが、上記ジョイントの少なくとも1つの関節を離脱可能に阻害する、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目16)
上記複数のリンクおよびジョイントが、少なくとも1つのプーリー、および上記プーリーに連結され、上記回転の中心に対してシャフト移動を束縛する形態である少なくとも1つの可撓性要素を備える、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目17)
上記複数のリンクおよびジョイントが、6つのプーリーおよび4つのベルトを備える、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目18)
上記複数のリンクおよびジョイントが、サーボ機構によって駆動される、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目19)
上記複数のリンクおよび上記平行四辺形が、異なる平面でオフセットされている、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目20)
上記リンクおよび上記器具ホルダーが、同一平面中に位置される、項目2に記載のマニピュレーター。
(項目21)
上記関節連結アセンブリが、上記回転の中心に対するシャフト移動を、上記シャフトが少なくとも1つの自由度で回転移動されるとき、上記シャフトが上記回転の中心を通って実質的に整列されるように束縛するような形態である、項目2に記載のマニピュレーター。(項目22)
最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結された外科用器具の位置を束縛するための遠隔中心マニピュレーターであって、上記外科用器具が、細長いシャフトを含み、上記シャフトが、患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有し、上記遠隔中心マニピュレーターが:
第1の軸の周りの回転のための平行四辺形連結ベースに回転可能に連結された取り付けベースを有する関節連結アセンブリを備え、上記平行四辺形連結ベースが複数のリンクおよび旋回軸によって上記器具ホルダーに連結され、上記リンクおよび旋回軸が、上記器具が上記器具ホルダーに取り付けられ、そして上記シャフトが上記平行四辺形の平面に沿って移動するとき、平行四辺形を、上記器具の細長いシャフトを回転の中心に対して束縛するように規定し、ここで、上記第1の軸および上記平行四辺形連結ベースに隣接する上記平行四辺形の第1の旋回軸が、角度をなしてオフセットされる、マニピュレーター。
(項目23)
上記第1の軸および第2の軸が、上記回転の中心で交差する、項目22に記載のマニピュレーター。
(項目24)
上記平行四辺形の第1の旋回軸が、上記第1の軸から、少なくとも2゜だけ角度がオフセットされる、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目25)
上記平行四辺形の第1の旋回軸が、上記第1の軸から、約2゜〜約45゜の範囲で角度がオフセットされる、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目26)
上記平行四辺形の第1の旋回軸が、上記第1の軸から、約10゜だけ角度がオフセットされる、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目27)
上記平行四辺形の遠位端が、上記器具ホルダーに隣接するジョイントから上記回転の中心まで延び、そして上記平行四辺形の遠位端が、上記細長いシャフトから角度がオフセットされる、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目28)
上記平行四辺形の第1の旋回軸が、上記第1の軸の下で延びる、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目29)
上記マニピュレーターが、上記第1の軸に対して±90゜より大きい範囲にあるシャフト移動を提供する、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目30)
上記マニピュレーターが、上記第1の軸に対して±168゜の間の範囲にあるシャフト移動を提供する、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目31)
上記オフセットされた平行四辺形および屈曲リンクが、上記第2の軸に対して±55゜より大きい範囲にあるシャフト移動を提供する、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目32)
