(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固定手段がボルトおよびナットによって構成され、前記ベース底部に前記ボルトが貫通するベース固定孔が形成され、前記インナー底部に前記ベース固定孔を貫通した前記ボルトが貫通するインナー固定孔が形成されていることを特徴とする請求項2記載の鋼製ブロック構造体。
前記本体フランジ部に位置決め用の突起または貫通孔が形成され、前記インナーフランジ部に前記突起が侵入する位置決め用の貫通孔または前記貫通孔に侵入する突起が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の鋼製ブロック構造体。
鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略五角形状であって、断面略円弧状の本体天部と、該本体天部の一方の側縁に連続し、断面直線状または外に向かって突出する断面略円弧状の本体凸側上部と、該本体凸側上部の下縁に連続した本体凸側下部と、該本体凸側下部の下縁に連続して内に向かって突出する本体凸側フランジ部と、
前記本体凸側天部の他方の側縁に連続し、内に嵌入する断面略円弧状の本体凹側上部と、該本体凹側上部の下縁に連続して内に向かって傾斜した本体凹側下部と、該本体凹側下部の下縁に連続して内に向かって突出する本体凹側フランジ部と、を具備する本体と、
前記本体凸側フランジ部の側縁から所定範囲および前記本体凹側フランジ部の側縁から所定範囲が、それぞれ侵入する、内に向かって嵌入したベース係止溝が形成されたベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体。
鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略三角形状であって、断面略円弧状の本体天部と、該本体天部の一方の側縁に連続し、断面直線状または外に向かって突出する断面略円弧状の本体凸側上部と、該本体凸側上部に連続した本体凸側下部と、該本体凸側下部の下縁に連続して内に向かって突出する本体凸側フランジ部と、前記本体天部の他方の側縁に連続し、内に向かって嵌入する断面略円弧状の本体凹側上部と、該本体凹側上部に連続し、外に向かって突出する断面略円弧状の本体凹側下部と、該本体凹側下部に連続し、前記本体天部から離れる方向に向かって折り曲げられた本体凹側フランジ部と、を具備する本体と、
前記本体凸側フランジ部の側縁から所定範囲が侵入する内に向かって嵌入したベース係止溝と、上端面が前記本体凹側下部に当接または対向し、内面が前記本体凹側フランジ部に当接または対向するベース係止壁と、両側縁にそれぞれ前記ベース係止溝および前記ベース係止壁が形成されたベース底部と、を具備するベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体。
鋼板によって断面略Ω字状に形成され、断面略円弧状を呈す本体天部と、該本体天部の両側縁に連続した断面逆略ハ字状を呈す本体側上部と、該本体側上部に本体くびれ部を介して連続し、断面略ハ字状を呈す本体側下部と、を具備する本体と、
前記本体くびれ部が侵入する、内に向かって嵌入するベースくびれ部と、該ベースくびれ部に連続したベース底部と、を具備するベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体。
鋼板によって断面略台形状に形成され、断面直線状または断面略円弧状を呈す本体天部と、該本体天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈す本体側上部と、該本体側上部の下縁に連続して内に向かって突出する本体フランジ部と、を具備する一対の本体と、
前記一対の本体の対向する端部において、それぞれの前記本体フランジ部の対向する端面から所定の範囲で前記本体フランジ部の内縁から所定の範囲を挾持するベースプレートおよびインナースリーブと、
前記ベースプレートと前記インナースリーブとを貫通し、歩行者道に設置されたアンカー金物に固定される固定手段と、
を有する鋼製ブロック構造体において、
歩行者道に前記アンカー金物を設置する工程と、
前記アンカー金物に前記ベースプレートを載置する工程と、
前記一対の本体のうちの一方の本体の内部で、前記一対の本体のうちの他方の本体に対向する端部に該端部から突出した状態で前記インナースリーブを配置する工程と、
該インナースリーブが配置されている本体の端部を、前記ベースプレートに載置する工程と、
前記一対の本体のうちの他方の本体を前記ベースプレートに載置して、該本体の本体フランジ部の内縁から所定の範囲が前記ベースプレートと前記インナースリーブとの間に挿入された状態にする工程と、
前記固定手段によって、前記ベースプレートおよび前記インナースリーブを前記アンカー金物に固定して、前記一対の本体のそれぞれの本体フランジ部の端面から所定の範囲で内縁から所定の範囲が前記ベースプレートと前記インナースリーブとによって挾持された状態にする工程と、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体の施工方法。
鋼板によって断面略台形状に形成され、断面直線状または断面略円弧状を呈す本体天部と、該本体天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈す本体側上部と、該本体側上部の下縁に連続して内に向かって突出する本体フランジ部と、を具備する本体と、
前記本体の長手方向の端部に設置され、断面直線状または断面略円弧状を呈すキャップ天部と、該キャップ天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈すキャップ側上部と、該キャップ側上部の下縁に連続して内に向かって突出するキャップフランジ部と、前記キャップ天部の一方の端縁および前記キャップ側上部の一方の端縁に接合されたキャップ端部とを具備する、前記本体の断面形状と同一の断面形状に形成されたエンドキャップと、
前記本体の端部において、前記本体フランジ部の前記キャップフランジ部に対向する端面から所定の範囲で前記本体フランジ部の内縁から所定の範囲および前記キャップフランジ部の前記本体フランジ部に対向する端面から所定の範囲で前記キャップフランジ部の内縁から所定の範囲を挾持するベースプレートおよびインナースリーブと、
前記ベースプレートと前記インナースリーブとを貫通し、歩行者道に設置されたアンカー金物に固定される固定手段と、
を有する鋼製ブロック構造体において、
歩行者道に前記アンカー金物を設置する工程と、
前記アンカー金物に前記ベースプレートを載置する工程と、
前記本体の内部に、端部から突出した状態で前記インナースリーブを配置する工程と、
該インナースリーブが配置されている本体の端部を、前記ベースプレートに載置する工程と、
前記エンドキャップを前記ベースプレートに載置して、前記キャップフランジ部の内縁から所定の範囲が前記ベースプレートと前記インナースリーブとの間に挿入された状態にする工程と、
前記固定手段によって、前記ベースプレートおよび前記インナースリーブを前記アンカー金物に固定して、前記本体フランジ部の端面から所定の範囲で内縁から所定の範囲および前記キャップフランジ部の端面から所定の範囲で内縁から所定の範囲が、前記ベースプレートと前記インナースリーブとによって挾持された状態にする工程と、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体の施工方法。
鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略五角形状、略三角形状あるいは略Ω字状であって、断面略円弧状の本体天部と、該本体天部の側縁に連続した本体側上部と、該本体側上部の下縁に連続した本体係止部と、を具備する本体と、
前記本体係止部の一部が係止自在なベース係止部が形成されたベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
前記本体の長手方向の端部に設置されるものであって、一方の端面に断面略円弧状のキャップ天部と、該キャップ天部の側縁に連続したキャップ側上部と、該キャップ側上部の下縁に連続したキャップ係止部とを具備し、前記本体の断面形状と同一の断面形状に形成されたエンドキャップと、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体において、
歩行者道に前記アンカー金物を設置する工程と、
