特許第5649239号(P5649239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5649239吸排気バルブの操作を行うための、内燃機関用の可変バルブ駆動部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649239
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】吸排気バルブの操作を行うための、内燃機関用の可変バルブ駆動部
(51)【国際特許分類】
   F01L 13/00 20060101AFI20141211BHJP
   F01L 1/04 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   F01L13/00 301U
   F01L1/04 E
   F01L1/04 Z
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-524112(P2012-524112)
(86)(22)【出願日】2010年8月3日
(65)【公表番号】特表2013-501874(P2013-501874A)
(43)【公表日】2013年1月17日
(86)【国際出願番号】DE2010000932
(87)【国際公開番号】WO2011018075
(87)【国際公開日】20110217
【審査請求日】2013年6月7日
(31)【優先権主張番号】102009037268.7
(32)【優先日】2009年8月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】594006954
【氏名又は名称】イー・アー・フアウ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・インゲニオールゲゼルシヤフト・アウト・ウント・フエルケール
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルラー・アンドレーアス
(72)【発明者】
【氏名】アルノルト・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ノイキルヒナー・ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】ヴツラー・イェルク
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−280930(JP,A)
【文献】 特開2004−019631(JP,A)
【文献】 特開2005−042717(JP,A)
【文献】 特開2002−004823(JP,A)
【文献】 特表2006−520869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L1/00−1/46
9/00−9/04
13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸排気バルブの操作を行うための、内燃機関用の可変バルブ駆動部であって、吸排気バルブが、内燃機関のクランクシャフトによって駆動されるカムシャフトにおける異なるカム形状部に切替可能に係合可能な前記バルブ駆動部において、
前記カムシャフトを、互いに軸方向へ相対的に摺動可能な複数のカムブッシュ(7)で構成し、
前記各カムブッシュ(7)上に、同様の基部(10)を有しつつ互いに異なる複数のカム形状部(9a,9b,9c)を設け、
前記カムブッシュ(7)の内部に、該カムブッシュ(7)と共に回転する切替シャフト(1)を配置し、
前記各カムブッシュ(7)を、前記切替シャフト(1)に形成した溝(2)と相互に作用するよう切替ボール部材(3)を介して該溝(2)に結合し、
前記カムブッシュ(7)上で該カムブッシュ(7)と相対回転不能かつ軸方向に摺動可能に設けられた摺動部材(5)に前記切替シャフト(1)を結合させ、
前記各カムブッシュ(7)を摺動させるために、前記切替シャフト(1)上に形成した溝(2)において摺動する前記切替ボール部材(3)により、前記摺動部材(5)、前記切替シャフト(1)を前記カムブッシュ(7)に対して相対回転させるためのアクチュエータ(6)と相互に作用するよう構成されている
ことを特徴とするバルブ駆動部。
【請求項2】
軸方向に摺動可能な前記各カムブッシュ(7)を軸方向に延在する歯部(8)により互いに結合し、互いに隣接する前記カムブッシュ(7a,7b)の前記歯部(8)を互いに噛合させたことを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動部。
【請求項3】
前記アクチュエータ(6)を内燃機関のケーシングに固設したことを特徴とする請求項1又は2記載のバルブ駆動部。
【請求項4】
前記切替シャフト(1)における前記溝(2)に軸方向のピッチを設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルブ駆動部。
【請求項5】
前記切替ボール部材(3)、前記各カムブッシュ(7)における、断面が半円状に形成された収容部において支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルブ駆動部。
【請求項6】
