(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649310
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】摩擦式変速装置、関節装置
(51)【国際特許分類】
F16H 13/08 20060101AFI20141211BHJP
F16C 19/06 20060101ALI20141211BHJP
F16H 13/10 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
F16H13/08 Z
F16C19/06
F16H13/10 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-28944(P2010-28944)
(22)【出願日】2010年2月12日
(65)【公開番号】特開2011-163496(P2011-163496A)
(43)【公開日】2011年8月25日
【審査請求日】2012年10月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504141012
【氏名又は名称】株式会社前田精密製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】504141023
【氏名又は名称】今村 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100107478
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 薫
(72)【発明者】
【氏名】今村 信昭
(72)【発明者】
【氏名】前田 正
【審査官】
中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−150354(JP,U)
【文献】
特開昭56−141425(JP,A)
【文献】
特開昭57−127124(JP,A)
【文献】
特開2003−207004(JP,A)
【文献】
特開2009−291874(JP,A)
【文献】
特開平04−073448(JP,A)
【文献】
特開平06−320471(JP,A)
【文献】
西独国特許出願公告第02322831(DE,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 13/08
F16C 19/06
F16H 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保形力を有する第1環状部と、
前記第1環状部の内周部の周長より短い周長の外周部を備えた可撓性の第2環状部と、
前記第2環状部に内接して、前記第1環状部の内周部に前記第2環状部の外周部を部分的に押圧接触させ、当該接触部位を前記第1環状部の周方向に沿って移動させることにより、前記第1環状部と前記第2環状部とを摩擦力により相対回転させる波動発生部と、
前記第1環状部の内周部に幅方向に沿って高さが低くなる傾斜面が形成されるとともに、前記第2環状部の外周部に幅方向に沿って高さが高くなる傾斜面が形成され、両傾斜面の接触位置を前記軸心方向に調整することにより、前記第1環状部と前記第2環状部の接触部位の押圧力を調整する調圧機構と、
を備え、
前記調圧機構は、
前記第2環状部の外周部に、幅方向中央部から両端部にかけて高さが低くなり、軸心方向の断面が山形を呈するように形成された傾斜面と、
前記第1環状部が前記軸心に直交する面で二分割されるとともに、それぞれの内周部に対向側から幅方向端部に沿って高さが低くなるように形成された傾斜面と、
二分割された前記第1環状部間の軸心方向距離を近接するように調整する複数の締め付けボルトを備えて構成され、
前記第1環状部の内周部と前記第2環状部の外周部との接触面に、前記調圧機構による押圧力が大きくなると粘性係数が大きくなる性状の油が塗布され、二分割された前記第1環状部間に形成される空間に、前記油を貯留する油貯留部が設けられている摩擦式変速装置。
【請求項2】
保形力を有する第1環状部と、
前記第1環状部の内周部の周長より短い周長の外周部を備えた可撓性の第2環状部と、
前記第2環状部に内接して、前記第1環状部の内周部に前記第2環状部の外周部を部分的に押圧接触させ、当該接触部位を前記第1環状部の周方向に沿って移動させることにより、前記第1環状部と前記第2環状部とを摩擦力により相対回転させる波動発生部と、
前記第1環状部の内周部に幅方向に沿って高さが低くなる傾斜面が形成されるとともに、前記第2環状部の外周部に幅方向に沿って高さが高くなる傾斜面が形成され、両傾斜面の接触位置を前記軸心方向に調整することにより、前記第1環状部と前記第2環状部の接触部位の押圧力を調整する調圧機構と、
を備え、
前記調圧機構は、
前記第2環状部の外周部に、幅方向中央部から両端部にかけて高さが高くなり、軸心方向の断面が谷形を呈するように形成された傾斜面と、
