特許第5649670号(P5649670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649670
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】入力方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20141211BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20141211BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20141211BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20141211BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   G06F3/048 656A
   G06F3/048 620
   G01C21/26 A
   G09B29/00 A
   G09B29/10 A
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-8768(P2013-8768)
(22)【出願日】2013年1月21日
(62)【分割の表示】特願2001-115428(P2001-115428)の分割
【原出願日】2001年4月13日
(65)【公開番号】特開2013-122777(P2013-122777A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2013年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】富士通テン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096080
【弁理士】
【氏名又は名称】井内 龍二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 実
(72)【発明者】
【氏名】澤田 純一
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−181342(JP,A)
【文献】 特開2000−163031(JP,A)
【文献】 特開平05−216398(JP,A)
【文献】 特開2001−066985(JP,A)
【文献】 特開平11−288460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048−3/0489
G06F 3/041
G01C 21/26
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルの入力操作において、指示された2点を検出するステップと、
該2点の位置によって定まる点ではない位置検出手段からの自車位置に基づく固定点を基準とし、前記2点を検出するステップによって検出された指示された2点間の移動状況に基づき表示の回転処理を行うステップと、
前記2点の位置によって定まる点ではない画像の中心点に基づく固定点を基準とし、前記2点を検出するステップによって検出された前記指示された2点間の移動状況に基づき回転処理を行うステップとを有し、
これら回転処理を行うステップのいずれかを選択して表示の回転を行うことを特徴とする入力方法。
【請求項2】
前記表示が地図であることを特徴とする請求項1記載の入力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力方法に関し、より詳細には、特にナビゲーションシステムなどに採用され、地図などの画像の縮尺変更操作などの操作性の向上を図る入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムには、通常、表示画面上に地図を表示し、その地図上に使用者により入力された目的地、該目的地までの誘導ルート、自車の現在位置に対応する自車位置マーク、及びそれまでの自車の走行軌跡等を重ねて表示する機能が装備されており、使用者は、この表示画面を逐次参照することで、進路情報を得ることができ、その進路情報に従うことで目的地に到達することができるようになっている。また、地図の表示については、縮尺を変更する機能が装備されており、自由に地図を拡大したり、縮小したりすることができるようにもなっている。このように、ナビゲーションシステムにおいては、実に優れた機能が実現されている。
【0003】
しかしながら、いくら優れた機能を実現することができたとしても、操作が煩雑であったり、難しかったりとその操作性が悪ければ、その価値も半減してしまう。ところで、ナビゲーションシステムの操作は、スイッチ操作やメニュー選択により行うのが従来からの主流であり、メニュー選択については、ジョイスティックや、ディスプレイの表示画面上に重ねて設けられたタッチパネルの操作により行われるようになっている。
【0004】
タッチパネルの操作は、指で表示画面に触れるだけであるので、非常に使い勝手の良いヒューマンインターフェースを実現することができるが、従来のままでは、十分とは言えず、更なる改良が望まれている。特に、ナビゲーションシステムに採用される表示画面は、パソコンなどの情報機器に採用される表示画面と比較しても、あまり大きいものとは言えず、むしろ小さいため、タッチパネルの操作だからといっても、その操作性が優れているとは言えなかった。
【0005】
