特許第5649684号(P5649684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649684
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】動的プレートシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/68 20060101AFI20141211BHJP
【FI】
   A61B17/58 310
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-81148(P2013-81148)
(22)【出願日】2013年4月9日
(62)【分割の表示】特願2010-524886(P2010-524886)の分割
【原出願日】2008年9月12日
(65)【公開番号】特開2013-150867(P2013-150867A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2013年4月9日
(31)【優先権主張番号】11/900,914
(32)【優先日】2007年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520330
【氏名又は名称】ストライカー・スピン
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,チャールズ・エル
(72)【発明者】
【氏名】バンデイラ,カーラ
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−518243(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/051172(WO,A1)
【文献】 特表2005−515823(JP,A)
【文献】 特表2004−530482(JP,A)
【文献】 特表2001−510703(JP,A)
【文献】 米国特許第05616142(US,A)
【文献】 国際公開第2007/067547(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/107891(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/098908(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
A61B 17/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の体および第2の体との間に動的沈下をもたらす動的プレートシステムにおいて、
体部分と摺動部分とを有する第1のプレート部材であって、前記体部分は、第1および第2の骨ネジ受け入れ開口と内側嵌合表面とを有している、第1のプレート部材と、
体部分と摺動部分とを有する第2のプレート部材であって、前記体部分は、第1及び第2の骨ネジ受け入れ開口と内側嵌合表面とを有している、第2のプレート部材と、
上表面と底表面とを有するクリップ部材と、
を備えており、
前記第1のプレート部材および第2のプレート部材は、前記第1のプレート部材および第2のプレート部材の前記摺動部分が互いに対して摺動係合しているとき、互いに摺動可能に係合し、
前記第1のプレート部材および第2のプレート部材が互いに摺動可能に係合し、前記クリップ部材の前記上表面が前記第1のプレート部材の前記内側嵌合表面と接触し、前記クリップ部材の前記底表面が前記第2のプレート部材の前記内側嵌合表面と接触するとき、前記第1のプレート部材および第2のプレート部材は、組立位置に保持され、
前記クリップ部材は、2つの湾曲部分が側面に位置する実質的に直線の部分を有し、前記2つの湾曲部分の各々は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の各々の側面、前面及び後面に隣接して、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の前記内側嵌合表面に接触するように構成されている
ことを特徴とする、動的プレートシステム。
【請求項2】
前記第1のプレート部材は、第1のプロングおよび第2のプロングをさらに備えており、前記第1のプレート部材の前記第1のプロングは、雄部分および受入れ部分を有しており、前記第1のプレート部材の前記第2のプロングは、斜面部分を有しており、
前記第2のプレート部材は、第1のプロングおよび第2のプロングをさらに備えており、前記第2のプレート部材の前記第1のプロングは、前記第1のプレート部材の前記第1のプロングの前記雄部分を受け入れるように構成された雌部分、および前記第1のプレート部材の前記第1のプロングの前記受入れ部分に係合するように構成された案内部分を備えており、前記第2のプレート部材の前記第2のプロングは、干渉部分を備えていることを特徴とする請求項1に記載の動的プレートシステム。
【請求項3】
前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、それぞれ雄摺動部分および雌摺動部分を備えており、前記第1のプレート部材の前記雄摺動部分が前記第2のプレート部材の前記雌摺動部分内に少なくとも部分的に受け入れられ、前記第1のプレート部材の前記雌摺動部分が前記第2のプレート部材の前記雄摺動部分を少なくとも部分的に受け入れるとき、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、互いに摺動可能に係合することを特徴とする、請求項1に記載の動的プレートシステム。
【請求項4】
前記第1のプレート部材が、少なくとも1つの垂直方向長孔をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の動的プレートシステム。
【請求項5】
