特許第5649752号(P5649752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5649752
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】鋼管杭の打ち込み補助具
(51)【国際特許分類】
   E02D 13/00 20060101AFI20141211BHJP
   E02D 7/06 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   E02D13/00 Z
   E02D7/06
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-71004(P2014-71004)
(22)【出願日】2014年3月31日
【審査請求日】2014年6月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595072893
【氏名又は名称】有限会社坂井家起こし
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】坂井 志行
【審査官】 富山 博喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−293673(JP,A)
【文献】 特開2001−279669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 13/00
E02D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を備えており、
前記打ち込み補助具本体は、
鋼管杭の軸線方向下部側においてその半径方向外方側に突出するように装着されているとともに、
前記鋼管杭の外周面の直径方向一側に摺接する摺接部を有し、かつこの摺接部より前記鋼管杭の半径方向外方へ突出して前記荷重体を載置可能とする載置部と、
この載置部の摺接部より前記鋼管杭の外周面に沿ってその直径方向他側に延び、前記摺接部を前記鋼管杭の外周面の直径方向一側に圧接させた状態で固定する固定手段と、
を備えていることを特徴とする鋼管杭の打ち込み補助具。
【請求項2】
前記固定手段は、
前記摺接部の周方向一端又は両端より前記鋼管杭の外周面に沿ってその直径方向他側に延びて前記鋼管杭の外周面の直径方向他側に先端部が位置する腕部と、
この腕部の先端部において前記鋼管杭の半径方向に貫通するねじ孔と、
前記ねじ孔に螺着され、先端が前記鋼管杭の直径方向他側に当接して前記摺接部を前記鋼管杭の直径方向一側に圧接させるボルト部材と、
を備えている請求項1に記載の鋼管杭の打ち込み補助具。
【請求項3】
前記固定手段は、
前記摺接部の周方向一端又は両端より前記鋼管杭の外周面に沿ってその直径方向他側に延び、かつ前記鋼管杭の外周面の直径方向他側に接する接部を有する腕部を備え、
前記腕部は、前記鋼管杭の側面視で前記載置部に対し略くの字状に折曲しており、
前記載置部の摺接部及び前記腕部の接部は、その両者が互いに水平な位置関係にあるときに前記鋼管杭の外周面に対しそれぞれ摺動自在な空隙を有する一方、前記載置部に荷重体を載置した際に当該載置部が略水平となって前記載置部の摺接部及び前記腕部の接部に高低差を生じさせることで当該両者が共に前記鋼管杭の外周面に対し圧接している請求項1に記載の鋼管杭の打ち込み補助具。
【請求項4】
鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を備えており、
前記打ち込み補助具本体は、略円筒形状に形成され、周方向で分割された2つの分割片を備えているとともに、この各分割片の上端に略半円板状の載置部をそれぞれ備え、
前記各分割片には、互いに隣接する一端部に締め付け座が設けられている一方、互いに隣接する他端部同士が上下方向へ延びるヒンジ軸回りに回動自在に支持されていて、
前記載置部は、前記各分割片の一端部において前記締め付け座同士をボルト部材及びナット部材により締め付けた際に略円環状となって前記荷重体が載置されるようになっていることを特徴とする鋼管杭の打ち込み補助具。
【請求項5】
鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を備えており、
前記打ち込み補助具本体は、略円筒形状に形成され、周方向で分割された2つの分割片を備えているとともに、この各分割片の上端に略半円板状の載置部をそれぞれ備え、
前記各分割片には、互いに隣接する一端部及び他端部にそれぞれ締め付け座が設けられていて、
前記載置部は、前記各分割片の一端部及び他端部において前記各締め付け座同士をボルト部材及びナット部材により締め付けた際に略円環状となって前記荷重体が載置されるようになっていることを特徴とする鋼管杭の打ち込み補助具。
【請求項6】
鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を備えており、
前記打ち込み補助具本体は、前記鋼管杭の上端に被せられる有底筒状のキャップを備え、このキャップに前記荷重体が前記鋼管杭の外方で吊下されていることを特徴とする鋼管杭の打ち込み補助具。
【請求項7】
鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を備えており、
前記打ち込み補助具本体は、前記鋼管杭の上端に被せられる有底筒状のキャップを備え、このキャップに前記荷重体が前記鋼管杭の内方で吊下されていることを特徴とする鋼管杭の打ち込み補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に装着するようにした打ち込み補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鋼管杭打ち装置は、作業機のクレーンなどの先端に取り付けられ、当該鋼管杭打ち装置に装着されたハンマの振動や打撃による落下エネルギの反復によって鋼管杭を地中に打ち込むようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3798859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、土中に打ち込まれた鋼管杭の支持力は、鋼管杭打ち装置の能力に依存される。つまり、鋼管杭は、鋼管杭打ち装置の能力が高いほど土中深くに打ち込まれ、目標とする固い地盤に容易に食い込んで支持力が高くなる。
【0005】
