【実施例】
【0044】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0045】
1. ワクチンの作製
1-1. WSSVのDNAの抽出
WSSV感染クルマエビより心臓を摘出し、DNeasy Blood & Tissue Kit (QIAGEN, USA)を用いてプロトコールに従ってDNAを抽出した。
【0046】
1-2. PCR
抽出したDNAを鋳型として、VP28遺伝子に特異的なプライマーVP28-F.w.(GGATCCATGGATCTTTCTTTCAC(配列番号3))およびVP28-R.v.(ACTAGTTTACTCGGTCTCAGTGC(配列番号4))を用いてPCRを行った。なお、発現ベクターにVP28遺伝子を導入するために、ベクターのマルチクローニングサイトに存在する酵素サイトを2箇所(BamHI, SpeI)選択した。このサイトにVP28遺伝子を組み込むために、プライマーVP28-F.w.及びVP28-R.v.の5’末端にBamHIおよびSpeI酵素サイトをそれぞれ付加した。
【0047】
PCRはGene Taq (NIPPON GENE社製)を用いて行った。反応液はD.W.(28.5μl)、10×Gene Taq Universal Buffer(15mmol/l Mg
2+ )(5μl)、dNTP Mixture (2.5mmol/each)(5μl)、F.w. Primer (5μM)(5μl)、R.v. Primer(5μM)(5μl)、Gene Taq(5 units/μl)(0.5μl)、Template (1μl)を混合し、50μlのボリュームで行った。反応条件は、94℃で3分間の変性反応後、94℃で30秒間の変性反応、60℃で30秒間のアニーリング反応、72℃で1分間の伸長反応を35サイクル反応させ、最後に72℃で5分間の伸長反応を行った。PCR反応はC1000 Thermal Cycler(BIORAD社製)を用いて行った。反応終了後、0.5×TBE buffer[Tris(1.35g)、Boric Acid(0.69g)、0.5M EDTA(pH 8.0)(500μl)をD.W.で全量を250μlにしたもの]中で1.5%アガロースゲル[Agarose-S Gel(1.5g)、0.5×TBE buffer(100ml)、エチジウムブロマイド(10ng/μl)(10μl)]電気泳動し、バンドの有無を確認した。
【0048】
1-3. ライゲーション
PCR産物をpGEM T Easy Vector Systems (PROMEGA社製)を用いてライゲーションした。5×T4 DNA Ligase Buffer(5μl)、T Easy vector(50ng/μl) (1μl)、T4 DNA Ligase(3 Weiss units/μl)(1μl)、PCR産物(3μl)を混合し、4℃で16時間反応させた。本実験系では一度クローニングベクターに組み込み、PCR産物を環状化させることで、酵素処理を行う際のPCR産物に付加された酵素サイトの正確な認識、また処理後のPCR産物(発現ベクターに組み込むVP28遺伝子)の回収効率を高めることができた。
【0049】
1-4. 形質転換
ライゲーション産物をヒートショック法によりTAM competent cell (ACTIFMOTIF社製)に形質転換した。TAM competent cell(50μl)にライゲーション産物(3μl)を加え氷上で30分間静置した。42℃で45秒間反応後、氷上で2分間静置した。菌液全量をSOC培地(INVITROGEN社製)(450μl)に加えて、37℃で90分間振盪培養した。培養液を50μg/mlのアンピシリンを含むMacConkey寒天培地(SIGMA社製)に植菌し、37℃で16時間培養した。培養後レッドホワイトコレクションによりポジティブクローンをスクリーニングした。
【0050】
1-5. コロニーPCR
コロニーPCRによりインサートの確認を行った。コロニーPCRはGene Taqを用いて行った。D.W(14.6μl)、10×Gene Taq Universal Buffer(15mmol/l Mg
