【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
縫合糸;
少なくとも1つの針であって、該針は、テーパ状の端部、および該テーパ状の端部を横切る溝を有し、該溝は、該縫合糸の一部分を受容して取り外し可能に保持する、少なくとも1つの針;ならびに
開口部分を規定する本体を有する少なくとも1つの保持具であって、該開口部分の形状は、中心通路と、該中心通路から半径方向外向きに延びる直径方向に対向する1対のスロットとにより規定され、該中心通路は、該中心通路を通る該針の通過を可能にするようなサイズにされ、各スロットは、締め付け路セクションを規定し、該締め付け路セクションは、第一の方向への該縫合糸の通過を可能にし、そして第二の方向への該縫合糸の通過を妨げる、保持具、
を備える、縫合糸を受容して保持するための縫合システム。
(項目2)
上記開口部分が、実質的に円形の中心と、該実質的に円形の中心から半径方向外向きに延びる2つの対向する矩形とにより規定される、断面がФ字型の穴を、上記本体に形成する、上記項目に記載の縫合システム。
(項目3)
各保持具が吸収性である生体適合性材料から構築されている、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目4)
上記締め付け路セクションが、上記スロットの側壁から延びる少なくとも1つの突出部により規定される、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目5)
上記少なくとも1つの突出部が、遠位表面、近位表面、および頂点を有し、該遠位表面が、該近位表面の面積より大きい面積を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目6)
上記締め付け路セクションが2つの突出部により規定されており、各突出部が頂点を有し、該頂点が互いに隣接して位置している、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目7)
上記隣接する頂点がすぐ近くに近接している、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目8)
上記締め付け路セクションが2つの突出部により規定されており、各突出部が頂点を有し、該頂点が互いからずれている、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目9)
各保持具が、楕円形、円形、三角形、および矩形からなる群より選択される形状の外周を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目10)
上記中心通路が実質的に円錐の形状を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目11)
上記縫合糸が、一連のテーパ状のセクションを有し、該テーパ状のセクションが、上記縫合糸保持具の上記締め付け路セクション内での該縫合糸の保持を補助するような構成にされている、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合システム。
(項目12)
本体;
縫合糸;ならびに
該本体から延びる一連の針であって、該針の各々が、テーパ状の近位端、および該テーパ状の近位端を横切る溝を有し、該溝は、該針の該テーパ状の近位端内に該縫合糸の一部分を取り外し可能に固定するようなサイズにされており、該一連の針は、該溝が、隣接する位置に位置する少なくとも1つの他の針の溝と整列するように配置されている、一連の針、
を備える、外科手術用ステープル留め型のデバイスと共に使用するための縫合糸カートリッジ。
(項目13)
上記縫合糸が一連のテーパ状セクションを有する、上記項目に記載の縫合糸カートリッジ。
(項目14)
上記縫合糸が吸収性である生体適合性材料から作製されている、上記項目のいずれかに記載の縫合糸カートリッジ。
(項目15)
カートリッジ本体;および
該カートリッジ本体内に取り外し可能に固定されるように構成された少なくとも1つの縫合糸保持具であって、該保持具は、開口部分を規定する本体を有し、該開口部分の形状は、長手方向軸を規定する中心通路、および該中心通路から半径方向外向きに延びる直径方向に対向する1対のスロットにより規定されており、該中心通路は、該中心通路を通る該針の通過を可能にするようなサイズにされており、各スロットは、締め付け路セクションを規定し、該締め付け路セクションは、第一の方向への該縫合糸の通過を可能にし、そして第二の方向への該縫合糸の通過を妨げる、少なくとも1つの縫合糸保持具、
を備える、外科手術用ステープル留め型のデバイスと共に使用するための縫合糸保持具カートリッジ。
(項目16)
上記縫合糸保持具が生体吸収性である生体適合性材料から構築されている、上記項目に記載の縫合糸保持具カートリッジ。
(項目17)
上記カートリッジ本体が、内部に複数の縫合糸保持具を取り外し可能に固定するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の縫合糸保持具カートリッジ。
(項目18)
ハンドルアセンブリ;
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長部材であって、長手方向軸および遠位端を規定する、細長部材;
該細長部材の該遠位端に取り付けられたエンドエフェクタであって、第一の顎および第二の顎を有する、エンドエフェクタ;
該細長部材を通して該エンドエフェクタに作動可能に接続された起動機構;
該エンドエフェクタの該第一の顎内に取り外し可能に固定された縫合糸;ならびに
該エンドエフェクタの該第二の顎内に取り外し可能に固定された縫合糸保持具であって、該縫合糸保持具は、少なくとも1つの開口部分を有し、該開口部分は、該縫合糸を第一の方向で受容し、そして第二の方向への該縫合糸の取り外しを妨げるように構成されている、縫合糸保持具、
