特許第5649251号(P5649251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649251
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】ポケットランプ
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20141211BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20141211BHJP
【FI】
   F21L4/00 413
   F21Y101:02
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-518947(P2013-518947)
(86)(22)【出願日】2011年5月5日
(65)【公表番号】特表2013-531346(P2013-531346A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】DE2011001029
(87)【国際公開番号】WO2012006977
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2013年11月28日
(31)【優先権主張番号】102010026918.2
(32)【優先日】2010年7月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】311009963
【氏名又は名称】ツヴァイブリューダー・オプトエレクトロニクス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】オーポルカ・ライナー
【審査官】 川内野 真介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2000/045086(WO,A1)
【文献】 特開2004−311188(JP,A)
【文献】 特開2009−016343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポケットランプであって、
このポケットランプが、異なる輝度等級及び/または発光色の切替えのために、回転スイッチを備えており、
この回転スイッチが、端面側に設けられた弾力的に支承された電気的な接点(20、21)を備える、回転可能にポケットランプケーシング(14)内において設けられた、電池カートリッジ(15)を有しており、
これら接点が、それぞれに、1つの接触板(16)の、1つの電気的な接触面(5)または1つの接触ゾーン(1、2、3、4)と結合されている、様式のポケットランプにおいて、
電池カートリッジ(15)が、固定スリーブ(11)によって紛失の恐れなく、ポケットランプケーシング(14)内において、保持されており、且つ、
回転ノブ(12)を用いて、このポケットランプケーシング(14)内において回転され得、この回転ノブが、この固定スリーブ(11)を長手軸線方向に貫通差込みしていること、および、
固定スリーブ(11)が、ねじ山部分(40)を介して、ポケットランプケーシング(14)と結合可能であり、且つ、当接面(41)を有しており、
この当接面が、電池カートリッジ(15)との当接のために形成されており、且つ、この電池カートリッジ(15)を紛失の恐れなく保持していることを特徴とするポケットランプ。
【請求項2】
接触板(16)は、一方の側面上において、
中央において設けられた1つの電気的な接触面(5)、および、この接触面から半径方向に離間された、多数の電気的な接触ゾーン(1、2、3、4)を有していることを特徴とする請求項1に記載のポケットランプ。
【請求項3】
接触板(16)の他方の側面上において、
少なくとも1つのLED(17)設けられていることを特徴とする請求項2に記載のポケットランプ。
【請求項4】
接触面(5)、および接触ゾーン(1、2、3、4)は、絶縁縁部(23)によって互いに分離されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のポケットランプ。
【請求項5】
弾力的に支承された電気的な接点(20)は、中央に設けられた接触面(5)と、電気的に結合されており、且つ、
他方の電気的な接点(21)が、半径方向に離間された接触ゾーン(1、2、3、4)の内の1つの接触ゾーンと結合されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のポケットランプ。
【請求項6】
電池カートリッジ(15)は、後方の端部において、リング形状の当接面(42)およびねじ山部分(43)を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のポケットランプ。
【請求項7】
