(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649390
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】空気ろ過装置のための改良サイクロンチャンバー
(51)【国際特許分類】
A47L 9/16 20060101AFI20141211BHJP
B04C 3/06 20060101ALI20141211BHJP
A47L 5/30 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
A47L9/16
B04C3/06
A47L5/30 Z
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-217836(P2010-217836)
(22)【出願日】2010年9月8日
(65)【公開番号】特開2011-78757(P2011-78757A)
(43)【公開日】2011年4月21日
【審査請求日】2013年6月25日
(31)【優先権主張番号】12/576404
(32)【優先日】2009年10月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510258854
【氏名又は名称】ラウ イン ワイ
【氏名又は名称原語表記】Lau Ying Wai
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラウ イン ワイ
【審査官】
芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0081321(US,A1)
【文献】
特開2003−250729(JP,A)
【文献】
特開2002−085297(JP,A)
【文献】
特開2005−334553(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0090290(US,A1)
【文献】
特開2001−353110(JP,A)
【文献】
特開2004−121648(JP,A)
【文献】
特開平03−264018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/16
A47L 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、チャンバーは、
頂部の反対側の基部とそれらの間で伸びる複数の側壁と、
流出通路と、
頂部と近接して基部から遠位の側壁に含まれる流入開口部から伸びる流入通路とを含み、
頂部及び側壁は内面を有し、内面はほぼ滑らかであって、チャンバーの側壁は凹部開口部を有しており、
チャンバーは、凹部開口部において側壁によって規定される凹部空洞と、
空洞内に配置される流入ノズルと、
流出通路にわたって配置されるフィルターとをさらに含み、
流入ノズルは流入通路と連通し、流入ノズルは上面を有する湾曲本体をさらに有し、湾曲本体は一方通行弁によって覆われた開口部において終了し、一方通行弁は側壁の湾曲とほぼ接線方向でチャンバー内に空気を放出するよう選択された角度で開くように構成され、流出通路を介してチャンバーから出る空気は必ずフィルターを通過し、
真空源は流出通路と共に流体連結が行われることで、真空源の操作により、空気を流入通路及び流入ノズルを介してチャンバー内に引き入れ、空気は選択された角度で一方通行弁を通過して放出され、空気はチャンバーの側壁まわり及びノズルの上面を横断してサイクロン通路を移動し、凹部空洞はチャンバー内で気流のサイクロン通路のほぼ外に流入ノズルを保持するようにさらに構成されているサイクロン集塵チャンバー。
【請求項2】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
凹部開口部はほぼ閉鎖されているサイクロン集塵チャンバー。
【請求項3】
請求項2の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
ノズルの上面は凹部開口部をほぼ閉鎖するサイクロン集塵チャンバー。
【請求項4】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
一方通行弁はゴムフラップを含むサイクロン集塵チャンバー。
【請求項5】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
凹部空洞はほぼ長方形であるサイクロンダスト収集チャンバー。
【請求項6】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
フィルターはプリーツを含むサイクロン集塵チャンバー。
【請求項7】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
