特許第5649689号(P5649689)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649689
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】固形砂糖の乾燥方法及び乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   C13B 40/00 20110101AFI20141211BHJP
【FI】
   C13B40/00
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-110661(P2013-110661)
(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公開番号】特開2014-226118(P2014-226118A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2013年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】599090224
【氏名又は名称】千歳精糖株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(72)【発明者】
【氏名】入江 清晃
(72)【発明者】
【氏名】入江 晃久
【審査官】 田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭46−24055(JP,B2)
【文献】 特開昭54−89044(JP,A)
【文献】 特開昭52−102442(JP,A)
【文献】 特開昭62−59000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C13B 40/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角砂糖の如き固形砂糖が圧縮成型された後の乾燥方法であって、固形砂糖の表面の含水量を減少させて固形砂糖を積載可能な一定の硬度になるまで予備乾燥する予備乾燥工程と、予備乾燥後の複数の固形砂糖を収納容器内に積重ねる積載工程と、固形砂糖を積載した複数の収納容器を台車に搭載して該台車ごと乾燥室内に搬送して乾燥させる本乾燥工程と、を備えたことを特徴とする固形砂糖の乾燥方法。
【請求項2】
前記予備乾燥工程は、圧縮成型された固形砂糖を搬送するコンベヤ装置で搬送する間に行われる請求項1記載の固形砂糖の乾燥方法。
【請求項3】
前記積載工程において、前記収納容器は軽量で通気性を備えた籠状の収納容器が使用される請求項1記載の固形砂糖の乾燥方法。
【請求項4】
角砂糖の如き固形砂糖が圧縮成型された後に該固形砂糖を乾燥させる乾燥装置であって、圧縮成型された固形砂糖を搬送するコンベヤ装置と該コンベヤ装置に近接し、搬送時に固形砂糖の含水量を減少させて一定の硬度になるまで予備乾燥させる予備乾燥機と、該予備乾燥機で予備乾燥した固形砂糖をまとめて積載する籠状の収納容器と、該収納容器を複数個搭載する台車と、該台車ごと収納容器内の固形砂糖を乾燥させる乾燥室とを備えたことを特徴とする固形砂糖の乾燥装置。
【請求項5】
前記予備乾燥機は、前記コンベヤベルトの上部を囲むカバー状を成し、前記固形砂糖を搬送するコンベヤベルトを内部に通過せしめるカバー体と、該カバー体の内部に熱風を送風する熱風機とを備えた請求項4記載の固形砂糖の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角砂糖の如き固形砂糖を効率良く乾燥できるようにした固形砂糖の乾燥方法及び乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、角砂糖の如き固形砂糖の成型手段として、例えば特許文献1に記載のごとく、上部が開放されているような複数の成型穴が縦横に配されている平板的な型を設け、この型内に固形砂糖の原料となるグラニュー糖等の適宜結晶粒を充填し、これを上方から加圧することによって適宜固化させ、この後、型抜きして複数の固形砂糖の成型が行われていた。
【0003】
このような固形砂糖の成型手段にあっては、型抜き等が面倒で、多数の固形砂糖を成型する場合、その作業効率を向上させることが難しく、比較的小さな固形砂糖を成型する場合には型抜きがさらに困難になるなどの問題もあった。
【0004】
そこで当出願人は、先に特許文献2に記載の固形砂糖の成型方法及びその成型装置を提供し、固形砂糖の連続的な成型を可能にしたものである。すなわち、複数のカムによって作動するピストンロッドの動きによって、成型孔内への結晶粒の充填や圧縮、成型孔内からの押出し等を自動的に順次繰返し行えるようにすることで、多数の固形砂糖を効率良く連続成型できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−231800号公報
