特許第5649168号(P5649168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5649168異種のコグニティブ無線システムを共存させるためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649168
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】異種のコグニティブ無線システムを共存させるためのシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20141211BHJP
【FI】
   H04W16/14
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2010-202128(P2010-202128)
(22)【出願日】2010年9月9日
(65)【公開番号】特開2012-60455(P2012-60455A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2013年8月23日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)総務省委託「電波資源拡大のための研究開発」の一環、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】独立行政法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリン スタニスラフ
(72)【発明者】
【氏名】ラハマン モハメッド アジイズル
(72)【発明者】
【氏名】バイカッシュ トンチェア
(72)【発明者】
【氏名】原田 博司
【審査官】 久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−178225(JP,A)
【文献】 Junyi WANG、外7名,Beamforming based coexistence algorithm for coupled heterogeneous networks on TVWS,電子情報通信学会技術研究報告,社団法人電子情報通信学会,2010年 8月19日,Vol.110, No.175,pp.159-163
【文献】 Chen SUN、外3名,Coexistence manager of heterogeneous TVWS networks,電子情報通信学会技術研究報告,社団法人電子情報通信学会,2010年 2月24日,Vol.109, No.442,pp.69-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムの存在情報の登録を受け付け、かつ、該情報の提供を行う第1のサーバと、
第1のコグニティブ無線システムに属する再構成可能な第1の無線機から該第1の無線機の構成情報である第1の構成情報を取得可能に、かつ、該第1の構成情報を外部に出力可能に、かつ、前記第1の無線機を再構成するためのコマンドである第1の再構成コマンドを受け付け可能に構成され、受け付けられた該第1の再構成コマンドにより前記第1の無線機を再構成することを該第1の無線機に要求する、前記第1のコグニティブ無線システムに属する第1の付加機器と、
第2のコグニティブ無線システムに属する再構成可能な第2の無線機から該第2の無線機の構成情報である第2の構成情報を取得可能に、かつ、該第2の構成情報を外部に出力可能に、かつ、前記第2の無線機を再構成するためのコマンドである第2の再構成コマンドを受け付け可能に構成され、受け付けられた該第2の再構成コマンドにより前記第2の無線機を再構成することを該第2の無線機に要求する、前記第2のコグニティブ無線システムに属する第2の付加機器と、
前記第1のコグニティブ無線システムの存在を示す第1の存在情報を前記第1のサーバに登録可能に、かつ、該第1のコグニティブ無線システムと前記第2のコグニティブ無線システムとが互いに共存対応を必要とすべき関係であるとき、前記第1のサーバに登録された、前記第2のコグニティブ無線システムの存在を示す第2の存在情報を前記第1のサーバから取得可能に、かつ、前記第1の付加機器が出力した前記第1の構成情報を受け取り可能に構成された、前記第1のコグニティブ無線システムに属する第1の管理機器と、
前記第2の存在情報を前記第1のサーバに登録可能に、かつ、前記第2のコグニティブ無線システムと前記第1のコグニティブ無線システムとが互いに共存対応を必要とすべき関係であるとき、前記第1のサーバから前記第1の存在情報を取得可能に、かつ、前記第2の付加機器が出力した前記第2の構成情報を受け取り可能に構成された、前記第2のコグニティブ無線システムに属する第2の管理機器と、
前記第1の管理機器および前記第2の管理機器と通信可能な第2のサーバと、を具備し、
前記第1の管理機器が、前記第2の存在情報に基づいて前記第2の管理機器との間で前記第2のサーバを経由して情報交換を行って該第2の管理機器から前記第2の構成情報を得、かつ、ホワイトスペースに関する情報を保持しかつ該情報の提供を行うデータベースから、前記第1のコグニティブ無線システムに関してのホワイトスペースに関する情報である第1のホワイトスペース情報の提供を受け、かつ、前記第2の構成情報、前記第1のホワイトスペース情報、および前記第1の構成情報に基づいて、前記第1の再構成コマンドを生成して、該第1の再構成コマンドを前記第1の付加機器に渡し、
前記第2の管理機器が、前記第1の存在情報に基づいて前記第1の管理機器との間で前記第2のサーバを経由して情報交換を行って該第1の管理機器から前記第1の構成情報を得、かつ、前記データベースから、前記第2のコグニティブ無線システムに関してのホワイトスペースに関する情報である第2のホワイトスペース情報の提供を受け、かつ、前記第1の構成情報、前記第2のホワイトスペース情報、および前記第2の構成情報に基づいて、前記第2の再構成コマンドを生成して、該第2の再構成コマンドを前記第2の付加機器に渡し、
前記第1の付加機器と前記第1の管理機器との間に設けられた、前記第1の付加機器から前記第1の管理機器へ前記第1の構成情報を伝送させ、かつ、前記第1の管理機器から前記第1の付加機器へ前記第1の再構成コマンドを伝送させる第1のインターフェースと、
前記第2の付加機器と前記第2の管理機器との間に設けられた、前記第2の付加機器から前記第2の管理機器へ前記第2の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2の管理機器から前記第2の付加機器へ前記第2の再構成コマンドを伝送させる第2のインターフェースと、
前記第1の管理機器と前記第1のサーバとの間に設けられた、前記第1の管理機器から前記第1のサーバへ前記第1の存在情報を伝送させ、かつ、前記第1のサーバから前記第1の管理機器へ前記第2の存在情報を伝送させる第3のインターフェースと、
前記第2の管理機器と前記第1のサーバとの間に設けられた、前記第2の管理機器から前記第1のサーバへ前記第2の存在情報を伝送させ、かつ、前記第1のサーバから前記第2の管理機器へ前記第1の存在情報を伝送させる第4のインターフェースと、
前記第1の管理機器と前記第2のサーバとの間に設けられた、前記第1の管理機器から前記第2のサーバへ前記第1の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2のサーバから前記第1の管理機器へ前記第2の構成情報を伝送させる第5のインターフェースと、
前記第2の管理機器と前記第2のサーバとの間に設けられた、前記第2の管理機器から前記第2のサーバへ前記第2の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2のサーバから前記第2の管理機器へ前記第1の構成情報を伝送させる第6のインターフェースと、をさらに具備す
種のコグニティブ無線システムを共存させるためのシステム。
【請求項2】
第1のコグニティブ無線システムに属する再構成可能な第3の無線機から該第3の無線機の構成情報である第3の構成情報を取得可能に、かつ、該第3の構成情報を外部に出力可能に、かつ、前記第3の無線機を再構成するためのコマンドである第3の再構成コマンドを受け付け可能に構成され、受け付けられた該第3の再構成コマンドにより前記第3の無線機を再構成することを該第3の無線機に要求する、前記第1のコグニティブ無線システムに属する第3の付加機器をさらに具備し、
前記第1の管理機器が、さらに、前記第2の構成情報、前記第1のホワイトスペース情報、および前記第3の構成情報に基づいて、前記第3の再構成コマンドを生成して、該第3の再構成コマンドを前記第3の付加機器に渡し、
前記第2の管理機器が、前記第1の存在情報に基づいて前記第1の管理機器と情報交換を行って該第1の管理機器からさらに前記第3の構成情報を得、
前記第2の管理機器が、前記第1の構成情報、前記第3の構成情報、前記第2のホワイトスペース情報、および前記第2の構成情報に基づいて、前記第2の再構成コマンドを生成して、該第2の再構成コマンドを前記第1の付加機器に渡し、
前記第3の付加機器と前記第1の管理機器との間に設けられた、前記第3の付加機器から前記第1の管理機器へ前記第3の構成情報を伝送させ、かつ、前記第1の管理機器から前記第3の付加機器へ前記第3の再構成コマンドを伝送させる第7のインターフェースをさらに具備する
請求項1記載のシステム
【請求項3】
前記第1の付加機器と前記第1の無線機との間に設けられた、前記第1の無線機から前記第1の付加機器へ前記第1の構成情報を伝送させ、かつ、前記第1の付加機器から前記第1の無線機へ前記第1の再構成コマンドを伝送させる第8のインターフェースと、
前記第2の付加機器と前記第2の無線機との間に設けられた、前記第2の無線機から前記第2の付加機器へ前記第2の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2の付加機器から前記第2の無線機へ前記第2の再構成コマンドを伝送させる第9のインターフェースと、をさらに具備し、
