特許第5649281号(P5649281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電池株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5649281-組電池の充放電装置 図000003
  • 特許5649281-組電池の充放電装置 図000004
  • 特許5649281-組電池の充放電装置 図000005
  • 特許5649281-組電池の充放電装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649281
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】組電池の充放電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20060101AFI20141211BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20141211BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   H02J7/02 H
   H02J9/06 503C
   H01M10/44 P
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-16510(P2009-16510)
(22)【出願日】2009年1月28日
(65)【公開番号】特開2010-178456(P2010-178456A)
(43)【公開日】2010年8月12日
【審査請求日】2011年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005382
【氏名又は名称】古河電池株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174702
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100064322
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 和男
(72)【発明者】
【氏名】藪本 俊昭
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−029337(JP,A)
【文献】 特開2007−309839(JP,A)
【文献】 特開2002−101565(JP,A)
【文献】 特開平07−322518(JP,A)
【文献】 特開平10−014002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H01M 10/44
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源から交直変換器を介して充電される非常用電源設備用組電池と、系統電源の停電時に前記組電池から直交変換器を介して給電される負荷とで構成し、停電復旧後は前記交直変換器を介して前記組電池が再度充電される非常用電源設備用組電池の充放電装置において、前記系統電源からの電力により充電状態にある組電池の各セルの電圧を測定する電圧測定装置と、上記電圧測定値が所定値を外れたセル数の総数に対する割合を演算し、上記割合が所定値を超えた時、組電池から所定量の放電を行う放電処理装置に対し指令を発し、且つ前述の放電処理を実行した後、通常のフロート充電時より大きな電流で充電を行うように充電処理装置に対し指令を発する充放電制御装置とで構成することを特徴とする非常用電源設備用組電池の充放電装置。
【請求項2】
放電処理装置による放電は、通常の停電時の放電と同じ電流値で負荷に対して行うことを特徴とする請求項1に記載の非常用電源設備用組電池の充放電装置。
【請求項3】
放電処理装置による放電は、放電開始時の組電池の定格容量の10〜25%の放電となるまでの時間行うことを特徴とする請求項1乃至2に記載の非常用電源設備用組電池の充放電装置。
【請求項4】
充電処理装置による充電は、通常のフロート充電電流より大きい0.05〜0.20Cの充電電流で充電を始め、通常のフロート充電電流に達するまで行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の組電池の非常用電源設備用充放電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
非常用電源設備に使用するような組電池について、長時間の使用後も、セルの電圧バラツキを軽減できる組電池の充放電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非常用電源設備に使用する組電池は、複数の単電池(セル)、例えば、鉛蓄電池を直並列に接続して通常、系統電源からの電力により充電状態にあり、停電など系統電源からの電力が遮断されたときに放電して負荷に電力を供給する役目を果たしている。そのため、長時間の使用後には、セルに電圧バラツキが発生し易い。複数のセルを直接接続した組電池は、その総電圧が交直変換器のような充電器で規定されているため、一部のセルに電圧バラツキが発生したとき、他のセルの電圧に影響を与えるようになる。
【0003】
従来のこの種の組電池の総電圧に与える影響を考慮した装置は、例えば、特開2002-374633号公報及び特公昭63-20099号公報に記載されている。