回転ノブ(12)は、ねじ山部分を介して、電池カートリッジ(15)と結合されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のポケットランプ。
【請求項8】
電池カートリッジ(15)は、押圧スイッチ(22)を備えており、
この押圧スイッチが、回転ノブ(12)内において設けられた押しボタン(44)と、作用結合の状態にあることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のポケットランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケットランプであって、
このポケットランプが、異なる輝度等級(Helligkeitsstufen)及び/または発光色の切替えのために、回転スイッチを備えており、
この回転スイッチが、端面側に設けられた弾力的に支承された電気的な接点を備える、回転可能にポケットランプケーシング内において設けられた、電池カートリッジを有しており、
これら接点が、それぞれに、1つの接触板の、1つの電気的な接触面または1つの接触ゾーンと結合されている、様式のポケットランプに関する。
【背景技術】
【0002】
過去の年月において、白熱電球を有する旧来のポケットランプは、益々、発光ダイオード(LED)を有するポケットランプによって排除されてきた。
LEDの利点は、特に、この白熱電球と比較して、比較的に僅かの電力消費、衝撃−衝突不敏感性、並びに、明確に長い耐用期間にある。このことは、白熱電球の場合とは異なり、特に、供給されるエネルギーの比較的に大きな部分が、直接的に光の発生に変換され、且つ、熱に変換されないことにある。
【0003】
そうこうしている間に、同様に種々の発光ダイオードも公知となり、これら発光ダイオードが、種々の(異なる)輝度を備えており、及び/または、光を、異なる色において放出可能である。更に、同様に1つの接触板の上でのLEDチップも、いわゆるチップオンボード(Chip on Board)として公知であり、同様に、異なるLEDが1つの支持体の上に設けられているような諸構成においても公知である。
【0004】
上記発光ダイオードまたは複数の発光ダイオードの、比較的に高い輝度への、または、他の色混合への切替えのために、それぞれに異なる切替回路を、異なる電圧でもって作動することは必要であり、この目的のために、機械的な段切替器(Stufenschalter)が公知であり、この段切替器が、それぞれの切替段に応じて、異なる、または同様に付加的が接点を閉鎖する。
【0005】
そのような段切替器の欠点は、この段切替器の比較的に大きな磨耗の起き易さ、並びに、場合によっては引っ掛かり多い案内部(zum Teil hakeligen Fuehrungen)にあり、これら案内部の場合に、締まって動かなくなることが排除され得ない。使用される押圧ばね、および解離可能な係止要素の、それぞれの品質の良さに応じて、不都合な切替ミスは、同様に、排除され得ない。
【0006】
このような段階切替器と並んで、同様に回転スイッチも公知である。
【0007】
例えば、特許文献1内において、ポケットランプのそれぞれに1つの担持において1つの光源を有する、ロッド形状のポケットランプが記載されている。このポケットランプは、2つの部分から成り、これら部分が、互いに回転可能である。
【0008】
このポケットランプの一方の部分は、電池カートリッジと結合されており、この電池カートリッジの端面において、1つのセグメント化された接触板が固定されており、この接触板が、他方の部分の、位置固定式に支承された電気的な接点に当接している。この電池カートリッジの回転によって、これら電気的な接点は、異なる接触面と結合され得、且つ、従って、異なる電流回路が閉鎖する。
【0009】
この記載された構造において、これらポケットランプ部分が、単に互いに差し込まれているだけであり、且つ、従って、容易に互いに離間するように引き離され得、このことによって、これらポケットランプ部分が、これらポケットランプ部分の機能性を失うことは欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第00/45086号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の課題は、簡単に構成され、軽量な、且つ、高い信頼性で操作可能な切替え可能性を、異なる切替段を有するポケットランプのために提供することである。特に、そのようなポケットランプは、頑丈に構成されるべきであり、且つ、同様に、粗野な使用においても、高い信頼性で機能すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1に従うポケットランプによって解決され、それに従って、
電池カートリッジが、固定スリーブによって紛失の恐れなく、ポケットランプケーシング内において、保持されており、且つ、
