【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 2005年4月12日から2005年4月14日まで開催された「IN−COSMETICS」のパンフレットP30及びP32に発表
【文献】
Househ. Pers. Prod. Ind.,2005年 6月,Vol.42,No6,p.55,56,58,60,61
【文献】
(財)博慈会 老人病研究所 紀要 Vol.12(総説)『本邦におけるアンチ・エイジング医療の実情』,未病と抗老化,2003年 8月,Vol.12,No.1,p.23−29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施しうる。
<発明の構成>
【0021】
本発明者らは、ヒト成長ホルモンの新規な用途を探すために、鋭意研究した結果、ヒト成長ホルモンを皮膚に局所的に適用すると、皮膚状態を大いに改善することができることを見出した。ヒト成長ホルモンによる現在の処置は、注射投与方式であって、主に小人症と成人のヒト成長ホルモン欠乏症を治療するためのものである。従来は、ヒト成長ホルモンの大きい分子量と教科書的なヒト成長ホルモンの作用経路に対する先入見のため、正常皮膚に局所的に適用して有効な効能を期待するということは、考えられないことであった。本発明は、このような当業界の通常的な常識または知識から大きく外れたものであって、ヒト成長ホルモンの正常皮膚に対する局所的適用の効能を最初に確認したことにその特徴がある。本発明は、ヒト成長ホルモンを毛孔と表皮の二つの経路を通じて皮膚に適用させる最初の発明である。
【0022】
本発明は、血液を通じてヒト成長ホルモンの効能が伝達される方式ではなく、血液が接触する部分と反対方向の正常皮膚表面に塗る方式により、ヒト成長ホルモンがニキビの改善、シワの改善、アトピー性皮膚の改善、紫外線による皮膚損傷の改善、シミの改善、ソバカスの改善、乾性肌の改善、脂性肌の改善、毛孔の縮小などのような皮膚に対する美容的、医学的効能を奏することができるということを示した最初の発明である。
【0023】
本発明で有効成分として利用されるヒト成長ホルモンとしては、ヒト成長ホルモン活性を示すなら、いかなるポリペプチドでも使用可能であり、例えば、「mature hGH」、「Met−hGH」、「hGH variants」、「modified−hGH」、「hGH fragments」または「hGH analogues」のいずれか一つを利用するこができる。好ましくは、mature hGHまたはMet−hGHである。mature hGHは、人体血液内に存在する主(major)ヒト成長ホルモンのアミノ酸序列を有するヒト成長ホルモンを意味し、Met−hGHは、mature hGHのN−末端にメチオニンが添加されたヒト成長ホルモンを意味し、hGH variantsは、人体内に存在する主ヒト成長ホルモン以外のヒト成長ホルモンのアミノ酸序列を有するヒト成長ホルモンを意味し、modified−hGHは、ヒト成長ホルモンの一つ以上のアミノ酸残基にpegylationやglycationなどのような添加物の付着により変形されたヒト成長ホルモンを意味し、hGH fragmentsは、ヒト成長ホルモンのアミノ酸序列の一部を遺伝工学的方法や生化学的方法により除去したヒト成長ホルモンを意味し、hGH analogueは、ヒト成長ホルモンのアミノ酸序列を遺伝工学的方法により、類似した性質を有する他のアミノ酸序列に変形させたヒト成長ホルモンを意味する。本発明において、ヒト成長ホルモンの活性を有するということは、次の二つの方法の一つにより特定できる。その一つは、ヒト成長ホルモン結合タンパク質またはヒト成長ホルモン受容体と結合して、ヒト成長ホルモンが誘発する信号伝達を起こすかどうかにより特定でき、他の一つは、ヒト成長ホルモンの作用に起因した生物学的効果が現れるかどうかにより特定できる。
【0024】
本発明において、ヒト成長ホルモンは、水溶液自体または担体を通じて皮膚に適用することができる。本発明の注目すべき特徴の一つは、実施例XII及び
図10bに示されたように、ヒト成長ホルモン水溶液自体を直接皮膚に適用しても、所望の皮膚状態改善効果をある程度達成できるということである。ヒト成長ホルモン水溶液自体を局所的に皮膚に適用する場合にも、ヒト成長ホルモンは、毛嚢のバルジ幹細胞が位置した部位に到達して、皮膚状態改善効果を期待することができる。
【0025】
本発明の好ましい具現例によると、本発明の組成物は、リン脂質またはリポソーム組成を有して、より好ましくは、リポソーム組成を有する。有効成分であるヒト成長ホルモンは、リポソームに包囲されて皮膚に適用されることが好ましい。本発明のより好ましい具現例によると、本発明の組成物は、ナノリポソームの組成を有する。本明細書において、用語'ナノリポソーム'は、通常的なリポソームの形態を有するものであって、平均粒径が20〜1000nmのリポソームを意味する。本発明の好ましい具現例によると、ナノリポソームの平均粒径は、50〜500nmであり、より好ましくは、50〜350nmであって、最も好ましくは、50〜250nmである。