また、ナビゲーションシステムの操作については、車両走行中に操作することや、また信号待ちなどの一寸した合間に操作することが考えられるので、各使用者それぞれに適した設定となっていることも操作性向上の重要な要素となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、地図などの画像の拡大や縮小などの機能を、使用者の意思通りに柔軟にかつ容易に入力操作することのできる入力方法を提供することを目的としている。
【0013】
上記目的を達成するために本発明に係る入力方法()は、タッチパネルの入力操作において、指示された2点を検出するステップと、該2点の位置によって定まる点ではない位置検出手段からの自車位置に基づく固定点を基準とし、前記2点を検出するステップによって検出された指示された2点間の移動状況に基づき表示の回転処理を行うステップと、前記2点の位置によって定まる点ではない画像の中心点に基づく固定点を基準とし、前記2点を検出するステップによって検出された前記指示された2点間の移動状況に基づき回転処理を行うステップとを有し、これら回転処理を行うステップのいずれかを選択して表示の回転を行うことを特徴としている。
【0014】
上記入力方法()によれば、前記自車位置に基づく固定点を基準として回転するステップを選択した場合、タッチパネルに対して指示された2点を検出し、該2点の位置によって定まる点ではない位置検出手段からの自車位置に基づく固定点を基準とし、前記検出された2点間の移動状況に基づき表示の回転を行う。例えば、使用者が、タッチパネルに接触させた1本の指を回転軸として、前記タッチパネルへ接触させた他の1本の指を回転させた場合(コンパス使用時の動作に似た動作を行った場合)に、これら2本の指で指示された位置に係わらず、前記2点の位置によって定まる点ではない位置検出手段からの自車位置に基づく固定点を基準として、前記2点間の移動状況(前記他の1本の指の回転方向等)に基づいて表示の回転を行うことができる。したがって、使用者が、タッチパネルのどこを操作しても、今まで見ていた自車位置を見失うことのない、すなわち、変更前から変更後に表示される画像の自車位置を大方予想することができるので、使用者が変更後の自車位置を把握することが容易な、使い勝手の良い、分かりやすい画像の向きを変えた表示を行うことができる。
また、前記画像の中心点に基づく固定点を基準として回転するステップを選択した場合、タッチパネルに対して指示された2点を検出し、該2点の位置によって定まる点ではない画像の中心を固定点として、前記検出された2点間の移動状況に基づき表示の回転を行う。例えば、使用者が、タッチパネルに接触させた1本の指を回転軸として、前記タッチパネルへ接触させた他の1本の指を回転させた場合(コンパス使用時の動作に似た動作を行った場合)に、これら2本の指で指示された位置に係わらず、前記2点の位置によって定まる点ではない前記画像の中心を固定点として、前記2点間の移動状況(前記他の1本の指の回転方向等)に基づいて表示の回転を行うことができる。したがって、使用者が、タッチパネルのどこを操作しても、今まで見ていた前記画像の中心を見失うことのない、すなわち、変更前から変更後に表示される画像を大方予想することができるので、使用者が変更後の画像を把握することが容易な、使い勝手の良い、分かりやすい画像の向きを変えた表示を行うことができる。
このように、表示の回転を行う際の前記固定点として、前記位置検出手段で検出された自車位置及び前記画像の中心の2種類の固定点を適宜使い分けることができ、使い勝手の良い、分かりやすい表示を行うことができる。
【0015】
また本発明に係る入力方法()は、上記(1)の入力方法において、前記表示が地図であることを特徴としている。
【0016】
上記入力方法()によれば、前記表示が地図であるので、前記固定点を基準として、前記地図の縮尺や向きを変えることができ、たとえ、変更前とは違った表示となっても、変更前から変更後に表示される地図を大方予想することができるので、使用者が瞬間的に変更後の地図な内容を把握することが可能となり、分かりやすい地図の縮尺や向きを変えた表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
図2】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの表示画面に表示される操作画面を示した図である。
図3】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの表示画面に表示される操作画面を示した図である。
図4】(a)、(b)は実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおける拡大処理、縮小処理を説明するための説明図である。
図5】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおける拡大処理、縮小処理の操作例を説明するための説明図である。
図6】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの表示画面に表示される操作画面を示した図である。
図7】(a)、(b)は実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおける拡大処理、縮小処理の操作例を説明するための説明図である。
図8】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
図9】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