特開2002-374633号公報には、その図3に示されるように、複数の単位電池Cを直列に接続した蓄電池と、単位電池の正負極端子間電圧を検出可能な電圧検出手段9と、単位電池の放電すべきものを選択して実行可能な放電手段10と、電圧検出手段9の検出情報に基づいて、複数の単位電池夫々の正負間電圧が均一に近い状態になるように、放電すべきものを判別して放電させる放電作動を実行する制御手段17とを設けて単位電池間電圧を精度よく検出するようにした蓄電装置が開示されている。
【0004】
本発明は、請求項1に記載の通り、系統電源から交直変換器を介して充電される非常用電源設備用組電池と、系統電源の停電時に前記組電池から直交変換器を介して給電される負荷とで構成し、停電復旧後は前記交直変換器を介して前記組電池が再度充電される非常用電源設備用組電池の充放電装置において、前記系統電源からの電力により充電状態にある組電池の各セルの電圧を測定する電圧測定装置と、上記電圧測定値が所定値を外れたセル数の総数に対する割合を演算し、上記割合が所定値を超えた時、組電池から所定量の放電を行う放電処理装置に対し指令を発し、且つ前述の放電処理を実行した後、通常のフロート充電時より大きな電流で充電を行うように充電処理装置に対し指令を発する充放電制御装置とで構成することを特徴とする非常用電源設備用組電池の充放電装置に関する。
更に本発明は、請求項2に記載のように、上記の発明において、放電処理装置による放電は、通常の停電時の放電と同じ電流値で負荷に対して行うことを特徴とする。
更に本発明は、請求項3に記載のように、上記の発明において、放電処理装置による放電は、放電開始時の組電池の定格容量の10〜25%の放電となるまでの時間行うことを特徴とする。
更に本発明は、請求項4に記載のように、上記の発明において、充電処理装置による充電は、通常のフロート充電電流より大きい0.05〜0.20Cの充電電流で充電を始め、通常のフロート充電電流に達するまで行うことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-374633号公報
【特許文献2】特公昭63-20099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の組電池の充電装置では、制御手段17が電圧検出処理を時間間隔を隔てて繰り返し実行し、且つ放電手段により放電作動させる処理を電圧検出処理とは異なるタイミングで実行するようにしているから、制御手段の動作が極めて複雑となる。
特許文献2に記載の直流電源装置では、組電池3における電圧バラツキを軽減させるため、均等充電時の電圧を高めに設定し、二種の充電設定電圧を用意しておく必要があり、充電装置の制御が煩雑となる。
本発明は、上記従来の課題を解決するため、組電池を長時間使用したときセルに電圧のバラツキを生ずる場合に、自動的にセル電圧のバラツキについて容易に均等化することができるものであって、セルの寿命を判定し、新しいセルと交換するような無駄を省き、経済的に運用できる組電池の充放電装置を提供することに在る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1に記載の通り、系統電源から交直変換器を介して充電される組電池と、系統電源の停電時に組電池から直交変換器を介して給電される負荷とで構成し、停電復旧後は前記交直変換器を介して前記組電池が再度充電される電源設備において、組電池の各セルごとの電圧を測定する電圧測定装置と上記電圧測定値が所定値を外れたセル数の総数に対する割合を演算し、上記割合が所定値を超えた時、組電池から所定量の放電を行う放電処理装置に対し指令を発し、且つ前述の放電処理を実行した後、通常のフロート充電時より大きな電流で充電を行うように充電処理装置に対し指令を発する充放電制御装置とで構成することを特徴とする組電池の放電装置に関する。
更に本発明は、請求項2に記載のように、上記の発明において、放電処理装置による放電は、通常の停電時の放電と同じ電流値で負荷に対して行うことを特徴とする。
更に本発明は、請求項3に記載のように、上記の発明において、放電処理装置による放電は、放電開始時の組電池の定格容量の10〜25%の放電となるまでの時間行うことを特徴とする。
更に本発明は、請求項4に記載のように、上記の発明において、充電処理装置による充電は、通常のフロート充電電流より大きい0.05〜0.20Cの充電電流で充電を始め、通常のフローと充電電流に達するまで行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、セルに生ずる電圧のバラツキを抑制し、組電池を構成するセル全体が所定の電圧値の範囲内に収めることができる。一方、通常のフロート充電より大きな電流で充電されることにより電極反応の再活性化が可能となり、また、大きい電流での充電により不活性化していた部分も活性化される。
請求項2に係る発明によれば、放電のための強制放電回路や放電処理装置を設けなくて済み、組電池の充放電装置の構成を簡単にすることができる。
請求項3に係る発明によれば、放電量を適正な範囲とすることにより、セルの電極の不活性化された部分が充分に活性化され、電極における反応面積の差が小さくなり、セルのバラツキは充分に小さくなる。放電量を10%以上とすることによって、充分な再充電量を確保することができるため、電極の不活性化部分の活性化をより効率的に行うことができる。また、放電量を25%以下に抑えることにより、非常用電源設備として運用する場合の一般的な保守率0.8を確保して、安全に使用することができる。
