特許第5649511号(P5649511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5649511アンテナおよび通信機器並びにアンテナの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649511
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】アンテナおよび通信機器並びにアンテナの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/38 20060101AFI20141211BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20141211BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20141211BHJP
   H05K 3/24 20060101ALI20141211BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   H01Q1/38
   H01Q1/24 Z
   H01P11/00 N
   H05K3/24 C
   H05K3/18 A
   H05K3/18 H
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-108369(P2011-108369)
(22)【出願日】2011年5月13日
(65)【公開番号】特開2012-239131(P2012-239131A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2014年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145378
【氏名又は名称】株式会社秀峰
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(72)【発明者】
【氏名】村岡 貢治
【審査官】 米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−197435(JP,A)
【文献】 特開2007−324641(JP,A)
【文献】 特開2008−283587(JP,A)
【文献】 特開2010−226513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/38
H01P 11/00
H01Q 1/24
H05K 3/18
H05K 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷体に所定のアンテナパターンに印刷された下地印刷層と、
該下地印刷層の表面に施された無電解メッキ層と、
を有し、
前記下地印刷層が、所定の粒径分布を具備する複数の金属粉体を含むインキによって形成され、
前記金属粉体のうち一部の粒子が、前記下地印刷層を形成するインキ層内に取り込まれ、前記金属粉体のうち一部の粒子が、前記下地印刷層を形成するインキ層から突出すると共に、該突出した部分を覆うインキの一部が除去されていることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記金属粉体は、前記インキに体積比で30〜70%含まれることを特徴とする請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
前記無電解メッキ層がCuによって形成され、該Cuからなる無電解メッキ層の表面に、Niからなる無電解メッキ層が形成されることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ。
【請求項4】
前記Niからなる無電解メッキ層の表面に、Auからなる無電解メッキ層が形成されることを特徴とする請求項3記載のアンテナ。
【請求項5】
前記金属粉体は、Cu、Ni、Fe、Mg、Pd、Ag、AuまたはCの何れか、またはCu、Ni、Fe、Mg、Pd、AgまたはAuの何れかの合金であって、
前記金属粉体のうちの略95%の金属粉体の粒径が0.04〜50μmの範囲に分布し、前記金属粉体のうちの略40%の金属粉体の粒径が5〜30μmの範囲に分布していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のアンテナ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載のアンテナを有することを特徴とする通信機器。
【請求項7】
被印刷体に、所定の粒径分布を具備する複数の金属粉体を含むインキによって所定のアンテナパターンの下地印刷層を形成する印刷工程と、
前記金属粉体のうち前記下地印刷層を形成するインキ層から突出した金属粉体について、前記インキ層から突出した部分を覆う前記インキの一部を除去するインキ除去工程と、
前記下地印刷層の表面に無電解メッキ層を形成する無電解メッキ工程と、
