(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御器は、前記換気器を動作させてから第1所定時間経過後に前記温度検知器が前記第2所定温度以下の温度を検知した場合は、前記温度検知器が前記第1所定温度よりも高い温度を検知するまで、前記換気器の動作を停止させる、
請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
前記燃料電池が発電した際に発生する熱を吸収する冷却水を循環するための冷却水経路、並びに、前記燃料電池から排出される燃料ガスであるオフ燃料ガスおよび前記燃料電池から排出される酸化剤ガスであるオフ酸化剤ガスと熱交換する熱回収水を循環するための熱回収経路、のうちの少なくとも一方の経路と、
前記少なくとも一方の経路に配置されている水循環器と、
をさらに備え、
前記制御器は、前記換気器を動作させた後に前記温度検知器が前記第1所定温度より低い前記水循環器の水循環量調節で凍結を回避するための第3所定温度以下の温度を検知すると、前記水循環器の水循環量を増大させる、
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の燃料電池システム。
前記制御器は、前記換気器を動作させた後に前記温度検知器が前記筐体内の凍結回避が困難な条件として予め設定された第5所定温度以下の温度を検知した場合は、前記燃料電池システムの起動を禁止させる、又は、運転を停止させる、
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の燃料電池システム。
燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、原料を改質して燃料ガスを生成し、これを前記燃料電池に供給する改質器と、可燃性ガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼器と、少なくとも前記燃料電池を収納し、給気口と排気口とが形成されている筐体と、前記給気口に接続し、前記筐体外の外気を前記筐体内へ導入するように構成された供給経路と、前記排気口に接続し、前記供給経路と熱交換を行うように構成され、少なくとも前記筐体内の空気を前記筐体外へ排出するように構成された排出経路であって、前記燃焼器の燃焼排ガスを排出するように前記燃焼器と連通している排出経路と、前記供給経路を介して前記筐体内へ外気を導入する空気供給器であって、前記筐体内の空気を換気する換気器、および、前記燃焼器へ燃焼用空気を供給する燃焼空気供給器を備えた前記空気供給器と、を備えた燃料電池システムの運転方法であって、
前記換気器を動作させた後に、前記筐体内、前記供給経路、及び、前記排出経路のうちの少なくとも一つの温度が前記筐体内で凍結が起きない条件として予め設定された第1所定温度より低い前記筐体内への外気導入風量調節で凍結を回避するための第2所定温度以下になったか否かを判定するステップと、
前記温度が前記第2所定温度以下になった場合に、前記換気器の動作を停止し、前記燃焼空気供給器を動作させて前記燃焼器の燃焼を実行させるステップと、
を備える燃料電池システムの運転方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明
の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
原料を改質して燃料ガスを生成し、これを前記燃料電池に供給する改質器と、可燃性ガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼器と、少なくとも前記燃料電池を収納し、給気口と排気口とが形成されている筐体と、前記給気口に接続し、前記筐体外の外気を前記筐体内へ導入するように構成された供給経路と、前記排気口に接続し、前記供給経路と熱交換を行うように構成され、少なくとも前記筐体内の空気を前記筐体外へ排出するように構成された排出経路
であって、前記燃焼器の燃焼排ガスを排出するように前記燃焼器と連通している排出経路と、前記供給経路を介して前記筐体内へ外気を導入する空気供給器
であって、前記筐体内の空気を換気する換気器、および、前記燃焼器へ燃焼用空気を供給する燃焼空気供給器を備えた前記空気供給器と、前記筐体内、前記供給経路、及び、前記排出経路のうちの少なくとも一つに配置され、温度を検知する温度検知器と、少なくとも前記空気供給器を制御する制御器と、を備え、前記制御器は、前記
換気器を動作させた後に前記温度検知器が
前記筐体内で凍結が起きない条件として予め設定された第1所定温度
より低い前記筐体内への外気導入風量調節で凍結を回避するための第2所定温度以下の
温度を検知した場合
は、
前記換気器の動作を停止し、前記燃焼空気供給器を動作させて前記燃焼器の燃焼を実行させるものである。
【0017】
上記構成によれば、システム起動時に
換気器の動作により供給経路を介して筐体内に外気が導入され
るが、換気器を動作させた後に筐体内の温度が前記筐体内への外気導入風量調節で凍結を回避するための第2所定温度以下に低下した場合には、
換気器の動作を停止して燃焼空気供給器を動作させることにより、筐体内に
導入される
外気の量を減
らして、筐体内の温度低下を抑制できる。また、燃焼器の燃焼による内部発熱で筐体内が暖められると共に、燃焼排ガスが排出経路から排出され、排出経路と供給経路との熱交換を介して、筐体内に導入される外気が暖められる。その結果、筐体内の温度が上昇し、燃料電池システムを凍結から回避させることができ
る。
【0018】
