(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のノージング接触部材がフレームに連結され、さらに前記位置付けるステップが、前記複数のノージング接触部材を同時に移動させるように該フレームを移動させるステップを含むことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的なダウンドロー法において、ガラスリボンは粘性状態から弾性状態へと変化する。リボンがその中間の粘弾性状態を通過するとき、リボンに負荷され得る応力を解放させるのには次第により長い時間がかかることになるため、ある地点に達すると、負荷された応力(熱的または機械的のいずれか)を実際の時間内に解放させることができずに、この応力がリボン内で固定されてしまうことになる。この固定された応力は、リボンから切断されるガラスシートの形状に著しい影響を与えることがある。すなわち、この転移期間中に負荷される応力を最小に抑えることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ガラスシート、そして特にディスプレイ用途に使用する予定のガラスシートに対するサイズ要件がより一層大型になるにつれ、こういった大型で薄いガラス部分を取り扱うために必要な能力はますます難しいものとなっている。これは、フュージョンプロセスなどのダウンドロープロセスに、そして特に成形装置から下降している移動中のガラスリボンから個々のガラスシートを分離する切断動作中に、特に当てはまる。切断工程または分離工程では、リボンが下降している間に罫書きや分離により引き起こされたリボンの振動または他の誘発された動きが、リボンの粘弾性領域内へと上方に伝播する可能性があり、そして望ましくない残留応力または形状としてリボン内に固定されることがある。このような乱れを防ぐため、ガラスの弾性領域におけるリボンの運動を最小にして粘弾性領域への伝播を抑えるために使用し得る、ノージングアセンブリを説明する。
【0006】
一実施の形態においては、移動しているガラスリボンからガラスシートを分離する方法が開示され、この方法は、第1主表面と第2主表面とを有しかつ粘性部分と弾性部分とを含む、移動しているガラスリボンを成形するステップを含む。このガラスは、重力と、そしてリボンと係合してこれを成形本体から下方に牽引する牽引ローラの効果とにより、実質的に鉛直方向に移動する。成形本体への溶融ガラスの連続供給が提供される限り、ガラスリボンが成形本体から延伸されることから、リボンは連続的に移動するガラスのリボンとなる。
【0007】
この方法は、移動しているガラスリボンの弾性部分の第1面にアンビル接触部材で接触するステップであって、このアンビル接触部材が、移動しているガラスリボンの方向および速さと同じ方向および速さで移動するステップをさらに含む。アンビル接触部材がこのように、鉛直に移動しているガラスリボンが成形本体から下降するときの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動することにより、罫書き線をガラスリボンの幅を横切って横断する方向に、後に作製することができる。
【0008】
本実施形態によれば、複数のノージング接触部材を、移動しているガラスリボンの第2面に対向する位置関係でアンビル接触部材の上流に位置付け、さらにアンビル接触部材に対向する位置で、ガラスリボンの幅を横切ってガラスリボンの第2面に罫書きし、第2面に罫書き線を形成する。その後、罫書き線を横切る引張応力を生成することにより、移動しているガラスリボンから個々のガラスシートを罫書き線で分離する。この引張応力は、例えば、ガラスリボンに曲げモーメントを加えることにより、あるいは罫書き線の下方でリボンに下方への力を加えることにより、生成することができる。
【0009】
罫書き動作の前に、複数のノージング部材の各ノージング接触部材は移動しているガラスリボンから既定距離だけ離れて位置付けられるため、複数のノージング部材のいずれも、移動しているガラスリボンと罫書き中に接触しない。ただしこの位置付けは、アンビル接触部材と複数のノージング接触部材との間での、移動しているガラスリボンの横方向への変位を、分離中に既定の最大値に制限するようなものとなっている。ノージング部材とガラスリボンの第2面との間のこの既定の最大距離は、例えば約5mm以下でもよい。いくつかの事例では、ノージング部材と移動しているガラスリボンの第2面との間の既定の最大距離は、2mmから5mmの間でもよい。
【0010】
この位置付けするステップは、例えば、複数のノージング接触部材のうちの少なくとも1つを、休止位置から、移動しているガラスリボンの第2面から既定距離だけ離れた既定位置まで移動させるステップを含んでもよい。すなわち、ノージング接触部材は、最初に休止位置すなわちドック位置にあり、その後移動しているガラスリボンの第2面から既定距離(例えば、5mm超や5mm以下)の範囲内へと前方に移動させる。
【0011】
