(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649664
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】全NMOS−4トランジスタ不揮発性メモリセルのプログラム方法
(51)【国際特許分類】
G11C 16/04 20060101AFI20141211BHJP
H01L 21/8247 20060101ALI20141211BHJP
H01L 27/115 20060101ALI20141211BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20141211BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20141211BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
G11C17/00 623Z
H01L27/10 434
H01L29/78 371
G11C17/00 623B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-551964(P2012-551964)
(86)(22)【出願日】2010年11月29日
(65)【公表番号】特表2013-519180(P2013-519180A)
(43)【公表日】2013年5月23日
(86)【国際出願番号】US2010058203
(87)【国際公開番号】WO2011096977
(87)【国際公開日】20110811
【審査請求日】2013年11月25日
(31)【優先権主張番号】12/698,318
(32)【優先日】2010年2月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591150672
【氏名又は名称】ナショナル セミコンダクター コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL SEMICONDUCTOR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】パーベル ポプレバイン
(72)【発明者】
【氏名】ウメール カーン
(72)【発明者】
【氏名】ヘニャン ジェームズ リン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェイ フランクリン
【審査官】
菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第07483310(US,B1)
【文献】
米国特許第06985386(US,B1)
【文献】
特開2009−259361(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0262584(US,A1)
【文献】
特開2007−123830(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0070707(US,A1)
【文献】
特開2008−270550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/04
H01L 21/336
H01L 21/8247
H01L 27/115
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリ(NVM)セルをプログラムする方法であって、
前記NVMセルが、ドレイン電極と、バルク領域電極と、ソース電極と、共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第1NMOSプログラミングトランジスタ、ドレイン電極と、バルク領域電極と、ソース電極と、前記共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第2NMOS読み出しトランジスタ、相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極と、前記共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第3NMOS消去トランジスタ、および相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極と、前記共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第4NMOS制御トランジスタを含み、
前記NVMセルをプログラムする方法が、
前記第1、第2、第3、および第4のNMOSトランジスタの前記ソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極を正の基準電圧に設定すること、
前記第2NMOS読み出しトランジスタの前記ソース、ドレイン、およびバルク領域電極に禁止電圧を印加しながら、前記第1NMOSプログラミングトランジスタの前記ソースおよびドレイン電極を前記正の基準電圧に設定し、前記第1NMOSプログラミングトランジスタの前記バルク領域電極を前記正の基準電圧または前記禁止電圧に維持すること、
予め選択されるプログラミング時間中、前記第4NMOS制御トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記正の基準電圧から所定の負の制御電圧に傾斜減少させながら、前記予め選択されるプログラミング時間中、前記第3NMOS消去トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記正の基準電圧から所定の負の消去電圧に傾斜減少させること、