前記第1のインターフェースが、前記第1の付加機器の側に設けられた部分と、前記第1の管理機器の側に設けられた部分とを有し、
前記第2のインターフェースが、前記第2の付加機器の側に設けられた部分と、前記第2の管理機器の側に設けられた部分とを有する
請求項1記載のシステム
【請求項4】
前記第1のインターフェースが、前記第1の付加機器の側に設けられた部分と、前記第1の管理機器の側に設けられた部分とを有し、
前記第2のインターフェースが、前記第2の付加機器の側に設けられた部分と、前記第2の管理機器の側に設けられた部分とを有し、
前記第3のインターフェースが、前記第1の管理機器の側に設けられた部分と、前記第1のサーバの側に設けられた部分とを有し、
前記第4のインターフェースが、前記第2の管理機器の側に設けられた部分と、前記第1のサーバの側に設けられた部分とを有する
請求項1記載のシステム
【請求項5】
第3のコグニティブ無線システムに属する再構成可能な第4の無線機から該第4の無線機の構成情報である第4の構成情報を取得可能に、かつ、該第4の構成情報を外部に出力可能に、かつ、前記第4の無線機を再構成するためのコマンドである第4の再構成コマンドを受け付け可能に構成され、受け付けられた該第4の再構成コマンドにより前記第4の無線機を再構成することを該第4の無線機に要求する、前記第3のコグニティブ無線システムに属する第4の付加機器と、
前記第3のコグニティブ無線システムの存在を示す第3の存在情報を前記第1のサーバに登録可能に、かつ、該第3のコグニティブ無線システムと前記第1のコグニティブ無線システムとが互いに共存対応を必要とすべき関係であるとき、前記第1のサーバから前記第1の存在情報を取得可能に、かつ、前記第4の付加機器が出力した前記第4の構成情報を受け取り可能に構成された、前記第3のコグニティブ無線システムに属する第3の管理機器と、さらに具備し、
前記第1の管理機器が、さらに、前記第1のコグニティブ無線システムと前記第3のコグニティブ無線システムとが互いに共存対応を必要とすべき関係であるとき、前記第1のサーバに登録された前記第3の存在情報を前記第1のサーバから取得可能に構成されており、
前記第1の管理機器が、さらに、前記第3の存在情報に基づいて前記第3の管理機器と情報交換を行って該第3の管理機器から前記第4の構成情報を得、
前記第1の管理機器が、前記第2の構成情報、前記第1のホワイトスペース情報、前記第1の構成情報、および前記第4の構成情報に基づいて、前記第1の再構成コマンドを生成して、該第1の再構成コマンドを前記第1の付加機器に渡し、
前記第3の管理機器が、前記第1の存在情報に基づいて前記第1の管理機器と情報交換を行って該第1の管理機器から前記第1の構成情報を得、かつ、前記データベースから、前記第3のコグニティブ無線システムに関してのホワイトスペースに関する情報である第3のホワイトスペース情報の提供を受け、かつ、前記第1の構成情報、前記第3のホワイトスペース情報、前記第4の構成情報に基づいて、前記第4の再構成コマンドを生成して、該第4の再構成コマンドを前記第2の付加機器に渡す
請求項1記載のシステム
【請求項6】
前記第1の管理機器と前記第2の管理機器との間に設けられた、前記第1の管理機器から前記第2の管理機器へ前記第1の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2の管理機器から前記第1の管理機器へ前記第2の構成情報を伝送させる第10のインターフェースをさらに具備する請求項1記載のシステム
【請求項7】
前記第1の管理機器が、前記データベースに直接に接続して、前記第1のホワイトスペース情報を前記データベースから直に提供され、
前記第2の管理機器が、前記データベースに直接に接続して、前記第2のホワイトスペース情報を前記データベースから直に提供される
請求項1記載のシステム
【請求項8】
前記第1の管理機器と前記データベースとの間に設けられた、前記データベースから前記第1の管理機器へ前記第1のホワイトスペース情報を伝送させる第11のインターフェースと、
前記第2の管理機器と前記データベースとの間に設けられた、前記データベースから前記第2の管理機器へ前記第2のホワイトスペース情報を伝送させる第12のインターフェースと
をさらに具備する請求項7記載のシステム
【請求項9】
前記第3の管理機器が、前記データベースに直接に接続して、前記第3のホワイトスペース情報を前記データベースから直に提供される請求項5記載のシステム
【請求項10】
前記第11のインターフェースが、前記第1の管理機器の側に設けられた部分と、前記データベースの側に設けられた部分とを有し、
前記第12のインターフェースが、前記第2の管理機器の側に設けられた部分と、前記データベースの側に設けられた部分とを有する
請求項8記載のシステム
【請求項11】
前記第3のインターフェースが、前記第1の管理機器の側に設けられた部分と、前記サーバの側に設けられた部分とを有し、
前記第4のインターフェースが、前記第2の管理機器の側に設けられた部分と、前記サーバの側に設けられた部分とを有する
請求項1記載のシステム
【請求項12】
前記第5のインターフェースが、前記第1の管理機器の側に設けられた部分と、前記第2のサーバの側に設けられた部分とを有し、
前記第6のインターフェースが、前記第2の管理機器の側に設けられた部分と、前記第2のサーバの側に設けられた部分とを有する
請求項1記載のシステム
【請求項13】
前記第2のサーバが、さらに、前記データベースと通信可能であり、
前記第1の管理機器が、前記データベースから前記第1のホワイトスペース情報を前記第2のサーバを経由して提供され、
前記第2の管理機器が、前記データベースから前記第2のホワイトスペース情報を前記第2のサーバを経由して提供される
請求項1記載のシステム
【請求項14】
前記第2のサーバと前記データベースとの間に設けられた、前記第1のホワイトスペース情報および前記第2のホワイトスペース情報を該データベースから該第2のサーバに伝送させる第13のインターフェースをさらに具備する請求項13記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトスペース周波数帯における、異種のコグニティブ無線システムを共存させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ホワイトスペース周波数帯における動作を目指したいくつかのタイプのコグニティブ無線システムが開発の途上にある。例として、ECMA 392、IEEE 802.22、IEEE 802.11afがある。それらが供用されればすぐにこの発明を応用することができ、そしてこれらのシステムの共存が可能になる。
【0003】
無線通信において、スペクトラムは非常に限られた資源である。FCC(米連邦通信委員会)の測定では、多くの免許周波数帯において、90%の時間、使われていないことが示されている(文献1:FCC Spectrum Policy Task Force, “Report of the Spectrum Efficiency Working Group”, Nov. 2002, http://www.fcc.gov/sptf/files/SEWGFinalReport_1.pdf.)。このことは、無線システムに、一時的に不使用のスペクトラムを検出して使用する好機を提供する。このような機会の利用を可能にするためには、2つの必要条件が満たされるべきことになろう。1)無線システムが、一時的に不使用のスペクトラム部分を検出し使用する能力をもつ。2)無線規則が、無線システムに、その一時的に不使用のスペクトラム部分で動作することを許可する。
【0004】
第1の必要条件は、現状の無線通信技術、特にコグニティブ無線システムを使うことで満足され得る。コグニティブ無線システムは、“システムに、その動作のおよび地理的な環境の認知、確立された方法の認知、および内部状態の認知を取得せしめ、あらかじめ定められた目的を達成するために、その動作パラメータとプロトコルとをその取得された認知に従い、動的にかつ自律的に変化せしめ、そして得られた結果から学習せしめる技術を採用した無線システム”と定義される(文献2:Definitions of Software Defined Radio (SDR) and Cognitive Radio System (CRS), Report ITU-R SM.2152, September 2009.)。
【0005】
上記定義から分かるように、コブニティブ無線システムは動作環境の認知を得ることができる。このことは、一時的に使用されていない、免許周波数帯の部分について認知を得ることを含む。また、このことは、確立された方法、すなわち、これらの一時的に不使用のスペクトラム部分で動作するために従わなければならない無線規則の認知を得ることを含む。
【0006】
コグニティブ無線システムは、また、その動作パラメータおよびプロトコルを動的にかつ自律的に調整することができる。このことは、以下の動作パラメータ:送信電力、動作周波数と帯域幅、変調タイプ、無線アクセス技術、を変化させる能力を含む。動作パラメータのこのリストは、コグニティブ無線システムが、検知された不使用スペクトラムを利用することに融通性高くかつ効率的に順応し得ることを意味する。
【0007】
第2の必要条件は、現在、いくつかの国で満足されている。“TV放送帯における免許外動作事項における第2の報告と命令”がFCCによって2008年11月に発行された(文献3:FCC 08-260, “Second Report and Order in the Matter of Unlicensed Operation in the TV Broadcast Bands”, Nov. 14, 2008.)。米国市場を統制するこの文書は、可搬性のデバイスのため、TVホワイトスペースにおける二次的な動作を容認する。現状、ほかの国々、例えば、連合王国、カナダ、シンガポール、欧州のいくつかの国が同様の行動を考慮中である。
【0008】
