特許第5649719号(P5649719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーシャンズ キング ライティング サイエンスアンドテクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

特許5649719希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料及びその調製方法
<>
  • 特許5649719-希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料及びその調製方法 図000002
  • 特許5649719-希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料及びその調製方法 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649719
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/80 20060101AFI20141211BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   C09K11/80CPP
   C09K11/08 BZNM
   C09K11/08 G
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-506442(P2013-506442)
(86)(22)【出願日】2010年4月30日
(65)【公表番号】特表2013-527276(P2013-527276A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】CN2010072379
(87)【国際公開番号】WO2011134170
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2013年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】511215230
【氏名又は名称】オーシャンズ キング ライティング サイエンスアンドテクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ミンジェ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】マ ウェンボ
【審査官】 井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101074374(CN,A)
【文献】 Solid State Sciences,2009年,11,96-101
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/00−11/89
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料であって、コアと、前記コアを被覆するハウジングと、を含み、前記コアが金属ナノ粒子であり、前記ハウジングは化学式が(Y1−xCe(Al1−yGa12、xの取る値の範囲が0<x≦0.5、yの取る値の範囲が0≦y≦1.0であり、前記金属ナノ粒子がAg、Au、Pt、及びPdのうちの少なくとも1種である、蛍光粉である、希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料。
【請求項2】
前記コアとハウジングとのモル比が0よりも大きく、1×10−2よりも小さく、前記xの取る値の範囲が0.02≦x≦0.25、前記yの取る値の範囲が0.2≦y≦0.8または/及び1×10−4≦y≦1×10−3である、ことを特徴とする請求項1に記載の希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料。
【請求項3】
前記ハウジングが層状の形で前記コアの表面に被覆され、前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料が球状または類球状の顆粒構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料。
【請求項4】
希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法であって、
金属ナノ粒子と相応する金属化合物である硝酸銀、クロロ金酸、塩化白金酸、及び塩化パラジウムのうちの少なくとも1種を溶解して、さらに助剤及び還元剤と順に混合して、金属ナノ粒子コロイド溶液を調製し得、金属ナノ粒子コロイド溶液をポリビニルピロリドンに加えて撹拌処理を行い、金属ナノ粒子混合コロイド溶液を調製し得るステップと、
分子式(Y1−xCe(Al1−yGa12(xの取る値の範囲が0<x≦0.5、yの取る値の範囲が0≦y≦1.0)における相応の元素化学量論比に基づいてY塩と、Ce塩と、Al塩と、Ga塩とを混合して、70℃〜90℃の下で前記金属ナノ粒子混合コロイド溶液に加え、金属混合液を得るステップと、
前記金属混合液にクエン酸一水和物を加え、さらに弱アルカリで混合液のpHを3〜5まで調節した後70℃〜90℃で3時間〜6時間保温し、その後乾燥して前駆体を得るステップと、