前記第2のプレート部材は、少なくとも2つの開口をさらに備えており、前記垂直方向長孔が前記少なくとも2つの開口間に位置し、ピンが前記少なくとも2つの開口の少なくとも1つおよび前記垂直方向長孔を通って配置されたとき、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、それらが摺動可能に離脱することが阻止されるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の動的プレートシステム。
【請求項6】
前記クリップ部材は、前記クリップ部材の前記上表面及び前記底表面間の距離として測定される幅を有し、前記クリップ部材の前記幅は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材が前記組立位置にあるとき、前記第1のプレート部材の前記内側嵌合表面の第1の面および前記第2のプレート部材の前記内側嵌合表面の第2の面間で測定される直線距離と同じであることを特徴とする、請求項1に記載の動的プレートシステム。
【請求項7】
少なくとも第1の体および第2の体との間に動的沈下をもたらす動的プレートシステムにおいて、
体部分と摺動部分とを有する第1のプレート部材であって、前記体部分は、第1および第2の骨ネジ受け入れ開口と内側嵌合表面とを有している、第1のプレート部材と、
体部分と摺動部分とを有する第2のプレート部材であって、前記体部分は、第1及び第2の骨ネジ受け入れ開口と内側嵌合表面とを有している、第2のプレート部材と、
クリップ部材の幅だけ離れている上表面と底表面とを有するクリップ部材と、
を備えており、
前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、互いに摺動可能に係合するようになっており、
前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材が互いに摺動可能に係合し、前記クリップ部材の前記上表面が前記第1のプレート部材の前記内側嵌合表面と接触し、前記クリップ部材の前記底表面が前記第2のプレート部材の前記内側嵌合表面と接触するとき、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、組立位置保持され、
前記クリップ部材は、2つの湾曲部分が側面に位置する実質的に直線の部分を有し、前記2つの湾曲部分の各々は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の各々の側面、前面及び後面に隣接して、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材の前記内側嵌合表面に接触するように構成されている
ことを特徴とする、動的プレートシステム。
【請求項8】
前記第1のプレート部材は、第1のプロングおよび第2のプロングをさらに備えており、前記第1の部材の前記第1のプロングは、雄部分および受入れ部分を有しており、前記第1のプレート部材の前記第2のプロングは、斜面部分を有しており、
前記第2のプレート部材は、第1のプロングおよび第2のプロングをさらに備えており、前記第2のプレート部材の前記第1のプロングは、前記第1のプレート部材の前記第1のプロングの前記雄部分を受け入れるように構成された雌部分、および前記第1のプレート部材の前記第1のプロングの前記受入れ部分に係合するように構成された案内部分を備えており、前記第2のプレート部材の前記第2のプロングは、干渉部分を備えていることを特徴とする請求項に記載の動的プレートシステム。
【請求項9】
前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、それぞれ雄摺動部分および雌摺動部分を備えており、前記第1のプレート部材の前記雄摺動部分が前記第2のプレート部材の前記雌摺動部分内に少なくとも部分的に受け入れられ、前記第1のプレート部材の前記雌摺動部分が前記第2のプレート部材の前記雄摺動部分を少なくとも部分的に受け入れるとき、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、互いに摺動可能に係合することを特徴とする、請求項に記載の動的プレートシステム。
【請求項10】
前記第1のプレート部材が、少なくとも1つの垂直方向長孔をさらに備えていることを特徴とする、請求項に記載の動的プレートシステム。
【請求項11】
前記第2のプレート部材は、少なくとも2つの開口をさらに備えており、前記垂直方向長孔が前記少なくとも2つの開口間に位置し、ピンが前記少なくとも2つの開口の少なくとも1つおよび前記垂直方向長孔を通って配置されたとき、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材は、それらが摺動可能に離脱することが阻止されるようになっていることを特徴とする請求項10に記載の動的プレートシステム。
【請求項12】
前記クリップ部材の前記幅は、前記第1のプレート部材および前記第2のプレート部材が前記組立位置にあるとき、前記第1のプレート部材の前記内側嵌合表面の第1の面および前記第2のプレート部材の前記内側嵌合表面の第2の面間で測定される直線距離と同じであることを特徴とする、請求項に記載の動的プレートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本出願は、2007年9月13日に出願された米国出願第11/900,914号の利得を主張するものであり、この開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、骨プレートに関し、さらに詳細には、脊椎に用いられるこのような動的骨プレートに関する。
【背景技術】
【0003】
脊椎固定プレートは、種々の疾患に対して用いられることが可能であり、例えば、介在している椎体が除去され、かつ置換された箇所において、互いに隣接している椎体を互いに固定するために、これらの椎体が融合された後に更なる強度および剛性をもたらすために用いられている。一般的に、少なくとも1つの疾患した椎間腔を橋渡しするために、脊椎固定プレートが疾患した椎骨の前側に施されるようになっている。例えば、脊椎固定プレートは、椎間板の少なくとも一部が除去されて脊椎融合スペーサが挿入された箇所において、互いに隣接する椎体に施されるとよい。
