(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本技術の実施の形態について図を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.液晶表示装置の構成例
2.液晶表示装置の立体画像表示処理
3.電子機器への適用例
【0018】
<1.液晶表示装置の構成例>
図1は、本技術を適用した液晶表示装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0019】
液晶表示装置11は、例えば、携帯電話機やタブレットPC等の携帯可能な電子機器に搭載され、パララックスバリア方式による3次元の立体画像と、2次元の平面画像との表示の切り替えを必要に応じて行いながら、立体画像や平面画像を表示する。特に、液晶表示装置11は、画像表示が行われる矩形形状の画素領域が、x方向に長いランドスケープ(横長)の状態、および、y方向に長いポートレート(縦長)の状態のいずれにおいても、その表示された画像を観察者(視聴者)AUDが視認可能なように構成されている。また、液晶表示装置11は、立体画像を表示する際、観察者AUDの頭の位置に応じて立体画像を表示するように構成されている。
【0020】
液晶表示装置11は、表示部21、制御部22、およびカメラ23から構成される。
【0021】
表示部21は、バックライト、光変調パネル、およびパララックスバリアからなり、観察者AUDの右眼で観察(知覚)される右眼用画像と、観察者AUDの左眼で観察される左眼用画像とからなる3次元の立体画像や、2次元の平面画像を表示する。表示部21においては、パララックスバリアは、光変調パネルとバックライトの間に配置されている。なお、表示部21の詳細は、
図2を参照して後述する。
【0022】
制御部22は、表示部21の各部、すなわち、バックライトや光変調パネル、パララックスバリアの動作を制御する。具体的には、制御部22は、表示部21の図示せぬ表示ドライバを駆動させて光変調パネルに画像を表示させたり、バックライトから光を射出させたりする。また、制御部22は、表示部21のパララックスバリアの駆動を制御することで、光変調パネルに立体画像を表示させる。
【0023】
カメラ23は、所定のタイミングで観察者AUDを撮像し、撮像の結果得られた画像(カメラ画像)を制御部22に供給する。制御部22は、カメラ23からのカメラ画像に基づいて、観察者AUDの頭の位置を特定する。すなわち、カメラ23は、観察者AUDの頭の位置を検出するセンサとして機能する。したがって、カメラ23は、観察者AUDを撮像する機能を有しなくとも、観察者AUDの頭の位置を検出する構成であればよい。
【0024】
次に、制御部22の詳細な構成について説明する。
【0025】
制御部22は、表示状態判定部31、バリア駆動制御部32、および表示制御部33を備えている。
【0026】
表示状態判定部31は、表示部21において画像表示が行われる矩形形状の画素領域、言い換えると、表示部21の表示領域における画像の表示状態が、ランドスケープ(横長)表示の状態であるか、またはポートレート(縦長)表示の状態であるかを判定し、その判定結果を、バリア駆動制御部32および表示制御部33に供給する。
【0027】
バリア駆動制御部32は、液晶表示装置11が立体画像を表示する際、表示部21のパララックスバリアの駆動を制御し、バックライトからパララックスバリアに入射する光の一部を遮光させることで、両眼視差を生じさせる。具体的には、バリア駆動制御部32は、パララックスバリアに、光を透過させるスリット領域と、光を遮光する遮光領域とを形成させることで、右眼用画像と左眼用画像を分離させる。特に、バリア駆動制御部32は、表示状態判定部31からの表示状態の判定結果に応じたパララックスバリアを形成し、カメラ23によって検出された観察者AUDの頭の位置に応じて、パララックスバリアにスリット領域と遮光領域とを形成させる。
【0028】
表示制御部33は、表示部21における画像の表示を制御する。特に、表示制御部33は、表示状態判定部31からの表示状態の判定結果と、カメラ23からによって検出された観察者AUDの頭の位置とに応じて、表示部21における画像の表示を制御する。
【0029】
[表示部の構成例]
次に、
図2を参照して、