前記前駆体をまず事前焼結し、さらに還元雰囲気において焼成し、冷却した後研磨して、前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を得るステップと、
を含む、希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法。
【請求項5】
記助剤がポリビニルピロリドン(PVP)、クエン酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びラウリルスルホン酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であり、
前記還元剤がヒドラジン水和物、アスコルビン酸、及び水素化ホウ素ナトリウムのうちの少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項に記載の希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法。
【請求項6】
前記金属ナノ粒子と相応する金属イオンと還元剤との使用量のモル比が1:1.2〜4.8である、ことを特徴とする請求項4または5に記載の希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法。
【請求項7】
前記金属混合液の調製ステップにおけるY塩がY(NO)、及びYClのうちの少なくとも1種であり、
前記Ce塩がCe(NO)、及びCeClのうちの少なくとも1種であり、
前記Al塩がAl(NO)、及びAlClのうちの少なくとも1種であり、
前記Ga塩がGa(NO)、及びGaClのうちの少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項に記載の希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法。
【請求項8】
前記前駆体の調製ステップにおいて、まずクエン酸一水和物をクエン酸一水和物のアルコール溶液に調製し、その使用量は金属混合液における金属イオンとの総モル比が1〜3:1であり、
前記弱アルカリがアンモニア水であり、
前記乾燥がまず60℃〜90℃の下で事前乾燥を行い、さらに90℃〜150℃の下で加熱乾燥する、ことを特徴とする請求項に記載の希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法。
【請求項9】
前記事前焼結が、800℃〜1200℃の下で3時間〜8時間熱処理を行うことであり、
前記焼成が、900℃〜1450℃の下で2時間〜5時間熱処理を行うことであり、
前記還元雰囲気が、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス、純水素ガス、及び一酸化炭素のうちのいずれか1種である、ことを特徴とする請求項に記載の希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光材料技術分野に関し、具体的には希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
研究により、蛍光粉の発光性能がその形態及び粒子径と大きな関係を持っており、球状、類球状及び3μm〜5μmの顆粒均一度の蛍光粉は発光強度が高いだけでなく、応用も便利であることが明らかになった。しかし、蛍光粉の発光性能はその調製方法とも密な関係を持っており、そのうち、高温固相法の調製プロセスが簡単で、工業化の生産に有利であるが、該方法の局限性によって、発光中心が基剤において均一に分散しないため、その発光効率に影響を与え、調製された発光粉の顆粒サイズが比較的大きく、ボールミルを行わなければならない。しかし、ボールミル過程には不純物が混入しやすくて且つ格子欠陥を起こしやすいため、ボールミルによる粉末の物理的及び化学的な変化は蛍光粉の明度の低下に至り、その応用に対して不利である。そのため、如何にしてその調製方法を改善することによって蛍光粉の発光明度を向上させることは、これまでから、材料化学及び材料物理学の分野における発光材料の研究の重要な内容である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、粒度分布が均一で、構造が安定で、発光効率が高く、発光強度が高い希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を提供する。
【0004】
また、プロセスが簡単で、設備に対する要求が低く、汚染がなく、反応及び材料形態並びに粒度サイズが制御しやすく、工業化の量産に適応する希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決する本発明により採用される技術的手段は、
希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料であって、コアと、前記コアを被覆するハウジングと、を含み、前記コアが金属ナノ粒子であり、前記ハウジングは化学式が(Y1−xCe(Al1−yGa12、xの取る値の範囲が0<x≦0.5、yの取る値の範囲が0≦y≦1.0、である蛍光粉である。
【0006】