しかし、鋼管杭打ち装置は、その能力に応じて高価なものとなる。このため、現状では予算に応じた能力の鋼管杭打ち装置を選定し、この選定された鋼管杭打ち装置を用いて鋼管杭を土中に打ち込むことで、鋼管杭打ち装置の能力に応じて得られた支持力の鋼管杭を提供することが実情であった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鋼管杭打ち装置の能力以上の支持力を得ることができる鋼管杭の打ち込み補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明が講じた解決手段は、鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を備えることを特徴としている。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明が講じた解決手段は、鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を備えている。そして、前記打ち込み補助具本体は、鋼管杭の軸線方向下部側においてその半径方向外方側に突出するように装着されているとともに、前記鋼管杭の外周面の直径方向一側に摺接する摺接部を有し、かつこの摺接部より前記鋼管杭の半径方向外方へ突出して前記荷重体を載置可能とする載置部と、この載置部の摺接部より前記鋼管杭の外周面に沿ってその直径方向他側に延び、前記摺接部を前記鋼管杭の外周面の直径方向一側に圧接させた状態で固定する固定手段と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
また、前記固定手段は、前記摺接部の周方向一端又は両端より前記鋼管杭の外周面に沿ってその直径方向他側に延びて前記鋼管杭の外周面の直径方向他側に先端部が位置する腕部と、この腕部の先端部において前記鋼管杭の半径方向に貫通するねじ孔と、前記ねじ孔に螺着され、先端が前記鋼管杭の直径方向他側に当接して前記摺接部を前記鋼管杭の直径方向一側に圧接させるボルト部材と、を備えていてもよい。
【0010】
これに対し、前記固定手段は、前記摺接部の周方向一端又は両端より前記鋼管杭の外周面に沿ってその直径方向他側に延び、かつ前記鋼管杭の外周面の直径方向他側に接する接部を有する腕部を備え、前記腕部は、前記鋼管杭の側面視で前記載置部に対し略くの字状に折曲している。そして、前記載置部の摺接部及び前記腕部の接部は、その両者が互いに水平な位置関係にあるときに前記鋼管杭の外周面に対しそれぞれ摺動自在な空隙を有する一方、前記載置部に荷重体を載置した際に当該載置部が略水平となって前記載置部の摺接部及び前記腕部の接部に高低差を生じさせることで当該両者が共に前記鋼管杭の外周面に対し圧接していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
また、前記目的を達成するため、本発明が講じたその他の解決手段は、鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を同様に備えている。そして、前記打ち込み補助具本体は、略円筒形状に形成され、周方向で分割された2つの分割片を備えているとともに、この各分割片の上端に略半円板状の載置部をそれぞれ備え、前記各分割片に、互いに隣接する一端部に締め付け座が設けられている一方、互いに隣接する他端部同士が上下方向へ延びるヒンジ軸回りに回動自在に支持されていて、前記載置部は、前記各分割片の一端部において前記締め付け座同士をボルト部材及びナット部材により締め付けた際に略円環状となって前記荷重体が載置されるようになっていることを特徴としている。
また、前記目的を達成するため、本発明が講じたその他の解決手段は、鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を同様に備えている。そして、前記打ち込み補助具本体は、略円筒形状に形成され、周方向で分割された2つの分割片を備えているとともに、この各分割片の上端に略半円板状の載置部をそれぞれ備える。更に、前記各分割片に、互いに隣接する一端部及び他端部にそれぞれ締め付け座が設けられていて、前記載置部は、前記各分割片の一端部及び他端部において前記各締め付け座同士をボルト部材及びナット部材により締め付けた際に略円環状となって前記荷重体が載置されるようになっていることを特徴としている。
また、前記目的を達成するため、本発明が講じたその他の解決手段は、鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を同様に備えている。そして、前記打ち込み補助具本体は、前記鋼管杭の上端に被せられる有底筒状のキャップを備え、このキャップに前記荷重体が前記鋼管杭の外方で吊下されていることを特徴としている。
更に、前記目的を達成するため、本発明が講じたその他の解決手段は、鋼管杭打ち装置のハンマからの振動や打撃により鋼管杭を土中に打ち込む際に当該鋼管杭に対し鉛直荷重を付加する荷重体が装着可能とされ、前記鋼管杭に付加された前記荷重体からの鉛直荷重によって前記鋼管杭打ち装置の能力を補助する鋼管杭の打ち込み補助具本体を同様に備えている。そして、前記打ち込み補助具本体は、前記鋼管杭の上端に被せられる有底筒状のキャップを備え、このキャップに前記荷重体が前記鋼管杭の内方で吊下されていることを特徴としている。
【0012】
また、打ち込み補助具本体を鋼管杭の軸線方向下部側においてその半径方向外方側に突出させるように装着することで、打ち込み補助具本体からの鉛直荷重が鋼管杭の半径方向外方側からバランスよく作用し、鋼管杭をスムーズに打ち込むことができる。
【0013】
更に、鋼管杭の直径方向一側において荷重体を載置する載置部の摺接部の周方向一端又は両端より鋼管杭の外周面に沿ってその直径方向他側に延びる腕部の先端部において鋼管杭の半径方向に貫通するねじ孔にボルト部材を螺着し、このボルト部材の先端を鋼管杭の外周面の直径方向他側に当接させて載置部の摺接部を鋼管杭の外周面の直径方向一側に圧接させることで、摺接部を鋼管杭の外周面の直径方向一側に圧接させた状態で載置部を鋼管杭に固定している。これにより、ボルト部材を緩めたり締め付けたりすることで、打ち込み補助具を鋼管杭の軸線方向の任意の位置に簡単に固定することができ、簡単な作業手順で打ち込み補助具を鋼管杭に装着することができる。
【0014】
これに対し、鋼管杭の直径方向一側にある載置部の摺接部の周方向一端又は両端より鋼管杭の外周面に沿って延びて直径方向他側に接する接部を有する腕部を載置部に対し鋼管杭の側面視で略くの字状に折曲させ、載置部の摺接部及び腕部の接部を、その両者が互いに水平な位置関係にあるときに鋼管杭の外周面に対しそれぞれ摺動自在な空隙を有する一方、載置部に荷重体を載置した際に当該載置部を略水平にして載置部の摺接部と腕部の接部との間に高低差を生じさせることで当該両者を共に鋼管杭の外周面に対し圧接させて載置部を鋼管杭に固定している。これにより、載置部から荷重体を下ろして載置部の摺接部及び腕部の接部を互いに水平な位置関係にすることで、打ち込み補助具を鋼管杭の軸線方向の任意の位置に移動させ、その任意の位置で載置部に荷重体を載せれば打ち込み補助具を簡単に固定でき、簡単な作業手順で打ち込み補助具を鋼管杭に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る打ち込み補助具を装着した鋼管杭の打ち込み現場での作業状態を示す説明図である。
図2図1の打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態の平面図である。
図3図2の打ち込み補助具の斜視図である。
図4】本発明の第2の実施の形態に係る打ち込み補助具に錘を載せないで鋼管杭に仮装着した状態の側面図である。
図5図4の打ち込み補助具に錘を載せて鋼管杭に装着した状態の側面図である。
図6図5の打ち込み補助具の平面図である。