この方法は、分離するステップが完了した後、複数のノージング部材の少なくとも1つのノージング接触部材を、既定位置から休止位置すなわちドック位置まで移動させるステップをさらに含んでもよい。
【0012】
いくつかの事例では、複数のノージング接触部材はフレームに連結されたものであり、そして位置付けるステップは、複数のノージング接触部材を同時に移動させるようにフレームを移動させるステップを含む。これは、各ノージング接触部材を個々に移動させるステップとともに行ってもよいし、あるいは複数のノージング部材の全ノージング接触部材ではなくいくつかのノージング接触部材を含むノージング部材の群を、移動させるステップとともに行なうことさえ可能である。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数のノージング接触部材は、移動しているガラスリボンの幅を横切って真っ直ぐな線状(直線状)に配列される。すなわち、複数のノージング接触部材の各ノージング接触部材は、他のノージング接触部材と同じ鉛直高さで位置付けられる。
【0014】
他の実施形態において、複数のノージング接触部材は、複数のノージング接触部材のあるノージング部材が別のノージング部材から鉛直方向にずれているような状態で、移動しているガラスリボンの幅を横切って鉛直にずらして配列される。この構造においては、第1のノージング接触部材をある鉛直高さに位置するものとし、これに対して第2のノージング部材を、第1のノージング接触部材とは異なる第2の鉛直高さに位置するものとしてもよい。この位置ずれは、2つの隣接していないノージング接触部材間のものでもよいし、あるいは2つの隣接するノージング部材に関するものでもよい。
【0015】
さらに別の実施形態において、移動しているガラスリボンからガラスシートを分離する方法が説明され、この方法は、第1主表面と第2主表面とを有しかつ粘性部分と弾性部分とを含んでいる、移動しているガラスリボンを成形するステップ、移動しているガラスリボンの弾性部分の第1面にアンビル接触部材で接触するステップであって、アンビル接触部材が、移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動するステップ、および、複数のノージング接触部材を、アンビル接触部材の上流で、移動しているガラスリボンの第2面に対向する位置関係で位置付けるステップ、を含む。
【0016】
ノージング接触部材が位置付けられると、アンビル接触部材に対向する位置で、ガラスリボン幅を横切ってガラスリボンの第2面に罫書きすることで罫書き線を形成し、さらに、罫書き線を横切る引張応力を生成することにより、移動しているガラスリボンからガラスシートを罫書き線で分離する。この引張応力は、例えば、移動しているガラスリボンに曲げモーメントを加えることにより、あるいは罫書き線の下方で、移動しているガラスリボンに下方への牽引力を加えることにより、生成することができる。本実施形態によれば、複数のノージング接触部材のうち少なくとも1つのノージング接触部材が、移動しているガラスリボンと罫書き中に接触する。ただし、複数のノージング接触部材の全てのノージング接触部材が、移動しているガラスリボンと罫書き中に接触するわけではない。
【0017】
例えば、複数のノージング接触部材のうち1以上のノージング接触部材を、移動しているガラスリボンと接触させて位置付け、さらにリボンが移動している方向および速さと同じ方向および速さで移動させてもよく、かつ、複数のノージング接触部材のうち1以上のノージング接触部材を、移動しているガラスリボンの第2面から既定距離だけ離して位置付け、そして移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動させる。すなわち、複数のノージング接触部材の一部は、罫書きおよび/または分離動作中にリボンに誘発された振動の上方への伝播を防ぐよう減衰部材として働き、一方移動しているガラスリボンの第2面から既定距離だけ離れて位置付けられたノージング接触部材は、分離動作後のリボンの揺動を制限するリミッターとして働く。
【0018】
さらに別の実施形態において、移動しているガラスリボンからガラスシートを分離する装置が開示され、この装置は、連続して移動しているガラスリボンを供給する成形本体であって、このガラスリボンが粘性状態から弾性状態へと転移するものである、成形本体、移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動する、キャリッジアセンブリ、移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動するよう構成された、アンビル接触部材、ガラスリボンの幅を横切って配列された、複数の個々のノージング接触部材であって、複数のノージング接触部材の各ノージング接触部材が、隣接するノージング接触部材から独立して、ガラスリボンに向かう方向に、またはガラスリボンから離れる方向に、移動するよう構成されたものである、複数のノージング接触部材、を備え、さらに各ノージング接触部材が、隣接するノージング接触面と連続したものでないことを特徴とする。
