特許第5649665号(P5649665)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社の特許一覧 ▶ テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッドの特許一覧

特許5649665正確な電流ステアリングを備えた低電力高速差動ドライバ
<>
  • 特許5649665-正確な電流ステアリングを備えた低電力高速差動ドライバ 図000002
  • 特許5649665-正確な電流ステアリングを備えた低電力高速差動ドライバ 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649665
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】正確な電流ステアリングを備えた低電力高速差動ドライバ
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20141211BHJP
【FI】
   H03K19/00 101F
【請求項の数】19
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-553895(P2012-553895)
(86)(22)【出願日】2010年12月23日
(65)【公表番号】特表2013-520133(P2013-520133A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】US2010062045
(87)【国際公開番号】WO2011100038
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2013年12月12日
(31)【優先権主張番号】12/705,833
(32)【優先日】2010年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ヤキ フー
(72)【発明者】
【氏名】ヤンリ ファン
(72)【発明者】
【氏名】マーク ダブリュー モーガン
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−203296(JP,A)
【文献】 特開2002−084183(JP,A)
【文献】 特開平04−082319(JP,A)
【文献】 特開2002−198798(JP,A)
【文献】 特開平01−213026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K19/00,19/01−19/082,19/094−19/096
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
差動入力信号の第1の部分によって制御される第1のフィードフォワード・レジスタ・キャパシタ(RC)ネットワーク、
差動入力信号の第2の部分によって制御される第2のフィードフォワードRCネットワーク、
前記第1のフィードフォワードRCネットワークに結合される第1の入力トランジスタ、
前記第2のフィードフォワードRCネットワークに結合される第2の入力トランジスタ、
その制御電極で前記第1の入力トランジスタに結合される第1の出力トランジスタであって、前記第1の出力トランジスタのサイズと前記第1の入力トランジスタのサイズの比がN対1であり、Nが1より大きい、前記第1の出力トランジスタ、
その制御電極で前記第2の入力トランジスタに結合される第2の出力トランジスタであって、前記第2の出力トランジスタのサイズと前記第2の入力トランジスタのサイズの比がN対1である、前記第2の出力トランジスタ、
前記第1の出力トランジスタに結合される第1の出力端子、
前記第2の出力トランジスタに結合される第2の出力端子、
前記第1の入力トランジスタ、前記第2の入力トランジスタ、前記第1の出力トランジスタ、及び前記第2の出力トランジスタに結合される電流源、
前記差動入力信号の前記第2の部分を受信する第1の入力端子、
前記差動入力信号の前記第1の部分を受信する第2の入力端子、
その第1の受動電極で前記第1の出力トランジスタに結合され、その制御電極で前記第1の入力端子に結合される、第1の駆動トランジスタ、及び、
その第1の受動電極で前記第2の出力トランジスタに結合され、その制御電極で前記第2の入力端子に結合される、第2の駆動トランジスタ、
を含