また、希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法であって、
金属ナノ粒子と相応する金属化合物を溶解して、さらに助剤及び還元剤と順に混合して、金属ナノ粒子コロイド溶液を調製し得、金属ナノ粒子コロイド溶液をポリビニルピロリドン表面処理剤に加えて撹拌処理を行い、金属ナノ粒子混合コロイド溶液を調製し得るステップと、
分子式(Y1−xCe(Al1−yGa12(xの取る値の範囲が0<x≦0.5、yの取る値の範囲が0≦y≦1.0)における相応の元素化学量論比に基づいてY塩と、Ce塩と、Al塩と、Ga塩とを混合して、70℃〜90℃下で金属ナノ粒子混合コロイド溶液に加え、金属混合液を得るステップと、
金属混合液にクエン酸一水和物を加え、さらに弱アルカリで混合液のpHを3〜5まで調節した後70℃〜90℃で3時間〜6時間保温し、その後乾燥して前駆体を得るステップと、
前駆体をまず事前焼結し、さらに還元雰囲気において焼成し、冷却した後研磨して、前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を得るステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料及びその調製方法において、該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料は金属ナノ粒子をコア、(Y1−xCe(Al1−yGa12をハウジングとして構成された1つの球状または類球状の微小顆粒の蛍光材料を採用している。該蛍光材料はCeを発光中心とし、その励起帯がブルーレイLEDチップと適応することができ、発光強度が高く、且つ該蛍光材料は粒度分布が均一で、構造が安定で、発光効率が高い。金属ナノ粒子を被覆することによって、発光材料の発光強度を向上させるだけでなく、且つその発射メインピックの位置を変更し、比較的よい応用見込み及び調節色温度とスペクトルを持たせる。該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料は湿式化学法を採用して調製され、合成反応の温度を下げただけでなく、該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料のミクロ構造及びマイクロ性質を改善する。得られた希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の粒度分布が均一で、材料の発光性能を有効に向上できるだけでなく、金属ナノ粒子の粒子径及び蛍光粉の厚さを制御することによって希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の顆粒のサイズを円滑に調整でき、且つその他の不純物を導入せず、得られた製品の品質が高い。また、該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法は温度制御及び割合に基づいて各の反応物を添加することだけすれば生成物を得ることができるため、該調製方法はプロセスが簡単で、設備に対する要求が低く、汚染がなく、制御しやすく、工業化の量産には適応する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下図面及び実施例に合わせて本発明に対してさらに説明する。図中、
図1】本発明実施例2により調製された希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の発射スペクトル対比図(励起光波長:473nm)であり、そのうち、曲線1が(Y0.98Ce0.02Al12@Ag発光材料の発射スペクトルであり、曲線2が(Y0.98Ce0.02Al12発光材料の発射スペクトルである。
図2】本発明実施例2により調製された希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の励起スペクトル対比図であり、そのうち、曲線1が(Y0.98Ce0.02Al12@Ag発光材料の励起スペクトルであり(モニタリング波長:542nm)、曲線2が(Y0.98Ce0.02Al12発光材料の励起スペクトルである(モニタリング波長:552nm)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明晰にするため、以下は図面及び実施例に合わせて、本発明に対して詳細に説明する。理解すべきことは、ここで説明する具体的な実施例は本発明に対して解釈することに用いられるのみであり、本発明を制限することではない。
【0010】
本発明の実施例により提供される希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料であって、コアと、前記コアを被覆するハウジングと、を含み、前記コアが金属ナノ粒子であり、前記ハウジングは化学式が(Y1−xCe(Al1−yGa12、xの取る値の範囲が0<x≦0.5、yの取る値の範囲が0≦y≦1.0、である蛍光粉である。
【0011】