を備える、外科手術用縫合器具。
(項目19)
上記第一の顎が、交換可能な縫合糸カートリッジをさらに備え、該縫合糸カートリッジは、該第一の顎内に上記縫合糸を取り外し可能に固定し、そして該縫合糸カートリッジは、一連の針を備え、該針の各々が、該縫合糸を受容して取り外し可能に保持するための溝を有する、上記項目に記載の外科手術用縫合器具。
(項目20)
上記第二の顎が、交換可能な縫合糸保持具カートリッジをさらに備え、該縫合糸保持具カートリッジは、上記縫合糸保持具を該第二の顎内に取り外し可能に固定する、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用縫合器具。
【0005】
(摘要)
縫合糸を受容して保持するための縫合システムが開示され、この縫合システムは、縫合糸、少なくとも1つの保持具、および少なくとも1つの針を備える。各針は、テーパ状の端部に位置する溝内に縫合糸を受容して取り外し可能に保持し得る。この保持具は、本体を有し、この本体は、この本体を通る開口部分を規定する。この開口部分の形状は、中心通路と、この中心通路から半径方向外向きに延びる、直径方向に対向する1対のスロットとにより形成される。この中心通路は、この中心通路を通る針の通過を可能にするようなサイズにされる。各スロットは、締め付け路セクションを規定し、この締め付け路セクションは、第一の方向への縫合糸の通過を可能にし、そして第二の方向への縫合糸の通過を妨げる。
【0006】
(要旨)
本開示は、縫合糸を受容して保持するための縫合システムに関し、この縫合システムは、ある量の縫合糸または縫合糸の一部、少なくとも1つの針、および少なくとも1つの保持具を備える。各針は、縫合糸を受容して取り外し可能に保持する能力を有する。縫合糸と保持具との両方が、患者の身体により吸収可能な生体適合性材料から作製され得る。各保持具は、本体を備え、この本体は、この本体を通る開口部分を規定する。
【0007】
この縫合糸の開口部分の形状は、長手方向軸を規定する中心通路、および直径方向に対向する1対のスロットにより形成される。これらのスロットは、この中心通路から半径方向外向きに延びる。この中心通路とこれらの直径方向に対向するスロットとは、実質的に円形の中心と、この実質的に円形の中心から半径方向外向きに延びる2つの対向する矩形とにより規定される、Ф字型の断面の穴を本体内に形成する。この中心通路は、この中心通路を通る針の通過を可能にするようなサイズにされる。
【0008】
これらの直径方向に対向するスロットは、この本体の長手軸方向の長さに延び、そして締め付け路セクションを規定する。この締め付け路セクションは、第一の方向への縫合糸の通過を可能にし、そして第二の方向への縫合糸の通過を妨げる。この締め付け路は、このスロットの側壁から延びる少なくとも1つの突出部により規定される。この少なくとも1つの突出部は、遠位表面、近位表面、および頂点を有する。この突出部の遠位表面は、この突出部の近位表面の面積より大きい面積を有する。
【0009】
本明細書中で議論されるように、この締め付け路セクションは、頂点が互いからずれている2つの突出部を有し、その結果、一方の頂点が、他方の頂点よりも長手軸方向に高い位置にある。これらの頂点は互いに隣接し、すぐ近くに近接していることもまた想定される。この締め付け路セクションはまた、1つの突出部、または2つより多くの突出部のいずれかを含み得る。
【0010】
本明細書中で議論されるように、この縫合糸は、従来の円筒形の形状であるが、この縫合糸が、縫合糸保持具の締め付け路セクション内でのこの縫合糸の保持を補助するように構成された、一連のテーパ状のセクションを備えることが想定される。
【0011】
本体の外周は、一般に、楕円形、円形、三角形または矩形の形状である。この本体は、これらの形状のうちの1つ以上を一緒に結びつける外周を有することもまた想定される。
【0012】
この中心通路が実質的に円錐の形状を有することもまた想定される。
【0013】
本明細書中にはまた、外科手術用縫合器具が開示され、この外科手術用縫合器具は、ハンドルアセンブリ、細長部材、エンドエフェクタ、および縫合システムを患者の組織内に適用するための起動機構を備える。この起動機構は、ハンドルアセンブリ内に位置し、そしてこの細長部材を介してこのエンドエフェクタに作動可能に接続される。この細長部材は、このハンドルアセンブリから遠位に延び、そして長手方向軸、近位端、および遠位端を規定する。このエンドエフェクタは、この細長部材の遠位端に取り付けられる。このエンドエフェクタは、第一の顎または縫合糸顎、および第二の顎または保持具顎を有する。この縫合糸顎は、取り外し可能に固定された少なくとも1つの縫合糸を有する縫合糸カートリッジを有し、そしてこの保持具顎は、取り外し可能に固定された少なくとも1つの保持具を有する保持具カートリッジを有する。この縫合糸カートリッジとこの保持具カートリッジとの両方は、交換可能であり、そしてそれぞれの顎内に取り外し可能に固定される。
【0014】
この縫合糸カートリッジは、本体および一連の針を備える。各針は、この本体から延び、そしてテーパ状の近位端および溝またはスロットを有する。この溝またはスロットは、このテーパ状の近位端を横切っており、縫合糸を受容して内部に取り外し可能に保持するためのものである。この一連の針は、各針の溝が、隣接する位置に位置する少なくとも1つの他の針の溝と整列するように、配置される。
【0015】
この保持具カートリッジは、一連の穴を有する本体を備える。これらの保持具は、針のうちの1つがこの保持具を通過してこの穴に入ることを可能にするように、これらの穴の周りに配置される。
【0016】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本開示の実施形態を図示し、そして上に与えられた本開示の一般的な説明および以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒になって、本開示の原理を説明する役に立つ。