2+ )(2μl)、dNTP Mixture (2.5mmol/each)(1.6μl)、Fw-primer(5μM)(0.8μl)、Rv-primer(5μM)(0.8μl)、Gene Taq(0.2μl)を混合した。反応液に滅菌した爪楊枝でコロニーを掻き取り懸濁させた。反応条件は、94℃で3分間の変性反応後、94℃で30秒間の変性反応、60℃で30秒間のアニーリング、72℃で1分間の伸長反応を30サイクル行い、最後に72℃で5分間の伸張反応を行った。PCR反応はC1000 Thermal Cycler(BIORAD社製)を用いて行った。反応終了後、1.5%アガロースゲル電気泳動し、バンドの有無を確認した。
【0051】
1-6. プラスミドDNAの抽出
コロニーPCRでインサートが確認できたコロニーを50μg/mlのアンピシリンを含むLB broth[Bacto Tryptone(1g)、Yeast Extract(0.5g)、NaCl(0.5g)を全量100mlになるようにD.W.で溶かし滅菌したもの](3ml)に植菌し、37℃で16時間振盪培養した。菌液半量を新しいチューブに移し遠心分離(8,000rpm、3分間)し上清を捨てた。この操作をもう一度繰り返した。続いて、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプロトコールに従ってプラスミドDNAを抽出した。
【0052】
1-7. シークエンシング
1-7-1. シークエンス反応
1-6で得られたプラスミドDNAを鋳型にSP6(ATTTAGGTGACACTATAGAA(配列番号5))又はT7(TAATACGACTCACTATAGGG(配列番号6))プライマーを用いてシークエンス反応を行った。まず、プラスミドDNA(4μl)を95分で1分間プレヒートした。次にプライマー(1.6pmol/μl)(2μl)、DTCS Quick Start Master Mix (Beckman coulter社製)(2μl)、D.W.(2μl)を加えて反応させた。反応条件は96℃で20秒間、50℃で20秒間、60℃で4分間を30サイクル反応させた。シークエンス反応にはC1000 Thermal Cycler(BIORAD社製)を用いて行った。
【0053】
1-7-2. 精製
反応終了後、サンプルをエタノール沈殿によって精製した。まず、NaOac(3M)(2μl)、EDTA (100mM)(2μl)、Glycogen (20mg/ml)(Beckman coulter社製)(1μl)を混合しStop Solutionを調整した。サンプルにStop Solution(5μl)を加え攪拌し反応を止めた。次に100%エタノール(WAKO社製)(60μl)を加え攪拌し、直ちに遠心分離(14,000rpm、15分間)した。次に、上清を除き70%エタノール(200μl)を加え遠心分離(14,000rpm、2分間)後上清を除いた。この操作をもう一度繰り返した。最後に15分間風乾してエタノールを完全に除き、ペレットをSample Loading Solution (Beckman coulter社製)(40μl)に溶解させた。
【0054】
1-7-3. 電気泳動
1-7-2で精製したサンプルを全量CEQサンプルプレート(Beckman coulter社製)に移し、ミネラルオイル(Beckman coulter社製)を1滴添加した。CEQ8000 Automated Sequencer(Beckman coulter社製)にCEQサンプルプレートをセットし電気泳動した。
【0055】
1-7-4. 解析
得られた配列を解析し、WSSVのVP28遺伝子(配列番号1)がクローニングされていることを確認した。
【0056】
1-8. タンパク質発現用ベクターの作製
上記で得られたプラスミドDNAまたはタンパク質発現用ベクター(pEU-E01-MCSベクター)(CELLFREE SCIENCE社製)をBamH1(NIPPON GENE社製)およびSpeI(NIPPON GENE社製)で制限酵素処理した。DNA(1μl)、BamH1(5 units/μl)(0.5μl)、SpeI(5 units/μl)(0.5μl)、10×B Buffer(1μl)、D.W. (7μl)を混合し37°Cで2時間反応させた。反応後1%アガロースLゲル[Agarose-L Gel(1.5g)、0.5×TBE buffer(100ml)、エチジウムブロマイド(10ng/μl)(10μl)]電気泳動した。ゲルから目的サイズのバンドを切り出し、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いてプロトコールに従ってDNAを抽出した。次に、pEU-E01-MCSベクターのマルチクローニングサイトへライゲーションした。5×T4 DNA Ligase Buffer (5μl)、制限酵素処理したpEU-E01-MCSベクター(1μl)、T4 DNA Ligase(3 Weiss units/μl)(1μl)、制限酵素処理したプラスミドDNAより切り出したDNA(1μl)、D.W.(2μl)を混合し、4℃で16時間反応させた。このプラスミドDNAを1-4, 7の方法で配列を確認し、タンパク質発現用ベクターにVP28遺伝子が組み込まれていることを確認した。