前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の構造式が(Y1−xCe(Al1−yGa12@zMに表示されることができ、@はMをコア、(Y1−xCe(Al1−yGa12をハウジングにし、(Y1−xCe(Al1−yGa12でMを包み込んだものを表示する。式中、xの取る値の範囲が0<x≦0.5、好ましくはxの取る値の範囲が0.02≦x≦0.25であり、yの取る値の範囲が0≦y≦1.0、好ましくはyの取る値の範囲が0.2≦y≦0.8または/及び1×10−4≦y≦1×10−3であり、zがMと(Y1−xCe(Al1−yGa12とのモル比であり、zの取る値の範囲が0<z≦1×10−2であり、Mが金属ナノ粒子であり、好ましくはAg、Au、Pt、Pdのうちの少なくとも1種の金属ナノ粒子である。
【0012】
前記ハウジングが層状の形で前記コアの表面に被覆され、前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料が球状または類球状の顆粒構造である。
【0013】
該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料は、金属ナノ粒子をコアとし、(Y1−xCe(Al1−yGa12をハウジングとして構成される1つの球状または類球状の微小顆粒の蛍光材料を採用し、該蛍光材料はCeを発光中心とし、その励起帯が400nm〜520nmであり、ブルーレイLEDチップと適応し、その発光帯が475nm〜675nmであり、発光強度が高く、その発光強度が商用粉末YAG : Ceよりも高いことができる。
【0014】
該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料は、金属ナノ粒子を被覆することによって、発光材料の発光強度を向上できるだけでなく、その発光メインピックの位置も変更し、それに比較的よい応用見込みを備えさせる。また、該蛍光材料の粒度分布を均一し、構造を安定し、且つ金属表面に発生されるプラズモン共鳴によって蛍光を増強し、それによって、該蛍光材料の発光効率及び発光強度を大幅に向上させた。
【0015】
さらに、本発明の実施例は前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法を提供し、
金属ナノ粒子と相応する金属化合物を溶解して、さらに助剤及び還元剤と順に混合して、金属ナノ粒子コロイド溶液を調製し得るステップと、
金属ナノ粒子コロイド溶液をポリビニルピロリドン表面処理剤に加えて撹拌処理を行い、金属ナノ粒子混合コロイド溶液を調製し得るステップと、
分子式(Y1−xCe(Al1−yGa12(xの取る値の範囲が0<x≦0.5、yの取る値の範囲が0≦y≦1.0)における相応の元素化学量論比に基づいてY塩と、Ce塩と、Al塩と、Ga塩とを混合して、70〜90℃下で前記金属ナノ粒子混合コロイド溶液に加え、金属混合液を得るステップと、
前記金属混合液にクエン酸一水和物を加え、さらに弱アルカリで混合液のpHを3〜5まで調節した後70℃〜90℃で3時間〜6時間保温し、その後乾燥して前駆体を得るステップと、
前記前駆体をまず事前焼結し、さらに還元雰囲気において焼成し、冷却した後研磨して、前記希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を得るステップと、を含む。
【0016】
好ましくは、前記金属ナノ粒子コロイド溶液の調製方法は、
1)金属ナノ粒子と相応する金属化合物を量り、溶剤に溶解して、金属塩溶液を調製し得、前記金属化合物は、硝酸銀、クロロ金酸、塩化白金酸、塩化パラジウムのうちの少なくとも1種であることが好ましく、前記溶剤は、水及び/またはエタノールが好ましい。
【0017】
2)磁力撹拌の状態下で、1種または1種以上の助剤を前記1)溶液に溶解し、且つ助剤の、最終に得られた金属ナノ顆粒コロイド溶液における含有量を1.5×10−4g/mL〜2.1×10−3g/mLにし、好ましくは、前記助剤がポリビニルピロリドン(PVP)、クエン酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であり、該助剤が分散の役割を果たし、1)溶液を均一の分散液に形成させ、最終の金属ナノ粒子コロイド溶液に凝集を発生することを防止する。
【0018】
3)還元剤物質を量って溶剤に溶解し、濃度範囲が1×10−3mol/L〜1×10−2mol/Lである還元剤溶液に調製し、好ましくは、前記還元剤がヒドラジン水和物、アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウムのうちの少なくとも1種で、前記溶剤は、水及び/またはエタノールが好ましい。
【0019】
4)磁力撹拌の環境下で、還元剤と金属ナノ粒子と相応する金属イオンとのモル比が1.2〜4.8:1であることに基づいて、前記2)に得られた溶液に、前記3)に得られた還元液を加え、全体の体系が10分間〜45分間反応した後、金属ナノ粒子コロイド溶液を得る。
【0020】
前記金属ナノ粒子混合コロイド溶液の調製方法は、好ましくは、金属ナノ粒子コロイド溶液をポリビニルピロリドン(PVP)、但しPVPを表面処理剤とすることに限定されない溶液に加えて、金属ナノ粒子に対して表面処理を行い、撹拌処理して金属ナノ粒子を含有する金属ナノ粒子混合コロイド溶液を得る。添加されたPVPの添加量は、金属ナノ粒子混合コロイド溶液における含有量が0.001g/mL〜0.01g/mLであることが好ましく、その役割が金属ナノ粒子に対して表面処理を行い、金属イオンの吸着及び沈積に有利である。処理時間は8時間〜24時間が好ましく、表面処理剤を添加することの目的は、金属ナノ粒子の吸着及び沈積性を改善することにあり、撹拌反応の目的は、金属ナノ粒子の表面粗さを増加し、金属ナノ粒子の付着及び沈積に有利であることにある。