図7】第2の実施の形態の変形例に係る打ち込み補助具の平面図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係る打ち込み補助具に錘を載せないで鋼管杭に仮装着した状態の側面図である。
図9図8の打ち込み補助具に錘を載せて鋼管杭に装着した状態の側面図である。
図10図9の打ち込み補助具の平面図である。
図11】第3の実施の形態の変形例に係る打ち込み補助具の平面図である。
図12】本発明の第4の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態の側面図である。
図13図12の打ち込み補助具の平面図である。
図14】第4の実施の形態の変形例に係る打ち込み補助具の平面図である。
図15】本発明の第5の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態の側面図である。
図16図15の打ち込み補助具を下方から見た底面図である。
図17】第5の実施の形態の変形例に係る打ち込み補助具の底面図である。
図18】本発明の第6の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態の側面図である。
図19】本発明の第7の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態で一部切欠いた側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る打ち込み補助具を装着した鋼管杭の打ち込み現場での作業状態を示す説明図を示している。この打ち込み現場は、建造物などに遮られたスペースの狭い場所である。
【0018】
この図1において、Wは本発明の第1の実施の形態に係る打ち込み補助具1が装着された鋼管杭であって、この鋼管杭Wは、複数用意され、各鋼管杭Wを継ぎ足しながら鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により順次土中に打ち込まれる。この場合、鋼管杭打ち装置Kとしては、打ち込み現場が狭いスペースであって車載タイプの大きな鋼管杭打ち装置が進入不可能であるために、携帯可能な油圧ハンマータイプのものが用いられる。また、鋼管杭Wは、地面Gの表層よりも下方において礫質土などが固結してなる強固な支持地盤に先端が届くまで順次継ぎ足される。
【0019】
各鋼管杭Wとしては、断面円環状に形成され、内径が105.7mmに、外径が114.3mmにそれぞれ設定された長さ1500mm〜1800mmのものが用いられている。なお、各鋼管杭Wは、これに限定されるものではなく、その他種々のサイズのものであってもよい。
【0020】
鋼管杭打ち装置Kは、その装置本体K2の両側に設けられた左右一対の手動操作用ハンドルK3,K3を備え、装置本体K2の下端部より突出するハンマK1を一番上の鋼管杭Wの上端部に取り付けられたキャップ18の凹部に嵌合させた状態で一番上の補強杭Wの上端部から付与された衝撃を一番下の補強杭Wの先端まで伝達するようにしている。なお、鋼管杭打ち装置Kは、これ自体が公知であるから内部構造の詳細については省略する。また、図1中19は、上下の鋼管杭W,W同士を継ぐ継ぎジョイントである。
【0021】
図2は打ち込み補助具1を鋼管杭Wに装着した状態の平面図、図3は打ち込み補助具1の斜視図をそれぞれ示している。
【0022】
打ち込み補助具1は、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際に地上に位置する一番上の鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する荷重体としての錘(図示せず)が装着可能とされ、かつ鋼管杭Wに付加された錘の鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体10を備えている。この打ち込み補助具本体10は、鋼管杭Wの外周面の直径方向一側(図2では左側)に摺接する摺接部としての摺接面11を有し、この摺接面11より半径方向外方側へ突出して錘を載置可能とする載置部12と、この載置部12の摺接面11の一端(図2では上端)より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向他側(図2では右側)に延び、摺接面11を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させた状態で固定する固定手段13と、を備えている。そして、打ち込み補助具本体10は、鋼管杭Wの軸線方向下部側においてその半径方向外方側に載置部12を突出させるように装着されている。なお、錘の鉛直荷重としては、錘に限らず、作業者Xの体重であってもよく、その場合には、作業者が載置部12に足を載せて打ち込み作業が行われる。
【0023】
固定手段13は、摺接面11の周方向一端(図2では上端)より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向他側向きに延びて先端部が鋼管杭Wの直径方向他側に位置する腕部14と、この腕部14の先端部において鋼管杭Wの半径方向に貫通するねじ孔15と、このねじ孔15に螺着され、先端が鋼管杭Wの外周面の直径方向他側に当接して摺接面11を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させるボルト部材16と、を備えている。腕部14は、摺接面11の周方向一端より鋼管杭Wの直径方向他側に延びたのちに鋼管杭Wの直径方向他側を半径方向外方から包囲するように回り込んで平面視で略L字状に形成されている。
【0024】
摺接面11は、鋼管杭Wの外径に則した円弧状に形成され、鋼管杭Wの外周面に対し周方向2箇所で線接触するように平面視で略くの字状に切り欠かれている。この摺接面11の鋼管杭Wの外周面に対する周方向2箇所の線接触部位は、ステライト盛金加工Sが施されているとともに、鋼管杭Wの外周面に対して当接するボルト部材16の先端もステライト盛金加工Sが施され、鋼管杭Wの外周面との接触部位及び当接部位の耐摩耗性が図られている。
【0025】
したがって、本実施の形態では、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際に当該鋼管杭Wに対し錘の鉛直荷重を付加して鋼管杭打ち装置の能力を補助する打ち込み補助具本体10が装着されているので、鋼管杭Wを土中に打ち込む際に打ち込み補助具本体10からの錘の鉛直荷重によって反力が得られる。これにより、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃力に対し打ち込み補助具本体10からの錘の鉛直荷重が付加されて鋼管杭Wが地中に円滑に打ち込まれ、鋼管杭Wに鋼管杭打ち装置Kの能力以上の支持力を得ることができる。
【0026】
また、打ち込み補助具本体10が鋼管杭Wの軸線方向下部側においてその半径方向外方側に載置部12を突出させるように装着されているので、打ち込み補助具本体10からの錘の鉛直荷重が鋼管杭Wの半径方向外方側からバランスよく作用し、鋼管杭Wをスムーズに打ち込むことができる。
【0027】