【0004】
一般的に、脊椎プレートは、2つ以上の椎体を固定し、安定化し、および/または整合することを目的とし、これらの椎体の前側に取り付けられるとよい。加えて、このようなプレートは、例えば、椎間スペーサまたは人工椎間板の機能を補うために、椎間スペーサが椎間腔から外れるのを防ぐために、および/または椎間腔内に移植された生体適合性骨グラフト材料に対する支持体として作用するために、用いられてもよい。
【0005】
脊椎プレートのような整形外科用固定装置は、プレートの開口に挿通された締付け具によって、骨に連結されるとよい。締付け具は、プレートに固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。このような締付け具を、例えば、骨プレートのネジ山に適合する締付け具のネジ山を用いることによって、骨プレートに固定することが知られている。しかし、他の固定手段が利用されてもよい。このようなネジ/プレート接合部は、術後に固定アセンブリの緩みの発生を低減させるようになっているとよい。また、締付け具を外科医が選択した角度で傾斜させるために、多軸運動を可能とするように締付け具を受け入れるブッシュが、好ましくは、各プレート孔内に配置されることも知られている。設定されたプレート孔位置を通る締付け具の多軸運動は、締付け具自体の取付けの選択可能性を増すことになるが、プレート孔は、互いに対しておよびプレートの長軸に対して一定に保たれている。その結果、スペーサおよび/または骨グラフト材料が互いに隣接する椎体の椎間腔内に移植された後、椎体が沈下すると、望ましくない負荷がプレート締付け具に加えられる可能性がある。
【0006】
さらに、締付け具をプレートから外れないように保持するために、一般的に、ネジブロックシステムが骨プレート内に設けられている。本発明では、プレートの各開口は、好ましくは、分割リングを受け入れるための溝または凹部を有している。しかし、どのような他の適切なネジ係止システムが、本発明と関連して用いられてもよい。
【0007】
分割リングは、骨プレートに予め組み込まれているとよい。分割リングは、骨ネジが骨プレートの開口内に挿入されたときに拡がるような大きさを有することができる。ネジのヘッドが分割リングを通過した時点で、分割リングは、その自然なバネ張力によって収縮することになる。リングは、その非拡張状態に弛緩すると、分割リングの下面と骨ネジの上を向いている面との係合によって、プレートからの骨ネジの離脱を阻止することになる。2003年8月5日に刊行された「骨ネジ保持システム」と題する特許文献1および2001年7月17日に刊行された「整形外科用移植アセンブリ」と題する特許文献2は、いずれも、骨ネジを骨プレートに固定するのに用いられる装置を開示している。これらの開示内容は、参照することによって、あたかもここに完全に記載されているかのように、それらの全体がここに含まれるものとする。
【0008】
一般的に、スペーサは、1対の椎体間に移植された後、互いに隣接する椎体間で圧縮されることになる。この圧縮によって、スペーサと終板との間の良好な係合が確実なものとなり、これによって、融合が生じる機会が増すことになる。多くの場合、特に外科手術の直後の期間において、スペーサが終板内にいくらか沈下することがある。また、同種グラフトのスペーサの場合、椎骨終板間の空間が、グラフトの吸収によって減少することがある。
【0009】
剛性の固定プレートを用いて、椎体を接続する場合、この沈下によって、望ましい場合に比べて、一層多くの脊椎荷重がプレートに移行する傾向にある。このような荷重の移行は、プレートを椎体に設置するときの不正確さによって生じることもある。極端な場合、この荷重移行によって、互いに隣接する椎体間において、融合が生じないかまたは不完全な融合しか生じないことがある。
【0010】
複数の位置間において長軸に沿って調整可能な脊椎プレートを提供することが、当技術分野において知られている。これらのプレートは、一般的に、漸増的に調整可能となっている(従って、無限に調整可能となっていない)係止プレートとして記載されている。このようなプレートは、第1のプレートおよび第2のプレートが、移植の後、外科医によってまたは自然の沈下によって、有限の数の定位置に互いに対して組み込まれることのみを可能とするものである。さらに、プレートの多くは、いったん定位置に係止されると、拡張させることができず、これによって、外科手術中および修正を行う場合の融通性が制限されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,602,255号明細書
【特許文献2】米国特許第6,261,291号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、第1の組立位置と第2の組立位置との間で無段階の調整を可能とするプレートを有する固定システムが必要とされている。このようなシステムは、好ましくは、以下のプレート、すなわち、第1の方向において自由に沈下することができると共に第2の方向における該プレートの移動を阻止し、かつ望ましい場合または必要に応じて、プレートが第2の方向において移動することができるように、係止を解除する能力を有するプレートを備えている。このようなプレートは、好ましくは、融合される椎骨に対して所望の支持をもたらし、プレートの少なくとも一部に対して椎骨の圧縮を可能とし、これによって、沈降によって生じるグラフト沈下または脊柱が受ける通常の力に起因するプレートの荷重遮蔽の望ましくない影響を制限するようになっている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様は、動的沈下装置である。本発明の一実施形態によれば、動的沈下装置は、第1の部材と、第1の部材に接触している第2の部材と、を備えており、第1の部材および第2の部材は、互いに対して移動可能になっている。好ましくは、本装置は、第1の部材上の斜面部分、第2の部材上の干渉部分、および第1の部材の斜面部分と第2の部材の干渉部分との間に位置している軸受部材をさらに備えている。代替的に、斜面部分は、第2の部材に適合するようになっていてもよいし、干渉部分は、第1の部材に適合するようになっていてもよい。