を有することを特徴とするアンテナの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナおよび通信機器並びにアンテナの製造方法、特に、面材に設置されたアンテナおよび該アンテナが設置された面材を有する通信機器並びに該アンテナの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線による送受信機能を有するパーソナルコンピュータや携帯電話等を含む各種通信機器において、広い周波数域に対応可能で、しかも、スペースを取らないアンテナが要請されていた。かかる要請に応えるため、本発明の発明者は、通信機器の筐体にアンテナを印刷する発明を開示している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−283587号公報(第5−6頁、図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された発明は、被印刷体(例えば、携帯電話機の外面等)に導電性インキによってアンテナパターンを印刷し、その上に無電解メッキおよび電解メッキを施し、さらにその上に化粧コートを被覆するものであるため、前記要請に応えることが可能であった。
しかしながら、被印刷体に通電のための接点を設ける必要があることから、接点を設けたり、通電を確実にするための治具を用意したりすることにより作業の手間が増し、作業能率の低下によって製造コストを安価に抑えることが困難であった。また、通電のための接点となった範囲にはメッキが付着しないため、該メッキが付着しなかった部分から腐食(酸化)が進むおそれがあった。このため、さらなる製造コストの低減や長期的な品質の安定対策が要請されていた。
また、導電性インキには多量の金属粉体が混合されるため、導電性インキ層と無電解メッキ層との間の密着性が必ずしも十分に堅固でなく、長期使用による外観の意匠性や耐久性に対する信頼性に若干の不安があった。このため、密着性を増して信頼性の向上を図りたいとする要請があった。
【0005】
本発明は上記要請に応えるものであって、簡素な作業でありながら、品質の信頼性が向上したアンテナ、および該アンテナを有する通信機器並びにアンテナの製造方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るアンテナは、被印刷体に所定のアンテナパターンに印刷された下地印刷層と、該下地印刷層の表面に施された無電解メッキ層と、を有し、
前記下地印刷層が、所定の粒径分布を具備する複数の金属粉体を含むインキによって形成され、
前記金属粉体のうち一部の粒子が、前記下地印刷層を形成するインキ層内に取り込まれ、前記金属粉体のうち一部の粒子が、前記下地印刷層を形成するインキ層から突出すると共に、該突出した部分を覆うインキの一部が除去されていることを特徴とする。
(2)前記(1)において、前記金属粉体は、前記インキに体積比で30〜70%含まれることを特徴とする
(3)前記(1)または(2)において、前記無電解メッキ層がCuによって形成され、該Cuからなる無電解メッキ層の表面に、Niからなる無電解メッキ層が形成されることを特徴とする。
(4)前記(3)において、前記Niからなる無電解メッキ層の表面に、Auからなる無電解メッキ層が形成されることを特徴とする。
(5)前記(1)乃至(4)の何れかにおいて、前記金属粉体は、Cu、Ni、Fe、Mg、Pd、Ag、AuまたはCの何れか、またはCu、Ni、Fe、Mg、Pd、AgまたはAuの何れかの合金であって、
前記金属粉体のうちの略95%の金属粉体の粒径が0.04〜50μmの範囲に分布し、前記金属粉体のうちの略40%の金属粉体の粒径が5〜30μmの範囲に分布していることを特徴とする。
【0007】
(6)本発明に係る通信機器は、前記(1)乃至(5)の何れかに記載のアンテナを有することを特徴とする。
(7)本発明に係るアンテナの製造方法は、被印刷体の表面に、所定の粒径分布を具備する複数の金属粉体を含むインキによって所定のアンテナパターンの下地印刷層を形成する印刷工程と、
前記金属粉体のうち前記下地印刷層を形成するインキ層から突出した金属粉体について、前記インキ層から突出した部分を覆う前記インキの一部を除去するインキ除去工程と、
前記下地印刷層の表面に無電解メッキ層を形成する無電解メッキ工程と、
を有することをを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
(i)本発明に係るアンテナは、金属粉体を含むインキによって形成された下地印刷層の表面に無電解メッキ層が施されたものであるから、通電のための接点を設けたり、通電を確実にするための治具を用意したりする必要がなく、作業が簡素で迅速になるため、製造コストを安価に抑えることができる。また、接点が無いから、部分的にメッキが付着しない範囲がなく、局部的な腐食(酸化)が発生するおそれがない。
さらに、金属粉体のうち一部の粒子がインキ層内に取り込まれ(小さな粒子の一部はインキ層の表面に露出している)、金属粉体のうち一部の粒子がインキ層から突出すると共に、該突出した部分を覆うインキの一部が除去されるから(大きな粒子の一部については、突出した部分を覆うインキが除去されないものもある)、無電解メッキ層との間の密着性が良好になり、長期使用による外観の意匠性や耐久性に対する信頼性の向上を図ることができる。