【0026】
リポソームは、自ら会合するコロイド粒子の球形リン脂質小胞体と定義されるが、水溶性ヘッド(親水基)と不溶性テイル(疎水基)を有する両親媒性分子から構成されたリポソームは、これらの相互作用により自発的に結合して整列された構造を示すが、その大きさと積層性(lamellarity)により、SUV(small unilamellar vesicle)、LUV(large unilamellar vesicle)、及びMLV(multi lamellar vesicle)に分類される。このように、多様な積層性を示すリポソームは、細胞膜に類似した二重膜構造を有する。
【0027】
本発明における(ナノ)リポソームは、リン脂質、ポリオール、界面活性剤、脂肪酸、塩及び/または水を利用して製造することができる。
【0028】
本発明の(ナノ)リポソームの製造に利用される成分であるリン脂質は、両側親和性脂質として利用されたもので、天然リン脂質(例えば、卵黄レシチンまたは大豆レシチン、スフィンゴミエリン)及び合成リン脂質(例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoylphosphatidylcholine)または水添レシチン)を含み、好ましくは、レシチンである。より好ましくは、前記レシチンは、大豆または卵黄から抽出した天然由来の不飽和レシチンまたは飽和レシチンである。
【0029】
本発明の(ナノ)リポソームに利用できるポリオールは、特に制限されるものではなく、好ましくは、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、メチルプロパンジオール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、エリスリトール、キシリトール及びソルビトールを含む。
【0030】
本発明の(ナノ)リポソームの製造に利用できる界面活性剤は、当業界に公知されたいかなるものでも使用でき、例えば、アニオン性界面活性剤(例えば、アルキルアシルグルタメート、アルキルホスフェート、乳酸アルキル、ジアルキルホスフェート、及びトリアルキルホスフェート)、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤(例えば、アルコキシ化アルキルエーテル(alkoxylated alkylether)、アルコキシ化アルキルエステル(alkoxylated alkylester)、アルキルポリグリコシド、ポリグリセリルエステル、及びシュガーエステル)が使用できる。
【0031】
本発明の(ナノ)リポソームの製造に利用できる脂肪酸は、高級脂肪酸、好ましくは、C
12〜22アルキル鎖の飽和または不飽和脂肪酸であって、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノレイン酸を含む。
【0032】
本発明の(ナノ)リポソームの製造に利用される塩は、当業界に公知されたいかなるものでも使用できるが、例えば、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、水酸化塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アミノ酸塩、及びアミノ酸を含む。
【0033】
本発明の(ナノ)リポソームの製造に利用される水は、一般に脱イオン化された蒸留水である。
【0034】
本発明の好ましい具現例によると、本発明の(ナノ)リポソームは、リン脂質、塩と水のみにより製造されるが、その具体的な例は、下記の実施例に記載されている。
【0035】
本発明の好ましい具現例によると、本発明のhGH−含有ナノリポソームは、次の段階を含む工程により製造される:(a)リポソームを形成できるリン脂質(好ましくは、卵黄レシチンまたは大豆レシチン)を、ヒト成長ホルモンを含有した塩の緩衝水溶液に溶解する段階;及び(b)ヒト成長ホルモンとリン脂質を含有した水溶液を高圧均質器に反復的に通過させるが、通過回数が増加するにつれて、リン脂質の含量と高圧均質器の圧力を漸次増加させ、ヒト成長ホルモンを含有するナノリポソームを製造する段階。
【0036】
ヒト成長ホルモンを含有する水溶液は、pH6〜8、好ましくは、約pH7の緩衝液(例えば、リン酸ナトリウム緩衝液)が好ましい。リン酸ナトリウム緩衝液が利用される場合は、その濃度は、5〜100mM、より好ましくは、5〜60mM、さらに好ましくは10〜30mM、最も好ましくは、約20mMである。
【0037】
本発明の方法において、最も特異な側面は、リン脂質とhGH−含有水溶液の混合物を高圧均質器に数回通過させるが、通過回数が増加するにつれて、リン脂質の量と均質器の圧力を漸次増加させることにある。本発明の好ましい具現例によると、均質器の圧力は、0barから1000barまで、好ましくは、0barから800barまで漸次増加させる。圧力は、50barまたは100bar、好ましくは、100barずつ増加させることができる。本発明の好ましい具現例によると、リン脂質の量は、5〜40w/v(%)、5〜30w/v(%)まで漸次増加させる。
