(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
与薬管理部に結合されるメモリにユーザカスタマイズされた薬剤ライブラリの一部として前記値を格納するステップをさらに含み、送信するステップが、注入器にユーザカスタマイズされた薬剤ライブラリをダウンロードするステップを含む、請求項2に記載の方法。
ポンプ表示スクリーンが、注入器に結合され、プロセッサが、前記投与セットが注入器によって受容されたかどうかを検出するように構成され、前記投与セットが注入器によって受容されておらず、かつ前記ユーザ選択可能な注入器構成パラメータの値が否定的な値であるなら、注入器のプログラミングを可能にするために前記投与セットが注入器によって受容されなければならないことを示す警告メッセージを、ポンプ表示スクリーンに生成する、請求項10に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による、情報システムに統合された、与薬管理部および医療機器を含む与薬管理システムの模式図である。
【
図3】本発明による、与薬管理部によって実行される主な機能のいくつかを示す模式図である。
【
図5A】本発明による機械読み取り可能入力装置に接続されている複数経路医療機器の斜視図であって、本発明による、通常の液体送達の際に表示されて遠くから見えるようになっていて、各経路と関連づけられた一部分を有する、分割画面表示を示す。
【
図5B】
図5Aと類似の斜視図であって、本発明による、近距離視表示画面を示す。
【
図6A】本発明による、薬剤ライブラリパラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図6B】本発明による、薬剤ライブラリパラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図7A】本発明による、医療機器固有パラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図7B】本発明による、医療機器固有パラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図8】本発明による、カセットの有無に関して医療機器のプログラミングを可能または不可能にするプログラムのフローチャートである。
【
図9A】本発明による、臨床看護領域の変更を示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図9B】本発明による、臨床看護領域の変更を示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図9C】本発明による、臨床看護領域の変更を示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図9D】本発明による、臨床看護領域の変更を示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図9E】本発明による、臨床看護領域の変更を示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図9F】本発明による、臨床看護領域の変更を示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図9G】本発明による、臨床看護領域の変更を示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図10】本発明による、複数経路輸液ポンプにおける臨床看護領域を変更するプログラムのフローチャートである。
【
図11】本発明による、単一経路輸液ポンプにおける臨床看護領域を変更するプログラムのフローチャートである。
【
図12A】本発明による、現在の輸液に対する追加VTBIのプログラミングを示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図12B】本発明による、現在の輸液に対する追加VTBIのプログラミングを示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図12C】本発明による、現在の輸液に対する追加VTBIのプログラミングを示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図12D】本発明による、現在の輸液に対する追加VTBIのプログラミングを示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図12E】本発明による、現在の輸液に対する追加VTBIのプログラミングを示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図12F】本発明による、現在の輸液に対する追加VTBIのプログラミングを示す、グラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図13】本発明による、現在の輸液に対する追加VTBIを追加するプログラムのフローチャートである。
【
図14】本発明による、薬剤ライブラリでの表示設定を構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図15A】本発明による、医療機器表示パラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図15B】本発明による、医療機器表示パラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図15C】本発明による、医療機器表示パラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図16】本発明による、表示パラメータを決定するプログラムのフローチャートである。
【
図17A】本発明による、グラフィカルユーザインターフェース誘導ボタンを示す画面例である。
【
図17B】本発明による、グラフィカルユーザインターフェース誘導ボタンを示す画面例である。
【
図17C】本発明による、グラフィカルユーザインターフェース誘導ボタンを示す画面例である。
【
図18】本発明による、画面視表示パラメータを決定するプログラムのフローチャートである。
【
図19A】本発明による、付加的なグラフィカルユーザインターフェース誘導ショートカットボタンを示す画面例である。
【
図19B】本発明による、付加的なグラフィカルユーザインターフェース誘導ショートカットボタンを示す画面例である。
【
図19C】本発明による、付加的なグラフィカルユーザインターフェース誘導ショートカットボタンを示す画面例である。
【
図19D】本発明による、付加的なグラフィカルユーザインターフェース誘導ショートカットボタンを示す画面例である。
【
図19E】本発明による、付加的なグラフィカルユーザインターフェース誘導ショートカットボタンを示す画面例である。
【
図19F】本発明による、付加的なグラフィカルユーザインターフェース誘導ショートカットボタンを示す画面例である。
【
図19G】本発明による、付加的なグラフィカルユーザインターフェース誘導ショートカットボタンを示す画面例である。
【
図20】本発明による、誘導ショートカットボタンに基づいて画面視表示パラメータを決定するプログラムのフローチャートである。
【
図21A】本発明による、様々なグラフィカルユーザインターフェース呼び戻し警報の画面例である。
【
図21B】本発明による、様々なグラフィカルユーザインターフェース呼び戻し警報の画面例である。
【
図22】本発明による、様々な呼び戻し警報に応答するプログラムのフローチャートである。
【
図23A】本発明による、グラフィカルユーザインターフェース警報誘導ショートカットボタンの画面例である。
【
図23B】本発明による、グラフィカルユーザインターフェース警報誘導ショートカットボタンの画面例である。
【
図23C】本発明による、グラフィカルユーザインターフェース警報誘導ショートカットボタンの画面例である。
【
図24】本発明による、警報誘導ショートカットボタンに基づいて画面視表示パラメータを決定するプログラムのフローチャートである。
【
図25】本発明による、薬剤ライブラリにおいてドーズバック計算パラメータを構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図26A】本発明による、医療機器においてドーズバック計算を構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図26B】本発明による、医療機器においてドーズバック計算を構成するためのグラフィカルユーザインターフェースの画面例である。