前記アンカー金物に前記ベースプレートを設置する工程と、
前記本体の本体係止部と前記ベースプレートのベース係止部とを係止させる工程と、
前記キャップのキャップ係止部と前記ベースプレートとのベース係止部とを係止させる工程と、
前記キャップ係止部と前記ベース係止部とを接着剤によって接合する工程と、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体の施工方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された境界ブロックは、一般的なコンクリートが固化した下層部にホワイトコンクリートを固化させた上層部を一体化した二層構造であって、上層部の上面に複数の凸条を形成したものである。
このため、製造工程が煩雑になり、施工資材である境界ブロック自体の製造コストが上昇するという問題があった。
【0005】
また、既設の平板ブロックが敷き詰められていた歩行者道に当該境界ブロックを設置する際、通常、既設の平板ブロック同士の隙間と設置しようとする当該ブロックの位置とは一致することがなく、しかも、平板ブロックの歩行方向に垂直な方向の幅と当該境界ブロックの歩行方向に垂直な方向の幅とが相違するため、かかる位置の「ズレ」とかかる幅の相違とを吸収する必要があった。すなわち、広い範囲の平板ブロックを一旦剥いで、平板ブロックの幅を縮めた後、敷き直す作業(基礎の上に付設された砂やモルタル等を更新したり、レベルを調整したりする作業を含む)が必要になっていた。
特に、歩行者レーンと自転車レーンとの境界の全長に設置するため、かかる作業が、工期の延長と施工コストの上昇の一因になるという問題があった。
また、かかる作業によって、騒音や塵埃が発生するため、施工範囲の環境が悪化するという問題があった。
【0006】
さらに、既設のアスファルトが敷設されていた歩行者道に当該境界ブロックを設置する際には、設置しようとする当該ブロックよりも広い範囲(歩行方向に垂直な方向の幅)に渡って、アスファルトを剥ぎ取り、基礎の上に付設された砂やモルタル等を更新したり、レベルを調整したりした後、所定位置に当該境界ブロックを設置し、その周囲にアスファルトを敷設する作業が必要になっていた。
このため、前記と同様に、製造コストの上昇、工期の延長、施工コストの上昇、および環境の悪化等の問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するものであって、施工資材の製造コストを安価にすると共に、工期の延長や施工コストの上昇を抑えたり、施工範囲の環境悪化を抑えたりすることができる鋼製ブロック構造体およびその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る鋼製ブロック構造体は、鋼板によって断面略台形状に形成され、断面直線状または断面略円弧状を呈す本体天部と、該本体天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈す
本体側上部と、該
本体側上部の下縁に連続して内に向かって突出する本体フランジ部と、を具備する本体と、
前記本体フランジ部の少なくとも長手方向の端部において、前記本体フランジ部の内縁から所定の範囲を挾持するベースプレートおよびインナースリーブと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートと前記インナースリーブとを固定する固定手段と、
を有することを特徴とする。
なお、鋼板は、亜鉛めっき鋼板や亜鉛・アルミニウムめっき鋼板等のめっき鋼板、もしくはそれらに防食塗装を施したもの、さらにはステンレス鋼板等を含むものである。
【0009】
(2)前記(1)において、前記本体フランジ部の内縁に連続して、前記本体天部から離れる方向に傾斜した本体係止部が形成され、
前記ベースプレートが、平面状のベース底部と、該ベース底部の側縁に沿って形成され、前記本体係止部に当接または対向するベース係止部と、を具備し、
前記インナースリーブが、前記本体側上部の前記本体フランジ部に近い所定の範囲に当接または対向するインナー側上部と、該インナー側上部に連続し、前記本体フランジ部に当接するインナーフランジ部部と、該インナーフランジ部に連続し、前記本体係止部に当接または対向するインナー係止部と、該インナー係止部に連続し、前記ベース底部に当接または対向するインナー底部と、を具備することを特徴とする。
【0010】
(3)前記(2)において、前記固定手段がボルトおよびナットによって構成され、前記ベース底部に前記ボルトが貫通するベース固定孔が形成され、前記インナー底部に前記ベース固定孔を貫通した前記ボルトが貫通するインナー固定孔が形成されていることを特徴とする。
(4)前記(1)乃至(3)の何れかにおいて、前記本体フランジ部に位置決め用の突起または貫通孔が形成され、前記インナーフランジ部に前記突起が侵入する位置決め用の貫通孔または前記貫通孔に侵入する突起が形成されていることを特徴とする。
(5)また、前記(1)乃至(4)の何れかにおいて、前記本体天部の少なくとも長手方向の端部に、貫通した作業用孔が形成されていることを特徴とする。
【0011】
(6)前記(1)乃至(5)の何れかにおいて、前記本体の長手方向の端部に設置されるエンドキャップを有し、
該エンドキャップが、鋼板を前記本体の断面形状と同一の断面略台形状に形成されたものであって、断面直線状または断面略円弧状を呈すキャップ天部と、該キャップ天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈すキャップ側部と、該キャップ側部の下縁に連続して内に向かって突出するキャップフランジ部と、前記キャップ天部の一方の端縁および前記キャップ側部の一方の端縁に接合されたキャップ端部と、を具備し、
前記キャップ端部が、前記キャップフランジ部に近くなるほど、外になるように傾き、 前記ベースプレートと前記インナースリーブとによって前記キャップフランジ部の一部または全部が挾持されることを特徴とする。
【0012】
(7)また、本発明に係る鋼製ブロック構造体は、鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略五角形状であって、断面略円弧状の本体天部と、該本体天部の一方の側縁に連続し、断面直線状または外に向かって突出する断面略円弧状の本体凸側上部と、該本体凸側上部の下縁に連続した
本体凸側下部と、該本体凸側下部の下縁に連続して内に向かって突出する本体凸側フランジ部と、
前記本体凸側天部の他方の側縁に連続し、内に嵌入する断面略円弧状の本体凹側上部と、該本体凹側上部の下縁に連続して内に向かって傾斜した本体凹側下部と、該本体凹側下部の下縁に連続して内に向かって突出する本体凹側フランジ部と、を具備する本体と、
前記本体凸側フランジ部の側縁から所定範囲および前記本体凹側フランジ部の側縁から所定範囲が、それぞれ侵入する、内に向かって嵌入したベース係止溝が形成されたベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
を有することを特徴とする。
【0013】
(8)また、鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略三角形状であって、断面略円弧状の本体天部と、該本体天部の一方の側縁に連続し、断面直線状または外に向かって突出する断面略円弧状の本体凸側上部と、該本体凸側上部に連続した本体凸側下部と、該本体凸側下部の下縁に連続して内に向かって突出する本体凸側フランジ部と、前記本体天部の他方の側縁に連続し、内に向かって嵌入する断面略円弧状の本体凹側上部と、該本体凹側上部に連続し、外に向かって突出する断面略円弧状の本体凹側下部と、該本体凹側下部に連続し、前記本体天部から離れる方向に向かって折り曲げられた本体凹側フランジ部と、を具備する本体と、
前記本体凸側フランジ部の側縁から所定範囲が侵入する内に向かって嵌入したベース凸側係止溝と、上端面が前記本体凹側下部に当接または対向し、内面が前記本体凹側フランジ部に当接または対向するベース係止壁と、両側縁にそれぞれ前記ベース凸側係止溝および前記ベース係止壁が形成されたベース底部と、を具備するベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
を有することを特徴とする。
【0014】