【特許文献2】特許第3610448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献2に記載の成型装置で固形砂糖を連続成型することに成功したが、成型された多数の固形砂糖を効率的に乾燥させる作業が困難になっていた。
【0007】
すなわち、特許文献2の成型方法によると、成型直後の固形砂糖は、コンベヤ装置によって乾燥室に搬送され、1日かけて乾燥し固化される。従来の乾燥工程は、成型された複数の固形砂糖をアルミ製の板の上に搬送し、このアルミ板ごと乾燥室に運んで乾燥させるものである。
【0008】
すなわち、成型直後の固形砂糖は含水量が多いので、搬送時に互いにぶつかったり重なったりすると型崩れが生じるおそれがある。そのため、各固形砂糖が重ならないように注意深くコンベヤ装置からアルミ板の上に並べた上で、アルミ板ごと乾燥室内に搬送する作業が行われていた。
【0009】
このアルミ板Qを乾燥室内に搬送するには、固形砂糖Sを並べた状態のままアルミ板Qを台車40に載せ、この台車40ごと乾燥室内に搬送する作業になっていた(図4参照)。そのため、一度に乾燥可能な固形砂糖の数は、各アルミ板の上に平面的に並べられる数に制限されていたのが現状である。
【0010】
例えば、約400gの固形砂糖を並べることができる250gのアルミ板を使用した場合、一台の台車に100枚のアルミ板を積載できるとして、一台の台車で乾燥可能な固形砂糖は40kg程度になり、台車の重量は100kg程度になる。乾燥室でこのような台車ごと固形砂糖を乾燥させる場合、40kgの固形砂糖を乾燥させるために、乾燥室の内部に125kgの台車やアルミ板を収納して固形砂糖と共に温めていたのが現状である。そのため、乾燥室内の熱量を固形砂糖に十分に活用できない状況にあった。
【0011】
そこで本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、連続成型される固形砂糖を効率良く乾燥させることができ、乾燥時の熱効率に優れた固形砂糖の乾燥方法及び乾燥装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段の乾燥方法は、角砂糖の如き固形砂糖Sが圧縮成型された後の乾燥方法であって、固形砂糖Sの表面の含水量を減少させて固形砂糖Sを積載可能な一定の硬度になるまで予備乾燥する予備乾燥工程100と、予備乾燥後の複数の固形砂糖Sを収納容器30内に積重ねる積載工程200と、固形砂糖Sを積載した複数の収納容器30を台車40に搭載して該台車40ごと乾燥室50内に搬送して乾燥させる本乾燥工程300と、を備えたことにある。
【0013】
第2の手段の前記予備乾燥工程100は、圧縮成型された固形砂糖Sを搬送するコンベヤ装置10で搬送する間に行われる工程である。
【0014】
第3の手段の前記積載工程200において、前記収納容器30は軽量で通気性を備えた籠状の収納容器30が使用されるものである。
【0015】
第4の手段は、角砂糖の如き固形砂糖Sが圧縮成型された後に該固形砂糖Sを乾燥させる乾燥装置であって、圧縮成型された固形砂糖Sを搬送するコンベヤ装置10と該コンベヤ装置10に近接し、搬送時に固形砂糖Sの含水量を減少させて一定の硬度になるまで予備乾燥させる予備乾燥機20と、該予備乾燥機20で予備乾燥した固形砂糖Sをまとめて積載する籠状の収納容器30と、該収納容器30を複数個搭載する台車40と、該台車40ごと収納容器30内の固形砂糖Sを乾燥させる乾燥室50とを備えた乾燥装置にある。
【0016】
第5の手段において、前記予備乾燥機20は、前記コンベヤベルト11の上部を囲むカバー状を成し、前記固形砂糖Sを搬送するコンベヤベルト11を内部に通過せしめるカバー体21と、該カバー体21の内部に熱風を送風する熱風機22とを備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1によると、予備乾燥工程100によって固形砂糖Sの表面が一定の硬度を有する状態で積載工程200の収納容器30内に積重ねられ、本乾燥工程300により完全に乾燥させることができる。この結果、従来ではアルミ板の上で平面的に並べて乾燥していた固形砂糖Sを、収納容器30内に積重ねた状態で乾燥させることが可能になり、連続成型される固形砂糖Sを型崩れなく効率良く乾燥させることができるものである。
【0018】
請求項2のように、予備乾燥工程100は、圧縮成型された固形砂糖Sを搬送するコンベヤ装置10で搬送する間に行われる工程であるから、圧縮成型された固形砂糖Sは、積載可能な一定の硬度を有するまで余分な負荷をかけずに成型直後の状態で予備乾燥させることができる。
【0019】