図1の表示部21の詳細な構成例について説明する。なお、
図2において横方向、奥行き方向、および縦方向を、それぞれx方向、y方向、およびz方向とする。
【0030】
表示部21は、バックライト41、パララックスバリア42、および光変調パネル43から構成される。上述したように、表示部21においては、パララックスバリア42が、バックライト41と光変調パネル43との間に配置されている。
【0031】
バックライト41は、導光板、LED(Light Emitting Diode)等の光源、反射シートなどからなる画像ディスプレイ専用の照明装置であり、画像を表示させるための光を射出し、パララックスバリア42を介して光変調パネル43に入射させる。
【0032】
パララックスバリア42は、偏光板やスイッチ液晶層などからなり、立体画像の表示時において、バックライト41から入射した光の一部を遮光し、残りの一部を透過させて光変調パネル43に入射させることで、右眼用画像と左眼用画像を光学的に分離させる。また、パララックスバリア42は、平面画像の表示時においては、バックライト41から入射した光をそのまま透過させ、光変調パネル43に入射させる。
【0033】
パララックスバリア42は、偏光板51、偏光板61、透明基板62、透明基板63、スイッチ液晶層64、および透明樹脂層65から構成されている。
図2では、偏光板61は、パララックスバリア42を構成する部材としても、光変調パネル43を構成する部材としても用いられている。なお、ここでは、偏光板61は、パララックスバリア42と光変調パネル43の間に形成されている透明樹脂層65中で、光変調パネル43側に設けられているが、パララックスバリア42(透明基板62)側に設けられるようにしてもよい。
【0034】
パララックスバリア42では、対向して配置された偏光板51と偏光板61の間に、平板状の透明基板62と透明基板63が互いに対向するように設けられている。そして、透明基板62と透明基板63との間にスイッチ液晶層64が形成されている。
【0035】
透明基板62と透明基板63のスイッチ液晶層64側の面には、電極が形成されており、バリア駆動制御部32の制御により、この電極の一部または全部に電圧が印加されると、スイッチ液晶層64内の液晶分子の配向方向が変化する。すなわち、バリア駆動制御部32は、スイッチ液晶層64の駆動を制御し、パララックスバリア(視差バリア)を形成する。スイッチ液晶層64は、例えば、ツイストネマティック液晶からなり、電圧が印加された部分で光を遮断(遮光)し、電圧が印加されていない部分で光を透過する。したがって、スイッチ液晶層64において、光を遮光する遮光領域に電圧を印加することで、パララックスバリアが形成されるようになる。
【0036】
図2の例では、バックライト41から入射した光を透過させるスリット領域71−1乃至スリット領域71−6と、バックライト41から入射した光を遮光する遮光領域72−1乃至遮光領域72−6とからなるパララックスバリアが、スイッチ液晶層64に形成されている。
【0037】
なお、以下においては、スリット領域71−1乃至スリット領域71−6を個々に区別する必要のない場合、単にスリット領域71とも称し、遮光領域72−1乃至遮光領域72−6を個々に区別する必要のない場合、単に遮光領域72とも称する。
【0038】
表示部21では、立体画像の表示時には、透明基板62と透明基板63の電極に電圧が印加されて、スイッチ液晶層64にパララックスバリアが形成される。このような場合、バックライト41から射出され、偏光板51で直線偏光とされた光のうち、スリット領域71に入射した光は、液晶層で偏光方向が90°回転し、偏光板61を透過する。これに対して、バックライト41から射出され、偏光板51で直線偏光とされた光のうち、遮光領域72に入射した光は、偏光方向が回転しないため、偏光板61に吸収されてパララックスバリア42からは射出されない。
【0039】
また、表示部21では、平面画像の表示時には、透明基板62と透明基板63の電極に電圧は印加されず、スイッチ液晶層64にパララックスバリアが形成されない。つまり、スイッチ液晶層64の全領域がスリット領域71と同じ状態となる。この場合、バックライト41から入射した光は全て、パララックスバリア42を透過して、光変調パネル43に入射することになる。
【0040】