前記第1の駆動トランジスタが前記第2の駆動トランジスタとほぼ同じサイズである、装置。
【請求項2】
請求項に記載の装置であって、
前記電流源が第1の電流源を更に含み、
前記装置が、
前記第1の駆動トランジスタの前記第1の受動電極に結合される第2の電流源、及び、
前記第2の駆動トランジスタの前記第1の受動電極に結合される第3の電流源、
を更に含む、装置。
【請求項3】
請求項に記載の装置であって、
前記第1の出力トランジスタと前記第2の出力トランジスタの間に結合されるバイパスキャパシタを更に含む、装置。
【請求項4】
請求項に記載の装置であって、
前記第1の駆動トランジスタの前記第1の受動電極と前記第1の出力トランジスタの第1の受動電極との間に結合される第1のレジスタ、及び、
前記第2の駆動トランジスタの前記第1の受動電極と前記第2の出力トランジスタの第1の受動電極との間に結合される第2のレジスタ、
を更に含み、
前記第1のレジスタが前記第2のレジスタとほぼ同じ抵抗である、装置。
【請求項5】
請求項に記載の装置であって、
前記第1及び第2のフィードフォワードRCネットワークの各々が、
第3のレジスタであって、前記第1のレジスタの抵抗と前記第3のレジスタの抵抗の比が1対Nである、前記第3のレジスタ、及び、
前記第3のレジスタに並列に結合されるキャパシタ、
を更に含む、装置。
【請求項6】
請求項に記載の装置であって、
前記第1及び第2のフィードフォワードRCネットワークの各々からの前記キャパシタが、それぞれ前記第2及び第1の入力端子に結合される、装置。
【請求項7】
請求項に記載の装置であって、
その第1の受動電極で前記第1のフィードフォワードRCネットワークに結合され、その制御電極で前記第2の入力端子に結合される、第3の駆動トランジスタ、及び、
その第1の受動電極で前記第2のフィードフォワードRCネットワークに結合され、その制御電極で前記第1の入力端子に結合される、第4の駆動トランジスタ、
を更に含む、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
Nが5である、装置。
【請求項9】
装置であって、
差動入力信号の第1の部分によって制御される第1のフィードフォワードRCネットワーク、
差動入力信号の第2の部分によって制御される第2のフィードフォワードRCネットワーク、
そのコレクタで前記第1のフィードフォワードRCネットワークに結合される第1のNPNトランジスタであって、ダイオード接続される前記第1のNPNトランジスタ、
そのコレクタで前記第2のフィードフォワードRCネットワークに結合される第2のNPNトランジスタであって、ダイオード接続される前記第2のNPNトランジスタ、
そのベースで前記第1のNPNに結合される第3のNPNトランジスタであって、前記第3のNPNトランジスタのサイズと前記第1のNPNのサイズの比がN対1であり、Nが1より大きい、前記第3のNPNトランジスタ、
そのベースで前記第2のNPNトランジスタに結合される第4のNPNトランジスタであって、前記第4のNPNトランジスタのサイズと前記第2のNPNトランジスタのサイズの比がN対1である、前記第4のNPNトランジスタ、
前記第3のNPNトランジスタのコレクタに結合される第1の出力端子、
前記第4のNPNトランジスタのコレクタに結合される第2の出力端子、及び、
前記第1、第2、第3、及び第4のNPNトランジスタのエミッタに結合される電流源、
を含む、装置。
【請求項10】
請求項に記載の装置であって、
前記差動入力信号の前記第1の部分を受信する第1の入力端子、
前記差動入力信号の前記第2の部分を受信する第2の入力端子、
そのエミッタで前記第3のNPNトランジスタに結合され、そのベースで前記第1の入力端子に結合される第5のNPNトランジスタ、及び、
そのエミッタで前記第4のNPNトランジスタに結合され、そのベースで前記第2の入力端子に結合される第6のNPNトランジスタ、
を更に含み、
前記第5のNPNトランジスタが前記第4のNPNとほぼ同じサイズである、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
前記電流源が第1の電流源を更に含み、
前記装置が、
前記第5のNPNトランジスタのエミッタに結合される第2の電流源、及び、
前記第6のNPNトランジスタのエミッタに結合される第3の電流源、
を更に含む、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、