前記チャンバーは横断面がほぼ放物線型であるサイクロン集塵チャンバー。
【請求項8】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
前記フィルターは横断面がほぼ放物線型であるサイクロン集塵チャンバー。
【請求項9】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
前記フィルターはほぼ滑らかである外面を有するサイクロン集塵チャンバー。
【請求項10】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
前記フィルターはほぼ円錐形であるサイクロン集塵チャンバー。
【請求項11】
請求項1の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
前記サイクロン集塵チャンバーは掃除機内に含まれるサイクロン集塵チャンバー。
【請求項12】
請求項11の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
前記流入通路に操作可能に流体連結される少なくとも1つの掃除機の付属品を含むサイクロン集塵チャンバー。
【請求項13】
請求項12の真空源と共に使用するためのサイクロン集塵チャンバーであって、
前記掃除機の付属品は電動ブラシであるサイクロン集塵チャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
関連出願の相互参照
本出願は、係属中の米国特許出願第12/800,569号の一部継続出願であり、その全体は本願において参照により援用される。
【0002】
発明の技術分野
本発明は概して掃除機、特にサイクロン掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術
サイクロン掃除機は当技術分野で周知である。例えば、ダイソン(Dyson)に特許付与された米国特許第4,373,228号に、サイクロン掃除機が開示されている。そのような掃除機は、それらが従来のフィルターを必要としない点、又は通常サイクロン動作は従来のフィルターにごみ及びほこりを近づけないためそれが目詰まりすることを防ぐという点において、従来の掃除機に対する利点を提供する。これは、従来のフィルターの寿命を延ばし、フィルターの目詰まりによる掃除機の全体的な力が低下することを防ぐ両方の傾向がある。しかしながら、多くのサイクロン設計は掃除機の力の妨げとなる。最も多くのサイクロン設計において、サイクロン運動は、空気がサイクロンチャンバーから出る通路に対して有意な角度で空気がサイクロンチャンバーに入る構成とすることによって与えられる。この角度又は接線方向の流入はサイクロンチャンバー内で渦巻きを形成する。しかしながら、空気通路内の急旋回は必然的に空気がサイクロンチャンバーに入るときに空気の流れを遅くする。空気の流れを遅くすることは、掃除機の力を減少させる。結果及び全てのその他の同等なものとして、大部分のサイクロン掃除機の吸引力は同様のモータ及びファンを有する従来の掃除機によって提供される吸引力よりも弱いであろう。空気が通過するべき通路の長さは、抵抗を増加させるため、空気を遅くして掃除機の力を弱める。従って、あらゆる掃除機への付属品の取り付けはその力を減少させ得る。この弱さは付属品がサイクロン掃除機に追加されたときに促進され、サイクロン流はサイクロンチャンバーへ接線方向で流入することによって誘導される。
【0004】
その他の先行技術のサイクロン設計において、サイクロン運動は湾曲ノズルによって与えられる。これらの掃除機はそれら自身に関連する問題を有する。そのような掃除機では、空気流入通路はノズルにつながり、サイクロンチャンバーへ伸びる。空気がノズル及びサイクロンチャンバーに入ると、ノズルの湾曲によって空気が所定の角度で側壁に当たるため、サイクロン運動を形成する。しかしながら、ノズルの本体それ自身はサイクロンチャンバー内に伸びているため、それが空気のサイクロン運動に対する物理的な障害として作用する。これによって実質的にサイクロン運動を阻止及び/又は破壊し、及び空気の流れを遅くする。結果として掃除機の吸引力は弱くなる。
【0005】
上述の観点から、以下の目的を満たすサイクロン掃除機が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,373,228号公報
【発明の概要】
【0007】
発明の目的は、サイクロン掃除機を提供することである。
【0008】
発明の他の目的は、空気のサイクロン運動の物理的障害として作用しない改良された流入ノズルを含むサイクロン掃除機を提供することである。
【0009】
発明の他の目的は、吸引力が最適化されたサイクロン掃除機を提供することである。
【0010】
さらに発明の他の目的は、サイクロンチャンバーに入ったときに空気が実質的に遅くならないサイクロン掃除機を提供することである。