なお、供給経路(配管)は、排出経路(配管)の外側に形成され、共通の中心を有する二重管構造であることが望ましい。これにより、両経路の接触面積が大きくなるので、より効率的な熱交換を行うことができる。例えば外気が0度の場合には、凍結の可能性があるため
筐体内に導入する外気の量を減らす必要があるが、筐体内に導入された0度の外気は供給経路において温められ筐体内に入ってくるまでには凍結予防制御をする必要がなくなる温度(例えば2〜3度)に上昇させることができる。
【0019】
第2の発明
の燃料電池システムは、前記第1の発明において、前記温度検知器は、前記筐体内に配置され、前記制御器は、
前記換気器の動作
によって外気が供給経路を介して前記筐体内へ導入された後に前記温度検知器
が前記
第2所定温度以下の
温度を検知した場合
は、前記温度検知器が前記第1所定温度よりも高い温度を検知するまで、前記換気器の動作を停止させるものである。
【0020】
上記構成によれば、温度検知器が筐体内に配置されているので、筐体内に導入された外気の温度を確実に検知することができる。
【0021】
第3の発明
の燃料電池システムは、第1又は第2の発明において、前記制御器は、
前記換気器を動作させてから第1所定時間
経過後に前記温度検知器
が前記
第2所定温度以下の
温度を検知した場合
は、前記温度検知器が前記第1所定温度よりも高い温度を検知するまで、前記換気器の動作を停止させるものである。
【0022】
上記構成によれば、システムの起動後、筐体内に導入された外気が熱交換により十分温められるので、凍結抑制効果が高まる。ここで第1所定時間とは燃料電池システムの起動から温度検知器の検知温度が一定になるまでに要する時間であって、予めシミュレーションや実験等により定められてもよい。
【0029】
第
4の発明
の燃料電池システムは、第1乃至第
3の発明のいずれかにおいて、前記燃料電池が発電した際に発生する熱を吸収する冷却水を循環するための冷却水経路、並びに、前記燃料電池から排出される燃料ガスであるオフ燃料ガスおよび前記燃料電池から排出される酸化剤ガスであるオフ酸化剤ガスと熱交換する熱回収水を循環するための熱回収経路、のうちの少なくとも一方の経路と、前記少なくとも一方の経路に配置されている水循環器と、をさらに備え、前記制御器は、前記
換気器を動作させた後に前記温度検知器が
前記第1所定温度より低い
前記水循環器の水循環量調節で凍結を回避するための第3所定温度以下の
温度を検知すると、前記水循環器の水循環量を増大させるものである。
【0030】
上記構成によれば、システム起動時において水循環器により水経路に水が循環するが、
換気器を動作させた後に温度検知器が水循環器の水循環量調節で凍結を回避するための第3所定温度以下の温度を検知すると、水循環器の水循環量を増大させるので、水経路の温度が均一になる。これにより水経路の部分的な凍結、又は過渡的な凍結を抑制することができる。
【0031】
第
5の発明
の燃料電池システムは、第1乃至第
4の発明のいずれかにおいて、前記筐体内に配置されている加熱器をさらに備え、前記制御器は、前記
換気器を動作させた後に前記温度検知器が
前記第1所定温度より低い
前記加熱器の加熱量調節で凍結を回避するための第4所定温度以下の
温度を検知すると、前記加熱器の加熱量を増大させるものである。
【0032】
上記構成によれば、
換気器を動作させた後に温度検知器が加熱器の加熱量調節で凍結を回避するための第4所定温度以下の温度を検知すると、筐体内に配置された加熱器の加熱量を増大させるので、加熱器の熱により、筐体内の凍結を抑制することができる。
【0033】
第
6の発明
の燃料電池システムは、第1乃至第
5の発明のいずれかにおいて、前記制御器は、前記
換気器を動作させた後に前記温度検知器が
前記筐体内の凍結回避が困難な条件として予め設定された第5所定温度以下の
温度を検知した場合は、前記燃料電池システムの起動を禁止させる、又は、運転を停止させるものである。
【0034】
上記構成によれば、
換気器を動作させた後に温度検知器が筐体内の凍結回避が困難な条件として予め設定された第5所定温度以下の温度を検知した場合には、
燃料電池システムの
起動を禁止させる、又は、運転を停止させることで、外気が筐体内に取り込まれなくなるので、更なる凍結を回避することができる。
【0035】
第
7の発明
の燃料電池システムの運転方法は、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
原料を改質して燃料ガスを生成し、これを前記燃料電池に供給する改質器と、可燃性ガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼器と、少なくとも前記燃料電池を収納し、給気口と排気口とが形成されている筐体と、前記給気口に接続し、前記筐体外の外気を前記筐体内へ導入するように構成された供給経路と、前記排気口に接続し、前記供給経路と熱交換を行うように構成され、少なくとも前記筐体内の空気を前記筐体外へ排出するように構成された排出経路
であって、前記燃焼器の燃焼排ガスを排出するように前記燃焼器と連通している排出経路と、前記供給経路を介して前記筐体内へ外気を導入する空気供給器
であって、前記筐体内の空気を換気する換気器、および、前記燃焼器へ燃焼用空気を供給する燃焼空気供給器を備えた前記空気供給器と、を備えた燃料電池システムの運転方法であって、前記
換気器を動作させた後に、前記筐体内、前記供給経路、及び、前記排出経路のうちの少なくとも一つの温度が
前記筐体内で凍結が起きない条件として予め設定された第1所定温度
より低い前記筐体内への外気導入風量調節で凍結を回避するための第2所定温度以下になったか否かを判定するステップと、前記温度が