前記第1環状部が前記軸心に直交する面で二分割されるとともに、それぞれの内周部に対向側から幅方向端部に沿って高さが高くなるように形成された傾斜面と、
二分割された前記第1環状部間の軸心方向距離を離隔するように調整する複数の締め付けボルトを備えて構成され、
前記第1環状部の内周部と前記第2環状部の外周部との接触面に、前記調圧機構による押圧力が大きくなると粘性係数が大きくなる性状の油が塗布され、二分割された前記第1環状部間に形成される空間に、前記油を貯留する油貯留部が設けられている摩擦式変速装置。
【請求項3】
前記波動発生部は、前記第2環状部に内接させたときに、前記第2環状部の外周部は長径位置で前記第1環状部の内周部に接するような楕円体で構成されている請求項1または2記載の摩擦式変速装置。
【請求項4】
前記楕円体は、前記第2環状部の内周部に内接するベアリング機構と、前記ベアリング機構に内接する楕円状のカム部を備えている請求項3記載の摩擦式変速装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の摩擦式変速装置が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置であって、
前記波動発生部が一方のリンク部材に組み付けられた伝動機構を介して回転するように該一方のリンク部材に設置され、前記第2環状部が一方のリンク部材に固定されるとともに、前記第1環状部が他方のリンク部材に直接又は間接的に固定されている関節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦式変速装置、及び、前記摩擦式変速装置が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撓み噛み合い式変速装置は、特許文献1に記載されるように、保形力を有するサーキュラスプラインと、前記サーキュラスプラインの内周部に形成された内歯の歯数より少ない歯数の外歯が形成された可撓性のフレックススプラインと、前記フレックススプラインに内接して、前記サーキュラスプラインの内歯に前記フレックススプラインの外歯を部分的に噛み合わせ、当該噛み合い位置を前記第1環状部の周方向に沿って移動させることにより、前記サーキュラスプラインと前記フレックススプラインと相対回転させるウェーブジェネレータとを備えて構成されていた。
【0003】
このような撓み噛み合い式変速装置は、サーキュラスプライン、フレックススプライン、ウェーブジェネレータの3つの基本部品で構成できるため小型、軽量であるとともに高い変速比が得られることから、ロボットアームやロボットハンドの駆動機構に広く用いられてきた。
【0004】
しかし、空間的制約の厳しい多関節ロボットフィンガーの駆動機構などでは、さらに、小型、軽量で高変速比の変速装置が求められている。従来の歯車の噛み合いを動力伝達の原理とした変速装置では、その小型化には歯型の極めて小さい歯車の加工が必要となり、従来の機械加工技術でこれに対応することは極めて困難であり、変速装置の小型化に限界があった。
【0005】
そこで、特許文献2には、
図10に示すように、円筒状内周面223を有する剛性の環状部材220と、円筒状内周面223に当接する可撓性筒部を有するフレックス部材240と、可撓性筒部225の外周面部228を半径方向に撓ませて環状部材220の円筒状内周面223に部分的に当接し押し圧力を発生させるとともに、該当接押し圧位置を円周方向に移動させることにより、環状部材220及びフレックス部材240に相対回転移動を発生させる波動発生器229と、を備えた撓みフリクション式変速装置が提案されている。
【0006】
この撓みフリクション式変速装置は、接触による摩擦によって動力伝達を行うため、小さな歯車の加工が不要であり、さらに、フレックス部材240の可撓性筒部と波動発生器229との間に、前記押し圧力を調整する押し圧力調整手段を備えることで、変速装置の組み込み時に所定の伝達トルクの設定ができるように構成されている。
【0007】
具体的には、押し圧力調整手段は、波動発生器229の外周222に配置された互いに当接するテーパ面部224を有する可撓性の一対の楔部材235で構成されている。ボルト233で波動発生器229に固定された当て板232の外周が一対の楔部材235まで延在し、ディスタンスピース234が一対の楔部材235の一方及び当て板232の間に設けられ、一対の楔部材235及びディスタンスピース234は、当て板232により回転軸方向に離脱しないように構成されている。
【0008】
一対の楔部材235は、可撓性筒部225の外周面部228を環状部材220の円筒状内周面223に部分的に当接し押し圧力を発生させるように互いに押し付けられており、外周面部228及び円筒状内周面223を相対的に転がり回転させるための前記押し圧力の適宜な設定あるいは変更は、組み込み時にディスタンスピース234の厚さを変えることで、一対の楔部材235同士を所定の力で押し付け一対の楔部材235の軸方向相対移動距離を変更し、押し圧力を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平5−19635号公報