回転ノブを用いて、このポケットランプケーシング内において回転され得、この回転ノブが、この固定スリーブを長手軸線方向に貫通差込みしており、および、
固定スリーブが、ねじ山部分を介して、ポケットランプケーシングと結合可能であり、且つ、当接面を有しており、
この当接面が、電池カートリッジとの当接のために形成されており、且つ、この電池カートリッジを紛失の恐れなく保持している
このようなポケットランプは、1つの回転スイッチにもかかわらず、簡単に、且つ同時に頑丈に構成されている。
【発明の効果】
【0013】
有利な更なる構成は、以下において、および従属請求項内において記載されている。
【0014】
本発明の第1の有利な実施形態に従い、
接触板は、一方の側面上において、中央において設けられた1つの電気的な接触面、および、この接触面から半径方向に離間された、多数の電気的な接触ゾーンを有している。
【0015】
実際上は、同様に他の構成も可能である。例えば、電気的な接触面が、リング状、または部分リング状に構成され得、その際、対応する電気的な接点が、この接点が、電池カートリッジの回転の際に、この接触面と当接状態のままであるように設けられていることが単に顧慮されねばならないだけである。この接触板の他方の側面上において、有利には、少なくとも1つのLED設けられている。
【0016】
本発明の中心思想は、異なる切替え状態を有するポケットランプに関する。このことを可能にするために、接触ゾーンは、異なる電気的な抵抗、または異なるLEDと結合されており、従って、電流回路を閉鎖する接触ゾーンの選択、および、このポケットランプの機能が定められ得る。
【0017】
個別の接触ゾーンの間に、如何なる電流の流れも生じさせないために、電気的な接触面、および電気的な接触ゾーンは、絶縁縁部によって互いに分離されている。
【0018】
本発明の有利な実施形態に従い、
弾力的に支承された電気的な接点は、中央に設けられた接触面と、電気的に且つ接触状態で結合されており、且つ、他方の電気的な接点が、半径方向に離間された接触ゾーンの内の1つの接触ゾーンと結合されている。
【0019】
結局のところ、しかしながら、接触面および接触ゾーンの具体的な位置および形状に、重要な意味は無い。むしろ、それぞれの接点が、同様に電池カートリッジの回転の際にも、接触面または所望された接触ゾーンと結合されていることが重要である。
【0020】
ポケットランプに、組み立てられた状態において、このポケットランプの所望された安定性を付与するために、且つ、このポケットランプが、同様に粗野な使用においても、確実に機能を果たす能力があるままであるために、電池カートリッジは、紛失の恐れなく、ポケットランプケーシング内において保持されている。
【0021】
有利には、この電池カートリッジは、この目的のために、後方のリング状の当接面、および、ねじ山部分を有しており、その際、固定スリーブが、対応する当接面およびねじ山部分を備えており、このねじ山部分でもって、この電池カートリッジがポケットランプケーシングと結合されている。
【0022】
要するに、回転ノブは、ねじ山部分を介して、電池カートリッジと結合されており、従って、この電池カートリッジが、この回転ノブの上で、ポケットランプケーシング内において回転され得る。この回転ノブは、組み付けられた状態で、長手軸線方向に、固定スリーブを貫通差込みしている。
【0023】
本発明の更に有利な構成に従い、
電池カートリッジは、押圧スイッチを備えており、この押圧スイッチが、回転ノブ内において設けられた押しボタンと、作用結合の状態にある。
【0024】
この付加的な押圧スイッチは、使用者に、ポケットランプの所望された切替機能を、回路遮断(消灯、スイッチオフ)状態において、この電池カートリッジの回転によって選択すること、および、この機能を、この押圧スイッチを介して、回路接続(点灯、スイッチオン)することを可能にする。
【0025】
更に、この押圧スイッチを介して、このポケットランプが、回転ノブの意図しない回転によって回路接続(点灯、スイッチオン)されることが防止され、このことは、例えば、リュックサックまたはポケット内における輸送の際に、容易に起こり得る。
【0026】
本発明の更に有利な実施形態および具体的な構成を、以下で、図に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】ポケットランプの側面図である。
図2図1の線A−Aに沿ってのポケットランプの長手方向断面図である。
図3図2内における部分Cの詳細図である。
図4図2内における部分Bの詳細図である。
図5】4つの接触ゾーンと1つの接触面を有する、円板形状の接触板の下側の図である。