図10】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
図11】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるスクロール処理の操作例を説明するための説明図である。
図12】実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおける拡大処理、縮小処理の操作例を説明するための説明図である。
図13】別の実施の形態に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの表示画面に表示される操作画面を示した図である。
図14】別の実施の形態に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの表示画面に表示される操作画面を示した図である。
図15】実施の形態(2)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
図16】別の実施の形態に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの表示画面に表示される操作画面を示した図である。
図17】(a)、(b)は実施の形態(3)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおける表示処理を説明するための説明図である。
図18】実施の形態(3)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る入力方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【0019】
車速から演算して走行距離を取得するための車速センサ2と、進行方向を取得するためのジャイロセンサ3とがマイコン1に接続されており、マイコン1は、演算した走行距離、及び進行方向に基づいて自車位置を割り出すようになっている(自律航法)。
【0020】
GPS受信機4は、アンテナ5を介して衛星からのGPS信号を受信するものであり、マイコン1に接続されており、マイコン1は、GPS信号に基づいて自車位置を割り出すようになっている(GPS航法)。
【0021】
また、道路データ等が記憶されたDVD−ROM7(CD−ROMなどの大容量記憶装置も可能)から道路データ等を取り込むことのできるDVDドライブ6がマイコン1に接続されており、マイコン1は、割り出した自車位置と道路データとを合わせる(いわゆる、マップマッチング処理を行う)ことによって、自車位置が正確に示された地図を表示画面9b上へ表示するようになっている。
【0022】
また、リモコン8に設けられたジョイスティック8aやボタンスイッチ8bから出力されたスイッチ信号や、表示装置9に設けられたボタンスイッチ9aから出力されたスイッチ信号がマイコン1に入力され、これらスイッチ信号に応じた処理がマイコン1で行われるようになっている。例えば、マイコン1は、これらスイッチから移動目的地の情報を取り込むと、自車位置から目的地までの最適ルートを探索し、これを誘導ルートとして地図と共に表示画面9b上に表示するようになっている。
【0023】
このようにナビゲーション装置では、表示画面9bに地図が表示され、その地図上に使用者により入力された目的地、該目的地までのルート、自車の現在位置に対応する自車位置マーク、及びそれまでの自車の走行軌跡等が重ねて表示されるようになっており、使用者は、この表示画面9bを逐次参照することで、進路情報を得ることができ、その進路情報に従うことで目的地に到達することができるようになっている。
【0024】
図中10は、表示画面9bへの物理的な接触を検出する接触検出手段10を示しており、接触検出手段10は、使用者が地図画像などの画像の拡大や縮小、回転、スクロールなどの操作を入力するために、画像が表示された表示画面9b上に接触させた指などを検出するためのものであり、表示画面9bに透明なタッチパネルなどが積層されて構成されている。また、接触検出手段10で検出されたデータについては、マイコン1に入力されるようになっている。
【0025】
また、実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムでは、表示画面9b上に表示された画面を通じて、使用者が各種設定を行うことができ、図2に示したような『拡大・縮小の設定』画面を通じて、地図画像が表示された表示画面9bに接触させた2本の指を遠ざける動作をしたときに、画像を拡大させるか、又は縮小させるか、他方、2本の指を近づける動作をしたときに、画像を縮小させるか、又は拡大させるかといった設定や、図3に示したような『固定点の設定(拡大・縮小)』画面を通じて、画像を拡大したり、縮小したりするときの固定点を下記1〜4のいずれにするかといった設定を行うことができるようになっている。
【0026】
1 「画像の中心点」
画像の中心点とは、図4(a)に示したように、画像が表示画面9bの画面一杯に表示されている場合には、表示画面9bの中心点aと同じとなり、図4(b)に示したように、画像が表示画面9b一杯に表示されていない場合には点bとなる。
2 「自車位置マークの表示地点」
自車位置マークの表示地点とは、図4(a)、図4(b)に示したように、黒三角で表されている自車位置マークMが表示されている地点である。
【0027】
3.1 「左端」
2本の指を表示画面9bに最初に接触させた点(すなわち、移動開始前の接触点)のうち、表示画面9bの左端に最も近い点であり、例えば、図5に示したように、右手の親指と人差し指とを使って操作する場合には、親指で触れた点cが固定点となる。