(9)また、鋼板によって断面略Ω字状に形成され、断面略円弧状を呈す本体天部と、該本体天部の両側縁に連続した断面逆略ハ字状を呈す本体側上部と、該本体側上部に本体くびれ部を介して連続し、断面略ハ字状を呈す本体側下部と、を具備する本体と、
前記本体くびれ部が侵入する、内に向かって嵌入するベースくびれ部と、該ベースくびれ部に連続したベース底部と、を具備するベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
を有することを特徴とする。
【0015】
(10)また、前記(1)乃至(9)の何れかにおいて、前記本体の外面の一部に、光反射手段が貼付されていることを特徴とする。
(11)また、前記(1)乃至(9)の何れかにおいて、前記本体と前記地盤との間に隙間が形成され、前記本体の内部に光出射手段が設置され、該光出射手段から出射された光が、前記隙間を経由して前記地盤に照射されることを特徴とする。
【0016】
(12)さらに、本発明に係る鋼製ブロック構造体の施工方法は、鋼板によって断面略台形状に形成され、断面直線状または断面略円弧状を呈す本体天部と、該本体天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈す本体側上部と、該本体側上部の下縁に連続して内に向かって突出する本体フランジ部と、を具備する一対の本体と、
前記一対の本体の対向する端部において、それぞれの前記本体フランジ部の対向する端面から所定の範囲で前記本体フランジ部の内縁から所定の範囲を挾持するベースプレートおよびインナースリーブと、
前記ベースプレートと前記インナースリーブとを貫通し、歩行者道に設置されたアンカー金物に固定される固定手段と、
を有する鋼製ブロック構造体において、
歩行者道に前記アンカー金物を設置する工程と、
前記アンカー金物に前記ベースプレートを載置する工程と、
前記一対の本体のうちの一方の本体の内部で、前記一対の本体のうちの他方の本体に対向する端部に該端部から突出した状態で前記インナースリーブを配置する工程と、
該インナースリーブが配置されている本体の端部を、前記ベースプレートに載置する工程と、
前記一対の本体のうちの他方の本体を前記ベースプレートに載置して、該本体の本体フランジ部の内縁から所定の範囲が前記ベースプレートと前記インナースリーブとの間に挿入された状態にする工程と、
前記固定手段によって、前記ベースプレートおよび前記インナースリーブを前記アンカー金物に固定して、前記一対の本体のそれぞれの本体フランジ部の端面から所定の範囲で内縁から所定の範囲が前記ベースプレートと前記インナースリーブとによって挾持された状態にする工程と、
を有することを特徴とする。
【0017】
(13)さらに、本発明に係る鋼製ブロック構造体の施工方法は、鋼板によって断面略台形状に形成され、断面直線状または断面略円弧状を呈す本体天部と、該本体天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈す本体側上部と、該本体側上部の下縁に連続して内に向かって突出する本体フランジ部と、を具備する本体と、
前記本体の長手方向の端部に設置され、断面直線状または断面略円弧状を呈すキャップ天部と、該キャップ天部の両側縁に連続した略ハ字状を呈すキャップ側上部と、該キャップ側上部の下縁に連続して内に向かって突出するキャップフランジ部と、前記キャップ天部の一方の端縁および前記キャップ側上部の一方の端縁に接合されたキャップ端面とを具備する、前記本体の断面形状と同一の断面形状に形成されたエンドキャップと、
前記本体の端部において、前記本体フランジ部の前記キャップフランジ部に対向する端面から所定の範囲で前記本体フランジ部の内縁から所定の範囲および前記キャップフランジ部の前記本体フランジ部に対向する端面から所定の範囲で前記キャップフランジ部の内縁から所定の範囲を挾持するベースプレートおよびインナースリーブと、
前記ベースプレートと前記インナースリーブとを貫通し、歩行者道に設置されたアンカー金物に固定される固定手段と、
を有する鋼製ブロック構造体において、
歩行者道に前記アンカー金物を設置する工程と、
前記アンカー金物に前記ベースプレートを載置する工程と、
前記本体の内部に、端部から突出した状態で前記インナースリーブを配置する工程と、
該インナースリーブが配置されている本体の端部を、前記ベースプレートに載置する工程と、
前記エンドキャップを前記ベースプレートに載置して、前記キャップフランジ部の内縁から所定の範囲が前記ベースプレートと前記インナースリーブとの間に挿入された状態にする工程と、
前記固定手段によって、前記ベースプレートおよび前記インナースリーブを前記アンカー金物に固定して、前記本体フランジ部の端面から所定の範囲で内縁から所定の範囲および前記キャップフランジ部の端面から所定の範囲で内縁から所定の範囲が、前記ベースプレートと前記インナースリーブとによって挾持された状態にする工程と、
を有することを特徴とする。
【0018】
(14)さらに、本発明に係る鋼製ブロック構造体の施工方法は、鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略五角形状、略三角形状あるいは略Ω字状であって、断面略円弧状の本体天部と、該本体天部の側縁に連続した本体側上部と、該本体側上部の下縁に連続した本体係止部と、を具備する本体と、
前記本体係止部の一部が係止自在なベース係止部が形成されたベースプレートと、
地盤に設置されたアンカー金物に前記ベースプレートを固定する固定手段と、
前記本体の長手方向の端部に設置されるものであって、一方の端面に断面略円弧状のキャップ天部と、該キャップ天部の側縁に連続したキャップ側上部と、該キャップ側上部の下縁に連続したキャップ係止部とを具備し、前記本体の断面形状と同一の断面形状に形成されたエンドキャップと、
を有することを特徴とする鋼製ブロック構造体において、
歩行者道に前記アンカー金物を設置する工程と、
前記アンカー金物に前記ベースプレートを設置する工程と、
前記本体の本体係止部と前記ベースプレートのベース係止部とを係止させる工程と、
前記キャップのキャップ係止部と前記ベースプレーとのベース係止部とを係止させる工程と、
前記キャップ係止部と前記ベース係止部とを接着剤によって接合する工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る鋼製ブロック構造体は以上の構成であるから、以下の効果を奏する。
(i)鋼板によって形成されるから、施工資材としての製造コストが安価になる。
(ii)鋼板は所望の形状に曲げ加工することによって所望の形状の鋼製ブロック構造体が得られるから、環境や美観が保全され且つ向上する。
(iii)鋼板によって高い剛性が得られるから、軽量になり、施工に際しての運搬が容易になり、施工コストの低廉化を図ることができる。
(iv)地盤に設置されたアンカー金物に固定手段を固定するだけで、鋼製ブロック構造体を歩行者道に設置することができるから、設置や更新に際し、広い範囲の平板ブロックやアスファルトを剥ぎ取ったり、敷設したりする作業が不要になり、製造コストの上昇、工期の延長、施工コストの上昇、および環境の悪化等を防止することができる。
(v)鋼製ブロック構造体の本体と地盤(例えば、歩行者道)との間に隙間を形成することが容易になるため、かかる隙間の形成によって、歩行者レーンと自転車レーンとの間で水や塵埃等の移動が容易になるから、排水や清掃が容易になり、環境や美観が保全される。
(vi)ボルト/ナット機構によって本体およびエンドキャップを設置することができるため、設置および撤去が迅速かつ容易であるから、新設時または更新時における施工コストが安価になる。
(vii)嵌合機構、係止機構、あるいは接着剤等による結合機構によって、本体およびエンドキャップを設置することができるため、設置が迅速かつ容易であるから施工コストが安価になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施の形態1:鋼製ブロック構造体1]
図1〜
図8は本発明の実施の形態1に係る鋼製ブロック構造体およびその施工方法を説明するものであって、
図1は鋼製ブロック構造体の全体を示す斜視図、
図2の(a)および(b)は鋼製ブロック構造体の正面視の断面図およびその部分拡大断面図、
図3の(a)および(b)は鋼製ブロック構造体の側面図および下面図、
図4の(a)〜(d)はエンドキャップを示す平面図、側面図、正面図および背面図、
図5は施工方法を示すフローチャート、
図6の(a)〜(d)は施工方法を示す斜視図、
図7および