【0019】
この装置は、複数のノージング部材に連結され、この複数のノージング部材を、移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動させる、キャリッジアセンブリをさらに含んでもよい。
【0020】
個々のノージング接触部材の動きはタイミングが別々であってもよく、そのため個々のノージング接触部材夫々は、異なる時に延長させたり、あるいは引き戻したりするよう作動させてもよいことに留意されたい。すなわち、個々のノージング接触部材が移動しているガラスリボンと接触することが意図されている場合には、必要に応じて異なる時にリボンに接触させたり、またはリボンから外したりするよう、コンピュータ制御などを介してノージング部材の運動を組み合わせることができる。
【0021】
多少なりとも限定する意味を含まずに添付の図面を参照して与えられる以下の説明のための記述の中で、本発明はより容易に理解されるであろうし、他の目的、特徴、詳細および利点がより明確に明らかになるであろう。全てのこの追加されるシステム、方法、特徴、および利点は、本記述の中に含まれ、本発明の範囲内であり、かつ添付の請求項によって保護されると意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】薄いガラスリボンを成形するための例示的なフュージョンダウンドロー装置の前面正面図であって、リボンからガラスシートを生成するための分離アセンブリの配置を示している図
【
図2】ダウンドロープロセスから生成されたガラスリボンのエッジを示す側面図であって、アンビルアセンブリ、罫書きアセンブリ、およびノージングアセンブリの配置を示している図
【
図3】例示的なアンビルアセンブリ、罫書きアセンブリ、およびノージングアセンブリを説明している、
図1の分離アセンブリの一部の上面図
【
図4】ガラスリボンに対するアンビルアセンブリ、罫書きアセンブリ、およびノージングアセンブリの配置を示したガラスリボンのエッジの側面図であって、さらにノージングアセンブリのノージング部材が鉛直方向に位置ずれしている実施形態を描いた図
【
図5】移動しているガラスリボンの幅の少なくとも一部を横切る非直線状のノージング部材アレイを示した、移動しているガラスリボンの前面図であって、少なくとも1つのノージング部材(およびその関連するノージング接触部材)が、隣接するノージング部材から鉛直方向にずれていることを示す図
【
図6A】アンビルアセンブリ、罫書きアセンブリ、およびノージングアセンブリを作動させて、アンビルアセンブリがリボンに接触するように、罫書きアセンブリがリボンに罫書きするように、そしてノージングアセンブリがリボンの過度の運動を制限するように、移動しているガラスリボンの方へと動かし、またリボンから離れる方へと動かす、一連のステップを説明する図
【
図6B】アンビルアセンブリ、罫書きアセンブリ、およびノージングアセンブリを作動させて、アンビルアセンブリがリボンに接触するように、罫書きアセンブリがリボンに罫書きするように、そしてノージングアセンブリがリボンの過度の運動を制限するように、移動しているガラスリボンの方へと動かし、またリボンから離れる方へと動かす、一連のステップを説明する図
【
図6C】アンビルアセンブリ、罫書きアセンブリ、およびノージングアセンブリを作動させて、アンビルアセンブリがリボンに接触するように、罫書きアセンブリがリボンに罫書きするように、そしてノージングアセンブリがリボンの過度の運動を制限するように、移動しているガラスリボンの方へと動かし、またリボンから離れる方へと動かす、一連のステップを説明する図
【
図6D】アンビルアセンブリ、罫書きアセンブリ、およびノージングアセンブリを作動させて、アンビルアセンブリがリボンに接触するように、罫書きアセンブリがリボンに罫書きするように、そしてノージングアセンブリがリボンの過度の運動を制限するように、移動しているガラスリボンの方へと動かし、またリボンから離れる方へと動かす、一連のステップを説明する図
【
図7】移動しているガラスリボンに係合しているアンビルアセンブリと、移動しているガラスリボンの幅を横切って配列されているノージング部材とを示している、アンビルアセンブリおよびノージングアセンブリの上面図であって、ノージング接触部材が、リボン幅を横切るリボンの曲率と相補的な形状を有するように位置付けられているものを示した図
【
図8】ノージング接触部材と移動しているガラスリボンとの間の距離がノージング部材間で異なる、アンビルアセンブリおよびノージングアセンブリの上面図
【
図9】移動しているガラスリボンが罫書きされるときに、全てではないが少なくとも1つのノージング接触部材が移動しているガラスリボンと接触する、アンビルアセンブリおよびノージングアセンブリの上面図
【