前記予め選択されるプログラミング時間の終わりに、前記第4NMOS制御トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記所定の負の制御電圧から前記正の基準電圧に傾斜増加させながら、前記第3NMOS消去トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記所定の負の消去電圧から前記正の基準電圧に傾斜増加させること、および、
前記第1、第3、および第4のNMOSトランジスタの前記ソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極を前記正の基準電圧に戻しながら、前記第2NMOS読み出しトランジスタの前記ソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記禁止電圧に設定すること、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記禁止電圧が0Vである、方法。
【請求項3】
複数の不揮発性メモリ(NVM)セルを含むNVMセルアレイをプログラムする方法であって、
前記アレイ中の各NVMセルが、ドレイン電極と、バルク領域電極と、ソース電極と、共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第1NMOSプログラミングトランジスタ、ドレイン電極と、バルク領域電極と、ソース電極と、前記共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第2NMOS読み出しトランジスタ、相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極と、前記共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第3NMOS消去トランジスタ、および相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極と、前記共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第4NMOS制御トランジスタを含み、
前記NVMセルアレイをプログラムする方法が、
前記第1、第2、第3、および第4のNMOSトランジスタの前記ソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極を正の基準電圧に設定すること、
前記NVMセルアレイ内のプログラムするために選択される各NVMセル毎に、前記第2NMOS読み出しトランジスタの前記ソース、ドレイン、およびバルク領域電極に禁止電圧を印加しながら、前記第1NMOSプログラミングトランジスタの前記ソースおよびドレイン電極を前記正の基準電圧に設定し、前記第1NMOSプログラミングトランジスタの前記バルク領域電極を前記正の基準電圧または前記禁止電圧に維持すること、
前記NVMセルアレイ内のプログラムするように選択されない各NVMセル毎に、前記第2NMOS読み出しトランジスタおよび前記第1NMOSプログラミングトランジスタの前記ソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記禁止電圧に設定すること、
前記NVMセルアレイ内のプログラムするために選択される各NVMセル毎に、予め選択されるプログラミング時間中、前記第4NMOS制御トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記正の基準電圧から所定の負の制御電圧に傾斜減少させながら、前記予め選択されるプログラミング時間中、前記第3NMOS消去トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記正の基準電圧から所定の負の消去電圧に傾斜減少させること、
前記NVMセルアレイ内のプログラムするために選択される各NVMセル毎に、前記予め選択されるプログラミング時間の終わりに、前記第4NMOS制御トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記所定の負の制御電圧から前記正の基準電圧に傾斜増加させながら、前記第3NMOS消去トランジスタの前記相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記所定の負の消去電圧から前記正の基準電圧に傾斜増加させること、および、
前記NVMセルアレイ内の各NVMセル毎に、前記第1、第3、および第4のNMOSトランジスタの前記ソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極を前記正の基準電圧に戻しながら、前記第2NMOS読み出しトランジスタの前記ソース、ドレイン、およびバルク領域電極を前記禁止電圧に設定すること、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記禁止電圧が0Vである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路メモリデバイスに関し、詳細には、プログラミング用の逆ファウラー・ノルドハイム・トンネルリングを利用する全NMOS−4トランジスタ不揮発性メモリ(NVM)セルに関する。
【0002】
本発明は集積回路メモリデバイスに関し、詳細には、プログラミング用の逆ファウラー・ノルドハイム・トンネルリングを利用する全NMOS−4トランジスタ不揮発性メモリ(NVM)セルに関する。
【背景技術】
【0003】