請求項3のごとく、積載工程200において、収納容器30は軽量で通気性を備えた籠状の収納容器30が使用されるものであるから、従来のアルミ板に比べて軽量で大量の固形砂糖Sを効率良く乾燥させることができる。したがって、固形砂糖Sの乾燥時に、乾燥用の熱量を効率良く利用することができる。
【0020】
請求項4に記載の乾燥装置のように、予備乾燥機20で予備乾燥した固形砂糖Sを積重ねて積載する籠状の収納容器30を複数個搭載する台車40と、該台車40ごと収納容器30内の固形砂糖Sを乾燥させる乾燥室50とを備えたことで、従来のアルミ板に載置した固形砂糖Sを台車40ごと乾燥させる装置に比べて乾燥室50の熱量を効率良く固形砂糖Sに加えることができ、短時間での乾燥が可能になる。
【0021】
請求項5のごとく、予備乾燥機20は、コンベヤベルト11の上部を囲むカバー状を成し、前記固形砂糖Sを搬送するコンベヤベルト11を内部に通過せしめるカバー体21と、該カバー体21の内部に熱風を送風する熱風機22とを備えたものであるから、コンベヤベルト11にて固形砂糖Sを搬送する間に固形砂糖Sを効率良く予備乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の乾燥装置の一部を示す概略図である。
図2】本発明の予備乾燥機の一実施例を示す概略斜視図である。
図3】本発明の台車と乾燥室を示す概略図である。
図4】従来のアルミ板と台車を示す概略図である。
図5】本発明の乾燥工程示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明によると、連続成型される固形砂糖を効率良く乾燥させることができ、乾燥時の熱効率に優れるなどといった当初の目的を達成した。
【0024】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明固形砂糖の乾燥方法は、圧縮成型された角砂糖の如き固形砂糖Sの乾燥方法であって、予備乾燥工程100、積載工程200、本乾燥工程300からなる工程を備えたものである(図5参照)。
【0025】
予備乾燥工程100は、圧縮成型された直後の固形砂糖Sの表面の含水量を減少させて固形砂糖Sを積載可能な一定の硬度になるまで乾燥する工程である(図2参照)。この予備乾燥工程100は、成型された固形砂糖Sを搬送するコンベヤ装置10で搬送する間に行われる。すなわち、コンベヤベルト11上の固形砂糖Sに熱風等を吹き付けて強制乾燥させる工程になる。
【0026】
積載可能な一定の硬度とは、例えば約20cmの高さから収納容器30の内部に収納する際に型崩れしない硬度とする。実験では、固形砂糖Sの大きさにより型崩れしない硬度も変化する。例えば、1gの固形砂糖Sの場合、平均で0.4N(ニュートン)以上の硬度を必要とし、2gの場合は3N以上、3gの場合は10N以上、4gの場合は18N以上などである。したがって、予備乾燥工程100では、コンベヤベルト11の移動速度を調整し、予備乾燥の時間を変更することで、固形砂糖Sのサイズや量に対応させるものである。
【0027】
積載工程200は、予備乾燥後、所定の硬度に乾燥した固形砂糖Sを、収納容器30内に積重ねた状態で積載する工程である(図2参照)。この収納容器30は、軽量で通風性を有する籠状の収納容器30が使用されるものである。従来使用していたアルミ板Qでは、固形砂糖Sの型崩れが生じないように慎重に並べる作業が必要であったが、本発明の予備乾燥工程100によって固形砂糖Sの表面が硬化しているので、積載工程200では、例えば約20cmの高さから収納容器30の内部に連続収納することが可能になっている。
【0028】
本乾燥工程300は、固形砂糖Sを積載した複数の収納容器30を台車40に搭載して該台車40ごと乾燥室50内に搬送して乾燥させる工程である(図3参照)。この台車40や乾燥室50は従来使用されているものがそのまま使用されている。但し、台車40には、多量の固形砂糖Sを積載した収納容器30を多数積重ねることができるので、従来のアルミ板Qに載置した状態で台車40に搭載した場合に比べて、4〜6倍以上の固形砂糖Sを台車40に積載することができる。
【0029】
しかも、従来のアルミ板Qに載置した状態で乾燥させる場合、このアルミ板Qが乾燥の妨げになっていたが、籠状の収納容器30に収納した状態で固形砂糖Sを乾燥させると、各固形砂糖Sの周囲全体を乾燥させることができるので、本乾燥工程300で使用する熱エネルギーをより有効に利用できるようになる。そして、乾燥後、製品としての硬度まで乾燥した固形砂糖Sは、台車40ごと包装工程の作業場に搬送される。
【0030】
本発明固形砂糖の乾燥装置の主な構成は、コンベヤ装置10、予備乾燥機20、収納容器30、台車40、乾燥室50にて構成されており、本発明の前記工程を実施する装置である。
【0031】
コンベヤ装置10は、圧縮成型機Pにて圧縮成型した直後の固形砂糖Sを収納容器30まで搬送する装置である(図1参照)。図示例では、このコンベヤ装置10上に予備乾燥機20が設置されている。
【0032】