【0021】
前記金属混合液の調製方法は、好ましくは、分子式(Y1−xCe(Al1−yGa12における相応の元素化学量論比に基づいてY塩と、Ce塩と、Al塩と、Ga塩とを磁力撹拌下で均一に混合して、70℃〜90℃の下で金属ナノ粒子混合コロイド溶液に加え、十分に均一に撹拌した後金属混合液を得る。該ステップにおけるY塩はY(NO、Y Clのうちの1種または2種が好ましく、Ce塩はCe(NO、CeClのうちの1種または2種が好ましく、Al塩はAl(NO、AlClのうちの1種または2種が好ましく、Ga塩はGa(NO、GaClのうちの1種または2種が好ましく、該ステップにおける温度は水浴で加熱制御を行うことが好ましい。
【0022】
前記前駆体の調製方法は、好ましくは、まず金属混合液における金属イオンの総モルの1倍〜3倍であるクエン酸一水和物を量ってアルコール溶液に溶解して、1.1mol/L〜3.3mol/Lの濃度のクエン酸一水和物・アルコール溶液に調製し、さらにそれを前記金属混合液に滴下し、その後弱アルカリで該混合液のpHを3〜5に調製した後、70℃〜90℃の下で水浴で3時間〜6時間撹拌保温し、その後乾燥して前駆体を得る。該ステップにおけるクエン酸一水和物は金属混合液に直接加えることもできるが、本ステップの反応速度のため、クエン酸一水和物を金属混合液に迅速且つ均一に分散させるように、好ましくはクエン酸一水和物をアルコール溶液に調製する。前記アルコールはエタノールが好ましいが、エタノールに限定されず、メタノールなどの常用のアルコール溶剤を使用してもよい。前記弱アルカリはアンモニア水が好ましく、アンモニア水が選択された場合、混合液のpHを3〜5に調節した後、アンモニアの揮発を防止するように、さらに反応体系を密封することが必要である。前記乾燥は60℃〜90℃の下で送風乾燥箱で事前乾燥を行い、さらに90℃〜150℃下で加熱乾燥することが好ましく、事前乾燥は自然乾かす、日に当てて干すなどのその他の方法を採用してもよい。本ステップにおけるクエン酸一水和物が錯体化の役割を果たし、弱アルカリの選択にアンモニア水が好ましいことの理由はその他の不純物の混入を防止することにある。
【0023】
前記事前焼結は、好ましくは、前駆体を高温炉に置いて800℃〜1200℃の下で3時間〜8時間熱処理を行い、事前焼結した後の前駆体はまず研磨を行ってその後それを高温炉または管状炉に置いて焼成を行うことができ、そうすると前駆体における有機物の十分な除去に有利であり、焼成は、好ましくは、事前焼結処理した後の前駆体を箱式高温炉または管状炉に置き、且つ還元雰囲気及び900℃〜1450℃の下で2時間〜5時間熱処理を行い、該還元雰囲気は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス、純水素ガス、及び一酸化炭素のうちのいずれか1種であることが好ましく、還元雰囲気は窒素ガスと水素ガスとの混合ガスが好適に選択された場合、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスの体積比は、95:5または90:10が好ましい。
【0024】
該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料は湿式化学法を採用して調製され、合成反応の温度を下げただけでなく、該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料のミクロ構造及びマイクロ性質を改善し、得られた希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の粒度分布が均一で、材料の発光性能を有効に向上できるだけでなく、金属ナノ粒子の粒子径及び(Y1−xCe(Al1−yGa12の厚さを制御することによって希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の顆粒のサイズを円滑に調整でき、且つその他の不純物を導入せず、得られた製品の品質が高く、また、該希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の調製方法は温度制御及び適当な割合に基づいて各の反応物を添加することだけすれば生成物を得ることができるため、該調製方法はプロセスが簡単で、設備に対する要求が低く、汚染がなく、制御しやすく、工業化の量産には適応する。
【0025】
以下、複数の実施例を通じて例を挙げて希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料の異なる組成及びその調製方法、並びにその性能などを説明する。
【0026】
実施例1
ゾルゲル被覆法によって構造式が(Y0.5Ce0.5(Al0.5Ga0.512@Auである希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を調製する
