(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649448
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】燃料ストリームにおける化石燃料含有量を測定する方法ならびに焼却炉
(51)【国際特許分類】
G01N 33/22 20060101AFI20141211BHJP
F23G 5/50 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
G01N33/22 Z
F23G5/50 N
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2010-530945(P2010-530945)
(86)(22)【出願日】2008年10月22日
(65)【公表番号】特表2011-501186(P2011-501186A)
(43)【公表日】2011年1月6日
(86)【国際出願番号】NL2008050662
(87)【国際公開番号】WO2009054718
(87)【国際公開日】20090430
【審査請求日】2011年9月22日
(31)【優先権主張番号】2000960
(32)【優先日】2007年10月24日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】506377064
【氏名又は名称】スティヒティング エネルギーオンダーゾーク セントラム ネーデルランド
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】バッカー フレデリカス ペトラス
(72)【発明者】
【氏名】フースブローク マルコ
【審査官】
黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第02/006730(WO,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01829951(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/22
F23G 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ストリームの焼却により生じる排ガス中の二酸化炭素の炭素14含有量を測定することにより、焼却炉(1)に給送される燃料ストリームにおける化石燃料含有量を測定する方法であって、前記炭素14含有量が、前記燃料ストリームの非化石燃料の比率を示し、(a)前記焼却炉の焼却出口(3)を通過して流れる排ガス全量を測定するステップと、(b)前記排ガスからサンプルを採取するステップであって、前記排ガスの量の変動にしたがって前記サンプルの大きさが変動するように、前記サンプルの大きさがステップ(a)で測定された排ガス全量と正比例しているステップと、
(c)ステップ(b)で採取したサンプルの炭素14含有量及び全炭素含有量を測定するステップと、
(d)ステップ(c)で測定したサンプルの前記炭素14含有量及び全炭素含有量から、前記燃料ストリーム中の化石燃料の比率を算出するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
燃料ストリームが廃棄物の部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(b)において、サンプルの大きさが、ステップ(a)で測定した排ガス全量に応じた弁制御手段(9、7)の起動により制御される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
質量流量モニターが排ガスストリーム全量を測定するために使用される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
燃料ストリーム入口(2)と排ガス排出出口(3)とを含む焼却炉(1)において、サンプリング装置(4)が前記出口(3)に配置され、前記サンプリング装置(4)が前記焼却炉の前記出口(3)に接続できる入口(8)とサンプリング容器(5)とを有する焼却炉であって、前記サンプリング装置(4)が弁(7)と弁制御(9)とを備え、排ガス全量を測定するために、センサー(6)が前記焼却炉の前記出口(3)に備えられ、前記サンプリング容器(5)に給送される排ガスの量が、センサー(6)により測定される排ガス全量と正比例するように、前記弁制御(9)が前記サンプリング容器(5)に給送される排ガスの量を制御し、前記容器(5)が炭素14測定装置(10)に接続された形態であることで、前記サンプリング容器(5)に含まれる排ガス中の炭素14含有量及び全炭素含有量から、前記燃料ストリームの非化石燃料含有量を得ることを可能とすることを特徴とする焼却炉。
【請求項6】
焼却炉が家庭廃棄物焼却炉を含む、請求項5に記載の焼却炉。
【請求項7】
焼却炉がセメント生産装置の焼成炉である、請求項5に記載の焼却炉。
【請求項8】
炭素14測定装置が液体シンチレーション装置を含む、請求項5に記載の焼却炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のように、焼却炉に給送される燃料ストリームにおける化石燃料含有量を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な物質が焼却炉に給送されるが、その大部分は化石燃料、すなわち何万年及びそれ以上の歳月を経た燃料である。特に廃棄物焼却炉の場合、またその他の焼却炉の場合も同様であるが、化石燃料よりも歳月の浅い燃料を含む燃料ストリームも供給される。かかる燃料ストリームの例には木質材料、ゴム材料などがある。これらの燃料は、バイオジェン燃料とも呼ばれる。
【0003】
環境上の理由により、温室効果ガスである二酸化酸素、特に化石燃料の燃焼時に生じる二酸化炭素の放出を可能な限り制限することが望ましい。例えば、比較的最近に木材に変換された炭素の燃焼も、環境を汚染するとは考えられない。結局のところ、木材は数千年の歳月しか経ておらず、大気中の二酸化炭素が炭素へ変換した結果生じたものである。
【0004】
化石燃料すなわち10,000年以上前に生じた燃料の放出に対しては、税金を導入した国さえある。
【0005】
混合燃料ストリームが焼却炉に給送される場合に、給送される燃料のうち、どの画分が化石燃料であり、どの画分がより最近の燃料であるかを知ることが重要である。
【0006】
これを測定する1つの可能性は、供給されるストリームの分析を行うことである。
【0007】
かかる方法は、検査がランダムに行われるだけでは不正確である。また、かかる方法は、熟練した検査官を必要とし、及び/又は複雑である。
【0008】