【
図27】本発明による、医療機器におけるドーズバック計算を可能または不可能にするプログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、その好適な実施形態に適用されるものとして記述される。本発明が好適な実施形態によって限定されることを意図するものではない。本発明は、添付請求項の範囲内に含まれ得る全ての変形および代替案を含むと考えられる。
【0017】
図1を参照すると、本発明の与薬管理システム(MMS)10は、与薬管理部(MMU)12および医療機器14を含み、通常は病院環境16の1つ以上の情報システムまたは構成要素と連携して動作する。病院環境という用語は、本明細書において、病院、治療センター、診療所、医院、日帰り手術センター、ホスピス、介護施設、および家庭療養環境と関連のある上記のいずれかを含むがこれらに限定されない、いずれかの医療看護施設を意味するものとして、広く解釈されるべきである。下に述べるように、病院環境には様々な情報システムがある可能性がある。
図1に示すように、MMU12は、病院環境16の一部であるキャッシュ機構20を通じて、病院情報システム(HIS)18と接続している。
【0018】
キャッシュ機構20は第一にHIS18との通信を容易にするための通過装置であり、その機能は排除されるか、またはMMU12(
図1)および/もしくは医療機器14および/もしくはHIS18および/もしくは病院環境16内のその他の情報システムもしくは構成要素に組み込まれてもよいことは、当業者には理解される。キャッシュ機構20は、HIS18、与薬管理記録システム(MAR)22、薬局情報システム(PhIS)24、処方オーダリングシステム(POE)26、および/または研究室システム28とは別の、病院情報データの一時的な保存を提供する。キャッシュ機構20は、病院環境16内のデータへの直接アクセスが不可能または望ましくない状況を支援するために、与薬管理システム10にアクセス可能な情報保存を提供する。例えば、HIS18がダウンしたり、またはMMU12と電子ネットワーク(図示せず)との間の接続がダウンしたりした場合に、キャッシュ機構20はMMU12との継続的な情報交換の流れを提供する。
【0019】
HIS18は、与薬記録を保存するための与薬管理記録システム(MAR)22および医薬品注文をHISに送達(delivering)するための薬局情報システム(PhIS)24と通信する。医師/提供者オーダリング(POE)装置26は、患者に処方された与薬指示を直接またはPhIS24経由で、医療提供者から病院情報システムに送達できるようにする。与薬指示はPhIS24またはPOE装置26からMMU12に直接送信可能であることは、当業者は理解する。本明細書で使用される与薬指示という用語は、液体またはガス状流体、薬物または薬剤、液体栄養製品、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、人間または動物に対して生理学的な影響があるものを投与させる指示として定義される。
【0020】
研究室システム28および監視装置30も、更新された患者固有の情報をMMU12に送達するためにMMU12と通信する。図に示すように、MMU12は、研究室システム28および監視装置30と直接的に通信する。しかしながら、MMU12がHIS18、キャッシュ機構20、医療機器14、または何らかの別の中間装置もしくはシステムを経由して、間接的に研究室システム28および監視装置30と通信することも可能であることは、当業者には理解される。
【0021】
送達情報入力装置32も、MMU12を通じて送達される医薬品注文の処理を支援するために、MMU12と通信する。送達情報入力装置32は、例えばバーコードスキャナを備える携帯情報端末(PDA)など、バーコードラベルなどの機械読み取り可能な印を読み取るのに適したものを含む、いかなる種類のデータ入力手段であってもよい。以下、送達情報入力装置32は入力装置32と称される。あるいは、機械読み取り可能な印は、無線自動識別(RFID)タグ、二次元バーコード、IDマトリクス、送信無線IDコード、指紋などのヒト生体データなど、他の形態であってもよく、入力装置32はそのような印を「読み取る」または認識するのに適している。入力装置32は、医療機器14とは別の装置として示されている。あるいは、入力装置32は、医療機器14と直接的に通信してもよく、またはその全体もしくは一部が医療機器に統合されてもよい。
【0022】
図2を参照すると、与薬管理部12は、MMU12を病院環境16の複数の構成要素、1つ以上の医療機器14、および任意のその他の所望の装置またはネットワークに接続するためのネットワークインターフェース34を含む。処理部36はMMU12に含まれ、後に詳述される様々な動作を実行する。表示/入力装置38は、処理部36と通信し、ユーザが処理部36からの出力を受け取ることおよび/または処理部36に情報を入力することを可能にする。表示/入力装置38が個別の表示装置および個別の入力装置として提供されてもよいことを当業者は理解する。
【0023】
電子記憶媒体40は、処理部36と通信し、処理部36がMMU12の機能を実行するのに必要なプログラムコードおよびデータを保存する。より具体的には、記憶媒体40は、以下のプログラムを含むがこれらに限定されない、MMU12の様々な機能のために、本発明に基づいて形成される複数のプログラムを保存する:薬剤ライブラリ維持42、薬剤ライブラリダウンロード44、医薬品注文処理46、専門臨床規則維持48、専門臨床規則適用50、ポンプ監視52、管路監視54、レポート作成56、データ閲覧58、MMS構成60、およびMMS監視62。薬剤ライブラリ維持42プログラムは、薬剤登録を作成、更新、および削除し、現在使用可能な薬剤ライブラリを確立する。薬剤ライブラリダウンロード44プログラムは、現在の薬剤ライブラリで医療機器14を更新する。医薬品注文処理46プログラムは、ポイントオブケア(POC)投薬および送達パラメータが注文されたものと一致していることを確認して、患者のための医薬品注文を処理する。専門臨床規則維持48プログラムは、病院の治療およびプロトコル治療計画を記述する規則を作成、更新、および削除する。専門臨床規則適用50プログラムは、安全を確認するための論理処理を実行し、他の輸液または与薬指示、患者の人口統計学的データ、および現在の患者の状態を考慮する。ポンプ監視52プログラムは、リアルタイムおよびバッチモードの両方で送信される状態、事象、および警報の進行中の最新情報を取得するとともに、位置、現在の割り当て、および医療機器14に搭載されている薬剤ライブラリバージョンなどのソフトウェアバージョンを追跡する。管路監視54プログラムは、複数の医薬品送達経路または管路を支援する医療機器14の各経路または管路の状態、事象、および警報の進行中の最新情報を取得する。レポート作成56プログラムは、MMU記憶媒体40に保持されているデータの様々なレポートをユーザが作成できるようにする機構を提供する。データ閲覧58プログラムは、MMU12のユーザのための様々な表示または閲覧能力を支援する機構を提供する。通知59プログラムは、事象の外部システムおよびユーザへの送達およびスケジューリングのための機構を提供する。MMS構成60プログラムは、システム管理者がMMS10をインストールおよび構成するための機構を提供する。MMS監視62プログラムは、情報技術操作スタッフの能力で、MMS10構成要素および処理の現在の状態、ならびにシステム立ち上げ、立ち下げ、バックアップ、および修復など、日々の操作のその他の態様を見ることができるようにする。
【0024】
図3を参照すると、それぞれが個別の機能および規則を含む、MMU12の様々な機能プログラム42から62は、(
図2に示すよりも高いレベルで)分割され、MMU12の相互関連する管理部を論理的に構成する。図に示すように、MMU12は、資産管理部64、警報管理部66、(例えば、HOSPIRA MEDNETソフトウェアに含まれるような)薬剤ライブラリ管理部68、介護者管理部70、治療管理部72、および/または臨床データ管理部73を含む。しかしながら、当業者の中には、本発明の範囲を逸脱することなく、追加または代替の病院システム管理部が提供されてもよいことを理解する者もいる。また、MMU12は、個別の管理部の間の相互作用を調整するために、MMU12の個別の相互関連する病院システム管理部64から73の間の上位決定部74を含む。
