特許第5649612号(P5649612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミツバの特許一覧

<>
  • 特許5649612-ハブダイナモ 図000002
  • 特許5649612-ハブダイナモ 図000003
  • 特許5649612-ハブダイナモ 図000004
  • 特許5649612-ハブダイナモ 図000005
  • 特許5649612-ハブダイナモ 図000006
  • 特許5649612-ハブダイナモ 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649612
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】ハブダイナモ
(51)【国際特許分類】
   B62J 6/12 20060101AFI20141211BHJP
   H02K 21/22 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   B62J6/12
   H02K21/22 A
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-106708(P2012-106708)
(22)【出願日】2012年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-233844(P2013-233844A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2013年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】力石 真
(72)【発明者】
【氏名】山本 勉
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4502954(JP,B2)
【文献】 特開2003−011869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 6/06 − 6/14
H02K 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪軸に取り付けられ、導線が巻回されたステータと、
前記車輪軸に軸受を介して回転可能に支持され、車輪とともに回転するロータと、を備えたハブダイナモにおいて、
前記車輪軸に螺着され、前記ステータの軸方向への移動を規制するステータ固定用ナットと、
前記車輪軸と前記軸受との間に介在するスリーブ部材と、を備え、
前記スリーブ部材は、前記車輪軸に螺着されるとともに、前記スリーブ部材のうち軸方向に沿う前記ステータ固定用ナット側の端部には、外径側に向けて突出するフランジ部が一体形成され、
前記フランジ部と前記ステータ固定用ナットとが軸方向で当接し
前記ロータは、
前記軸受を介して前記スリーブ部材に保持された底部と、
前記底部の外周縁から立設されるとともに、前記ステータを囲繞する筒部と、を備え、
前記底部及び前記筒部が一体的に形成されていることを特徴とするハブダイナモ。
【請求項2】
前記ステータは、前記車輪軸の軸方向両端部に配置された一対の主鉄心と、
前記一対の主鉄心の間に間隔をあけて配置されるとともに、前記一対の主鉄心間を複数のコイル室に仕切る副鉄心と、を備え、
前記コイル室には、前記導線が巻回されていることを特徴とする請求項1記載のハブダイナモ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハブダイナモに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自転車の前照灯や尾灯等の照明装置等に電力を供給するため、車輪の回転によって発電する発電機が広く普及している。このような発電機には様々な構造のものが存在するが、車輪軸に取り付けられる、いわゆるハブダイナモが知られている。
【0003】
ハブダイナモは、車輪軸側に固定されるステータと、内周面に磁石が固定されるとともに、ステータを外側から囲繞するように車輪側に連結される筒状のロータと、を備えている。ステータは、車輪軸に外嵌された後、車輪軸の軸方向両側からステータ固定用ナット(ハブナット)が螺着されることで、軸方向の位置決めが行われている。ロータには、軸受が組み付けられており、車輪軸のスリーブに回転可能に支持されている。
【0004】
ここで、例えば特許文献1には、上述したステータ固定用ナットと、軸受が外嵌されるスリーブと、が一体形成された構成が記載されている。