請求項4に係る発明によれば、充電電流値を適正な範囲とすることにより、上記請求項3に係る発明と同様の効果を奏することに加え、充電器の仕様を大きくしなくて済むため、充電器の構成を簡単にすることができる。更に詳細には、定電流-定電圧充電において、定電流時における初期電流を0.05〜0.20Cの充電電流とし、所定の定電圧充電に移行した後は、電流が垂下して通常のフロート充電電流に達するまでこの充電を行い、その後は所定電圧でのフロート充電を継続するもので、ここで、初期の充電電流を0.05C以上とすることにより、電極の不活性化部分の活性化をより効率的に行うことができると共に、充電電流を0.20C以内にすることにより、無駄に充電器の仕様を大きくしなくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の組電池の充・放電装置の1例を示す構成図。
図2図1における電流測定装置の内部構成を示す図。
図3図1における充放電制御装置の内部構成を示す図。
図4】本発明の実施例における各部の動作フローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態例を添付図面に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態例を示す。同図において、1は系統電源を示し、通常はスイッチ2を経て組電池を充電し、負荷8に電力を供給している。3は可変電圧型交直変換器を示し、組電池充電用の直流出力を得ている。4は電流測定装置を示し、後述するように組電池5に対し入出力直流の電流を測定する。5は組電池を示し、多数のセルを直列に接続して成る組電池を示す。6はスイッチを示し、組電池5から負荷8へ送電する電力をオン・オフに切り換える。7は電力送電線を示し、系統電源1からの電力を負荷8に送電する。9は電池の電圧測定装置を示し、組電池5を構成するセルの正負極端子間の電圧を個別に測定する。また、規定電圧以下に低下したセルの個数を充放電制御装置10へ送出する。更に組電池5の総電圧を測定することができて、充放電制御装置10からの指令に対して電圧値を送信する。10は充放電制御装置を示し、電圧の低下したセルの数が後述するように所定個数に達したとき、組電池5を全体的に放電させることを放電処理装置11に対して指令する。該放電処理装置11は、充放電制御装置10からの指令に基づいて組電池5を放電させるように、スイッチ6を閉じる。スイッチ6は通常は開いていて、組電池5から負荷8に交流化した電流を送るとき閉じる。12は充電処理装置を示し、充放電制御装置10からの指令に基づいて組電池5を再充電するようにスイッチ2を閉じる。13は直交変換器を示し、組電池5からの直流を交流化する。14は切換スイッチを示し、通常は系統電源1からの交流を負荷8に供給するように操作しておく。
【0011】
前記の電流測定装置4の構成は、図2に示すように制御部41と電流計42で構成されている。制御部41は、放電時は組電池5から負荷8に対する放電電流を計測した電流計42の計測値と、該計測値の量と所定の電流が流れる時間を計測して、(電流値×時間)の値を演算することを主とし、放電電気量を把握しておくと共に、組電池5を構成するセルの定格容量を把握しておく。
前記の充放電制御装置10は、図3に示すように制御判断部21(タイマー付きの構成が望ましい)、放電指令部22、充電指令部23とで構成されており、制御信号送受信線24で電流測定装置4と接続され、電圧測定装置9からの信号を信号受信線25により受信する。
【0012】
また、電流測定装置4は充電時に図2に示す電流計42により充電電流値を計測し、これを制御部41で把握しておくと共に、放電前のフロート充電電流量を把握しておく。制御部41は上記電流計42の動作を制御し、また後述する制御信号送受信線24により充放電制御装置10との制御信号を送受する。
充放電制御装置10の制御判断部21は、組電池5を構成する各セルの電圧が電圧測定装置9において各セル毎に測定されたときに、その値を信号受信線25により受信している。このときタイマーを使用して連日一定時刻に測定することが望ましい。組電池5を非常用電源などとして2.23V/セル×電池個数で全体の電圧を規定して使用開始した後、そのセル電圧値にバラツキが発生して、例えば、2.13V以下又は/及び2.33V以上となるセルの数が、例えば、合計で3個生じたことが、制御判断部21において判断された場合、所定個数に達したとして、本発明による処理が開始される。
セルの個数が組電池5において例えば54個としたとき、上記の異常電圧となったセルの総数3に対する割合が0.056となる。即ち、この数値が0.05(5%)以上となったときを、所定個数に達したときと判断し、組電池5の放電・充電の処理を開始する。
そこで制御判断部21は処理開始の判断を行い、放電指令部22に対して組電池5の放電を実行することを通知する。放電司令部22は放電処理装置11に対し指令するから、放電処理装置11はスイッチ2を開き、スイッチ6を閉じ、直交変換器13を起動させる。また切換スイッチ14を組電池5側に切換え、負荷8に送電する。更に放電処理装置11は電流測定装置4に対し放電電気量演算のための処理を指令する。放電は定電力で行うため、放電電気量の算出は所定時間、例えば1分間の平均電流を求め、この平均電流と放電時間との積で1分間の放電電気量を求め、この電気量を累積して、所定量の放電電気量を算出する。
【0013】