前記第3及び第4のNPNトランジスタの前記エミッタ間に結合されるバイパスキャパシタを更に含む、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記第5のNPNトランジスタのエミッタと前記第3のNPNトランジスタのコレクタとの間に結合される第1のレジスタ、及び、
前記第6のNPNトランジスタのエミッタと前記第4のNPNトランジスタのコレクタとの間に結合される第2のレジスタ、
を更に含み、
前記第1のレジスタが前記第2のレジスタとほぼ同じ抵抗である、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記第1及び第2のフィードフォワードRCネットワークの各々が、
第3のレジスタであって、前記第1のレジスタの抵抗と前記第3のレジスタの抵抗の比がN対1である、前記第3のレジスタ、及び、
前記第3のレジスタに並列に結合されるキャパシタ、
を更に含む、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1及び第2のフィードフォワードRCネットワークの各々からの前記キャパシタが、それぞれ前記第2及び第1の入力端子に結合される、装置。
【請求項16】
請求項10に記載の装置であって、
そのエミッタで前記第1のフィードフォワードRCネットワークに結合され、そのベースで前記第2の入力端子に結合される第7のNPNトランジスタ、及び、
そのエミッタで前記第2のフィードフォワードRCネットワークに結合され、そのベースで前記第1の入力端子に結合される第8のNPNトランジスタ、
を更に含む、装置。
【請求項17】
請求項に記載の装置であって、
Nが5である、装置。
【請求項18】
装置であって、
供給レール、
差動入力信号の第1の部分を受信する第1の入力端子、
前記差動入力信号の第2の部分を受信する第2の入力端子、
そのコレクタで前記供給レールに結合され、そのベースで前記第2の入力端子に結合される第1のNPNトランジスタであって、第1のサイズを有する前記第1のNPNトランジスタ、
そのコレクタで前記供給レールに結合され、そのベースで前記第1の入力端子に結合される第2のNPNトランジスタであって、前記第1のサイズを有する前記第2のNPNトランジスタ、
そのコレクタで前記供給レールに結合され、そのベースで前記第1の入力端子に結合され、第2のサイズを有する前記第3のNPNトランジスタであって、前記第1のサイズと前記第2のサイズの比が1対Nであり、Nが1より大きい、前記第3のNPNトランジスタ、
そのコレクタで前記供給レールに結合され、そのベースで前記第2の入力端子に結合され、前記第2のサイズを有する第4のNPNトランジスタ、
前記第1のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第1の抵抗を有する第1のレジスタ、
前記第2のNPNトランジスタのエミッタに結合され、前記第1の抵抗を有する第2のレジスタ、
前記第3のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第2の抵抗を有する第3のレジスタであって、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗の比がN対1である、前記第3のレジスタ、
前記第4のNPNトランジスタのエミッタに結合され、前記第2の抵抗を有する第4のレジスタ、
前記第1のレジスタに並列に結合される第1のキャパシタ、
前記第2のレジスタに並列に結合される第2のキャパシタ、
そのコレクタで前記第1のレジスタに結合される第5のNPNトランジスタであって、ダイオード接続され、第3のサイズを有する前記第5のNPNトランジスタ、
前記第5のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第3の抵抗を有する第5のレジスタ、
そのコレクタで前記第2のレジスタに結合される第6のNPNトランジスタであって、ダイオード接続され、前記第3のサイズを有する前記第6のNPNトランジスタ、
前記第6のNPNトランジスタのエミッタに結合され、前記第3の抵抗を有する第6のレジスタ、
そのコレクタで前記第3のレジスタに結合され、そのベースで前記第5のNPNトランジスタのベースに結合され、第4のサイズを有する第7のNPNトランジスタであって、前記第3のサイズと前記第4のサイズの比が1対Nである、前記第7のNPNトランジスタ、