光変調パネル43は、R,G,Bの各色のカラーフィルタ、液晶層、偏光板、薄膜トランジスタなどからなる液晶表示パネルであり、バックライト41からパララックスバリア42を介して入射した光を透過させることで、画像を表示する。このとき、光変調パネル43は、光変調パネル43に設けられた画素ごとに、光の透過率を変化させることで、画像の各画素の階調表示を行う。
【0041】
光変調パネル43は、偏光板61、偏光板81、対向基板82、TFT(Thin Film Transistor)基板83、および液晶層84から構成されている。
【0042】
すなわち、対向して配置された偏光板61と偏光板81の間に、平板状の対向基板82とTFT基板83とが互いに対向するように設けられている。そして、対向基板82とTFT基板83との間に液晶層84が形成されている。
【0043】
対向基板82の液晶層84側の面には、画素ごとにカラーフィルタや対向電極が設けられている。特に、対向基板82の各画素の領域には、R,G,Bの各色のカラーフィルタが設けられている。また、TFT基板83の液晶層84側の面には、画素電極や駆動素子であるTFT(薄膜トランジスタ)が画素ごとに設けられている。
【0044】
液晶層84には、立体画像表示時に、左眼用画像を表示するための光を透過させる透過部91L−1乃至透過部91L−6と、立体画像表示時に、右眼用画像を表示するための光を透過させる透過部91R−1乃至透過部91R−6とが設けられている。光変調パネル43では、行列状に配置された各画素に1つの透過部が設けられている。
【0045】
立体画像または平面画像の表示時においては、表示制御部33の制御により、対向基板82の対向電極と、TFT基板83の画素電極に電圧が印加されると、その電圧の大きさに応じて、透過部91L−1乃至透過部91R−6内に封入されている液晶分子の配向方向が変化する。これにより、バックライト41からパララックスバリア42を介して光変調パネル43に入射した光の透過率が変化し、各画素を透過する光の量が、それらの画素に表示される画像の画素の画素値に対応する光量となる。
【0046】
なお、以下においては、透過部91L−1乃至透過部91L−6を個々に区別する必要のない場合、単に透過部91Lとも称し、透過部91R−1乃至透過部91R−6を個々に区別する必要のない場合、単に透過部91Rとも称する。また、透過部91Lと透過部91Rを特に区別する必要のない場合、単に透過部91とも称する。
【0047】
光変調パネル43では、xy平面上において、透過部91Lと透過部91Rとがx方向に交互に設けられており、y方向には、透過部91Lまたは透過部91Rの何れかが連続して並べられている。
【0048】
したがって、立体画像の表示時において、表示状態がランドスケープの場合、光変調パネル43には、
図3に示されるように、立体画像を構成する左眼用画像(L画像)の矩形状の領域と、立体画像を構成する右眼用画像(R画像)の矩形状の領域とがx方向に交互に並べられて表示される。
【0049】
図3においては、各画素に対応するカラーフィルタが示されている。
図3のカラーフィルタは、赤色(R)の光のみを透過させるカラーフィルタ101R、緑色(G)の光のみを透過させるカラーフィルタ101G、および青色(B)の光のみを透過させるカラーフィルタ101Bから構成される。
【0050】
すなわち、本実施の形態において、1画素は、3色のカラーフィルタ101R,101G,101Bに対応する3つのサブ画素から構成されている。そして、それぞれのサブ画素は、ストライプ状に配列されるストライプ配列をなしており、表示状態がランドスケープの場合、画像表示の際の矩形形状の画素領域は、x方向に長い縦長の状態とされている。
【0051】
また、表示状態がポートレートの場合、光変調パネル43には、
図4に示されるように、立体画像を構成する左眼用画像(L画像)の矩形状の領域と、立体画像を構成する右眼用画像(R画像)の矩形状の領域とがy方向に交互に並べられて表示される。本実施の形態において、表示状態がポートレートの場合には、
図4に示されるように、画像表示の際の矩形形状の画素領域は、y方向に長い縦長の状態とされ、L画像およびR画像における1画素は、図中下に行くにつれ右に1サブ画素ずつずれて配置されるようになる。
【0052】