【0057】
1-9. プラスミドDNAの精製
配列を確認したプラスミドDNAに等量のPhenol/Chloroform/Isoamyl Alcohol(25:24:1)(WAKO社製)を加えて遠心分離(13,000rpm、5分間)し上清を捨てた。2.5倍量の100%エタノールと1/10量のNaOac(3M)を加えて遠心分離(13,000rpm、30分間)し上清を捨てた。70%エタノール(500μl)を加え遠心分離(10,000rpm、5分間)し上清を捨てた。最後に15分間風乾してエタノールを完全に除き、ペレットをBuffer EBで溶解させ、プラスミドDNAの濃度を1μg/μlに調製した。
【0058】
1-10. VP28組み換えタンパク質の作製
小麦胚芽無細胞タンパク質合成系(CELLFREE SCIENCE社製)を用いてVP28組み換えタンパク質(rVP28)を作製した。同時に、プラスミドDNAの代わりにD.W.を加えてコントロール(Wheat)を作製した。まず、プラスミドDNA(1μg/μl)(25μl)にpre MIX(225μl)を加え、37℃で6時間転写反応を行った。転写反応はC1000 Thermal Cycler(BIORAD社製)を用いて行った。反応後、アガロースゲル電気泳動を行いmRNAの合成量を確認した。なお、転写反応に使用するプラスミドDNAについて、プロトコールでは濃度:1mg/ml、純度:OD260nm/280nm比が1.70〜1.85と規定されているが、本実験では濃度:1mg/ml、純度:OD260nm/280nm比が1.75〜1.80と規定した。特に、OD比が1.85付近になると、mRNAの転写効率が落ちることがあったため、本実験では1.75〜1.80をプラスミドDNAの最適純度とした。
【0059】
次に、重層法により翻訳反応を行った。転写反応で合成したmRNA(250μl)、WEPRO1240(250μl)およびCreatine Kinase(20mg/ml)(1μl)を混合した。1×SUB-AMIX(5.5ml)を6 Well Plate(IWAKI社製)に加え、1×SUB-AMIXの下層に混合液を重層した。パラフィルムで蓋をして22℃で24時間翻訳反応を行ってrVP28を合成した。
【0060】
なお、CELLFREE SCIENCE社のプロトコールにおいて翻訳反応は、15℃で20時間(推奨)または26℃で8〜16時間保温するとなっている。本実験では、翻訳効率について検討した結果、15℃または26℃での翻訳に比べ、22℃での翻訳が最も効率的であることを見出した。また、時間については、24時間程度まで合成量が増加することを確認した。
【0061】
1-11. 合成タンパク質の確認
1-11-1. SDS-PAGE
1-10で作製したrVP28またはα-lactalbumin(10μg/ml, 20μg/ml, 40μg/ml)(SIGMA社製)を10μlずつチューブに入れ、等量のサンプルバッファーを加え混和した。99℃、5分間インキュベートした後、氷上で2分間清置した。READY GELS J(Biorad社製)にサンプルを全量アプライし、Tris/Glycine/SDS Buffer(BIORAD社製)中で、150Vで1時間電気泳動した(
図1)。
【0062】
1-11-2. 半定量解析
電気泳動写真(
図1)をパソコンに取り込み、Science Lab99 Image Gauge software (FUJIFILM, JAPAN)を用いて、半定量解析を行った。α-lactalbuminの定量値(下記表1)を用いて検量線(y=96.345x-2244.5)を作成してrVP28の合成量を測定した(
図2)。rVP28の合成量は、0.5μg/5μlであった。コムギ由来のタンパク質成分を含む総タンパク質は、70.1μg/5μlであった。
【表1】
【0063】
1-12. 経口ワクチンの作製