【0025】
さらに、本明細書に記載されるMMU12は単一の装置のように見えるが、協調して動作し、同じデータベースを共有する、2つ以上のMMU12が存在してもよい。例えば、一カ所での故障を回避し、有効性要件に対応し、大量の要求を処理するために、MMU12は、個別のサーバ上で起動するMMU固有のアプリケーションの集合からなってもよい。この例では、サービス要求をMMU12の他のサーバ部分にリダイレクトさせるために、MMU12の個別の各サーバ部分は、MMU12の他のサーバ部分と連携して動作する。また、上位決定部74は、リダイレクトされたサービス要求をMMU12の別のサーバ部分に割り当て、各要求の優先順位を決めるとともに、確実に各要求が処理されるようにする。
【0026】
図2および
図3を参照すると、管理部64から72はそれぞれその動作を管理するための異なる機能および規則を含む。例えば、資源管理部64はポンプ監視52および管路監視54プログラムの実行を管理し、薬剤ライブラリ管理部68は薬剤ライブラリ42および薬剤ライブラリダウンロード44プログラムの実行を管理し、治療管理部72は薬品注文処理46、専門臨床規則維持48、および専門臨床規則適用50プログラムの実行を管理し、臨床データ管理部73はレポート作成56およびデータ閲覧58プログラムの実行を管理する。病院システム管理部64から73の間の機能的MMUプログラム42から62のその他の分配は、本発明に従ってなされ得る。
【0027】
図4を参照すると、電子ネットワーク114は、電子的に通信のため、MMU12、医療機器14、および病院環境16を接続する。電子ネットワーク114は、完全な無線ネットワークでも、完全な有線ネットワークでも、それらの何らかの組合せなどでもよい。
【0028】
図4は、本発明を実行するための医療機器14のいくつかの機能的構成要素を示す模式図である。機器14が
図4に示すよりも多くの構成要素を含むことを当業者は理解する。しかしながら、本発明を実行するための例示的実施形態を開示するために、これら全ての構成要素を示す必要はない。
【0029】
本発明の文脈において、「医療機器」という用語は、薬品または液体を患者にまたは患者から運ぶためのカセット、容器、瓶、シリンジ、または管(例えば、経腸ポンプ、非経口輸液ポンプ、患者管理鎮痛法(PCA)または疼痛管理投薬ポンプ、または吸引ポンプ)、患者のバイタルサインまたはその他のパラメータを監視するためのモニタ、あるいは診断、試験、またはサンプリング装置上で動作する装置を非限定的に含む。
【0030】
図5Aを参照して、例示的説明のみの目的のため、医療機器14を輸液ポンプとして開示する。より具体的には、医療機器14は、単一経路輸液ポンプ、複数経路輸液ポンプ(図示)、またはそれらの何らかの組合せであってもよい。
【0031】
図4を参照すると、ポンプ式医療機器14は、医療機器14を電子ネットワーク114に接続するためのネットワークインターフェース112を含む。電子ネットワーク114への無線接続が望ましい場所では、ネットワークインターフェース112は、電子ネットワーク114への無線接続のためにアンテナを操作する。アンテナは、機器14の外部に突出していてもよく、または機器のハウジング内に収容されていてもよい。
【0032】
処理装置118は、医療機器14に含まれ、後に詳述される様々な動作を実行する。入出力装置120は、ユーザが医療機器14からの出力を受け取ることおよび/または医療機器14に情報を入力することを可能にする。入出力装置120が、タッチパネル122等の単一の装置として、または個別の表示装置および個別の入力装置として(図示せず)提供されてもよいことを当業者は理解する。好適な実施形態において、医療ポンプ14の表示画面122は、多線式タッチパネルを備えた薄膜トランジスタアクティブマトリクスカラー液晶ディスプレイである。一般的に液体不浸透性の膜が表示画面122に重ねられるので、ユーザは、入力するために、濡れた手袋でも乾いた手袋でも、または手袋をはめていなくても、その下の画面上のキーやボタンの画像を押すことができる。
【0033】
メモリ124は、処理装置118と通信し、処理装置118が医療機器14の機能を実行するために必要なコードおよびデータを保存する。より具体的には、メモリ124は、後に詳述される複数の下位部分を備えるグラフィカルユーザインターフェースプログラム126を含む医療機器14の様々な機能のために、本発明に基づいて形成される複数のプログラムを保存する。
【0034】
図5Aを参照して、本発明は、機械読み取り可能入力装置130を提供する。機械読み取り可能入力装置130は、機械読み取り可能な情報を医療機器14に入力するために、医療機器14と通信する。機械読み取り可能入力装置130は、無線または有線接続によって、医療機器14と直接的または間接的に通信することができる。機械読み取り可能入力装置130は、医療機器14から分離しているが関連のある、または通信している装置であってもよい。機械読み取り可能入力装置130は、バーコードスキャナまたは携帯情報端末(PDA)などの、機械読み取り可能な印を読み取るのに適したものを含む、いかなる種類のデータ入力手段であってもよい。あるいは、機械読み取り可能入力装置130は、無線自動識別タグ(RFID)、タッチメモリ、デジタル写真、生体情報など、機械読み取り可能な情報の他の知られている形態を読み取ることができるようになっていてもよい。
【0035】
図5Aを参照すると、医療機器14は、第一経路機械読み取り可能ラベル134を備える第一経路132、および第二経路機械読み取り可能ラベル138を備える第二経路136を有する、複数経路輸液ポンプである。医療機器14のユーザは、関連する機械読み取り可能ラベル134または138をスキャンすることによって、1つ以上の経路132および136から経路を選択するために、機械読み取り可能入力装置130を操作する。
【0036】
ユーザは、画面122上に電子的に生成および表示され、好ましくはそれぞれの経路132または136の付近に並置された、工場または病院でプログラムされた、固有の、機械読み取り可能ラベル134または138をスキャンするために、機械読み取り可能入力装置130を使用して、所望の経路132または136を選択する。あるいは、機械読み取り可能ラベル134および138は、好ましくは経路132および136または経路132および136の付近にそれぞれ並置されて、医療機器14に物理的に固定されている。機械読み取り可能ラベル134および138は、ポンプ14によって作成され、および/またはメモリ124に保存されることが可能なので、ポンプ14は、機械読み取り可能ラベル134および138を経路132および136に関連づけることができる。ポンプ14はその後、ユーザが選択された経路132または136をプログラムおよび作動することを可能にする。ユーザは、タッチパネル上の適切なフォルダタブに触れることによって、所望の経路を手動で選択してもよい。フォルダタブにはラベルが付けられ、および/または対応する経路132または136に近接するように、画面上に物理的に配置されている。
【0037】
無線実施形態のさらなる態様では、全ての医療機器は、固有の無線機器/経路IPアドレスおよび/または画面122に表示されることも可能な自己生成固有機械読み取り可能ラベル(例えばバーコード)134または138、定期的に送信することができる。あるいは、機械読み取り可能ラベル134および138は、医療機器14に物理的に貼付または掲示されている。各医療機器は、このように送信または掲示された機器/経路IPアドレスおよび/またはバーコードを特定の患者と相互に関連づけ、この患者もまた固有の機械読み取り可能ラベル(図示せず)または患者IPアドレスによって識別される。ユーザは、固有機械読み取り可能ラベル134、138および患者の機械読み取り可能ラベルをスキャンするために機械読み取り可能入力装置130を使用して、所望のポンプまたは経路132、136を患者と関連づける。これに起因して、適切なポンプ処理装置118が、適切なポンプ経路132、136を患者と関連づける。次いで、ポンプまたは経路は、互いに無線で関連づけ合い、通信し合い、連携し合うことができる。
【0038】
図4、
図5A、
図5Bおよび
図17Aから
図17Cを参照すると、グラフィカルユーザインターフェースプログラム126は、医療機器14用の画面122を再割り当てする。具体的には、
図5Aおよび