前記第7のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第4の抵抗を有する第7のレジスタであって、前記第3の抵抗と前記第4の抵抗の比がN対1である、前記第7のレジスタ、
そのコレクタで前記第4のレジスタに結合され、そのベースで前記第6のNPNトランジスタのベースに結合される第8のNPNトランジスタであって、前記第4のサイズを有する前記第8のNPNトランジスタ、
前記第8のNPNトランジスタのエミッタに結合され、前記第4の抵抗を有する第8のレジスタ、及び、
前記第5、第6、第7、及び第8のレジスタに結合される電流源、
を含む、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
前記電流源が第1の電流源を更に含み、
前記装置が、
前記第7及び第8のNPNトランジスタの前記エミッタ間に結合される第3のキャパシタ、
前記第5及び第6のNPNトランジスタの前記コレクタ間に結合される第9のレジスタ、
前記第5のNPNトランジスタのコレクタに結合される第2の電流源、
前記第6のNPNトランジスタのコレクタに結合される第3の電流源、
前記第3のNPNトランジスタのエミッタに結合される第4の電流源、及び、
前記第4のNPNトランジスタのエミッタに結合される第5の電流源、
を更に含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的に差動ドライバに関し、更に特定して言えば、混合(又はハイブリッド)モードの差動ドライバに関連する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、参照符号100は従来の回路を全般的に示す。回路100は、入力端子INP及びINNを介して差動入力信号を受信して、負荷104(これは抵抗RLを含む)を駆動するドライバ102を有する。また、ドライバ102は全般的に、NPNトランジスタQl及びQ2、NMOSトランジスタQ3及びQ4、レジスタRl及びR2、及び電流源106を含む。
【0003】
オペレーションにおいて、ドライバ102は、出力端子OUTP及びOUTNを介して電流を供給して、負荷104を駆動する。トランジスタQlのベースに論理ハイ又は「1」が印加され、トランジスタQ2のベースに論理ロー又は「0」が印加されるとき、電流は、トランジスタQl及びレジスタRlを介して端子OUTPへ供給されるが、トランジスタQ4(トランジスタQ3及びQ4がクロス結合されているため)は、出力端子OUTNから電流をシンクする。代替として、トランジスタQ2のベースに論理ハイ又は「1」がに印加され、トランジスタQlのベースに論理ロー又は「0」が印加されるとき、電流は、トランジスタQ2及びレジスタR2を介して端子OUTNに供給されるが、トランジスタQ3(同じく、トランジスタQ3及びQ4がクロス結合されているため)は、出力端子OUTPから電流をシンクする。
【0004】
しかし、この構成では、トランジスタQ3及びQ4のスイッチング速度は、ドライバ102の動作速度に対する制限要因である。バイポーラCMOS又はBiCMOSプロセスにおいて、トランジスタ(これらは電界効果トランジスタ又はFETである)はスイッチング速度が遅いため、ドライバ102は、BiCMOSプロセスを用いて製造される集積回路又はICには望ましくない。ただ、一層速いスイッチング速度の利点を得るために、単純にトランジスタQ3及びQ4をバイポーラトランジスタ(即ち、NPNトランジスタ)で置き換えることも望ましくない。というのは、バイポーラトランジスタの接合ダイオードが、出力電圧スイングを制限し得るためである。また、トランジスタQ3及びQ4の特性のため、端子OUTP及びOUTNを横切る静電気放電又はESD事象がトランジスタQ3及びQ4を損傷させ得る。また、トランジスタQ3及びQ4を利用することで、正のフィードバックからリンギング及び/又はラッチアップが生じ得る。従って、改善されたドライバが必要とされている。
【0005】
幾つかの他の従来の回路は、米国特許番号第6,847,232号、米国特許公開番号第2002/0140461号、欧州特許番号第0476341号、及び2008年10月13〜15日のバイポーラ/BiCMOS回路及びテクノロジーミーティング2008におけるAbugharbiehらの「超低電力10Gbps LVDS出力ドライバ」、5〜8頁において説明されている。
【発明の概要】
【0006】