クルマエビ用飼料100g中に、1-10で作製したrVP28を5mgの割合で混合した(表2)。なお、グルタミン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムを有効成分とする展着剤:SD展着1号(シェリング・プラウアニマルヘルス株式会社)3%量を混合した。
【0064】
2. 効果の判定
2-1. 注射ワクチンの効果判定
2-1-1. 注射ワクチン接種
サブユニットワクチン(rVP28)[5μg/100μl:rVP28(100μg/ml)(50μl)にPBS(50μl)を加えたもの]、コントロールとしてPBS(pH 7.6)[NaCl(28.4g)、MgCl
2・6H
20(1g)、MgSO
4・7H
20(2g)、CaCl
2・2H
2O(2.25g)、KCl(0.7g)、Glucose(1g)、Hepes(2.38g)をD.W.で全量1Lにしたもの](100μl)または小麦由来のタンパク質:Wheat[rVP28の総タンパク質量と同じ量(701μg/100μl):Wheat(13.92mg/ml)(50.34μl)にPBS(49.66μl)を加えたもの]を各区平均体重12gのクルマエビ25尾にそれぞれ接種した(表2)。クルマエビは60cm水槽で22℃の人工海水中で飼育した。
【表2】
【0065】
2-1-2. 感染実験
ワクチンまたはコントロールを接種してから1週間後にWSSVで感染実験を行った。WSSV感染クルマエビより心臓、鰓、肝膵臓を摘出しPBS中でホモジナイズした。ホモジナイズ液の一部(100μl)からDNeasy Blood & Tissue Kit を用いてDNAを抽出し、抽出したDNA中のWSSVのDNA量をリアルタイムPCR(下記、参考実験の項目参照)により定量した。定量後、ホモジナイズ液を希釈した。人工海水4L中にホモジナイズ液をWSSVのDNA量が1×10
9 copies含まれるように加え、この中でワクチンまたはコントロールを接種したクルマエビを2時間半浸漬した。その後、クルマエビを水槽に戻し、WSSV感染後の累積死亡数をカウントした。
【0066】
2-1-3. 効果の判定
χ
2検定を行った。また、ワクチンの有効率を示すRelative percent survival:RPS=(1−ワクチン区の死亡率/コントロール区の死亡率)×100を計算した。
【0067】
2-2. 経口ワクチンの効果判定
2-2-1.給餌
ワクチン区には、1-12で作製した経口ワクチンを、一日当たり2.5μg/g・shrimpのrVP28を7日間隔日投与(1, 3, 5, 7日)した(表3)。また、2、4、6日目は、ワクチンを含まない飼料を与えた。コントロール区は、7日間全てにワクチンを含まない飼料を給餌した区(control A)と市販飼料を給餌した区(control B)の2区を設けた。各区、平均体重3gのクルマエビ33尾を設けた。クルマエビは、60l水槽で、22℃の人工海水中で飼育した。
【表3】
【0068】
2-2-2.感染実験
感染実験については、上記2-1-2と同様な方法で行った。
【0069】
2-2-3. 効果の判定
経口ワクチンの効果判定については、上記2-1-3と同様な方法で行った。
【0070】
3. 結果
3-1. 注射ワクチン
注射ワクチンを投与した実験の結果を
図3に示した。
図3に示した結果より各区の生残率は、ワクチン区(rVP28)が91.3%、コントロール1区(PBS)が47.8%、コントロール2区(Wheat)が34.8%であった。rVP28区の生残率はコントロール区の生残率と比べて有意に高くなり、RPS(ワクチンの有効率)の値はPBS区に対して91.7%、Wheat区に対して93.3%になった。したがって、ワクチン接種7日後において、WSSVに対するワクチンの有効性が確認された。なお、RPS(%)は、1−(ワクチン投与区の死亡率/対照区の死亡率)×100として算出した。
【0071】
また、比較のために、大腸菌を宿主細胞として使用してrVP28を調製し、同様にして製造したサブユニットワクチンを接種した結果を
図4に示した。
図4に示した結果より、PBSのみを接種した区と比較して、大腸菌発現系により製造したrVP28では非常に死亡率が高くなった。これは、大腸菌の内毒素がエビに対して毒性を示すもので、ワクチン接種後内毒素によってエビがWSDVによる攻撃に耐えられなかった結果だと考えられる。このために、大腸菌発現系を用いてワクチンを作製する場合には、エビに対して毒性を示す成分を除去するための精製処理が必要であることが分かった。