図6】アダプター光学系、チップオンボード、並びに、端キャップに保持された電池カートリッジを有するランプヘッドの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図内において示されたポケットランプは、端部側で、解離可能に固定された、ねじり固定可能な端キャップ10を有する、円筒形の形状を備えており、この端キャップが、固定スリーブ11および回転ノブ12から形成されており、および、このポケットランプが、前方側で、開放された端部13を備えており、この開放された端部が、光射出面として形成されている。
【0029】
ポケットランプケーシング14内において、少なくとも、1つの電池、または1つの電池積層体、または1つの電池カートリッジ15が設けられており、この電池カートリッジが、多数の、直列に接続された電池を収容している。更に、このポケットランプは、少なくとも1つのLED17を有する1つの接触板16を備えている。
【0030】
唯一のLED17の使用の場合、このLED17に供給される(abfallenden)電圧に応じて、異なる色、及び/または異なる輝度が放射され得る。
【0031】
ポケットランプは、更に、アダプター光学系18を装備しており、このアダプター光学系が、反射鏡レンズとして形成されており、その際、中央において放出された光線が、内側の集光レンズ部分に当たり、且つ、そこで、平行な光へと集束され、
他方、側方で放射された光線が、円錐状鏡面、並びに外側の反射鏡面に当たり、そこから、これら光線が、同様に、開放された端部13の方向に放射される。
【0032】
本発明に従い、ポケットランプは、1つの回転スイッチを備えており、この回転スイッチが、今ここで問題になっている当該のケースにおいて、接触板16、電池カートリッジ15、および回転ノブ12によって形成されている。
【0033】
この図示された場合において、この電池カートリッジ15は、中央の接触面5と電気的に結合されている、第1の中央のばね接点20と、並びに、回転可能な電池カートリッジ15と共に、接触板16の下側で、異なる電気的な接触ゾーン1、2、3、4を擦過する、中央から離れて設けられた接点ばね21とを備えている。
【0034】
電池カートリッジ15無しに電池積層体の使用の際、または、唯一の電池の使用の際に、中央の接触は、同様に、この電池の正の電極によって形成される。
【0035】
この接点ばねは、原理的に図5内において図示されているように、接触ゾーン1、2、3、4内の1つの接触ゾーンと、接触可能であり、その際、それぞれの接触ゾーン1、2、3、4が、異なる切替え可能性(Schaltungsmoeglichkeit)を提供する。
【0036】
接触ゾーン1から4の間に、それぞれに、絶縁縁部23が設けられており、これら絶縁縁部は、2つの接触ゾーンとの接点ばね21の同時の接触による、誤切替えを防止する。
【0037】
この切替え可能性の変形は、適宜の大きさであり、且つ、接点ばね21が、これら接触ゾーン1、2、3、4の内の1つの接触ゾーンとの確実な載置を、1つの所定の切替え状態において有するべきであることによって、単に制限される。付加的な要素、または、更に別の制御回路の使用によって、異なるダイオードまたはダイオードグループでの回路接続(点灯、スイッチオン)、並びに、異なる電圧での回路接続(点灯、スイッチオン)と並んで、同様に点滅作用も実現可能である。
【0038】
それに加えて、この様式のポケットランプは、押圧スイッチ22を備えており、従って、所望された切替機能が、同様に回路遮断(消灯、スイッチオフ)状態においても選択され得る。
【0039】
ポケットランプケーシング14の内側の電池カートリッジ15の、紛失の恐れのない保持は、図4の詳細図内において図示されている。
【0040】
この目的のために、ポケットランプケーシング14は、ねじ山部分40を備えており、このねじ山部分を介して、固定スリーブ11が固定されている。この固定スリーブ11は、当接面41を備えており、この当接面が、電池カートリッジ15の当接面42と当接状態にあり、且つ、この電池カートリッジが、ポケットランプケーシング14内において保持されている。
【0041】
更に、この電池カートリッジ15は、ねじ山部分43を介して、回転ノブ12と結合されており、この回転ノブが、固定スリーブ11を、長手軸線方向において、貫通差込みしている。この回転ノブ12の内側に、この図示された場合において、押しボタン44が設けられており、この押しボタンが、電池カートリッジ15の押圧スイッチ22と結合されている。
【符号の説明】
【0042】
1、2、3、4 接触ゾーン
5 接触面
10 端キャップ
11 固定スリーブ
12 回転ノブ
13 開放された端部
14 ポケットランプケーシング
15 電池カートリッジ
16 接触板
17 LED
18 アダプター光学系
20 ばね接点、接点
21 接点ばね
22 押圧スイッチ
23 絶縁縁部
40 ねじ山部分
41 当接面
42 当接面
43 ねじ山部分
44 押しボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6