2007年1月16日に本願と同一出願人であるポプレバインらに付与された米国特許第7,164,606号は、プログラミング用の逆ファウラー・ノルドハイム・トンネルリングを利用する全PMOS−4トランジスタ不揮発性メモリ(NVM)セルを開示している。
【0004】
図1を参照すると、米国特許第7,164,606号に開示されているように、ストレージノードP
sに共通接続されるフローティングゲート電極を有する全PMOS−4トランジスタNVMセル100を含むNVMアレイを、アレイ内のプログラムしようとする各NVM毎にプログラムする方法に従って、セルのすべての電極が接地される。次いで、禁止電圧V
nが、セルの読み出しトランジスタP
rのバルク接続されるソース電極V
rと、セルの消去トランジスタP
eの共通接続されるドレイン、バルク領域、およびソース電極V
eと、読み出しトランジスタP
rのドレイン電極D
rとに印加される。セルのプログラミングトランジスタP
wのソース電極V
pおよびドレイン電極D
pは接地される。プログラミングトランジスタP
wのバルク領域電極V
nwに印加される電圧は任意選択であり、接地することもできるし、禁止電圧V
nに維持することもできる。アレイ内のプログラムするように選択されないすべてのNVMセルについて、禁止電圧V
nがV
r、V
e、およびD
r電極に印加され、V
p、D
p、およびV
nw電極にも印加される。次いで、プログラムしようとするセルについては、セルの制御トランジスタP
cの制御電圧V
cが、プログラミング時間T
progに0Vから最大プログラミング電圧V
cmaxに掃引される。次いで、制御電圧V
cが、最大プログラミング電圧V
cmaxから0Vに傾斜減少される。次いで、セルのすべての電極および禁止電圧V
nが接地に戻される。
【0005】
米国特許第7,164,606号に詳細に記載されているように、その中で開示される全PMOS−4トランジスタNVMセルは、プログラミング用の逆ファウラー・ノルドハイム・トンネルリングに依存している。つまり、全PMOS−NVMセルのプログラミングトランジスタのフローティングゲート電極と、プログラミングトランジスタのドレイン、ソース、およびバルク領域電極との間の電位差が、トンネルリング閾値電圧を超えるとき、ドレインおよびソース電極からフローティングゲートまで電子がトンネルし、フローティングゲートを負に帯電させる。
【0006】
ここで米国特許第7,164,606号を参照によりその全体を本明細書に組み込み、本発明に関する背景情報を提供する。
【0007】
米国特許第7,164,606号に開示される全PMOS−4トランジスタNVMセルのプログラミング技術は、高電流電力源を必要とせずにセルアレイ内の多数のセルを同時にプログラムし得る低電流消費と、簡単なプログラムシーケンスという利点をともに提供するものである。しかし、4トランジスタPMOS−NVMセルは、nエピタキシャルシリコンを成長させてすべてのNウェルを一緒に短絡させるか、各Nウェルが個々のN+、P+、またはトレンチ保護リングによって囲まれる必要があり、フローティングポリシリコンゲートが保護リングと交差する場合に電荷が失われる、ある種の集積回路製造プロセスでは使用することができない。
【0008】
そのため、全PMOS−4トランジスタNVMセルが可能でないプロセスで使用することができ、全PMOS−4トランジスタセルの利点が維持されるNVMセル設計が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、複数の全NMOS−4トランジスタ不揮発性メモリ(NVM)セルを含むNVMセルアレイをプログラムする方法を提供する。NVMセルアレイ内の全NMOS−NVMセルはそれぞれ、ドレイン電極と、バルク領域電極と、ソース電極と、共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第1NMOSプログラミングトランジスタ、ドレイン電極と、バルク領域電極と、ソース電極と、共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第2NMOS読み出しトランジスタ、共通接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極と、共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第3NMOS消去トランジスタ、および共通接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極と、共通ストレージノードに接続されるゲート電極とを有する第4NMOS制御トランジスタを含む。このプログラミング方法は、アレイ内の各NVMセル毎に、第1、第2、第3、および第4のNMOSトランジスタのソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極を正の基準電圧に設定することと、アレイ内のプログラムするために選択される各NVMセル毎に、第2NMOS読み出しトランジスタのソース、ドレイン、およびバルク領域電極に禁止電圧を印加しながら、第1NMOSプログラミングトランジスタのソースおよびドレイン電極を正の基準電圧に設定し、第1NMOSプログラミングトランジスタのバルク領域電極を正の基準電圧または禁止電圧に維持することと、NVMセルアレイ内のプログラムするように選択されない各NVMセル毎に、第2NMOS読み出しトランジスタおよび第1NMOSプログラミングトランジスタのソース、ドレイン、およびバルク領域電極を禁止電圧に設定することと、アレイ内のプログラムするように選択される各NVMセル毎に、予め選択されるプログラミング時間中、第4NMOS制御トランジスタの