無線規則がコグニティブ無線システムに一時的不使用のこれらの周波数帯部分で動作することを容認している周波数帯は、典型的に、“ホワイトスペース周波数帯”と呼ばれる。ここで、“ホワイトスペース”という言葉は、一時的不使用の周波数帯部分を言っている。これらの周波数帯が割り当てられる無線システムは、“一次的無線システム”あるいは“一次ユーザ”と呼ばれる。これらの周波数帯のホワイトスペースで動作するコグニティブ無線システムは“二次的無線システム”または“二次ユーザ”と呼ばれる。米国無線規則(文献3)を例として用いて、TV放送システムは一次ユーザである一方、コグニティブ無線システムは二次ユーザである。この例において、ホワイトスペース周波数帯は、TV周波数帯におけるいくつかのチャンネルに制限されている。
【0009】
免許帯で動作する無線システムの定例の機能性(ユーザトラフィックの受け渡し)に加わって、ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムは、2つの付加的機能、1)一次ユーザ保護、2)ほかの2次ユーザとの共存、を持つことになろう。
【0010】
第1の機能は、無線規則で要求されるように典型的に義務的である。理由は、コグニティブ無線システムは二次ユーザとして動作することである。このことは、それが、ホワイトスペース周波数帯の一時的不使用の部分(ホワイトスペース)でのみ動作が許されていることを意味する。
【0011】
第1に、コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースを検出すること、および、このスペクトラム部分が、与えられた場所、時間においてどの一次ユーザにもその動作のために必要とはされないと保証することを可能としよう。これは、種々の方法でなされ得、典型的には、ホワイトスペースデータベースアクセスとスペクトラムセンシングとの組み合わせによってなされる。動作を始める前に、コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースデータベースに、例えばインターネット接続を用い、アクセスする。コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースデータベースに要求を送る。ホワイトスペースデータベースでは、このような要求はそのコグニティブ無線システムの位置を示している。ホワイトスペースデータベースは、そのコグニティブ無線システムに、このコグニティブ無線システムのその位置で、現状不使用のスペクトラム部分(ホワイトスペース)を示す応答を返す。コグニティブ無線システムがホワイトスペースデータベースから応答を受けたあと、それは、ホワイトスペースデータベースによって示されたホワイトスペースのどこかでの動作の開始を決めることができる。しかしながら、動作を始める前に、コグニティブ無線システムは、典型的に、動作を始めようとするそのホワイトスペースでスペクトラムセンシングを行うであろう。仮にスペクトラムセンシングの結果が、どの一次ユーザもこれらのホワイトスペースに検出されないことを示すなら、コグニティブ無線システムはこれらのホワイトスペースでの動作開始を許される。
【0012】
第2に、コグニティブ無線システムは、それがその動作のため使うホワイトスペースにおける一次ユーザの動作を検出することを可能としよう。仮に一次ユーザがホワイトスペースで検出されたら、コグニティブ無線システムは、そのホワイトスペースでのその動作を直ちにやめる必要がある。この一次ユーザ検出もまた、典型的に、ホワイトスペースデータベースアクセスとスペクトラムセンシングとの組み合わせによりなされる。コグニティブ無線システムは、時間を置いてホワイトスペースデータベースにアクセスし、時間を置いてスペクトラムセンシングを行う。
【0013】
2番目の機能、すなわち、ほかのコグニティブ無線システムとの共存は、無線規則では要求されない。この機能を持つことの理由は、以下のようである。ホワイトスペースは、ひとつの特定のコグニティブ無線システムに排他的に割り当てられていない。一次ユーザ保護のための無線規則を満足するどのコグニティブ無線システムもホワイトスペースを使うことができる。その結果、1つ以上のコグニティブ無線システムがその動作のため同じホワイトスペースを選択できる。このような場合、同じホワイトスペースで動作するいくつかのコグニティブ無線システムは、パフォーマンス低下やあるいは動作継続不能にさえ至る、互いへの妨害を発生する可能性がある。コグニティブ無線システムにこのような状況を回避させる仕組みは、“共存の仕組み”と呼ばれる。
【0014】
共存の仕組みは、2つのグループ、1)同種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組み、2)異種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組み、にカテゴリー化され得る。
【0015】
第1グループの共存の仕組みは、“自己共存の仕組み”とも呼ばれる、同種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組みである。同種のコグニティブ無線システムは、同じ無線通信規格に従う動作のコグニティブ無線システムを意味する。ホワイトスペース周波数帯で動作が可能な無線システムを定義する無線通信規格の例は、IEEE 802.22、IEEE 802.11af、ECMA 392である。典型的には、自己共存の仕組みは、無線通信規格に組み入れられる。この結果、この規格に従い動作するコグニティブ無線システムによって使用され得る。
【0016】
特許文献1は、フレームの自己共存窓部分および共存ビーコンプロトコルに基づき、802.22無線システムの、異なる基地局の共存を可能にする方法を記載する。
【0017】
特許文献2は、送信電力制御、動的な周波数選択、およびオンデマンドスペクトラムコンテンションに基づき、異なる802.22基地局の共存を可能にする方法を記載する。この方法は、協調的な共存方法を実現する。異なる基地局が、ブリッジカスタマプレミス機器を介してまたはバックホール接続を介して、互いの共存のため必要とされる情報の交換を行う。
【0018】
自己共存の仕組みは、同じ無線通信規格に従い動作するコグニティブ無線システムでの、共存の課題を解決する種々の仕組みを提供する。しかしながら、このような仕組みは、異なる無線通信規格に従い動作するコグニティブ無線システムでの、その共存の課題を解決するためには使用され得ない。
【0019】
特許文献3は、周波数帯で分かれた異種の無線デバイス(異なる通信規格に従いトラフィックを送受する無線デバイス)の共存を可能にするシステムと方法を記載する。この方法は、次の5つのステップを有する。1)分かれた周波数帯における無線周波数エネルギを監視する。2)パフォーマンスに劣化があるときを決定する。3)この劣化が妨害信号で引き起こされるかどうか決定する。4)監視結果に基づき、妨害信号を分類する。5)いかにして劣化を小さくすることに順応するかの勧告を発する。そのシステムは、無線デバイスとこの無線デバイスに結合された計算デバイスとを有する。
【0020】
特許文献3の方法およびシステムは、非協調/自律的な共存解決を実現する。このことは、コグニティブ無線システムのそれぞれは、共存の課題をいかに解決するかについて独立した決定を下すことを意味する。
【0021】
特許文献4は、免許された帯域での異なる無線システム(異なる通信規格に従うトラフィックの送受を行う無線システム)の共存を可能にする方法を記載する。その方法は、異なる無線システムが同じ分け与えられた放送チャンネルを使用して、互いの共存に必要な情報を交換し、協調的な共存解決を可能にする。このような情報には、搬送周波数、帯域幅、特定の無線システムによるトラフィック送信で使われる通信規格、デューティーサイクル、送信電力などを含むことができる。この情報は、ひとつの無線システムで使用されて、別の無線システムからの(への)妨害を小さくする。
【0022】
特許文献4の方法は、協調的共存解決を実現する。それは、自律的共存解決のみを実現する特許文献3の方法より、よい結果を得ることになろう。しかしながら、特許文献4の方法は、次の不利益がある。共存に必要な情報を交換するため使用される、分け与えられた放送チャンネルは、幾分かのスペクトラムを消費する。それは、ユーザのトラフィック送信に使われ得る。また、そのようなスペクトラムは、いつも使えるわけではない。最後に、特許文献4の方法は、すべてのコグニティブ無線システムが、その分け与えられた放送チャンネルのフォーマットをサポートすることができるソフトウエアとハードウエアとを持つことを要求される。それは、コグニティブ無線システムにおける無線機器のコスト増の結果を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許出願公開2010/0008297号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開2008/0089279号明細書
【特許文献3】米国特許第7424268号明細書