図17Bは、第一経路132に関連づけられた第一経路画面部140、および第二経路136に関連づけられた第二経路画面部142を有する、分割タッチパネル122を備える複数経路輸液ポンプ14を示す。各経路画面部140および142は、治療薬名、濃度、投与流量、VTBI、および警報情報を非限定的に含む、それぞれの経路132または136に関する送達情報のサブセットを例えば、およそ15から20フィート(4.6から6.2メートル)の距離からユーザが容易に読み取ることができるフォントサイズで表示する。これは、いわゆる「遠距離視(far view)」送達画面である。遠距離視送達画面は、
図17Aおよび
図17Cに示される、関連する「近距離視(near view)」送達画面上に見られる情報のサブセットを表示する。近距離視送達画面は、薬剤名、濃度、投与流量、残り時間、VTBI、残量、および警報状態にある場合には最も優先度の高い警報名などの情報を表示する。
【0039】
実際には、送達画面は、
図5Bに示されるように、ユーザが機器をプログラミングしているときには、近距離視で表示する。近距離視送達画面は、製造者によって事前に決定された、薬剤ライブラリを通じてその施設によって構成可能な、および/またはポンプを担当する介護者によって設定される、例えば20秒後などの所定時間の後に遠距離視送達画面に切り替わる。しばしばユーザが遠視画面を見るのに所定時間を待ちたくないときもある。
図17Aから
図17Cは、本発明による、ユーザが近距離視画面から遠距離視画面へ、および逆に、いつでも切り替えることができる医療機器の一実施形態を示す。
図17Aは、経路A1705の近距離視画面を示す。近距離視画面にあるときにユーザが遠距離視画面を見たい場合、ユーザは近距離視画面の本体1710の中のどこかに触れる。近距離視画面の本体1710に触れることで、
図17Bに示される遠距離視画面1720を表示する。
図17Bを参照すると、ユーザがタブ「A」または「B」または遠距離視送達画面の経路画面部1725または1730のどこかに触れると、「近距離視」送達画面が画面に表示される(
図17C)。一実施形態において、遠距離視画面または近距離視画面に戻るために、ユーザは現在の表示画面の本体の中の「ホットスポット」または特殊なトグルボタンに触れる。
【0040】
図18を参照して、近距離視画面と遠距離視画面との間で表示画面をただちに移行させるプログラム1800のフローチャートが示される。プログラム1800はブロック1801で開始し、ブロック1802に進み、そこでプログラムは近距離視送達画面が表示されているかを判断する。本発明の一態様において、近距離視タイムアウトが経過すると、プログラム1800はブロック1804でブロック1803に進む。本発明の別の態様では、ユーザがブロック1805で近距離視ホットスポットに触れると、プログラム800はブロック1802からブロック1803へ進む。ユーザがブロック1806で遠距離視画面に触れたときは、プログラム1800は近距離視画面、すなわちブロック1802へ、遠距離視画面、すなわちブロック1803から戻ってもよい。
【0041】
図5Aに戻ると、選択されたかまたは選択されたタブに対応する経路画面部140または142は、面積が広くなるが、その中の文字列の少なくともいくつかのサイズは、
図17Aに示すように、縮小する。経路画面部140および142のうちの1つが縮小してもう一方が拡大すると、
図5Bに示すように、画面122上に配置される1つ以上のデータ表示またはデータ入力欄のための追加スペースを提供する。以下に述べるように、データ表示またはデータ入力欄は、画面122上の以前は経路画面部140または142の一部によって占有されていたスペースに配置される。データ入力欄が大きく、好ましくは少なくとも元々の経路画面部140および142が送達画面モードだったときと同じまたはより好ましくはそれ以上に面積が大きくなることができるので、画面122上のスペースの再割り当てによって、ユーザはより簡単に入力することができるようになる。また、画面122上のスペースの再割り当ては、調整中または監視中の経路に関する情報を表示するためのより広いスペースを提供する。画面122の再割り当てならびに近距離視および遠距離視送達画面に関するさらなる詳細は、2005年4月11日出願の「USER INTERFACE IMPROVEMENTS FOR MEDICAL DEVICES」と題される、共有の同時係属出願番号USSN11/103,235号に記載されており、その全ては明示的に本明細書に組み込まれる。
【0042】
図5Aを参照すると、ポンプ14は、専用または固定触覚注入器ボタン、およびLCDタッチパネル122上のボタン画像を含む。固定触覚ボタン133、135、137、および139は、以下の機能を提供する:実装/取り出しボタン133−カセットキャリッジを開閉する、オン/オフボタン135−電源をオンおよびオフする、警報無音ボタン137−音消し可能な警報を例えば2分間などの所定時間の間、無音にする、緊急停止ボタン139−全ての経路を停止する。
【0043】
LCDカラータッチパネル122は、ユーザが、例えば三次元ボタン画像などの画面上ボタン画像、およびデータ入力欄へアクセスおよび使用を可能にする。タッチパネル122はLCDディスプレイ上の膜を使用しているので、1回のキー操作で輸液ポールを著しく移動させることも、2回のキータッチと間違えられることもない。タッチパネルは、ユーザが濡れた手袋または乾いた手袋をはめていても、あるいは手袋をはめていなくても、キー操作に対応する。
【0044】
LCDタッチパネルボタン画像143、145、147、および149Aから149Eは、
図5Aおよび
図5Bに示すように配置され、以下の機能を実行する:患者情報タブ143−臨床看護領域、事前に選択された患者情報(名前、ID番号などを非限定的に含む)を表示し、より詳細な患者情報画面(
図9C)へのアクセスを提供する、経路レベル治療ボタン145−注入器タッチパネル上のボタン画像によってアクセスされ、輸液療法を選択するために使用される、プログラムレベルボタン147−プログラム画面上の領域、ドロップダウンリストの三角印、ボックス、またはテキストボックスを押すことによってアクセスされ、輸液の投与量パラメータを選択するために使用される、タッチパネル下部の機器レベルボタン149Aから149Eは、モード149A(例えば、操作または生物医学的)、ログ149B、ロック149C、設定149D、および計算表示149Eを非限定的に含む、機器レベルの機能を表示および制御するために使用される。画面122の下部に表示されている無線標識画像102は、機器14が接続されて通信準備が整っていることを示す。
【0045】
経路レベル治療ボタン145およびプログラムレベルボタン147を使用することによって、医療関係者は、以下のモードのために、マイクログラム/kg/時、グラム/m
2/hr、およびその他の送達仕様など、様々な重さ−および体表面積−に基づく単位での特定の輸液治療でポンプのそれぞれの経路をプログラムすることができる:基本治療−注入すべき量(VTBI)、薬物量、注入時間、および薬物濃度に基づく投与流量プログラミング、ならびにVTBIおよび時間に基づく体積流量(mL/hr)のプログラミングを可能にする単純流量プログラミングを可能にする、投与量計算を含む、ボーラス送達−ユーザが投与量および時間に基づく単回の連続個別送達をプログラムできるようにする(ボーラスは一次または二次容器から送達することができる)、ピギーバック送達−ユーザが、一次輸液と同じカセットを通じて送達される二次輸液の送達をプログラムできるようにする(一次輸液は、ピギーバックVTBIが完了するまで一時停止される)、および上級プログラミング。上級プログラミングモードは、以下を含む様々なタイプのプログラムを提供する:マルチステップ−流量および体積または体積および時間に基づいて各ステップでプログラム可能な液体体積および送達流量で、最大10段階までの連続液体送達を可能にする、可変時間−特定の時刻の最大24回の投与計算段階を可能にする、中間−定期的に送達されるために計算された投与または段階、および漸減(taper)−徐々に上昇および/または下降して台形状の流量となる送達。
【0046】
図4および
図5Aを参照すると、グラフィカルユーザインターフェース126は、画面122に表示される経路標識を提供する。経路標識は、経路表示アイコン154、155などの図形描画を使用して、画面上プログラミング、送達、および警報情報を特定の送達経路に関連づける。経路表示アイコン154または155は、画面上プログラミング、送達、および警報情報を指定された関連送達経路に明らかに関連づける図形アイテムである。経路表示アイコン154または155は、医療機器の指定された送達経路に関連づけられたタブ158上に位置する。経路表示アイコン154または155は、ユーザ読み取り可能な文字または数字、機械読み取り可能な標識134、またはそれらの組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。グラフィカルユーザインターフェースプログラム126は、画面122上に表示される滴下標識アイコン160および注入状態アイコン156も提供する。