上記オフセットされた平行四辺形および屈曲リンクが、上記第2の軸に対して±75゜より大きい範囲にあるシャフト移動を提供する、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目33)
上記リンクの少なくとも1つが約22゜の角度で屈曲している、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目34)
上記マニピュレーターが、少なくとも1つの自由度で釣り合っていない,項目23に記載のマニピュレーター。
(項目35)
上記関節連結アセンブリに連結されたブレーキシステムをさらに備え、上記ブレーキシステムが、上記旋回軸の少なくとも1つの関節を離脱可能に阻害する、項目34に記載のマニピュレーター。
(項目36)
上記複数のリンクおよび旋回軸が、少なくともプーリー、および上記プーリーに連結され、上記回転の中心に対してシャフト移動を束縛する形態である少なくとも1つの可撓性要素を備える、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目37)
上記複数のリンクおよび旋回軸が、6つのプーリーおよび4つのベルトを備える、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目38)
上記複数のリンクおよび上記平行四辺形が、異なる平面でオフセットされている、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目39)
上記リンクおよび上記器具ホルダーが、同一平面中に位置される、項目23に記載のマニピュレーター。
(項目40)
最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結された外科用器具の位置を束縛するための遠隔中心マニピュレーターであって、上記外科用器具が、細長いシャフトを含み、上記シャフトが、患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有し、上記遠隔中心マニピュレーターが:
第1の軸の周りの回転のための平行四辺形連結ベースに回転可能に連結された取り付けベースを有する関節連結アセンブリを備え、上記平行四辺形連結ベースが複数のリンクおよび旋回軸によって上記器具ホルダーに連結され、上記リンクおよび旋回軸が、上記器具が上記器具ホルダーに取り付けられ、そして上記シャフトが上記平行四辺形の平面に沿って移動するとき、平行四辺形を、上記器具の細長いシャフトを回転の中心に対して束縛するように規定し、ここで、上記第1の軸および上記平行四辺形が上記回転の中心で上記シャフトと交差し、そして上記平行四辺形が上記第1の軸から角度をなしてオフセットされる、マニピュレーター。
(項目41)
上記第1の軸および第2の軸が、上記回転の中心で交差する、項目40に記載のマニピュレーター。
(項目42)
上記平行四辺形が、上記第1の軸から、少なくとも2゜だけ角度がオフセットされる、項目41に記載のマニピュレーター。
(項目43)
上記平行四辺形が、上記第1の軸から、約2゜〜約45゜の範囲で角度がオフセットされる、項目41に記載のマニピュレーター。
(項目44)
上記平行四辺形が、上記第1の軸から、約10゜だけ角度がオフセットされる、項目41に記載のマニピュレーター。
(項目45)
上記平行四辺形連結ベースに隣接する上記平行四辺形の第1の軸および第1の辺が、上記回転の中心で上記シャフトと交差し、そして上記平行四辺形の第1の辺がが、上記第1の軸から角度がオフセットされる、項目41に記載のマニピュレーター。
(項目46)
上記平行四辺形連結ベースに隣接する上記第1の軸および上記平行四辺形の第1の旋回軸が、上記回転の中心で上記シャフトと交差し、そして上記平行四辺形の第1の旋回軸が上記第1の軸から角度がオフセットされる、
上記第1の軸の下で延びる、項目41に記載のマニピュレーター。
(項目47)
上記平行四辺形の遠位端が、上記器具ホルダーに隣接するジョイントから上記回転の中心まで延び、そして上記平行四辺形の遠位端が、上記細長いシャフトから角度をなしてオフセットされる、項目41に記載のマニピュレーター。
(項目48)
最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダーに連結された外科用器具の旋回移動のための遠隔中心マニピュレーターであって、上記外科用器具が、細長いシャフトを含み、上記シャフトが、近位端、および患者の身体壁中の切開を通り、身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有し、上記遠隔中心マニピュレーターが:
連結ベース;
上記連結ベースによって旋回可能に支持される第1の連結アセンブリであって、第1の外側ハウジンクを有する連結アセンブリ;および
近位旋回ジョイントと遠位旋回ジョイントとの間で片持ちされ、そしてそれらの間に延びる第2の連結アセンブリ軸を規定する第2の連結アセンブリを備え、上記近位旋回ジョイントが上記第2の連結アセンブリを上記第1の連結アセンブリに連結し、上記遠位旋回ジョイントが上記第2の連結アセンブリを上記器具ホルダーに連結し、上記第1および第2の旋回アセンブリが上記シャフトの側方移動を上記シャフトに沿って配置された回転の中心の周りの旋回移動に束縛し、上記第2の連結が第2の外側ハウジングを有し、上記第2の外側ハウジングが上記第1のジョイントと第2のジョイントとの間の間に配置され、そしてそれらから分離された凹部を有し、上記第1の連結アセンブリの第1の外側ハウジングが、上記シャフトの近位端が上記連結ベースに向かって移動するとき、上記凹部中に突き出し、そして上記第2の連結軸を横切り得る、マニピュレーター。
(項目49)
上記第2の連結アセンブリが、上記近位旋回ジョイントと上記遠位旋回ジョイントとの間で伸張する可撓性部材を備え、そして少なくとも1つのガイドが、上記可撓性部材を、上記可撓性部材を上記凹部から離れて配置するように側方に係合する、項目48に記載のマニピュレーター。
(項目50)
器具ホルダーに連結された外科用器具を採用して、患者の身体腔内で最小侵襲的ロボット利用手術を実施するための方法であって、上記器具が、細長いシャフトを含み、上記シャフトが身体壁中の切開を通る身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部を有し:
第1の軸の周りの回転のための平行四辺形連結ベースに回転可能に連結された取り付けベースを有する関節連結アセンブリを提供する工程であって、上記平行四辺形連結ベースが、複数のリンクおよびジョントによって上記器具ホルダーに連結され、上記リンクおよびジョイントが、平行四辺形を、上記器具の細長いシャフトが、上記器具が上記器具ホルダーに取り付けられ、そして上記シャフトが少なくとも1つの自由度で移動するとき、上記器具の細長いシャフトを回転の中心に対して束縛するように規定し、ここで、上記第1の軸および上記平行四辺形連結ベースに隣接する平行四辺形の第1の辺が、上記回転の中心で上記シャフトと交差し、そして上記平行四辺形の第1の辺が上記第1の軸から角度をなしてオフセットされる工程;
上記器具を上記器具ホルダーに連結する工程;
上記器具シャフトの少なくとも遠位作業端部を、上記身体腔中に上記切開を通じて導入する工程;および
上記器具の少なくとも1つのシャフトを、少なくとも1つの自由度で、上記遠位作業端部が上記身体腔内にある間、そして上記オフセットされた関節連結アセンブリが、上記シャフトの側方移動を上記回転の中心の周りの旋回移動に、上記シャフトが上記回転の中心を通って実質的に整列されるように束縛する間、旋回可能に移動する工程、を包含する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下の図面は、詳細な説明を参照して読まれるべきである。異なる図面における同様の番号は、同様の要素に言及する。必ずしもスケール通りではない図面は、本発明の実施形態を例示して描写し、そして本発明の範囲を制限する意図はない。
図1図1は、ロボット利用システムを示す手術現場の一部の概略平面図であり、外科的手順を入力するためのマスター医師コンソールまたはワークステーション、および手術部位で外科用端部エフェクターを有する外科用器具をロボットにより移動するためのロボット患者側荷車を含む。
図2図2は、ロボット患者側荷車またはスタンドの斜視図であり、2つの患者側マニピュレーターおよび1つの内視鏡/カメラロボットマニピュレーターを含む。
図3図3のAおよびBは、図2のロボットマニピュレーターの連結のそれぞれ側面図および前面図である。
図4図4は、図1のシステムにおける使用のための関節をなす外科用器具の斜視図である。
図5-1】図5Aは、本発明の原理に従って構築された例示のロボットマニピュレーターの側面図である。
図5-2】図5Bは、本発明の原理に従って構築された例示のロボットマニピュレーターの前面図である。
図6-1】図6Aは、例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリのさらなる側面図である。
図6-2】図66Bは、例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリのさらなる側面図である。