【特許文献2】特開2003−207004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上述の撓みフリクション式変速装置では、押し圧力を調整するための押し圧力調整手段は、フレックス部材240の可撓性筒部と波動発生器229との間に備えられたディスタンスピース234の厚さを変えることで押し圧力を設定あるいは変更する構成となっているため、例えば、ロボットハンドのフィンガーユニットや、ロボットアームの関節装置に撓みフリクション式変速装置を組み込んだ場合、押し圧力の変更する際は、当て板232を取り外し、ディスタンスピース234を取り替える必要があるため、押し圧力の調整が非常に煩雑であり、ディスタンスピース234も厚さの異なるものを用意する必要があるため経済的ではなかった。
【0011】
さらに、押し圧力は、ディスタンスピース234の厚さをかえることで一対の楔部材235の軸方向相対移動距離を変更して調整する構成のため、高い押し圧力を得たい場合は、ディスタンスピース234は厚さの厚いものを当て板232で回転軸方向に離脱しないように固定する必要がある。
【0012】
しかし、高い押し圧力を得るためには大きなボルトによる締め付け力が必要となるが、当て板232を波動発生器229に固定するボルト233は、波動発生器229が小型であればあるほど小さなボルトを使用することしかできず、ディスタンスピース234の厚さも小さなボルトで得られる締め付け力で固定できる厚さのものしか使用することができないため、高い押し圧力を得られない問題もあった。
【0013】
また、環状部材の円筒状内周面とフレックス部材の可撓性筒部外周面の接触部には滑りにくい油を塗布し、楔部材235と可撓性筒部225の接触部には滑らかな摺動が行われるように滑りやすい油を塗布する場合、性状の異なる2種類の油を用意する必要があり煩雑であった。
【0014】
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、押圧力の調整が容易で、小型、軽量で安価な、摩擦式変速装置、及び、前記摩擦式変速装置が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的を達成するため、本発明による摩擦式変速装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、保形力を有する第1環状部と、前記第1環状部の内周部の周長より短い周長の外周部を備えた可撓性の第2環状部と、前記第2環状部に内接して、前記第1環状部の内周部に前記第2環状部の外周部を部分的に押圧接触させ、当該接触部位を前記第1環状部の周方向に沿って移動させることにより、前記第1環状部と前記第2環状部とを摩擦力により相対回転させる波動発生部と、前記第1環状部の内周部に幅方向に沿って高さが低くなる傾斜面が形成されるとともに、前記第2環状部の外周部に幅方向に沿って高さが高くなる傾斜面が形成され、両傾斜面の接触位置を前記軸心方向に調整することにより、前記第1環状部と前記第2環状部の接触部位の押圧力を調整する調圧機構と、
を備え、前記調圧機構は、前記第2環状部の外周部に、幅方向中央部から両端部にかけて高さが低くなり、軸心方向の断面が山形を呈するように形成された傾斜面と、前記第1環状部が前記軸心に直交する面で二分割されるとともに、それぞれの内周部に対向側から幅方向端部に沿って高さが低くなるように形成された傾斜面と、二分割された前記第1環状部間の軸心方向距離を近接するように調整する複数の締め付けボルトを備えて構成され、前記第1環状部の内周部と前記第2環状部の外周部との接触面に、前記調圧機構による押圧力が大きくなると粘性係数が大きくなる性状の油が塗布され、二分割された前記第1環状部間に形成される空間に、前記油を貯留する油貯留部が設けられている点にある。
【0016】
上述の構成によれば、波動発生部によって、第2環状部の外周部に形成された幅方向に沿って高さが高くなる傾斜面を部分的に第1環状部の内周部に形成された幅方向に沿って高さが低くなる傾斜面に押圧接触させ、当該接触部位の摩擦によって動力伝達を行うため、構成部品に歯車を加工する必要がないので、従来の機械加工技術で容易に小型化が可能である。変速比は、第1環状部の内周部の周長と、第2環状部の外周部の周長の差によって決定できるので、高い変速比を実現することができる。よって、安価に小型、軽量、高変速比の変速装置が実現できる。
【0017】
さらに、調圧機構によって第1環状部と第2環状部の接触部位の押圧力を調整することで、動力伝達を確実に行うことができ、また、接触部位に滑りが発生する限界のトルクを容易に調整することができる。
【0018】