【0047】
図4、
図5A、
図5Bおよび
図19Aから
図20を参照すると、本発明の一実施形態において、グラフィカルユーザインターフェース126は、遠距離視画面122、1922上に表示されたクイック滴定ボタン1910、1912を提供する。
図19Aは、VTBI1910および流量1912のクイック滴定ボタンを示す。別のまたは同じ実施形態において、グラフィカルユーザインターフェース1922は、「投与量」またはその他の滴定パラメータのクイック滴定ボタンも有してもよい。クイック滴定ボタン1910、1912は、ボタンが選択されたときに、押下されるとユーザをデータ入力のための標準データ入力欄に案内し、爆発(explode)またはアクティブボタンとして動作する。このようにすると、ボタンを1つ押すだけで、ユーザは通常のようにいくつかの画面を通過して戻る必要がなく、所望のデータ入力位置へ直ちに案内されることができる。クイック滴定ボタンは、従って、本発明による医療機器をプログラミングするユーザの効率を向上させる。
図19Aから
図19Gは、VTBIクイック滴定ボタン1910の使用を示す。実際には、
図19Bのデータ入力欄1930を呼び出すために、ユーザはクイック滴定ボタン1910(
図19A)を押す。この実施形態において、データ入力欄とは、VTBI用の値を入力するためのテンキーである。一旦所望の値1935が入力されると、ユーザは、キャンセルボタン1940を押すことによって入力をキャンセルしたり、クリアボタン1945を押すことによって入力を削除したり、実行ボタン1950を押すことによって変更を保存したり続行したりするために、キーパッドを使用するように促される(
図19C)。
図19Dは、VTBI入力を受け付けて変更するためにユーザが実行ボタン1950を押した様子を示す。
図19Dに示されるグラフィカルユーザインターフェースで、ユーザは、続行するために「次のA」1955、滴定をキャンセルするために「滴定キャンセル」1960、またはプログラムを編集するためにオプション1965を押す選択肢がある。
図19Eは、続行するためにユーザが「次のA」1955を押した様子を示す。
図19Eは、構成画面1970を示す。この画面で、ユーザはVTBI変更を確定して輸液を開始するために、「滴定開始A」1975を押すように指示されている。
図19Fに示される画面1980では、ユーザは「基本中止A」を押すことによって、滴定を中止することができる。
図19Fに示される近距離視画面1980は、
図19Gに示される遠距離視画面1990に戻る。
【0048】
図20は、上述のように「投与量」「流量」および「VTBI」用のクイック滴定ボタンを操作するためのプログラム2000のフローチャートである。プログラム2000はブロック2001で開始し、ポンプが輸液を送達していて遠距離視画面(
図19A参照)を表示していることを示すブロック2005に進む。ユーザがクイック滴定ボタン1910、1912のうちの1つを押したとき、プログラム2000はブロック2010に進む。クイック滴定ボタンの押下に反応して、ブロック2015でプログラム2000は現在送達している治療(例えば、経路AまたはB)のためのプログラミング画面に表示を変更する。近距離視画面への移行後、プログラム2000はブロック2020および2025で、どのボタンが押されたかを判断する。投与量ボタンが押されたとプログラムが判断した場合は、プログラムはブロック2030で投与量テンキーを表示する。流量ボタン1912が押されたとプログラムが判断した場合は、プログラムは流量テンキーを表示する。投与量ボタンも流量ボタンも押されなかったとプログラムが判断した場合は、プログラムはVTBIテンキーを表示する。プログラム2000が本明細書に記載される以外のどんな順番でもどのボタンが押されたかを判断することができることを当業者は認識する。一旦選択されたボタンのキーパッドが表示されると、ユーザは所望のデータを入力し、上述および
図19Aから
図19G記載のように、変更されたパラメータでの輸液を確定して実行するためにプログラムを続行する。
【0049】
図14から
図16を参照すると、本発明の別の態様において、与薬管理システム内に位置して医療機器にダウンロードされる薬剤ライブラリは、遠距離視画面上の初期設定として、VTBIまたは輸液量のいずれかを表示するように構成されることが可能である。別のまたは同じ実施形態において、以下により詳細に述べられるように、ユーザは医療機器の初期設定を変更することができる。
【0050】
図14を参照して、選択されたCCA用の薬剤ライブラリの複数の設定を変更するためのグラフィカルユーザインターフェース1400の画面例が示される。この例において、CCAは集中治療室(ICU)であるが、他のCCA用の機器設定も同様に構成されてもよいことは理解されるべきである。薬剤ライブラリは薬剤および機器に関する情報を含み、この情報は、薬剤名、薬剤分類、薬剤濃度、薬剤量、薬剤単位、希釈剤量、希釈剤単位、投与単位、送達投与量または流量、与薬パラメータまたは制限、機器/注入器設定および/またはモード、CCA規制および制限、およびライブラリバージョンを含んでもよいが、これらに限定されない。薬剤ライブラリ維持プログラム42を通じて、薬剤ライブラリは、カスタマイズされたディスプレイを含む医療機器14を提供するように構成されていてもよい。一実施形態において、ディスプレイは、医療機器14が配置されている、割り当てられている、および/または割り当てられる予定の、臨床看護領域(CCA)に基づいてカスタマイズされる。
【0051】
一旦選択されたCCA用の薬剤ライブラリグラフィカルユーザインターフェース1400が表示されると、管理者は「初期設定遠距離視設定」1405をVTBI1410または輸液量1415のいずれかに設定する。
図14は、初期設定遠距離視設定1405としてVTBI1410が選択された様子を示す。
【0052】
図15Aから
図15Cを参照すると、初期設定遠距離視設定1405を有する医療機器のユーザは、初期設定を変更することができる。初期設定遠距離視設定1405を変更するには、設定画面1522にアクセスするために、ユーザは設定ボタン1525を押す。次に、ユーザは
図15Bに示される設定遠距離送達画面インターフェース1535にアクセスするために、遠距離送達画面ボタン1530を押す。この図解において、初期設定はVTBI1545を表示するように設定されている。「輸液量」を表示するように初期設定を変更するためには、ユーザは矢印1540を有効にすることによって、プルダウンメニュー1550(
図15C)にアクセスする。輸液量ボタン1555を押すことで、初期設定をVTBIではなく輸液量を表示するように変更する。初期設定を変更しないためには、ユーザは保存ボタン(
図15C)またはキャンセルボタン1560(
図15C)を押すことができる。
【0053】
図16を参照して、上述のように、VTBIが表示されるべきかまたは輸液量が表示されるべきかを医療機器で判断するためのプログラム1600のフローチャートが示される。プログラム1600はブロック1601で開始し、表示が近距離視から遠距離視へ切り替わろうとするブロック1605に進む。切替に先立ってプログラム1600は、ユーザによって選択されたCCA用の薬剤ライブラリからの初期設定遠距離視設定1405、またはその機器でユーザによって確立された最新の設定に基づいて、表示パラメータを決定する。現在の表示パラメータ設定に基づいて、プログラム1600はブロック1610で、VTBIを表示すべきか否かを判断する。「はい」の場合、プログラム1600は1615に進み、遠距離視画面にVTBIを表示する。「いいえ」の場合、プログラム1600はブロック1620に移動して、遠距離視画面に送達量を表示する。プログラム1600は1625で終了する。別の実施形態では、近距離視画面表示パラメータ設定は、同様に構成および/または調整されることが可能である。
【0054】
図5A、
図6Aおよび