前記各カムブッシュ(7)を時間的に前後して軸方向へ摺動させる場合に、該各カムブッシュ(7)に対して形成された前記溝(2)の軸方向の各ピッチ、前記切替シャフト(1)の外周部において互いにずらして設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバルブ駆動部。
【請求項7】
前記各カムブッシュ(7)を同時に軸方向へ摺動させる場合に、該各カムブッシュ(7)に対して形成された前記溝(2)の軸方向の各ピッチが前記切替シャフト(1)の外周部において互いにずらされることなく設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバルブ駆動部。
【請求項8】
前記切替シャフト(1)を、前記カムブッシュ(7)上で回転不能かつ軸方向に摺動可能に配置された前記摺動部材(5)にねじスピンドル(4)を介して結合させたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のバルブ駆動部。
【請求項9】
前記切替シャフト(1)と前記摺動部材(5)の間の結合部を傾斜歯として形成したことを特徴とする請求項8記載のバルブ駆動部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載した、吸排気バルブの操作を行うための、内燃機関用の可変バルブ駆動部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の吸排気バルブを異なる開閉タイミング及び異なるバルブ開度に可変とするよう駆動することが知られている。このようなバルブ制御が特許文献1に開示されており、2つの互いに異なるカム形状部を有するカム支持体が、カムシャフト上にこれと回転不能かつ軸方向に摺動可能に配置されている。また、カム形状部は、カム支持体の軸方向位置に応じて、中間部材(伝達レバー)を介してリフティングバルブにこれと相互に作用するよう結合されている。バルブパラメータを変更するためのカム支持体の軸方向の摺動は、カムにおける基本円段階において、プレッシャリングによる弾性作用に抗して行われるようになっている。
【0003】
このようなものにおける欠点は、カム支持体の変位に必要な空間が大きくなってしまう点にある。したがって、上記のようなものは、部材を収容するために比較的大きなシリンダ間の間隔が確保されている場合にのみ使用することが可能となっている。また、他の欠点は、変位過程において、カム支持体又は変位部材を摺動させる際に必要となる慣性力が大きい点にある。さらに、適当なカム形状部への切替は、シリンダの選択によってのみ可能であり、バルブの選択によっては不可能となっている。
【0004】
特許文献2には吸排気バルブの操作のためにカムシャフト上のカム支持体を切り替える切替装置が開示されており、カム支持体は、カムシャフト上を軸方向に摺動できるよう案内されている。また、カム支持体の位置に応じて、吸排気バルブは異なるカム形状部と相互に作用するよう該カム形状部に結合されている。カム支持体の変位は、変位要素を介したリンクガイドとの相互作用によりなされるようになっている。ここで、変位要素とは、径方向外方へ変位可能なピンであり、このピンは、径方向外方へ移動した状態で、カム支持体を180°包囲するよう配置されたガイド部において形成された少なくとも2つのリンクガイドと相互に作用するようになっている。
【0005】
このようなものにおける欠点は、ガイド部のための追加的な空間が必要となることに加えて、他のカム形状部へ切り替えるために、ピンをカムシャフトから取り出して軸方向に摺動可能な切替リンクガイドへ導入する必要がある点である。そして、切替動作後には、このピンを再びカムシャフトへ戻す必要もある。このような構造においては、部品点数が多くなってしまうとともに、その加工も煩雑なものとなってしまう。また、ピンの誤った切替により、カムシャフトに損傷が生じるおそれもある。さらに、ピンの切替に必要な時間により、エンジン回転数が制限されてしまうという欠点もある。そのほか、変位は、油圧に応じてなされるようになっている。
【0006】
特許文献3には内燃機関のバルブ駆動部が開示されており、カムシャフト上には、互いに異なる少なくとも2つのカムガイドを有するカム支持体が相対回転不能かつ軸方向に摺動可能に設けられている。カム支持体の変位は、カムシャフトの内部において案内される変位部材によってなされるようになっている。前面部においてカムシャフトに配置された二重に機能する油圧式又は空圧式のピストンシリンダユニットにより、軸状に形成された変位部材が、カムシャフト内部においてバネの圧力に抗して摺動するようになっている。また、変位部材は連行部材に結合されており、この連行部材は、カムシャフトに形成された長孔を軸方向に貫通しているとともに、カム支持体における貫通孔に開口している。
【0007】
このようなものにおける欠点は、変位部材の軸方向の摺動により、カムシャフト上に配置された複数のカム支持体が同時にのみ摺動可能である点にある。すなわち、カムシャフト上における各カム支持体のそれぞれ異なる切替ができないようになっている。また、他の欠点は、外側のカムが吸排気バルブに係合する切替位置において、弾性部材が常に負荷を受けている点にある。これにより、連行部材と変位部材に設けられたガイドの間における側方における高い摩擦力が生じることになる。その結果、大きな摩耗が生じ、誤切替が起きる可能性もある。さらに、特に異なる3つのカム形状部が設定されている場合において中間のカム形状部へ戻すときに誤切替を防止するよう作用させる弾性力を正確に調整しなければらないという欠点がある。