なお、前記「インキ」や「下地印刷層」における絶縁とは、電気を全く通さない(電気抵抗値が略無限大である)ことを指すものではなく、金属粉体の電気抵抗値に比較して大きな電気抵抗を有することを意味しているから、難導電あるいは大電気抵抗と読み替えることができるものである。
(ii)また、本発明に係る通信機器は、前記アンテナを有するから、製造コストを安価に抑えることができると共に、長期使用による外観の意匠性や耐久性に対する信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係るアンテナを説明する模式的に示す断面図および一部(下地印刷層)を模式的に示す拡大断面図。
図2】金属粉体の積算形粒度分布(沈降法)および微分形粒度分布(沈降法)の一例を示す分布グラフ。
図3】本発明の実施の形態2に係るアンテナを説明する模式的に示す断面図。
図4】本発明の実施の形態3に係る通信機器を説明する携帯電話およびパーソナルコンピュータを模式的に示す斜視図。
図5】本発明の実施の形態4に係るアンテナの製造方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1:アンテナ]
図1は本発明の実施の形態1に係るアンテナを説明するものであって、図1の(a)は模式的に示す断面図、図1の(b)は一部(下地印刷層)を模式的に示す拡大断面図、図2の(a)は金属粉体の積算形粒度分布(沈降法)の一例を示す分布グラフ、図2の(b)は金属粉体の微分形粒度分布(沈降法)の一例を示す分布グラフである。
図1の(a)において、アンテナ10は、被印刷体1の表面に所定のアンテナパターンに印刷された下地印刷層2と、下地印刷層2の表面に施された無電解メッキ層3とを有している。
アンテナパターンは、アンテナに要求される性能や被印刷体の形状(大きさ等)によって様々であり、アンテナパターンの線幅(下地印刷層2の線幅、および無電解メッキ層3の線幅に同じ)は限定するものではない。
なお、表面とは文字通りの表面に限定するものではなく、裏面、表側面、裏側面、あるいはこれらの面同士がつながる角面あるいは隅面を含むものである。
【0011】
図1の(b)において、下地印刷層2は、インキ2aと金属粉体2bとから形成され、インキ2aが略均一厚さ(例えば、7μm程度)に印刷されたインキ層(斜線にて示す)内に金属粉体2bのうち一部の粒子(インキ層の厚さより粒径が小さい粒子)が取り込まれている。なお、インキ層の厚さより粒径が小さい粒子であっても、その一部がインキ層の表面に露出しているものもある(図1の(b)参照)。
また、金属粉体2bのうち一部の粒子(主に、インキ層の厚さより粒径が小さい粒子)がインキ層から突出すると共に、突出した部分を覆うインキ2aの一部が除去されている。なお、突出した部分を覆うインキが除去されない金属粉体2bもある(図1の(b)参照)。
【0012】
例えば、図2の(a)および(b)において、金属粉体2bは、その略95%の金属粉体の粒径が0.04〜50μmの範囲に分布し、さらに、そのうちの略40%の金属粉体の粒径が5〜30μmの範囲に分布している。なお、金属粉体2bには、20μm以上の粒径の粗粒粉や0.4μm以下の微細粉も含まれている。
また、金属粉体2bはインキ2aに対して体積比で30〜70%、好ましくは40〜60%含まれている。そのため、下地印刷層2は、金属粉体2bの電気抵抗値に比較して大きな電気抵抗を有し、絶縁性であると言える。
そして、前記のように、金属粉体2bのうち粒径の大きな粒子のインキ層から突出した部分を覆うインキ2aの一部が除去されているから、無電解メッキが緩慢に進行することによって、下地印刷層2と無電解メッキ層3との密着性が良好になり、長期使用による外観の意匠性や耐久性に対する信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
無電解メッキ層3は、CuまたはNiにより厚さ7〜15μmに形成されて、その線幅は下地印刷層2の線幅に略同一であるから、アンテナとしての機能を具備している。
なお、無電解メッキ層3を形成する材料(金属)は、CuまたはNiに限定されるものではなく、何れであってもよい。
また、無電解メッキ層3の表面に、Au(金)による無電解メッキ層をさらに形成してもよい。
なお、金属粉体2bである材料(金属)も限定されるものではなく、Cu、Ni、Fe、Mg、Pd、Ag、AuまたはCの何れか、またはCu、Ni、Fe、Mg、Pd、AgまたはAuの何れかの合金であってもよい。さらに、粒度(粒径)分布は図2に示された一例である分布に限定されるものではない。
【0014】
[実施の形態2:アンテナ]
図3は本発明の実施の形態2に係るアンテナを説明する模式的に示す断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3において、アンテナ20は、被印刷体1の表面に所定のアンテナパターンに印刷された下地印刷層2と、下地印刷層2の表面に施された無電解メッキ層3と、無電解メッキ層3の表面を覆う被覆面4と、被印刷体1の表面の下地印刷層2によって覆われた範囲を除く範囲を覆う予備コート層5と、被覆面4および予備コート層5を覆う化粧コート層6と、を有している。
【0015】
被覆面4は、シリコーンオイルを5〜30%(好ましくは10%)含有したインキによる被膜であって、乾燥した状態で、予備コート層5を「はじく」いわゆる撥水性を有している。