図6Bを参照して、与薬管理システム内で、マスタ注入器設定610の一部として、関連する医療機器14の全てを構成するために使用される、MMU12内の入力装置38のグラフィカルユーザインターフェース600が示される。本発明に従って、グラフィカルユーザインターフェース600は、医療機器プログラミングパラメータを構成するために、許可された者によって使用される。ポンプ14などの輸液装置は、輸液を実行するための投与セットを必要とする。一実施形態において、投与セットはカセットである。以下の説明はカセットに関連しているが、しかしながら、本発明によれば、関連技術において知られている他の種類の投与セットが使用されてもよい。従来技術の機器は、輸液のためにポンプをプログラミングする前に、カセットが所定位置に配置される必要があった。しかしながら、病院環境では、例えばOR、ER、またはICUなど、万が一必要な場合に備えて臨床介護者が輸液の準備をしたという理由だけで、この要件が役に立たず高価な備品が使用されずに無駄になる状況もある。別の状況では、必要な場合にのみポンプをプログラムするのにかかる時間が、特にORまたは緊急救命室では、患者に害を及ぼす可能性がある。反対に、カセットなしで医療機器のプログラミングを不可能にすることは、たとえば設定中にラインが混乱する危険性を抑えることにより、患者の安全性を強化する可能性がある。
【0055】
従って、本発明の一態様において、薬剤ライブラリは、マスタ注入器設定610を通じて、病院の方針および手順に基づいて、病院管理者によって構成されることが可能である。
図6Aおよび
図6Bは、カセットが所定位置にあってもなくても輸液ポンプのプログラミングを可能にする構成可能パラメータ620を示す。このようにして、グラフィカルユーザインターフェース600で、管理者は「はい」630を選択することによって(
図6B)カセット無しでプログラミングを可能にすること、または「いいえ」640を選択することによって(
図6A)カセット無しでプログラミングを不可能にすることを選択してもよい。
図7Aは、必要なカセットがないままユーザが医療機器をプログラムしようとしたときに画面700に表示される警告メッセージ720を示す。一旦カセットが実装されると、プログラミングは続行することができる。
図7Bは、必要性の有無に関係なく、カセットが所定位置にある状態でプログラミングが開始された場合、またはマスタ注入器設定610の構成によって許可されて、カセット無しでプログラミングが開始された場合に、プログラミング画面がどのように見えるかを示す。
【0056】
図8を参照して、カセットが所定位置にあってもなくても医療機器のメモリ内の薬剤ライブラリが医療機器をプログラムできるようにするか否かを医療機器で判断するプログラム800のフローチャートが示される。プログラム800は801で開始し、805に進み、そこで何らかのユーザ相互作用(例えば、電源オン)の直後に、プログラム800はブロック810へ進み、そこでプログラム800は、ユーザが治療のプログラムを開始しようとしていることの指示を受け取る。指示を受け取ると、プログラム800はブロック815で、プログラミングにカセットが必要か否かを判断する。「いいえ」の場合、プログラムはブロック820でユーザに続行させ、ブロック835でプログラムが終了する。しかしながら、ブロック815でカセットが必要であると判断された場合、プログラム800はブロック825で、カセットが所定位置にあるか否かを判断する。「はい」の場合、プログラム800はブロック820に進んでユーザに続行させ、835でプログラムが終了する。ブロック825でカセットが存在しないとプログラム800が判断した場合、カセットが必要であることをユーザに示す警告メッセージ720が表示される。ユーザは、必要に応じてカセットを配置して続行するか、または実行しようとしていたプログラミングを中断してもよい。
【0057】
本発明の別の態様では、ユーザは現在の輸液を中断することなくCCAを変更することができる。
図9Aから
図11は、ユーザが「オンザフライ」でCCAを変更できるようにする、様々な実施形態を示す。このようにCCAを変更する能力は、ユーザおよびワークフローの効率を向上させる。特に、輸液の実行中にCCAを変更する能力は、緊急救命室(ER)からORへ、またはORからICUへなど、あるCCAから別のCCAへ患者が搬送される場合に極めて重要である。CCAを変更するこの能力はまた、輸液の終了までの待機時間が患者にとって有害となる可能性がある場合に、患者の安全性を強化する。
図9Aから
図9Gは、複数経路ポンプの別の経路で輸液が続行しているときにCAAを変更できるように構成された医療機器の一連の画面例を示す。
【0058】
図9Aは、ICUのCCA915において経路A910で治療を送達している様子を示す。この例において、ユーザはCCAを変更して経路B920をプログラムしようとしている。ユーザはタブB925を押すことによって経路Bを選択し、それによって
図9Bに示される経路Bプログラミング表示画面930が表示される。
図9Bから
図9Cに移ると、患者情報ボタン940が押されている。患者情報ボタンを押すと、患者データの入力およびCCA960の変更のための患者情報データ欄950が表示される。ユーザがCCAボタンを押すと、「CCA変更」メッセージ965が表示され、CCAが変更されることをユーザが確定するように要求する(
図9D)。この例において、ユーザはCCAをICUから一般病室に変更しようとしている。確定するために、ユーザは「はい」ボタン970を押す。確定に反応して、「複数のCCA」システムメッセージ975が表示される。確定するために、ユーザは「OK」ボタン980を押す。一旦OKボタン980が押されると、985でCCAが変更され、輸液画面995(
図9G)で輸液のプログラミングを続行するために「完了」ボタン990が表示される。
【0059】
図10を参照して、複数経路医療機器14でCCAを変更するためのプログラム1000が示される。プログラム1000は1001で開始し、ユーザがCCAを変更したと判断されるブロック1005に進む。プログラム1000はその後ブロック1010で、新しいCCAが経路Aの古いCCAと同じか否かを判断する。「はい」の場合、プログラムはブロック1020に進み、経路Aの古いCCAを維持する。「いいえ」の場合、プログラム1000はブロック1015に進み、経路Aが休止中か否かを判断する。「はい」の場合、プログラムはブロック1025で経路Aの新しいCCAを受け付ける。「いいえ」の場合、1)経路Aで待機(ブロック1060)している間にユーザがCCAを変更し、それによってプログラム1000が1005に進むまで、または2)経路Aが休止し(ブロック1065)、それによってプログラム1000がブロック1025に進んで経路Aで新しいCCAを受け付けるまで、経路Aはブロック1030で待機するように設定される。
【0060】
また、ユーザがCCAを変更したとき(ブロック1005)、経路Bが評価される。プログラム1000はブロック1005からブロック1035に進み、新しいCCAが経路Bの古いCCAと同じか否かを判断する。「はい」の場合、プログラムはブロック1045に進み、経路Bの古いCCAを維持する。「いいえ」の場合、プログラム1000はブロック1040に進み、経路Bが休止中か否かを判断する。「はい」の場合、プログラム1000はブロック1050で経路Bの新しいCCAを受け付ける。「いいえ」の場合、1)経路Bで待機(ブロック1070)している間にユーザがCCAを変更し、それによってプログラム1000が1005に進むまで、または2)経路Bが休止し(ブロック1075)、それによってプログラム1000がブロック1050に進んで経路Bで新しいCCAを受け付けるまで、経路Bはブロック1055で待機するように設定される。
【0061】
図11を参照して、単一経路医療機器でCCAを変更するためのプログラム1100が示される。プログラム1100は1101で開始し、ユーザがCCAを変更したと判断されるブロック1105に進む。プログラム1100はその後ブロック1110で、新しいCCAが古いCCAと同じか否かを判断する。「はい」の場合、プログラムはブロック1120に進み、古いCCAを維持する。「いいえ」の場合、プログラム1100はブロック1115に進み、経路が休止中か否かを判断する。「はい」の場合、プログラム1100はブロック1125で新しいCCAを受け付ける。「いいえ」の場合、1)待機中に(ブロック1160)ユーザがCCAを変更し、それによってプログラム1100が1105に進むまで、または2)経路が休止し(ブロック1170)、それによってプログラム1100がブロック1125に進んで新しいCCAを受け付けるまで、経路はブロック1130で待機するように設定される。
【0062】
図12Aから