【0008】
特許文献4には内燃機関の吸排気バルブを操作するためにバルブ駆動部が提案されており、このバルブ駆動部においては、バルブ切替のためのカム支持体の摺動がカムシャフトチューブ上において該カムシャフトチューブの内部に配置された回転可能な切替シャフトによってなされるようになっている。この切替シャフトは、軸方向へのピッチを有する切替溝を備えている。この切替溝では切替ボール部材が案内されており、この切替ボール部材は、切替シャフトを包囲しつつ軸方向に摺動可能な切替ブッシュにおける孔内で支持されている。また、切替ブッシュは、カム支持体と相互に作用するよう、切替ボール部材を介してこのカム支持体と結合されている。そして、切替シャフトが回転することで、切替ブッシュ及びカム支持体がそれぞれ切替ボール部材及び連行部材を介して軸方向へ摺動する。
【0009】
しかしながら、切替ブッシュの切替シャフトとカムシャフトチューブの間における配置により、克服すべき摩擦力が追加的に生じてしまう。さらに、切替ブッシュの配置により、部品点数が非常に大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第4230877号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10054623号明細書
【特許文献3】独国特許第19520117号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102009017242号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題にかんがみてなされたもので、その目的とするところは、発生する摩擦力を低減しつつ簡易な構造を有する、吸排気バルブの操作を行うための、内燃機関用の可変バルブ駆動部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、請求項1記載の発明により達成される。
【0013】
吸排気バルブの操作を行うための、本発明による内燃機関用のバルブ駆動部は、互いに軸方向へ相対的に摺動可能な複数のカムブッシュで構成された、内燃機関のクランクシャフトにより駆動されるカムシャフトで構成されている。また、互いに相対的に摺動可能な各カムブッシュの結合は軸方向に延在する歯部を介してなされ、互いに隣接するカムブッシュの歯部は、互いに嵌合(噛合)するよう形成されている。また、各カムブッシュ上には同様の基部を有しつつそれぞれ異なる複数のカム形状部が配置されており、これらカム形状部は、各カムブッシュを摺動させることで、吸排気バルブに係合するようになっている。また、カムブッシュの内部には該カムブッシュと共に回転する切替シャフトが配置されており、この切替シャフトは、各カムブッシュと相互に作用するよう、切替ボール部材を介してカムブッシュに結合されている。また、切替ボール部材は、それぞれ各カムブッシュにあるとともに、切替シャフト上に形成された溝において支持されている。また、切替シャフトは、伝動装置を介して、カムブッシュ上において相対回転不能かつ軸方向に摺動可能な摺動部材に結合されている。さらに、切替シャフトをカムブッシュに対して相対回転させるために、内燃機関のケーシングに固設されたアクチュエータが、摺動部材と相互に作用するよう該摺動部材に結合されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カムシャフトにおける複数の異なるカム形状部間での確実なバルブ切替を行うための操作装置の構造を簡易化しつつ、各構成部材において生じる摩擦力を低減することが可能である。
【0015】
他の好ましい形態は各従属請求項に記載されており、その機能については後述する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明によるバルブ駆動部の断面図である。
図2】本発明によるバルブ駆動部の他の実施形態による一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1には内燃機関のバルブ駆動部の一部が示されており、不図示の吸排気バルブを操作するためのこのバルブ駆動部は、内燃機関のクランクシャフトによって駆動されつつ互いに相対的に摺動可能な複数のカムブッシュ7で形成されたカムシャフトで構成されている。多気筒内燃機関の各シリンダには軸方向に摺動可能な1つのカムブッシュ7が割り当てられて設けられており、本発明においては、このカムブッシュ7上に配置されたカム形状部9によって、シリンダにおけるそれぞれ2つの吸排気バルブを操作することが可能となっている。
【0019】
このカムブッシュ7は基部10において互いに異なる複数のカム形状部9a,9b,9cを備えており、これらカム形状部9a,9b,9cは、バルブ行程の切替のために、カムブッシュ7を摺動させることで選択的に直接又は不図示の中間部材を介して各吸排気バルブに接触するものとなっている。図示の実施形態においては、各カムブッシュ7が2つのカム形状部9を有しており、各カム形状部9は、両吸排気バルブを操作するために、比較的小さなカム形状部9a、中間のカム形状部9b及び比較的大きなカム形状部9cを備えている。
【0020】
なお、カム形状部9には、2つのみ又は3つ以上のそれぞれ大きさの異なるカム形状部を設けるようにしてもよい。また、各カム形状部9a,9b,9cの工程間の移動を達成するために、これらカム形状部9a,9b,9cの曲線は、互いにずらして配置されている。