【0038】
このような漸次的なリン脂質含量と圧力の増加を含む高圧均質工程を通じて、hGH−含有ナノリポソームが製造されて、好ましくは、液状のhGH−含有ナノリポソームが製造される。
【0039】
本発明の組成物は、様々な皮膚状態の改善に利用できる。好ましくは、本発明の組成物は、ニキビの治療、シワの改善、シミの除去、皮膚弾力の改善、発毛の促進、皮膚老化の防止、皮膚保湿の改善、及び皮膚幹細胞と皮膚表皮幹細胞の増殖に有効であり、より好ましくは、ニキビの治療、シワの改善、及び発毛の促進に有効である。
【0040】
本発明の組成物は、化粧料組成物または薬剤学的組成物として製造できる。
【0041】
本発明の化粧料組成物に含まれる成分は、有効成分としてのhGH−含有リポソームの他に、化粧料組成物に通常的に利用される成分を含むが、例えば、安定化剤、溶解化剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常的な補助剤、及び担体を含む。
【0042】
本発明の皮膚保護用化粧料組成物は、当業界で通常的に製造されるいかなる剤形にも製造でき、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション及びスプレーなどに剤形化することができるが、これに限定されるものではない。より詳しくは、柔軟化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、スプレーまたはパウダーの剤形に製造することができる。
【0043】
本発明の剤形がペースト、クリームまたはゲルである場合は、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク、または酸化亜鉛などが利用できる。
【0044】
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合は、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケート、またはポリアミドパウダーが利用でき、特にスプレーの場合は、クロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進体をさらに含むことができる。
【0045】
本発明の剤形が溶液または乳濁液である場合は、担体成分として、溶媒、溶解化剤または乳濁化剤が利用されて、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール、またはソルビタンの脂肪酸エステルがある。
【0046】
本発明の剤形が懸濁液である場合は、担体成分として、水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガーまたはトラガカントなどが利用できる。
【0047】
本発明の剤形が界面活性剤含有クレンジングである場合は、担体成分として、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、イソチオネート、イミダゾリウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性油、ラノリン誘導体、またはエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどが利用できる。
【0048】
本発明の組成物が薬剤学的組成物に製造される場合は、薬剤学的に許容される担体を含むことができるが、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウム、及び/またはミネラルオイルを含むことができる。本発明の薬剤学的組成物は、前記成分の他に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などをさらに含むことができる。適合する薬剤学的に許容される担体及び製剤は、「Remington's Pharmaceutical Sciences(19th ed., 1995)」に詳細に記載されている。
【0049】
本発明の薬剤学的組成物は、皮膚局所投与目的で開発された。
【0050】
本発明の薬剤学的組成物の適合した投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性、病的状態、飲食、投与時間、投与経路、排泄速度、及び反応感応性のような要因により様々である。一方、本発明の薬剤学的組成物の皮膚局所投与量は、好ましくは、1日当たり、0.001〜100ng/cm
2(皮膚表面積)、より好ましくは、0.01〜10ng/cm
2、最も好ましくは、0.1〜2ng/cm
2である。
【0051】