この構成によれば、ステータが固定された車輪軸にロータを組み付ける際に、ステータ固定用ナットの一部に形成されたスリーブが、ロータの軸受の内側に挿入されるので、車輪軸の中心、軸受の内径の中心、及びロータの中心の芯出しが容易になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−11869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、スリーブがステータ固定用ナットに一体形成されているため、ステータの配設位置によってスリーブの配設位置が決定される。このため、ステータを構成する部品(軸受間)に軸方向で寸法誤差等があると、スリーブの位置とロータ側の軸受との間に位置ずれが生じ、これらスリーブと軸受との嵌合代にばらつきが生じる虞がある。この場合には、軸受の内輪に偏荷重が加わって、軸受の耐久性を損なうばかりではなく、ステータとロータとの中心の芯出し精度が低下して、ロータ側の内周面とステータの外周面との間のギャップが確保できなくなるという問題がある。
【0007】
また、上述した寸法誤差が例えばマイナス誤差であった場合には、スリーブとステータとの間にワッシャ等の誤差吸収部材を設けることが考えられる。
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、車輪軸からスリーブを取り外すと、ステータ固定用ナットによるステータの位置決めまで解除されてしまうため、組み付け性が悪いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、組み付け性を向上した上で、スリーブ部材を高精度に位置決めできるハブダイナモを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車輪軸に取り付けられ、導線が巻回されたステータと、前記車輪軸に軸受を介して回転可能に支持され、車輪とともに回転するロータと、を備えたハブダイナモにおいて、前記車輪軸に螺着され、前記ステータの軸方向への移動を規制するステータ固定用ナットと、前記車輪軸と前記軸受との間に介在するスリーブ部材と、を備え、前記スリーブ部材は、前記車輪軸に螺着されるとともに、前記スリーブ部材のうち軸方向に沿う前記ステータ固定用ナット側の端部には、外径側に向けて突出するフランジ部が一体形成され、前記フランジ部と前記ステータ固定用ナットとが軸方向で当接し、前記ロータは、前記軸受を介して前記スリーブ部材に保持された底部と、前記底部の外周縁から立設されるとともに、前記ステータを囲繞する筒部と、を備え、前記底部及び前記筒部が一体的に形成されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ステータ固定用ナットによりステータの軸方向への移動を規制した状態で、スリーブ部材を螺着できるため、ステータ自体の軸方向の位置決めを維持した上で、スリーブ部材の位置決めを行なうことができる。これにより、例えば、寸法誤差等により仮にスリーブ部材が所望の位置からずれた場合等において、スリーブ部材を一旦取り外す必要が生じた際に、上述した特許文献1の構成のようにステータの位置決めが解除されることがない。そのため、組み付け性を向上させた上で、スリーブ部材を高精度に位置決めできる。
その結果、スリーブ部材に対する軸受の所望の嵌合代を確保することができるので、軸受に作用する偏荷重を抑制して、軸受の耐久性を向上できる。さらに、ロータとステータとの芯出し精度を向上できるので、ロータの内周面と、ステータの外周面と、の間に形成されるギャップを高精度に確保できる。
しかも、本発明の構成によれば、スリーブ部材のフランジ部をステータ固定用ナットに軸方向で当接させることで、スリーブ部材の軸方向の位置決めを簡単に行うことができる。
【0011】
また、請求項2に記載した発明は、前記ステータは、前記車輪軸の軸方向両端部に配置された一対の主鉄心と、前記一対の主鉄心の間に間隔をあけて配置されるとともに、前記一対の主鉄心間を複数のコイル室に仕切る副鉄心と、を備え、前記コイル室には、前記導線が巻回されていることを特徴とする。
ところで、軸方向に複数のコイル室を有する構成では、ステータが軸方向に長くなる傾向があり、これに伴いロータとステータとの間のギャップも軸方向に長くなる。そのため、ロータとステータとの間で高い芯出し精度が要求される。
このような場合であっても、本発明の構成によれば、上述したようにスリーブ部材に対する軸受の所望の嵌合代を確保することができるので、上述した作用効果が顕著に奏功されることになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るハブダイナモによれば、組み付け性を向上した上で、スリーブ部材を高精度に位置決めできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態におけるハブダイナモの取付概要図である。
図2】ハブダイナモの側面図である。
図3】ハブダイナモの断面図である。
図4】ハブダイナモの分解斜視図である。
図5図3のA部拡大断面図である。
図6】ハブダイナモのうち車輪軸側ユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態のハブダイナモについて、図面を参照して説明する。図1は、ハブダイナモの取付概要図である。なお、以下の説明では、本発明のハブダイナモ10を自転車1の車輪軸11に取り付け、自転車1の前照灯4に電力を供給する場合について説明する。