【0014】
好ましくは、軸受部材は、第1の組立位置と第2の組立位置との間の無限の数の位置において、第1の方向における第2の部材に対する第1の部材の移動を可能とするようになっている。好ましくは、軸受部材は、第1の組立位置と第2の組立位置との間において、第2の方向における第2の部材に対する第1の部材の移動を阻止するようになっている。
【0015】
本発明のこの第1の態様の一実施形態によれば、第1の部材の斜面部分は、好ましくは、湾曲した斜面である。
【0016】
本発明のこの第1の態様の他の実施形態によれば、第1の部材は、少なくとも1つの垂直方向長孔をさらに備えていてもよい。好ましくは、第2の部材は、少なくとも2つの開口をさらに備えており、第1の部材の垂直方向長孔が少なくとも2つの開口間に位置し、ピンが第2の部材の少なくとも2つの開口および第1の部材の垂直方向長孔を通って配置されたとき、第1の部材および第2の部材は、それらの離脱が阻止されるようになっている。代替的に、第2の部材が、少なくとも1つの垂直方向長孔を備えていてもよく、第1の部材が、少なくとも2つの開口を備えていてもよい。この場合、第2の部材の垂直方向長孔が少なくとも2つの開口間に位置し、ピンが第1の部材の少なくとも2つの開口および第2の部材の垂直方向長孔を通って配置されたとき、第1の部材および第2の部材は、それらの離脱が阻止されることになる。
【0017】
プレートシステムの垂直方向長孔の機能は、第1の組立位置と第2の組立位置との間における第1の部材および第2の部材の互いに対する並進運動を制限するのに役立つことになる。さらに、プレートシステムの少なくとも2つの開口の少なくとも1つの機能は、ピン部材を該開口内に固定することである。好ましくは、ピンは、第1の部材または第2の部材の長孔に摺動可能に係合するように構成されている。好ましくは、プレートシステムの長孔の構造およびピン形状は、第1の部材および第2の部材の互いに対する摺動可能な係合に更なる安全性を加えるように、機能することになる。
【0018】
本発明のこの第1の態様のさらに他の実施形態によれば、第1の部材は、第1の部材を脊椎の椎体に取り付けるために、締付け具を受け入れるための少なくとも1つの開口を備えている。好ましくは、第2の部材は、第2の部材を脊椎の椎体に取り付けるために、締付け具を受け入れるための少なくとも1つの開口をさらに備えている。締付け具を受け入れるのに適するようになっている第1の部材および第2の部材のそれぞれの開口は、好ましくは、分割リングを受け入れるための溝または凹部を備えている。好ましくは、開口に適合している各分割リングは、該分割リングの下面と締付け具の上方を向いている面との係合によって、締付け具が第1の部材および第2の部材から外れるのを阻止するように、構成されている。
【0019】
本発明のこの第1の態様のさらに他の実施形態によれば、第1の部材は、第1のプロングおよび第2のプロングをさらに備えていてもよく、第1のプロングが雄部分および受入れ部分を有して、第2のプロングが斜面部分を備えているようになっていてもよい。第2の部材は、第1のプロングおよび第2のプロングをさらに備えていてもよく、第1のプロングが、第1の部材の第1のプロングの雄部分を受け入れるように構成された雌部分、および第1の部材の第1のプロングの受入れ部分に係合するように構成された案内部分を有して、第2の部材の第2のプロングが干渉部分を備えているようになっていてもよい。
【0020】
本発明のこの第1の態様のさらに他の実施形態によれば、第1の部材および第2の部材が第1の組立位置にあるとき、軸受部材は、第1のプレート部材および第2のプレート部材に関連付けられた係止アセンブリの斜面部分と干渉部分との間に自由に着座するようになっている。さらに、第1の部材が第1の方向において第2の部材に対して移動しているとき、軸受部材は、好ましくは、係止アセンブリの斜面部分と干渉部分との間に自由に着座するようになっている。また、第1の部材が反対の第2の方向において第2の部材に対して移動しているとき、軸受部材は、好ましくは、係止アセンブリの斜面部分と干渉部分との間に係止され、これによって、第2の方向におけるプレートの並進運動を阻止するようになっている。好ましくは、第2の方向における第1の部材および第2の部材の並進運動が、係止アセンブリによって阻止されるとすぐ、軸受部材は、斜面部分と干渉部分との間に自由に着座することになる斜面部分の一部に戻るようになっていてもよい。この位置では、軸受部材が自由に回転することができ、第1の部材および第2の部材は、第1の方向に移動しながら、再び沈下することができる。
【0021】
本発明のこの第1の態様のさらに他の実施形態によれば、係止アセンブリは、好ましくは、キー孔を備えている。このキー孔は、器具が、斜面部分と干渉部分との間の空間に進入して軸受部材を適所に保持し、これによって、斜面部分と干渉部分との間に係止された軸受部材を解除することが可能となるように、構成されている。好ましくは、器具は、斜面部分と干渉部分との間に係止されている軸受部材への摩擦力を上回るのに十分な力を軸受部材に加えるように、構成されている。好ましくは、器具は、軸受部材が自由に回転することができる斜面部分のより深い部分に向かって、軸受部材を逆戻りさせるように、さらに構成されている。
【0022】
本発明の第2の態様は、脊椎の頚椎用の動的沈下プレートである。この第2の態様の一実施形態によれば、動的沈下プレートは、斜面部分を備える突出端部を有している第1の部材と、第1の部材の突出端部を摺動可能に受け入れるように構成された受入れ端部を有している第2の部材であって、第2の部材の受入れ端部が干渉部分を備えている、第2の部材と、第1の部材の斜面部分と第2の部材の干渉部分との間に位置している軸受部材と、を備えている。
【0023】