Auナノ顆粒コロイド溶液の調製:20.6mgクロロ金酸(AuCl・HCl・4HO)を量って16.8ml脱イオン水に溶解し、クロロ金酸が完全に溶解した後クロロ金酸水溶液を得、14mgクエン酸ナトリウム及び6mg臭化セチルトリメチルアンモニウムを量って、磁力撹拌の環境下で前記クロロ金酸水溶液に溶解して、溶液Aを得、1.9mg水素化ホウ素ナトリウム及び17.6mgアスコルビン酸を量ってそれぞれ10ml脱イオン水に溶解して、5×10−3mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液10ml及び1×10−2mol/L濃度のアスコルビン酸水溶液10mlを得、磁力撹拌の環境下で、まず溶液Aに0.08ml水素化ホウ素ナトリウム水溶液を加え、5分間撹拌反応した後さらに溶液Aに1×10−2mol/L濃度のアスコルビン酸水溶液3.12mlを加え、その後30分間続けて反応させて、20ml、Au濃度が5×10−3mol/LであるAuナノ粒子コロイド溶液を得、8ml濃度が5×10−3mol/LであるAuナノ顆粒コロイド溶液を量ってビーカーに入れて、且つ10mgPVPを加え、8時間磁力撹拌して、表面処理された後のAuナノ粒子混合コロイド溶液Bを得る。
【0027】
(Y0.5Ce0.5(Al0.5Ga0.512@Auの調製: 1.0 mol/L濃度のAl(NO)10ml、1 mol/L濃度のY(NO)6.0ml、1 mol/L濃度のGa(NO)10ml及び1mol/L濃度のCe(NO)6.0ml 溶液を取ってコニカルフラスコに加え、磁力撹拌下で、水浴加熱を行い、水浴温度を70℃に制御し、その後前記Auナノ粒子混合コロイド溶液Bを加え、十分に均一に撹拌して金属混合液Cを得、6.7245gクエン酸一水和物(その使用量は、金属混合液Cにおける総金属イオン物質の量の1倍である)を取って30mlエタノールに溶かして溶液に調製し、該溶液を前記金属混合液Cに滴下し、さらにアンモニア水を加えてpHを約3に調節し、その後90℃水浴に入れて3時間撹拌保温した後、60℃の送風乾燥箱に入れて12時間乾燥し、その後150℃で完全に乾燥させて前駆体を得、前駆体を高温炉に入れて、800℃で8時間事前焼結し、室温まで冷却し、研磨した後それをさらに管式炉に入れて、1200℃下で、還元雰囲気(体積比N/H=90:10)において3時間焼成した後、自然冷却し、取り出して研磨した後所望の発光材料(Y0.5Ce0.5(Al0.5Ga0.512@Auを得る。
【0028】
実施例2
ゾルゲル被覆法によって構造式が(Y0.98Ce0.02Al12@Agである希土−アルミン酸塩基蛍光材料を調製する
Agナノ顆粒コロイド溶液の調製:3.40mg硝酸銀(AgNO)を量って18.4ml脱イオン水に溶解し、硝酸銀が完全に溶解した後硝酸銀水溶液を得、42mgクエン酸ナトリウムを量って、磁力撹拌の環境下で前記硝酸銀水溶液に溶解して、溶液Aを得、5.7mg水素化ホウ素ナトリウムを量って10ml脱イオン水に溶解して、1.5×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液10mlを得、磁力撹拌の環境下で、溶液Aに1.5×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液1.6mlを一回性に加え、その後10min継続に反応させて、20ml、Ag含有量が1×10−3mol/LであるAgナノ粒子コロイド溶液を得、2ml濃度が1×10−3mol/LであるAgナノ顆粒コロイド溶液を量ってビーカーに入れて、さらに2mgPVPを加え、且つ12時間磁力撹拌して、表面処理された後のAgナノ粒子混合コロイド溶液Bを得る。
【0029】
(Y0.98Ce0.02Al12@Agの調製: 1.0 mol/L濃度のAl(NO)20ml、1 mol/L濃度のY(NO)11.8ml及び0.2mol/L濃度のCe(NO)1.2ml溶液を取ってコニカルフラスコに加え、磁力撹拌下で、水浴加熱を行い、水浴温度を80℃に制御し、さらに前記Agナノ粒子混合コロイド溶液Bを加え、十分に均一に撹拌して金属混合液Cを得、13.4490gクエン酸一水和物(その使用量は、金属混合液Cにおける総金属イオン物質の量の2倍である)を取って30mlエタノールに溶かして溶液に調製し、該溶液を前記金属混合液Cに滴下し、さらにアンモニア水を加えてpHを約4に調節し、その後80℃水浴に入れて6時間撹拌保温した後、60℃の送風乾燥箱に入れて10時間乾燥し、その後100℃で完全に乾燥させて前駆体を得、前駆体を高温炉に入れて、1200℃で6時間事前焼結し、室温まで冷却し、研磨した後それをさらに管式炉に入れて、1300℃下で、還元雰囲気(体積比N/H=95:5)において3時間焼成した後、自然冷却し、取り出して研磨した後所望の発光材料(Y0.98Ce0.02Al12@Agを得る。また、同様な条件で、金属顆粒が被覆されなかった発光材料(Y0.98Ce0.02Al12を調製し得る。
図1は本発明の実施例2により調製された発光材料の発光スペクトル対比図(励起光波長が473nmである)であり、曲線1が(Y0.98Ce0.02Al12@Ag発光材料の発射スペクトル、曲線2が(Y0.98Ce0.02Al12発光材料の発射スペクトルである。金属ナノ粒子が被覆された後の発光材料の発光強度が、被覆されなかったサンプルと比べ、40%も向上した。
図2は本発明の実施例2により調製された発光材料の励起スペクトル対比図であり、曲線1が(Y0.98Ce0.02Al12@Ag発光材料の励起スペクトル(モニタリング波長:542nm)、曲線2が(Y0.98Ce0.02Al12発光材料の励起スペクトルである(モニタリング波長:552nm)。