【特許文献4】米国特許第7480490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、ホワイトスペース周波数帯において、異種のコグニティブ無線システム(異なる無線通信規格に従うトラフィックを送信および受信する無線システム)を共存させるための向上した解決策を有し、これによりスペクトラム利用の効率を向上した、異種のコグニティブ無線システムを共存させるためのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である、異種のコグニティブ無線システムを共存させるためのシステムは、ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムの存在情報の登録を受け付け、かつ、該情報の提供を行う第1のサーバと、第1のコグニティブ無線システムに属する再構成可能な第1の無線機から該第1の無線機の構成情報である第1の構成情報を取得可能に、かつ、該第1の構成情報を外部に出力可能に、かつ、前記第1の無線機を再構成するためのコマンドである第1の再構成コマンドを受け付け可能に構成され、受け付けられた該第1の再構成コマンドにより前記第1の無線機を再構成することを該第1の無線機に要求する、前記第1のコグニティブ無線システムに属する第1の付加機器と、第2のコグニティブ無線システムに属する再構成可能な第2の無線機から該第2の無線機の構成情報である第2の構成情報を取得可能に、かつ、該第2の構成情報を外部に出力可能に、かつ、前記第2の無線機を再構成するためのコマンドである第2の再構成コマンドを受け付け可能に構成され、受け付けられた該第2の再構成コマンドにより前記第2の無線機を再構成することを該第2の無線機に要求する、前記第2のコグニティブ無線システムに属する第2の付加機器と、前記第1のコグニティブ無線システムの存在を示す第1の存在情報を前記第1のサーバに登録可能に、かつ、該第1のコグニティブ無線システムと前記第2のコグニティブ無線システムとが互いに共存対応を必要とすべき関係であるとき、前記第1のサーバに登録された、前記第2のコグニティブ無線システムの存在を示す第2の存在情報を前記第1のサーバから取得可能に、かつ、前記第1の付加機器が出力した前記第1の構成情報を受け取り可能に構成された、前記第1のコグニティブ無線システムに属する第1の管理機器と、前記第2の存在情報を前記第1のサーバに登録可能に、かつ、前記第2のコグニティブ無線システムと前記第1のコグニティブ無線システムとが互いに共存対応を必要とすべき関係であるとき、前記第1のサーバから前記第1の存在情報を取得可能に、かつ、前記第2の付加機器が出力した前記第2の構成情報を受け取り可能に構成された、前記第2のコグニティブ無線システムに属する第2の管理機器と、前記第1の管理機器および前記第2の管理機器と通信可能な第2のサーバと、を具備し、前記第1の管理機器が、前記第2の存在情報に基づいて前記第2の管理機器との間で前記第2のサーバを経由して情報交換を行って該第2の管理機器から前記第2の構成情報を得、かつ、ホワイトスペースに関する情報を保持しかつ該情報の提供を行うデータベースから、前記第1のコグニティブ無線システムに関してのホワイトスペースに関する情報である第1のホワイトスペース情報の提供を受け、かつ、前記第2の構成情報、前記第1のホワイトスペース情報、および前記第1の構成情報に基づいて、前記第1の再構成コマンドを生成して、該第1の再構成コマンドを前記第1の付加機器に渡し、前記第2の管理機器が、前記第1の存在情報に基づいて前記第1の管理機器との間で前記第2のサーバを経由して情報交換を行って該第1の管理機器から前記第1の構成情報を得、かつ、前記データベースから、前記第2のコグニティブ無線システムに関してのホワイトスペースに関する情報である第2のホワイトスペース情報の提供を受け、かつ、前記第1の構成情報、前記第2のホワイトスペース情報、および前記第2の構成情報に基づいて、前記第2の再構成コマンドを生成して、該第2の再構成コマンドを前記第2の付加機器に渡し、前記第1の付加機器と前記第1の管理機器との間に設けられた、前記第1の付加機器から前記第1の管理機器へ前記第1の構成情報を伝送させ、かつ、前記第1の管理機器から前記第1の付加機器へ前記第1の再構成コマンドを伝送させる第1のインターフェースと、前記第2の付加機器と前記第2の管理機器との間に設けられた、前記第2の付加機器から前記第2の管理機器へ前記第2の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2の管理機器から前記第2の付加機器へ前記第2の再構成コマンドを伝送させる第2のインターフェースと、前記第1の管理機器と前記第1のサーバとの間に設けられた、前記第1の管理機器から前記第1のサーバへ前記第1の存在情報を伝送させ、かつ、前記第1のサーバから前記第1の管理機器へ前記第2の存在情報を伝送させる第3のインターフェースと、前記第2の管理機器と前記第1のサーバとの間に設けられた、前記第2の管理機器から前記第1のサーバへ前記第2の存在情報を伝送させ、かつ、前記第1のサーバから前記第2の管理機器へ前記第1の存在情報を伝送させる第4のインターフェースと、前記第1の管理機器と前記第2のサーバとの間に設けられた、前記第1の管理機器から前記第2のサーバへ前記第1の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2のサーバから前記第1の管理機器へ前記第2の構成情報を伝送させる第5のインターフェースと、前記第2の管理機器と前記第2のサーバとの間に設けられた、前記第2の管理機器から前記第2のサーバへ前記第2の構成情報を伝送させ、かつ、前記第2のサーバから前記第2の管理機器へ前記第1の構成情報を伝送させる第6のインターフェースと、をさらに具備す
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ホワイトスペース周波数帯において、異種のコグニティブ無線システムを共存させるための向上した解決策を有し、これによりスペクトラム利用の効率を向上した、異種のコグニティブ無線システムを共存させるためのシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】互いに共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する異種のコグニティブ無線システムの展開例を示す配置図。
図2】共存させるためのシステムを示す構成図。
図3】共存実現器の参照モデルを示す図。
図4】共存マネージャ、共存発見サーバ、および共存情報サーバの参照モデルを示す図。
図5】互いに共存を必要とすべき、2つのコグニティブ無線システムCRS1、CRS2による、共存させるためのシステムの展開シナリオを示す相関図。
図6図2中に示したインターフェースAの例示的な参照モデルを示す図。
図7図2中に示したインターフェースB1の例示的な参照モデルを示す図。
図8図2中に示したインターフェースB2の例示的な参照モデルを示す図。
図9図2中に示したインターフェースB3の例示的な参照モデルを示す図。
図10図2中に示したインターフェースB4の例示的な参照モデルを示す図。
図11図2中に示したインターフェースCの、共存情報サーバを伴った例示的な参照モデルを示す図。
図12図2中に示したインターフェースCの、共存マネージャ(CM)を伴った例示的な参照モデルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、互いに共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する異種のコグニティブ無線システムの展開例を図解している。
【0029】
この例では、第1のコグニティブ無線システムCRS1が、2つの端末T11、T12と通信する第1の基地局BS11と、2つの端末T13、T14と通信する第2の基地局BS12とを有する。第2のコグニティブ無線システムCRS2は、2つの端末T21、T22と通信するひとつの基地局BS21を有する。第3のコグニティブ無線システムCRS3は、2つの端末T31、T32と通信する基地局BS31を有する。
【0030】
また、この例では、第1のコグニティブ無線システムCRS1は、送受領域CA1を持ち、第2のコグニティブ無線システムCRS2は、送受領域CA2を持ち、第3のコグニティブ無線システムCRS3は、送受領域CA3を持つ。
【0031】
送受領域は、無線システムがそのユーザにサービスを提供できる領域である。これは、送受領域内にある端末で受信される基地局からの信号強度が信頼性のある受信ができるぐらいに高く、また、基地局で受信される、送受領域内にある端末からの信号強度が信頼性のある受信ができるぐらいに高いことを意味する。
【0032】
この例では、コグニティブ無線システムCRS2の送受領域CA2は、その全体がコグニティブ無線システムCA1の送受領域CA1の中にある。これは、もしコグニティブ無線システムCRS1と同CRS2とがそれらの動作のため同じホワイトスペースを使うならば、それらが互いに妨害し合うことを意味する。このような状況を避けるため、それらは互いに共存すべきものであり、例えば、それらの動作のため異なるホワイトスペースを選択すればよい。同様に、コグニティブ無線システムCRS1と同CRS3とでは、それらの送受領域CA1と同CA3とが部分的に重なっており、よってそれらも互いに共存すべきものである。コグニティブ無線システムCRS2と同CRS3とでは、それらの送受領域CA2と同CA3とで互いに重なりがなく、よって互いに共存すべきものとはならない。
【0033】
要約すれば、この例では、コグニティブ無線システムCRS1は、コグニティブ無線システムCRS2および同CRS3と共存する必要がある一方、コグニティブ無線システムCRS2と同CRS3とは互いに共存する必要がない。
【0034】
この例は、実際的な状況における、ひとつの典型的な展開シナリオと考えられる。コグニティブ無線システムCRS1は、大きな送受領域を伴うIEEE 802.22システムとすることができ、コグニティブ無線システムCRS2および同CRS3は、それぞれ小さな送受領域を伴うIEEE 802.11afシステムとすることができる。
【0035】
ホワイトスペース周波数帯において、異種のコグニティブ無線システム間の共存を可能にするシステムは、例えば、図2に示される、共存させるためのシステム(以下、「共存システム」という)を用いて実施され得る。
【0036】
この共存システムは、4つの機器と6つのインターフェースとを有する。以下に説明する。
【0037】
この共存システムが有する機器は以下である。
・共存実現器(CE;付加機器;被管理機器;被管理サブシステム)2
・共存マネージャ(CM;管理機器;管理サブシステム)1
・共存発見サーバ(第1のサーバ;第1のサーバサブシステム)4
・共存情報サーバ(第3のサーバ;第3のサーバサブシステム)5
【0038】
この共存システムが有するインターフェースは以下である。
・CE2と再構成可能な無線機3とのインターフェースA
・CE2とCM1とのインターフェースB1
・CM1と共存発見サーバ4とのインターフェースB2
・CM1間のインターフェースB3
・CM1と共存情報サーバ5とのインターフェースB4