3.2 「右端」
2本の指を表示画面9bに最初に接触させた点のうち、表示画面9bの右端に最も近い点であり、例えば、図5に示したように、右手の親指と人差し指とを使って操作する場合には、人差し指で触れた点dが固定点となる。
3.3 「上端」
2本の指を表示画面9bに最初に接触させた点のうち、表示画面9bの右端に最も近い点であり、例えば、図5に示したように、右手の親指と人差し指とを使って操作する場合には、人差し指で触れた点dが固定点となる。
3.4 「下端」
2本の指を表示画面9bに最初に接触させた点のうち、表示画面9bの右端に最も近い点であり、例えば、図5に示したように、右手の親指と人差し指とを使って操作する場合には、親指で触れた点cが固定点となる。
【0028】
4 「2点の中間点」
2本の指を表示画面9bに最初に接触させた点の中間点であり、例えば、図5に示したように、右手の親指と人差し指とを使って操作する場合には、親指での接触点と人差し指での接触点とを結ぶ線分の中間点eが固定点となる。
【0029】
また、図6に示したような『固定点の設定(回転移動)』画面を通じて、画像を回転移動させるとき(すなわち、画像の表示の向きを変えるとき)の固定点を下記1〜3のいずれにするかといった設定を行うことができるようになっている。
【0030】
1 「画像の中心点」(図4参照)
2 「自車位置マークの表示地点」(図4参照)
3 「回転軸」
回転軸として、表示画面9bに接触させた地点であり、例えば、図7(a)、(b)に示したように、右手の親指と人差し指とを使い、親指を回転軸として、人差し指を回転移動(点g→点g’)させる場合には、親指での接触点fが固定点となる。
【0031】
次に、実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコン1の行う処理動作(1)を図8図10に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0032】
まず、タッチパネルへの物理的な接触があったか否か、すなわち、タッチパネルへの指の接触があったか否かを判断し(ステップS1)、タッチパネルへの指の接触がないと判断すれば、処理動作(1)を終了する。一方、タッチパネルへの指の接触があったと判断すれば、タイマtを起動させる(ステップS2)。
【0033】
次にタイマtの起動後、タッチパネルへの接触箇所が2以上あるか否かを判断し(ステップS3)、接触箇所が2以上ない、すなわち1箇所だけであると判断すれば、接触点が移動しているか否かを判断し(ステップS4)、接触点が移動している(すなわち、表示画面9b上で指を動かしている)と判断すれば、前記移動が直線移動であるか否か(すなわち、指の動作が直線動作であるか否か)を判断し(ステップS5)、前記移動が直線移動である(図11参照)と判断すれば、その移動方向に合わせて、表示画面9bに表示されている画像に対してスクロール処理を施す(ステップS6)。
【0034】
一方、ステップS5における判断処理で、前記移動が直線移動でないと判断すれば、前記移動が回転移動であるか否か(すなわち、指の動作が回転動作であるか否か)を判断し(ステップS7)、前記移動が回転移動である(図12参照)と判断すれば、回転方向が時計回りであるか否かを判断し(ステップS8)、回転方向が時計回りであると判断すれば、表示画面9bに表示されている画像に対して拡大処理を施し(ステップS9)、回転方向が反時計回りであると判断すれば、表示画面9bに表示されている画像に対して縮小処理を施す(ステップS10)。一方、ステップS7における判断処理で、前記移動が回転移動でないと判断すれば、そのまま処理動作(1)を終了する。
【0035】
また、ステップS4における判断処理で、接触点が移動していない(すなわち、表示画面9上で指を動かしていない)と判断すれば、タッチパネルへの接触がなくなったか否か、すなわち、タッチパネル9bに接触していた指がタッチパネル9bから離れたか否かを判断し(ステップS11)、タッチパネルから指が離れたと判断すれば、略同一点でのタッチパネルへの再接触があったか否かを判断する(ステップS12)。
【0036】
タッチパネルへの再接触がないと判断すれば、タイマtが所定時間t1 (例えば、1秒)経過しているか否かを判断し(ステップS13)、タイマtが所定時間t1 経過している(すなわち、所定時間t1 内での接触回数が1回)と判断すれば、表示画面9bに表示されている画像に対して縮小処理を施す(ステップS14)。一方、タイマtが所定時間t1 経過していないと判断すれば、ステップS12へ戻る。
【0037】
一方、ステップS12における判断処理で、タッチパネルへの物理的な再接触があった、すなわち、所定時間t1 内に2回接触があった(使用者がタッチパネルへ連続的にタッチした)と判断すれば、表示画面9bに表示されている画像に対して拡大処理を施す(ステップS15)。
【0038】
また、ステップS11における判断処理で、タッチパネルから指が離れていないと判断すれば、タイマtが所定時間t1 経過しているか否かを判断し(ステップS16)、タイマtが所定時間t1 経過していると判断すれば、表示画面9bに表示されている画像に対して縮小処理を施し(ステップS14)、一方、タイマtが所定時間t1 経過していないと判断すれば、ステップS11へ戻る。
【0039】