なお、光変調パネル43では、1つの画素、すなわち1つの透過部91を透過する光が、画像上の1つの画素を表示する光となる。
【0053】
ここで、立体画像を構成する左眼用画像と右眼用画像は、互いに視差を有する画像であるが、ランドスケープ表示の場合、
図2におけるx方向が左眼用画像と右眼用画像の視差の方向(視差方向)、つまり観察者の左右の眼が並ぶ方向となり、視差方向とカラーフィルタのラインの方向(矩形形状の画素領域の長手方向)とは平行となる。また、ポートレート表示の場合、
図2におけるy方向が左眼用画像と右眼用画像の視差方向となり、視差方向とカラーフィルタのラインの方向とは直交するようになる。
【0054】
また、2次元の平面画像の表示時においては、各透過部91は、バックライト41から全面白状態のパララックスバリア42を介して入射してきた、平面画像を表示させるための光を透過させ、観察者の眼に入射させる。
【0055】
[パララックスバリアを形成する電極について]
ここで、
図5を参照して、パララックスバリア42において、透明基板62と透明基板63のスイッチ液晶層64側の面に形成される電極について説明する。
【0056】
図5に示されるように、透明基板62と透明基板63のスイッチ液晶層64側の面には、2つの電極111,112が形成されている。なお、
図5において、領域AAは、表示部21の表示領域のアクティブエリアに対応する領域を示している。
【0057】
電極111には、表示部21の表示状態がランドスケープである場合に電圧が印加される。これにより、スイッチ液晶層64には、ストライプ状のパララックスバリア(遮光領域とスリット領域)が形成されるようになる。
【0058】
電極112は、電極112Aおよび電極112Bからなり、電極112A,Bそれぞれには、表示部21の表示状態がポートレートである場合に電圧が印加される。これにより、スイッチ液晶層64には、
図6に示されるような、ステップ状のパララックスバリア(遮光領域とスリット領域)が形成されるようになる。
【0059】
具体的には、電極112Aに5V(または−5V)の電圧が印加され、電極112Bおよび電極111に0Vの電圧が印加されると、
図6に示されるように、スイッチ液晶層64には、バックライト41から入射した光を遮光する遮光領域151−1乃至遮光領域151−8と、バックライト41から入射した光を透過させるスリット領域152−1乃至スリット領域152−8とからなるパララックスバリアが形成される。
【0060】
なお、以下においては遮光領域151−1乃至遮光領域151−8を個々に区別する必要のない場合、単に遮光領域151とも称し、スリット領域152−1乃至スリット領域152−8を個々に区別する必要のない場合、単にスリット領域152とも称する。
【0061】
図6に示すスリット領域152は、x方向に長い矩形領域が図中、右下方向に並べられてできる領域であり、パララックスバリアは、遮光領域151とスリット領域152とが、y方向に交互に並べられたステップ状のバリアとなっている。
【0062】
このようなパララックスバリアが形成された場合、観察者が所定の視点位置から液晶表示装置11を見ると、
図7に示されるように、光変調パネル43上の領域Q21乃至領域Q24が、観察者の右眼の視認領域となり、領域P21および領域P24が、観察者の左眼の視認領域となる。これにより、観察者には、異なる視点の画像からなる立体画像が知覚されることになる。
【0063】
<2.液晶表示装置の立体画像表示処理>
次に、
図8を参照して、液晶表示装置11の立体画像表示処理について説明する。
【0064】
ステップS11において、制御部22の表示状態判定部31は、光変調パネル43の表示状態がランドスケープか否かを判定する。
【0065】
ステップS11において、表示状態がランドスケープであると判定された場合、処理はステップS12に進む。
【0066】
ステップS12において、バリア駆動制御部32は、カメラ23によって検出された観察者AUDの位置に応じて、スイッチ液晶層64の遮光領域72の位置を移動させるように、パララックスバリア42の駆動を制御する。なお、このとき、バリア駆動制御部32は、パララックスバリア42に、ストライプ状のパララックスバリアを形成させる。
【0067】
図9は、所定の時刻における観察者AUDの頭の位置と、スイッチ液晶層64および液晶層84の状態を示している。