図13を参照して、輸液が完了に近づいているとき、またはKVO(血管開放維持)モードで送達しているときに、医療機器14ユーザが追加輸液を指定するためにVTBIパラメータを変更することができるようにする、本発明の別の態様が示される。追加輸液を可能にするプログラムを含んで構成された医療機器は、より効率的なユーザと同様により効率的なワークフローを提供する。本発明の一実施形態において、追加VTBIを可能にするプログラムは、ユーザに追加VTBIを指定させている間、他の全ての送達パラメータを維持する。このように、追加VTBIのみが必要なときに、ユーザが通常の送達パラメータを再入力する必要はない。これにより、プログラミングの労力を減らし、時間を省略し、間違いの可能性を減らす。
【0063】
図12Aから
図12Fは、一連の画面例を使用して、VTBI送達パラメータを変更するプログラムの一実施形態を示す。
図12Aで、画面表示1200で示されるように、基本輸液が経路Aで送達されている。輸液のこの時点で、
図12Aは、残りのVTBIが45.3mLであることを示している。
図12Bは、ユーザが「基本」ボタン1210を押した様子を示している。基本ボタン1210の押下に基づいて、データ入力欄1220が表示される。データ入力欄1220で、編集のためにユーザは特定の欄を押すことができる。
図12Cは、VTBIを編集するためにユーザがVTBIボタン1230を押した様子を示す。VTBIボタン1230の押下に反応して、キーパッド1240が表示画面に現れる。ここで、ユーザは所望のVTBIの合計値を入力する。この例では、ユーザはキーパッド1240を通じて、VTBI1245のデータ欄に75を入力する。次いでユーザは「実行」1250を押し、変更を保存して続行する。あるいは、ユーザは「クリア」1255を押して入力内容を削除するか、またはキャンセル1260を押して変更を保存せずに終了することができる。
図12Dは、VTBIが75mLに変更されて実行された様子を示す。
図12Dはまた、領域1265に表示されている新しいVTBIに基づいて、残り時間が再計算されて領域1270に表示されている様子も示す。
図12Eで、新しいVTBIを確定するために、滴定画面1275の確認が表示されている。ユーザは「滴定開始」ボタン1280を押すことによって、VTBIへの変更を確定する。
図12Fは、新しいVTBIで輸液が更新され、継続して実行されている様子を示す。一実施形態において、現在注入している輸液容器の中に残っている輸液をVTBIに追加するために、
図12Aから
図12Fに示される方法が利用される。別の実施形態では、他の全ての送達パラメータが現在行われている輸液と同じままである限り、ユーザは新しい容器の輸液を追加してもよい。
【0064】
図13は、現在の輸液に追加VTBIを追加するための方法1300の一実施形態を示すフロー図である。方法1300はブロック1301で開始し、ポンプがプログラムされた治療を送達していると判断されるブロック1305に進む。方法1300は続行し、ブロック1310で、プログラムされたVTBIがゼロになってKVO送達が開始する。ブロック1315で、ユーザはVTBIプログラミング画面1220にアクセスし、VTBI値1245を入力する。ユーザはブロック1320で新しい値を確定し、新しい送達を開始する。方法1300は1325で終了する。本明細書の開示から、このようなVTBIの追加がボーラスまたはピギーバックの状況での使用にも適用可能であることを当業者は理解する。
【0065】
図21Aから
図22を参照して、本発明の一実施形態は、医療機器の改良された呼び戻し規則を提供する。医療機器は通常、緊急度に基づいて3つの呼び戻し警報等級を有する:高緊急度(例えば管に空気が入った)、中緊急度(例えば休止呼び戻し)、および低緊急度(例えば電池切れ)である。本発明の一実施形態では、警報は薬剤ライブラリにおいて構成される。一実施形態において、警報は、医療機器が設置されているCCAに基づいて薬剤ライブラリで構成される。別の実施形態では、アラーム構成が与薬管理システム内の全ての医療機器に適合するように、警報は薬剤ライブラリマスタ輸液設定で構成される。他の実施形態では、警報は、臨床医によって医療機器で構成可能である。例えば、一実施形態において、警報の初期設定は、薬剤ライブラリで構成されて医療機器に送信され、そこで、病院の管理者によって設定された警報構成規則に応じて、特定のCCAまたは個人的な好みなどの要因に基づいて、臨床医が警報を変更してもよい。
【0066】
本発明の一実施形態において、警報を聞くとすぐに臨床医が呼び出し警報の緊急度を判断できるように、特定の警報タイプまたは構成が、各緊急度等級に割り当てられている。本発明の一実施形態において、警報の各等級には、異なるメロディ、異なる発信音もしくは一連の発信音、および/または異なる音量が割り当てられている。別の実施形態では、警報の頻度が、警報の等級に基づいて構成されている。別の実施形態では、音量、メロディ、発信音、および/または頻度が、臨床医による無反応に基づいて段階的に増大してもよい。
【0067】
本発明の一実施形態において、医療機器で聴覚警報が発生したとき、音量は、薬剤ライブラリでまたは臨床医によって構成された音量設定から開始する。しかしながら、警報が認識されない場合、所定のタイムアウト期間経過後に、自動的に所定の音量まで段階的に増大する。一実施形態において、タイムアウト期間は、薬剤ライブラリにて構成可能である。別の実施形態では、タイムアウト期間は、薬剤ライブラリでそれぞれ特定のCCAに対して構成可能である。さらに別の実施形態では、タイムアウト期間は、医療機器において構成可能である。別の実施形態において、タイムアウト期間の初期設定値は薬剤ライブラリで設定され、医療機器で初期設定値を超えない値に変更されてもよい。例えば、初期設定タイムアウト期間が20秒の場合、ユーザはタイムアウト期間を例えば10秒など、20秒未満に設定してもよい。本発明の一実施形態において、高緊急度等級の警報でのみ、音量が段階的に増大する。別の実施形態では、高緊急度および中緊急度の両等級の警報で、音量が段階的に増大する。
【0068】
本発明の別の実施形態において、警報発信音は、その警報に対して対処されない場合に、所定のタイムアウト期間経過後に、段階的に増大する。本実施形態において、薬剤ライブラリでの発信音の初期設定は、ユーザによって医療機器で構成可能であってもよい。一実施形態において、臨床医による無反応のために警報が段階的に増大するとき、発信音の高さが高くなる。
【0069】
本発明の別の実施形態において、警報は、所定の発信音メロディを含む。一実施形態において、警報の緊急度または優先度の各等級に対して異なる発信音メロディが選択される。一実施形態において、高緊急度聴覚警報は、警報が臨床医によって対応されるまで連続的に繰り返される6つまたは7つの発信音の連続である。一実施形態において、各連続音の繰り返しの間に、連続音(メロディ)の短い休止が発生する。一実施形態において、高緊急度警報用のメロディはまた、臨床医による無反応の継続に伴って段階的に増大する。一実施形態において、メロディの音量は、所定時間の後に段階的に増大する。一実施形態において、音量の増大は薬剤ライブラリで構成される。別の実施形態では、音量の増大は薬剤ライブラリで初期値として設定され、臨床医によって医療機器でさらに構成可能である。
【0070】
別のまたは同じ実施形態において、中緊急度聴覚警報は、3つの発信音の連続である。一実施形態において、連続音(メロディ)は、臨床医が警報に対して反応しなかった場合に、所定時間後に繰り返される。一実施形態では、所定時間は1から2分である。別の実施形態では、所定時間は1から60秒である。一実施形態において、所定時間は薬剤ライブラリで構成される。別の実施形態では、所定時間は薬剤ライブラリで初期値として設定され、臨床医によって医療機器でさらに構成可能である。
【0071】
別の実施形態では、低緊急度聴覚警報は、2つの発信音の連続である。一実施形態において、連続音は、臨床医によって対応されるまで、2分から10分毎に繰り返す。繰り返しの時間は、上記の中緊急度警報向けと同様に構成されてもよい。
【0072】
一実施形態において、高緊急度警報は、非常にテンポの速いメロディを有するように構成される。一方、より緊急度の低い警報は、よりテンポの遅いメロディを有する。一実施形態において、警報がユーザによって反応されないとき、メロディを含む警報は、段階的にテンポが速くなる。一実施形態において、警報は、ユーザによって医療機器で、ユーザの選択したメロディに構成可能である。一例では、メロディは各ユーザに対して割り当てられていてもよく、それによってユーザは自分が担当する各医療機器の警報をその1つのメロディに設定する。このようにして、複数のユーザがいる場所のいずれのユーザも、具体的な治療を受けている患者の医療機器に対して警報が鳴ることで、音によって識別することができる。