そして、第2環状部の外周部に形成された傾斜面と、二分割された第1環状部のそれぞれの内周部に形成された傾斜面との接触部に、締め付けボルトによる軸心方向の締付力に応じた押圧力が発生する。締め付けボルトによる締付力を適切に設定することにより、動力伝達を確実に行うことができ、前記接触部位に滑りが発生する限界のトルクを容易に調整することができる。
【0019】
第2環状部の外周部に軸心方向の断面が山形を呈するように形成された傾斜面のそれぞれに、二分割された第1環状部のそれぞれの内周部に形成された傾斜面が接触するように構成されているため、調圧機構によって両傾斜面の接触位置を前記軸心方向に調整して、第1環状部と第2環状部の接触部位の押圧力を調整しても、第1環状部と第2環状部の軸心方向の相対的な位置の変動がない。
【0020】
調圧機構は、二分割された第1環状部間の軸心方向距離を調整するように構成されているので、波動発生部および第二環状部の大きさによらず、締め付けトルクの大きい締め付けボルトを用いることができる。また、摩擦式変速装置を分解することなく、第1環状部と第2環状部の接触部位の押圧力の調整を容易に行うことができる。
【0021】
さらに、油貯留部に貯留された油が、第1環状部の内周部と第2環状部の外周部との接触面に適宜供給されるので、接触面の直接の摺動により、滑りが発生する限界のトルクより大きなトルクの伝達が可能となるとともに、接触面の磨耗を防止して、第1環状部の内周部と第2環状部の外周部との接触面の摩擦力を安定させることができ、より確実な動力伝達が可能となる。
【0022】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、
保形力を有する第1環状部と、前記第1環状部の内周部の周長より短い周長の外周部を備えた可撓性の第2環状部と、前記第2環状部に内接して、前記第1環状部の内周部に前記第2環状部の外周部を部分的に押圧接触させ、当該接触部位を前記第1環状部の周方向に沿って移動させることにより、前記第1環状部と前記第2環状部とを摩擦力により相対回転させる波動発生部と、前記第1環状部の内周部に幅方向に沿って高さが低くなる傾斜面が形成されるとともに、前記第2環状部の外周部に幅方向に沿って高さが高くなる傾斜面が形成され、両傾斜面の接触位置を前記軸心方向に調整することにより、前記第1環状部と前記第2環状部の接触部位の押圧力を調整する調圧機構と、を備え、前記調圧機構は、前記第2環状部の外周部に、幅方向中央部から両端部にかけて高さが高くなり、軸心方向の断面が谷形を呈するように形成された傾斜面と、前記第1環状部が前記軸心に直交する面で二分割されるとともに、それぞれの内周部に対向側から幅方向端部に沿って高さが高くなるように形成された傾斜面と、二分割された前記第1環状部間の軸心方向距離を離隔するように調整する複数の締め付けボルトを備えて構成され、前記第1環状部の内周部と前記第2環状部の外周部との接触面に、前記調圧機構による押圧力が大きくなると粘性係数が大きくなる性状の油が塗布され、二分割された前記第1環状部間に形成される空間に、前記油を貯留する油貯留部が設けられている点にある。
【0023】
上述の構成によれば、第2環状部の外周部に形成された傾斜面と、二分割された第1環状部のそれぞれの内周部に形成された傾斜面との接触部に、締め付けボルトによる軸心方向の締付力に応じた押圧力が発生する。締め付けボルトによる締付力を適切に設定することにより、動力伝達を確実に行うことができ、また、接触部位に滑りが発生する限界のトルクを容易に調整することができる。
【0024】
さらに、第2環状部の外周部に軸心方向の断面が谷形を呈するように形成された傾斜面のそれぞれに、二分割された第1環状部のそれぞれの内周部に形成された傾斜面が接触するように構成されているため、調圧機構によって両傾斜面の接触位置を前記軸心方向に調整して、第1環状部と第2環状部の接触部位の押圧力を調整しても、第1環状部と第2環状部の軸心方向の相対的な位置の変動がない。
【0025】
調圧機構は、二分割された第1環状部間の軸心方向距離を調整するように構成されているので、波動発生部および第二環状部の大きさによらず、締め付けトルクの大きい締め付けボルトを用いることができる
。また、摩擦式変速装置を分解することなく、第1環状部と第2環状部の接触部位の押圧力の調整を容易に行うことができる。
【0026】
さらに、油貯留部に貯留された油が、第1環状部の内周部と第2環状部の外周部との接触面に適宜供給されるので、接触面の直接の摺動により、滑りが発生する限界のトルクより大きなトルクの伝達が可能となるとともに、接触面の磨耗を防止して、第1環状部の内周部と第2環状部の外周部との接触面の摩擦力を安定させることができ、より確実な動力伝達が可能となる。
【0027】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記波動発生部は、前記第2環状部に内接させたときに、前記第2環状部の外周部は長径位置で前記第1環状部の内周部に接するような楕円体で構成されている点にある。
【0028】