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を正の基準電圧から最小制御電圧に傾斜減少させながら、予め選択されるプログラミング時間中、第3NMOS消去トランジスタの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を正の基準電圧から最小消去電圧に傾斜減少させることと、アレイ内のプログラムするために選択される各NVMセル毎に、予め選択されるプログラミング時間の終わりに、第4NMOS制御トランジスタの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を最小制御電圧から正の基準電圧に傾斜増加させながら、第3NMOS消去トランジスタの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を最小消去電圧から正の基準電圧に傾斜増加させることと、アレイ内のプログラムするように選択される各NVMセル毎に、第1、第3、および第4のNMOSトランジスタのソース、ドレイン電極、およびゲート電極を正の基準電圧に戻しながら、第2NMOS読み出しトランジスタのソース、ドレイン、およびバルク領域電極を禁止電圧に設定することとを含む。
【0010】
本発明の様々な態様の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明および本発明の概念を利用する例示実施形態を示す添付の図面を考慮すればよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】全PMOS−4トランジスタNVMセルを示す概略図である。
【0012】
【
図2】本発明の概念に従った全NMOS−4トランジスタNVMセルの実施形態を示す概略図である。
【0013】
【
図3】NVMセルアレイに組み込まれるように適合される
図2のNVMセルの実施形態を示す概略図である。
【0014】
【
図3A】NVMセルアレイに組み込まれるように適合される
図2のNVMセルの代替実施形態を示す概略図である。
【0015】
【
図4】
図3および
図3Aに示すタイプの複数の適合されたNVMセルを含むNVMセルアレイの実施形態を示す概略図である。
【0016】
【
図5】
図1の全PMOS−4トランジスタNVMセルを示す断面図である。
【0017】
【
図6】本発明の概念に従った全NMOS−NVMセルの
図2の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図2は、共通ストレージノードN
sに接続される4つのNMOSトランジスタを含む全NMOS−4トランジスタ不揮発性メモリ(NVM)セル200を示す。以下により詳細に説明するように、これら4つのNVMセルの機能であるプログラミング(または書き込み)、読み出し、消去、および制御の機能毎に1つのNMOSトランジスタが提供される。
【0019】
NVMセル200のプログラミング機能は、ソースプログラミング電圧V
pを受け取るソース電極と、ドレインプログラミング電圧D
pを受け取るドレイン電極と、バルクプログラミング電圧V
pwpを受け取るバルク領域電極とを有する第1NMOSプログラミングトランジスタN
wによって制御される。プログラミングトランジスタN
wのゲート電極は、共通ストレージノードN
sに接続される。
【0020】
NVMセル200の読み出し機能は、ソース読み出し電圧V
rを受け取るソース電極と、ドレイン読み出し電圧D
rを受け取るドレイン電極と、バルク読み出し電圧V
pwrを受け取るバルク領域電極とを有する第2NMOS読み出しトランジスタN
rによって制御される。読み出しトランジスタN
rのゲート電極は、共通ストレージノードN
sに接続される。
【0021】
NVMセル200の消去機能は、相互接続され、消去電圧V
eが印加される、ソース、ドレイン、およびバルク領域電極を有する第3NMOS消去トランジスタN
eによって制御される。消去トランジスタN
eのゲート電極は、共通ストレージノードNsに接続される。
【0022】
NVMセル200の制御機能は、相互接続され、制御電圧V
cが印加される、ソース、ドレイン、およびバルク領域電極を有する第4NMOS制御トランジスタN
cによって制御される。制御トランジスタN
cのゲート電極は、共通ストレージノードNsに接続される。
【0023】
先に参照した米国特許第7,164,606号は、逆ファウラー・ノルドハイム・トンネルリング・プログラミング技術が全PMOS−4トランジスタNVMセルならびにプログラミング、消去、および読み出し動作のシーケンスにどのように機能するかを詳細に記載している。本発明の全NMOS−4トランジスタNVMセル200に対するプログラミング、消去、および読み出し動作は、全PMOSセルに対するこれらの動作と相補的である。つまり、プログラミング、消去、および読み出しシーケンスは同じで、電圧の極性が異なる。全PMOSセルの場合、回路基準電圧は0Vであり、全NMOSセルでは、基準電圧が正(V
DD)である。全PMOSセルの場合、禁止電圧V
nは正電圧であり、全NMOSセルの場合、禁止電圧V
nは0Vである。全PMOSセルの場合、制御電圧V
cおよび消去電圧V
eはそれぞれ正電圧V
cmaxおよびV
emaxであり、全NMOSセルでは、制御電圧V
cおよび消去電圧V
eはそれぞれ負電圧V
cminおよびV
eminである。
【0024】
図2を参照すると、全NMOS−4トランジスタNVMセル200をプログラムするには、第1NMOSプログラミングトランジスタN
w、第2NMOS読み出しトランジスタN
r、第3NMOS消去トランジスタN
e、および第4NMOS制御トランジスタN
cのソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極がいずれも正の基準電圧V
DDに初期設定される。禁止電圧V
n(0V)が、第2NMOS読み出しトランジスタN
rのソース、ドレイン、およびバルク領域電極に印加されながら、第1NMOSプログラミングトランジスタN
wのソースおよびドレイン電極が正の基準電圧V
DDに設定され、第1NMOSプログラミングトランジスタN
wのバルク領域電極が正の基準電圧V
DDまたは禁止電圧V
n(0V)に維持される。次いで、第4NMOS制御トランジスタN
cの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極が、プログラミング時間T
prog中、正の基準電圧V
DDから負の最小制御電圧V
cminに傾斜減少されながら、プログラミング時間T
prog中、第3NMOS消去トランジスタN
eの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極が、正の基準電圧V
DDから負の最小消去電圧V
eminに傾斜減少される。プログラミング時間T
progの終わりに、第4NMOS制御トランジスタN
cの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極が、負の最小制御電圧V
cminから正の基準電圧に傾斜増加されながら、第3NMOS消去トランジスタN
eの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極が、負の最小消去電圧V
eminから正の基準電圧V
DDに傾斜増加される。次いで、第1、第3、および第4のNMOSトランジスタのソース、ドレイン、およびバルク領域電極が正の基準電圧V
DDに戻されながら、第2NMOS読み出しトランジスタN
rのソース、ドレイン、およびバルク領域電極が禁止電圧V
n(0V)に設定される。
【0025】
図3は、NVMセルアレイ内でのNVMセル200の使用を容易にするための付加的なNチャネルパストランジスタN1およびN2を含むように適合される全NMOS−4トランジスタNVMセル200を示す。例えば、共通ストレージノードN
sからデータを読み出すために、NチャネルパストランジスタN1が、読み出しワード線ノードRWLを論理ハイにし、読み出しビット線ノードRBLの電流を感知することによって使用される。共通ストレージノードN
sに対してデータをプログラムするために、NチャネルパストランジスタN2が、プログラムワード線ノードPWLを論理ハイにし、プログラムビット線ノードPBLを論理ハイにしてプログラムしようとするセルのプログラミングトランジスタソースノードV
pで論理ハイを得ることによって(または、ノードPBLを論理ローにしてソースノードV
pで論理ローを得て消去段階にセルを保つことによって)使用される。
図3の破線円は、相互接続され、正の基準電圧V
DDまたは禁止電圧0Vに設定し得る、ソースおよびドレインならびにバルク領域電極を備えたプログラミングトランジスタN
pを利用する相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を備えたプログラミングトランジスタN
pの可能な代替実施形態を示す。
【0026】
図3Aは、
図3の適合されたNVMセルの代替実施形態を示す。
図3Aの適合されたセルの様態はいずれも、プログラミングトランジスタN
wの構成を除き
図3の適合されたセルの態様と同じである。
図3Aは、ソース電極と、共通接続されるドレインおよびバルク領域電極と、共通ストレージノードN
sに接続されるゲート電極とを有するプログラミングトランジスタN
wを示す。
図3Aの破線円は、プログラミングトランジスタN
wが、独立したソース、ドレイン、およびバルク領域電極ならびに共通ストレージノードN
sに接続されるゲート電極を有する別の可能な代替実施形態を示す。
【0027】
こうすると、プログラミングトランジスタN
wに対する可能なバイアスの組合せは以下のようになる。
1)V
p=V
DD、D
p=V
DD、V
pwp=V
DD(
図3)
2)V
p=V
DD、D
p=V
DD、V
pwp=V
SS(
図3の代替)
3)V
p=V
DD、D
p=フローティング、V
pwp=V
DD(
図3A)
4)Vp=V
DD、D
p=フローティング、V
pwp=V
SS(
図3Aの代替)
トランジスタの観点から、ソースとドレインが交換可能であり、そのため、機能の観点から、V
p=V
DD、D
pフローティングはV
pフローティングに等しく、D
p=V
DDであることが当業者には理解されよう。
【0028】
図4は、NVMセルアレイ400に組み込まれた、
図3および
図3Aに示すタイプのものとし得る複数のNVMセル200を示す。消去電圧V
eおよび制御電圧V
cが、アレイ400内の各NVMセルに直接印加される。高電圧スイッチや他のサポート回路がなければ、アレイ400から外部または内部の電圧および信号源に、かつ信号の到達点まで、極めて簡略化された接続がなされる。上述したように、プログラム電圧V
pは、NチャネルパストランジスタN2(
図3、
図3A)を介して各セルに個々に供給されて、セルがプログラムされるか、あるいは、消去段階に維持される。
【0029】
消去モードの間、アレイ400の読み出しワード線(RWL)およびプログラムワード線(PWL)はすべて論理ローであり、消去電圧V
eが印加され、アレイ400の回路の残りの線は正の基準電圧V
DDに保たれる。
【0030】