更に、鋼管杭Wの直径方向一側において錘を載置する載置部12の摺接面11の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向他側に延びる腕部14の先端部のねじ孔15に螺着されたボルト部材16の先端を鋼管杭Wの外周面の直径方向他側に当接させて載置部12の摺接面11を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させて、摺接面11を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させた状態で載置部12を鋼管杭Wに固定している。これにより、ボルト部材16を緩めたり締め付けたりすることで、打ち込み補助具1を鋼管杭Wの軸線方向の任意の位置に簡単に固定することができ、簡単な作業手順で打ち込み補助具1を鋼管杭Wに装着することができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を図4図6に基づいて説明する。
この実施の形態では、打ち込み補助具の構成を変更している。なお、打ち込み補助具を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0029】
図4は本発明の第2の実施の形態に係る打ち込み補助具に錘を載せないで鋼管杭Wに仮装着した状態の側面図、図5は打ち込み補助具に錘を載せて鋼管杭Wに装着した状態の側面図、図6は打ち込み補助具の平面図をそれぞれ示している。
【0030】
図4図6において、打ち込み補助具2は、一番上の鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する荷重体としての錘Rが装着可能とされ、かつ鋼管杭Wに付加された錘Rの鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体20を備えている。この打ち込み補助具本体20は、鋼管杭Wの外周面の直径方向他側(図では右側)に摺接する摺接部21を有し、この摺接部21より半径方向外方側へ突出して錘Rを載置可能とする略矩形状の載置部22と、この載置部22の摺接部21より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側(図では左側)に延び、摺接部21の略中央部を鋼管杭Wの外周面の直径方向他側に圧接させた状態で固定する固定手段23とを備えている。
【0031】
固定手段23は、摺接部21の周方向一端(図6では下端)より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側向きに延びて先端部が鋼管杭Wの直径方向一側に位置する腕部25を備えている。この腕部25は、摺接部21の周方向一端より鋼管杭Wの直径方向一側に延びたのちに鋼管杭Wの直径方向一側を半径方向外方から包囲するように回り込んで平面視で略L字状に形成されている。そして、腕部25は、載置部22に対し鋼管杭Wの側面視(図4及び図5では紙面正面視)で略くの字状に折曲している。また、腕部25は、摺接部21の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側向きに直線状に延びる断面略矩形状の一側延設片251と、この一側延設片251の先端より略90°屈曲し、鋼管杭Wの直径方向一側と対峙するように直線状に延びる断面略矩形状の一側対峙片252とからなる。更に、一側対峙片252の長手方向略中央部には、鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に接する接部24が設けられている。そして、載置部22の摺接部21及び腕部25の接部24は、その両者21,24が互いに水平な位置関係にあるとき(図4に示す位置関係)、鋼管杭Wの外周面に対しそれぞれ摺動自在な空隙T,Tを有している。一方、載置部22の摺接部21及び腕部25の接部24は、載置部22に錘Rを載置した際に当該載置部22が略水平となって摺接部21と接部24とが高低差を生じさせる位置関係(図5に示す位置関係)となることで、当該両者21,24が共に鋼管杭Wの外周面の直径方向一側及び他側に対し圧接している。この場合、摺接部21及び接部24は、その両者21,24が互いに水平な位置関係にあるときに互いの面同士が対面しており、載置部22が略水平となって両者21,24が高低差を生じさせる位置関係となったときに鋼管杭Wの外周面に対し角部がそれぞれ圧接される。なお、摺接部21及び接部24の鋼管杭Wの外周面に対する接触部位に、ステライト盛金加工が施されていてもよいのはいうまでもない。
【0032】
したがって、本実施の形態では、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際に当該鋼管杭Wに対し錘Rの鉛直荷重を付加して鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体20が装着されているので、鋼管杭Wを土中に打ち込む際に打ち込み補助具本体20からの錘Rの鉛直荷重によって反力が得られる。これにより、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃力に対し打ち込み補助具本体30からの錘Rの鉛直荷重が付加されて鋼管杭Wが地中に円滑に打ち込まれ、鋼管杭Wに鋼管杭打ち装置Kの能力以上の支持力を得ることができる。
【0033】
更に、鋼管杭Wの直径方向他側にある載置部22の摺接部21の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿って延びて直径方向他側に接する接部24を有する腕部25を載置部22に対し略くの字状に折曲させ、載置部22の摺接部21及び腕部25の接部24を、その両者21,24が互いに水平な位置関係にあるときに鋼管杭Wの外周面に対しそれぞれ摺動自在な空隙T,Tを有する一方、載置部22に錘Rを載置した際に当該載置部22を略水平にして摺接部21と接部24との間に高低差を生じさせることで当該両者21,24を共に鋼管杭Wの外周面に対し角部を圧接させて載置部22を鋼管杭Wに固定している。これにより、載置部22から錘Rを下ろして載置部22の摺接部21及び腕部25の接部24を互いに水平な位置関係にすることで、打ち込み補助具2を鋼管杭Wの軸線方向の任意の位置に移動させ、その任意の位置で載置部22に錘Rを載せれば打ち込み補助具2を簡単に固定でき、簡単な作業手順で打ち込み補助具2を鋼管杭Wに装着することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、載置部22の摺接部21の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿って延びて直径方向一側に接する接部24を有する略L字状の腕部25を形成したが、図7に示すように、載置部22の摺接部21の周方向両端(図7では上下両端)より鋼管杭Wの外周面に沿って直線状に延びて直径方向一側に接する接部24を中央部に有する平面視で略コ字状の腕部26が形成されていてもよい。この場合、打ち込み補助具2は、鋼管杭Wの上方から腕部26を通して装着され、略コ字状の腕部26によって鋼管杭Wの外周面に対する固定をより堅固なものとすることが可能となる。
【0035】
次に、本発明の第3の実施の形態を図8図10に基づいて説明する。