【0072】
3-1. 経口ワクチン
経口ワクチンを投与した実験の結果を
図5に示した。
図5に示した結果より各区の生残率は、ワクチン区(rVP28)が85.7 %、コントロールA区(ワクチンを含まない飼料)が26.3%、コントロールB区(市販飼料)が0%であった。rVP28区の生残率は、コントロール区の生残率と比べて有意に高くなり、RPSの値はコントロールA区に対して80.6%、コントロールB区に対して85.7 %になった。したがって、1週間の経口ワクチン投与後、WSDVに対するワクチンの有効性が確認された。
【0073】
〔参考実験〕
リアルタイムPCR
(1)プライマーおよびプローブの設計
WSSV-DNA遺伝子塩基配列(AF369029; van Hulten et al. 2001)に基づいて4つのプライマーおよびプローブを設計した(
図6参照)。
【0074】
(2)PCR
WSSV感染エビの組織から抽出したDNAを鋳型に、WSSV ORF-36遺伝子に特異的なプライマーWSSV F3.(AAACACCGGATGGGCTAA(配列番号7))およびWSSV R3.(CAAGGCAATACAGAATGCG(配列番号8))を用いてPCRを行った。反応液は1-1-2と同じ組成で行った。反応条件は、4℃で3分間の変性反応後、94℃で30秒間の変性反応、55℃で30秒間のアニーリング、72℃で1分間の伸長反応を30サイクル反応させ、72℃で5分間の伸長反応を行った。PCR反応はC1000 Thermal Cycler(BIORAD社製)を用いて行った。反応終了後、3.0%アガロースゲル電気泳動し、バンドの有無を確認した。
【0075】
(3) クローニングおよびシークエンシング
1-3, 7の方法でPCR産物をクローニングおよびシークエンシングし、WSSVのORF-36遺伝子がクローニングされていることを確認した。
【0076】
(4)検量線の作製
(4-1)検量線作成用の標準プラスミドDNAの調製
プラスミドDNAの濃度を、Nano Drop Spectrophotometer ND-1000(THERMO SCIENTIFIC社製)で測定し、アボガドロ定数(1mol = 6.02×10
23分子)を用いてコピー数を算出した。さらに、求めたコピー数が、サンプルプラスミド溶液1μl中に1×10
10、1×10
9、1×10
8、1×10
7、1×10
6コピー含まれるように、D.W.で希釈し、標準プラスミドDNAを作製した。
【0077】
(4-2)検量線の作製
作製した標準プラスミドDNA( 1×10
10、1×10
9、1×10
8、1×10
7、1×10
6コピー/μl)と、ブランク試料液(NTC:no template control)を鋳型に、WSSV ORF-36遺伝子に特異的なプライマーWSSV Fw.(TGGAACAAAAGATGCTGCTCAA(配列番号9))、WSSV Rv.(TGCGGGTCGTCGAATGT(配列番号10))および、TaqMan MGB Probe(AGAATGTGGATCTTGGGC(配列番号11))を用いてリアルタイムPCRを行った(
図6参照)。TaqMan Universal PCR Master Mix (Applied Biosystems社製) (12.5μl)、TaqMan MGB Probe(2.5μl)、F.w.-Primer (10pmol/μl)(2.25μl)、R.v.-Primer (10pmol/μl)(2.25μl)、D.W.(4.5μl)を混合し、96 Well Plate(Applied Biosystems社製)に25μlずつ分注した。ABI PRISM Optical Adhesive Cover(Applied Biosystems社製)で蓋をし、7300 Real-time PCR System(Applied Biosystems社製)にセットして反応させた。反応条件は、50℃で2分間保持した後95℃で10分間加温し、ホットスタート法で反応を開始した。その後、95℃で15秒間のアニーリング、60℃で1分間の伸長反応を40サイクル反応させた。
【0078】
(5)サンプルDNAの定量
検量線用の標準プラスミドDNA とサンプルDNAを(3-2)の方法で反応させて、サンプルDNA中のWSSVのDNAのコピー数を定量した。