図8は鋼製ブロック構造体のバリエーションを示す(a)は正面視の断面図、(b)はエンドキャプを示す斜視図である。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
【0022】
図1〜
図3において、鋼製ブロック構造体1は、車道(図示しない)から分離された既設の歩行者道8に歩行方向H(←→にて示す)に沿って設置され、既設の歩行者道8をあらたな歩行者レーン6と自転車レーン7とに分離している。
鋼製ブロック構造体1は、長手方向の端部が隣接している(端面が当接または対向している)複数の本体10a、10b、10cと、本体10aの本体10bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ60aと、本体10cの本体10bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ60bと、を有している。このとき、本体10a、10b、10cはそれぞれ同一形状で、エンドキャップ60a、60bはそれぞれ同一形状であるため、以下の説明において、符号の添え字「a、b、c」を削除する。また、本発明は本体の数量を限定するものではない。
【0023】
そして、本体10は、その一部がベースプレート20およびインナースリーブ30とによって挾持された状態で、固定手段50によって、歩行者道8に設置されたアンカー金物40に固定されている(正確には、後記するように、エンドキャップ60aと本体10aの一方の端部とが、ベースプレート20aおよびインナースリーブ30aとによって挾持された状態で、固定手段50aによってアンカー金物40aに固定され、本体10aの他方の端部と本体10bの一方の端部とが、ベースプレート20bおよびインナースリーブ30bとによって挾持された状態で、固定手段50bによってアンカー金物40bに固定され、以下同様である)。
なお、以下の説明において、歩行方向Hに平行な部材の境を「側縁」と、歩行方向Hに直角な部材の境を「端部あるいは端面」と、部材の歩行方向Hに平行の大きさを「長さ」と、部材の歩行方向Hに直角な大きさを「幅」と、部材の歩行者道8の法線方向の大きさを「高さ」と、称する。
【0024】
(本体)
本体10は鋼板によって形成され、歩行方向Hに直角な断面において略台形状を呈し、直線状または略円弧状を呈す本体天部11と、本体天部11の両側縁に連続した略ハ字状を呈す本体側上部12と、本体側上部12の下縁に連続した互いに略平行(本体天部11に直角)な本体側下部13と、本体側下部13の下縁に連続して内に向かって突出する(本体天部11に平行な)本体フランジ部14と、を具備する。
そして、本体フランジ部14の内縁寄りの所定範囲が、本体天部11から離れる方向に折り曲げられ、逆ハ字状を呈す本体係止部15が形成され、本体フランジ部14の端面からの所定の位置に1または2以上の位置決め孔16が形成されている。
さらに、本体天部11の端面からの所定の位置に、貫通した本体作業用孔17が形成されている。なお、各部位の境界は明瞭でない。
【0025】
本体10の大きさは、例えば、板厚2.3mmの鋼板であって、長さが略3000mm、本体天部11の幅が略50mm、本体天部11と本体側上部12とがなす角度が略50°、本体側下部13同士の距離(幅)が略170mm、本体フランジ部14の幅が略23mm、本体係止部15と本体フランジ部14とがなす角度が略60°で本体係止部の長さが略2mmである。また、位置決め孔16は一辺が略7mmの丸孔、本体作業用孔17は直径が略32mmである。
なお、本発明は係る形態に限定されるものではない。特に、本体側上部12と本体側下部13とは明確に分かれるものではないため、両者をまとめて本体側上部12としてもよい。また、それぞれの部材は直線状で、断面対称形に形成されたものに限定するものではなく、例えば、一方の本体側上部を外に向かって突出する断面円弧状の凸面にし、他方の本体側上部を内に向かって嵌入する断面円弧状の凹面にしてもよい。また、本体天部11を断面円弧にしてもよい(これについては、別途詳細に説明する)。
【0026】
(ベースプレート)
ベースプレート20は、平面状のベース底部21と、ベース底部21の側縁に沿って形成され、逆ハ字状を呈すベース係止部25とを具備する。ベース係止部25は本体10の本体係止部15に当接または対向し、ベース係止部25のベースフランジ部24は本体10の本体フランジ部14に当接している。また、ベース底部21の中心線上に、貫通した一対のベース固定孔27が形成されている。
ベースプレート20は、例えば、板厚2.3mmの鋼板であって、長さが略150mm、ベース底部21の幅が略125mm、ベース係止部25とベース底部21とがなす略角度が略60°で、ベースフランジ部24とベース底部21との距離(高さ)が略10mmである。
また、ベース固定孔27はM12のボルト51が貫通自在な内径で、中心間距離(歩行方向H)が略60mmだけ離れている。
【0027】
(インナースリーブ)
インナースリーブ30は、本体側上部12の下方の範囲に当接または対向するインナー側上部32と、インナー側上部32に連続し、本体側下部13に当接または対向するインナー側下部33と、インナー側下部33に連続し、本体フランジ部14に当接するインナーフランジ部34と、インナーフランジ部34に連続し、本体係止部15に当接または対向するインナー係止部35と、インナー係止部35に連続し、ベース底部21に当接または対向するインナー底部31と、を具備している。また、インナー底部31の中心線上には貫通した一対のインナー固定孔37が形成され、インナーフランジ部34には、外(下方)に向かって突出した位置決め突起36が形成されている。
インナースリーブ30は、例えば、板厚2.3mの鋼板であって、長さが略150mm、インナー底部31の幅110mm、インナーフランジ部34の側縁同士の距離(幅)が略163mm、)、インナー係止部35がインナー底部31となす角度が略60°でインナーフランジ部34とインナー底部31との距離(高さ)が略8mmである。
また、インナー固定孔37はM12のボルト51が貫通自在な内径で、中心間距離が略60mmだけ離れている。
【0028】
(アンカー金物)
アンカー金物40は、断面略逆U字状であって、平坦なアンカー天部41と、平坦なアンカー天部41の両側縁に連続して直角に折り曲げられた一対のアンカー側部42と、アンカー側部の下縁から外に突出したアンカーフランジ部43と、アンカー天部41の中心軸上に形成された貫通するアンカー固定孔47と、を具備している。
アンカー金物40は、例えば、板厚2.3mmの鋼板であって、長さが略90mm、アンカー側部42の高さが略65mm、アンカーフランジ部43の側縁同士の距離(幅)が略50mm、アンカー固定孔47はM12のボルト51が貫通自在な内径で、中心間距離が略60mmだけ離れている。
【0029】
(固定手段)
固定手段50は、例えば、M12のボルト51とナット52から構成され、本体作業用孔17を貫通する工具(ボックスレンチ、ラチェットレンチ等)により、アンカー金物40のアンカー天部41の下部にナット52が予め設けられているので、ボルト51を本体作業用孔17に挿入して、その上から締結される。なお、適宜、座金(ワッシャ−)が併用されるものである。
【0030】
(エンドキャップ)
図4において、エンドキャップ60は鋼板によって形成され、本体10の断面形状と同一の断面略台形状に形成されている。すなわち、断面直線状または断面略円弧状を呈すキャップ天部61と、キャップ天部61の両側縁に連続した略ハ字状を呈すキャップ側上部62と、キャップ側上部62の下縁に連続した互いに略平行(キャップ天部61に直角)なキャップ側下部63と、キャップ側下部63の下縁に連続して内に向かって突出するキャップフランジ部64と、キャップ天部61の一方の端縁に連続し、キャップ側上部62およびキャップ側下部63の一方の端縁に接合されたキャップ端面68と、を具備している。
キャップ端面68は、キャップフランジ部64に近くなるほど、外になるように傾いたキャップ傾斜部68Uと、キャップ傾斜部68Uに連続し、キャップ天部61に直角なキャップ鉛直部68Lと、を具備している。キャップ傾斜部68Uの幅方向の側縁は本体側上部12の端縁に、キャップ鉛直部68Lの幅方向の側縁は本体側下部13の端縁に、それぞれ接合されている(正確には、前記端縁に形成された重ね用の接合片に前記側縁がスポット溶接Wによって接合されている)。
さらに、キャップ天部61には、貫通したキャップ作業用孔67が形成されている。また、キャップフランジ部64には貫通した、位置合わせのためのキャップ位置決め孔66が形成されている。