図7-1】図7Aは、ピッチ軸に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの側面図である。
図7-2】図7Bは、ピッチ軸に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの側面図である。
図8-1】図8Aは、ピッチ軸に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの側面図である。
図8-2】図8Bは、ピッチ軸に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの側面図である。
図9-1】図9Aは、ピッチ軸および偏揺れ軸の両方に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの斜視図である。
図9-2】図9Bは、ピッチ軸および偏揺れ軸の両方に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの斜視図である。
図9-3】図9Cは、ピッチ軸および偏揺れ軸の両方に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの斜視図である。
図9-4】図9Dは、ピッチ軸および偏揺れ軸の両方に沿う改良された移動の範囲を示す例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(発明の詳細な説明)
図1〜4は、最小侵襲的ロボット利用手術を実施するためのロボット利用外科用システム1を示し、これは、米国特許第6,246,200号中により詳細に記載されている。操作者O(一般に外科医)は、手術台Tに横たわる患者Pに対し最小侵襲性外科的手順を実施し、この操作者Oは、医師のコンソール3で1つ以上の入力デバイスまたはマスター2を操作する。外科医の入力に応答して、コンソール3のコンピュータープロセッサー4は、内視鏡器具またはツール5の移動を指示し、ロボット患者側システム6(この例では、荷車に載せられたシステム)を経由して器具のサーボ機構移動を行う。
【0022】
代表的には、患者側システムまたは荷車6は、少なくとも3つのロボットマニピュレーターアームを含む。2つのアームまたは連結7(この例では、荷車6の側面に載せられる)は、サーボマニピュレーター8を支持および位置決めし、これは、外科用ツール5を駆動し;そして1つのアームまたは連結9(この例では、荷車6の中心に載せられる)は、サーボマニピュレーター10を支持および位置決めし、これは、内部手術部位の画像(好ましくは立体鏡)を捕捉する内視鏡/カメラプローブ11の移動を制御する。
【0023】
内部手術部位の画像は、医師のコンソール3中の立体鏡ディスプレイビュワー12によって外科医または操作者Oに示され、そしてアシスタントのディスプレイ14によってアシスタントAに同時に示される。アシスタントAは、1つ以上の外科用マニピュレーター8(および/または10)中のツール5を、代替のツールまたは器具5’に交換すること、関連する非ロボット医療器具および装置を作動することなどで、セットアップ連結アーム7、9を用い、患者Pに対してマニピュレーター8および10を予備位置決めを支援する。
【0024】
おおまかにいえば、アームまたは連結7、9は、代表的には、組織が操作される間固定された形態にある、患者側システム6の位置決め連結またはセットアップアーム部分を備え、そしてマニピュレーター8、10は、外科医にコンソール3の指令の下で能動的に関節運動する駆動部分を備える。この能動的に駆動される部分を、本明細書では、一般に、「マニピュレーター」といい、そして患者側システム連結の位置決め連結の固定可能な部分を本明細書では「セットアップアーム」といい、このようなセットアップアームは、必要に応じ、動力を与えられ、そしてコンピューター制御されるジョイントを有し得ることが注記される。
【0025】
用語法の便宜のため、外科用ツールに影響する組織に作用する8のようなマニピュレーターは、本明細書では、一般に、PSM(患者側マニピュレーター)と称される、そして内視鏡11のような画像捕捉またはデータ獲得デバイスを制御する10のようなマニピュレーターは、一般に、本明細書では、ECM(内視鏡−カメラマニピュレーター)と称され、このような遠隔ロボットマニピュレーターは、必要に応じて、手術で有用な、広範な範囲の器具、ツールおよびデバイスを、操縦および制御することが注記される。
【0026】