上述の構成によれば、波動発生部は、第2環状部に内接させたときに、第2環状部の外周部が長径位置で第1環状部の内周部に接するような楕円体で構成されているので、楕円体の回転軸心がずれることなく、第1環状部と第2環状部の回転軸心と一致させることができる。
【0029】
同第
四の特徴構成は、同請求項
4に記載した通り、上述の第
三特徴構成に加えて、前記楕円体は、前記第2環状部の内周部に内接するベアリング機構と、前記ベアリング機構に内接する楕円状のカム部を備えている点にある。
【0030】
上述の構成によれば、ベアリング機構を備えているので、第2環状部の内周部とカム部が直接摺動しないため、騒音や磨耗による破損の虞を低減でき、スムーズな動力の伝達が可能となる。
【0031】
本発明による関節装置の特徴構成は、同請求項
5に記載した通り、上述の第一から第
四の何れかの特徴構成を備えた摩擦式変速装置が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置であって、前記波動発生部が一方のリンク部材に組み付けられた伝動機構を介して回転するように該一方のリンク部材に設置され、前記第2環状部が一方のリンク部材に固定されるとともに、前記第1環状部が他方のリンク部材に直接又は間接的に固定されている点にある。
【0032】
上述の特徴構成によれば、本発明による摩擦式変速装置を用いて関節装置を構成することで、関節装置の小型化が可能となった。
【0033】
第2環状部が固定された一方のリンク部材に組みつけられた伝動機構を介して波動発生部が回転すると、第1環状部と第2環状部に相対的な回転が発生する。すると、第1環状部に直接又は間接的に固定された他方のリンク部材が波動発生部の回転軸心周りに相対的に回転することとなる。
【0034】
さらに、他方のリンク部材に、伝達機構によって伝達される回転トルクと逆方向に外力が付与された場合、第1環状部と第2環状部の接触部に働く摩擦力より大きい力であれば、第1環状部と第2環状部の接触部には滑りが発生し、前記外力が伝達機構へと伝達されないので、関節装置の破損を防止することができる。
【0035】
関節装置の用いられる環境により、調圧機構によって第1環状部と第2環状部の接触部に働く摩擦力を適宜設定できるので、ロボットハンドのフィンガーユニットや、ロボットアーム等様々な用途に柔軟に対応できるようになった。
【発明の効果】
【0036】
以上説明した通り、本発明によれば、押圧力の調整が容易で、小型、軽量で安価な、摩擦式変速装置、及び、前記摩擦式変速装置が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】(a)は本発明による摩擦式変速装置の正面図、(b)は摩擦式変速装置の側断面図、(c)は摩擦式変速装置の背面図
【
図3】(a)は第2環状部の正面図、(b)は第2環状部の側面図、(c)は第2環状部の側断面図
【
図4】(a)は波動発生部の側断面図、(b)は波動発生部の背面図
【
図6】本発明によるハーモニックドライブ
(登録商標)の回転動作説明図
【
図7】別実施形態による摩擦式変速装置の要部説明図
【
図8】別実施形態による摩擦式変速装置の要部説明図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に本発明による摩擦式変速装置、及び、前記摩擦式変速装置が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置の実施の形態を説明する。
【0039】
図1に示すように、摩擦式変速装置1は、共通の軸心CL周りに配置された第1環状部10、第2環状部20、波動発生部30と、第1環状部10と第2環状部20の接触部位の押圧力を調整する調圧機構40を備えている。
【0040】
図2及び
図5に示すように、第1環状部10は、軸心CLに直交する面で二分割されて構成された保形力を有する環状部材11(11a,11b)で構成され、環状部材11(11a,11b)のそれぞれの内周部12(12a,12b)には、対向側から幅方向端部に沿って高さが低くなるように、例えば、軸心CLとなす角度が夫々θである傾斜面13(13a,13b)が形成されている。環状部材11bの周面には、適当な間隔で後述する調圧機構40を構成する締め付けボルト41を螺合するための螺子孔14が複数形成され、環状部材11aの周面には、螺子孔14と対応する位置に締め付けボルト41を挿通する開口15が形成されている。
【0041】
図3(a),(b),(c)及び
図5に示すように、第2環状部20は、第1環状部10の内周部12(12a,12b)の周長より短い周長の外周部21を一端部に備えた円筒状部材で構成され、外周部21に、幅方向中央部から両端部にかけて高さが低くなり、軸心CL方向の断面が山形を呈するように形成され、例えば、軸心CLとなす角度が夫々θである傾斜面22(22a,22b)が形成されている。第2環状部20の他端部には、ボス部23が一体形成されている。なお、ボス部23には、ボルトを螺合するための螺子孔24が複数形成され、他の部材を接続可能に構成されている。