従って、本発明の例示の一実施例は或る装置を提供する。この装置は、差動入力信号の第1の部分によって制御される第1のフィードフォワード・レジスタ・キャパシタ(RC)ネットワーク、差動入力信号の第2の部分によって制御される第2のフィードフォワードRCネットワーク、第1のフィードフォワードRCネットワークに結合される第1の入力トランジスタ、第2のフィードフォワードRCネットワークに結合される第2の入力トランジスタ、その制御電極で第1の入力トランジスタに結合される第1の出力トランジスタであって、第1の出力トランジスタのサイズと第1の入力トランジスタのサイズの比がN対1であり、Nが1より大きい、第1の出力トランジスタ、その制御電極で第2の入力トランジスタに結合される第2の出力トランジスタであって、第2の出力トランジスタのサイズと第2の入力トランジスタのサイズの比がN対1である、第2の出力トランジスタ、第1の出力トランジスタに結合される第1の出力端子、第2の出力トランジスタに結合される第2の出力端子、及び第1の入力トランジスタと第2の入力トランジスタと第1の出力トランジスタと第2の出力トランジスタとに結合される電流源を含む。
【0007】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置は、差動入力信号の第2の部分を受信する第1の入力端子、差動入力信号の第1の部分を受信する第2の入力端子、その第1の受動電極で第1の出力トランジスタに結合され、その制御電極で第1の入力端子に結合される第1の駆動トランジスタ、及びその第1の受動電極で第2の出力トランジスタに結合され、その制御電極で第2の入力端子に結合される第2の駆動トランジスタを更に含み、第1の駆動トランジスタが第2の駆動トランジスタとほぼ同じサイズである。
【0008】
本発明の例示の一実施例に従って、電流源が第1の電流源を更に含み、この装置が、第1の駆動トランジスタの第1の受動電極に結合される第2の電流源、及び第2の駆動トランジスタの第1の受動電極に結合される第3の電流源を更に含む。
【0009】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置が、第1の出力トランジスタと第2の出力トランジスタとの間に結合されるバイパスキャパシタを更に含む。
【0010】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置が、第1の駆動トランジスタの第1の受動電極と第1の出力トランジスタの第1の受動電極との間に結合される第1のレジスタ、及び第2の駆動トランジスタの第1の受動電極と第2の出力トランジスタの第1の受動電極との間に結合される第2のレジスタを更に含み、第1のレジスタが第2のレジスタとほぼ同じ抵抗である。
【0011】
本発明の例示の一実施例に従って、第1及び第2のフィードフォワードRCネットワークの各々が、第3のレジスタであって、第1のレジスタの抵抗と第3のレジスタの抵抗の比が1対Nである第3のレジスタ、及び第3のレジスタに並列に結合されるキャパシタを更に含む。
【0012】
本発明の例示の一実施例に従って、第1及び第2のフィードフォワードRCネットワークの各々からのキャパシタが、それぞれ第2の入力端子及び第1の入力端子に結合される。
【0013】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置が、その第1の受動電極で第1のフィードフォワードRCネットワークに結合され、その制御電極で第2の入力端子に結合される第3の駆動トランジスタ、及びその第1の受動電極で第2のフィードフォワードRCネットワークに結合され、その制御電極で第1の入力端子に結合される第4の駆動トランジスタを更に含む。
【0014】
本発明の例示の一実施例に従ってNが5である。
【0015】
本発明の例示の一実施例に従って或る装置が提供される。この装置は、差動入力信号の第1の部分によって制御される第1のフィードフォワードRCネットワーク、差動入力信号の第2の部分によって制御される第2のフィードフォワードRCネットワーク、そのコレクタで第1のフィードフォワードRCネットワークに結合され、ダイオード接続される第1のNPNトランジスタ、そのコレクタで第2のフィードフォワードRCネットワークに結合され、ダイオード接続される第2のNPNトランジスタ、そのベースで第1のNPNに結合される第3のNPNトランジスタであって、第3のNPNトランジスタのサイズと第1のNPNのサイズの比がN対1であり、Nが1より大きい、第3のNPNトランジスタ、そのベースで第2のNPNトランジスタに結合される第4のNPNトランジスタであって、第4のNPNトランジスタのサイズと第2のNPNトランジスタのサイズの比がN対1である、第4のNPNトランジスタ、第3のNPNトランジスタのコレクタに結合される第1の出力端子、第4のNPNトランジスタのコレクタに結合される第2の出力端子、及び第1、第2、第3、及び第4のNPNトランジスタのエミッタに結合される電流源を含む。