本発明のこの第2の態様によれば、軸受部材は、好ましくは、第1の組立位置と第2の組立位置との間の無限の数の位置において、第1の方向における第2の部材に対する第1の部材の移動を可能とするように、構成されている。好ましくは、軸受部材は、第1の組立位置と第2の組立位置との間において、反対の第2の方向における第2の部材に対する第1の部材の運動を阻止するように、さらに構成されている。
【0024】
本発明の第3の態様は、脊椎の頚椎用の動的沈下プレートである。この第3の態様の一実施形態によれば、動的沈下プレートは、第1のプロングおよび第2のプロングを有する第1の部材を備えていてもよく、第1のプロングが雄部分および受入れ部分を有して、第2のプロングが斜面部分を有するようになっていてもよい。本プレートは、好ましくは、第1の部材を受け入れる第2の部材をさらに備えており、第2の部材は、第1のプロングおよび第2のプロングを有しており、第1のプロングは、第1の部材の第1のプロングの雄部分を受け入れるように構成された雌部分、および第1の部材の第1のプロングの受入れ部分に係合するように構成された案内部分を有しており、第2の部材の第2のプロングは、干渉部分を有している。好ましくは、本プレートは、軸受部材をさらに備えており、この軸受部材は、第1の部材が第1の方向において第2の部材に対して移動しているとき、第1の部材の第2のプロングの斜面部分と第2の部材の第2のプロングの干渉部分との間に自由に着座するようになっており、また、第1の部材が反対の第2の方向において第2の部材に対して移動しているとき、第1の部材の第2のプロングの斜面部分と第2の部材の第2のプロングの干渉部分との間に係止されるようになっている。
【0025】
本発明のプレート装置によって、第1の体と第2の体との間に動的沈下をもたらす例示的な方法は、第1のプレート部材および第2のプレート部材を互いに摺動可能に係合させることと、第1のプレート部材および第2のプレート部材を第1の組立位置に保持することと、を含んでいる。本方法は、第1の部材を第1の体に固定し、第2の部材を第2の体に固定することと、第1の部材および第2の部材が、第1の組立位置と第2の組立位置との間の無限の数の位置において、第1の方向において沈下することを可能にすることと、を含んでおり、プレート装置が第2の組立位置にあるとき、第1の体および第2の体は、互いにより接近しているようになっている。
【0026】
好ましくは、プレート装置は、斜面部分、干渉部分、および軸受部材を有する係止アセンブリをさらに備えており、プレート装置が第1の組立位置にあるとき、軸受部材は、斜面部分のより深い部分内に位置するようになっている。好ましくは、プレートが第2の組立位置にあるとき、軸受は、係止アセンブリの斜面部分と干渉部分との間に捕捉されており、軸受は、第1のプレート部材および第2の部材が第1の方向においてさらに沈下することを阻止するようになっている。
【0027】
本方法は、器具を用いて捕捉された軸受を解除するために、該器具を斜面部分と干渉部分との間に挿入することをさらに含んでいてもよい。
【0028】
本発明の主題および本発明の種々の利点のさらに完全な理解は、添付の図面に基づく以下の詳細な説明を参照することによって、得られることになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施形態による動的沈下プレートの分解正面図である。
図2図1の動的沈下プレートの分解背面図である。
図3図1の動的沈下プレートの第2の部材の上面図である。
図4図1の動的沈下プレートの第2の部材の上面図である。
図5】第1の部材、第2の部材、およびクリップの例示的な実施形態であって、クリップが第1の部材および第2の部材を第1の組立位置に保持するのに用いられている、実施形態の正面組立図である。
図6図5の組立体の背面組立図である。
図7】第2の部材の少なくとも2つの開口間に位置している第1の部材の垂直方向長孔、および第2の部材の少なくとも2つの開口および第1の部材の垂直方向長孔を通って配置されているピンを示す、図1のプレートの正面組立図である。
図8】第1の部材のキー孔内に挿入された器具を示す、図1のプレートの背面組立図である。
図9】第1の部材および第2の部材が例示的な第1の組立位置にあるときの図1の動的沈下プレートの係止アセンブリの線3−3に沿った断面図である。
図10】第1の部材および第2の部材が係止位置にあるときの図1の動的沈下プレートの係止アセンブリの線4−4に沿った断面図である。
図11】第1の部材および第2の部材が例示的な第2の組立位置にあるときの図1の動的沈下プレートの係止アセンブリの線5−5に沿った断面図である。
図12】第1の部材および第2の部材が例示的な第1の組立位置にあるときの係止アセンブリの(平斜面として示されている)斜面部分を示す、代替的な動的沈下プレートの断面図である。
図13】第1の部材および第2の部材が係止位置にあるときの係止アセンブリの(平斜面として示されている)斜面部分を示す、図12のプレートの断面図である。
図14】第1の部材および第2の部材が例示的な第2の組立位置にあるときの(斜面部分が平斜面として示されている)係止アセンブリを示す、図12のプレートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
体の骨または他の部分に関連している場合、本明細書において用いられている「近位側(proximal)」という用語は、心臓により近い側を意味し、「遠位側(distal)」という用語は、心臓からより離れた側を意味している。「下の(inferior)」という用語は、下側または底部を意味し、「上の(superior)」という用語は、上側または上部を意味している。「前方の(anterior)」という用語は、体また面の前部に向かう側を意味し、「後方の(posterior)」という用語は、体の背後に向かう側を意味している。「中央の(medial)」という用語は、体の正中線に向かう側を意味し、「横の(lateral)」という用語は、体の正中線から離れる側を意味している。
【0031】