プログラミングモードの間、アレイ400の読み出しワード線(RWL)はすべて論理ローであり、プログラムワード線の1本、例えば、PWL(0)が論理ハイとなるが、残りのプログラムワード線PWL(1)〜PWL(N−1)は論理ローとなる。アレイ400内の特定のセルをプログラムするため、対応するプログラムビット線、例えば、PBL(0)を論理ハイにし、アレイ400内の残りのセルを消去段階に保つため、対応するプログラムビット線PBLを論理ローにする。次いで、制御電圧V
cおよび消去電圧V
eをともにアレイ400内のすべてのセルに印加し、残りの信号線を正の基準電圧V
DDに設定する。
【0031】
読み出しモードの間、アレイ400内のすべてのプログラムワード線(PWL)は論理ローであり、読み出しワード線の1本、例えば、RWL(0)が論理ハイとなるが、アレイ400内の残りの読み出しワード線RWL(0)〜RWL(N−1)は論理ローとなる。読み出しビット線RBL(0)〜RWL(M−1)のそれぞれにおいて、アレイ内のプログラム済みの対応する各セル毎に高電流または高電圧が受け取られ、消去済みの対応する各セル毎に低電流または低電圧が受け取られる。
【0032】
図2、
図3、
図3A、および
図4を参照して、アレイ400内の全NMOSセル用のプログラミング、消去、および読み出しシーケンスの概要を以下に示す。
【0033】
プログラムシーケンス
第1NMOSプログラミングトランジスタN
w、第2NMOS読み出しトランジスタN
r、第3NMOS消去トランジスタN
e、および第4NMOS制御トランジスタN
cのソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極を正の基準電圧(V
DD)に設定する。NVMセルアレイ400内のプログラムするために選択された各NVMセル毎に、読み出しトランジスタN
rのソース、ドレイン、およびバルク領域電極に禁止電圧(0V)を印加しながら、プログラミングトランジスタN
wのソースおよびドレイン電極を正の基準電圧に設定し、プログラミングトランジスタのバルク領域電極を正の基準電圧(V
DD)または禁止電圧(0V)に維持する。NVMセルアレイ400内のプログラムするように選択されない各NVMセル毎に、読み出しトランジスタおよびプログラミングトランジスタN
wのソース、ドレイン、およびバルク領域電極を禁止電圧(0V)に設定する。予め選択されるプログラミング時間T
prog中、制御トランジスタN
cの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を正の電源電圧(V
DD)から所定の負の制御電圧V
cminに傾斜減少させながら、予め選択されるプログラミング時間T
prog中、消去トランジスタN
eの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を所定の負の消去電圧V
eminに傾斜減少させる。NVMセルアレイ400内のプログラムするために選択される各NVMセル毎に、予め選択されるプログラミング時間T
progの終わりに、制御トランジスタN
cの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を所定の負の制御電圧V
cminから正の基準電圧(V
DD)に傾斜増加させながら、消去トランジスタN
eの相互接続されるソース、ドレイン、およびバルク領域電極を所定の負の消去電圧V
eminから正の基準電圧(V
DD)に傾斜増加させる。NVMセルアレイ内の各NVMセル毎に、プログラミングトランジスタN
w、消去トランジスタN
c、および制御トランジスタN
cのソース、ドレイン、バルク領域、およびゲート電極を正の基準電圧(V
DD)に戻しながら、読み出しトランジスタN
rのソース、ドレイン、およびバルク領域電極を禁止電圧(0V)に設定する。
【0034】
消去シーケンス
アレイ400内の消去しようとする各NVMセル毎に、予め選択される消去時間T
erase中、消去電圧電極V
eを正の基準電圧(V
DD)から所定の負の消去電圧V
eminに傾斜減少させ、次いで、消去電圧電極V
eを負の消去電圧V
eminから正の基準電圧(V
DD)に傾斜増加させて戻す。消去しようとするセル内の他のすべての電極を正の基準電圧(V
DD)に設定する。
【0035】
読み出しシーケンス
アレイ400内の読み出そうとする各NVMセル毎に、読み出し電圧電極V
rを約1Vに設定し、読み出しトランジスタN
rのドレインおよびバルク領域電極を0V(例えば、プログラムされたセルへの外乱を阻止しながら、セルの電流を読み出すことができるのに十分な電圧)に設定する。読み出そうとするセル内のすべての他の電極を正の基準電圧(V
DD)に設定する。
【0036】
プログラミング、消去、および読み出しシーケンスに利用する電圧レベルは、NVMセルのNMOSトランジスタで使用するゲート酸化物の厚さに依存することが当業者には理解されよう。例えば、ゲート酸化物の厚さが80Åの場合、V
DD=3.3V、V
cmin=V
emin=−6.7V、T
prog=T
erase=20〜50msである。ゲート酸化物の厚さが120Åの場合、V
DD=5V、V
cmin=V
emin=−11Vである。
【0037】
図5および
図6はそれぞれ、
図1の全PMOS−4トランジスタNVMセルおよび
図2の全NMOS−NVMセルの断面図を示す。
図6に示すように、全NMOS−NVMセルは、アイソレートされたPウェル(PWELL)を利用する。その結果、全PMOSセルに比べてセル面積が小さくなるが、これは、P基板内で、分離されるPウェル間の間隔(最小Nウェル幅を表す)が、分離されるNウェル間の間隔よりも小さいためである。
【0038】
ここで説明した本発明の特定の実施形態は例として提供されたものであり、当業者なら、添付の特許請求の範囲が示す本発明およびその均等物の範囲から逸脱することなく、他の改変も想起するであろうことを理解されたい。