【0073】
図21Aは、治療が部分的にプログラムされていて、ユーザによって他の対応がなされていない、各経路AおよびBに対して、経路レベル呼び戻し警報2110、2115がなっている様子を表す医療機器の画面例を示す。
図21Bは、ポップアップ2125が表示されているときにキーが押されなかったために、機器レベル呼び戻し警報2120が表示された様子を示す。
【0074】
図22に関連して、本発明による、聴覚呼び戻し警報を段階的に増大させるプログラム2200のフローチャートである。プログラム2200は2201で開始し、警報が起動するブロック2205に進む。ブロック2210で、プログラム2200は、タイムアウト期間中に臨床医が警報を認識したか否かを判断する。「はい」の場合、プログラム2200は2235で終了する。「いいえ」の場合、プログラム2200は、現在の音量が最大レベルか否かに関する判断がなされるブロック2215に進む。「いいえ」の場合、プログラムは、プログラムが警報音量を上げるブロック2220に進む。ブロック2215で「はい」の場合、プログラム2200はブロック2225に進み、メロディが高緊急度になっているか否か、およびメロディの変更が構成されたか否かを判断する。「はい」の場合、プログラム2200は2235で終了する。ブロック2225で「いいえ」の場合、プログラム2200はブロック2230に進み、メロディを変更する。プログラム2200はその後、ブロック2235で終了する。
【0075】
医療機器で警報が鳴ったとき、それは機器全体に適用される可能性があり(例えばバッテリ残量が少ない)、または特定の経路のみに適用される可能性がある(例えば経路Aの休止呼び戻し)。警報が経路に特有である場合、ユーザは何が原因で呼び戻しが鳴っているのかを見るために、経路を進む必要がある。本発明の別の態様では、
図23Aから
図23Cを参照して以下に述べられるように、表示画面上の警報表示領域にユーザが触れると、機器プログラムが自動的にユーザを警報の正確な位置まで案内する。
【0076】
図23Aから
図23Cは、複数経路輸液ポンプの表示インターフェースの画面例である。この例では、輸液ポンプは経路Aおよび経路Bの療法に対して治療をプログラムしている。経路Aは、経路Bにプログラムされたボーラスが完了するのを待って、休止中である。
図23Aは、経路Bにプログラムされたボーラス注入の完了に基づいて、警報2310が経路Bに発生した様子を示す。薬剤ライブラリまたはユーザは、ボーラスが完了したときに輸液を中止するように、またはポンプに呼び戻しを発生させる要求をするように、事前にポンプを構成してある。ユーザが警報タブB2315を押すと、ユーザは経路Bの表示画面2320に直接案内される。経路Bの表示画面は、ボーラスが完了していることを示している。
【0077】
図23Aは、経路Aに警報2325が発生したことも示している。ユーザが警報タブA2330を押すと、ユーザは
図23Cに示される表示画面2335に直接案内される。表示画面2335は、ポンプがユーザからの入力を待っていることをユーザに示す。開始2340を押すことによって経路Aで予定されている輸液が開始され得る前に、ユーザは警報を解除して必要な入力を提供しなければならない。警報の原因にユーザが迅速に辿り着く能力は、ユーザおよびワークフローの効率を改善する。また、警報の原因に直接誘導する能力は、適切な表示画面に辿り着くまでにユーザが多くの段階を踏む必要がある場合に起こり得るミスを減らすか、またはなくす。
【0078】
図24を参照して、本発明による、警報の原因に直接誘導するためのプログラム2400の一実施形態のフローチャートが示される。プログラム2400はブロック2401で開始し、警報が起動されるブロック2405に進む。警報に呼応して、ブロック2410でユーザが警報タブを押すのに反応して、ユーザから確認を受信する。プログラム2400はブロック2415で警報が経路Aのものか否かを判断する。「はい」の場合、プログラムはブロック2420に進み、そこでプログラムは、現在の画面から離れて誘導可能な場合には、警報が発生しているところから、経路Aの画面に誘導する。ブロック2425で、ユーザは警報に関する適切な対応を取る。ブロック2415で、警報が経路Aのものではないとプログラムが判断した場合、プログラム2400はブロック2430に進み、そこで警報が経路Bを対象とするか否かが判断される。「はい」の場合、プログラムはブロック2435に進み、そこで現在の画面から離れて誘導可能な場合には、プログラムは警報が発生している経路B上の画面に誘導する。ブロック2430で、警報が経路Bを対象としていない場合、プログラム2400はブロック2440に進む。ブロック2440でプログラムは、誘導が必要ではないと判断し、ブロック2425に進み、そこでユーザは特定の対応を取るように指示される。プログラム2400は、2445で終了する。
【0079】
本発明の別の実施形態では、薬剤ライブラリは、輸液送達のプログラミング中にドーズバック計算を可能にするように構成されていてもよい。投与量ベースの治療(例えば重量またはBSAベースの治療)のための注入器のプログラミング中、ユーザは流量を入力する前に、投与量を最初に入力する必要がある。特定の臨床状況では、ユーザが先に流量を入力することが好ましく、投与量は流量から計算される。ユーザおよび病院管理にこの柔軟性を提供することで、より高い効率とより良いワークフローが可能になる。
【0080】
図25は、薬剤ライブラリを構成するためのグラフィカルユーザインターフェース2500を示す。初期設定の「ドーズバック計算」は、2510に設定することができる。医療機器でドーズバック計算を有効にするには、管理者は「有効」2520を選択する。医療機器でドーズバック計算を無効にするには、管理者は「無効」2530を選択する。
【0081】
図26Aは、薬剤ライブラリ内で決定されたドーズバック計算を許可する医療機器の画面例である。さらに後述されるように、ユーザは投与量、流量などをいかなる順番で入力してもよい。
図26Bは、薬剤ライブラリ内で決定されたドーズバック計算を許可しない医療機器の画面例である。ユーザはユーザインターフェースによって強制的に投与量を最初に入力させられる。
【0082】
図27を参照して、薬剤をプログラムして投与量を計算するための医療機器内にあるプログラム2700のフローチャートが示される。プログラム2700は2701で開始し、ユーザが投与量ベースの薬剤を選択したか否かをプログラムが判断するブロック2705に進む。否の場合、プログラム2700はブロック2710に進み、そこでプログラム2700は薬剤ライブラリでドーズバック計算が有効になっているか否かを判断する。「はい」の場合、プログラム2700はブロック2715に進み、そこでプログラム2700は投与量、流量、VTBI、時間、および/または重量/BSA欄を有効にする。プログラム2700はブロック2720に進み、そこでユーザが投与量または流量のいずれを入力したかを判断する。投与量の場合は、プログラム2700はブロック2725に進み、提供された投与量に基づいて流量を計算する。流量の場合は、プログラム2700はブロック2735に進み、提供された流量に基づいて投与量を計算する。
【0083】
ブロック2710でドーズバック計算が有効になっていない場合、プログラム2700はブロック2740に進み、そこで必要に応じて重量/BSAとともに、投与量欄を有効にする。プログラム2700はブロック2745に進み、そこで必要に応じて重量/BSAとともに、投与量が提供される。次に、入力された投与量に基づいて流量が計算される。プログラム2700はブロック2755に進み、そこで流量、VTBI、および時間の欄が有効にされる。プログラム2700は2730で終了する。
【0084】
図に示され、本明細書に説明された機能がコンピュータプログラムコードによって可能となり、本発明を損なうことなくそれらの機能がポンプ14、MMU12、または健康管理施設内のその他のコンピュータの処理装置の間で組み合わされ、配布され、または共有されてもよいことを当業者は本開示から理解する。CCAの選択およびその他の情報または入力の提供が、薬剤容器、患者識別子、看護師識別子、またはその他の類似項目からの入力をスキャンすること、または受動的に受け取ることによってなされ得ることも、当業者は本開示から認識する。
【0085】
本明細書に開示された本発明の実施形態は現時点で好適と考えられるが、本発明の範囲から逸脱しない限り、様々な変更および改造がなされてもよい。本発明の範囲は添付請求項に示され、同等物の意味および範囲の内にある全ての変更および改造は、その中に含まれると考えられる。