図1に示すように、自転車1の前輪5は、フレームの一部を構成するフロントフォーク3により車輪軸11を介して回転可能に軸支されている。車輪軸11は、両側がフロントフォーク3にナット(不図示)等により締結固定されている。
【0015】
車輪軸11の軸方向中央の大部分には、ハブダイナモ10が車輪軸11と同軸上に取り付けられている。ハブダイナモ10は、前輪5の側方に配置された前照灯4に電力を供給している。ハブダイナモ10は、前輪5のスポーク2に接続されて前輪5とともにステータ13の周囲を回転するロータ12と、車輪軸11に取り付けられるステータ13(図3参照)と、を備えている。以下、車輪軸11の中心軸Oの軸方向を単に軸方向といい、軸方向に直交する方向を径方向といい、中心軸O回りに沿った方向を周方向という。なお、車輪軸11のうち、少なくともステータ13が取り付けられた部分よりも軸方向外側に位置する部分には、雄ねじ部が形成されている。
【0016】
図2はハブダイナモの側面図であり、図3はハブダイナモの断面図である。また、図4はハブダイナモの分解斜視図である。
図2図4に示すように、ロータ12は、軸方向一方側(図3における左側)に向けて開口する開口部14aを有する有底筒状のロータ本体部14と、ロータ本体部14の開口部14aを閉塞するエンドブラケット15と、を有している。これらロータ本体部14、及びエンドブラケット15は、例えばアルミダイキャスト等によりそれぞれ形成されている。
【0017】
ロータ本体部14の底部14b、及びエンドブラケット15には、同軸上に貫通孔16,17が形成されており、これら各貫通孔16,17内にベアリング(軸受)21,22がそれぞれ嵌合されている。そして、ロータ12は、ベアリング21,22を介して車輪軸11に回転可能に支持されている。
【0018】
ロータ本体部14の筒部14cのうち、軸方向両端部には、径方向外側に向かって張り出す一対のフランジ部14dが形成されている。フランジ部14dには、軸方向に貫通する支持孔14eが、周方向に沿って等間隔に複数形成されている。支持孔14eには、前輪5のリム5aから内径側に延在する複数のスポーク2(図1参照)の内側端部が取り付けられている。したがって、ロータ12は、前輪5の回転とともに車輪軸11を中心に回転する。すなわち、ロータ12は、前輪5を回転可能に支持するハブとして機能している。
【0019】
図3図4に示すように、ロータ本体部14(筒部14c)の内側には、ヨーク18(図3参照)が設けられている。ヨーク18は、鉄等の磁性材料からなる円筒状に形成された部材であり、例えばプレス等で成形される。ヨーク18の軸方向の長さは、ロータ本体部14における一対のフランジ部14dの軸方向の離間距離と同等となるように設定されている。そして、ヨーク18は、ステータ13の外周面全体を覆うように形成されている。
また、ヨーク18の外径は、ロータ本体部14(筒部14c)の内径と同等か若干大径になるように設定されており、ヨーク18は、筒部14cの内周面に圧入等により固定されている。
【0020】
ヨーク18の内側には、例えばフェライト等により形成された4個のマグネット19が配置されている。マグネット19は、極弧角が約90°の円弧状に形成されている。なお、4個のマグネット19は、それぞれ同等の形状に形成されている。軸方向に沿うマグネット19の長さは、ヨーク18の長さ以下に設定されている。また、マグネット19の外周面の曲率半径は、ヨーク18の内周面の半径と同等に設定されている。
【0021】
このように形成された4個のマグネット19を、ヨーク18の内周面に沿って円筒状に配置することで、ステータ13の外周面全体を覆っている。マグネット19は、ヨーク18の内周面に、例えば接着剤等により貼付されている。
【0022】
そして、円筒状に配置された4個のマグネット19には、N極及びS極の磁極が周方向に沿って交互に着磁されている。具体的には、4個のマグネット19の内周側に、N極及びS極がそれぞれ14極ずつ、合計28極の磁極が交互に着磁されている。換言すれば、1個のマグネット19には、N極及びS極が交互になるように、7極の磁極が交互に着磁されている。
【0023】
(ステータ)
ステータ13は、円環状の鉄心23a,23b,24a,24bの外周縁に軸方向に沿って延びるティース25a,25bが接続された、いわゆるクローポール型に構成されている。具体的に、ステータ13は、軸方向両端に配置される一対の主鉄心23a,23b(第1主鉄心23a、及び第2主鉄心23b)と、一対の主鉄心23a,23bの間に配置された複数(本実施形態では2個)の副鉄心24a,24b(第1副鉄心24a、及び第2副鉄心24b)と、を有している。また、ステータ13は、各鉄心23a,23b,24a,24b間に配置されるとともに、コイルボビン20に巻回されたコイル27(第1コイル27a、第2コイル27b、 及び第3コイル27c)と、主鉄心23a,23b及び副鉄心24a,24bの外径側において、周方向に配置される複数(本実施形態では28個)のティース25a,25b(第1ティース25a、及び第2ティース25b)と、を有している。