図面について説明する。なお、これらの図面において、同様の参照番号は、同様の要素を指している。図1〜11には、参照番号10で総称的に表わされている本発明の動的頚椎プレートの実施形態が、示されている。これらの図面に示されているように、プレート10は、第1のプレート部材12、第2のプレート部材14、および係止アセンブリ16を備えている。好ましくは、第1の部材12および第2の部材14は、互いに摺動可能に係合可能になっている。
【0032】
好ましくは、係止アセンブリ16は、第1の部材12上の斜面部分18、第2の部材14上の干渉部分20、および第1の部材12の斜面部分18と第2の部材14の干渉部分20との間に位置している軸受部材19を備えている。代替的に、斜面部分18は、第2の部材14に適合するようになっていてもよいし、干渉部分20は、第1の部分12に適合するようになっていてもよい。好ましくは、斜面部分18は、平斜面または湾曲斜面のいずれかであるが、他の幾何学的形状または非幾何学的形状であってもよいことが想定されている。
【0033】
好ましくは、係止アセンブリ16は、第1の組立位置と第2の組立位置との間の無限の数の位置において、第1の方向における第2の部材14に対する第1の部材12の移動を可能とするように、構成されている。好ましくは、係止アセンブリ16は、第1の組立位置と第2の組立位置との間において、反対の第2の方向における第2の部材14に対する第1の部材12の移動を実質的に阻止するようになっている。
【0034】
好ましくは、第1の部材12は、第2の部材14の嵌合表面24に実質的に係合するように構成された嵌合表面22を備えている。これらの表面22,24が嵌合した後では、第1の方向における第1の部材12と第2の部材14との摺動係合は、もはや生じないことになる。
【0035】
好ましくは、プレート10が第1の組立位置にあるとき、第1の部材12および第2の部材14は、摺動係合している。さらに、第1の組立位置では、軸受部材19は、好ましくは、斜面部分18と干渉部分20との間に自由に着座している。好ましくは、外科医は、個々の患者に必要とされるプレート10の第1の部材12と第2の部材14との間の沈下の量を、術前に決めておくとよい。
【0036】
個々の患者にもよるが、プレート10は、一般的に、1mmから10mm沈下するように設定されている。一般的に、第1の部材12の表面22および第2の部材14の表面24は、摺動可能に係合するようになっており、第1の組立位置において、略1mm〜4mm離間している。外科医は、行われる手術の種類または個々の患者の生体構造および/または奇形に基づいて、第1の組立位置において、第1の部材12の表面22と第2の部材14の表面24とを4mmを超える距離を隔てて配置するように決めることもできる。第2の組立位置は、一般的には表面24,26が嵌合した後、第1の方向における第1の部材12と第2の部材14との摺動係合が阻止される位置として、規定されている。
【0037】
好ましい実施形態では、第1の部材12は、第1の方向D1において、係止アセンブリ16が係合することなく、第2の部材14に対して自由に並進運動することが可能になっている。好ましくは、係止アセンブリ16は、第1の部材12および第2の部材14が第1の方向D1において互いに自由に摺動可能となるように、構成されている。一般的に、第1の方向D1は、第1の部材12の表面22が第2の部材14に向かって並進運動しているときの下向きの方向である。もし第2の部材14が固定位置にあるなら、第1の方向における移動は、第1の部材12に対してのみ生じることになる。しかし、脊椎の生体構造および脊椎の機能に起因して、沈下が生じているとき、一般的に、第1の部材12および第2の部材14のいずれもが互いに対して並進運動することになる。従って、第1の部材12および第2の部材14のいずれもが、一般的に、第1の方向D1および第2の方向D2における移動を規定することになる。また、本発明は、プレート以外の移植片、さらに互いに真反対の方向に移動するプレート以外の移植片にも、適用可能であることが想定されている。
【0038】
図9〜11に示されているように、係止アセンブリ16は、好ましくは、第1の方向D1における部材12,14の自由な移動または並進運動を可能にすると共に第2の方向D2における部材12,14の互いに対する逆の移動または並進運動を阻止する係止機構をもたらしている。好ましくは、軸受部材19は、第1の部材12および第2の部材14が、図9に示されているような例示的な第1の組立位置または休止位置において摺動係合しているとき、斜面部分18のより深い区域内に位置している。
【0039】
第1の部材12および第2の部材14が沈下し始めると、軸受部材19は、好ましくは、移動せずに、ポケットのより深い領域内の定位置で回転することになる。図10に示されているように、もし第1の部材12および第2の部材14が、反対の第2の方向D2において移動または並進運動し始め、これによって、互いに離れる方向に引っ張り始めた場合、軸受部材19は、部材12の斜面部分18と、部材14の干渉部分20との間に生じた摩擦によって、斜面部分18上を回転して上昇することを強いられることになる。
【0040】
好ましくは、軸受部材19は、部材12の斜面部分18、および部材14の干渉部分20に対する軸受部材19の点負荷の大きさが、第2の方向D2における部材12,14の移動または並進運動を停止するのに十分になるまで、斜面部分18上を回転して上昇することになる。好ましくは、この点負荷は、部材12,14の移動が第1の方向D1から第2の方向D2に変化したとき、即座に生じるようになっている。
【0041】
好ましくは、第2の方向D2における部材12,14の移動は、1mm未満である。好ましくは、係止アセンブリ16は、もし第1の部材12および第2の部材14が方向D2において互いに離れる移動を停止し、再び方向D1において互いに向き合う移動を開始した場合、軸受部材19は、斜面部分18上を下方に逆戻りし、これによって、係止アセンブリ16を解除するように、さらに構成されている。
【0042】