この実施の形態では、打ち込み補助具の構成を変更している。なお、打ち込み補助具を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
図8は本発明の第3の実施の形態に係る打ち込み補助具に錘Rを載せないで鋼管杭Wに仮装着した状態の側面図、図9は打ち込み補助具に錘Rを載せて鋼管杭Wに装着した状態の側面図、図10は打ち込み補助具の平面図をそれぞれ示している。
【0037】
図8図10において、打ち込み補助具3は、一番上の鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する錘Rが装着可能とされ、かつ鋼管杭Wに付加された錘Rの鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体30を備えている。この打ち込み補助具本体30は、鋼管杭Wの外周面の直径方向他側(図では右側)に摺接する第1摺接部31を有し、この第1摺接部31より半径方向外方側へ突出して錘Rを載置可能とする略矩形状の第1載置部32と、この第1載置部32の第1摺接部31より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側向き(図では左側向き)に延び、第1摺接部31の略中央部を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させた状態で固定する第1固定手段33とを備えている。
【0038】
第1固定手段33は、第1摺接部31の周方向一端(図10では下端)より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側向きに延びて先端部が鋼管杭Wの直径方向一側に位置する第1腕部35を備えている。この第1腕部35は、第1摺接部31の周方向一端より鋼管杭Wの直径方向一側に延びたのちに鋼管杭Wの直径方向一側を半径方向外方から包囲するように回り込んで平面視で略L字状に形成されている。そして、第1腕部35は、第1載置部32に対し鋼管杭Wの側面視(図8及び図9では紙面正面視)で略くの字状に折曲している。また、第1腕部35は、第1摺接部31の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側向きに直線状に延びる断面略矩形状の一側延設片351と、この一側延設片351の先端より略90°屈曲して直線状に延び、鋼管杭Wの直径方向一側と対峙する断面略矩形状の一側対峙片352とを備えている。この一側対峙片352の長手方向略中央部には、鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に接する第1接部34が設けられている。
【0039】
また、打ち込み補助具本体30は、鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に摺接する第2摺接部36を有し、この第2摺接部36より半径方向外方側へ突出して錘Rを載置可能とする略矩形状の第2載置部37と、この第2載置部37の第2摺接部36より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向他側に延び、第2摺接部36の略中央部を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させた状態で固定する第2固定手段38とを備えている。
【0040】
第2固定手段38は、第2摺接部36の周方向一端(図10では下端)より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向他側向きに延びて先端部が鋼管杭Wの直径方向他側に位置する第2腕部40を備えている。この第2腕部40は、第2摺接部36の周方向一端より鋼管杭Wの直径方向他側に延びたのちに鋼管杭Wの直径方向他側を半径方向外方から包囲するように回り込んで平面視で略L字状に形成されている。そして、第2腕部40は、第2載置部37に対し鋼管杭Wの側面視(図8及び図9では紙面正面視)で略くの字状に折曲している。また、第2腕部40は、第2摺接部36の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向他側向きに直線状に延びる断面略矩形状の他側延設片401と、この他側延設片401の先端より略90°屈曲して直線状に延び、鋼管杭Wの直径方向他側と対峙する断面略矩形状の他側対峙片402とを備えている。この他側対峙片402の長手方向略中央部には、鋼管杭Wの外周面の直径方向他側に接する第2接部39が設けられている。更に、第1及び第2腕部35,40の一側延設片351及び他側延設片401は、それぞれの長手方向略中央位置において略水平方向へ延びる軸44によって互いに揺動自在に支持されている。
【0041】
そして、第1及び第2載置部32,37の第1及び第2摺接部31,36並びに第1及び第2腕部35,40の第1及び第2接部34,39は、その両者31,34,36,40がそれぞれ水平な位置関係にあるとき(図8に示す位置関係)、鋼管杭Wの外周面に対し摺動自在な空隙T,Tを有している。一方、第1及び第2載置部32,37の第1及び第2摺接部31,36並びに第1及び第2腕部35,40の第1及び第2接部34,39は、第1及び第2載置部32,37に錘Rを載置した際に当該載置部32,37が略水平となって第1及び第2摺接部31,36と第1及び第2接部34,39とが高低差を生じさせる位置関係(図9に示す位置関係)となることで、当該両者31,34,36,39が共に鋼管杭Wの外周面の直径方向一側及び他側に対し圧接している。この場合、第1及び第2摺接部31,36及び第1及び第2接部34,39は、当該各摺接部31,36及び各接部34,39がそれぞれ水平な位置関係にあるときに互いの面同士が対面しており、第1及び第2載置部32,37が略水平となって各摺接部31,36と各接部34,39とが高低差を生じさせる位置関係となったときに鋼管杭Wの外周面に対し角部がそれぞれ圧接される。なお、第1及び第2摺接部31,36及び第1及び第2接部34,39の鋼管杭Wの外周面に対する接触部位に、ステライト盛金加工が施されていてもよいのはいうまでもない。
【0042】
したがって、本実施の形態では、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際に当該鋼管杭Wに対し錘Rの鉛直荷重を付加して鋼管杭打ち装置の能力を補助する打ち込み補助具本体30が装着されているので、鋼管杭Wを土中に打ち込む際に打ち込み補助具本体30からの錘Rの鉛直荷重によって反力が得られる。これにより、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃力に対し打ち込み補助具本体30からの錘Rの鉛直荷重が付加されて鋼管杭Wが地中に円滑に打ち込まれ、鋼管杭Wに鋼管杭打ち装置Kの能力以上の支持力を得ることができる。
【0043】