【0011】
さらに発明の他の目的は、様々な掃除機の付属品を受け取ることができるサイクロン掃除機を提供することである。
【0012】
さらに発明の他の目的は、サイクロンチャンバーに出入りする空気の通路がほぼ平行であるサイクロン掃除機を提供することである。
【0013】
さらに発明の他の目的は、サイクロンチャンバーの内部がほぼ滑らかであるサイクロン掃除機を提供することである。
【0014】
さらに発明の他の目的は、サイクロンチャンバーの内部はほぼ障害物がないサイクロン掃除機を提供することである。
【0015】
さらに発明の他の目的は、様々な掃除機において使用可能であるサイクロンチャンバーを提供することである。
【0016】
本発明は掃除機及びその他の空気ろ過装置において使用するためのサイクロンチャンバーである。第1の好ましい実施形態では、サイクロンチャンバーは基部の反対側に頂部を備えており、側壁がその間で伸びている。サイクロンチャンバーは好ましくは一般的に横断面が放物線型か又は一般的に管状であり、頂端部に半球キャップを有している。基部は流出通路を備えている。円錐形のフィルターは流出通路から伸びている。フィルター及び流出通路は、操作の間に空気がフィルターを通過せずにサイクロンチャンバーから排出されないように構成されている。また、流入通路はチャンバーの頂端部に提供されている。流入通路及び流出通路は平行ではあるが、並んでいない。サイクロンチャンバーの内部はほぼ滑らかである。流入及び流出通路が中心線を外して配置される関係を有する組み合わせにおけるサイクロンチャンバーの滑らかな内壁によって、チャンバー内で空気は流入通路とフィルターとの間でサイクロン通路を通ることができる。気流に取り込まれるくずは、遠心力によってフィルターから離れてチャンバーの外側へ押され得る。渦はチャンバーの基部に近接するサイクロン通路において形成され得る。くずはそこで気流から逃れ得る。逃れたくずは基部に留まるか、重力に関連してチャンバーの配向に依存して、再度フィルターから離れる方向に向かう気流に戻り得る。
【0017】
発明の他の好ましい実施形態では、サイクロンチャンバーの構造は上述したものと同様で、以下の偏差を有する。湾曲チャンバーは凹部空洞を備え得る。構造において、凹部空洞は、チャンバー内でサイクロン気流通路の外に配置され得る。この空洞内に配置されるものは湾曲流入ノズルで、前記ノズルは順に流入通路と連通し得る。ノズルがチャンバー内で気流の外に配置されると、空気のサイクロン運動の物理的な障害として作用しないであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】サイクロンチャンバーの好ましい実施形態の外観斜視図である。
【
図2】
図1のサイクロンチャンバーの水平断面図である。
【
図3】図のサイクロンチャンバーの垂直断面図である。
【
図4】サイクロンチャンバーの好ましい実施形態を含む携帯掃除機の斜視図である。
【
図5】サイクロンチャンバーの好ましい実施形態を含むその他の携帯掃除機の垂直断面図である。
【
図6B】
図6Aの湾曲ノズルの従来の配置を示したサイクロンチャンバーの先行技術における内部図である。
【
図7】本発明のサイクロンチャンバー及び湾曲ノズルの好ましい実施形態を含む携帯掃除機の好ましい実施形態の斜視図である。
【
図9】サイクロンチャンバーの好ましい実施形態の内部図である。
【
図9A】閉鎖位置におけるノズルフラップを示すサイクロンチャンバーの好ましい実施形態の内部図である。
【
図9B】矢印がさらにサイクロン通路を示し、わずかに開いて角度を有する位置におけるノズルフラップを示すサイクロンチャンバーの好ましい実施形態の内部図である。
【
図10】サイクロンチャンバーの好ましい実施形態の後部斜視図である。
【
図11】サイクロンチャンバーの好ましい実施形態の前部斜視図である。
【
図12】
図9のA−A線に沿ったサイクロンチャンバーの好ましい実施形態の断面図である。
【
図13】サイクロンチャンバーにおいて使用可能なフィルターの好ましい実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、掃除機2のためのチャンバー1を含む。チャンバー1の第1の好ましい実施形態が説明され、その後に第2の好ましい構成が続く。第1の好ましい実施形態では、サイクロンチャンバー1は基部4の反対側に頂部3、及びそれらの間で伸びる壁5を有する。サイクロンチャンバー1は一般的に横断面が放物線型か又は一般的に管状のどちらかであり、頂端部に半球キャップを有する。壁5の内壁6及び頂部3はほぼ滑らかで障害物がない。基部4から内部に伸びているものは流出通路12であり、それは空気をサイクロンチャンバー1から排出可能とする流出開口部7において終了する。流出通路12は好ましくは流出開口部7を基部4から分離する。好ましい実施形態では、流出開口部7は掃除機2の吸引力を作り出すことができるファン8に通じ得る。流出通路12及び流出開口部7を覆い、サイクロンチャンバー1内で伸びているものはフィルター9である。フィルター9は好ましくは横断面が円錐形又は放物線型であり得る。フィルター9の外部もまた好ましくはほぼ滑らかである。任意の支持リブ10及びそれと同類なものは、好ましくはフィルター9の内部にあり得る。流出通路12、流出開口部7及びフィルター9は好ましくはサイクロンチャンバー1内で中央に配置される。フィルター9は空気がフィルター9を通過することなくサイクロンチャンバー1から流出通路12へ通過できないように位置決めされなければならない。