【0024】
主鉄心23a,23bは、電磁鋼板等の磁性材料からなる円環状の磁性板を複数枚(本実施形態では5枚程度)積層することにより形成される。各磁性板は、プレス等により成型され、例えばダボカシメにより連結して積層される。なお、接着剤により各磁性板を貼り合わせて積層し、主鉄心23a,23bを形成してもよい。
【0025】
主鉄心23a,23bの中央には、車輪軸11が挿通する挿通孔26が形成されている。挿通孔26の直径は、車輪軸11の直径と同等か、若干小径になるように設定される。そして、主鉄心23a,23bは、例えば圧入することにより車輪軸11に固定されている。
【0026】
主鉄心23a,23bの外周縁には、外径側に向かって放射状に突出したティース接続部31a,31b(第1主鉄心23aのティース接続部31a、及び第2主鉄心23bのティース接続部31b)が、周方向に沿って等間隔に複数(本実施形態では14個)形成されている。
ティース接続部31a,31bは、径方向外側に向かって開口を有するU字形状に形成されている。ティース接続部31a,31bの開口の幅は、ティース25a,25bの幅よりも若干広く形成されている。そして、ティース接続部31a,31bの開口からティース25a,25bを挿入した後、ティース25a,25bにティース接続部31a,31bをカシメることにより、ティース25a,25bがティース接続部31a,31bに嵌着される。
【0027】
副鉄心24a,24bは、主鉄心23a,23bと同一の磁性板を積層してなり、外周縁には放射状に突出したティース接続部32a,32b(第1副鉄心24aのティース接続部32a、及び第2副鉄心24bのティース接続部32b)が形成されている。副鉄心24a,24bは、主鉄心23a,23bよりも多い枚数(本実施形態では10枚程度)の磁性板を積層することにより形成される。副鉄心24a,24bは、軸方向からみて主鉄心23a,23bと同一形状をなしており、厚さのみが主鉄心23a,23bと異なっているため、詳細な説明は省略する。
【0028】
このように構成された主鉄心23a,23b及び副鉄心24a,24bは、車輪軸11に挿通孔26を圧入することにより車輪軸11に固定される。主鉄心23a,23b及び副鉄心24a,24bは、軸方向一方側から他方側に向かって、第1主鉄心23a、第1副鉄心24a、第2副鉄心24b、及び第2主鉄心23bの順に等間隔に配置されている。
【0029】
また、軸方向で隣り合う各鉄心23a,23b,24a,24b同士は、それぞれ周方向の位相が交互にずれた状態で車輪軸11に固定される。具体的に、各鉄心23a,23b,24a,24bは、ティース接続部31a,31b,32a,32bのピッチ角度の半分だけ位相がずれた状態で車輪軸11に固定される。なお、本実施形態では、各ティース接続部31a,31b,32a,32bはそれぞれ14個ずつ形成されている。したがって、各鉄心23a,23b,24a,24bは、ティース接続部31a,31b,32a,32bのピッチ角(360/14)度の半分、すなわち(360/28)度だけ周方向に位相がずれた状態で車輪軸11に固定される。
【0030】
したがって、軸方向一方側から見て、第1主鉄心23aの各ティース接続部31aの間に、第1副鉄心24aの各ティース接続部32aが配置される。また、第1副鉄心24aの各ティース接続部32aの間に、第2副鉄心24bの各ティース接続部32bが配置される。さらに、第2副鉄心24bの各ティース接続部32bの間に、第2主鉄心23bの各ティース接続部31bが配置される。
【0031】
第1主鉄心23aと第1副鉄心24a、第1副鉄心24aと第2副鉄心24b、及び第2副鉄心24bと第2主鉄心23bとの間は、それぞれ軸方向に間隔をあけて仕切られたコイル室C1〜C3を構成している。
車輪軸11のうち、軸方向に沿う各コイル室C1〜C3に位置する部分には、磁性材料からなる筒体33が外嵌されている。筒体33は、軸方向両端部が各コイル室C1〜C3を仕切る主鉄心23a,23b及び副鉄心24a,24bの内周部分に軸方向で当接した状態で、主鉄心23a,23b及び副鉄心24a,24bにより挟持されている。そして、各筒体33には、それぞれ上述したコイルボビン20が外嵌されている。
【0032】
コイルボビン20は、径方向外側に向けて開口する断面がU字形状の環状体であり、樹脂等の絶縁材料により形成される。コイルボビン20には導線28が巻回されており、第1コイル27a、第2コイル27b、及び第3コイル27cが形成されている。第1コイル27a、第2コイル27b、及び第3コイル27cは、導線28をコイルボビン20の周方向に巻回することにより形成される。具体的に、第1主鉄心23aと第1副鉄心24aとの間(第1コイル室C1)には第1コイル27aが、第1副鉄心24aと第2副鉄心24bとの間(第2コイル室C2)には第2コイル27bが、第2副鉄心24bと第2主鉄心23bとの間(第3コイル室C3)には第3コイル27cがそれぞれ形成されている。
【0033】