本発明の薬剤学的組成物は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できる方法により、薬剤学的に許容される担体及び/または賦形剤を利用して製剤化することにより、単位容量形態に製造されるか、または多用量容器内に入れて製造できる。この際、剤形は、ナノリポソームを含む溶液形態が最も好ましい。
【0052】
本発明の組成物は、表皮幹細胞に作用し、毛嚢の数を増やして発毛を促進し、表皮層の角質細胞の増殖を誘発し皮膚老化を抑えて、紫外線により損傷された皮膚と紫外線により形成されたシワを改善すると共に、真皮層の結合組織をリモデリングし、皮膚弾力を改善して、シワを改善する作用をし、ニキビを治療して、シミを除去する効能を奏する。つまり、本発明の組成物は、皮膚状態を著しく改善させることができる。また、本発明の組成物は、人体に非常に安全であると共に、ナノリポソームに製造される場合は、安定性にも非常に優れるものである。
<発明の具体的実施例>
【0053】
以下、具体的実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとっては自明なことであろう。
<<実施例I:様々な剤形のヒト成長ホルモン−含有リポソーム(Lipo−hGH)の製造方法>>
<<<A型(クリーム型):ヒト成長ホルモン−含有クリーム剤形>>>
【0054】
A型の製造に利用されたリン脂質は、「lipoid S100(Lipoid GmbH, Germany)」または「lipoid S75(Lipoid GmbH, Germany)」である。
【0055】
機器出口(outlet)の温度が30℃を超えないように、熱交換機を装着した高圧均質器(max.output 5L/hr、最大圧力1200bar、Model HS−1002;manufactured by Hwasung Machinery Co.,Ltd.,South Korea)の熱交換機を氷水中に装置した後、蒸留水で機器内部を洗浄して作動準備した後、緩衝溶液(20mM NaH
2PO
4 pH6.5−7.5、1mM EDTA)に溶解されている1mg/ml濃度のヒト成長ホルモン(LG Life Sciences,Ltd)溶液にリン脂質を5w/v%比率で添加し、十分水和させて攪拌し、これを常温、低圧0barで3回以上均質器に通過させた。均質器処理をした溶液にリン脂質を6w/v%比率となるように添加して、十分水和させて攪拌して、100barで3回以上均質器を通過させた。その後、100bar条件で、均質器を経た溶液にリン脂質を7w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、200barで3回以上均質器を通過させた。その後、200bar条件で、均質器を経た溶液にリン脂質を8w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、300barで3回以上均質器を通過させた。前記均質器過程を経た溶液にリン脂質を9w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、400barで3回以上均質器を通過させた。次いで、前記均質器過程を経た溶液にリン脂質を10w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、500barで3回以上均質器を通過させた。その後、前記均質器過程を経た溶液にリン脂質を11w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、600barで3回以上均質器を通過させた。 その後、前記均質器過程を経た溶液にリン脂質を12w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、800barで3回以上均質器を通過させて、最終的にクリーム型のヒト成長ホルモン−含有リポソーム(Lipo−hGH)を製造した。
【0056】
本実施例で製造されたヒト成長ホルモン−含有リポソームクリーム剤形の電子顕微鏡写真は、
図1に示されている。本実施例で製造されたクリーム型リポソームをゴールドコーティングして、走査電子顕微鏡(HITACHI S 2500)で観察した結果、屈曲して連結されている基物の形態はゲルと推定されて、球形の小さい粒は、ナノサイズ(0.02〜0.3μm)のリポソームと判断される。
<<<B型(リポソーム型):ヒト成長ホルモン−含有リポソーム剤形>>>
【0057】
B型の製造に利用されたリン脂質は、大豆レシチン(ShinDongBang Corp.,South Korea)、Metarin P(Degussa Texturant Systems Deutschland GmbH&Co.KG)、NutripurS(Degussa Texturant Systems Deutschland GmbH&Co.KG)、またはEmultop(Degussa Texturant Systems Deutschland GmbH&Co.KG)である。
【0058】