図10】移動しているガラスリボンが罫書きされるときに、全てのノージング接触部材が移動しているガラスリボンと接触する、アンビルアセンブリおよびノージングアセンブリの上面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細な説明においては、限定ではなく説明のため、具体的詳細を開示する実施形態例を明記して本発明の完全な理解を提供する。しかしながら、本開示の利益を得たことのある通常の当業者には、本発明をここで開示される具体的詳細とは異なる他の実施形態で実施し得ることは明らかであろう。さらに、周知の装置、方法、および材料に関する説明は、本発明の説明を不明瞭にしないよう省略される可能性がある。最後に、適用できる限り、同じ参照番号は同様の要素を示す。
【0024】
薄いリボン状の材料を延伸し、例えばテレビやコンピュータモニタなどの現代のディスプレイ用途に要求される厳しい平坦性基準に合わせて、約1mm未満の厚さを有するガラスシートを形成するには、製造工程の全局面において慎重な制御が必要となる。しかしながら、ガラスリボンが粘性状態から弾性状態に転移している間には、特定の注意を払わなければならない。延伸エリアにおける空気の流れあるいは作動中の設備からの振動により生じ得る、リボン上の小さな力変動でさえ、清浄で平坦であるべき表面に摂動として現れる可能性がある。
【0025】
例示的なフュージョンタイプのダウンドロープロセスでは、本体上面で開口している溝をその上部に含む成形本体に、溶融ガラスが供給される。溶融ガラスは溝の壁から溢れ出し、そして成形本体の合流する外側表面を流れ落ちた後、さらに合流面が交わる線(すなわち「底部」)の位置で、この分離した流れが交わる。この位置で、分離した流れが結合すなわち融合し、成形本体から下方に流れる単一のガラスのリボンとなる。リボンのエッジ沿いに位置付けられた種々のローラ(または「ロール」)が、リボンを下方に延伸すなわち牽引する働きをし、および/または、リボンの幅を維持する助けとなる引張力をリボンに加える働きをする。すなわち、ローラのいくつかはモータで回転しているものでもよく、一方他のローラは惰性である。
【0026】
リボンが成形本体から下降すると、溶融材料は成形本体下部での粘性状態から粘弾性状態に、そして最終的には弾性状態に転移する。リボンが弾性状態まで冷えると、リボン幅を横切って罫書きし、得られた罫書き線に沿ってリボンを分離して分離ガラスシートを生成する。
【0027】
リボンが流体、粘性状態にある時には、溶融材料に負荷された応力はすぐに開放される。しかしながらリボンが冷えて粘度が増加すると、誘発された応力はそれほど素早く解放されずに、誘発された応力または形状の変化(歪みなど)がガラスに保持され得る、弾性状態まで冷却された温度範囲に達してしまう。この粘弾性領域にある間、より具体的には、応力および形状がガラス内に固定され得るガラス転移温度範囲の間、ガラスリボンに加えられる力を最小限に抑えるべきである。
【0028】
応力および/または形状変化の1つの原因は、動いているガラスリボンから個々のガラスシートを分離する工程中に生じ得る、ガラスリボンの運動である。典型的なダウンドロープロセスでは、最初にリボンに罫書きする際、リボンに接触する機械的罫書き装置を用いることが多い。罫書き線が形成されると、リボンに曲げモーメントを加えて罫書き線を横切る引張応力を生成し、そして罫書き線に沿ってリボンを分離する。このスコア・アンド・スナップ(score and snap)法は、リボンが分離するときに、リボンの横方向への運動を招き得るエネルギー放出を生じさせる。すなわち、リボンの2つの主表面すなわち両表面に実質的に直角な、揺動が生じ得る。この揺動や振動(破損または破砕の「音波(sound)」に関連した振動など)が、リボンに沿って上方にリボンの粘弾性領域へと平行移動して、残留応力に固定されることになったり、あるいは恒久的な形状変化として固定されたりする可能性がある。この横方向の揺動を制限する方法、およびそのための装置を提案する。
【0029】
図1に示したのは例示的なフュージョンダウンドロー装置10であり、この装置は、溝すなわちトラフ14と合流成形表面16とを含む成形本体12を備えている。合流成形表面16は底部18で交わっている。トラフ14には供給源(図示なし)から溶融ガラスが供給され、この溶融ガラスがトラフの壁から溢れ出て、成形本体の外面上を分離流として下降する。合流成形表面16上を流れた溶融ガラスの分離流は底部18で結合してガラスリボン20を形成し、このリボンを矢印22で示したように鉛直に下方に延伸する。すなわち、分離したガラスの流れの成形本体側面と接触した部分は、得られるリボンの内部部分となるため、リボンの外面は、清浄で、かつ成形表面上を流れることにより生じ得る特定のまたは他の欠陥を実質的に含まないものとなる。
【0030】
ガラスリボン20が最終的な厚さおよび粘度に達すると、分離アセンブリ24を用いてリボンをその幅を横切って分離し、独立したガラスシートすなわちペイン26を提供する。溶融ガラスの成形本体への供給を継続してさらにリボンが延びると、このリボンからさらにガラスシートを分離する。
【0031】
図2は、罫書き用アンビルアセンブリ28、罫書きアセンブリ30、およびノージングアセンブリ32を備えている、分離アセンブリ24の一部の側面図を示したものである。ノージングアセンブリ32は特に複数のノージング部材34を含み、これらのノージング部材34は、