【0068】
図9において、スイッチ液晶層64のマス目のそれぞれは、電極111によって形成される領域であり、白抜きの領域はスリット領域を、網かけされた領域は遮光領域を示している。
図9においては、領域211−1乃至211−3がスリット領域とされ、領域211−4乃至211−7が遮光領域とされている。
【0069】
また、液晶層84のマス目のそれぞれは、各画素に対応する部分であり、「R」の文字が記されている部分は、右眼用画像を表示するための光を透過させる透過部を、「L」の文字が記されている部分は、左眼用画像を表示するための光を透過させる透過部を示している。
図9においては、図示せぬバックライト41からの光BLR1が、領域211−2および透過部221Rを透過して観察者AUDの右眼に入射され、図示せぬバックライト41からの光BLL1が、領域211−2および透過部221Lを透過して観察者AUDの左眼に入射されている。
【0070】
図9に示される状態から、観察者AUDが図中右側に移動すると、
図10に示されるように、領域211−2乃至211−4がスリット領域とされ、領域211−1,211−5乃至211−7が遮光領域とされる。すなわち、観察者AUDの頭の位置に応じて、遮光領域とスリット領域の位置が移動(シフト)する。これにより、
図10においては、図示せぬバックライト41からの光BLR2が、領域211−3および透過部221Rを透過して観察者AUDの右眼に入射され、図示せぬバックライト41からの光BLL2が、領域211−3および透過部221Lを透過して観察者AUDの左眼に入射されるようになる。
【0071】
このように、観察者AUDが移動した場合でも、観察者AUDは、透過部221R,221Lに対応する画像を観察(視聴)し続けることができる。これにより、左眼用画像と右眼用画像とが入れ替わる際の違和感を解消することができるようになる。
【0072】
さて、
図8のフローチャートに戻り、ステップS11において、表示状態がランドスケープでないと判定された場合、すなわち、表示状態がポートレートである場合、処理はステップS13に進む。
【0073】
ステップS13において、バリア駆動制御部32は、スイッチ液晶層64の駆動を制御することにより、電極112Aに5V(または−5V)の電圧を印加し、電極112Bおよび電極111に0Vの電圧を印加することで、ポートレート用のバリアをオンする。すなわち、バリア駆動制御部32は、パララックスバリア42に、ステップ状のパララックスバリアを形成させる。
【0074】
ステップS14において、表示制御部33は、カメラ23によって検出された観察者AUDの頭の位置に応じて、光変調パネル43に表示される左眼用画像および右眼用画像の位置を移動させるように、光変調パネル43の表示を制御する。
【0075】
図11は、所定の時刻における観察者AUDの頭の位置と、スイッチ液晶層64および液晶層84の状態を示している。
【0076】
図11において、スイッチ液晶層64のマス目のそれぞれは、電極112によって形成される領域であり、白抜きの領域はスリット領域を、網かけされた領域は遮光領域を示している。
図11においては、領域241はスリット領域とされている。
【0077】
また、液晶層84のマス目のそれぞれは、各画素に対応する部分であり、網かけされた部分は、所定の右眼用画像および左眼用画像を表示するための光を透過させる透過部を、白抜きの部分は、その他の画像を表示するための光を透過させる透過部を示している。具体的には、透過部251−1乃至251−6のうち、透過部251−1乃至251−3は右眼用画像の画素に対応し、透過部251−4乃至251−6は左眼用画像の画素に対応している。
図11においては、図示せぬバックライト41からの光BLR1が、領域241および透過部251−2を透過して観察者AUDの右眼に入射されることで、透過部251−2を中心として右眼用画像が観察者に観察されている。また、図示せぬバックライト41からの光BLL1が、領域241および透過部251−5を透過して観察者AUDの左眼に入射されることで、透過部251−5を中心として左眼用画像が観察者に観察されている。
【0078】
図11に示される状態から、観察者AUDが図中右側に移動すると、