機器出口(outlet)の温度が30℃を超えないように、熱交換機を装着した高圧均質器(max.output 5L/hr、最大圧力1200bar、Model HS−1002;manufactured by Hwasung Machinery Co.,Ltd., South Korea)の熱交換機を氷水中に装置した後、蒸留水で機器内部を洗浄して作動準備した後、緩衝溶液(20mM NaH
2PO
4 pH6.5−7.5、1mM EDTA)に溶解されている1mg/ml濃度のヒト成長ホルモン(LG Life Sciences,Ltd)溶液にリン脂質を10w/v%比率で添加し、十分水和させて攪拌し、これを常温、低圧0barで3回以上均質器に通過させた。次いで、前記均質器過程を経た溶液にリン脂質を14w/v%比率となるように添加して、十分水和させて攪拌して、100barで3回以上均質器を通過させた。その後、前記均質器の過程を経た溶液にリン脂質を18w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、200barで3回以上均質器を通過させた。その後、前記均質器の過程を経た溶液にリン脂質を20w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、300barで3回以上均質器を通過させた。次いで、前記均質器の過程を経た溶液にリン脂質を22w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、400barで3回以上均質器を通過させた。その後、前記均質器の過程を経た溶液にリン脂質を24w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、500barで3回以上均質器を通過させた。その後、前記均質器の過程を経た溶液にリン脂質を26w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、600barで3回以上均質器を通過させた。 次いで、前記均質器の過程を経た溶液にリン脂質を28w/v%比率となるように添加して十分水和させて攪拌し、700barで3回以上均質器を通過させた。その後、前記均質器の過程を経た溶液を800barで3回以上均質器を通過させた後、均質器から溶液を排出して、15、000×gで30分間高速遠心分離し、上清液を分離した。この際、リポソーム内に入らなかったヒト成長ホルモンをゲル透過クロマトグラフィ(GE Healthcare,USA)で除去し、液相のリポソームを得た(参照:
図2)。
【0059】
B剤形において、溶液を、蒸留水及び緩衝溶液pH6.0〜7.5(20mM NaH
2PO
4、1mM EDTA,pH6.0−7.5)を使用して製造した結果、リポソームの物性及び安定性に変わりはなく、また、結果物を15〜30℃で大豆レシチン10w/v%以上で長期保管(1ヶ月以上)したら、脂質層と水溶液との相分離が発生(上層は水溶液、下層は脂質層)したが、10w/v%未満の大豆レシチンでは相分離が起こらず、安定性に優れていた。
<<実施例II:FPLC分離及びSDS−PAGE分析>>
【0060】
前記実施例Iの剤形Bのヒト成長ホルモン−含有リポソームの分析のために、常温でFPLC(Acta explorer,Amersham Bioscience)にsuperdex 200HR/30カラムを装置して、カラムボリュームの二倍の緩衝溶液(20mM NaH
2PO
4、1mM EDTA及び150mM NaCl)で平衡化させた後、ヒト成長ホルモン−含有リポソームを分離及びその分画を分取し、これをSDS−PAGEで分析した。
図3から確認できるように、約22kDa付近で、ヒト成長ホルモンのバンドが見られる。
<<実施例III:リポソーム内のヒト成長ホルモンの定量>>
【0061】
HPLC(Shimazu)にC18 Delta packカラム(Waters、USA)を装着して、溶媒Aは、0.1%TFAアセトニトリル、溶媒Bは、0.1%TFA H
2Oを使用し、濃度勾配(B 60−10%:0−25min,B 60%:25.01−30min)方式により、流速1ml/minで逆相−HPLCを行った。蛍光検出器(excitation:295nm、range:270−300nm;emission:350nm、range:300−400nm)を利用して、オーブン温度55℃、ランタイム30分の機器条件で標準試料(International standardヒト成長ホルモンNIBSC code 98/574)を定量した後、試料前処理過程(ヒト成長ホルモンを含有したリポソーム溶液を、超音波を利用して破砕した後、50mM Tris−Cl pH8.0 、1mM EDTA、8Mウレア、2%Tween20溶液を試料と同じ容量で添加後、ピペッティングする)を経て、蛍光検出器を利用してHPLCで定量した(
図4参照)。
【0062】
定量の結果、実施例Iの剤形BのLipo−hGHは、約3.69μg/mlのヒト成長ホルモンを含有していることが分かった。
<<実施例IV:リン脂質含量の分析>>
【0063】
HPLC(Shimazu)にSpherisorb S5 NH