図3に最も良く示されているようにリボン幅の少なくとも一部を横切って一列に配列され、かつ互いに独立して動くよう構成されている。ノージングアセンブリ32については以下でより詳細に説明する。罫書き用アンビルアセンブリ28はガラスリボン20の第1面36に隣接して位置し、一方罫書きアセンブリ30およびノージングアセンブリ32はリボン20の第2面38に隣接して配置される。ノージングアセンブリ32はさらに、罫書き用アンビルアセンブリ28の上流に位置付けられる。他に指示されていなければ、本書において使用される上流および下流とは、移動しているガラスリボンの延伸方向に対するものである。したがって、ガラスリボンが鉛直に下方に牽引される、鉛直ダウンドローガラス製造プロセスのこの例における上流という用語に関し、罫書き用アンビルアセンブリの上流とは罫書き用アンビルアセンブリの上方を表す。
【0032】
罫書き用アンビルアセンブリ28はアンビル接触面すなわちアンビル接触部材40を備えている。このアンビル接触部材40は、リボン幅を実質的に横切って延在し、かつ休止位置すなわちドック位置(docked position)からリボンに向かって内側へと動いて、移動しているガラスリボンに接触するように構成されており、こうすることで罫書き装置がリボンの第2面上を通過しかつ第2面に罫書き線を形成するときに、移動しているガラスリボンに安定した支持を提供する。罫書き工程中、接触部材40がリボン20と接触しかつリボンが移動しているため、アンビル接触部材は、移動しているガラスリボンの方向(例えば、方向22)および速さと実質的に同じ方向および速さで移動するよう構成される。例えば、ダウンドローガラス成形プロセスにおいてガラスリボンは、ガラス供給速度と、重力と、そして牽引ローラアセンブリ42の延伸速度との作用に応じた速さで、鉛直下方に下降する。リボン20が下降する速さは、最終的なガラスシートの所望厚さなどの要素に応じて変化し得る。罫書き用アンビルアセンブリの動く速さおよび方向とガラスリボンの動く速さおよび方向との間に差があると、ガラスリボンに望ましくない変化が生じる可能性があるため、リボンとアンビル接触部材の動きは共に移動するよう同期化される。
【0033】
例えば、罫書き用アンビルアセンブリ28のアンビル接触部材40は、接触面を支持および位置付けする支持部材46を介して、キャリッジアセンブリ44に連結してもよい。キャリッジアセンブリ44は、リボン20から分離するガラスシート26の長さに応じて既定の距離だけ下方に移動し、また罫書き動作中には移動しているガラスリボン20と同期化して移動し、さらにその後、次サイクルの準備のために開始位置に戻るように構成される。アンビル接触部材40は、高温(場合によっては少なくとも摂氏数百度)への長時間の露出に耐えることが可能であり、また接触によるリボンへの損傷を最小にするよう、軟質材料から形成することが好ましい。いくつかの実施形態においてアンビル接触部材40は、アクチュエータ支持材46を介してキャリッジアセンブリ44に連結された、
図3に示したようなフレキシブル梁を含んでもよく、このアクチュエータ支持材46は、例えば、アンビル接触部材40を内側へと移動させてリボンに係合させ、さらにその後アンビル接触部材40をリボンから離してリボンと接触しない開始位置へと引き戻すよう構成された、空気圧式または油圧式のアクチュエータなどでもよい。さらに他の実施形態において、フレキシブル梁は直線形状以外の形状を取るよう構成されたものでもよい。例えば、
図3に描かれているフレキシブル梁は、移動しているガラスリボン20の曲率に従うよう湾曲している。あるいは、アンビル接触部材の曲率にリボンを実質的に従わせるように、アンビル接触部材を使用してもよい。支持部材46はこの例を通じてアクチュエータであると想定されているが、支持部材46はアンビル接触部材をキャリッジ44に対して堅く固定する、トラス構造とすることもできることを理解されたい。
【0034】
罫書きアセンブリ30は、例えば、ガラスリボン20と接触して第2面38上にリボン幅の少なくとも一部を横切るベントクラックを形成する、罫書き部材48(例えば、カーバイドスチール製のホイールまたはチップ)を含んでもよい。こういった罫書き装置は周知であるため、ここでは詳細には説明しない。ただし、アンビルアセンブリに対して説明した条件が、同じく罫書きアセンブリにも当てはまることに留意されたい。すなわち、リボンのエッジに垂直な罫書きを得るために、罫書きアセンブリは、移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動するよう構成される。この動きは、ガラスリボンに罫書きして罫書き線50を形成するための罫書き装置の(ガラスリボン幅の少なくとも一部を横切る)横断方向への動きに追加される。移動しているガラスリボンがリボンの幅を横切る曲率を有している事例では、罫書きアセンブリ30がガラスリボンの湾曲表面を通過するときに罫書き部材の位置付けを変化させるよう、罫書きアセンブリ30を構成してもよいことにも留意されたい。