【0016】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置が、差動入力信号の第1の部分を受信する第1の入力端子、差動入力信号の第2の部分を受信する第2の入力端子、そのエミッタで第3のNPNトランジスタに結合され、そのベースで第1の入力端子に結合される第5のNPNトランジスタ、及びそのエミッタで第4のNPNトランジスタに結合され、そのベースで第2の入力端子に結合される第6のNPNトランジスタを更に含み、第5のNPNトランジスタが第4のNPNとほぼ同じサイズである。
【0017】
本発明の例示の一実施例に従って、電流源が第1の電流源を更に含み、この装置が、第5のNPNトランジスタのエミッタに結合される第2の電流源、及び第6のNPNトランジスタのエミッタに結合される第3の電流源を更に含む。
【0018】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置が、第3及び第4のNPNトランジスタのエミッタ間に結合されるバイパスキャパシタを更に含む。
【0019】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置が、第5のNPNトランジスタのエミッタと第3のNPNトランジスタのコレクタとの間に結合される第1のレジスタ、及び第6のNPNトランジスタのエミッタと第4のNPNトランジスタのコレクタとの間に結合される第2のレジスタを更に含み、第1のレジスタが第2のレジスタとほぼ同じ抵抗である。
【0020】
本発明の例示の一実施例に従って、第1及び第2のフィードフォワードRCネットワークの各々が、第3のレジスタであって、第1のレジスタの抵抗と第3のレジスタの抵抗の比が1対Nである第3のレジスタ、及び第3のレジスタに並列に結合されるキャパシタを更に含む。
【0021】
本発明の例示の一実施例に従って、この装置が、そのエミッタで第1のフィードフォワードRCネットワークに結合され、そのベースで第2の入力端子に結合される第7のNPNトランジスタ、及びそのエミッタで第2のフィードフォワードRCネットワークに結合され、そのベースで第1の入力端子に結合される第8のNPNトランジスタを更に含む。
【0022】
本発明の例示の一実施例に従って或る装置が提供される。この装置は、供給レール、差動入力信号の第1の部分を受信する第1の入力端子、差動入力信号の第2の部分を受信する第2の入力端子、そのコレクタで供給レールに結合され、そのベースで第2の入力端子に結合される第1のNPNトランジスタであって、第1のサイズを有する第1のNPNトランジスタ、そのコレクタで供給レールに結合され、そのベースで第1の入力端子に結合され、第1のサイズを有する第2のNPNトランジスタ、そのコレクタで供給レールに結合され、そのベースで第1の入力端子に結合され、第2のサイズを有する第3のNPNトランジスタであって、第1のサイズと第2のサイズの比が1対Nであり、Nが1より大きい、第3のNPNトランジスタ、そのコレクタで供給レールに結合され、そのベースで第2の入力端子に結合され、第2のサイズを有する第4のNPNトランジスタ、第1のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第1の抵抗を有する第1のレジスタ、第2のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第1の抵抗を有する第2のレジスタ、第3のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第2の抵抗を有する第3のレジスタであって、第1の抵抗と第2の抵抗の比がN対1である、第3のレジスタ、第4のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第2の抵抗を有する第4のレジスタ、第1のレジスタに並列に結合される第1のキャパシタ、第2のレジスタに並列に結合される第2のキャパシタ、そのコレクタで第1のレジスタに結合され、ダイオード接続され、第3のサイズを有する第5のNPNトランジスタ、第5のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第3の抵抗を有する第5のレジスタ、そのコレクタで第2のレジスタに結合され、ダイオード接続され、第3のサイズを有する第6のNPNトランジスタ、第6のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第3の抵抗を有する第6のレジスタ、そのコレクタで第3のレジスタに結合され、そのベースで第5のNPNトランジスタのベースに結合され、第4のサイズを有する第7のNPNトランジスタであって、第3のサイズと第4のサイズの比が1対Nである、第7のNPNトランジスタ、第7のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第4の抵抗を有する第7のレジスタであって、第3の抵抗と第4の抵抗の比がN対1である、第7のレジスタ、そのコレクタで第4のレジスタに結合され、そのベースで第6のNPNトランジスタのベースに結合され、第4のサイズを有する第8のNPNトランジスタ、第8のNPNトランジスタのエミッタに結合され、第4の抵抗を有する第8のレジスタ、及び第5、第6、第7、及び第8のレジスタに結合される電流源を含む。
【0023】
本発明の例示の一実施例に従って、電流源が第1の電流源を更に含み、この装置が、第7及び第8のNPNトランジスタのエミッタ間に結合される第3のキャパシタ、第5及び第6のNPNトランジスタのコレクタ間に結合される第9のレジスタ、第5のNPNトランジスタのコレクタに結合される第2の電流源、第6のNPNトランジスタのコレクタに結合される第3の電流源、第3のNPNトランジスタのエミッタに結合される第4の電流源、及び第4のNPNトランジスタのエミッタに結合される第5の電流源を更に含む。
【0024】
例示の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、バイポーラ及びCMOSトランジスタの両方を用いるドライバ用の従来の回路の一例を示す。
【0026】
図2図2は、本発明の例示の一実施例に従った回路の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図2において、参照符号200は、本発明の例示の一実施例に従った回路を全般的に示す。回路200は、全体として、ドライバ202(これは電圧モード又はVM及び電流モード又はCMの組み合わせを用いる)及び負荷104を含む。ドライバ202は、全体として駆動NPNトランジスタQl、Q2、Q7、及びQ8、電流源106、204、及び206、及び電流ステアリング(steering)回路304を含む。また、電流ステアリング回路304は、全体としてフィードフォワード・レジスタ・キャパシタ(RC)ネットワーク(これらは一般的にレジスタR5及びR6及びキャパシタC2及びC3で構成される)、入力NPNトランジスタQ9及びQ10、出力NPNトランジスタQ5及びQ6、電流源208及び210、レジスタRlからR4及びR7からR8、及びバイパスキャパシタC1を含む。オペレーションにおいて、(ドライバ102に類似する)ドライバ202は、出力端子OUTP及びOUTNを介して電流を供給して負荷104を駆動する。また、代替の配置において、NPNトランジスタをPNPトランジスタで置き換えてもよい。
【0028】
論理ハイ又は「1」が端子INPに印加され、論理ロー又は「0」が端子INNに印加される第1の状態において、電流は端子OUTPを介して出て端子OUTNを介して入るよう流れる。これを達成するには、トランジスタQ8及びQ1が「オン」となり、トランジスタQ7及びQ2は「オフ」となる。電流はトランジスタQ1からレジスタR1(これは典型的に約40オームである)を介して端子OUTPへ供給される。また、電流はトランジスタQ10(これはダイオード接続される)のベース及びコレクタに、及びトランジスタQ6のベースに印加される。トランジスタQ10及びQ6の構成は電流ミラーであるように見えるが、それらのエミッタは固定電圧に結合されていない。その代わりに、トランジスタQ10及びQ6は電流源106に結合される。言い換えると、電流は、1つの側から他方の側へ「ミラーされ」ないが、両側で「共有」される。このため、トランジスタQ8はトランジスタQ6及びQ10を介して電流を「ステアリング」する。トランジスタQ10のサイズはトランジスタQ6のサイズよりずっと小さいため、電流の大部分はトランジスタQ6を介して流れる。