更に、鋼管杭Wの直径方向他側にある第1載置部32の第1摺接部31の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿って延びて直径方向一側に接する第1接部34を有する第1腕部35を第1載置部32に対し略くの字状に折曲させる一方、鋼管杭Wの直径方向一側にある第2載置部37の第2摺接部36の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿って延びて直径方向他側に接する第2接部39を有する第2腕部40を第2載置部37に対し略くの字状に折曲させ、第1及び第2摺接部31,36及び第1及び第2接部34,39を、その両者31,34,36,39がそれぞれ水平な位置関係にあるときに鋼管杭Wの外周面に対し摺動自在な空隙T,Tを有する一方、第1及び第2載置部32,37に錘Rを載置した際に当該載置部32,37を略水平にして第1及び第2摺接部31,36と第1及び第2接部34,39との間に高低差を生じさせることで、当該両者31,34,36,39を共に鋼管杭Wの外周面に対し角部を圧接させて第1及び第2載置部32,37を鋼管杭Wに固定している。これにより、第1及び第2載置部32,37から錘Rを下ろして第1及び第2摺接部31,36並びに第1及び第2接部34,39をそれぞれ水平な位置関係にすることで、打ち込み補助具3を鋼管杭Wの軸線方向の任意の位置に移動させ、その任意の位置で第1及び第2載置部32,37に錘Rを載せれば打ち込み補助具3を簡単に固定でき、簡単な作業手順で打ち込み補助具3を鋼管杭Wに装着することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、第1及び第2載置部32,37の第1及び第2摺接部31,36の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿って延びて直径方向一側及び他側に接する第1及び第2接部34,39を有する略L字状の第1及び第2腕部35,40を形成したが、図11に示すように、第1及び第2載置部32,37の第1及び第2摺接部31,36の周方向両端(図11では上下両端)より鋼管杭Wの外周面に沿って延びて直径方向一側及び他側に接する第1及び第2接部34,39を有する略コ字状の第1及び第2腕部41,42が形成されていてもよい。この第1及び第2腕部41,42は、第1及び第2摺接部31,36の周方向両端より直径方向一側及び他側に延設された一対の一側及び他側延設片411,412,421,422と、この一側及び他側延設片411,412,421,422の先端より屈曲して鋼管杭Wの外周面の直径方向一側及び他側に対峙し、長手方向中央部に第2接部34,39を有する一側及び他側対峙片413,423と、一側及び他側延設片411,412,421,422をそれぞれ揺動自在に支持する軸44とを備えている。この場合、打ち込み補助具3は、鋼管杭Wの上方から第1及び第2腕部41,42を通して装着され、略コ字状の第1及び第2腕部41,42によって鋼管杭Wの外周面に対する固定をより堅固なものとすることが可能となる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施の形態を図12及び図13に基づいて説明する。
この実施の形態では、打ち込み補助具の構成を変更している。なお、打ち込み補助具を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0046】
図12は本発明の第4の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭Wに装着した状態の側面図、図13は打ち込み補助具の平面図をそれぞれ示している。
【0047】
打ち込み補助具5は、一番上の鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する錘Rが装着可能とされ、かつ鋼管杭Wに付加された錘Rの鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体50を備えている。この打ち込み補助具本体50は、鋼管杭Wの外周面の直径方向他側(図2では右側)に摺接する摺接部としての摺接面51を有し、この摺接面51より半径方向外方側へ突出して荷重体としての錘Rを載置可能とする載置部52と、この載置部52の摺接面51より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側(図2では左側)に延び、摺接面51を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させた状態で固定する固定手段53と、を備えている。そして、打ち込み補助具本体50は、鋼管杭Wの軸線方向下部側においてその半径方向外方側に載置部52を突出させるように装着されている。
【0048】
固定手段53は、摺接面51の周方向他端(図13では下端)より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側向きに延びて先端部が鋼管杭Wの直径方向一側に位置する腕部54を備えている。この腕部54は、摺接部51の周方向他端より鋼管杭Wの直径方向一側に延びたのちに鋼管杭Wの直径方向一側を半径方向外方から包囲するように回り込んで平面視で略L字状に形成されている。そして、腕部54は、載置部52に対し鋼管杭Wの側面視で略水平に直径方向一側向きに延びている。また、腕部54は、摺接部51の周方向他端より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側向きに直線状に延びる断面略矩形状の一側延設片541と、この一側延設片541の先端より略90°屈曲して直線状に延び、鋼管杭Wの直径方向一側と対峙する断面略矩形状の一側対峙片542とを備えている。この一側対峙片542の長手方向略中央部には、鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に対峙する対峙面55が設けられている。
【0049】
また、固定手段53は、腕部54の一側対峙片542の長手方向略中央部において鋼管杭Wの半径方向に貫通するねじ孔56と、このねじ孔56に螺着され、先端が鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に当接して摺接面51を鋼管杭Wの外周面の直径方向他側に圧接させるボルト部材57と、を備えている。なお、摺接面51及びボルト部材57の先端における鋼管杭Wの外周面に対する接触部位に、ステライト盛金加工が施されていてもよいのはいうまでもない。
【0050】
したがって、本実施の形態では、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際に当該鋼管杭Wに対し錘Rの鉛直荷重を付加して鋼管杭打ち装置の能力を補助する打ち込み補助具本体50が装着されているので、鋼管杭Wを土中に打ち込む際に打ち込み補助具本体50からの錘Rの鉛直荷重によって反力が得られる。これにより、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃力に対し打ち込み補助具本体50からの錘Rの鉛直荷重が付加されて鋼管杭Wが地中に円滑に打ち込まれ、鋼管杭Wに鋼管杭打ち装置Kの能力以上の支持力を得ることができる。
【0051】