ところで、ステップS3における判断処理で、タッチパネルへの接触箇所が2以上ある(すなわち、タッチパネルへ2本の指が接触している)と判断すれば、2点間の距離の変化を算出し(ステップS21)、2点間の距離が長くなっているか否かを判断し(ステップS22)、2点間の距離が長くなっている(すなわち、使用者によって2本の指を遠ざける動作が行われている)と判断すれば、『固定点の設定(拡大・縮小)』画面(図3参照)を通じて設定された内容に基づいて、拡大処理、又は縮小処理(後のステップS24における処理)を施すにあたっての固定点を算出する(ステップS23)。
【0040】
次に、『拡大・縮小の設定』画面(図2参照)を通じて設定された内容に基づいて、表示画面9bに表示されている画像に対して、拡大処理、又は縮小処理を施す(ステップS24)。なお、このときステップS23で算出した固定点を固定するようにして画像処理を施す。
【0041】
一方、ステップS22における判断処理で、2点間の距離が長くなっていないと判断すれば、次に2点間の距離が短くなっているか否かを判断し(ステップS25)、2点間の距離が短くなっている(すなわち、使用者によって2本の指を近づける動作が行われている)と判断すれば、『固定点の設定(拡大・縮小)』画面(図3参照)を通じて設定された内容に基づいて、拡大処理、又は縮小処理(後のステップS27における処理)を施すにあたっての固定点を算出する(ステップS26)。
【0042】
次に、『拡大・縮小の設定』画面(図2参照)を通じて設定された内容に基づいて、表示画面9bに表示されている画像に対して、拡大処理、又は縮小処理を施す(ステップS27)。なお、このときステップS26で算出した固定点を固定するようにして画像処理を施す。
【0043】
ステップS25における判断処理で、2点間の距離が短くなっていないと判断すれば、次に一方の接触点を回転軸として、他方の接触点が回転移動しているか否かを判断し(ステップS28)、回転移動していると判断すれば、『固定点の設定(回転移動)』画面(図6参照)を通じて設定された内容に基づいて、回転処理(後のステップS30における処理)を施すにあたっての固定点を算出する(ステップS29)。次に、算出した固定点を固定するようにして、回転移動の向きに合わせて、表示画面9bに表示されている画像の向きを変える処理を施す(ステップS30)。
【0044】
上記実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムでは、指一本での時計回りの回転動作が検出されると、拡大処理を施し(ステップS9参照)、逆に反時計回りの回転動作が検出されると、縮小処理を施す(ステップS10)ようになっているが、別の実施の形態では、時計回りの回転動作が検出されると、縮小処理を施し、反時計回りの回転動作が検出されると、拡大処理を施すようにしても良い。さらに、別の実施の形態に係る入力方法では、図13に示したような画面を通じて、これら処理を使用者が自由に選択できるようにし、マイコン1が前記画面を通じて拡大処理や縮小処理を行うようにしても良い。
【0045】
また、上記実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムでは、指一本での1タッチ動作が検出されると、縮小処理を施し(ステップS14参照)、指一本での連続タッチ動作が検出されると、拡大処理を施す(ステップS15参照)ようになっているが、別の実施の形態では、1タッチ動作が検出されると、拡大処理を施し、連続タッチ動作が検出されると、縮小処理を施すようにしても良い。さらに、別の実施の形態に係る入力方法では、図14に示したような画面を通じて、これら処理を使用者が自由に選択できるようにし、マイコン1が前記画面を通じて拡大処理や縮小処理を行うようにしても良い。
【0046】
また、上記実施の形態(1)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムでは、2本の指を遠ざける動作や、近づける動作が検出されると、拡大処理や縮小処理(ステップS24、S27参照)を施すようになっているが、別の実施の形態では、2本の指に限定せず、例えば、3本の指を遠ざける動作や、近づける動作が検出されると、拡大処理や縮小処理を施すようにしても良い。
【0047】
なお、3本の指が遠ざかっている(又は近づいている)か否かの判断方法としては、例えば、3箇所の接触点から構成される3角形の重心を求めて、その重心から遠ざかる(又は近づく)方向へ指が動いているか否かを判断する方法が挙げられる。
【0048】
次に、実施の形態(2)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムについて説明する。但し、実施の形態(2)に係る入力方法を採用したナビゲーション装置の構成については、マイコン1を除いて、図1に示したナビゲーションシステムの構成と同様であるため、マイコンには異なる符号を付し、その他の説明をここでは省略する。
【0049】
実施の形態(2)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコン1Aの行う処理動作(2)を図15に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0050】
まず、リモコン8などを操作することによって、ナビゲーションシステムが誘導ルートの設定モードになっているか否かを判断し(ステップS31)、誘導ルートの設定モードになっていないと判断すれば、処理動作(2)を終了し、誘導ルートの設定モードになっていると判断すれば、タッチパネルへの物理的な接触があったか否か、すなわち、タッチパネルへの指の接触があったか否かを判断する(ステップS32)。
【0051】
