【実施例1】
【0027】
図面において、1は機能性付与容器であり、この機能性付与容器1は、容器本体2と、これの口部3に被せて密封する上蓋4と、容器本体2の底部5に被せて密封する底蓋6とで構成し、この底蓋6は、天板7とその下方に位置させた底板8とこれら天板7及び底板8を連結する側板9とを有して、この底蓋6と天板7と側板9との間に機能性付与物質10を保管する収納空間11を形成し、且つこの収納空間11内に機能性付与物質10を入れる入口12を設けると共に天板7に1以上の通気孔13を設けてなり、底蓋6の収納空間11内に入口12から機能性付与物質10を入れ、その状態の底蓋6を容器本体2の底部5に被せて密封するものである。
【0028】
前記容器本体2は円筒状側壁20を有し、この円筒状側壁20の上部は円形状の前記口部3となり、この口部3の上端周縁に凸部3aを設けて、上蓋4の内周面4b下部に設けた複数個の突部(図示せず)と係合する。そして、円筒状側壁20a上端にはヒンジ連結部23が設けられて上蓋4に連結され、その反対側の容器本体正面の円筒状側壁20b上部には凹み部24が設けられている。
【0029】
前記上蓋4は、前記容器本体2の円筒状側壁20に沿った円形体をなし、その内周面4bは容器本体2の円形状の口部3から上方に延びる凸部3aの外周面に密着するように円形をなしている。さらに、上蓋4の天板27には、上記円筒状側壁20の円形状の口部3の内周面3bに密着するように、円筒状突出部
25が設けられているから、上蓋4と容器本体2との密封性が一段と高められている。また、上蓋4
のヒンジ連結部23の反対側には鍔26が設けられ、さらに、鍔26に手指を掛け易くするために、既述のように、容器本体2の円筒状側壁20aには凹み部24が設けられており、上蓋の開閉がスムーズにできる。
【0030】
前記ヒンジ連結部23は、主ヒンジ30及びその両側にある板バネ31からなり、閉じた状態の上蓋4を板バネ31のバネ力に抗して開ききると、上蓋4の戻りがなく開いた状態を保持し、逆に、開いた状態の上蓋4を板バネ31のバネ力に抗して閉じきると、上蓋4の戻りがなく閉じた状態を保持することができる。
【0031】
前記底蓋6は、
図4ないし7に示すように、天板7とその下方に位置させた底板8とこれら天板7及び底板8を連結する側板9とを有してなり、これら天板7、底板8及び側板9に囲われて収納空間11を形成し、この収納空間11内に前記機能性付与物質10を入れるのに充分な大きさの入口12を側板9に開けてあり、且つ、収納空間11内の機能性付与物質10の効用を発揮するように、天板7に通気孔13を開けてある。図の実施形態では、側板9の内周面は入口12と反対側が180度に渡って円弧状に形成され、その両端部から両端部を通る直線に直交する方向で入口12側に延びて、側板9の円弧状外周面と接続している。この側板9の開口端部が入口12を形成している。したがって、底蓋6の収納空間11内に、機能性付与物質10を、側板9に開けてある充分な大きさの入口12から、極めて容易に収納することが出来る。
【0032】
そして、底蓋6の底板8の外周縁部に凸部8aを設けると共に、この凸部8aから外方に突出するシール線条32を設けている。これら底板8の凸部8a及びシール線条32に対応して、前記容器本体2の底部5、すなわち、円筒状側壁20の下端部の内周面に、底板8の凸部8aに沿う凹部33を設けている(
図8参照)。したがって、容器本体2の底部5に底蓋6を被せた際、容器本体2の底部5の凹部33に、底板8の凸部8aを嵌めることになるから、容器本体2の凹部33に底板8の凸部8aが係合し、凸部8aとシール線条32とが凹部33に密着するようになって、容器本体2の底部5と底蓋6との密封性がより高まることになる。
【0033】
また、底蓋6の天板7の外周縁部に凸部7aを設けている。この凸部7aが、容器本体2の円筒状側壁20の下部内周面に形成され
た係止突部34と係止することとなる(
図8参照)。したがって、容器本体2の下部に設けた係止突部34に天板7の凸部7aが係止し、凸部8aが凹部33と係止して、容器本体2の底部5と底蓋6との密封性に加えて、底蓋6のガタツキを押さえることができる。
【0034】
前記機能性付与物質10は、ある一定の機能を付与するものであれば、特に限定がないが、乾燥剤あるいはフレーバー剤がもっと良い効果を得ることが出来ると想定される。他に乾燥剤の逆である保湿剤や、無菌状態を保つ除菌剤なども機能性付与物質10の範疇に入れることができる。
【0035】
次に、上記構成になる機能性付与容器1の利用方法について説明する。
まず、どのような機能が必要なのかを精査し、それに合う機能性付与物質10、例えば、乾燥剤、フレーバー剤、保湿剤、除菌剤などを選択する。つぎに、
図4ないし6に示す底蓋6の入口12から収納空間11内に選択した機能性付与物質10を入れ、
図7に示す状態にする。そして、この
図7の状態の底蓋6を容器本体2の底部5に被せる。その際、容器本体2の底部5の凹部33に、底板8の凸部8aを嵌めるから、容器本体2の凹部33に底板8の凸部8a及びシール線条32が密着し、さらに、係止突部34にも天板7の凸部7aが係止して、容器本体2の底部5と底蓋6との密封性が高まり、これに加えて、底蓋6のガタツキを押さえることが出来る。
【0036】
そのあと、容器本体2内に機能性付与物質10による機能性を享受したい製品を収納して、上蓋4を被せて、容器本体2内を密封する。底蓋6の収納空間11内に収納保管されている機能性付与物質10は、天板7の通気孔13を通して容器本体2内の製品にその機能性を付与する。容器本体2内の製品を利用したい場合は、上蓋4を開けて製品を取り出し、直ぐに容器本体2に上蓋4を被せれば、容器本体2内の製品に機能性付与物質10の機能性を再び付与することができ、機能性付与物質10がその機能性を保持している限り、容器本体2内の製品にその機能性を付与し続けることが出来る。
【0037】
以上、本発明の実施例1を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は、適宜可能であることが理解されるべきである。