詳細は後述するが、第1主鉄心23aと第1副鉄心24aとで形成される磁路の磁束の方向、及び第2副鉄心24bと第2主鉄心23bとで形成される磁路の磁束の方向と、第1副鉄心24aと第2副鉄心24bとで形成される磁路の磁束の方向と、は、逆方向になっている。したがって、第1コイル室C1の第1コイル27a、及び第3コイル室C3の第3コイル27cと、第2コイル室C2の第2コイル27bと、は導線28の巻回方向が逆方向になっている。なお、第1コイル27a〜第3コイル27cは、一本の導線28を用いて各コイル室C1〜C3のコイルボビン20に順次巻回することで構成されており、各コイル27a〜27cを一つのコイルとして導線28から電力を取り出すことができるようになっている。
【0034】
ティース25a,25bは、マグネット19の極数に対応して配置された磁性材料からなる軸方向に延びる板状部材であり、プレス等により成型される。軸方向におけるティース25a,25bの長さは、軸方向におけるステータ13の長さと同等となるように設定される。また、ティース25a,25bの板厚は、要求される磁気抵抗に応じて適宜設定される。
ティース25a,25bは、ティース接続部31a,31b,32a,32bにそれぞれカシメ等により接続される。具体的に、第1ティース25aは、第1主鉄心23aのティース接続部31a、及び第2副鉄心24bのティース接続部32bに接続される。また、第2ティース25bは、第1副鉄心24aのティース接続部32a、及び第2主鉄心23bのティース接続部31bに接続される。
【0035】
(規制部)
図3に示すように、車輪軸11のうち、ステータ13の軸方向両側に位置する部分には、ステータ13の軸方向の移動を規制する規制部が設けられている。本実施形態の規制部は、車輪軸11のうち、ステータ13の一方側に設けられたスペシャルナット30と、他方側に設けられたステータ固定用ナット37と、を備え、ステータ13を軸方向に挟持している。
【0036】
まず、ステータ固定用ナット37は、内周面に雌ネジ部が形成された角筒状の部材であり、ステータ13に対して軸方向他方側から車輪軸11の雄ねじ部に螺着されている。ステータ固定用ナット37は、軸方向一方側に位置する端面が上述した第2主鉄心23bの内周部分に軸方向で当接している。なお、ステータ固定用ナット37は、市販の汎用ナット等を用いることが可能である。
【0037】
スペシャルナット30は、内周面に雌ネジ部が形成された円筒状の部材であり、ステータ13に対して軸方向一方側から車輪軸11の雄ねじ部に螺着されている。具体的に、スペシャルナット30は、軸方向一方側に形成されたスリーブ部30aと、軸方向他方側に形成されてスリーブ部30aに対して外径が拡大されたフランジ部30bと、を備えている。
【0038】
スリーブ部30aの外周面は、上述したエンドブラケット15側のベアリング22の内周面に内嵌されている。具体的に、スリーブ部30aは、外径がベアリング22の内径と同等か、若干大径に設定されており、ベアリング22内に圧入等により固定されている。この場合、スリーブ部30aの軸方向一方側の端面は、ベアリング22よりも軸方向外側に向けて突出している。
【0039】
フランジ部30bは、外径がベアリング22の内径よりも大径に形成され、軸方向一方側に位置する端面がベアリング22の内輪に軸方向で当接している。これにより、ベアリング22は、外輪側が車輪軸11周りに回転自在となるように装着される。
一方、フランジ部30bにおける軸方向他方側に位置する端面は、上述した第1主鉄心23aの内周部分に軸方向で当接している。
【0040】
なお、スペシャルナット30の外周面には、コイル27a〜27cを構成する導線28の両端部を、ハブダイナモ10の外部に引き出すためのスリット30c(図4参照)が形成されている。
【0041】
ここで、図3図4に示すように、上述したエンドブラケット15は、ロータ本体部14の開口部14aの内径と同等か若干大径となるように設定されている。そして、エンドブラケット15は、ロータ本体部14の開口部14aの内周面に、エンドブラケット15の外周面を圧入等することにより固定される。
また、エンドブラケット15の貫通孔17内に嵌合されたベアリング22の外径は、貫通孔17の内径と同等か若干大きくなるように設定されている。そして、ベアリング22の外周面を、エンドブラケット15における貫通孔17の内周面に圧入することにより、ベアリング22がエンドブラケット15に固定される。
【0042】
エンドブラケット15に対して軸方向一方側には、コネクタ部40が配設されている。
コネクタ部40は、樹脂材料等からなる円環状の部材であり、軸方向一方側に配置されるカバー部41と、他方側に配置されるベース部42と、を軸方向に重ね合わせることで形成される。コネクタ部40には、外径側に突出した導線引出部43が形成されている。導線28の両端部は、上述したスペシャルナット30の溝部30c内を経由して導線引出部43に導かれ、導線引出部43を通ってハブダイナモ10の外部に引き出されている。
【0043】
コネクタ部40の内側には、金属性のカラー44を介して上述したスペシャルナット30のスリーブ部30aが挿通される。そして、コネクタ部40は、金属性のカラー44及びワッシャ45を介して、ナット46等により車輪軸11の軸方向一方側に固定される。