図2は、図1の荷車に載せられた遠隔手術患者側システム6の斜視図を示し、2つのPSM8および1つのECM10を含む。荷車システム6は、カラム15を含み、これは、次に、3つの位置決め連結またはセットアップアームを載せ、各々がPSM8の1つを支持する2つのPSMセットアップアーム7、およびECM10を支持する1つのセットアップアーム9を含む。PSMセットアップアーム7は各々が、6つの自由度をもち、そして中央に載せられたECMセットアップアーム9の各側面上に載せられるものである。ECMセットアップアーム9は、6つより少ない重度を有し、そしてECM10は、代表的にはPSM8に含まれるような、関節のある外科用器具のために提供されるツール作動駆動システムのすべてを含まなくても良い。各PSM8は、外科用ツール5(点線で示される)を離脱可能に載せ、そしてECM10は、内視鏡プローブ11(点線で示される)を離脱可能に載せる。
【0027】
図3Aおよび3Bは、図2のロボット外科用マニピュレーターの連結またはPSM8のそれぞれ側面図および前面図であり、遠隔中心機構を有する。PSM8は、荷車マウント6、天井マウント、または床/台座マウントにより載せられ、そして支持され得るマニピュレーターの1つの先行技術の例である。この例では、PSM8は、好ましくは、ツールインターフェースハウジング21および載せられた器具またはツール5の移動を束縛する連結配列20を含む。より詳細には、連結20は、発行された米国特許第6,758,843号により詳細に記載されるように、ハウジング21およびツール5が、スペース22中の点の周りで回転するように平行四辺形配列にある回転ジョイントによって連結される剛直性のリンクを含む。
【0028】
連結20の平行四辺形配列は、その図でページに垂直であり、そして旋回点22を通過する、しばしば、ピッチ軸と称される軸の周りに、図3A中の矢印22aによって示されるような、旋回に回転を束縛する。平行四辺形連結を支持するリンクは、セットアップジョイント(図2中の7)に旋回可能に載せられ、ツール5は、軸22b(図3B)の周りでさらに回転し、しばしば、偏揺れ軸と呼ばれる。このピッチ軸および偏揺れ軸は、ツール5のシャフト23に沿って整列される遠隔中心22で交差する。ツール5は、なおさらにマニピュレーター8によって支持されるとき、なおさらに駆動される自由度を有し、挿入軸22cに沿ったツールのスライド移動を含む。ツール5は、マニピュレーターインターフェースハウジング21に載るハウジング24を含む。インターフェースハウジング21は、軸22cに沿ったツール5の移動を提供し、そしてPSM8の端部エフェクターアクチュエーターサーボ機構からツール5にアクチュエーター入力を移行するために供されることの両方を行う。遠隔中心システムのこの例では、平行四辺形配列20は、ツール5に、サーボ機構が外科医の制御入力に従ってツール移動を作動するとき、ツールシャフト23を機械的に束縛し、旋回点22の周りで回転するように連結される。
【0029】
ツール5が、マニピュレーター8に対して軸22cに沿ってスライドするとき、遠隔中心22は、マニピュレーター8の取り付けベース25(セットアップアーム7への取り付け点)に対して固定されたままである。それ故、全体のマニピュレーター8は、一般に移動して、遠隔中心22を再位置決めする。マニピュレーター8の連結20は、一連のモーター26(図3A)によって駆動される。これらのモーターは、プロセッサー(図1中の4)からの指令に応答して連結20を能動的に移動する。モーター26は、ツール5に、軸22cの周りでツール5を回転するようにこのツールにさらに連結され、そして約少なくとも1つ、そしてしばしば2つの自由度でツール5の遠位端でリスト(図4中の29)を関節運動する。さらに、モーター26は、鉗子の顎など中に組織を握るためのツールの関節運動可能な端部エフェクターを作動するために用いられ得る。モーター26は、米国特許第5,792,135号により詳細に記載されるように、ケーブルを用いてツール5の少なくともいくつかのジョイントに連結され得、この特許の全体の開示はまた、本明細書中に参考として援用される。この参考文献に記載されるように、マニピュレーター8は、しばしば、駆動構成要素からの運動を外科用ツール5に移行するための可撓性部材を含む。内視鏡手順には、マニピュレーター8は、しばしば、カニューレ27を含む。マニピュレーター8に離脱可能に連結され得るカニューレ27は、ツール5を支持し、好ましくは、このツールを、カニューレ27の中心ボアを通って回転および移動させる。
【0030】
図4は、関節運動する外科用ツールまたは器具5および近位ハウジング24の展開斜視図を示し、これは、図1のシステムで採用され得る。ツール5は、エフェクター28を近位ハウジング24に対して支持する細長いシャフト23を含む。近位バウジング24は、マニピュレーター(例えば、図1、2、3A、および3B中のPSM8)に器具5を離脱可能に取り付け、そしてそれにインターフェースするため、そしてマニピュレーター8と端部エフェクター28間で駆動信号および/または運動を伝達するために適合されている。関節運動リスト機構29は、エフェクター28とシャフト23との間で運動の2つの自由度を提供し得、そしてシャフト23は、端部エフェクター28に患者の身体内で3つの配向の自由度を提供するように近位ハウジング24に対して回転可能であり得る。