図12に示されるように、透過部251−2乃至251−4が右眼用画像の画素に対応し、透過部251−5乃至251−7が左眼用画像の画素に対応するようになされる。すなわち、観察者AUDの頭の位置に応じて、右眼用画像と左眼用画像の位置が移動(シフト)する。これにより、
図12においては、図示せぬバックライト41からの光BLR2が、領域241および透過部251−3を透過し、観察者AUDの右眼に入射されることで、透過部251−3を中心として右眼用画像が観察者に観察されるようになる。また、図示せぬバックライト41からの光BLL2が、領域241および透過部251−6を透過し、観察者AUDの左眼に入射されることで、透過部251−6を中心として左眼用画像が観察者に観察されるようになる。
【0079】
このように、観察者AUDが移動した場合でも、観察者AUDは、左眼用画像と右眼用画像を継続的に観察(視聴)し続けることができる。これにより、左眼用画像と右眼用画像とが入れ替わる際の違和感を解消することができるようになる。また、ステップ状のパララックスバリアによれば、スリット領域の開口幅の自由度を高くすることができる。
【0080】
なお、以上の処理は、所定のタイミング毎に繰り返されるようになされる。
【0081】
以上の処理によれば、表示状態がランドスケープである場合には、観察者(視聴者)の位置に応じて、遮光領域の位置を移動させるようにパララックスバリアの駆動が制御され、表示状態がポートレートである場合には、観察者の位置に応じて、左眼用画像と右眼用画像の表示位置を移動させるように光変調パネルの表示が制御される。これにより、表示状態がランドスケープであっても、ポートレートであっても、それぞれの表示状態に適した立体画像を観察者に視聴させることができる。すなわち、表示状態に関わらず、観察者の位置に応じて、立体画像の表示の最適化を図ることが可能となる。
【0082】
<3.電子機器への適用例>
次に、
図13乃至
図17を参照して、上述した実施の形態で説明した液晶表示装置の適用例について説明する。上述した実施の形態の液晶表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上述した実施の形態の液晶表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0083】
(適用例1)
図13は、上述した実施の形態の液晶表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を示している。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上述した実施の形態に係る液晶表示装置により構成されている。
【0084】
(適用例2)
図14は、上述した実施の形態の液晶表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を示している。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上述した実施の形態に係る液晶表示装置により構成されている。
【0085】
(適用例3)
図15は、上述した実施の形態の液晶表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示している。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上述した実施の形態に係る液晶表示装置により構成されている。
【0086】
(適用例4)
図16は、上述した実施の形態の液晶表示装置が適用されるビデオカメラの外観を示している。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上述した実施の形態に係る液晶表示装置により構成されている。
【0087】
(適用例5)
図17は、上述した実施の形態の液晶表示装置が適用される携帯電話機の外観を示している。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上述した実施の形態に係る液晶表示装置により構成されている。
【0088】
なお、以上においては、上述した実施の形態の立体画像表示装置は、2視点の画像を表示することで、観察者に対して立体画像を提供するものとしたが、立体画像に限らず、視点によって異なる複数の画像、すなわち多視点の画像を提供するようにしてもよい。具体的には、例えば、車の運転席と助手席とで異なる画像が視聴されるカーナビゲーションシステムに、本技術を適用するようにしてもよい。