更に、鋼管杭Wの直径方向他側において錘Rを載置する載置部52の摺接面51の周方向他端より鋼管杭Wの外周面に沿ってその直径方向一側に延びる腕部54の一側対峙片542のねじ孔56に螺着されたボルト部材57の先端を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に当接させて載置部52の摺接面51を鋼管杭Wの外周面の直径方向他側に圧接させ、この状態で、載置部52を鋼管杭Wに固定している。これにより、ボルト部材57を緩めたり締め付けたりすることで、打ち込み補助具5を鋼管杭Wの軸線方向の任意の位置に簡単に固定することができ、簡単な作業手順で打ち込み補助具5を鋼管杭Wに装着することができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、載置部52の摺接面51の周方向他端より鋼管杭Wの外周面に沿って延びて直径方向一側に対峙する対峙面55を有する略L字状の腕部54を形成したが、図14に示すように、載置部52の摺接面51の周方向両端(図14では上下両端)より一側延設片581をそれぞれ鋼管杭Wの直径方向一側向きに延ばし、その先端同士の間に一側対峙片582が連結された平面視で略コ字状の腕部58が形成されていてもよい。この場合、打ち込み補助具5は、鋼管杭Wの上方から腕部58を通して装着され、略コ字状の腕部58によって鋼管杭Wの外周面に対する固定をより堅固なものとすることが可能となる。
【0053】
次に、本発明の第5の実施の形態を図15及び図16に基づいて説明する。
この実施の形態では、打ち込み補助具の構成を変更している。なお、打ち込み補助具を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0054】
図15は本発明の第5の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態の側面図、図16は打ち込み補助具を下方から見た底面図をそれぞれ示している。
【0055】
打ち込み補助具6は、一番上の鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する錘R1,R2が装着可能とされ、かつ鋼管杭Wに付加された錘R1,R2の鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体60を備えている。この打ち込み補助具本体60は、略円筒形状に形成され、周方向で分割された2つの分割片61,62を備えている。これらの分割片61,62は、互いに隣接する一端部612,622に締め付け座613,623が設けられている。そして、締め付け座613,623は、締結具63により締結されている。一方、互いに隣接する各分割片61,62の他端部614,624同士は、上下方向へ延びるヒンジ軸64回りに回動自在に支持されている。
【0056】
締結具63は、締め付け座613,623の上下方向2箇所に設けられている。締結具63は、各締め付け座613,623にそれぞれ開口するボルト挿通孔(図示せず)に挿通されるボルト部材631と、双方の締め付け座613,623のボルト挿通孔を介したボルト部材631の先端に螺着されるナット部材(図示せず)とを備えている。そして、分割片61,62の内周面は、鋼管杭Wの外周面の周長よりも若干短い周長に形成され、ボルト部材631に対してナット部材を締め付けて鋼管杭Wの外周面に対して固定した際に締め付け座613,623同士の間に若干量(例えば4mm程度)の間隙を存している。
【0057】
また、打ち込み補助具本体60は、各分割片61,62の上端にそれぞれ一体的に設けられた略半円板状の載置部65を備えている。この載置部65は、締め付け座613,623同士をボルト部材631及びナット部材により締め付けた際に略円環状となり、錘R1,R2が載置されるようにしている。この錘R1,R2は、円環状に形成され、外周面の互いに180°位相をずらせた位置に設けられた輪に図示しないクレーンのフックが係止されて吊下され、載置部65上に載置される。
【0058】
更に、各分割片61,62には、孔部611(図15では一方のみ示す)が設けられている。この各孔部611に対応する鋼管杭Wの対応位置には、当該各孔部611よりも小さい孔部W0が設けられている。この孔部W0には、各分割片61,62の孔部611を介してピン(図示せず)が挿通され、締め付け座613,623同士を鋼管杭Wに対して固定した際にボルト部材631及びナット部材による締め付けと相俟って鋼管杭Wに対する固定強度を高めるようにしている。また、鋼管杭Wの孔部W0は、鋼管杭Wの軸線方向等間隔置きに設けられ、打ち込み補助具本体60を鋼管杭Wの打ち込み量に応じた任意の位置で固定できるようにしている。
【0059】
したがって、本実施の形態では、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際に当該鋼管杭Wに対し錘R1,R2の鉛直荷重を付加して鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体60が装着されているので、鋼管杭Wを土中に打ち込む際に打ち込み補助具本体60からの錘R1,R2の鉛直荷重によって反力が得られる。これにより、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃力に対し打ち込み補助具本体60からの錘Rの鉛直荷重が付加されて鋼管杭Wが地中に円滑に打ち込まれ、鋼管杭Wに鋼管杭打ち装置Kの能力以上の支持力を得ることができる。
【0060】
更に、鋼管杭Wの外周面の任意の位置で孔部W0に各分割片61,62の孔部611を介してピンを挿通し、締め付け座613,623同士をボルト部材631及びナット部材により締め付けて打ち込み補助具本体60を鋼管杭Wに固定している。これにより、鋼管杭Wの孔部W0に各分割片61,62の孔部611を介してピンを挿通した状態でボルト部材631及びナット部材を緩めたり締め付けたりすることで、打ち込み補助具6を鋼管杭Wの軸線方向の任意の位置に簡単に固定することができ、簡単な作業手順で打ち込み補助具6を鋼管杭Wに装着することができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、互いに隣接する各分割片61,62の他端部614,624同士を、上下方向へ延びるヒンジ軸64回りに回動自在に支持したが、図17に示すように、互いに隣接する各分割片61,62の上端に略半円板状の載置部65,65をそれぞれ一体的に設け、この載置部65,65の一端部及び他端部にそれぞれ設けた締め付け座651,651同士がボルト部材631及びナット部材632によって締め付けられていてもよい。
【0062】
次に、本発明の第6の実施の形態を図18に基づいて説明する。
この実施の形態では、打ち込み補助具の構成を変更している。なお、打ち込み補助具を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0063】
図18は本発明の第6の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態の側面図を示している。
【0064】
打ち込み補助具7は、一番上の鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する錘R3が装着可能とされ、かつ鋼管杭Wに付加された錘R3の鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体70を備えている。この打ち込み補助具本体70は、鋼管杭Wの上端に被せられる有底筒状のキャップ71に上端が取り付けられた一対のチェーン72,72を備えている。この一対のチェーン72,72の下端には、錘R3が吊下されている。また、キャップ71の上面には、鋼管杭打ち装置KのハンマK1が挿通される凹部(図示せず)が設けられている。