予備コート層5は、乾燥した状態の被覆面4によってはじかれ、被覆面4の表面に付着しないため、被印刷体1のアンテナパターン(被覆面4)を除く範囲にベタ印刷または塗布されたものである。予備コート層5の表面位置は被覆面4の表面位置と同一になるようにされ、化粧コート層6が施される面を均一な面(凹凸の無い面)にするものであるから、被印刷面1および化粧コート層6との密着性が良好なものであれば、その材質を限定するものではない。
化粧コート層6は、極薄コート剤によって被覆面4および予備コート層5を覆うものであって、意匠的な要請等によって1層または複数層が重ねられる。なお、化粧コート層6を施す前に、被覆面4の表面に濡れ性を付与するため、化学的または物理的手段によって表面に微細凹凸を形成し、被覆面4の表面を活性化している。
したがって、アンテナパターン(無電解メッキ層3に同じ)を視認不能にすることができるから、アンテナ20を通信機器等の外表面に設けても、通信機器等の美観が損なわれることがない。また、化粧コート層6を適宜選定することができるから、意匠性を高めることが可能になる。
【0016】
[実施の形態3:通信機器]
図4は本発明の実施の形態3に係る通信機器を説明するものであって、(a)は携帯電話を模式的に示す斜視図、(b)はパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と称す)を模式的に示す一部を透過した斜視図である。
図4の(a)において、携帯電話100は、本体ケース110の内面(裏面に同じ)112にアンテナ10a、10bが設けられている。内面112は液晶画面またはキーボード(図示しない)等によって覆われるため、アンテナ10a、10bが外部から視認されることはない。
また、アンテナ10aおよびアンテナ10bは実施の形態1に示すアンテナ10に同じであって、前記効果を有するから、携帯電話100は長期使用による耐久性に対する信頼性が向上している。
なお、アンテナ10aおよびアンテナ10bは、それぞれ発信または受信する周波数に応じて、切り替えて使用される。また、携帯電話100はアンテナ10a、10bを有するものに限定するものではなく、一方のみ有するものであっても、第3のアンテナ10あるいは、本体ケース110の外面にアンテナ20を有するものであってもよい。
【0017】
図4の(b)において、パソコン200は、蓋210の外面(表面に同じ)211にアンテナ20が設けられている。アンテナ20の化粧コート層6は、アンテナ20の部分のみならず外面211の全域を覆っている。
したがって、アンテナパターン(無電解メッキ層3に同じ)が視認不能であるから、アンテナ20としての通信機能を確保した上で、パソコン200の美観が損なわれることなく、意匠性を高めることが可能になっている。
なお、パソコン200はアンテナ20を有するものに限定するものではなく、複数のアンテナ20を有するものであっても、アンテナ20と共に、あるいはアンテナ20の代わりに内面(裏面に同じ)にアンテナ10を有するものであってもよい。
【0018】
[実施の形態4:アンテナの製造方法]
図5は本発明の実施の形態4に係るアンテナの製造方法を示すフローチャートである。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部位には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図5において、アンテナの製造方法400は、被印刷体1の表面に、所定の粒径分布を具備する複数の金属粉体2bを含むインキ2aによって所定のアンテナパターンの下地印刷層2を形成する印刷工程(S1)と、
金属粉体2bのうち下地印刷層2を形成するインキ層(図1の(b)において斜線にて示す)から突出した金属粉体2bについて、インキ層から突出した部分を覆うインキ2aの一部を除去するインキ除去工程(S2)と、
下地印刷層2の表面に無電解メッキ層3を形成する無電解メッキ工程(S3)と、を有する。
【0019】
したがって、アンテナの製造方法400によって実施の形態1に示したアンテナ10を、簡素な装置(通電機器や接点を保持するための治工具類を不要にする)による簡単な作業によって得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明によれば、アンテナパターンの形態(形状、広がり範囲)は限定されるものではないから、様々な周波数に対応したアンテナおよびアンテナの製造方法として、また無線によって信号を送信または受信する各種装置の通信部分として広く利用することができる。また、パソコンや携帯電話等を初めとする各種通信機器として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 被印刷体
2 下地印刷層
2a インキ
2b 金属粉体
3 無電解メッキ層
4 被覆面
5 予備コート層
6 化粧コート層
10 アンテナ(実施の形態1)
20 アンテナ(実施の形態2)
100 携帯電話(実施の形態3)
110 本体ケース
112 内面
200 パソコン(実施の形態3)
210 蓋
211 外面
400 アンテナの製造方法(実施の形態4)
図1
図2
図3
図4
図5