予備乾燥機20は、圧縮成型した固形砂糖Sを収納容器30内に搬送する間に固形砂糖Sの表面を乾燥させて硬化する装置である。図示の予備乾燥機20は、カバー体21と熱風機22とを備えている(図2参照)。
【0033】
カバー体21は、コンベヤベルト11の上部を囲むカバー状を成し、固形砂糖Sを搬送するコンベヤベルト11を内部に通過せしめる部位である(図2参照)。一方、熱風機22は、このカバー体21の内部に熱風を送風するものである。図示例では、カバー体21の上に一対の熱風機22を設置し、コンベヤベルト11の上流側と下流側に設置した送風管23からカバー体21の内部に熱風を送風している。
【0034】
実験では、全長約10mのカバー体21をコンベヤベルト11上に設置し、熱風機22によりカバー体21の内部温度を90℃から110℃に加熱した状態を保持した状態で、固形砂糖Sの通過時間を2分から3分程度に設定することで、積載工程200の際の型崩れを防止できる硬度に乾燥させることができた。
【0035】
収納容器30は、コンベヤ装置10で予備乾燥した固形砂糖Sをまとめて積載する籠状の容器である。この収納容器30は、固形砂糖Sのサイズにより大小2種類の収納容器30が使用される。例えば、1g〜2gの固形砂糖Sは小サイズの収納容器30を使用し、3g〜4gの固形砂糖Sは大サイズの収納容器30を使用する。実験では、小サイズの収納容器30に4kg〜5kgの収納が可能で、大サイズの収納容器30に約8kgの収納が可能になった。
【0036】
台車40は、収納容器30を複数個搭載するものである(図3参照)。この台車40は、従来使用している台車40を使用するものであるが、従来のようにアルミ板Qを搭載する場合は、この台車40に搭載用の骨組みが必要になっていた。そのため、従来仕様の台車40の重量は約100kgとなっていたが、本発明の台車40は、搭載用の骨組みは不要のため、台車40本来の約30kgの重量で使用することができる。
【0037】
乾燥室50は、台車40ごと収納容器30内の固形砂糖Sを乾燥させるものである(図3参照)。この乾燥室50は、内部温度を一定の高温に保つ必要があるので、乾燥室50に入れた全ての物体を温める熱量が必要になる。そのため、従来のアルミ板Qを使用した場合は、固形砂糖Sを乾燥させるために、このアルミ板Qや補強した台車40にも熱量が必要になる。そうすると、従来の乾燥工程では、一台の台車40に積載可能な約40kgの固形砂糖Sを乾燥するために、アルミ板Qの重量として255g×100枚=25.5kg。従来仕様の台車40の重量として約100kg。これらの合計125.5kgの物体が乾燥室50内の熱量を奪っていた。
【0038】
一方、本発明の乾燥装置では、一台の台車40に積載可能な160kg〜200kgの固形砂糖Sを乾燥するために、収納容器30の重量として1.43kg×21個=30kg。台車40のみの重量として約30kg。これらの合計は60kgとなり、乾燥室50内の熱効率は、アルミ板Qを使用した例と比べて約半分の重量で済む。しかも、1台の台車40で乾燥できる固形砂糖Sの重量は4倍〜5倍になるので、固形砂糖Sの1kgあたりの熱効率は、8倍〜10倍も改善されることになる。
【0039】
更に、従来の乾燥装置と本発明の乾燥装置を比較すると、従来の乾燥装置では、固形砂糖Sを3t生産するために、75台の台車40と7,500枚のアルミ板Qが必要であったのに対し、本発明では、18台の台車40と、375個の収納容器30にて生産することができる。また、乾燥室50への台車40の搬送には、従来では25台×3回の搬送が必要であったのに対し、本発明では6台×3回となる。この結果、乾燥室50の設備及び台車40やアルミ板Qの有無等を比較すると、本発明の乾燥装置は極めて簡素化でき、使用する熱量も極めて少なくなる。
【0040】
また、台車40に8kgの固形砂糖Sを収納する場合に、従来では、約400gの固形砂糖Sを載置したアルミ板Qを一枚ごと約20回収納する必要があったが、本発明によると、8kgの固形砂糖Sを積載した収納容器30を1回収納するだけで済む。したがって、作業者の往復回数は20分の1に減少することになる。このように、本発明乾燥方法や乾燥装置による効率化は、作業効率、熱効率、生産効率の全てにおいて著しく改善されるものになっている。
【0041】
尚、本発明の乾燥装置において、各構成は図示例に限定されるものではなく、コンベヤ装置10、予備乾燥機20、収納容器30、台車40、乾燥室50は、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更できるものである。
【符号の説明】
【0042】
P 圧縮成型機
Q アルミ板
S 固形砂糖
10 コンベヤ装置
11 コンベヤベルト
20 予備乾燥機
21 カバー体
22 熱風機
23 送風管
30 収納容器
40 台車
50 乾燥室
100 予備乾燥工程
200 積載工程
300 本乾燥工程
図1
図2
図3
図4
図5