【0031】
[鋼製ブロック構造体1の施工方法]
図5および
図6において、鋼製ブロック構造体1の施工は、本体10aの端部にエンドキャップ60aを設置した後、本体10b、10cを順次設置し、最後に本体10cの端部にエンドキャップ60bを設置してもよいし、本体10a、10b、10cを順次設置した後、本体10a、10cの端部にそれぞれエンドキャップ60a、60bを設置してもよい。以下、説明の便宜上、本体10aの一方の端部にエンドキャップ60aを設置する要領を説明し、次いで、本体10aの他方の端部に本体10bの一方の端部を設置する要領を説明する。なお、
図6において、凹部9にアンカー金物40aが設置された状態を、符号「9(40)」を付して模式的に示している。
【0032】
(エンドキャップ60aの施工方法)
本体10aにエンドキャップ60aを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8の所定の位置に凹部9を設け、凹部9にアンカー金物40aを設置する工程(S1−11、このとき、アンカー金物40bを設置してもよい)と、
アンカー金物40aにベースプレート20aを載置する工程(S1−12、このとき、アンカー金物40bにベースプレート20bを載置してもよい)と、
本体10a内部で、一方の端部に端部から突出した状態でインナースリーブ30aを配置する工程(S1−13、このとき、他方の端部にインナースリーブ30bを配置してもよいし、既に、配置されていてもよい)と、
インナースリーブ30aが配置されている本体10aの端部をベースプレート20aに載置する工程(S1−14、このとき、他方の端部をベースプレート20bに載置してもよい)と、
アンカー金物40aにおいて、アンカー固定孔47、ベース固定孔27およびインナー固定孔37の位相を揃え、該三者にボルト51a、を挿入し、ナット52aにボルト51aを螺合(仮固定)する工程(S1−15、このとき、本体10の位置決め孔16にインナースリーブ30の位置決め突起36が侵入する)と、
エンドキャップ60aをベースプレート20aに載置して、キャップフランジ部64の所定の範囲がベースプレート20aのベースフランジ部24aとインナースリーブ30aのインナーフランジ部34aとの間に挿入された状態にする工程(S1−16)と、
ボルト51aとナット52bを締結(本固定)して、ベースフランジ部24aとインナーフランジ部34aとによって、本体フランジ部14aの所定範囲およびキャップフランジ部64aの所定範囲を挾持する工程(S1−17)と、
前記締結の後、エンドキャップ60aのキャップ作業用孔67aと、本体10aのエンドキャップ60aに近い側の本体作業用孔17aとに蓋19をする工程(S1−18)とを有する。
なお、凹部9にアンカー金物40aを設置する工程(S1−11)は、凹部9内で所定の位置にアンカー金物40aを配置して、凹部9にモルタル等を打設してアンカー金物40aを固定するものである。このとき、ナット52bへのボルト51bの螺合(仮固定)を可能にするため、ナット52bのねじ部およびボルト51bの侵入範囲に、例えばウレタンや発泡スチロール等を予め配置している。
【0033】
(本体10bの施工方法)
本体10aに本体10bを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8の所定の位置に凹部9を設け、凹部9にアンカー金物40bを設置する工程(S1−20)と、
アンカー金物40bにベースプレート20bを載置する工程(S1−21、
図6の(a)参照)と、
本体10a内部で、一方の端部に端部から突出した状態でインナースリーブ30bを配置する工程(S1−22、
図6の(b)参照)と、
インナースリーブ30bが配置されている本体10aの端部をベースプレート20bに載置する工程(S1−23)と、
アンカー金物40bにおいて、アンカー固定孔47、ベース固定孔27およびインナー固定孔37の位相を揃え、該三者にボルト51bを挿入し、ナット52bにボルト51bを螺合(仮固定)する工程(S1−24、
図6の(c)参照)と、
本体10bをベースプレート20bに載置して、本体フランジ部14bの所定の範囲がベースプレート20bのベースフランジ部24bとインナースリーブ30bのインナーフランジ部34bとの間に挿入された状態にする工程(S1−25、このとき、既にベースプレート20cが準備されている場合に、本体10bをベースプレート20cに載置してもよい)と、
ボルト51bとナット52bとを締結(本固定)して、ベースフランジ部24bとインナーフランジ部34bとによって、本体フランジ部14aの所定範囲および本体フランジ部14bの所定範囲を挾持する工程(S1−26)と、
前記締結の後、本体10aの本体10bに近い側の本体作業用孔17aと本体10bの本体10aに近い側の本体作業用孔17bとに蓋19をする工程(S1−27、
図6の(d)参照)とを有する。
【0034】
したがって、鋼製ブロック構造体1は以上の構成であって、以上のように施工することができるから、以下の効果を奏する。
(i)鋼板によって形成されるから、施工資材としての製造コストが安価になる。
(ii)鋼板は所望の形状に曲げ加工することによって所望の形状の鋼製ブロック構造体1が得られるから、環境や美観が保全され且つ向上する。
(iii)鋼板によって高い剛性が得られるから、軽量になり、施工に際しての運搬が容易になり、施工コストの低廉化を図ることができる。
(iv)歩行者道8地盤に設置されたアンカー金物40に固定手段50を固定するだけで、鋼製ブロック構造体1を歩行者道8に設置することができるから、設置や更新に際し、広い範囲の平板ブロックやアスファルトを剥ぎ取ったり、敷設したりする作業が不要になり、製造コストの上昇、工期の延長、施工コストの上昇、および環境の悪化等を防止することができる。
【0035】
(v)ボルト51とナット52とから構成される機構によって本体10およびエンドキャップ60を設置することができるため、設置および撤去が迅速かつ容易であるから、新設時または更新時における施工コストが安価になる。
(vi)さらに、鋼製ブロック構造体1の本体10と歩行者道8との間に隙間を形成することが容易になるため、かかる隙間の形成によって、歩行者レーン6と自転車レーン7との間で水や塵埃等の移動が容易になるから、排水や清掃が容易になり、環境や美観が保全される。
(vii)さらに、図示しないが、本体10の外面(本体側上部12や本体側下部13)あるいはエンドキャップ60の外面(キャップ端面68)に光反射板を設置して、視認性を高めてもよい。
(viii)さらに、図示しないが、本体10の内部に、太陽電池とLEDとの組み合わせによる光照射手段を配置して、本体フランジ部14の内縁同士の隙間から、歩行者道8に向けて光りを照射してもよい。このとき、夜間の視認性が向上する。
【0036】
(鋼製ブロック構造体1のバリエーション1)
図7の(a)において、鋼製ブロック構造体1xは、鋼製ブロック構造体1における本体10の断面形状を変更したものである。したがって、鋼製ブロック構造体1と同じ部位または相当する部位は、同じ名称および同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
すなわち、鋼製ブロック構造体1xの本体10xは、断面略三角形状(おむすび型)を呈し、略円弧状を呈す本体天部11と、本体天部11に連続し、外に向かって突出した略円弧状の本体側上部12および本体側下部13と、本体側下部13の下縁に連続して内に向かって突出する平坦な本体フランジ部14と、を具備する。そして、鋼製ブロック構造体1と同様に、本体係止部15と、位置決め孔16と、本体作業用孔17が形成されている。なお、各部位の境界は明瞭でない。
また、鋼製ブロック構造体1xのインナースリーブ30xは、本体側上部12の下方の範囲および本体側下部13に当接または対向するインナー側上部32およびインナー側下部33と、鋼製ブロック構造体1と同様のインナーフランジ部34、インナー係止部35およびインナー底部31と、を具備している。
【0037】
図7の(b)においてまた、鋼製ブロック構造体1xのエンドキャップ60xは、一方の端面が本体10xの断面形状に同じであって、鋳鉄、鋳鋼、合成ゴムまたは合成樹脂等によって形成されている。
すなわち、一方の端部において、略円弧状を呈すキャップ天部61と、キャップ天部61に連続し、略円弧状のキャップ側上部62およびキャップ側下部63と、キャップ側下部63の下縁に連続して内に向かって突出する平坦なキャップフランジ部64と、キャップフランジ部64の内縁に形成されたキャップ係止部65と、を具備する。