【0044】
車輪軸11におけるステータ固定用ナット37よりも軸方向他方側には、スリーブ部材51が設けられている。このスリーブ部材51は、内周面に雌ねじ部が形成された筒状の部材であり、軸方向他方側から車輪軸11の雄ねじ部に螺着されている。具体的に、スリーブ部材51は、軸方向他方側に形成されたスリーブ本体51aと、軸方向一方側に形成されてスリーブ本体51aに対して外径が拡大されたフランジ部51bと、を備えている。
【0045】
まずフランジ部51bは、多角筒状に形成されており、軸方向一方側の端面が上述したステータ固定用ナット37における軸方向他方側の端面に当接している。すなわち、フランジ部51bは、ステータ固定用ナット37と協働してダブルナット構造をなしている。なお、図示の例では、フランジ部51bがステータ固定用ナット37に直接的に当接しているが、ステータ13(スペシャルナット30とスリーブ部材51との間)に軸方向で寸法誤差(マイナス誤差)があった場合等には、フランジ部51bとステータ固定用ナット37との間にワッシャ等の誤差吸収部材を介在させ、フランジ部51bとステータ固定用ナット37とを間接的に当接させても構わない。すなわち、スリーブ部材51は、ステータ固定用ナット37に当接した状態で、軸方向の位置を調整できるように構成されていてもよい。
一方、フランジ部51bにおける軸方向他方側の端面は、ロータ本体部14側のベアリング21の内輪に軸方向で当接している。
【0046】
スリーブ本体51aは、円筒状に形成されており、上述したロータ本体部14側のベアリング21の内周面に内嵌されている。具体的に、スリーブ本体51aは、外径がベアリング21の内径と同等か、若干大径に設定されており、ベアリング21内に圧入等により固定されている。この場合、図5に示すように、軸方向において、スリーブ本体51aにおける軸方向他方側の端面は、ベアリング21のうち内輪及び外輪間に保持されたボール21aの中心と、ベアリング21における軸方向他方側の端面と、の間の領域D内に位置している。したがって、スリーブ本体51aにおける軸方向他方側の端面は、ベアリング21における軸方向他方側の端面より内側に位置している(外側には突出していない)。なお、図5図3のA部拡大断面図である。
【0047】
また、図3図4に示すように、ロータ本体部14の底部14bの外側には、カバー54が装着されている。カバー54は、椀形状に形成されたアルミ等からなる部材であり、アルミダイキャスト等により形成される。カバー54の直径は、ベアリング21の直径よりも大径に設定されている。カバー54は、ベアリング21及びスリーブ部材51を軸方向他方側から覆っており、ロータ本体部14の底部14b側からロータ12の内部に水や塵埃等の浸入を防止している。
【0048】
カバー54の内側には、ベアリング固定用ナット55及びカバー固定用ナット56が車輪軸11に螺着されている。ベアリング固定用ナット55は、軸方向一方側の端面がベアリング21の内輪における軸方向他方側の端面に当接しており、上述したスリーブ部材51のフランジ部51bとの間でベアリング21を挟持している。この場合、スリーブ部材51のスリーブ本体51aと、ベアリング固定用ナット55と、の間には、軸方向に隙間が設定されている。
カバー固定用ナット56は、カバー54の貫通孔54a内に配置されており、カバー固定用ナット56を螺着することによりカバー54が車輪軸11に装着されるようになっている。
【0049】
このように構成されたハブダイナモ10の発電は、以下の要領で行われる。
すなわち、前輪5が回転すると、スポーク2により前輪5に接続されたロータ12が前輪5とともに車輪軸11周りに回転し、マグネット19がステータ13周りを回転する。マグネット19の磁束により、第1ティース25aがN極、第2ティース25bがS極となる状態と、第1ティース25aがS極、第2ティース25bがN極となる状態と、が交互に繰り返される。これにより、第1コイル室C1、第2コイル室C2、及び第3コイル室C3の各磁路に交番磁束が発生する。この交番磁束により、各コイル27a,27b,27cに電流が流れて発電が行われる。
【0050】
このとき、例えば、第1ティース25aがマグネット19のN極と対向すると、第1ティース25aに接続される第1主鉄心23a及び第2副鉄心24bがN極となる。また、第2ティース25bがマグネット19のS極と対向すると、第2ティース25bに接続される第2主鉄心23b及び第1副鉄心24aがS極となる。
【0051】
すなわち、第1コイル27a及び第3コイル27cは、軸方向一方側の鉄心(例えば、第1主鉄心23a、及び第2副鉄心24b)がN極になり、他方側の鉄心(例えば、第1副鉄心24a及び第2主鉄心23b)がS極になる。このため、第1コイル27a及び第3コイル27cを鎖交する磁束の方向は同一となる。
これに対して、第2コイル27bは、軸方向一方側の鉄心(第1副鉄心24a)がS極になり、軸方向他方側の鉄心(第2副鉄心24b)がN極になる。このため、第2コイル27bを鎖交する磁束の方向は、第1コイル27a及び第3コイル27cを鎖交する磁束の方向と反対になる。