例えば、電流の大きさの比は、Nが5であるとき5対1である。スイッチング事象の遷移回数を低減するため、レジスタR6(これは通常、レジスタR2よりN倍大きく、例えば、Nが5であるとき200オームであり得る)及びキャパシタC3(これは典型的に約100fFである)は、トランジスタQ10及びQ6のフィードフォワードRCネットワークとして動作する。代替として、キャパシタC3は、端子INPに直接結合されてもよい。また、レジスタR8及びR4は、電流源106と(それぞれ)トランジスタQ10及びQ6との間に結合され、ここで、レジスタR8は、R4よりN倍大きい。例えば、Nが5であるとき、レジスタR4は約10オームであり得、レジスタR8は約50オームであり得る。
【0029】
論理ハイ又は「1」が端子INNに印加され、論理ロー又は「0」が端子INPに印加される第2の状態では、電流は、端子OUTNを介して出て端子OUTPを介して入るよう流れる。これを達成するには、トランジスタQ7及びQ2が「オン」になり、トランジスタQ8及びQ1は「オフ」になる。電流は、トランジスタQ2からレジスタR2(これは全般的にレジスタR1とマッチングされ、典型的に約40オームである)を介して端子OUTNに供給される。また、電流が、トランジスタQ9(これはダイオード接続される)のベース及びコレクタに、及びトランジスタQ5のベースに印加される。このため、トランジスタQ7は、トランジスタQ5及びQ9を介して電流を「ステアリング」する。トランジスタQ9及びQ5(トランジスタQ10及びQ6と同様に)は、トランジスタQ5が、トランジスタQ9よりN倍(典型的に5倍)大きくなるようにスケーリングされる。トランジスタQ5は、トランジスタQ9よりずっと大きいため、電流の大部分はトランジスタQ5を介して流れる。例えば、Q5及びQ9内の電流の大きさの比は、Nが5であるとき5対1である。また、スイッチング事象の遷移回数を低減するため、レジスタR5(これは全般的にレジスタR6とマッチングされ、例えば200オームであり得る)及びキャパシタC2(これは典型的に約100fFである)は、トランジスタQ9及びQ5のフィードフォワードRCネットワークとして動作する。代替として、キャパシタC2は、端子INNに直接結合されてもよい。また、レジスタR7及びR3は、電流源106と(それぞれ)トランジスタQ9及びQ5との間に結合され、レジスタR7及びR3は、全般的に(それぞれ)レジスタR8及びR4とマッチングされる。例えば、レジスタR3は約10オームであり得、レジスタR7は約50オームであり得る。
【0030】
また、性能を改善する助けとなるよう提供される幾つかの他の構成要素がある。(それぞれ)トランジスタQ1及びQ2のエミッタに結合される電流源204及び206は、トランジスタQ1及びQ2が全般的に完全に「オフ」にはならないことを全般的に確実にするよう機能し、これはトランジスタQl及びQ2のターンオン又は遷移時間を改善する。(それぞれ)トランジスタQ9及びQ10のベースに結合される電流源208及び210は、トランジスタQ5及びQ6のベースの電圧を低くするよう全般的に機能して、これらのトランジスタ内のベース・コレクタダイオードが全般的に決してフォワードバイアスされないようにする。トランジスタQ5及びQ6のエミッタ間にキャパシタC1(これは一般に約100fFである)が結合され、これは全般的に高周波数構成要素のバイパスキャパシタとして動作する。また、レジスタR9(これは全般的にRLの抵抗のN倍である)が、トランジスタQ9及びQ10のコレクタ間に結合される。また、トランジスタQ7及びQ8(これらは全般的に互いにマッチングされる)は、トランジスタQ1及びQ2(これらも全般的に互いにマッチングされる)よりN倍小さい。
【0031】
ドライバ202のこの構成で幾つかの利点が実現され得る。インピーダンスはノードNl及びN2で低いため、遷移回数(又は遅延)が低減され、これは、電圧制御された差動対を用いる従来のドライバに比べ、ドライバ202の速度を上げる。また、電圧スイングはノードNl及びN2で一層小さいため、ドライバ202は、異なる対への大きな入力電圧を備えたドライバよりも生成する出力同相電圧ゆらぎが小さい。
【0032】
例示の実施例の文脈で説明したような特徴又は工程のすべて又はその幾つかを有する例示の実施例の文脈で説明した1つ又はそれ以上の特徴又は工程の異なる組み合わせを有する実施例も、本明細書に包含されることも意図している。当業者であれば、他の多くの実施例及び変形も特許請求の範囲に包含されることが理解されるであろう。
図1
図2