【0021】
互いに相対的に摺動可能な各カムブッシュ7は、軸方向に延設された歯部8によって相互に結合されているとともに、互いに隣接するカムブッシュ7a,7bが歯部8において嵌合(噛合)するよう形成されている。これにより、各カムブッシュ7が相対的に軸方向へ摺動可能である一方相対的に回転しないことになる。また、カムブッシュ7の内部には切替シャフト1が配置されており、この切替シャフト1は、切替工程中を除いて、カムブッシュ7と同期しつつ共に回転するようになっている。各カムブッシュ7は、切替ボール部材3を介して切替シャフト1と相互に作用するよう該切替シャフト1に結合されている。
【0022】
切替ボール部材3は、各カムブッシュ7において断面が半円状に形成された収容部内に配置されているとともに、切替シャフト1上に形成された溝2においてスライドするよう支持されている。各カムブッシュ7に対する切替シャフト1の表面に形成された溝2は軸方向にピッチが設定されており、このピッチにより、切替シャフト1の表面にらせん状の溝2が形成されている。また、この溝2の各始点は、各カムブッシュ7の軸方向の摺動量に合わせて、同様に又は外周において互いにずらして配置されている。また、各カムブッシュ7の時間的に前後した軸方向の摺動においては、各カムブッシュ7に対して配置された溝2の各軸方向のピッチが切替シャフト1の外周において互いにずらして設定されている。なお、図1には、このような実施形態が示されている。
【0023】
各カムブッシュ7の軸方向の摺動が同時になされる場合には、各カムブッシュ7に対して形成された溝2の軸方向の各ピッチは、切替シャフト1の外周において互いにずらされずに位置している。
【0024】
図1に示すように、切替シャフト1はねじスピンドル4を介してカムブッシュ7上においてこれと相対回転不能かつ軸方向に摺動可能に形成された摺動部材5に結合されている。この摺動部材5とカムブッシュ7の間の結合は、互いに嵌合(噛合)する軸方向の歯部13を介してなされている。切替シャフト1におけるねじスピンドル4は、傾斜歯(はす歯)として形成されているとともに、これに合わせて形成された摺動部材5の歯部に噛合するようになっている。また、摺動部材5は、内燃機関のケーシングに固設されたアクチュエータ6と相互に作用するよう結合されている。アクチュエータ6の制御に合わせて、このアクチュエータ6に設けられたピン11が摺動部材5の外周部に形成された溝12と係合し、摺動部材5が、図中双方向矢印で示すようにカムブッシュ7上で両軸方向へ摺動可能となっている。
【0025】
図2にはカムブッシュ7上で摺動可能な摺動部材5と切替シャフト1の間の1つの結合形態が示されており、切替シャフト1と摺動部材5の結合はカム機構によりなされている。このカム機構は切替シャフト1の外周部に配置された切替溝14で構成されており、この切替溝14では、摺動部材5の内周部に形成された断面が半円状の収容部において支持された切替ボール部材15が摺動するようになっている。なお、この切替ボール部材15の摺動も、アクチュエータ6によってなされるようになっている。
【0026】
以下に各カム形状部9a,9b,9c間の切替を達成するための可変のバルブ駆動部の機能について説明する。
【0027】
カムブッシュ7aにおける例えば中間のカム形状部9bが吸排気バルブと係合している場合には、カムブッシュ7、切替シャフト1及び摺動部材5が同期した回転数で回転する。このとき、アクチュエータ6は摺動部材5と係合していない。そして、他のカム形状部への切替は、基部10が吸排気バルブあるいは中間部材と係合しているときにのみ可能である。
【0028】
カム形状部9bの吸排気バルブとの係合をカム形状部9a又はカム形状部9cの吸排気バルブとの係合に切り替えるには、アクチュエータ6を適当な制御の下で起動し、該アクチュエータ6を摺動部材5と係合させる。このような係合は、本実施の形態においては、ピン11を摺動部材5の方向へ移動させて該摺動部材5の外周部に形成された溝12に係合させることによってなされる。制御されたピン11に合わせて、摺動部材5は、溝12内で摺動するピン11によって、実行すべき切替に従いカムブッシュ7上を軸方向へ左右に摺動する。
【0029】
図1に示すねじスピンドル4又は図2に示すカム機構により、摺動部材5の軸方向の運動が切替シャフト1の回転運動に変換される。これにより、切替シャフト1のカムブッシュ7に対する回転がなされることになる。この相対回転運動によって、切替ボール部材3が切替溝2に沿って移動する。そして、このような相対回転運動と、切替ボール部材3を介して各カムブッシュ7と相互に作用するよう該カムブッシュ7に結合された切替溝2とにより、各カムブッシュ7の軸方向への相対的な摺動がなされ、各カム形状部9a,9b,9c間の切替がなされることになる。
【0030】
なお、摺動部材5の摺動は、例えば該摺動部材5に磁気的に作用するアクチュエータ6によって行ってもよい。
【0031】
また、本発明による問題解決の利点は、バルブ駆動部を簡易化及び小型化し、これをエンジンに対応した可変のバルブ行程切替に対して適用することができる点にある。
【符号の説明】
【0032】
1 切替シャフト
2 切替溝
3 切替ボール部材
4 ねじスピンドル
5 摺動部材
6 アクチュエータ
7 カムブッシュ
7a,7b カムブッシュ
8 歯部
9 カム形状部
9a,9b,9c カム形状部
10 基部
11 ピン
12 溝
13 軸方向の歯部
14 切替溝
15 切替ボール部材
図1
図2