・TVホワイトスペースデータベース6(第2のサーバ)とCM1との間、またはTVホワイトスペースデータベース6と共存情報サーバ5との間のインターフェースC
【0039】
CE2は以下の機能を担う機器である。
・このCE2よりサービスを受ける再構成可能な無線機3から、共存に必要な情報を取得し、この情報をCM1に提供する。
・このCE2が位置するコグニティブ無線システムにサービス提供を行うCM1によってなされた共存のための決定に従い、上記の再構成可能な無線機3を再構成することを要求する。
ここで、再構成可能な無線機3は、ホワイトスペース周波数帯における無線通信を担っているコグニティブ無線システムの一部と理解する。例えば、基地局、端末、基地局と端末の組、基地局といくつかの端末との組、いくつかの基地局といくつかの端末の組、いくつかの端末、などである。
【0040】
CM1は以下の機能を担う機器である。
・このCM1によってサービスを受けるコグニティブ無線システムとの共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する近隣のコグニティブ無線システムの発見を行う。
・共存のための決定を行う。
・共存に必要な情報を、ほかのコグニティブ無線システムにサービス提供している別のCMとの間で交換する。
・TVホワイトスペースデータベース6から、共存に必要な情報を得る。
【0041】
共存発見サーバ4は、互いに共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する近隣のコグニティブ無線システムの発見をサポートする機能を担う機器である。
【0042】
共存情報サーバ5は、共存に必要な情報を得て、これを提供する機能を担う機器である。
【0043】
CE2と再構成可能な無線機3との間のインターフェースAは、次の機能を担う。
・再構成可能な無線機3から、共存に必要な情報を得る。
・再構成可能なこの無線機3を再構成することを要求する。
【0044】
CE2とCM1との間のインターフェースB1は、次の機能を担う。
・再構成可能な無線機3から得た共存に必要な情報をCM1に提供する。
・共存のための決定に対応する再構成コマンドをCE2に提供する。
【0045】
CM1と共存発見サーバ4との間のインターフェースB2は、次の機能を担う。
・このCM1によってサービス提供を受けるコグニティブ無線システムを共存発見サーバ4に登録する。
・このCM1によってサービス提供を受けるコグニティブ無線システムと共存すべき、近隣のコグニティブ無線システムに関する情報を得るため、CM1により共存発見サーバ4にアクセスする。
【0046】
CM1と別の異なるCMとの間のインターフェースB3は、これらのCM間で、共存に必要な情報を交換する機能を担う。
【0047】
CM1と共存情報サーバ5との間のインターフェースB4は、次の機能を担う。
・共存に必要な情報を、共存情報サーバ5に提供する。
・共存に必要な情報を、共存情報サーバ5から得る。
【0048】
TVホワイトスペースデータベース6とCM1との間、またはTVホワイトスペースデータベース6と共存情報サーバ5との間のインターフェースCは、CM1によってサービス提供を受けるコグニティブ無線システムが存在する位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を得る機能を有する。
【0049】
CE2は、インターフェースAを介して、このCE2によってサービス提供を受ける再構成可能な無線機3から共存に必要な情報を得る。CE2は、それがサービス提供を行う再構成可能な無線機3から得た共存に必要な情報を、インターフェースB1を介したCM1との通信によりCM1に提供する
【0050】
CE2がサービス提供する再構成可能な無線機3からそのCE2が得る、共存に必要な情報は、スペクトラムセンシング情報、位置情報、送信電力情報、動作周波数および帯域幅の情報、動作無線アクセス技術情報、再構成能力のいずれかひとつ以上を含む。
【0051】
CE2は、インターフェースB1を用いて、このCE2が位置するコグニティブ無線システムにサービス提供を行うCM1と通信し、このCM1から再構成コマンドを受け取る。また、CE2は、インターフェースAを用いて、このCE2がサービス提供を行う再構成可能な無線機3と通信し、この無線機3を再構成することを要求する。
【0052】
CM1は、このCM1からサービス提供を受けるコグニティブ無線システムとの共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する、近隣のコグニティブ無線システムの発見を行う。CM1は、このため、自身がサービス提供するコグニティブ無線システムを共存発見サーバ4に登録し、かつ、この共存発見サーバ4にアクセスして、このCM1からサービス提供を受けるコグニティブ無線システムとの共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する、近隣のコグニティブ無線システムに関する情報を得る。
【0053】
CM1は、インターフェースB2を用いて共存発見サーバ4と通信し、自身がサービス提供するコグニティブ無線システムをこの共存発見サーバ4に登録する。
【0054】
CM1は、インターフェースB2を使って、自身がサービス提供を行うコグニティブ無線システムを共存発見サーバ4に登録する。このとき、存在情報として、そのコグニティブ無線システムの識別子、そのコグニティブ無線システムの位置、およびそのコグニティブ無線システムのネットワークアドレスのうちのひとつ以上を共存発見サーバ4に送る。
【0055】
CM1は、インターフェースB2を使って共存発見サーバ4と通信することにより、このCM1によりサービス提供を受けるコグニティブ無線システムと共存することを必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する別のコグニティブ無線システムに関する情報(存在情報)を得る。
【0056】
CM1がインターフェースB2を使って共存発見サーバ4から得た、ホワイトスペース周波数帯で動作する別のコグニティブ無線システムに関する情報(存在情報)は、少なくとも、これらのコグニティブ無線システムの識別子、およびこれらのコグニティブ無線システムのネットワークアドレスを含む。
【0057】
CM1は、共存のための決定を行う。それは、送信電力を変更する旨の決定、動作周波数を変更する旨の決定、動作帯域幅を変更する旨の決定、無線アクセス技術を変更する旨の決定、送信スケジュールを変更する旨の決定のうちのひとつ以上の決定である。決定は、再構成コマンドとして反映される。
【0058】
CM1は、共存に必要な情報の交換を、ほかのコグニティブ無線システムにサービス提供を行うCMとの間のインターフェースB3を使った、それらのCMとの通信により行う。
【0059】
CM1は、共存に必要な情報の交換を、ほかのコグニティブ無線システムにサービス提供を行うCMとの間で行う。これは、共存に必要な情報を共存情報サーバ5に提供し、共存情報サーバ5から共存に必要な情報を得ることでなされる。
【0060】
CM1は、共存に必要な情報を共存情報サーバ5に提供する。これは、インターフェースB4を使った共存情報サーバ5との通信による。CM1は、共存に必要な情報を共存情報サーバ5から得る。これも、インターフェースB4を使った共存情報サーバ5との通信による。
【0061】
インターフェースB3を使ってCM1、別のCMが交換する、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機3からの情報(構成情報)、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちのひとつ以上を含む。
【0062】
インターフェースB4を使って共存情報サーバ5にCM1が提供する、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機3からの情報(構成情報)、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちのひとつ以上を含む。
【0063】
インターフェースB4を使ってCM1が共存情報サーバ5から得る、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちのひとつ以上を含む。
【0064】
CM1は、TVホワイトスペースデータベース6とこのCM1との間のインターフェースCを用いてTVホワイトスペースデータベース6と通信することにより、このTVホワイトスペースデータベース6から共存に必要な情報を得る。
【0065】
CM1は、このCM1と共存情報サーバ5との間のインターフェースB4を用いて共存情報サーバ5と通信することにより、TVホワイトスペースデータベース6から共存に必要な情報を得る。
【0066】
共存情報サーバ5は、TVホワイトスペースデータベース6とこの共存情報サーバ5との間のインターフェースCを用いてTVホワイトスペースデータベース6と通信することにより、このTVホワイトスペースデータベース6から共存に必要な情報を得る。
【0067】
TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、コグニティブ無線システムが存在する位置でその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0068】
図3は、共存実現器2の参照モデルを図解している。
【0069】
共存実現器2は、ひとつのCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントとひとつのCOEX_MEDIA_SAPサービスアクセスポイントとを有する。COEX_MEDIA_SAPは、この共存実現器2が、下にあるレイヤによって供給されたトランスポートサービスを使うときの手段として機能する。下にあるレイヤは、アプリケーションレイヤ、トランスポートレイヤ、ネットワークレイヤ、リンクレイヤとすることができる。COEX_TR_SAPは、この共存実現器2が、そのサービス提供を受ける再構成可能な無線機3から共存に必要な情報を得、また、この共存実現器2が位置するコグニティブ無線システムにサービス提供を行う共存マネージャ1から受けた再構成コマンドに従い、この再構成可能な無線機3の再構成を要求するときの手段として機能する。