【0030】
実施例3
ゾルゲル被覆法によって構造式が(Y0.95Ce0.05Ga12@Ptである希土−没食子酸塩基蛍光材料を調製する
Ptナノ顆粒コロイド溶液の調製:5.18mg塩化白金酸(HPtCl・6HO)を量って17ml脱イオン水に溶解し、塩化白金酸が完全に溶解した後塩化白金酸水溶液を得、8.0mgクエン酸ナトリウム及び12.0mgラウリルスルホン酸ナトリウムを量って、磁力撹拌の環境下で前記塩化白金酸水溶液に溶解して、溶液Aを得、0.38mg水素化ホウ素ナトリウムを量って10ml脱イオン水に溶解して、1×10−3mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液10mlを得、また同時に、1×10−2mol/L濃度のヒドラジン水和物溶液10mlを調製し、磁力撹拌の環境下で、まず得られた溶液Aに0.4ml水素化ホウ素ナトリウム水溶液を加え、5min撹拌反応した後さらに得られた溶液Aに1×10−2mol/L濃度のヒドラジン水和物溶液2.6mlを滴下し、その後40min続けて反応させて、20ml、Pt含有量が5×10−4mol/LであるPtナノ粒子コロイド溶液を得、16ml濃度が5×10−4mol/LであるPtナノ粒子コロイド溶液を量ってビーカーに入れて、且つ16.0mgPVPを加え、12時間磁力撹拌して、表面処理された後のPtナノ粒子混合コロイド溶液Bを得る。
【0031】
(Y0.95Ce0.05Ga12@Ptの調製: 1.0 mol/L濃度のGa(NO)20ml、1.0 mol/L濃度のY(NO)11.4ml及び1mol/L濃度のCe(NO)0.6ml溶液を取ってコニカルフラスコに加え、磁力撹拌下で、水浴加熱を行い、水浴温度を90℃に制御し、さらに前記Ptナノ粒子混合コロイド溶液Bを加え、十分に均一に撹拌して金属混合液Cを得、13.4490gクエン酸一水和物(その使用量は、金属混合液Cにおける総金属イオン物質の量の2倍である)を取って30mlエタノールに溶かして溶液に調製し、該溶液を前記金属混合液Cに滴下し、さらにアンモニア水を加えてpHを約5に調節し、その後90℃水浴に入れて3時間撹拌保温した後、90℃の送風乾燥箱に入れて15時間乾燥し、その後120℃で完全に乾燥させて前駆体を得、前駆体を高温炉に入れて、1000℃で3時間事前焼結し、室温まで冷却し、研磨した後それをさらに管式炉に入れて、1450℃の下で、還元雰囲気(体積比N/H=90:10)において2時間焼成した後、自然冷却し、取り出して研磨した後所望の発光材料(Y0.95Ce0.05Ga12@Ptを得る。
【0032】
実施例4
ゾルゲル被覆法によって構造式が(Y0.75Ce0.25(Al0.8Ga0.2)12@Pdである希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を調製する
Pdナノ顆粒コロイド溶液の調製:0.43mg塩化パラジウム(PdCl・2HO)を量って8.5ml脱イオン水に溶解し、塩化パラジウムが完全に溶解した後塩化パラジウム水溶液を得、11.0mgクエン酸ナトリウム及び4.0mgラウリル硫酸ナトリウムを量って、磁力撹拌の環境下で前記塩化パラジウム水溶液に溶解して、溶液Aを得、3.8mg水素化ホウ素ナトリウムを量って10ml脱イオン水に溶解して、1×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム還元液を得、磁力撹拌の環境下で、溶液Aに1×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液0.48mlを迅速に加え、その後20min継続に反応させて、10ml、Pd含有量が1×10−4mol/LであるPdナノ粒子コロイド溶液を得、4ml濃度が1×10−4mol/LであるPdナノ粒子コロイド溶液を量ってビーカーに入れて、且つ5mgPVPを加え、8時間磁力撹拌して、表面処理された後のPdナノ粒子混合コロイド溶液Bを得る。
【0033】
(Y0.75Ce0.25(Al0.8Ga0.2)12@ Pdの調製:1.0 mol/L濃度のAl(NO)16ml、1mol/L濃度のGa(NO)4.0ml、1mol/L濃度のY(NO)9.0ml及び1 mol/L濃度のCe(NO)3.0ml溶液を取ってコニカルフラスコに加え、磁力撹拌下で、水浴加熱を行い、水浴温度を80℃に制御し、さらに前記Pdナノ粒子混合コロイド溶液Bを加え、十分に均一に撹拌して金属混合液Cを得、20.1734gクエン酸一水和物(その使用量は、金属混合液Cにおける総金属イオン物質の量の3倍である)を取って30mlエタノールに溶かして溶液に調製し、該溶液を前記金属混合液Cに滴下し、さらにアンモニア水を加えてpHを約5に調節し、密封して、その後80℃水浴に入れて5時間撹拌保温した後、60℃の送風乾燥箱に入れて12時間乾燥し、その後100℃で完全に乾燥させて前駆体を得、前駆体を高温炉に入れて、1200℃で5時間事前焼結し、室温まで冷却し、研磨した後それをさらに管式炉に入れて、900℃下で、還元雰囲気(CO)において5時間焼成した後、自然冷却し、取り出して研磨した後所望の発光材料(Y0.75Ce0.25(Al0.8Ga0.2)12@Pdを得る。
【0034】
実施例5