【0052】
したがって、第1コイル27a、第2コイル27b及び第3コイル27cにより発電される電流の方向を同一にするため、第1コイル27aおよび第3コイル27cと、第2コイル27bとは、上述したように導線28の巻回方向を逆方向に形成している。
【0053】
次に、上述したハブダイナモ10の組み立て方法について説明する。図6は、車輪軸側ユニットの側面図である。
本実施形態のハブダイナモ10は、車輪軸側ユニット100(図6参照)とロータ側ユニットとをそれぞれ組み付けた後、ロータ側ユニットに対して車輪軸側ユニット100を組み込むことで構成されている。
車輪軸側ユニット100を組み付けるには、まず車輪軸11に対し、第1主鉄心23a、筒体33、コイルボビン20、第1副鉄心24a、筒体33、コイルボビン20、第2副鉄心24b、筒体33、コイルボビン20、及び第2主鉄心23bの順に圧入等することで、これらを車輪軸11の軸方向中央部に固定する。
【0054】
次に、車輪軸11の軸方向一方側からスペシャルナット30を螺着するとともに、軸方向他方側からステータ固定用ナット37を螺着し、車輪軸11においてステータ13を軸方向に位置決めする。その後、各コイルボビン20に導線28を巻回して、第1〜3コイル27a〜27cを形成する。
続いて、エンドブラケット15に予め組み込まれたベアリング22に、スペシャルナット30のスリーブ部30aを内嵌して、車輪軸11にエンドブラケット15を外嵌する。そして、スペシャルナット30の溝部30cを経由して、導線28の両端部をエンドブラケット15の外部に引き出す。さらに、エンドブラケット15の軸方向一方側からカラー44を介してコネクタ部40を配設した後、コネクタ部40の軸方向一方側からワッシャ45を介してナット46を車輪軸11に螺着する。
【0055】
次に、車輪軸11の軸方向他方側からスリーブ部材51を螺着する。具体的には、フランジ部51bを軸方向一方側に向けた状態で、フランジ部51bの軸方向一方側の端面がステータ固定用ナット37における軸方向他方側の端面に当接する位置まで、スリーブ部材51を車輪軸11に螺着する。このとき、スリーブ部材51の締め付けトルクT1は、ステータ固定用ナット37の締め付けトルクT2よりも小さくなるように設定する(T1<T2)。これにより、スリーブ部材51の締め付けトルクT1によるステータ13の共回りを防止できる。その結果、ステータ13のうち各鉄心23a,23b,24a,24bの周方向における相対位置がずれるのを防止できるので、各鉄心23a,23b,24a,24bによる磁路形成に影響が及ぶのを抑制できる。
以上により、車輪軸側ユニット100の組み付けが完了する。
【0056】
ここで、仮にステータ13(スペシャルナット30とスリーブ部材51との間)に軸方向で寸法誤差があった場合等には、スリーブ部材51を車輪軸11から一旦取り外し、スリーブ部材51とステータ固定用ナット37との間にワッシャ等の誤差吸収部材を介在させても構わない。
【0057】
一方、図3図4に示すように、ロータ側ユニットを組み付けるには、まずロータ本体部14における筒部14cの内周面にヨーク18、マグネット19を固定するとともに、底部14bの貫通孔16内にベアリング22を嵌合する。
【0058】
次に、図3図6に示すように、ロータ本体部14の開口部14aに車輪軸11の軸方向他方側(スリーブ部材51側)を対向させ、車輪軸側ユニット100をロータ本体部14内に進入させる。
そして、車輪軸側ユニット100のスリーブ部材51をロータ本体部14側のベアリング21内に嵌合させるとともに、エンドブラケット15をロータ本体部14の開口部14a内に圧入する。このとき、スリーブ部材51のフランジ部51bが、ベアリング21の内輪における軸方向他方側の端面に当接するまで、車輪軸側ユニット100をロータ側ユニットに向けて進入させる。これにより、スリーブ部材51のうち、スリーブ本体51aにおける軸方向他方側の端面は、上述した領域D内に配置されることになる。
その後、車輪軸11の軸方向他方側からカバー54、及びナット55,56を装着することで、車輪軸側ユニット100がロータ側ユニットに組み込まれる。
【0059】
このように、本実施形態では、スリーブ部材51を、車輪軸11に螺着するとともに、スリーブ部材51のフランジ部51bをステータ固定用ナット37に軸方向で当接させる構成とした。
この構成によれば、ステータ固定用ナット37によりステータ13の軸方向への移動を規制した状態で、スリーブ部材51を螺着できるため、ステータ13自体の軸方向の位置決めを維持した上で、スリーブ部材51の位置決めを行なうことができる。これにより、例えば、ステータ13の寸法誤差等により仮にスリーブ部材51が所望の位置からずれた場合等において、スリーブ部材51を一旦取り外す必要が生じた際、上述した特許文献1の構成のようにステータ13の位置決めが解除されることがない。そのため、組み付け性を向上させた上で、スリーブ部材51を高精度に位置決めできる。