斜面部分18の深さおよび形状、干渉部分20、および軸受22の大きさは、全て、動的プレート10の性能および設計手法にとって、重要な特徴である。もし斜面部分18および干渉部分20の寸法が、いくつかの異なるプレート間において一定である場合、プレート10の第1の組立位置と第2の組立位置との間の距離は、軸受部材19の大きさによって影響されることになる。
【0043】
さらに、斜面部分18および干渉部分20によって軸受部材19に加えられる係止力は、軸受部材19の大きさによって影響されることになる。当業者であれば、種々のプレート10の同様の大きさの斜面部分18と干渉部分20との間により大きい軸受が設けられているなら、より大きな力が軸受部材19に加えられると共に、第1の組立位置と第2の組立位置との間で第1の方向および/または第2の方向において並進運動し得る距離が制限されることを、容易に理解するだろう。
【0044】
図12〜14は、動的プレート10’用の係止アセンブリ16’の代替的実施形態を示している。好ましくは、係止アセンブリ16’は、平斜面からなる斜面部分18’を備えている。係止アセンブリ16’は、好ましくは、第1の方向D1におけるプレート部材12’および第2のプレート部材14’の自由な移動または並進運動を可能にすると共に第2の方向D2における部材12’,14’の互いに対する逆の移動または並進運動を阻止する係止機構をもたらしている。好ましくは、軸受部材19’は、第1の部材12’および第2の部材14’が、図12に示されているような例示的な第1の組立位置または休止位置において摺動係合しているとき、斜面部分18’のより深い区域内に位置している。
【0045】
第1の部材12’および第2の部材14’が沈下し始めると、軸受部材19’は、好ましくは、移動せずに、ポケットのより深い領域内の定位置で回転することになる。図13に示されているように、もし第1の部材12’および第2の部材14’が、反対の第2の方向D2において移動または並進運動し始め、これによって、互いに離れる方向に引っ張り始めたとき、軸受部材19’は、部材12’の斜面部分18’と、部材14’の干渉部分20’との間に生じた摩擦によって、斜面部分18’上を回転して上昇することを強いられることになる。
【0046】
好ましくは、軸受部材19’は、部材12’の斜面部分18’、および部材14’の干渉部分20’に対する軸受部材19’の点負荷の大きさが、第2の方向D2における部材12’,14’の移動または並進運動を停止するのに十分になるまで、斜面部分18’上を回転して上昇することを強いられることになる。好ましくは、この点負荷は、部材12’,14’の移動が第1の方向D1から第2の方向D2に変化したとき、即座に生じるようになっている。
【0047】
好ましくは、第2の方向D2における部材12’,14’の移動は、1mm未満である。好ましくは、係止アセンブリ16’は、もし第1の部材12’および第2の部材14’が方向D2において互いに離れる運動を停止し、再び方向D1において互いに向き合う移動を開始した場合、軸受部材19’は、斜面部分18’を下方に逆戻りし、これによって、係止アセンブリ16’を解除するように、さらに構成されている。
【0048】
図2には、プレート10の第1の部材12および第2の部材14の分解背面図が示されている。干渉部分20は、ここに示されているが、斜面部分18は、ここでは第1の部材18の他の側に隠されている。好ましくは、小突起21が、干渉部分20から外方に延在している。好ましくは、第1の部材12は、図1に示されているように、凹部23をさらに備えている。突起21は、好ましくは、凹部23に係合するように、構成されている。突起21および凹部23の係合は、図11に示されているように、第1の部材12および第2の部材14を例示的な第2の組立位置においてさらに固定させるのに、役立つことになる。さらに、突起21および凹部23は、第1の組立位置と第2の組立位置との間で部材12,14の摺動係合を案内するように作用するようになっていてもよい。
【0049】
一実施形態では、第1の部材12は、少なくとも1つの垂直方向長孔26をさらに備えている。好ましくは、第2の部材14は、少なくとも2つの開口28をさらに備えており、第1の部材12の垂直方向長孔26が少なくとも2つの開口28間に位置しているとき、第1部材12および第2の部材14は、それらの離脱が阻止されるようになっている。さらに、例えば、図5,6に示されているように、ピン17が、好ましくは、第2の部材14の少なくとも2つの開口28および第1の部材12の垂直方向長孔26を通って配置されている。好ましくは、ピン17は、変形可能なリベットであり、図5,7に示されているように、第1の開口28内に挿入され、その後、図8に示されているように、変形して、第2の開口28内に係合し、かつ固定されるようになっているとよい。
【0050】
代替的に、第2の部材14が少なくとも1つの垂直方向長孔26を備えていてもよいし、第1の部材12が少なくとも2つの開口28を備えていてもよい。この場合も、第2の部材14の垂直方向長孔26が少なくとも2つの開口28間に位置しているとき、第1の部材12および第2の部材14は、それらの離脱が阻止されることになる。この代替的実施形態では、ピン17は、第1の部材12の少なくとも2つの開口28および第2の部材14の垂直方向長孔26を通って配置されている。
【0051】
好ましくは、垂直方向長孔26の機能は、第1の組立位置と第2の組立位置との間における第1の部材12および第2の部材14の互いに対する並進運動を制限するのに役立つことになる。さらに、第1の部材12および第2の部材14のそれぞれ開口28は、好ましくは、ピン17をこれらの開口28内に固定するように作用している。好ましくは、ピン17は、第1の部材12または第2の部材14の長孔に摺動係合するように、構成されている。さらにまた、長孔26とピン17との構成は、好ましくは、第1の部材12および第2の部材14の摺動可能な係合に更なる安全性を加えるのに、役立つことになる。
【0052】