前記の放電が通常の停電時と同じ電流で実行されているとき、充放電制御装置10は電流測定装置4により組電池5の放電電気量を演算して、その定格容量と比較して所定量(10〜25%)に達したとき、充放電制御装置10は組電池5の放電を停止させる。それはスイッチ6を開き、また、切換スイッチ14を系統電源1側に切換えるように放電処理装置11に指令することである。
次に充放電制御装置10は充電制御装置12に指令して、スイッチ2を閉じる。交直変換器3は、このとき最大能率で運転開始することが好適である。その結果、組電池5に対し定電流-定電圧充電の定電流電圧区間において、通常のフロート充電電流より遥かに大きな電流で充電が開始される。極板活性化のために加え、放電後の再充電時に、まだ電圧バラツキがあるため、上記の組電池において1週間乃至2週間の充電を続けることが適当であることが確認された。セルのうち、定電圧充電に移行した後も電極間電圧の低下していたものについて、電極反応を活性化するためである。
数値例としては、充電電流が通常のフロート充電時の電流量と比べ、遥かに大きく、約100倍程度である。今1000Ahの容量の組電池についてみると、好ましい再充電電流値は0.05C〜0.2Cであって、50〜200Aの値となる。尚、「C」は電池容量値を示す。通常のフロート充電の電流は0.001Cのように小さいから1000Ah容量の組電池の充電時電流は1A以下となる。
【0014】
このように、200Ah-2Vセル54個から成る組電池の充放電装置を5年間運用し、1日1回電圧測定を実施し、設定値2.23V±0.1Vを超えたセルを異常と判定する設定とした。この異常セルの数を全セル数で除して異常セル数の割合を算出し、この割合が5%以上を超えた場合、強制放電を実施する条件に設定した。
5年間の間に、3回の強制放電は各回とも組電池の定格容量の10%相当分を放電するよう実施されたが、5年後でも全てのセル電圧が規定範囲内に収まっていることが確認できた。
尚、放電後の再充電時はセル間の電圧バラツキが有るため、放電後2週間はこの機能を停止させる設計構成とした。
【0015】
これに対し、本発明の上記の機能を具備しない従来の組電池の充放電装置において、毎年の定期点検時に各セル電圧の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
表1に示すように、経年毎に規定値を超えた異常セルの数が増加し、5年経過したときは、異常セルは5個となった。従って、通常であれば、これら5個のセルを交換することになるが、その各セルの容量を測定したところ、定格容量200Ahに対していずれも95%以上の容量があることを確認した。このことから、セルの電圧が上記のように低くても、性能面では問題がなく、未だ使用可能であることが検証できると共に、本発明の充放電装置を具備することにより、交換を行う無駄を省くことができ、経済的損失を低減することができる効果を有することが確認された。
【0018】
次に図4は本発明の実施例における主として図2に示す制御部41、図3に示す制御判断部21について、その動作状況を示すフローチャートである。図4における(1)はタイマー起動を示し、前述のように例えば1日1回、同一時刻に電圧を測定するように処理を開始する。
(2)のT1は測定頻度で、例えば24時間とする。Tは前回の充放電処理の時刻からの経過時間を示す。そのため、24時間を経過したとき、再度の処理が可能となる。(2)の処理がYESとなったとき、(3)において組電池の各セルの電圧を電圧測定装置9が測定する。測定値が充放電制御装置10に通知され、(4)において判断される。即ち、予め定めておいた規定電圧よりバラツキのため生じた小電圧測定値をV1、同じく大電圧測定値をV2としたとき、測定電圧Vnと比較する。(4)の判断において、VnをV1、V2と比較し、その範囲を外れたときNOとし、(5)において異常判定セル1個とする。尚、(4)においてYESのときは次の処理がされず、当初のタイマー起動状態に戻る。
次に(6)において、異常判定セルの数を積算し、結果の総数をN1とする。(7)において、組電池の全セル数Nと、上記N1との比率を算出する。そして(8)において、予め要処理と判断する設定基準Aと、前記比率N1/Nとを比較する。比率の値がAより大きい値となっているとき「YES」の方法に進み、比率の値がAより小さい値のとき「NO」の方向に進む。「YES」の方向に進んだときは、(9)において組電池の充放電装置のスイッチ2を開く。そのため組電池5からの放電が開始される。(フローチャート(10)の動作)。
次に、放電が進み、組電池5の放電電気量が所定値に達したとき、前記放電が停止される(フローチャート(11)の動作)、即ち、(11)におけるT2は所定量の放電がなされる時間として予め求めておいたもの、Tは上述の実際の放電動作時間を示している。尚、このフローチャートでは、放電停止の判断を時間で行っているが、前述した通り、放電電気量で行っても構わない。
放電停止は直ちに再充電開始であって、フローチャート(11)の「YES」の動作に基づいて(12)に示す組電池の充放電装置のスイッチ2の再投入から動作に入る。そして関連するスイッチの開閉動作がなされる。フローチャート(15)において充電電流が通常のフロート充電電流値に落ち着くまでの所定の時間T3以上経過したとき、再充電が停止される。経過していないときは、再充電に戻る。
【符号の説明】
【0019】
1 系統電源
2 スイッチ
3 交直変換器
4 電流測定装置
5 組電池
6 スイッチ
7 電力送電線
8 負荷
9 電圧測定装置
10 充放電制御装置
11 放電処理装置
12 充電処理装置
13 直交変換器
14 切換スイッチ
図1
図2
図3
図4