【0070】
図4は、共存マネージャ1、共存発見サーバ4、および共存情報サーバ5の参照モデルを図解している。
【0071】
これらの機器のそれぞれは、ひとつのCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを有する。COEX_TR_SAPは、共存マネージャ1、共存発見サーバ4、または共存情報サーバ5が、下にあるレイヤによって供給されたトランスポートサービスを使うときの手段として機能する。下にあるレイヤは、アプリケーションレイヤ、トランスポートレイヤ、ネットワークレイヤ、リンクレイヤとすることができる。
【0072】
図5は、互いに共存を必要とすべき、2つのコグニティブ無線システムCRS1、CRS2における共存システムの展開シナリオを図解している。
【0073】
図5の展開例では、互いに共存を必要とすべき、2つのコグニティブ無線システムCRS1、CRS2が存在する。コグニティブ無線システムCRS1は、2つの基地局BS11、BS12と、4つの端末T11、T12、T13、T14とを含む。基地局BS11は、端末T11、T12と通信する。基地局BS12は、端末T13、T14と通信する。コグニティブ無線システムCRS2は、基地局BS21と、2つの端末T21、T22とを含む。基地局BS21は、端末T21、T22と通信する。
【0074】
この展開シナリオの例では、各CE(共存実現器CE11、CE12、CE21)は、基地局BS11、BS12、BS21内に展開される。共存実現器CE11は、基地局BS11内に展開され、共存実現器CE12は基地局BS12内に展開され、共存実現器CE21は、基地局BS21内に展開される。これらの共存実現器CE11、CE12、CE21は、基地局BS11、BS12、BS21内で動作するソフトウエアと考えることができる。これに対応して、各共存実現器CE11、CE12、CE21と再構成可能な各無線機RR11、RR12、RR21との間のインターフェースAもまた基地局BS11、BS12、BS21内にある。インターフェースAの3つの適用例が、A_11、A_12、A_21として、図5に示される。
【0075】
インターフェースAの例示的な実装を記述する、CE2(図2参照)の例示的な参照モデルが図6に示される。
【0076】
図6の左側は、物理レイヤ、MACサブレイヤ、およびコンバージェンスサブレイヤの、データ、制御、管理の各プレーンを含む無線インターフェースの典型的な参照モデルを示す。これは、例えば、IEEE 802.22、IEEE 802.11af、あるいはECMA 392の無線インターフェースとすることができる。図6の中間部分は、基地局管理機能部Aaを示す。図6の右側はCE2を示す。
【0077】
典型的に、無線インターフェースは、基地局管理機能部Aaに対する管理インターフェースを提供するように実装される。図6において、この無線インターフェースは、物理レイヤ、MACサブレイヤ、およびコンバージェンスサブレイヤに対応する、3つのサービスアクセスポイントPHY_ME_SAP、MAC_ME_SAP、CS_ME_SAPで表わされる。このサービスアクセスポイントは、無線インターフェースから情報を得るため、そして無線インターフェースの再構成を要求するために使われ得る。対応して、CE2は、これらのサービスアクセスポイントを使って、インターフェースAを実装することができる。図6において、このインターフェースは、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPで表わされる。無線インターフェース管理サービスアクセスポイントPHY_ME_SAP、MAC_ME_SAP、CS_ME_SAPと、CEサービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPとの間の通信は、基地局管理機能部Aaを介してなされ得る。
【0078】
図5における共存実現器CE11は、インターフェースA_11を使った、再構成可能な無線機RR11との通信により、共存に必要な情報を、再構成可能なこの無線機RR11から得る。ここで、無線機RR11は、基地局BS11、端末T11、T12に相当する。共存実現器CE11は、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_11を使って基地局BS11から共存に必要な情報を得る。基地局BS11は、端末T11および同T12との間で情報を交換する。共存実現器CE11は、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_11を使い基地局BS11を介して、端末T11、T12から共存に必要な情報を得る。
【0079】
共存実現器CE11が無線機RR11から、共存実現器CE12から無線機RR12から、共存実現器CE21が無線機RR21から、それぞれ得る共存に必要な情報は、スペクトラムセンシング情報、位置情報、送信電力情報、動作周波数および帯域幅の情報、動作無線アクセス技術情報、再構成能力のうちのいずれかひとつ以上を含む。
【0080】
共存実現器CE12は、同様に、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_12を使った、再構成可能な無線機RR12との通信により、共存に必要な情報を、再構成可能なこの無線機RR12から得る。
【0081】
共存実現器CE21は、同様に、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_21を使った、再構成可能な無線機RR21との通信により、共存に必要な情報を、再構成可能なこの無線機RR21から得る。
【0082】
共存実現器CE11は、インターフェースA_11を使った通信により、無線機RR1を再構成することを要求する。共存実現器CE11は、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_11を使い、基地局BS11の再構成を要求する。基地局BS11の再構成は、端末T11、T12の再構成を必要とする可能性もある。このような再構成は、基地局BS11により要求されその制御下で行われ得る。共存実現器CE11は、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_11を使い基地局BS11を介して、端末T11、T12の再構成を要求する。
【0083】
共存実現器CE12は、同様に、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_12を使った、再構成可能な無線機RR12との通信により、この無線機RR12の再構成を要求する。
【0084】
共存実現器CE21は、同様に、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPに当たるインターフェースA_12を使った、再構成可能な無線機RR21との通信により、この無線機RR21の再構成を要求する。
【0085】
図5の展開例では、コグニティブ無線システムのそれぞれは、おのおのひとつの共存マネージャCM10、CM20によってサービスを受けている。コグニティブ無線システムCRS1は、共存マネージャCM10によりサービスを受け、コグニティブ無線システムCRS2は、共存マネージャCM20によりサービスを受ける。これらの共存マネージャCM10、CM20は、例えば汎用のコンピュータの内部で動作するソフトウエアと考えることができる。
【0086】
図2においてCE2とCM1との間のインターフェースB1は、IPベースのネットワーク、例えばインターネットを使って実現され得る。インターフェースB1の3つの適用例が、図5に示されるB1_11、B1_12、B1_21である。
【0087】
インターフェースB1の例示的な実装を示す、CE2およびCM1の例示的な参照モデルが図7に示される。
【0088】
図2においてインターフェースB1を介してCE2とCM1との間で交換される、共存に必要な情報および再構成コマンドは、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CE2、CM1のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介してなされる。
【0089】
図5における共存実現器CE11は、インターフェースB1_11を使って共存マネージャCM10と通信し、無線機RR11から得られた共存に必要な情報を共存マネージャCM10に提供する。共存実現器CE11および共存マネージャCM10は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB1_11を使って互いに通信を行う。
【0090】
共存実現器CE12は、インターフェースB1_12を使って共存マネージャCM10と通信し、無線機RR12から得られた共存に必要な情報を共存マネージャCM10に提供する。共存実現器CE12および共存マネージャCM10は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB1_12を使って互いに通信を行う。
【0091】
共存実現器CE21は、インターフェースB1_21を使って共存マネージャCM20と通信し、無線機RR21から得られた共存に必要な情報を共存マネージャCM20に提供する。共存実現器CE21および共存マネージャCM20は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB1_21を使って互いに通信を行う。
【0092】
共存実現器CE11は、インターフェースB1_11を使って共存マネージャCM10と通信し、共存マネージャCM10から再構成コマンドを受け取る。共存実現器CE11および共存マネージャCM10は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB1_11を使って互いに通信を行う。