その結果、スリーブ部材51に対するベアリング21の所望の嵌合代を確保することができるので、ベアリング21に作用する偏荷重を抑制して、ベアリング21の耐久性を向上できる。さらに、ロータ12とステータ13との芯出し精度を向上できるので、ロータ12の内周面と、ステータ13の外周面と、の間に形成されるギャップを高精度に確保できる。
【0060】
しかも、本実施形態では、スリーブ部材51のフランジ部51bをステータ固定用ナット37に軸方向で当接させることで、スリーブ部材51の軸方向の位置決めを簡単に行うことができる。
さらに、スリーブ部材51に角筒形状のフランジ部51bが形成されているため、このフランジ部51bをチャックした状態で、スリーブ部材51を車輪軸11に簡単に螺着できる。これにより、組み付け性の更なる向上を図ることができる。
【0061】
ところで、本実施形態のように軸方向に複数のコイル室C1〜C3を有する構成では、ステータ13が軸方向に長くなる傾向があり、これに伴いロータ12とステータ13との間のギャップも軸方向に長くなる。そのため、ロータ12とステータ13との間で高い芯出し精度が要求される。
このような場合であっても、本実施形態によれば、上述したようにスリーブ部材51に対するベアリング21の所望の嵌合代を確保することができるので、上述した作用効果が顕著に奏功されることになる。
【0062】
さらに、本実施形態では、スリーブ本体51aにおける軸方向他方側の端面が、上述した領域D内に配置されているため、ベアリング21の嵌合代を確保した上で、スリーブ部材51のフランジ部51bとベアリング固定用ナット55とによりベアリング21を軸方向両側から確実に保持できる。そのため、ベアリング21のがたつき等を抑えることができる。
さらに、ステータ13に寸法誤差等があった場合でも、スリーブ部材51とベアリング21との間で吸収することができる。
また、例えばスリーブ本体がベアリング21の端面より外側に突出している場合には、ベアリング固定用ナットを確実にベアリング21の端面に当接させるために、スリーブ本体の突出部分を避けるような溝(凹部)等が形成された特殊なナットを用いる場合がある。この場合には、ベアリング固定用ナットの固定強度を確保するために、ベアリング固定用ナットの軸長を長くしたり、ベアリング固定用ナットをダブルナット構造にしたりする必要がある。
これに対して、本実施形態によれば、スリーブ本体51aにおける軸方向他方側の端面がベアリング21の内側に配置されているため、ベアリング固定用ナット55に上述した特殊なナットを用いたり、ベアリング固定用ナットの軸長を長くしたり、ベアリング固定用ナットをダブルナット構造にしたりする必要もない。したがって、低コスト化が可能になる。
【0063】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、ロータ12のマグネット19の個数が4個であり、ティース25a,25bの個数が28個の28極のハブダイナモ10を例にして説明した。しかし、ロータ12のマグネット19の個数、及びステータ13のティース25a,25bの個数は本実施形態に限られることはなく、変更が可能である。
【0064】
本実施形態では、軸方向に沿って各鉄心23a,23b,24a,24bを配置し、各鉄心23a,23b,24a,24bの間に、3個のコイル27a,27b、27cを形成していた。しかし、各鉄心の個数及びコイルの個数は本実施形態に限られることはなく、変更が可能である。
【0065】
本実施形態のロータ12は、ステータ13の両側にベアリング21,22を設けて軸支することにより、車輪軸11に回転自在に装着されている。しかし、軸受はベアリング21,22限られず、略円環状のカラーでもよい。ただし、摺動抵抗を軽減できる点で本実施形態に優位性がある。
【0066】
本実施形態のステータ13は、主鉄心23a,23b及びティース25a,25bは、別部品として形成されている。しかし、主鉄心23a,23b及びティース25a,25bを一体的に形成してもよい。ただし、第1主鉄心23aと第2主鉄心23bとの間に副鉄心24a,24bを配置し、複数のコイルを形成することで発電量を増やせる点で、本実施形態に優位性がある。
【0067】
また、上述した実施形態では、クローポール型のステータ13について説明したが、これに限られない。
さらに、上述した実施形態では、本発明のハブダイナモ10を自転車1の前照灯4に電力を供給する場合について説明したが、これに限らず、ロータ12が車輪軸11に対して回転する構成であれば、自転車1の尾灯等にも採用できる。
【0068】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…ハブダイナモ 5…輪 11…車輪軸 12…ロータ 13…ステータ 21…ベアリング(軸受) 23a…第1主鉄心 23b…第2主鉄心 24a…第1副鉄心 24b…第2副鉄心 28…導線 37…ステータ固定用ナット 51…スリーブ部材 51b…フランジ部 C1…第1コイル室 C2…第2コイル室 C3…第3コイル室
図1
図2
図3
図4
図5
図6