2カラム(Waters)を装着して、溶媒として60%アセトニトリル、30%メタノール及び5%H
2Oを使用して、等溶媒濃度勾配(Isocratic gradient)方式により、流速1ml/minでHPLCを行った。紫外線検出器(215nm)を利用して、オーブン温度35℃、ランタイム20分の機器条件でリン脂質を、メタノール:クロロホルム(90%:10%)の溶液に完全に溶解して定量した。同じ方式で本発明のヒト成長ホルモン−含有リポソーム溶液を、メタノール:クロロホルム(90%:10%)の溶液に完全に溶解させた後、HPLCで定量した(
図5参照)。
【0064】
定量の結果、実施例Iの剤形BのLipo−hGHは、約3.26mg/mlのリン脂質を含有していることが分かった。
<<実施例V:安定性試験>>
【0065】
前記実施例Iで製造されたB剤形のヒト成長ホルモン−含有リポソームの安定性試験を次のように行った:0.1%メチルパラベンを含有した本発明のLipo−hGHを褐色瓶に入れて、それぞれ4℃及び15〜30℃に放置し、1週間隔でhGH含量をHPLCで定量して、安定性を調べた。
図6から確認できるように、本発明のLIpo−hGHは、貯蔵10ヶ月後、4℃では初期hGH含量の87.5%存在して、室温では、75%存在することを確認した。したがって、本発明のLipo−hGHは、安定性に優れていることが分かる。
<<実施例VI:安定性試験>>
【0066】
本発明のヒト成長ホルモン含有リポソーム(実施例IのB剤形)の安全性を検査するために、ヒト角質細胞株であるHaCaT(DKFZ,Germany)とヒト胚芽繊維芽細胞であるHEF(gift from Prof.Lee,Jaeyong,Department of Biochemistry,School of Medicine,Hallym University)に対する細胞毒性を調べた。
【0067】
HaCaTとHEFを、それぞれ1×10
5細胞/ml及び5×10
4細胞/mlの濃度で10%FBS/DMEM(FD培地)に懸濁して、これを24ウェルプレートに1ml添加した後、37℃、5%CO
2インキュベータで一日間培養した。培養1日後、上層培地を注意深く除去し、適切な量の10%FD培地と濃度別に用意した試料をプレートのウェルに添加して、37℃、5%CO
2インキュベータで一日間反応した。試料として利用されたものは、緩衝液(20mM Na−PI,pH7.0、 1mM EDTAおよび0.1%メチルパラベン含有)、リポソーム、ヒト成長ホルモン、及び実施例IのB剤形のNanolipo−hGHである。反応後、細胞の生存力を、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT:Sigma,USA)を利用して測定した(Shearman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.91(4):1470−4(1994),Shearman et al.,J.Neurochem.65(1):218−27(1995)及びKaneko et al.,J.Neurochem.65(6):2585−93(1995))。MTT反応結果物に対し、ELIASリーダー(Molecular Devices,USA)を利用して、570nmにおける吸光度を測定した。各試料による生存度は、試料が添加されていないウェルの吸光度を100%として、相対的な値で示した(
図7)。
【0068】
図7から確認できるように、本発明のhGH含有ナノリポソームは、HaCaTとHEFの細胞生存度に影響を及ぼさないことが分かり、つまり生体に非常に安全な剤形であることが分かる。
<<実施例VII:ナノリポソーム剤形のLipo−hGHのNb
2細胞増殖の分析>>
【0069】
Nb
2noble rat lymphoma cell line(NIBSC ECACC #97041101)1×10
5細胞/ml 50μlが入っている96ウェルプレートのウェルに、S−hGH(標準ヒト成長ホルモン、Standard human growth hormone、NIBSC code 98/574)、S−hGHに1000倍希釈された試料前処理溶液(ヒト成長ホルモンを含有していないリポソーム溶液を超音波(sonicator)を利用して破砕後、50mM Tris−Cl pH8.0、1mM EDTA、8Murea,2%Tween20溶液を試料と同じ容量で添加後、ピペッティング)が添加された試料、または、試料前処理過程(ヒト成長ホルモンを含有したリポソーム溶液を超音波(sonicator)を利用して破砕後、50mM Tris−Cl pH8.0、1mM EDTA、8Murea,2%Tween20溶液を試料と同じ容量で添加後、ピペッティング)を経た実施例IのB剤形Nanolipo−hGH(N−hGH)を1000倍希釈した溶液が添加された試料を添加した。5日間、37℃、5%CO
2で培養した後、増殖された細胞の量を、MTTを利用して測定した。hGHが添加されていない対照群の平均吸光度を100%とした時、試料が添加された群の相対的な値を計算した。