【0093】
共存実現器CE12は、インターフェースB1_12を使って共存マネージャCM10と通信し、共存マネージャCM10から再構成コマンドを受け取る。共存実現器CE12および共存マネージャCM10は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB1_12を使って互いに通信を行う。
【0094】
共存実現器CE21は、インターフェースB1_21を使って共存マネージャCM20と通信し、共存マネージャCM20から再構成コマンドを受け取る。共存実現器CE21および共存マネージャCM20は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB1_21を使って互いに通信を行う。
【0095】
図5の展開例では、ひとつの共存発見サーバ4によっていくつかのCMがサービスを受ける。共存発見サーバ4は、例えば汎用のコンピュータ内で動作するソフトウエアと考えることができる。
【0096】
図2におけるCM1と共存発見サーバ4との間のインターフェースB2は、IPベースのネットワーク、例えばインターネットを使って実現され得る。インターフェースB2の2つの適用例が、図5に示されているB2_1、B2_2である。
【0097】
インターフェースB2の例示的な実装を示す、CM1および共存発見サーバ4の例示的な参照モデルが図8に示される。
【0098】
図2において、インターフェースB2を介してCM1と共存発見サーバ4との間で交換される情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CM1および共存発見サーバ4のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介してなされる。
【0099】
図5における共存マネージャCM10は、インターフェースB2_1を使って共存発見サーバ4と通信し、共存発見サーバ4にCRS1を登録する。共存マネージャCM10および共存発見サーバ4は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB2_1を使って互いに通信を行う。共存マネージャCM10は、インターフェースB2_1を使い、CRS1の識別子、CRS1の位置、CRS1のネットワークアドレスのうちの少なくともひとつを共存発見サーバ4に送ることにより、CRS1を共存発見サーバ4に登録する。
【0100】
共存マネージャCM20は、インターフェースB2_2を使って共存発見サーバ4と通信し、共存発見サーバ4にCRS2を登録する。共存マネージャCM20および共存発見サーバ4は、COEX_TR_SAPを使い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB2_2を使って互いに通信を行う。共存マネージャCM20は、インターフェースB2_2を使い、CRS2の識別子、CRS2の位置、CRS2のネットワークアドレスのうちの少なくともひとつを共存発見サーバ4に送ることにより、CRS2を共存発見サーバ4に登録する。
【0101】
共存マネージャCM10は、インターフェースB2_1を使った共存発見サーバ4との通信で共存発見サーバ4にアクセスし、CRS1と共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムに関する情報を得る。共存マネージャCM10および共存発見サーバ4は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB2_1を使用し、互いの通信を行う。インターフェースB2_1を用い共存マネージャCM10が共存発見サーバ4から得た、ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムに関する情報は、少なくとも、これらのコグニティブ無線システムの識別子、同ネットワークアドレスを含む。特に、共存マネージャCM10は、共存発見サーバ4から次の情報を得ることになろう。すなわち、CRS2の識別子およびCRS2のインターネットアドレスである。
【0102】
共存マネージャCM20は、インターフェースB2_2を使った共存発見サーバ4との通信で共存発見サーバ4にアクセスし、CRS2と共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムに関する情報を得る。共存マネージャCM20および共存発見サーバ4は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB2_2を使用し、互いの通信を行う。インターフェースB2_2を用い共存マネージャCM20が共存発見サーバ4から得た、ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムに関する情報は、少なくとも、これらのコグニティブ無線システムの識別子、同ネットワークアドレスを含む。特に、共存マネージャCM20は、共存発見サーバ4から次の情報を得ることになろう。すなわち、CRS1の識別子およびCRS1のインターネットアドレスである。
【0103】
共存マネージャCM10は、CRS1のため、共存のための決定を行う。共存マネージャCM10は、基地局BS11、端末T11、T12のうちの少なくともひとつの送信電力を変更するという決定、基地局BS11、端末T11、T12のうちの少なくともひとつの動作周波数を変更するという決定、基地局BS11、端末T11、T12のうちの少なくともひとつの動作帯域幅を変更するという決定、基地局BS11、端末T11、T12のうちの少なくともひとつの無線アクセス技術を変更するという決定、および基地局BS11、端末T11、T12のうちの少なくともひとつの送信スケジュールを変更するという決定、の各決定のうち少なくともひとつを含む決定を行う。また、共存マネージャCM10は、基地局BS12、端末T13、T14のうちの少なくともひとつの送信電力を変更するという決定、基地局BS12、端末T13、T14のうちの少なくともひとつの動作周波数を変更するという決定、基地局BS12、端末T13、T14のうちの少なくともひとつの動作帯域幅を変更するという決定、基地局BS12、端末T13、T14のうちの少なくともひとつの無線アクセス技術を変更するという決定、および基地局BS12、端末T13、T14のうちの少なくともひとつの送信スケジュールを変更するという決定、の各決定のうち少なくともひとつを含む決定を行う。
【0104】
共存マネージャCM20は、CRS2のため、共存のための決定を行う。共存マネージャCM20は、基地局BS21、端末T21、T22のうちの少なくともひとつの送信電力を変更するという決定、基地局BS21、端末T21、T22のうちの少なくともひとつの動作周波数を変更するという決定、基地局BS21、端末T21、T22のうちの少なくともひとつの動作帯域幅を変更するという決定、基地局BS21、端末T21、T22のうちの少なくともひとつの無線アクセス技術を変更するという決定、基地局BS21、端末T21、T22のうちの少なくともひとつの送信スケジュールを変更するという決定、の各決定のうち少なくともひとつを含む決定を行う。
【0105】
図5の展開例では、異なるCMが異なるコグニティブ無線システムにサービス提供を行う。これらのコグニティブ無線システムは、共存のために必要な情報の交換を必要とする可能性がある。この情報を交換するひとつの方法は、CM間(共存マネージャCM10、CM20間)のインターフェースB3を使うものである。
【0106】
インターフェースB3の例示的な実装を示す、CM1の例示的な参照モデルが図9に示される。
【0107】
図2におけるインターフェースB3を介して交換される、CM1、別のCM間の情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CMのCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介して行われる。
【0108】
図5における、CRS1にサービス提供を行う共存マネージャCM10とCRS2にサービス提供を行う共存マネージャCM20とは、インターフェースB3を使う互いの間の通信により、共存に必要な情報を交換する。共存マネージャCM10および同CM20は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB3を使用し、互いの通信を行う。インターフェースB3を用いて共存マネージャCM10および同CM20が交換する、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機RR11、RR12、RR21からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちの少なくともひとつの情報を含む。特に、共存マネージャCM10は、無線機RR11、RR12からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報を共存マネージャCM20に提供することができる。一方、共存マネージャCM20は、無線機RR21からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報を共存マネージャCM10に提供することができる。
【0109】
図5の展開例では、異なるCM(共存マネージャCM10、CM20)が異なるコグニティブ無線システムにサービス提供を行う。これらのコグニティブ無線システムは、共存のために必要な情報の交換を必要とする可能性がある。この情報を交換するもうひとつの方法は、共存マネージャCM10、CM20と共存情報サーバ5との間のインターフェースB4を使うものである。
【0110】
図5の展開例では、ひとつの共存情報サーバ5によっていくつかのCMがサービスを受ける。共存情報サーバ5は、例えば汎用のコンピュータの内部で動作するソフトウエアと考えることができる。図2におけるCM1と共存発見サーバ4との間のインターフェースB4は、IPベースのネットワーク、例えばインターネットを使って実現され得る。インターフェースB4の2つの適用例が、図5に示されているB4_1、B4_2である。