ゾルゲル被覆法によって構造式が(Y0.9Ce0.1(Al0.2Ga0.8)12@Agである希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を調製する
Agナノ顆粒コロイド溶液の調製:3.40mg硝酸銀(AgNO)を量って18.4ml脱イオン水に溶解し、硝酸銀が完全に溶解した後硝酸銀水溶液を得、42mgクエン酸ナトリウムを量って、磁力撹拌の環境下で前記硝酸銀水溶液に溶解して、溶液Aを得、5.7mg水素化ホウ素ナトリウムを量って10ml脱イオン水に溶解して、1.5×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液10mlを得、磁力撹拌の環境下で、溶液Aに1.5×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液1.6mlを一回性に加え、その後10min継続に反応させて、20ml、Ag含有量が1×10−3mol/LであるAgナノ粒子コロイド溶液を得、4ml濃度が1×10−3mol/LであるAgナノ粒子コロイド溶液を量ってビーカーに入れて、さらに40mgPVPを加え、且つ24時間磁力撹拌して、表面処理された後のAgナノ粒子混合コロイド溶液Bを得る。
【0035】
(Y0.9Ce0.1(Al0.2Ga0.8)12@Agの調製:1.0 mol/L濃度のY(NO)10.8ml、1 mol/L濃度のCe(NO)2.4ml、1mol/L濃度のAl(NO)4.0ml、及び1mol/L濃度のGa(NO)16ml溶液を取ってコニカルフラスコに加え、磁力撹拌下で、水浴加熱を行い、水浴温度を80℃に制御し、さらに前記Agナノ粒子混合コロイド溶液Bを加え、十分に均一に撹拌して金属混合液Cを得、13.4490gクエン酸一水和物(その使用量は、金属混合液Cにおける総金属イオン物質の量の2倍である)を取って30mlエタノールに溶かして溶液に調製し、該溶液を前記金属混合液Cに滴下し、さらに1mol/L炭酸水素ナトリウム溶液を加えてpHを4に調節し、続いて80℃水浴に入れて6時間撹拌保温した後、自然乾かし、その後100℃で完全に乾燥させて前駆体を得、前駆体を高温炉に入れて、1200℃で4時間事前焼結し、室温まで冷却し、研磨した後それをさらに管式炉に入れて、1300℃下で、還元雰囲気(H)において3時間焼成した後、自然冷却し、取り出して研磨した後所望の発光材料(Y0.9Ce0.1(Al0.2Ga0.8)12@ Agを得る。
【0036】
実施例6
ゾルゲル被覆法によって構造式が(Y0.9Ce0.1(Al0.2Ga0.8)12@Pt/Auである希土−アルミ/没食子酸塩基蛍光材料を調製する
Pt/Auナノ顆粒コロイド溶液の調製:6.2mgクロロ金酸(AuCl・HCl・4HO)及び7.8mg塩化白金酸(HPtCl・6HO)を量って28ml脱イオン水に溶解し、クロロ金酸と塩化白金酸との混合溶液を得、完全に溶解した後、22mgクエン酸ナトリウム及び20mgPVPを量って、且つ磁力撹拌の環境下で前記混合溶液に溶解して、溶液Aを得、新たに調製された水素化ホウ素ナトリウム5.7mgを量って10ml脱イオン水に溶解し、10ml、1.5×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を得、磁力撹拌の環境下で、溶液Aに2ml、1.5×10−2mol/L濃度の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を一回性に加え、その後20分間続けて反応させて、30ml、総金属濃度が1×10−3mol/LであるPt/Auナノ粒子コロイド溶液を得、5ml得られたPt/Auナノ粒子コロイド溶液を量って、Pt/Auナノ粒子コロイド溶液に20mgPVPを加え、且つ6時間磁力撹拌して、表面処理された後のPt/Auナノ粒子混合コロイド溶液Bを得る。
【0037】
(Y0.9Ce0.1(Al0.2Ga0.8)12@Pt/Auの調製:1.0 mol/L濃度のY(NO)10.8ml、1 mol/L濃度のCeCl2.4ml、1mol/L濃度のAlCl4.0ml、及び1mol/L濃度のGaCl16ml溶液を取ってコニカルフラスコに加え、磁力撹拌下で、水浴加熱を行い、水浴温度を70℃に制御し、さらに前記Pt/Auナノ粒子混合コロイド溶液Bを加え、十分に均一に撹拌して金属混合液Cを得、13.4490gクエン酸一水和物(その使用量は、金属混合液Cにおける総金属イオン物質の量の2倍である)を取って30mlエタノールに溶かして溶液に調製し、該溶液を前記金属混合液Cに滴下し、さらにアンモニア水を加えてpHを約4に調節し、続いて70℃水浴に入れて6時間撹拌保温した後、60℃の送風乾燥箱に入れて12時間乾燥し、その後90℃で完全に乾燥させて前駆体を得、前駆体を高温炉に入れて、1200℃で4時間事前焼結し、室温まで冷却し、研磨した後それをさらに管式炉に入れて、1300℃下で、還元雰囲気(H)において3時間焼成した後、自然冷却し、取り出して研磨した後所望の発光材料(Y0.9Ce0.1(Al0.2Ga0.8)12@Pt/Auを得る。
【0038】
以上に説明した実施例は本発明の好適な実施例にすぎず、本発明を制限するものではない。本発明の主旨及び原則内に行われたいずれの修正、等価の変更及び改良等は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2