【0089】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0090】
さらに、本技術は以下のような構成をとることができる。
(1) 左眼用画像と右眼用画像とを表示する液晶パネルと、両眼視差を生じさせる遮光部を有する遮光バリアと、観察者の位置を検出するセンサとを備える液晶表示装置において、
前記遮光バリアの駆動を制御するバリア駆動制御部と、
前記液晶パネルの表示を制御する表示制御部と、
前記液晶パネルに表示される画像の表示状態を判定する表示状態判定部と
を備え、
前記バリア駆動制御部は、前記画像の表示状態が第1の状態であると判定された場合に、前記センサにより検出された前記観察者の位置に応じて、前記遮光バリアにおける前記遮光部の位置を移動させるように前記遮光バリアの駆動を制御し、
前記表示制御部は、前記画像の表示状態が第2の状態であると判定された場合に、前記センサにより検出された前記観察者の位置に応じて、前記液晶パネルにおける前記左眼用画像と前記右眼用画像の表示位置を移動させるように前記液晶パネルの表示を制御する
液晶表示装置。
(2) 前記バリア駆動制御部は、
前記画像の表示状態が前記第1の状態であると判定された場合に、前記遮光バリアにストライプ状の前記遮光部を形成させ、
前記画像の表示状態が前記第2の状態であると判定された場合に、前記遮光バリアにステップ状の前記遮光部を形成させる
(1)に記載の液晶表示装置。
(3) 前記第1の状態は、視差方向と前記液晶パネルにおけるカラーフィルタのラインとが平行となる状態であり、
前記第2の状態は、視差方向と前記液晶パネルにおけるカラーフィルタのラインとが直交する状態である
(1)または(2)に記載の液晶表示装置。
(4) 前記画像を表示させるための光を前記液晶パネルに入射させるバックライトをさらに備え、
前記遮光バリアは、前記液晶パネルと前記バックライトの間に配置される
(1)乃至(3)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(5) 左眼用画像と右眼用画像とを表示する液晶パネルと、両眼視差を生じさせる遮光部を有する遮光バリアと、観察者の位置を検出するセンサとを備える液晶表示装置であって、
前記遮光バリアの駆動を制御するバリア駆動制御部と、
前記液晶パネルの表示を制御する表示制御部と、
前記液晶パネルに表示される画像の表示状態を判定する表示状態判定部と
を備える液晶表示装置の駆動方法において、
前記液晶表示装置が、
前記液晶パネルに表示される画像の表示状態を判定し、
前記画像の表示状態が第1の状態であると判定された場合に、前記センサにより検出された前記観察者の位置に応じて、前記遮光バリアにおける前記遮光部の位置を移動させるように前記遮光バリアの駆動を制御し、
前記画像の表示状態が第2の状態であると判定された場合に、前記センサにより検出された前記観察者の位置に応じて、前記液晶パネルにおける前記左眼用画像と前記右眼用画像の表示位置を移動させるように前記液晶パネルの表示を制御する
ステップを含む液晶表示装置の駆動方法。
(6) 画像信号に基づいて表示を行う液晶表示装置と、
所定の処理により前記画像信号を生成する処理部と
を有し、
前記液晶表示装置は、
左眼用画像と右眼用画像とを表示する液晶パネルと、両眼視差を生じさせる遮光部を有する遮光バリアと、観察者の位置を検出するセンサとを備える液晶表示装置であって、
前記遮光バリアの駆動を制御するバリア駆動制御部と、
前記液晶パネルの表示を制御する表示制御部と、
前記液晶パネルに表示される画像の表示状態を判定する表示状態判定部と
を備え、
前記バリア駆動制御部は、前記画像の表示状態が第1の状態であると判定された場合に、前記センサにより検出された前記観察者の位置に応じて、前記遮光バリアにおける前記遮光部の位置を移動させるように前記遮光バリアの駆動を制御し、
前記表示制御部は、前記画像の表示状態が第2の状態であると判定された場合に、前記センサにより検出された前記観察者の位置に応じて、前記液晶パネルにおける前記左眼用画像と前記右眼用画像の表示位置を移動させるように前記液晶パネルの表示を制御する
電子機器。