【0111】
インターフェースB4の例示的な実装を示す、CM1および共存情報サーバ5の例示的な参照モデルが図10に示される。
【0112】
インターフェースB4を介してCM1と共存情報サーバ5との間で交換される情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CM1および共存情報サーバ5のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介して行われる。
【0113】
図5において共存マネージャCM10は、インターフェースB4_1を介して共存情報サーバ5と通信することにより、共存に必要な情報をこの共存情報サーバ5に提供する。共存マネージャCM10および共存情報サーバ5は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB4_1を使用し、互いの通信を行う。インターフェースB4_1を用いて共存マネージャCM10が共存情報サーバ5に提供する、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機RR11、RR12からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちの少なくともひとつの情報を含む。
【0114】
共存マネージャCM20は、インターフェースB4_2を介して共存情報サーバ5と通信することにより、共存に必要な情報をこの共存情報サーバ5に提供する。共存マネージャCM20および共存情報サーバ5は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB4_2を使用し、互いの通信を行う。インターフェースB4_2を用いて共存マネージャCM20が共存情報サーバ5に提供する、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機RR21からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちの少なくともひとつの情報を含む。
【0115】
共存マネージャCM10は、インターフェースB4_1を介して共存情報サーバ5と通信することにより、共存に必要な情報をこの共存情報サーバ5から得る。共存マネージャCM10および共存情報サーバ5は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB4_1を使用し、互いの通信を行う。インターフェースB4_1を用いて共存マネージャCM10が共存情報サーバ5から得る、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機RR21からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちの少なくともひとつの情報を含む。
【0116】
共存マネージャCM20は、インターフェースB4_2を介して共存情報サーバ5と通信することにより、共存に必要な情報をこの共存情報サーバ5から得る。共存マネージャCM20および共存情報サーバ5は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB4_2を使用し、互いの通信を行う。インターフェースB4_2を用いて共存マネージャCM20が共存情報サーバ5から得る、共存に必要な情報は、再構成可能な無線機RR11、RR12からの情報、およびTVホワイトスペースデータベース6からの情報のうちの少なくともひとつの情報を含む。
【0117】
共存マネージャCM10は、共存のための決定を行うために、そのコグニティブ無線システムが置かれる位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を必要とする。この情報は、インターフェースCを使ってTVホワイトスペースデータベース6から得られる。図5の展開例では、インターフェースCの2つのオプションを示している。ひとつは、共存マネージャCM10、CM20とTVホワイトスペースデータベース6との間に設けられ、別のものは、共存情報サーバ5とTVホワイトスペースデータベース6との間に設けられる。後者では、共存マネージャCM10、CM20は、TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、共存情報サーバ5を介して得る。
【0118】
インターフェースCの例示的な実装を示す、共存情報サーバ5の例示的な参照モデルが図11に示される。
【0119】
インターフェースCの例示的な実装を示す、CM1の例示的な参照モデルが図12に示される。
【0120】
図2において、インターフェースCを介して交換される、CM1または共存情報サーバ5と、TVホワイトスペースデータベース6との間の情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CM1および共存情報サーバ5のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介して行われる。
【0121】
図5における共存マネージャCM10および同CM20が、TVホワイトスペースデータベース6から情報を得るひとつのオプションは、インターフェースC_1およびC_2を用いてTVホワイトスペースデータベース6と通信することによる。
【0122】
共存マネージャCM10は、インターフェースC_1を介してTVホワイトスペースデータベース6と通信することにより、共存に必要な情報をこのTVホワイトスペースデータベース6から得る。共存マネージャCM10は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースC_1を使用し、TVホワイトスペースデータベース6との通信を行う。TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、CRS1が置かれている位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0123】
共存マネージャCM20は、インターフェースC_2を介してTVホワイトスペースデータベース6と通信することにより、共存に必要な情報をこのTVホワイトスペースデータベース6から得る。共存マネージャCM20は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースC_2を使用し、TVホワイトスペースデータベース6との通信を行う。TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、CRS2が置かれている位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0124】
図5における共存マネージャCM10および同CM20が、TVホワイトスペースデータベース6から情報を得るもうひとつのオプションは、共存情報サーバ5を介してのものである。
【0125】
共存情報サーバは、インターフェースCを用いTVホワイトスペースデータベースと通信することにより、TVホワイトスペースデータベースから共存に必要な情報を得る。共存情報サーバは、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースCを使用し、TVホワイトスペースデータベース6との通信を行う。TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、CRS1、CRS2が置かれている位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0126】
共存マネージャCM10は、インターフェースB4_1を介して共存情報サーバ5と通信することにより、共存に必要な情報をTVホワイトスペースデータベース6から得る。共存マネージャCM10および共存情報サーバ5は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB4_1を使用し、互いの間の通信を行う。TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、CRS1が置かれている位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0127】
共存マネージャCM20は、インターフェースB4_2を介して共存情報サーバ5と通信することにより、共存に必要な情報をTVホワイトスペースデータベース6から得る。共存マネージャCM20および共存情報サーバ5は、COEX_TR_SAPを用い、下にあるレイヤにより提供されるトランスポートサービスを使う。これにより、インターフェースB4_2を使用し、互いの間の通信を行う。TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、CRS2が置かれている位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0128】
以上、実施形態を説明したが、有用性のある実施形態は上記説明のものに限られるわけではない。
【符号の説明】
【0129】
1…共存マネージャ、2…共存実現器、3…再構成可能な無線機、4…共存発見サーバ、5…共存情報サーバ、6…TVホワイトスペースデータベース、A,B1,B2,B3,B4,C…インターフェース、Aa…基地局管理機能部、CE11,CE12,CE21…共存実現器、CM10,CM20…共存マネージャ、BS11,BS12,BS21,BS31…基地局、CA1,CA2,CA3…送受領域、CRS1,CRS2,CRS3…コグニティブ無線システム、RR11,RR12,RR21…再構成可能な無線機、T11,T12,T13,T14,T21,T22,T31,T32…端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12