さらに、エンドキャップ60に準じ、他方のキャップ端面69xに向かってなめらかに傾斜しながら幅が狭くなるキャップ傾斜面68xを有している。
したがって、鋼製ブロック構造体1の施工方法と同様に歩行者道8に設置することができ、鋼製ブロック構造体1と同様の作用効果が得られる。
【0038】
(鋼製ブロック構造体1のバリエーション2)
図8の(a)において、鋼製ブロック構造体1yは、鋼製ブロック構造体1における本体10の断面形状を変更したものである。したがって、鋼製ブロック構造体1と同じ部位または相当する部位は、同じ名称および同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
すなわち、鋼製ブロック構造体1xの本体10yは、断面略凸字状を呈し、略円弧状を呈す本体天部11と、本体天部11に連続し、内に向かって嵌入した略円弧状の本体側上部12と、本体側上部に連続し、外に向かって突出した断面略円弧状の本体側下部13と、本体側下部13の下縁に連続して内に向かって突出する平坦な本体フランジ部14と、を具備する。そして、鋼製ブロック構造体1と同様に、本体係止部15と、位置決め孔16と、本体作業用孔17が形成されている。なお、各部位の境界は明瞭でない。
また、鋼製ブロック構造体1yのインナースリーブ30yは、本体側上部12の下方の範囲および本体側下部13に当接または対向するインナー側上部32およびインナー側下部33と、鋼製ブロック構造体1と同様のインナーフランジ部34、インナー係止部35およびインナー底部31と、を具備している。
【0039】
図8の(b)においてまた、鋼製ブロック構造体1yのエンドキャップ60yは、一方の端面が本体10yの断面形状に同じであって、鋳鉄、鋳鋼、合成ゴムまたは合成樹脂等によって形成されている。
すなわち、一方の端部において、略円弧状を呈すキャップ天部61と、キャップ天部61に連続し、凹面状の略円弧状のキャップ側上部62と、凸面状のキャップ側下部63と、キャップ側下部63の下縁に連続して内に向かって突出する平坦なキャップフランジ部64と、キャップフランジ部64の内縁に形成されたキャップ係止部65と、を具備する。
さらに、エンドキャップ60に準じ、他方のキャップ端面69yに向かってなめらかに傾斜しながら幅が狭くなるキャップ傾斜面68yを有している。
したがって、鋼製ブロック構造体1の施工方法と同様に歩行者道8に設置することができ、鋼製ブロック構造体1と同様の作用効果が得られる。
【0040】
[実施の形態2:鋼製ブロック構造体2]
図9および
図10は本発明の実施の形態2に係る鋼製ブロック構造体およびその施工方法を説明するものであって、
図9の(a)は全体を示す斜視図、
図9の(b)は鋼製ブロック構造体を示す正面視の断面図、
図9の(c)はエンドキャップの斜視図、
図10はおよび施工方法を示すフローチャートである。なお、各図は、実施の形態1と同様に模式的に描かれたものであって、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
【0041】
図9において、鋼製ブロック構造体2は、車道(図示しない)から分離された既設の歩行者道8に歩行方向H(←→にて示す)に沿って設置され、既設の歩行者道8をあらたな歩行者レーン6と自転車レーン7とに分離している。
鋼製ブロック構造体2は、長手方向の端部が隣接している(端面が当接または対向している)複数の本体210a、210b、210cと、本体210aの本体210bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ260aと、本体210cの本体210bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ260bと、を有している。このとき、本体210a、210b、210cはそれぞれ同一形状で、エンドキャップ260a、260bはそれぞれ同一形状であるため、以下の説明において、符号の添え字「a、b、c」を削除する。また、本発明は本体の数量を限定するものではない。
【0042】
(本体)
本体210は鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略五角形状を呈している。すなわち、断面略円弧状の本体天部211と、本体天部211の一方の側縁に連続し、断面直線状または外に向かって突出する断面略円弧状の本体凸側上部212と、本体凸側上部212の下縁に連続した本体凸側下部213と、本体凸側下部213の下縁に連続して内に向かって突出する本体凸側フランジ部214と、本体天部211の他方の側縁に連続し、内に嵌入する断面略円弧状の本体凹側上部215と、本体凹側上部215の下縁に連続して内に向かって傾斜した本体凹側下部216と、本体凹側下部216の下縁に連続して内に向かって突出する本体凹側フランジ部217と、を具備する。
【0043】
(ベースプレート)
ベースプレート220は鋼板によって形成され、ベース底部221と、ベース底部221の両側縁に連続し、断面己字状に形成されたベース係止溝224、227と具備する。ベース係止溝224、227は外(幅方向の外側)に向かって開口し、本体210の本体凸側フランジ部214および本体凹側フランジ部217の内縁が侵入している。
そして、ベースプレート220は、図示しないアンカー金物40に固定手段50によって固定されている(
図2参照)。
【0044】
なお、本発明は係る形態に限定されるものではない。特に、本体210を直線状の辺で構成した断面対称形に形成してもよい。また、ベースプレート220を鋼板の曲げ加工されたものに替えて、鋼板(板厚が比較的厚い)の側端面にベース係止溝224、227を機械加工によって形成してもよい。さらに、ベースプレート220を鋳鋼(鋳型による成形)や合成樹脂(射出成形)によって形成してもよいし、コンクリート製、石材等を使用してもよい。
【0045】
(エンドキャップ)
エンドキャップ260は合成樹脂等によって形成(射出成形または機械加工等)され、一方の端面が本体210の断面形状と同一の略五角形状に形成され、キャップ端面269に向かってなめらかに縮径しながら一方側に傾斜している。
すなわち、一方の端面の断面が、略円弧状のキャップ天部261と、キャップ天部261の一方の側縁に連続し、直線状または外に向かって突出する略円弧状のキャップ凸側上部262と、キャップ凸側上部262の下縁に連続したキャップ凸側下部263と、キャップ凸側下部263の下縁に連続して内に向かって突出するキャップ凸側フランジ部264と、キャップ天部261の他方の側縁に連続し、内に嵌入する略円弧状のキャップ凹側上部265と、キャップ凹側上部265の下縁に連続して内に向かって傾斜したキャップ凹側下部266と、キャップ凹側下部266の下縁に連続して内に向かって突出するキャップ凹側フランジ部267と、を具備する。
【0046】
また、他方側のキャップ端面269は略1/4球面であって、略赤道面がキャップ凸側フランジ部264およびキャップ凹側フランジ部267と略同一面に位置し、略子午線面の高さがキャップ天部261の高さ(キャップ天部261とキャップ凸側フランジ部264との距離に同じ)よりも低く、略子午線面の幅が、キャップ凸側下部263の下縁とキャップ凹側上部265の下縁同士の距離(幅)よりも小さくなっている。そして、一方の端面とキャップ端面269とがキャプ曲面268によってなめらかにつながっている。
なお、本発明は、キャップ端面269の形状を略1/4球面に限定するものではなく、キャプ曲面268と協働して、扁平は球体や楕円球体の一部を形成するようにしてもよい。
【0047】
[鋼製ブロック構造体2の施工方法]
鋼製ブロック構造体2の施工は、本体210aの端部にエンドキャップ260aを設置した後、本体210b、10cを順次設置し、最後に本体210cの端部にエンドキャップ260bを設置してもよいし、本体210a、10b、10cを順次設置した後、本体210a、10cの端部にそれぞれエンドキャップ260a、260bを設置してもよい。
以下、説明の便宜上、本体210aの一方の端部にエンドキャップ260aを設置する要領を説明し、次いで、本体210aの他方の端部に本体210bの一方の端部を設置する要領を説明する。
【0048】
(エンドキャップ260aの施工方法)