すなわち、いくつかの実施形態では、湾曲したリボンの相対位置に適応するため、罫書き部材がガラスリボンの幅を通過するときに、罫書き部材を延ばしたりあるいは縮めたりしてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、罫書き装置はレーザ(図示なし)を含んでもよく、そのビームはガラスと物理的に接触することなく罫書き線を形成する。このような非接触式の罫書き装置では、罫書きホイールや罫書きチップで接触したときに生じ得る、リボンの振動や横方向への動きは排除される。ただし、リボンのエッジに垂直な罫書き線を得るために、レーザベースの罫書き装置を接触型の罫書き装置の動きと同様に、移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで動かしてもよい。
【0036】
ノージングアセンブリ32は、複数の個々のノージング部材34を含む。各ノージング部材34は、ノージング部材を他のノージング部材から独立して動かすよう構成された、空気圧式または油圧式のシリンダなどのノージングアクチュエータ54を含んでもよい。各ノージング部材34はノージング接触部材56をさらに含んでもよく、このノージング接触部材56は、高温への長時間の露出に耐えるよう設計され、かつノージング接触面がガラスリボンと接触したときにリボンを損傷しない程度に柔軟である。複数のノージング部材34は、移動しているガラスリボンの移動方向を横断する方向に(リボン幅の少なくとも一部を横切って)一列に配列してもよい。ただし、いくつかの実施形態では、個々のノージング部材(およびその関連するノージング接触部材)を一列に配列しなくてもよく、代わりに、いくつかのノージング部材をそのリボン幅を横切る位置や必要に応じて、隣接するノージング部材よりも鉛直方向に高くまたは低くなるようにずらして配列してもよい。例えば
図4は、鉛直方向に距離δだけずれている2つのノージング部材34を、(ガラスリボンに対し)エッジ方向から見て示したものである、一方
図5は、鉛直方向にずらして(非直線状の)アレイ状に配列された、ノージング部材のアレイの側面図を描いたものである。
【0037】
各ノージングアクチュエータ54は、複数のノージング部材のおおよその位置付けを実現するよう移動可能な、フレーム58にさらに連結させてもよい。例えば、複数のノージング接触部材が、移動しているガラスリボンにおおよそ近接するよう、フレーム58を最初に位置付けてもよい。フレーム58を、キャリッジ44と同様に、複数のノージング接触部材を鉛直方向に同期化させて動かすようさらに構成してもよい。この事例においてフレーム58は、下降しているリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで、複数のノージング部材34を下方に移動させる。一旦ガラスシート26の分離が行われると、フレーム58は次のサイクルの準備のために、複数のノージング部材を上方のドック位置へと移動させる。フレーム58は、例えば、機械的なアセンブリで位置付けてもよいし、あるいは1以上の遠隔駆動された、空気圧式または油圧式シリンダなどのアクチュエータを用いて位置付けてもよい。
【0038】
一旦ノージング接触部材が、移動しているガラスリボン20におおよそ近接して位置付けられると、各アクチュエータ54を駆動させて、下方に移動しているガラスリボンの表面から既定距離だけ離れた位置まで、その関連するノージング接触部材56を移動させてもよい。さらに、移動しているガラスリボンと各ノージング接触部材56との間の許容範囲すなわち間隔は個々に調節可能であり、したがって位置合わせ、許容範囲、およびシート運動における誤差に対する補償は容易に得られる。
【0039】
ノージング部材34は、罫書き線50の(ガラスリボンの移動方向に対して)下流に位置付けてもよいし、あるいは罫書き線の上流に位置付けてもよい。しかしながら、特にノージング部材がガラスリボンと接触する場合、リボンの運度や小さい振動がガラスリボンの粘弾性領域へと上方に伝播しないようにするためには、上流への設置がより良い助けとなり得る。この点で、ノージング部材34を、分離工程での所望の影響にしたがって上方または下方へと鉛直方向に(フレーム58などを用いて)動かしてもよい。例えば、より低い位置に設定すると、より効果的な曲げ分離の制御が可能となり、一方より高い位置(罫書き線に対して)への設定では、シートを抑制することが可能になり、かつリボンを横断する動きが成形プロセス制御に与える負の相互作用を低減させることができる。
【0040】
図6A〜6Dを参照し、一実施の形態において、アンビル接触面40、罫書き装置30、およびノージング部材34が、この3つのアセンブリのいずれも移動しているガラスリボンと接触しないように位置付けられている(
図6A)。