【0070】
図9から分かるように、本発明のNanolipo−hGHに包囲されたヒト成長ホルモンは、本来の活性を維持していることが分かる。
<<実施例VIII:粒子大きさ分布の分析>>
【0071】
前記実施例においてゲル透過クロマトグラフィで分離した剤形BのLipo−hGHを、Particle Size Analyzer (Mastersizer 2000/Malvern Instruments Ltd.)を利用して、屈折率1.52で粒子大きさ分布を分析した(
図13参照)。
図13から分かるように、本発明のLipo−hGHの粒子大きさは、0.193μm大きさで最大分布を示し、剤形BのLipo−hGHは、ナノ大きさで存在することが分かる。
<<実施例IX:シワ改善効能の分析>>
【0072】
4週齢の無毛マウス(韓国化学研究院から購入)と実施例IのB剤形Nanolipo−hGH(N−hGH)を利用して実験した。動物飼育室の温度は、22±2℃、湿度は、55〜60%に維持して、明暗循環が12時間サイクルで調節されるようにして、放射線照射で滅菌した固形飼料(中央実験動物、Seoul、Korea)と滅菌した給水を自由に摂取するようにした。2週間ほどの適応期間を経た。このようなヌードマウスの背中部位にシワを誘導するために、UVB−20mJを1週3回照射する方式で8週間照射した。その後、化粧用ブラシを利用して、UVBが照射された背中に試料及び対照群溶液を8週間塗布した。その後、シワ改善効果をDonald方法(Hyun−Seok Kim et.al,Mech.Ageing Dev.(2005.8.16 in press))により評価した。
【0073】
実験結果は、
図8及び
図14に示されている。
図8において、対照群(n=3)は、何の処理もしなかった群であり、UVB−対照群(n=3)は、UVB−20mJを処理してシワのみを誘導した群であり、リポソーム(n=3)は、UVB−20mJを処理してシワを誘導し、リポソームを処理した群であって、Nanolipo−hGH(n=3)は、UVB−20mJを処理してシワを誘導し、本発明のNanolipo−hGHを処理した群である。
図8及び
図14から分かるように、本発明のNanolipo−hGHは、UVにより誘導されたシワを効果的に除去して、その効果は、局所投与後、約2週間後から明らかに現れていることが分かる。
<<実施例X:ニキビ治療効能の分析>>
【0074】
本発明のヒト成長ホルモン−含有リポソームのニキビ治療効能を次のように調べた:
【0075】
15〜40歳の女性のうち、顔の肌にニキビを有する60名を、20名ずつランダムに三つのグループに分けて、前記実施例IのhGH含有リポソーム剤形B型(剤形1)、リポソームのみの比較溶液(剤形2)、比較緩衝溶液(剤形3)を、それぞれ3週間、朝/夜の一日2回ずつ、洗顔後最も先に使用するようにした。その他には、普段使用していた化粧品に対する制限はなかった。その後、使用者の意見により、ニキビに対する改善程度を下記の評価基準にしたがって判定した。試験結果は、表1に示した。
【0076】
評価基準:+++(非常に良好な改善効果がある)、++(相当な改善効果がある)、+(若干の改善効果がある)、±(改善効果はないが、悪化してもいない)、−(悪化している)
【表1】
【0077】
表1から分かるように、本発明の剤形は、ニキビに対する改善程度が非常に優れていることが分かり、ニキビ改善効果は、アプリケーション後約2週間後から明らかに現れ始めた。しかも、本発明の組成物は、皮膚に対する刺激、例えば、紅斑または痒みをほとんど誘発しなかった。
<<実施例XI:シミ除去効能の分析>>
【0078】
本発明のヒト成長ホルモン−含有リポソームのシミ除去効能を次のように調べた:
【0079】
40〜60歳の女性のうち、顔の肌にシミを有する60名を、20名ずつランダムに三つのグループに分けて、前記実施例IのhGH含有リポソーム剤形B型(剤形1)、リポソームのみの比較溶液(剤形2)、比較緩衝溶液(剤形3)を、それぞれ8週間、朝/夜の一日2回ずつ、洗顔後最も先に使用するようにした。その他には、普段使用していた化粧品に対する制限はなかった。その後、使用者の意見により、シミに対する改善程度を下記の評価基準にしたがって判定した。試験結果は、表2に示した。
【0080】
評価基準:+++(非常に良好な改善効果がある)、++(相当な改善効果がある)、+(若干の改善効果がある)、±(改善効果はないが、悪化してもいない)、−(悪化している)
【表2】
【0081】
表2から分かるように、本発明の剤形は、シミに対する改善程度が非常に優れていることが分かり、シミ改善効果は、アプリケーション後約3〜5週間後から明らかに現れ始めた。しかも、本発明の組成物は、皮膚に対する刺激、例えば、紅斑または痒みをほとんど誘発しなかった。
<<実施例XII:ナノリポソーム剤形のLipo−hGHのローカリゼーション及び皮膚に及ぼす影響の分析>>
【0082】