【0020】
流入開口部11は頂部3に近接して備えられる。流入開口部11は好ましくは横断面が楕円形である。本明細書において流入開口部11は二次元の開口部であるように記載されているが、当然ながら流入開口部11が、実際には通路、つまり流入通路13であるようにいくらかの長さを有し得ることを理解されるであろう。これらの通路−流入通路13及び流出通路12−は好ましくは互いにほぼ平行であるが互いに中心線を外して配置(offset)される。
【0021】
流入開口部11を介してサイクロンチャンバー1に入る空気は流入開口部11から流出開口部7へ移動しなければならない。壁5の滑らかな湾曲は湾曲通路においてサイクロンチャンバー1に入る空気及びくずを取り込むことができる。この通路は流入開口部11から流出開口部7まで壁5に続いているため、サイクロンチャンバー1内でサイクロンフローパターンを空気に与えることができる。サイクロンチャンバー1に入る空気は、サイクロンチャンバー1内に入ってすぐに変わることに代えて、サイクロンチャンバー1の長さにわたって徐々に方向を変えることができるため、空気の流れは空気がサイクロンチャンバー1に入るときに抑制されず、空気の流れはほぼ層流のままである。これは空気が実質的に遅くなることなくサイクロンチャンバー1を通過して流れることを可能とし、それによって単位時間あたりにより多くの空気を掃除機2を通過して流すことを可能とするため、掃除機2の強さを増強させることができる。
【0022】
上述したように、壁5の滑らかな湾曲、及びそれほど重要ではないが頂部3によって、サイクロンチャンバー1に入る空気及びくずをそれらが流入開口部11から流出開口部7へサイクロンチャンバー1まわりを動くように、サイクロンパターンに従わせることが可能である。このサイクロン通路によって引き起こされる遠心力は気流内のほこり及びくずを壁5に向かって外側へ押してフィルター9から離すことができる。これによってほこり及びくずがフィルター9を詰まらせないように維持可能であり、掃除機2の強さを維持しながらそれの寿命を延ばすことができる。
【0023】
壁5及び頂部3に障害物がないため、この領域において渦が形成するのを防ぎ得る。同様に、フィルター9の滑らかな外面はその表面に沿って渦が形成するのを防ぎ得る。これはこの領域において層状のサイクロン流を維持するために機能し得る。しかしながら、サイクロンチャンバー1の基部4には障害物が存在する。好ましくは、壁5が基部4と接触するところ及び流出通路12が基部4から伸びるところで、比較的とがった角が提供される。同様に、その他の障害物もそこへ提供され得る。これらは渦を基部4の近くで形成させ得る。くずはこれらの渦においてサイクロン気流から落ちるであろう。重力に関連してサイクロンハウジング1の位置に依存して、気流から落ちるくずは基部4に落ちるか又は気流に戻り得る。基部4に落ちるくずは流出開口部7及びフィルター9から離れ得ることに留意しなければならない。基部4に堆積してフィルター9に移動するほこりに関して、サイクロン気流を通過しなければならず、上述したように遠心力を介してくずをフィルター9から離させる傾向がある。サイクロンチャンバー1はサイクロンチャンバー1内に収集されたあらゆるごみ及びくずが処分可能となるように、好ましくは基部4で又は基部4に近接して開放されなければならない。
【0024】
好ましい実施形態では、ファン8はサイクロンチャンバー1からすぐ下流に配置される。しかしながら、1つ又は複数のサイクロンチャンバーがサイクロンチャンバー1の下流に提供されて、及びファンが全てのサイクロンチャンバーから下流に提供されるよう、複数のサイクロンチャンバーは連続して配置可能であることが理解されるであろう。
【0025】
好ましい実施形態では、サイクロンチャンバー1は携帯(hand held)掃除機として示されている。しかしながら、サイクロンチャンバー1は任意の従来の掃除機システム又は空気ろ過システムにおいて使用可能であることが理解されるであろう。
【0026】