図6Bでは、ガラスリボン20が牽引ローラアセンブリ42により成形本体12から下方に延伸されているときに、アンビル接触部材40を内側に動かしてガラスリボン20と接触させる。フレーム58は、ノージング接触部材56をガラスリボンと接触させない状態で、第1のドック位置から、リボンにより近接させた第2の位置まで同様に内側へ移動する。ノージング部材34のノージング接触部材56を、延長するアクチュエータ54で、ガラスリボンの表面から既定距離の位置にその後個々に位置付けてもよいし、あるいはフレーム58が休止すなわちドック位置から第2のより近接した位置まで移動する前に、ノージング接触部材を事前に位置付けてもよい。例えば、
図6Aに示したように最初に位置60に位置しているノージング接触部材を、
図6Bに示されているように、リボン20の第2面38から既定距離の最終位置62まで、移動しているガラスリボン20に向けてリボン20と接触させることなく延長させてもよい。さらに、
図6Bに示されているように、罫書き部材48をガラスリボン20の第2面38と接触させ、かつリボン20の幅の少なくとも一部を横切って移動させる。上述したように、アンビル接触部材と複数のノージング部材との両方を、延伸されているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで移動させる。
【0041】
図6Cを参照し、一旦個々のノージング接触部材が、移動しているガラスリボンから既定距離だけ離して罫書き装置の上方で位置付けられると、罫書き装置をガラスリボンの第2面38と罫書き部材48で接触するように係合させ、さらにリボン幅を横切って罫書き部材48を移動させて罫書き線50を形成する。罫書き装置の係合は、機械的罫書き装置の場合など、罫書き部材48と移動しているガラスリボンとの間での接触を含むものでもよい。あるいは、レーザベースの罫書き装置の場合には、この係合は、罫書きアセンブリを適切な位置に単に位置付け、そしてレーザベースの罫書きアセンブリが位置付けられた後で、レーザにより生成されたレーザビームをガラスリボン幅の少なくとも一部を横切って通過させるものを含んでもよい。いずれの場合でも、罫書き線50はリボンの第2面38に形成される。アンビルアセンブリ28および複数のノージング部材34の場合と同様に、リボン幅を横切って罫書き装置が同時に移動するとき、移動しているガラスリボンの方向および速さと実質的に同じ方向および速さで罫書きアセンブリ30は移動する。
【0042】
罫書き線を横切る引張応力を加えて、移動しているガラスリボン20から個々のガラスシート26を取り去るために、マニピュレータ64を用いてガラスリボンに曲げモーメントを加えてもよい。この曲げにより、罫書き線を横切る引張応力を生成し、すなわち罫書きにより生成されたクラックをリボンの厚さを通じて延長させ、そしてシートを分離させる。あるいは、罫書き線の下方で、下方に牽引する力をリボンに加えてもよい。マニピュレータ64は柔軟な吸着カップ66を含んでもよく、この吸引カップをガラスシート表面に固定し、かつこの吸引カップに与えられる真空を介して、ガラスシート表面への損傷を最小限に抑えながらガラスシートを保持する。マニピュレータ64は、例えば、コントローラまたはコンピュータと通信してコンピュータまたはコントローラにプログラムされた指示にしたがって機能を果たす、ロボットでもよい。一旦シート26がリボン20から分離されると、次いでマニピュレータ64がシートを所望のように処理することができる。例えば、マニピュレータ64は、ガラスシートを他の処理設備(例えば、エッジ仕上げ)に輸送するために、容器(図示なし)にガラスシートを積み重ねることができる。
【0043】
上述の引張動作(例えば、曲げ)では、引張張力により、移動しているガラスリボンにエネルギーが蓄積される。ガラスが急に分離すると、このエネルギーが放出され、リボンの横方向の動きや振動を引き起こす。すなわち、ガラスリボン20は、リボンの第1主表面36および第2主表面38に実質的に垂直な方向に動き得る。つまり、リボン20は揺動することがある(揺動はより正確には弓状の運動を誘発するが、短い距離でのこの弧を描く揺動は、横方向への平行移動として扱うことができる)。上で説明したように、この運動は、弱まらなければ、移動しているガラスリボンの粘弾性領域内に伝わり、リボンが粘弾性状態から弾性状態に転移するときに固定される応力変化がリボンにかかる虞が生じ得る。
【0044】
図6Dに示されているように、ガラスシート26は移動しているガラスリボン20から分離され、そしてアンビルアセンブリ28、罫書きアセンブリ30、およびノージングアセンブリ32は、別のサイクルを始めるために開始位置へと引き戻される。
【0045】
罫書き動作中、複数のノージング接触部材56はガラスリボン20と接触させず、代わりにリボンの表面から既定距離だけ離して位置付けることが好ましい。各ノージング接触部材と移動しているガラスリボンの第2面との間のこの既定距離は、各ノージング接触部材で異なっていてもよい。例えば、ガラスリボンの切り離し地点(罫書き線50)は、平坦ではなく、代わりにリボン幅の少なくとも一部を横切って湾曲を呈する可能性がある。いくつかの例においては、リボンを横切る方向の湾曲の他、リボンが縦方向(リボンが下方に移動する方向)の湾曲を呈することがある。ノージング接触部材は、