【0031】
図5Aおよび5Bをここで参照して、本発明の原理に従って構築された例示のオフセット遠隔中心ロボットマニピュレーター30の側面図および前面図が示される。以下により詳細に記載されるように、洗練されたマニピュレーター30は、最小侵襲的ロボット利用手術の間に器具ホルダー34に連結された外科用器具32の位置を束縛する、オフセット遠隔中心平行四辺形マニピュレーター連結を提供する。この外科用器具32は、患者の身体壁中の切開を通る身体腔中への挿入のための形態である遠位作業端部38を有する細長いシャフト36を含む。上記の描写は、例示目的のみのためであって、そしてロボット外科用マニピュレーター30の実際の形状、サイズ、または寸法を必ずしも反映しないことが認識される。これは、本明細書で以後すべての描写に適用する。
【0032】
一般に、上記オフセット遠隔中心ロボットマニピュレーター30は、回転の中心66に対してシャフト36の運動を束縛するような形態である。従って、シャフト36は、シャフト36が少なくとも1つの自由度で旋回して移動されるとき、回転の中心66を通って実質的に整列されて維持される。好ましくは、この回転の中心66は、例えば、腹腔鏡手術の間に腹部壁でトロカールまたはカニューレとともに、内部手術部位への切開点と整列される。従って、外科用器具32の端部エフェクターは、腹腔壁に対し危険な力を課すことなく、オフセット遠隔中心ロボットマニピュレーター30を用いてシャフト36の近位端を移動することにより安全に位置決めされ得る。
【0033】
図5Aを戻って参照し、洗練された遠隔中心マニピュレーターは、一般に、取り付けベース40を有する関節連結アセンブリ30、平行四辺形連結ベース42、および複数のリンク44、46およびジョイント48、50、52、54を含む。用語「ジョイント」は、本明細書中では用語「旋回軸」と交換可能に用いられる。取り付けベース40は、第1の軸56の周りの回転のために平行四辺形連結ベース42に回転可能に連結され、矢印58によって示されるような偏揺れ軸としてもまた知られる。取り付けベース40は、外科用マニピュレーター30が、荷車マウント、天井マウント、床/台座マウント、またはその他の取り付け表面のセットアップアーム/ジョイントによって載せられ、そして支持されることを可能にする。この実施形態における取り付けベース40は、ねじまたはボルト62によってベース支持体60に固定され、ここで、このベース支持体60は、セットアップアーム/ジョイントに取り付けられるように適合されている。平行四辺形連結ベース42は、回転旋回ジョイント48、50、52、54によってともに連結される剛直性リンク44、46によって器具ホルダー34に連結される。これらリンク44、46およびジョイント48、50、52、54は、平行四辺形64を、器具64が器具ホルダー34に載せられ、そしてシャフト36が平行四辺形64の平面に沿って移動されるとき、回転の中心66に対して器具32の細長いシャフト36を束縛するように規定する。
【0034】
重要なことは、第1の軸56および平行四辺形64は、シャフト36を回転の中心66で横切る。詳細には、平行四辺形ベース40の隣接する平行四辺形64の第1の旋回軸48から発する第1の辺68と第1の軸56は、回転の中心66でシャフト36と交差し、ここで、この平行四辺形64の第1の辺68と第1の旋回軸48は、第1の軸56から角度をなしてオフセットされる。平行四辺形64の第1の辺68と第1の旋回軸48は、少なくとも2゜、好ましくは10゜だけの角度αだけ第1の軸56からオフセットされる。一般に、平行四辺形64の第1の辺68と第1の旋回軸48は、第1の軸56から約2゜から約45゜までの範囲、好ましくは、約2゜から約35゜までの範囲でオフセットされる。
【0035】