好ましくは、垂直方向長孔26は、上部分25および底部分27を備えている。第1の部材12および第2の部材14が第1の組立位置にあるとき、ピン17は、好ましくは、長孔26および開口28を通って、長孔26の底部分27に隣接している。代替的に、第1の部材12および第2の部材14が第2の組立位置にあるとき、ピン17は、好ましくは、長孔26および開口28を通って、長孔26の上部分25に隣接している。
【0053】
骨ネジを受け入れるためのプレート10の開口38を、プレート10に見ることができる。典型的に、脊椎プレートは、プレートの開口を貫通する骨ネジによって、互いに隣接する椎骨に固定されることになる。椎骨ネジをプレートから外れないように保持するために、ネジブロックシステムが設けられている。本発明では、部材12,14の各開口38は、好ましくは、分割リングを受け入れる溝または凹部を有しているが、どのような他の適切なネジ係止システムが用いられてもよい。
【0054】
プレート10は、第1の部材12および/または第2の部材14に関連付けられたキー孔40をさらに備えているとよい。好ましくは、キー孔40は、図8に略示されているように、器具42が斜面部分18と干渉部分20との間の空間の少なくとも一部に進入することを可能とするように、構成されている。好ましくは、器具42は、斜面部分18と干渉部分20との間から軸受部材19を取り外し、および/または斜面部分18のより深い区域内の定位置に軸受部材19を保持するように、構成されている。器具42は、斜面部分18と干渉部分20との間に係止された軸受部材19を解除するために、用いられるものである。
【0055】
好ましくは、器具42は、斜面部分18と干渉部分20との間に係止されている軸受部材19に作用している摩擦力を上回るのに十分な力を軸受部材19に加えるように、構成されている。好ましくは、器具42は、図9に示されているように、軸受部材19が自由に回転することができる斜面部分18のより深い部分に向かって、軸受部材19を逆戻りさせるように、さらに構成されている。
【0056】
図3,4は、部材12,14のそれぞれの上面図である。図3に示されているように、第1の部材12は、好ましくは、表面22から外方に延在している第1のプロング(prong)
29および第2のプロング31を備えている。好ましくは、第1のプロング29は、雄部分30および受入れ部分32を備えており、第2のプロング31は、斜面部分18を備えている。図4に示されているように、第2の部材14は、好ましくは、第1のプロング33および第2のプロング35を備えている。好ましくは、第1のプロング33は、雌部分34および案内部分36を備えている。雌部分34は、好ましくは、第1の部材12の第1のプロング29の雄部分30を受け入れるように、構成されており、案内部分36は、好ましくは、第1の部材12の第1のプロング29の受入れ部分32に係合するように、構成されている。好ましくは、第2の部材14の第2のプロング35は、干渉部分20を備えている。
【0057】
図5は、例示的な第1の組立位置にあるプレート10の第1の部材12および第2の部材14の図である。好ましくは、第1の組立位置において第1の部材12および第2の部材14の表面22,24間の間隔を保持するために、クリップ50が用いられている。クリップ50は、好ましくは、上部分51、第1の端52、底部分53、および第2の端54を備えている。好ましくは、第1の組立位置では、第1の部材12の表面22は、クリップ50の上部分51上に置かれ、クリップ50の底部分53は、第2の部材14の表面24上に置かれている。
【0058】
図6に示されているように、クリップ50は、部材12,14が移植された後、外科医または医療技術者が端52,54にアクセスするために、部材12,14の周囲の一部を包囲しているとよい。クリップ50は、第1の組立位置において部材12,14の間隙を保持するように機能すると共に、部材12,14間から容易に取り外されるように構成されていると好ましい。代替的に、クリップ50は、部材12,14の周囲の全体を包囲していてもよい。好ましくは、クリップ50は、部材12,14がそれぞれの椎体に移植される前または後に部材12,14間に生じ得る力に耐えるのに十分な強さを有する材料から作製されている。
【0059】
プレート10を移植する1つの方法は、クリップ50を用いてプレート10の第1の部材12および第2の部材14を第1の組立位置に保持しながら、第1の部材12および第2の部材14を第1の組立位置においてそれぞれの椎体に固定することと、第1の部材12および第2の部材14が第1の方向D1において並進運動することを可能とするために、クリップ50を組立体から取り外すことと、を含んでいる。この例示的な方法では、プレート10は、係止アセンブリ16をさらに備えており、係止アセンブリ16は、第1の組立位置と第2の組立位置との間の無限の数の位置において、第1の部材12および第2の部材14が第1の方向において沈下することを可能とし、また、反対の第2の方向D2における第1の部材12および第2の部材14の並進運動を制限するように、構成されている。
【0060】
第1の組立位置における組み込まれたクリップ50の裏側において、軸受部材19は、通常、斜面部分18のより深い部分内に位置している。クリップ50が部材12,14間から取り外された後、自然の沈下が生じると、軸受部材19は、好ましくは、移動せずに、ポケットのより深い領域内の定位置で回転し、部材12,14の表面22,24が、ゆっくりと互いに接触する方向に進むことになる。もし沈下中に、第1の部材12および第2の部材14が第2の方向D2において移動または並進運動し始めた場合、軸受部材19は、部材12,14の斜面部分18と干渉部分20との間に生じた摩擦によって、斜面部分18上を回転して上昇することを強いられることになる。
【0061】
ここでは、本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示にすぎないことを理解されたい。従って、例示的な実施形態に対して多くの修正がなされてもよいこと、および添付の請求項に記載されている本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14