図10において、本体210aの一方の端部にエンドキャップ260aを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8の所定の位置に(所定の間隔を空けて)少なくとも一対の凹部9を設け、凹部9にアンカー金物40a、40bを設置する工程(S2−11)と、
アンカー金物40a、40bにベースプレート220a、220bを載置して、両者を固定手段50によって固定する工程(S2−12)と、
ベースプレート220aのベース係止溝224aおよびベース係止溝227aと、ベースプレート220bのベース係止溝224bおよびベース係止溝227bとに、それぞれ本体210aの本体凸側フランジ部214aおよび本体凹側フランジ部217bを、長手方向(歩行方向Hに同じ)に沿って挿入する工程(S2−13)と、
ベースプレート220aのベース係止溝224aおよびベース係止溝227aに、それぞれエンドキャップ260aのキャップ凸側フランジ部264およびキャップ凹側フランジ部267を、長手方向(歩行方向Hに同じ)に沿って挿入する工程(S2−14)と、
ベース係止溝224aとキャップ凸側フランジ部264a、およびベース係止溝227aとキャップ凹側フランジ部267a、をそれぞれ接着剤で接合する工程(S2−15)と、を有している。
【0049】
(本体210bの施工方法)
本体210aの他方の端部に本体210bを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8の所定の位置に(所定の間隔を空けて)凹部9を設け、凹部9にアンカー金物40cを設置する工程(S2−16)と、
アンカー金物40cにベースプレート220cを載置して、両者を固定手段50によって固定する工程(S2−17)と、
ベースプレート220cのベース係止溝224cおよびベース係止溝227cと、ベースプレート220bのベース係止溝224bおよびベース係止溝227bとに、それぞれ本体210bの本体凸側フランジ部214bおよび本体凹側フランジ部217bを、長手方向(歩行方向Hとは反対の方向に同じ)に沿って挿入する工程(S2−18)と、を有している。
【0050】
以下同様に、本体210cおよびエンドキャップ260bを設置する。なお、各工程を実行する順番は適宜変更してもよい。
よって、鋼製ブロック構造体2の施工方法は、本体210を長手方向に移動することによってベースプレート220に設置するから、施工が容易であって、鋼製ブロック構造体1の施工方法(実施の形態2)と同様の作用効果が得られる。
なお、以上は、ベース係止溝224aとキャップ凸側フランジ部264a等とを接合しているが、本発明はこれに限定するものではなく、エンドキャップ260aの端部にベース底部221に当接自在な接合片を設置して、該接合片とベース底部221とを接着剤によって接着するようにしてもよい。さらに、ベース係止溝224aと本体凸側フランジ部214a等を接合してもよい。
【0051】
[実施の形態3:鋼製ブロック構造体3]
図11〜
図13は本発明の実施の形態2に係る鋼製ブロック構造体およびその施工方法を説明するものであって、
図11の(a)は全体を示す斜視図、
図11の(b)は鋼製ブロック構造体の施工途中を示す正面視の断面図、
図11の(c)は鋼製ブロック構造体を示す正面視の断面図、
図12はエンドキャップを示す斜視図、
図13は施工方法を示すフローチャートである。なお、各図は、実施の形態1と同様に模式的に描かれたものであって、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
【0052】
図11において、鋼製ブロック構造体3は、車道(図示しない)から分離された既設の歩行者道8に歩行方向H(←→にて示す)に沿って設置され、既設の歩行者道8をあらたな歩行者レーン6と自転車レーン7とに分離している。
鋼製ブロック構造体3は、長手方向の端部が隣接している(端面が当接または対向している)複数の本体310a、310b、310cと、本体310aの本体310bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ360aと、本体310cの本体310bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ360bと、を有している。このとき、本体310a、310b、310cおよびエンドキャップ360a、360bはそれぞれ同一形状であるため、以下の説明において、符号の添え字「a、b、c」を削除する。また、本発明は本体の数量を限定するものではない。
【0053】
(本体)
本体310は鋼板によって形成され、断面において底辺が分断された略五角形状を呈している。すなわち、断面において、略円弧状の本体天部311と、本体天部311の一方の側縁に連続し、直線状または外に向かって突出する略円弧状の本体凸側上部312と、本体凸側上部312に連続した本体凸側下部313と、本体凸側下部313の下縁に連続して内に向かって突出する本体凸側フランジ部314と、本体天部311の他方の側縁に連続し、内に向かって嵌入する略円弧状の本体凹側上部315と、本体凹側上部315に連続し、外に向かって突出する断面略円弧状の本体凹側下部316と、本体凹側下部316に連続し、本体天部311から離れる方向に向かって折り曲げられた本体凹側フランジ部317と、を具備している。
【0054】
(ベースプレート)
ベースプレート320は鋼板によって形成され、平坦なベース底部321と、ベース底部321の両側縁に形成されたベース係止溝324およびベース係止壁327と、を具備する。
ベース係止溝324は、本体310の本体凸側フランジ部314の側縁から所定範囲が侵入自在な溝であって、内に向かって嵌入している。
また、ベース係止壁327は、上端面が本体310の本体凹側下部316に当接または対向し、内面が本体凹側フランジ部317に当接または対向する。
【0055】
なお、本発明は係る形態に限定されるものではない。例えば、鋼製ブロック構造体2と略同一の断面形状にして、内に向かって形成された本体凹側フランジ部217を本体天部211から遠ざかる方向に向けて形成したものであってもよい。
また、ベースプレート320を鋼板の曲げ加工されたものに替えて、鋼板(板厚が比較的厚い)の一方の側端面にベース係止溝324を、他方の側縁にベース係止壁327を機械加工によって形成してもよい。さらに、ベースプレート320を鋳鋼(鋳型による成形)や合成樹脂(射出成形)によって形成してもよい。
【0056】
(エンドキャップ)
図12において、エンドキャップ360は合成樹脂等によって形成(射出成形または機械加工等)され、一方の端面が本体310の断面形状と同一の略五角形状に形成され、キャップ端面369に向かってなめらかに縮径しながら一方側に傾斜し、実施の形態2におけるエンドキャップ260に準じた形態である。
すなわち、一方の端面の断面が、キャップ天部361と、キャップ凸側上部362と、キャップ凸側下部363と、キャップ凸側フランジ部364と、キャップ凹側上部365と、キャップ凹側下部366と、キャップ凹側フランジ部367と、を具備し、キャップ端面369とがキャプ曲面368によってなめらかにつながっている。
【0057】
[鋼製ブロック構造体3の施工方法]
鋼製ブロック構造体3の施工は、鋼製ブロック構造体2の施工方法の一部、すなわち、ベースプレート320に本体310を設置する要領が相違するのみで、その他の要領は同じである(準じる)から、説明を一部省略する。
【0058】
(エンドキャップ360aの施工方法)
図13において、本体310aの一方の端部にエンドキャップ360aを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8にアンカー金物40a、40bを設置する工程(S3−11)と、
アンカー金物40a、40bにベースプレート320a、320bを載置して、両者を固定手段50によって固定する工程(S3−12)と、
ベースプレート320a、320bのベース係止溝324a、324bに、それぞれ本体310aの本体凸側フランジ部314aを係止する工程(S3−13、
図11の(b)参照)と、
該係止した部位を回転支点として、本体310aを傾動させ、本体凹側フランジ部317aをベース係止壁327a、327bの内側に侵入させ、本体凹側下部316aがベース係止壁327a、327bの上端面に当接、または本体凹側フランジ部317a、の下端面がベース底部321a、321bに当接させる工程(S3−14、
図11の(c)参照)と、
ベースプレート320aのベース係止溝324aに、エンドキャップ360aのキャップ凸側フランジ部364aを係止する工程(S3−15)と、