【0042】
ここで、第1環状部10の内周部12の周長を、内周部12に形成された傾斜面13の一番高さが高い位置の周長とすると、第2環状部20の外周部21の周長とは、外周部21に形成された傾斜面22であって、後述する波動発生部30によって撓まされ、傾斜面13の一番高さが高い位置と接する箇所を通る周長をいう。
【0043】
第1環状部10の内周部12の周長は、内周部12に形成された傾斜面13の一番高さが高い位置の周長でなくとも、傾斜面13の一番高さが低い位置の周長であってもよい。つまり、軸心CLに直行する仮想断面上の第1環状部10の内周部12と、第2環状部20の外周部21の周長を比較したときに、第1環状部10の内周部12の周長より、第2環状部20の外周部21の周長が短ければよく、次式で示すように周長の差によって変速比が決定される。
【0044】
R=L1/(L1−L2)
R:変速比
L1:第1環状部の内周部の周長
L2:第2環状部の外周部の周長
【0045】
図4に示すように、波動発生部30は、第2環状部20の内周部25に内接するベアリング機構32と、ベアリング機構32に内接する楕円状のカム部33と、カム部33と一体に形成されカム部33を軸心周りに回転させる軸部34とを備えた楕円体31で構成され、楕円体31が第2環状部20に内接して楕円状に撓ませ、撓ませた第2環状部20の外周部21の長径となる箇所を第1環状部10の内周部に部分的に当接させて押圧力を発生させるとともに、当該押圧位置を円周方向に移動させることにより、第1環状部10と第2環状部20に相対的な回転を発生させる。
【0046】
ベアリング機構32は、可撓性の外輪部35及び内輪部36と、外輪部35及び内輪部36に夫々形成された溝部35a,36aに沿って回転自在に介装された複数のボール37と、複数のボール37を適当な間隔で保持する図示しない保持部を備えて構成されている。
【0047】
ベアリング機構32は、カム部33に沿って楕円状となり、第2環状部20に内接させたときに、第2環状部20の外周部21は長径となる箇所で第1環状部の内周部12に接することとなる。
【0048】
このように、ベアリング機構32によって、第2環状部20の内周部とカム部33が直接摺動しないように構成できるので、騒音や磨耗による破損の虞を低減でき、スムーズな動力の伝達が可能となる。
【0049】
なお、ベアリング機構32は上述のように複数のボール37を備えて構成される場合に限らず、複数の円筒状のコロを備える構成であってもよい。
【0050】
また、ベアリング機構32を用いずに波動発生部30の楕円体31を構成する場合は、カム部33の外周部が第2環状部20の内周部に内接して摺動することになるので、騒音や磨耗による破損の虞を低減し、スムーズな動力の伝達ができるように潤滑油を塗布することが好ましい。
【0051】
さらに、波動発生部30は、楕円体で構成する必要はなく、頂点が滑らかな三角形状等の多角形状であってもよい。
【0052】
図5に示すように、調圧機構40は、第2環状部20の外周部21に形成された傾斜面22(22a,22b)と、第1環状部10のそれぞれの内周部12(12a,12b)に形成された傾斜面13(13a,13b)と、二分割された環状部材11(11a,11b)間の軸心CL方向距離を近接するように調整する複数の締め付けボルト41を備えて構成され、両傾斜面13,22の接触位置を軸心CL方向に調整することにより、第1環状部10と第2環状部20の接触部位の押圧力を調整するように構成されている。
【0053】
第1環状部10の内周部12(12a,12b)と第2環状部20の外周部21との接触面に、調圧機構40による押圧力が大きくなると粘性係数が大きくなる性状の油が塗布されているので、前記接触面の直接の摺動によって滑りが発生する限界のトルクより大きなトルクの伝達が可能となるとともに、前記接触面の磨耗を防止できる。
【0054】
二分割された第1環状部10の環状部材11(11a,11b)間に形成される空間に、前記油を貯留する油貯留部16が設けられている。第1環状部10の環状部材11の側面に油貯留部16に連通する注油口(図示せず)が形成され、前記注油口から油貯留部16に前記油を注油するように構成されている。
【0055】
油貯留部16に貯留した前記油が、第1環状部10の内周部12(12a,12b)と第2環状部20の外周部21との接触部に供給される。
【0056】
調圧機構40による押圧力が大きくなると粘性係数が大きくなる性状の油とは、例えばナフテン系やパラフィン系の鉱油や、ポリオレフィン、シクロアルカン類、ヒドリンダン、アダマンダン、ケタール等の合成油等のトラクション係数が高い油が好ましく用いられる。
【0057】