図7に示すように(リボンのリボンを横切る方向の形状に似せた)相補的な形で位置付けてもよいし、あるいは必要に応じて、
図8に示したような相補的ではない形で位置付けてもよい。ガラスシートを分離した後のガラスリボンの横方向への動きが十分に大きい場合、ガラスリボンが夫々の位置に応じて1以上のノージング接触部材に接触し、横方向への動きの大きさが制限され得る。
【0046】
図7はさらに、ノージングアセンブリ32の個々のノージング部材34に対する制御機構を示し、この制御機構には、作業流体供給68から延び、かつアクチュエータバルブ72を含んだライン70で表されている、作業流体ライン(例えば、ガスまたは油圧式流体)が含まれる。アクチュエータバルブ72は、例えば、制御ライン76で表されている制御ラインを通じてコントローラ(またはコンピュータ)74で遠隔制御してもよい。これにより、各ノージング部材を他のノージング部材から独立させて作動させることができる。これはさらに、ノージングアセンブリ32の設計をモジュール式にすることを可能にする。すなわち、前述の構造により、例えば異なる幅のリボンに適応させるための個々のノージング部材の追加または除去が、比較的容易な作業となる。個々のノージング部材(およびノージング接触部材)の数は少なくとも2つであるが、移動しているガラスリボンの幅、その延伸方向を横断する方向におけるリボンの形状、そして形状制御または横方向の運動制限の所望のレベルに応じて、3、4、5、6、7、8、または10以上とすることも可能である。
【0047】
移動しているガラスリボン20からガラスシート26が取り除かれ、かつガラスリボン20の横方向への動きが停止すると、ノージング接触部材56を引き戻し、さらに続く個々のガラスシートの分離に備えて罫書きアセンブリ30の上流に位置付けてもよい。ノージング接触部材が、第1の移動フレーム58などを用いて、リボンから離して外側に、かつ罫書き装置上方のドック位置へと上方に再配置されると、その夫々のノージング接触部材56がリボンと接触することなくリボンに隣接しかつサイクルが再び開始されるような定位置へと、ノージング部材を移動させる。
【0048】
いくつかの実施形態では、1以上のノージング接触部材56を、移動しているガラスリボン20の第2面38と係合させてもよい。すなわち、1以上のノージング接触部材は、移動しているガラスリボンと罫書き動作中に接触してもよい。罫書き作業中にノージング接触部材がリボンと接触することにより、罫書きがリボンに誘発させた振動を抑制することができる。ノージング接触部材は、例えば、リボンの幅を横切る方向の湾曲と相補的な形状を示すようにリボンに対して位置付けてもよい。この湾曲は、単純なもの(弓状など)である可能性もあるし、あるいはより複雑な「S」字状などの可能性もある。したがって、
図9に示すように、いくつかのノージング接触部材は罫書き動作中にガラスリボン20の第2面38と接触するように位置付けてもよく、一方で他のノージング接触部材は、罫書き動作中にリボンから既定距離だけ離して位置付けられる。例えば、端部位置(ガラスリボンの外側縦エッジ位置)に位置しているノージング部材は、その夫々のノージング接触部材56が罫書き中にリボンと接触して堅さを提供するように作動させてもよいが、ガラスリボンの中心付近のノージング部材は、その夫々のノージング接触部材をリボンから既定距離だけ離して位置付け、エネルギーダンパーとして役立ち、かつ分離中の摂動を減少させるよう作動させてもよい。
【0049】
さらに別の実施形態においては、罫書き部材をガラスリボン20の第2面38上にリボン幅を横切って通過させる罫書き動作中に、
図10に示すように、複数のノージング接触部材のうちの全てのノージング接触部材を、移動しているガラスリボン20に接触させるようにしてもよい。
【0050】
上記の説明は、例示的なフュージョンガラス製造プロセスに関するものであるが、本書において開示される実施形態がスロットドロープロセスなどの他のガラス製造プロセスに適用可能であることは、当業者には理解されるであろう。
【0051】
上述した本発明の実施形態、特に任意の「好ましい」実施形態は、単に実施可能な例であって、本発明の原理を明確に理解するための単なる説明であることを強調したい。本発明の精神および種々の原理から実質的に逸脱することなく、上述の本発明の実施形態に対して多くの変形および改変を作製することができる。例えば、本書において説明したような独立したキャリッジやフレームではなく、アンビルアセンブリと、罫書きアセンブリと、そしてノージングアセンブリとを備えた部品を単一のキャリッジまたは枠組み上に全てマウントし、移動しているガラスリボンが成形本体から下降するときに動く方向および速さでこれを移動させることも可能であろう。すなわち、前述のアセンブリの夫々、そしてその関連する部品が、移動しているガラスリボンと調和しかつ共時的に、移動することを確実にすることができる。全てのこのような改変および変形は、本書において本開示および本発明の範囲内に含まれ、かつ以下の請求項によって保護されると意図されている。