ここで、図6Aおよび6Bを参照して、例示のロボットマニピュレーター連結アセンブリ30のさらなる側面図が示され、器具ホルダー34を延びた位置で示す。オフセットされた平行四辺形64配列は、図3Aおよび3Bに記載される先行技術の例に対し、器具32およびホルダー34の改善された回転を可能にし、その一方、回転の遠隔中心66は、同じ位置にある。詳細には、図7A、7B、8A、8B、9Cおよび9Dに示されるように、オフセットされる関節連結アセンブリ30は、第2の軸(これは、これらの例では、頁に垂直であり、そして旋回点66を通過する)に対して±55゜より大きい、好ましくは第2の軸に対して±60゜より大きい改良された範囲のシャフト36の移動を提供する。一般に、このオフセットされた関節連結アセンブリ30は、矢印72によって示されるように、第2の軸に対して±75゜からの範囲にある旋回点66の周りのシャフト36移動を束縛し、ここで、この第2の軸は、しばしば、ピッチ軸と称される。マニピュレーター30はまた、図9Aおよび9Bで矢印58によって示されるように、第1の軸56に対し±90゜より大きい、好ましくは、第1の軸56に対し±95゜より大きい改良された範囲のシャフト36移動を提供する。代表的には、片持ちされた平行四辺形連結ベース42は、旋回点66の周りのシャフト36移動を、第1の軸56に対して±168゜からの範囲に束縛する。
【0036】
さらに、論議された先行技術と同様に、偏揺れ軸56、ピッチ軸(頁に垂直である)、および挿入軸74はすべて、器具32のシャフト36に沿って整列される遠隔中心66で互いと交差する。それ故、器具32は、回転の遠隔中心66がマニピュレーター30の取り付けベース40(セットアップアーム30への取り付け点)に対して間隔をあけて固定されたままである間に、矢印58および72によって示されるように所望の角度を通って旋回して回転され得る。これ故、全体のマニピュレーター30は、一般に移動され、遠隔中心66を再位置決めする。器具32は、オフセット遠隔中心マニピュレーター30によって支持されるとき、挿入軸74に沿った器具のスライドする動きを含む、さらなる駆動される自由度を有することが認識される。
【0037】
偏揺れ軸56から第1の旋回軸48および平行四辺形64の第1の辺68を外す、新規でかつ改良されたオフセット関節連結アセンブリ30は、矢印72によって示されるように、第2の軸に対して旋回点66の周りの器具32の移動の範囲を有利に増大する。マニピュレーター30は、矢印58によって示されるように、第1の軸56に対する移動の増加した範囲をさらに可能にする。ピッチ軸および偏揺れ軸に沿った移動の改善された旋回範囲は、次に、このようなロボット手術システムの効率および使用の容易さを増大する。例えば、このロボット手術システムもの全体の複雑さは、システムの改良された範囲の移動に起因して減少され得る。詳細には、セットアップジョイント/アームにおける自由度の数は、低減され得る(例えば、6より少ない自由度)。これは、セットアップジョイントのより少ない予備形態を必要とするより単純なシステムプラットホームを可能にする。従って、通常の手術室作業者は、特殊な訓練をほとんどなく、またそれなくして手術のためのロボットシステムを迅速に整列および準備し得る。
【0038】
複数のリンクは、オフセット偏揺れリンク42、低下垂直リンク44、および主屈曲リンク46を備える。この主リンク46は、垂直リンク44が主屈曲リンク46上に静止するための間隔を提供するように所定角度で屈曲される。この間隔は、垂直リンク44と主屈曲リンク46との間の連結間衝突を防ぐ。例えば、主リンク46は、約22゜の角度で屈曲し得、図8A、8B、および9Dに示されるように、ピッチダイブ72に亘る間隔を可能にする。このような実施形態では、主屈曲リンク46および垂直リンク44ならびに器具ホルダー34は、同じ平面中に位置される。しかし、主リンク46および垂直リンク44は、それに代わって異なる平面(すなわち、横に並んで配置される)でオフセットされ得、屈曲する主リンク46の代わりに連結間衝突を減少する。垂直リンク44旋回軸48は、上記で論議されたように、オフセット平行四辺形64を提供するように、偏揺れ軸56に対してより低い。この偏揺れ軸42は、図9B〜9Dに最も良く観察されるように、リンク44、46からオフセットされる。リンク42およびリンク44、46は同じ平面にないが、むしろ、リンク42と、リンク44、46との間の連結間衝突の可能性を減少するように並んでオフセットされる。
【0039】
回転する旋回軸ジョイント48、50、52、54によって一緒に連結される剛直性リンク42、44、46の少なくとも1つは、少なくとも1つの自由度で完全に平衡されていない。従って、ブレーキシステムは、関節連結アセンブリ30に連結され得る。このブレーキシステムは、ジョイント48、50、52、54の少なくとも1つの関節運動を離脱可能に阻害する。このオフセット遠隔中心マニピュレーター30は、連結が任意の対抗平衡化重量がないとき、より軽いシステムを備え得る。従って、リンク42、44、46は、好ましくは、より軽いマニピュレーター30にともなう任意の振動問題を支持するように十分に剛直性であり、そして堅い構造を備え得る。このオフセット遠隔中心マニピュレーター30は、必要に応じて、重量、張力スプリング、ガススプリング、圧縮スプリング、空気または水力シリンダー、トルクモーター、またはそれらの組み合わせによって平衡され得る。