本発明の第2の好ましい実施形態では、チャンバー1は上述したようにほぼ同様の方法で構成される。すなわち、チャンバー1は基部4、頂部3及び複数の側壁5によって規定され、サイクロン気流が発生され得る。しかしながら、本実施形態では、側壁5は凹部開口部5aを含み、凹部空洞34は凹部開口部5aにおいて側壁5によって規定される。以下にさらに説明するように、凹部空洞34は流入ノズル33を収納し、空洞33の配置及び構成はチャンバー1内でノズル33をサイクロン気流通路から実質的に外に保持し得る。好ましい実施形態では、空洞34はほぼ正方形又は長方形であり得る。
【0027】
本発明の第2の好ましい実施形態の説明に続いて、流入ノズル33は流入通路13と連通可能である。流入ノズル33は上面33eを有する湾曲本体領域33aをさらに含み得る。流入ノズル33は十分に空洞34をほぼ埋めなければならず、かつ空気が凹部空洞34に入るのを防ぐために、ノズル33の上面33eが側壁5の凹部開口部5aを十分に閉じるようにさらに配置されなければならない。流入ノズル33は一方通行弁33cによって覆われた開口部33bにおいてさらに終了し、一方通行弁33cはチャンバー1の側壁5の湾曲にほぼ接線方向の角度で空気をサイクロンチャンバー1へ開放するように構成されている。好ましい実施形態では、一方通行弁33cはラバーフラップ33dを備え得る。ラバーフラップは当技術分野で周知であり、しばしば湾曲ノズルと共に使用される。
図6A参照。しかしながら、ラバーフラップ33dの配置及び角度を有する開口部は本発明の新規な一部分であって、さらに以下に説明する。
【0028】
使用において、凹部空洞34を有するサイクロンチャンバー1は、任意の携帯掃除機の本体と共に使用可能である。しかしながら、真空源は掃除機に限定される必要はなく、チャンバー1はあらゆる適した高速空気浄化システムと共に使用可能である。
【0029】
操作において、空気は流入通路13と平行にサイクロンチャンバー1に入り、その後流入ノズル33の本体領域33aに入り得る。サイクロン通路は以下に示されるように形成される。空気がチャンバー1の壁5の湾曲とほぼ接線方向の角度でノズル33から排出されるように、ノズル33の本体領域33aを通過して動く空気の力によってノズル33の弁33cを部分的及び一方向に開放し得る。空気は側壁5へ接線方向で接近するため、空気はチャンバー1まわり及びノズル33の上面33eを交差して循環通路を移動する。従って、チャンバー1の凹部空洞34内のノズル33の位置、角度を有する部分的に開いた弁33c及び側壁5の湾曲は、全てチャンバー1内で空気にサイクロンフローパターンを与える互いに発明の好ましい特徴である。そのようなサイクロンパターンが形成された後に、ノズル33はフローパターンと最小限にのみ干渉し得る。上述したように、凹部空洞33の配置及び構成によって、チャンバー1内でノズル33をサイクロン気流通路のほぼ外に保持可能である。さらに、上述したように、ノズル33の上面33eは空気が凹部空洞34に入ることを十分に防ぎ得る。このようにして、サイクロン気流パターンは維持され得る。さらに空気の循環運動を促進するために、ノズル33とチャンバーの壁5との間の任意の間隔は、これらの領域において渦が形成されるのを防ぎ及び層状サイクロン流を維持するために、好ましくは最小化又は除去することが可能である。
【0030】
チャンバー1のこの上述された好ましい構成は、従来技術とは対照的であり、それは上述したようにノズル33の本体は気流の外にあるのではないため、空気のサイクロン運動に対する物理的な障害として作用する。
図6B参照。従って、側壁5の内壁6及び頂部3をほぼ滑らか且つ障害物がなく保持することによって、且つノズル33と側壁5aとの間のあらゆる隙間を除去することによって、循環運動はフィルター9まわりでより効率よく維持される。これによって、ごみ、くず及びその他の粒子がフィルター9に落ちて目詰まりさせることを防ぐことができる。このようにして、フィルター9の完全性及び寿命は保存され得る。
【0031】
フィルター9は以前に説明したものと同一であってもよく、あるいはフィルター9はプリーツ9aを含むことで空気の通路に対して増加した表面積を提供し、結果としてより効果的な掃除が可能である。
【0032】
任意の様々な従来の掃除機付属品14を流入通路13の上流に加えることができる。付属品14は隙間ノズル、固定ブラシ、及び電動回転ブラシを含む。掃除機に対する任意のそのような器具の追加は、掃除機の外側と真空源、すなわちファン、との間の距離を増加させるため、必然的に掃除機の力を弱め得る。しかしながら、サイクロンチャンバー1は同類のサイクロンフィルターよりもより効率的であるため、サイクロンチャンバー1を含む掃除機においてより多くの真空吸引力が利用可能である。最終結果は、サイクロンチャンバー1を有する掃除機は、従来のサイクロンフィルターを含む同様の掃除機よりも、付属品を効率的に操作するために必要な吸引力を提供可能であろう。
【0033】
本発明がその好ましい実施形態に関して説明されてきたが、その他の実施形態は前述を参照することで当業者に理解されるであろう。好ましい実施形態と同様に、それらの実施形態は以下の特許請求の範囲及び精神によって包含されることが意図される。