スプラグドーリ(Sprague Dawley)ラットの腹部部分を六つの区域(それぞれ半径1cmの円)に分けて、次の試料を処理した。0.1%メチルパラベン緩衝液、0.1%リポソーム、0.001U hGH、0.0001U hGH、0.001U Lipo−hGH、及び0.0001U Lipo−hGH。
【0083】
24時間毎に50μlずつ2回処理して、計7回処理した。そして、最後の試料処理後、24時間が経ったら、ラットから組織を採取した。採取した組織を40μm厚に断片化して、1次抗体としてポリクロナルラビット抗−ヒト成長ホルモン抗体(DAKO,U.S.A.)を処理した後、2次抗体としてビオチンが結合されているanti−rabbit antibody(VECTOR.VECTASTAIN ABC kit(RABBIT IgG),U.S.A.)を室温で30分間処理した。その後、VECTASTAIN ABC reagent(VECTOR,U.S.A.)で室温で30分間処理し、DAB基質(Diaminobenzidine,Sigma,USA)で発色反応させた。78%エタノール、85%エタノール、95%エタノール、及び100%エタノールで順に脱水した後、キシレンで5分間処理した。組織をスライドガラスに固定した後、Lipo−hGHに含有されたヒト成長ホルモンの位置を観察した。
【0084】
図10aから分かるように、本発明のLipo−hGHに包囲されたヒト成長ホルモンまたはラットが元々有しているラット成長ホルモンが、毛嚢のバルジ幹細胞と見なされる位置で確認されることが分かる。
【0085】
また、
図10bから分かるように、本発明のLipo−hGH(0.0001UのhGH含有)が塗布されたラットの皮膚において真皮層が広くなって、毛嚢の数が増えたことが分かる。さらに、
図10bにおいて、hGH水溶液のみを皮膚に塗布した場合も、毛嚢のバルジ幹細胞位置にhGHが到達していることが分かるが、このような発見は、当業界の技術水準と常識からみて、非常に驚異的なことである。この結果は、リポソームで包囲されたhGHだけではなく、hGH水溶液自体を皮膚に塗布する場合も、皮膚状態の改善を達成することができるという可能性を示す。
<<実施例XIII:ナノリポソーム剤形のLipo−hGHがマウス皮膚に及ぼす影響の分析>>
【0086】
実施例Iで製造した本発明のナノリポソーム剤形のLipo−hGHがICRマウスの皮膚に及ぼす影響をH&E(Hematoxylin & Eosin)染色により分析した。まず、ICRマウスの背中の毛を除去した後、脊椎を中心に分けて、対照群と本発明のLipo−hGHを4時間毎に2週間処理した:グループ1(3匹)、非処理;グループ2(3匹)、リポソーム/0.1U本発明のLipo−hGH処理;グループ3(3匹)、リポソーム/0.01U本発明のLipo−hGH処理;グループ4(3匹)、リポソーム/0.001U本発明のLipo−hGH処理。2週間処理後、マウスから組織を採取した。採取した組織をパラフィンブロックに作って、4μm厚に断片化し、スライドガラス上に載置した。次いで、前記断片から脱パラフィンした後、ヘマトキシリン溶液で室温で10分間処理した後、エオシン溶液で室温で1分間処理した。78%エタノール、85%エタノール、95%エタノール、及び100%エタノールで順に脱水した後、キシレンで5分間処理した。組織を固定化した後、顕微鏡下で染色された組織を観察した。
【0087】
図11aから分かるように、本発明のナノリポソーム剤形のLipo−hGHを処理した皮膚の表皮層で細胞の増殖が大いに増加することが分かり、真皮層では、結合組織のリモデリングが発生し、より緻密な結合組織が形成されることが分かる。
図11bは、400倍拡大像であって、真皮層で結合組織のリモデリングが発生したことを、より明確に確認することができる。
<<実施例XIV:ナノリポソーム剤形のLipo−hGHが人工皮膚に及ぼす影響の分析>>
【0088】
Neoderm−ED
TM(Tego Science,South Korea)を利用して、本発明のナノリポソーム剤形のLipo−hGHが人工皮膚に及ぼす影響を分析した。Neoderm−ED
TMは、インビトロ(In vitro)試験のための人間皮膚モデルであって、表皮と真皮マトリックスから構成されている。実験群は、グループ1は、非処理、グループ2は、緩衝液のみを処理、グループ3と4は、リポソーム処理、グループ5及び6は、それぞれ0.001unit及び0.01unitの本発明のLipo−hGH処理群である。パラフィン包埋及びH&E染色は、前記実施例と同様に行った。最終的に顕微鏡下で染色された組織を観察した。
【0089】
図12から分かるように、本発明のナノリポソーム剤形のLipo−hGHを処理したNeoderm−ED
TMの角質細胞層において、細胞の増殖が活発になされた。
【0090】
以上、本発明の望ましい具現例を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な記述はただ望ましい具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。