締め付けボルト41を締め付けると、環状部材11(11a,11b)間の軸心CL方向距離を近接するような方向に力Fがかかる。すると、第1環状部10の内周部及び、波動発生部30の楕円体31の外周部の間に挟まれる第2環状部20の外周部21に加えられる押圧力fが増加する。押圧力fが増加すると、傾斜面13(13a,13b)と傾斜面22(22a,22b)の接触部に塗布された0.1〜数μmのうすい油膜は高圧にさらされ、いわゆる弾性流体潤滑膜となり粘度が上昇し剪断抵抗が増加する。この油膜が、傾斜面13(13a,13b)と傾斜面22(22a,22b)の接触部の周方向の摩擦力、つまり、第1環状部10と第2環状部を、相対的に回転させる法線力を接触面に与え、少量の滑りを伴いながら、いわゆるトラクションドライブにより動力伝達がされる。
【0058】
上述のように構成された摩擦式変速装置1の波動発生部30の軸部34に回転入力を与えると、ベアリング機構31の外輪部35が、第2環状部20の内周部25に内接して、第1環状部10の内周部12に第2環状部20の外周部21を部分的に押圧接触させ、当該接触部位を第1環状部10の内周部12の周方向に沿って移動させることにより、第1環状部10と第2環状部10とを摩擦力により相対回転させることとなる。このとき、第2環状部20を固定すると、第1環状部10から減速された回転及び増大されたトルクが出力されることとなる。
【0059】
逆に、第1環状部10を固定すると、第2環状部20のボス部23から減速された回転及び増大されたトルクが出力されることとなる。
【0060】
つまり、
図6に示すように、波動発生部30に動力が入力され、図中破線矢印で示される方向に回転すると、それに伴ない第2環状部20が弾性変形し、第2環状部20の外周部21に形成された傾斜面22と、第1環状部10の内周部12に形成された傾斜面13との接触位置が順次移動しながら、第1環状部10が第2環状部20に対して図中実線矢印で示される方向に相対的に回転する。
【0061】
また、第1環状部10を固定し、第2環状部20のボス部に回転入力を与えると、波動発生部30の軸部34から増速された回転と減少されたトルクが出力され、第2環状部20を固定し、第1環状部10に回転入力を与えると、波動発生部30の軸部34から増速された回転と減少されたトルクが出力されることとなる。
【0062】
いずれにしても、第1環状部10と第2環状部は、接触部の摩擦によって動力を伝達するため、歯車による動力の伝達に比べて、騒音、振動が少なく、高速回転が容易となる。また、歯車のバックラッシュや機械的遊びによるガタの発生がない。
【0063】
さらに、調圧機構の締め付けの程度によって、所定の回転トルクは伝達し、それより大きい回転トルクが入力された場合は、接触面に滑りが発生し、動力を伝達しないトルクリミッタとして利用できる。
【0064】
なお、調圧機構は上述のように構成する場合に限らず、
図7に示すように、調圧機構60は、第2環状部61の外周部に、幅方向中央部から両端部にかけて高さが高くなり、軸心CL方向の断面が谷形を呈するように形成された傾斜面62(62a,62b)と、軸心CLに直交する面で二分割された第1環状部63(63a,63b)のそれぞれの内周部に対向側から幅方向端部に沿って高さが高くなるように形成された傾斜面64(64a,64b)と、二分割された第1環状部63(63a,63b)間の軸心CL方向距離を離隔するように調整する複数の締め付けボルト65を備えて構成してもよい。
【0065】
二分割された第1環状部63(63a,63b)の間にさらバネ66等の弾性体を介すことにより、二分割された第1環状部63(63a,63b)には軸心CL方向で離隔する方向に弾性力がかかり、当該弾性力を締め付けボルト65によって調整することで、第2環状部61と第1環状部64の接触部に働く押圧力を調整することができる。
【0066】
調圧機構60は、さらバネ66のような弾性体を備える構成に限らず、二分割された第1環状部63(63a,63b)間の軸心CL方向距離を離隔するように調整するように構成されていればよい。例えば、締め付けボルト65に螺合するナットを二分割された第1環状部63(63a,63b)の間に介して、締め付けボルト65を第1環状部64bの螺子孔に螺合し、前記ナットを第1環状部64a側への締め付けを調整することで、二分割された第1環状部63(63a,63b)を軸心CL方向で離隔する方向の力を調整することができる。
【0067】
また、
図8に示すように、調圧機構70は、第1環状部71の内周部に幅方向に沿って高さが低くなる傾斜面72が形成されるとともに、第2環状部73の外周部に幅方向に沿って高さが高くなる傾斜面74が形成され、両傾斜面の接触位置を軸心CL方向に調整することにより、第1環状部71と第2環状部73の接触部位の押圧力を調整する締め付けボルト75を備えて構成してもよい。
【0068】
この場合、第2環状部73の端部と当接し締め付けボルト75と螺合する螺子孔76が形成された押さえ部材77を備え、締め付けボルト75によって第1環状部71と押さえ部材77の軸心CL方向距離を近接するように調整することで、第1環状部71と第2環状部71の接触部位の押圧力を調整する。
【0069】