タッチパネルへの指の接触がないと判断すれば、処理動作(2)を終了し、タッチパネルへの指の接触があったと判断すれば、タイマtを起動させる(ステップS33)。タイマtの起動後、タッチパネルへの接触がなくなったか否か、すなわち、タッチパネルに接触していた指がタッチパネルから離れたか否かを判断し(ステップS34)、タッチパネルから指が離れたと判断すれば、略同一地点でのタッチパネルへの再接触があったか否かを判断する(ステップS35)。
【0052】
タッチパネルへの再接触がないと判断すれば、タイマtが所定時間t2 (例えば、1秒)経過しているか否かを判断し(ステップS36)、タイマtが所定時間t2 経過している(すなわち、所定時間t2 内での接触回数が1回)と判断すれば、そのまま処理動作(2)を終了する。一方、タイマtが所定時間t2 経過していないと判断すれば、ステップS35へ戻る。
【0053】
一方、ステップS35における判断処理で、タッチパネルへの物理的な再接触があった、すなわち、所定時間t2 内に2回接触があった(使用者がタッチパネルへ連続的にタッチした)と判断すれば、接触点に対応する、表示画面9bに表示されている地図画像の地点を誘導ルートを算出するにあたっての目的地に設定する(ステップS37)。
【0054】
また、ステップS34における判断処理で、タッチパネルから指が離れていないと判断すれば、タイマtが所定時間t3 (例えば、1秒)経過しているか否かを判断し(ステップS38)、タイマtが所定時間t3 経過している、すなわち、タッチパネルが長く押されていると判断すれば、接触点に対応する、表示画面9bに表示されている地図画像の地点を誘導ルートを算出するにあたっての中継地に設定する(ステップS39)。一方、タイマtが所定時間t3 経過していないと判断すれば、ステップS34へ戻る。
【0055】
また、上記実施の形態(2)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムでは、指一本での連続タッチ動作が検出されると、目的地を設定し(ステップS37参照)、長押し動作が検出されると、中継地を設定する(ステップS39参照)ようになっているが、別の実施の形態では、連続タッチ動作が検出されると、中継地を設定し、長押し動作が検出されると、目的地を設定するようにしても良い。さらに、別の実施の形態に係る入力方法では、図16に示したような画面を通じて、これら処理を使用者が自由に選択できるようにし、マイコン1が前記画面を通じて拡大処理や縮小処理を行うようにしても良い。
【0056】
次に、実施の形態(3)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムについて説明する。但し、実施の形態(3)に係る入力方法を採用したナビゲーション装置の構成については、マイコン1を除いて、図1に示したナビゲーションシステムの構成と同様であるため、マイコンには異なる符号を付し、その他の説明をここでは省略する。
【0057】
実施の形態(3)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムでは、タッチパネルの操作が可能であるときに、図17(a)に示したように、タッチパネルの操作を支援するための支援画像p(例えば、アイコン)が表示されるようになっているため、タッチパネルの操作がより使い易くなっている。
【0058】
次に、実施の形態(3)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムにおけるマイコン1Bの行う処理動作(3)を図18に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0059】
まず、リモコン8による操作が行われたか否かを判断し(ステップS41)、リモコン8による操作が行われたと判断すれば、図17(b)に示したような画面となるように、支援画像pを画面上から消去する(ステップS42)。一方、リモコン8による操作が行われていないと判断すれば、表示装置9に装備されているボタンスイッチ9aによる操作が行われたか否かを判断する(ステップS43)。
【0060】
表示装置9に装備されているボタンスイッチ9aによる操作が行われたと判断すれば、図17(b)に示したような画面となるように、支援画像pを画面上から消去する(ステップS42)。一方、表示装置9に装備されているボタンスイッチ9aによる操作が行われていないと判断すれば、そのまま処理動作(3)を終了する。
【0061】
支援画像pを表示画面9bへ表示していると、主たる画像(例えば、地図画像)を表示するスペースが小さくなってしまうが、上記実施の形態(3)に係る入力方法を採用したナビゲーションシステムによれば、リモコン8による操作や、表示装置9に装備されているボタンスイッチ9aによる操作が行われる場合には、支援画面pを消去するので、主たる画像(例えば、地図画像)を見易くすることができる。
【0062】
以上、実施の形態(1)〜(3)に係る入力方法においては、ナビゲーションシステムに採用し、地図を使用者の意思通りに拡大、縮小する場合などについて説明しているが、別の実施の形態に係る入力方法では、ナビゲーションシステム以外のものに採用するようにしても良く、また地図だけでなく、文字や図などの画像の制御を行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0063】
1、1A、1B マイコン
8 リモコン
9 表示装置
9a ボタンスイッチ
9b 表示画面
10 接触検出手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図18