該係止した部位を回転支点として、エンドキャップ360を傾動させ、キャップ凹側フランジ部367aをベース係止壁327aの内側に侵入させ、キャップ凹側下部366aがベース係止壁327aの上端面に当接またはキャップ凹側フランジ部367aの下端面がベース底部321aに当接させる工程(S3−16)と、
ベース係止溝324aとキャップ凸側フランジ部364aとを接着剤によって接合すると共に、キャップ凹側下部366aとベース係止壁327aとを接着剤によって接合またはキャップ凹側フランジ部367aとベース底部321aとを接着剤によって接合する工程(S3−17)と、を有している。
【0059】
(本体310bの施工方法)
本体310aの他方の端部に本体310bを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8の凹部9にアンカー金物40cを設置する工程(S3−21)と、
アンカー金物40cにベースプレート320cを載置して、両者を固定手段50によって固定する工程(S3−22)と、
ベースプレート320b、320cのベース係止溝324b、324cに、それぞれ本体310bの本体凸側フランジ部314bを係止する工程(S3−23、
図11の(b)参照)と、
該係止した部位を回転支点として、本体310bを傾動させ、本体凹側フランジ部317bをベース係止壁327b、327cの内側に侵入させ、本体凹側下部316bをベース係止壁327b、327cの上端面に当接、または本体凹側フランジ部317bの下端面をベース底部321b、321cに当接させる工程(S3−24、
図11の(c)参照)と、を有している。
【0060】
よって、鋼製ブロック構造体3の施工方法は、本体310を長手方向に移動することなく、傾動することによってベースプレート220に設置するから、施工が容易であって、鋼製ブロック構造体1の施工方法(実施の形態2)と同様の作用効果が得られる。
また、エンドキャップ360aの端部にベース底部321に当接自在な接合片を設置して、該接合片とベース底部321とを接着剤によって接着するようにしてもよい。さらに、ベース係止溝324aと本体凸側フランジ部314a等を接合してもよい。
【0061】
[実施の形態4:鋼製ブロック構造体4]
図14〜
図16は本発明の実施の形態2に係る鋼製ブロック構造体およびその施工方法を説明するものであって、
図14の(a)は全体を示す斜視図、
図14の(b)は鋼製ブロック構造体の施工途中を示す正面視の断面図、
図14の(c)は鋼製ブロック構造体を示す正面視の断面図、
図15はエンドキャップを示す斜視図、
図16は施工方法を示すフローチャートである。なお、各図は、実施の形態1と同様に模式的に描かれたものであって、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
【0062】
図14において、鋼製ブロック構造体4は、車道(図示しない)から分離された既設の歩行者道8に歩行方向H(←→にて示す)に沿って設置され、既設の歩行者道8をあらたな歩行者レーン6と自転車レーン7とに分離している。
鋼製ブロック構造体4は、長手方向の端部が隣接している(端面が当接または対向している)複数の本体410a、410b、410cと、本体410aの本体410bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ460aと、本体410cの本体410bが隣接していない端部に設置されたエンドキャップ460bと、を有している。このとき、本体410a、410b、410cおよびエンドキャップ460a、460bはそれぞれ同一形状であるため、以下の説明において、符号の添え字「a、b、c」を削除する。また、本発明は本体の数量を限定するものではない。
【0063】
(本体)
本体410は鋼板によって形成され、断面において略Ω字状を呈している。すなわち、略円弧状を呈す本体天部411と、本体天部411の両側縁に連続した逆略ハ字状を呈す本体側上部412と、本体側上部412の下縁に連続した略円弧状の本体くびれ部413と、本体くびれ部413に連続し、略ハ字状を呈す本体側下部414と、を具備している。なお、各部位の境界は明瞭でない。
ベースプレート420は、平坦なベース底部421と、ベース底部421の両側縁に連続し、略ハ字状を呈すベース側下部424と、ベース側下部424の上縁部に連続したベースくびれ部423と、ベースくびれ部423の上縁部に連続した略円弧状のベースくびれ部423と、ベースくびれ部423の上縁部に連続し、逆略ハ字状を呈すベース側上部422と、を具備している。
【0064】
(エンドキャップ)
図15において、エンドキャップ460は合成樹脂等によって形成(射出成形または機械加工等)され、一方の端面が本体410の断面形状と同一の略Ω字状に形成され、キャップ端面469に向かってなめらかに縮径しながら一方側に傾斜し、実施の形態2におけるエンドキャップ260に準じた形態である。
すなわち、一方の端面の断面が、キャップ天部461と、キャップ凸側上部462と、キャップくびれ部463と、キャップ凸側フランジ部464と、キャップ凹側上部465と、キャップ凹側下部466と、キャップ凹側フランジ部467と、を具備し、キャップ端面469とがキャプ曲面468によってなめらかにつながっている。
【0065】
[鋼製ブロック構造体4の施工方法]
鋼製ブロック構造体4の施工は、鋼製ブロック構造体3の施工方法の一部、すなわち、ベースプレート420に本体410を設置する要領が相違するのみで、その他の要領は同じである(準じる)から、説明を一部省略する。
【0066】
(エンドキャップ460aの施工方法)
図16において、本体410aの一方の端部にエンドキャップ460aを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8にアンカー金物40a、40bを設置する工程(S4−11)と、
アンカー金物40a、40bにベースプレート420a、420bを載置して、両者を固定手段50によって固定する工程(S4−12)と、
ベースプレート420a、420bの上方に本体410aを配置して、ベース側上部422a、422bの外面に本体側下部414aの内面を押し当てて、本体410aを押し下げることによって、ベースくびれ部423a、423bに本体くびれ部413aを嵌入させる工程(S4−13、
図14の(b)参照)と、
エンドキャップ460aをベースプレート420aに載置して、歩行方向H(長手方向)に移動させることによって、キャップくびれ部463aがベースくびれ部423aを把持した状態にする工程(S4−14、
図14の(c)参照)と、
ベースくびれ部423aとキャップくびれ部463aとを接着剤によって接合する工程(S4−15)と、を有している。
【0067】
(本体410bの施工方法)
本体410aの他方の端部に本体410bを設置する要領は以下の工程を有する。
歩行者道8の凹部9にアンカー金物40cを設置する工程(S4−21)と、
アンカー金物40cにベースプレート420cを載置して、両者を固定手段50によって固定する工程(S4−22)と、
ベースプレート420b、420cの上方に本体410bを配置して、ベース側上部422b、422cの外面に本体側下部414bの内面を押し当てて、本体410bを押し下げることによって、ベースくびれ部423b、423cに本体くびれ部413bを嵌入させる工程(S4−23、
図14の(b)および(c)参照)と、を有している。
【0068】
よって、鋼製ブロック構造体4の施工方法は、本体410を長手方向に移動することなく、下方に押し込むことによってベースプレート420に設置するから、施工が容易であって、鋼製ブロック構造体1の施工方法(実施の形態2)と同様の作用効果が得られる。
なお、ベースプレート420および本体410は何れも鋼板によって形成されているから、ベースくびれ部423a、423bに本体くびれ部413aを嵌入する際、前者の間隔(幅)が縮小する弾性変形、あるいは後者の間隔(幅)が拡大する弾性変形の一方または両方が容易である。
また、キャップくびれ部463aがベースくびれ部423aを把持した状態にする際、キャップくびれ部463aまたはベースくびれ部423aの一方または両方が弾性変形している。
なお、エンドキャップ460aの端部にベース底部421に当接自在な接合片を設置して、該接合片とベース底部421とを接着剤によって接着するようにしてもよい。さらに、ベースくびれ部423aと本体くびれ部413a等を接合してもよい。