上述した実施形態では、第1環状部、第2環状部、波動発生部等の摩擦式変速装置を構成する各部の材質について明示しなかったが、第1環状部は、第2環状部に比べて可撓性の少ない物質で構成し、第2環状部は、波動発生部によって撓まされる程度の可撓性のある物質で構成すればよい。本発明による摩擦式変速装置の用途、サイズ等に応じて、ステンレスのような金属材料や高分子ポリエチレンのような樹脂材料等から適宜選択すればよい。さらに、摩擦式変速装置の用途により、例えば、手術に用いる医療器具のように、前記油を用いることが好ましくない場合は、必ずしも前記油を塗布する必要はない。
【0070】
次に、上述の摩擦式変速装置1が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置の実施の形態について説明する。
【0071】
図9に示すように、関節装置50は、一対のリンク部材51,52と、第2環状部20がボルト54によってリンク部材51に設置され一対のリンク部材51,52を軸心CL周りに回転する摩擦式変速装置1と、一方のリンク部材51に固定された軸心CLと直交する方向に回転軸を有するエンコーダ内蔵のモータMと、伝動機構Tを備え、リンク部材51の一端に固定されたモータMの出力が伝動機構Tを介してリンク部材51の他端に軸支された摩擦式変速装置1の波動発生部30に伝達され、摩擦式変速装置1が軸心CL周りに回転することで、摩擦式変速装置1の第1環状部10に直接又は間接的に接続されたリンク部材52がリンク部材51に対して相対的に回転するように構成されている。
【0072】
伝動機構Tは、小径のベベルギアG1と、ベベルギアG1と噛合する大径のベベルギアG2と、平歯車G3と、平歯車G3と噛合する平歯車G4で構成されている。ベベルギアG1はモータMの出力軸に嵌入連結され、ベベルギアG2は平歯車G3の回転軸に止めねじ53で嵌入固定され、平歯車G4の回転軸には波動発生部30が連結されている。
【0073】
なお、伝達機構Tを構成するベベルギアG1,G2、平歯車G3,G4を夫々いわゆるトラクションドライブによるによる動力伝達機構で構成してもよい。
【0074】
上述の構成により、関節装置50は、モータMを一方向に回転駆動することにより、その出力が伝動機構Tを介して摩擦式変速装置1の波動発生部30を駆動し、第2環状部20リンク部材51へ固定されているため、第1環状部10が軸心CL周りに回転し、リンク部材52はリンク部材51に対して相対的に回転(以下、「正回転」と記す。)することとなる。モータMを逆方向に回転駆動することにより、リンク部材52は、正回転とは逆方向に回転することとなる。
【0075】
ここで、モータMにより摩擦式変速装置1を介してリンク部材52に付与される回転トルクと逆方向に、第1環状部10と第2環状部20の接触部に塗布された油による剪断抵抗より大きな外力が付与されると、第1環状部10と第2環状部20の接触部には滑りが発生し、外力に伴って第1環状部10が回転トルクと逆方向へ回転するので、前記外力が関節装置50を破損する虞が回避されるのである。
【0076】
さらに、例えば、複数の関節装置50のリンク部材を順に連結してロボットハンドのフィンガーユニットやアームユニットを構成することができる。
【0077】
上述したように、関節装置50の駆動機構として、アクチュエータからの動力を摩擦式変速装置1を介して関節軸へ伝達して、一対のリンク部材を相対的に回転駆動する方式を採用すると、摩擦式変速装置1によって増力することができるため、小さな出力のアクチュエータでもリンク部材を駆動するために必要な大きな動力が得られるという利点を持つ。
【0078】
上述の実施形態で説明した摩擦式変速装置、及び、前記摩擦式変速装置が組み込まれ、一対のリンク部材を所定軸心周りに回転する関節装置の各具体的構造は一実施形態に過ぎず、本発明の範囲がこれによって制限されるものではなく、同様の作用効果を奏する範囲において適宜構成を変更することも可能である。
【符号の説明】
【0079】
1:摩擦式変速装置
10:第1環状部
11(11a,11b):環状部材
12(12a,12b):内周部
13(13a,13b):傾斜面
14:螺子孔
15:開口
16:油貯留部
20:第2環状部
21:外周部
22(22a,22b):傾斜面
23:ボス部
24:螺子孔
25:内周部
30:波動発生部
31:楕円体
32:ベアリング機構
33:カム部
34:軸部
35:外輪部
36:内輪部
35a,36a:溝部
37:ボール
40:調圧機構
41:締め付けボルト
50:関節装置
51,52:リンク部材
53:止めねじ
54:ボルト
60:調圧機構
61:第2環状部
62(62a,62b):傾斜面
63(63a,63b):第1環状部
64(64a,64b):傾斜面
65:締め付けボルト
66:さらバネ
70:調圧機構
71:第1環状部
72:傾斜面
73:第2環状部
74:傾斜面
75:締め付けボルト
76:螺子孔
77:押さえ部材
CL:軸心
M:モータ
T:伝動機構