【0040】
図6B、7B、および8Bを戻って参照して、オフセット遠隔中心マニピュレーター30は、好ましくは、6つのプーリー76、78a、78b、80、82a、82b、およびこれらプーリー76、78a、78b、80、82a、82bに連結され、回転の中心66に対してシャフト36の運動を束縛するような形態である4つの可撓性要素84a、84b、86a、86bを含み得る。リンク42および46は、2つのプーリー76、78a上で動く可撓性要素84a、84bによって互いに対して回転することから維持され、1つのプーリー76はリンク42に固定され、そして1つのプーリー78aはリンク46に固定される。リンク44および34は、同様に、残りの4つのプーリー78b、80、82a、82b上で動く可撓性要素86a、86bによって互いに対する回転から維持され、1つのプーリー78bはリンク44に固定され、1つのプーリー80はリンク34に固定され、そしてアイドラープーリー82a、82bは、主屈曲リンク46の周りに可撓性要素86a、86bを得る。これ故、リンク42および46は、転位し得るが、互いに対して回転せず、平行四辺形形状64を維持する。同様に、リンク44および34は転位し得るが、互いに対して回転せず、平行四辺形形状64を維持する。タームプーリー76、78a、78b、80、82a、82bが、ホイール、ギア、スプロケットなどを含み得ることが認識され得る。
【0041】
可撓性要素84a、84b、86a、86bは、プーリー76、78a、78b、80、82a、82bの周りで連結されるベルト、チェーン、またはケーブルを含み得る。好ましくは、これら可撓性要素は、約800ポンドの破壊強度有し、そして約1/4インチ幅でいるステンレス鋼ベルトのような、複数層金属ベルトを備える。これらベルトは、少なくとも3つの層、好ましくは5つの層を利用する多層であり、これらプーリーの周りで繰り返し屈曲するとき疲労しないようなお十分に薄く、適切な張力負荷を運ぶに十分に強い。プーリー76および78aは、ほぼ同じ直径、例えば、2.2インチを有する。より小さいプーリー78bおよび80は、ほぼ同じ直径、例えば、1.8インチを有する。主リンク46の屈曲には2つのアイドラープーリー82a、82bがあり、ベルト端部の取り付けがより化頑丈であることを可能にするように反対の方向にあるベルト86a、86bの運動を容易にする。非連続オフセットベルト84a、84bおよび86a、86bの採用は、特に、取り付け点におけるストレス減少を提供し、それ故、失敗を最小にする。さらに、非連続ベルトは、便利な張力および位置調節を可能にする。ベルト84a、84bおよびベルト86a、86bが必要に応じて連続的単一ベルトを備え得ることがさらに認識される。さらに、金属ベルトが、マニピュレーターアームに沿って電気的信号を運ぶ平坦な曲げケーブルに軽く連結され得る。
【0042】
オフセット関節連結アセンブリ30は、一連のモーターによって駆動される。モーターは、複数のリンク内に位置され得、プーリーおよびベルト機構を駆動する。好ましくは、大部分のモーターは、低下垂直リンク44中に収容される。特に、スパーギアおよび調和ドライブを通じリンク42に対してピッチ軸72回転リンク44を駆動するモーターおよび器具作動ケーブル(例えば、スプリングで張られ得るリスト駆動ケーブル)を動かすモーターは、リンク44内に収容され得る。垂直リンク44、主屈曲リンク46、および器具ホルダーの同一平面内の配置が、作動ケーブルを動かすモーターがリンク44中に収容されるので有利である。さらに、同一平面内にある垂直リンク44、主屈曲リンク46、および器具ホルダーをもつことは、マニピュレーター30の遠位端におけるスペース最小化を可能にし、これは、閉じ込められた作動環境で最小侵襲的ロボット手術を実施するとき顕著に重要である。偏揺れ軸58を駆動するモーターは、取り付けベース40中に収容され得る。
【0043】
特定の例示の実施形態および方法が、理解の明瞭さ、および例により、ある程度詳細に記載されているが、先行する開示から、このような実施形態および方法のバリエーション、改変、変更、および適合が、本発明の思想および範囲から逸脱することなくなされ得ることは当業者に明らかである。従って、上記の記載は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を制限するとして考慮すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図8-1】
図8-2】
図9-1】
図9-2】
図9-3】
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