廃棄物から燃料を生産する方法が知られている。かかる方法ではサンプリングを使用し、化石燃料含有量を、二酸化炭素を燃焼して、炭素14法を使用することによって測定する。
【0009】
国際公開第02/06730号には、燃料混合物における化石エネルギー担体と非化石エネルギー担体との関係を決定する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第02/06730号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、化石燃料及びバイオジェン燃料の割合を正確に測定することができる簡易な方法を提供することである。
【0012】
かかる目的は、請求項1の特徴を使用して、上記の方法によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、炭素14(
14C)の存在量は、排ガス組成を分析するために使用される。かかる組成中に存在する二酸化炭素は、化石燃料から生じる二酸化炭素とバイオジェン燃料から生じる二酸化炭素とから、それぞれ部分的に構成される。
【0014】
炭素14は、約5700年の半減期を有する放射性元素である。これは、炭素循環に加わらない有機物の炭素14の半量がかかる期間内に消失することを意味する。言い換えれば、各炭素が地下に保存される/保存されていた場合に、全ての炭素14が60,000年以内に消滅してしまうであろうということである。さらに言い換えれば、より最近のバイオジェン燃料では、炭素14含有量が約1ppt(10
−12)であるのに対して、化石燃料では、炭素14含有量は0である。
【0015】
炭素14含有量を測定することによって、非化石燃料及びバイオジェン燃料のそれぞれの量が分かる。二酸化炭素の全体に占める割合が分かると、サンプル中の化石燃料の量をより容易に計算することができる。その結果を使用して、例えば税金などを決定することが可能である。
【0016】
サンプリングされた量とガス排出量との関係が明確になれば、かかる方法の正確性を改善することができる。このことは、排出ガスの量が異なる場合に特に有効である。かかる両者の関係は線形であること、すなわち、サンプリング中の変化が、ガス排出量の変化と正比例していることが好ましい。
【0017】
炭素14を測定するために、種々の技術がある。上記方法によって実際に使用することができる最重要な技術は、バイオジェン質量の少なくとも25%を含有するサンプルに対する相対標準偏差が、例えば1%未満であるような、極めて正確な測定を可能にする液体シンチレーションカウンター(LSC)である。しかしながら、非化石燃料の含有量が、例えば5%以下など、極めて低いものに対しても良好な結果を得ることも可能である。炭素14を測定するためのその他の方法には、βイオン化(ガスバーナー)及び加速器質量分析(AMS)がある。排ガス又は燃焼排ガスのストリーム全量を測定するためには、質量流量モニターを使用することができる。
【0018】
また、本発明は、燃料ストリーム入口と、排ガス排出出口とを含む焼却炉であって、サンプリング装置が前記出口に配置され、サンプリング容器を含み、前記排ガスを受け入れるための前記出口に接続できる入口を有し、前記入口のための弁と弁制御とを備えており、排ガス全量を測定するためのセンサーが前記弁制御に接続されている前記出口に備えられ、前記弁制御がセンサーによって測定された排ガスストリーム全量に応じて前記入口の弁開口部の大きさを制御する焼却炉に関する。
【0019】
弁及び弁制御を有する構造の代わりに、放出される排ガス量とサンプリングの程度との関係が明確である、その他の任意の構造を使用することができることが理解されるであろう。
【0020】
かかる焼却炉は、例えば、家庭廃棄物焼却炉を含んでいてもよい。セメント生産用及び発電所用など、その他の用途も可能である。
【0021】
また、本発明は、上記焼却炉を炭素14測定装置とともに備えるアセンブリに関する。かかる炭素14測定装置は通常、焼却炉から少し離れたところに配置される実験室であるだろう。サンプリング容器は、一定期間をおいて燃焼排ガス出口から除去し、別のサンプリング容器と交換することができ、最初のサンプリング容器は炭素14測定装置へと搬送される。
【0022】
図面で説明される例示的実施形態により本発明を以下に説明する。
【0023】
ここでは、1つの図によって本発明の一実施形態を図示する。
【0024】
かかる図において、焼却炉は参照番号1で表示される。前述の通り、かかる焼却炉としては任意の種類の焼却炉が含まれ得るが、異なる組成の燃料ストリームを投入できる焼却炉が好ましい。かかる焼却炉の例としては、家庭廃棄物焼却炉及び、例えばセメントを調製するための焼成において使用される焼却炉がある。
【0025】
焼却炉1は、燃料用の入口2を備える。かかる燃料は、化石燃料及び非化石燃料を含んでいてもよい。かかる非化石燃料すなわちバイオジェン燃料の例は、木材、包装材料、紙、家庭野菜廃棄物、肥料、食肉処理場からの廃棄物、ある種のプラスチック、(自動車用)タイヤ等である。
【0026】
焼却炉には、煙突すなわち出口3が設けられている。かかる煙突は、サンプリング装置4と質量流量計6を含む。かかるサンプリング装置は、弁7とサンプリング容器5とが配置されている入口8を有する。
【0027】
廃棄物焼却炉から少し離れたところにサンプル測定装置が備えられ、全体として参照番号10で表示されている。後者は、例えば実験室に設置されていてもよく、液体シンチレーション法によって炭素14を測定することが可能である。
【0028】
質量流量計6から生じる信号に基づいて、弁7の開閉を制御する弁制御9がある。
【0029】
上記装置は、以下のように機能する。
【0030】
燃料を焼却炉1にて焼却すると、サンプルが継続的又はその他断続的な方法で取り出され、サンプリング容器5に配置される。サンプリング容器5は、定期的に交換され、サンプリング容器5によって得られたサンプルは、分析装置10において炭素14について分析される。煙突3を流れ、質量流量計によって測定されるガスの量に比例して遮断弁
7が開く。すなわち、大量の排ガスが流れると、大量の物質が入口8を通過する。この比例的な方法の結果、極めて正確な測定結果を得ることが可能である。このことは、煙突3を通って流出するガスの量が変化する場合に、特に重要である。
【0031】
上記を読んだ当業者は、本発明の範囲内での変形を容易に思いつくであろう。したがって、サンプル測定装置10を別の様式で設計することも可能である。重要なことは、かかる装置が炭素14法によってバイオジェン炭素含有量及び化石炭素含有量を測定できるということである。
【0032】
用途に応じて、化石炭素含有量若しくは非化石炭素含有量のいずれか又は両方が測定される。
【0033】
上記の種々の変形は、上記を読んだ当業者には自明であり、添付の特許請求の範囲内にある。