【0065】
したがって、本実施の形態では、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際にキャップ71にチェーン72(打ち込み補助具本体70)を介して錘R3を吊下することで、鋼管杭Wに対し錘R3の鉛直荷重を付加して鋼管杭打ち装置Kの能力が補助されるので、鋼管杭Wを土中に打ち込む際に打ち込み補助具本体70からの錘R3の鉛直荷重によって反力が得られる。これにより、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃力に対し打ち込み補助具本体70からの錘R3の鉛直荷重が付加されて鋼管杭Wが地中に円滑に打ち込まれ、鋼管杭Wに鋼管杭打ち装置Kの能力以上の支持力を得ることができる。
【0066】
更に、キャップ71に上端を取り付けた一対のチェーン72,72の下端に錘R3を吊下するだけで打ち込み補助具本体70が鋼管杭Wに固定される。これにより、キャップ71に一対のチェーン72,72を介して錘R3を吊下することで、打ち込み補助具7を鋼管杭Wに簡単に固定することができ、簡単な作業手順で打ち込み補助具7を鋼管杭Wに装着することができる。
【0067】
次に、本発明の第7の実施の形態を図19に基づいて説明する。
この実施の形態では、打ち込み補助具の構成を変更している。なお、打ち込み補助具を除くその他の構成は、前記第1の実施の形態と同じであり、同一部分には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0068】
図19は本発明の第7の実施の形態に係る打ち込み補助具を鋼管杭に装着した状態で一部切欠いた側面図を示している。
【0069】
打ち込み補助具8は、一番上の鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する錘R4が装着可能とされ、かつ鋼管杭Wに付加された錘Rの鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置Kの能力を補助する打ち込み補助具本体80を備えている。この打ち込み補助具本体80は、鋼管杭Wの上端に被せられる有底筒状のキャップ81の中心に上端が取り付けられたチェーン82を備えている。このチェーン82の下端には、錘R4が吊下されている。このチェーン82は、キャップ81の底面に上端が取り付けられ、鋼管杭Wの内方で錘R4を吊下している。
【0070】
したがって、本実施の形態では、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により鋼管杭Wを土中に打ち込む際に当該鋼管杭Wの上端に被せたキャップ81にチェーン82(打ち込み補助具本体80)を介して錘R4を吊下することで、鋼管杭Wに対し錘R4の鉛直荷重を付加して鋼管杭打ち装置Kの能力が補助されるので、鋼管杭Wを土中に打ち込む際に打ち込み補助具本体80からの錘R4の鉛直荷重によって反力が得られる。これにより、鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃力に対し打ち込み補助具本体80からの錘R4の鉛直荷重が付加されて鋼管杭Wが地中に円滑に打ち込まれ、鋼管杭Wに鋼管杭打ち装置Kの能力以上の支持力を得ることができる。
【0071】
更に、チェーン82に錘R4を吊下したキャップ81を鋼管杭Wの上端に被せるだけで打ち込み補助具本体80が鋼管杭Wに固定される。これにより、打ち込み補助具8を鋼管杭Wに簡単に固定することができ、簡単な作業手順で打ち込み補助具8を鋼管杭Wに装着することができる。
【0072】
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなくその他種々の変形例を包含している。例えば、本実施の形態では、複数の鋼管杭Wを継ぎ足しながら鋼管杭打ち装置KのハンマK1の打撃により順次土中に打ち込む場合について述べたが、これに限定されるものではなく、打ち込み現場が広いスペースであって車載タイプの大きな鋼管杭打ち装置が進入可能であれば、単一の鋼管杭に装着される打ち込み補助具として適用することも可能である。その場合には、錘の重量も自ずと大きなものとなり、打ち込み補助具の大きさも大きくなり、錘に耐え得る剛性の高いものが用意される。
【0073】
また、前記各実施の形態では、錘R,R1〜R4の鉛直荷重の大きさについて明言しなかったが、錘の鉛直荷重は、鋼管杭打ち装置のハンマの打撃により鋼管杭に作用する能力が打ち消されてしまうような重さ、例えば鋼管杭打ち装置の能力(荷重)の10倍以下の重さに限定される。
【0074】
更に、前記各実施の形態では、鋼管杭Wの上端部にハンマK1からの打撃を加えたが、鋼管杭の上端部に対しハンマから振動を加える鋼管杭打ち装置が適用されていてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 打ち込み補助具
10 打ち込み補助具本体
11 摺接面(摺接部)
12 載置部
13 固定手段
14 腕部
15 ねじ孔
16 ボルト部材
2 打ち込み補助具
20 打ち込み補助具本体
21 摺接部
22 載置部
23 固定手段
24 接部
26 腕部
3 打ち込み補助具
30 打ち込み補助具本体
31 第1摺接部
32 第1載置部
33 第1固定手段
34 第1接部
35 第1腕部
36 第2摺接部
37 第2載置部
38 第2固定手段
39 第2接部
40 第2腕部
41 第1腕部
42 第2腕部
5 打ち込み補助具
50 打ち込み補助具本体
51 摺接面(摺接部)
52 載置部
53 固定手段
54 腕部
58 腕部
6 打ち込み補助具
60 打ち込み補助具本体
65 載置部
7 打ち込み補助具
70 打ち込み補助具本体
8 打ち込み補助具
80 打ち込み補助具本体
K 鋼管杭打ち装置
K1 ハンマ
R,R1,R2,R3,R4 錘
T 空隙
W 鋼管杭
【要約】
【課題】鋼管杭打ち装置の能力以上の支持力を得ることができる鋼管杭の打ち込み補助具を提供する。
【解決手段】鋼管杭打ち装置のハンマの打撃により打ち込まれる鋼管杭Wに対し鉛直荷重を付加する錘を装着可能とし、錘の鉛直荷重によって鋼管杭打ち装置の能力を補助する打ち込み補助具本体10を備える。打ち込み補助具本体10に、鋼管杭Wの直径方向一側に摺接する摺接面11を有し、かつ摺接面11より半径方向外方側へ突出して錘を載置する載置部12と、摺接面11を鋼管杭Wに圧接させた状態で固定する固定手段13とを備える。固定手段13に、摺接面11の周方向一端より鋼管杭Wの外周面に沿って直径方向他側に延びる腕部14と、腕部14の先端部において鋼管杭Wの半径方向に貫通するねじ孔15と、ねじ孔15に螺着され、先端が鋼管杭Wの外周面の直径方向他側に当接して摺接面11を鋼管杭Wの外周面の直径方向一側に圧接させるボルト部材16とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19