前記第2所定温度以下になった場合に、
前記換気器の動作を停止し、前記燃焼空気供給器を動作させて前記燃焼器の燃焼を実行させるステップと、を備えるものである。
【0036】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分に同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している。さらに、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0037】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの構成について、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
【0039】
図1に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池システム100は、建物200の内部に配置されている。燃料電池システム100は、燃料電池12、燃料ガス供給器13、酸化剤ガス供給器14、空気供給器15、温度検知器20、制御器21と、を筐体11内に備えている。
【0040】
また、給気口16と排気口17は筐体11を貫通する形で筐体11の側面あるいは上面に設けられている。本実施の形態では、給気口16と排気口17は、筐体11の上面に形成されている。例えば、排気口17は円形状に開口し、給気口16は排気口17の外側に円環状に開口している。
【0041】
筐体11には、建物200の外部から外気を筐体11内へ導入するための供給経路18が接続されている。供給経路18は、上流端(開口)を建物外部で大気に開放し、下流端(開口)が給気口16と接続している。また、筐体11には、筐体11内のガス(主に空気と燃焼ガス)を筐体11外へ排出するための排出経路19が接続されている。排出経路19は、上流端(開口)を排気口17と接続し、下流端(開口)を建物200の外部に開放している。供給経路18と排出経路19は、熱交換を行うように構成されている。具体的には、供給経路18を流れる気体と排出経路19を流れる気体とが熱交換を行うように構成されている。これにより、排出経路19を介して筐体11外へ排出される空気により、筐体11内に導入される外気の温度が上昇する。本実施の形態1では、熱交換機構は、供給経路18(配管)が、排出経路19(配管)の外側に形成され、共通の中心を有する二重管構造により実現される。これにより、両経路の接触面積が大きいので、より効率的に熱交換を行うことができる。例えば外気が0度の場合には、凍結の可能性があるため空気供給器の出力を低下させる必要があるが、筐体内に導入された0度の外気は供給経路において温められ筐体内に入ってくるまでには凍結予防制御をする必要がなくなる温度(例えば2〜3度)に上昇させることができる。
【0042】
ここで、供給経路とは、筐体外の外気を筐体内へ導入できれば、どのような構成でもよく、例えば、供給経路が筐体の給気口に直接固定されている場合、また、供給経路が筐体に形成された給気口を通過し、供給経路の末端が筐体内で開放している場合、また、供給経路が筐体に形成された給気口を通過し、供給経路の末端が燃料電池へ空気を送る酸化剤ガス供給器や燃焼器がある場合、燃焼器へ空気を送る燃焼空気供給器に直接接続される場合も含まれる。
【0043】
また、ここで、排出経路とは、筐体内のガス及び空気を筐体外へ排出することができれば、どのような構成でもよく、例えば、排出経路が筐体に形成された排気口に直接固定されている場合、また、排出経路が排気口を通過して、排出経路の末端が筐体内で開放している場合、また、排出経路が筐体に形成された排気口を通過し、排出経路の末端が燃料電池からオフ燃料ガスを排出するオフ燃料ガス路、オフ酸化剤ガスを排出するオフ酸化剤ガス路、燃焼器からの燃焼排ガスを排出する燃焼排ガス路などと直接接続される場合も含まれる。
【0044】
なお、本実施の形態1では、排出経路19を供給経路18の内側とした二重管構造としたが、これに限定されず、排出経路19と供給経路18の単管を別々に配置した構成としても良い。
【0045】
燃料ガス供給器13は、燃料電池12に燃料ガス(水素ガス)を、その流量を調整しながら供給することができれば、どのような構成であってもよく、例えば水素生成装置、水素ボンベ、又は水素吸蔵合金などと、供給ポンプからの水素ガスを供給するような機器で構成されてもよい。燃料ガス供給器13は、燃料ガス供給路23を介して、燃料電池12が接続されている。
【0046】
本発明の実施の形態1の燃料ガス供給器13は、水素ボンベと燃料ガス供給ポンプとから構成されている。
【0047】
酸化剤ガス供給器14は、燃料電池12に酸化剤ガス(例えば、空気)を、その流量を調整しながら供給することができれば、どのような構成であってもよく、例えば、ブロワやダイアフラム式ポンプなどで構成されてもよい。酸化剤ガス供給器14は、酸化剤ガス供給路24を介して、燃料電池12と接続されている。
【0048】
燃料電池12は、アノードとカソードを有している。燃料電池12では、アノードに供給された燃料ガスとカソードに供給された酸化剤ガスとが、反応して電気と熱を発生する。また、本実施の形態1においては、燃料電池12は、高分子電解質形燃料電池や固体酸化物形燃料電池などの各種の燃料電池を用いることができる。さらに燃料電池12の構成は、一般的な燃料電池と同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
【0049】
燃料電池12で発生した電気は、図示されていない電力調整器(例えば、インバータ)により、外部負荷(例えば、家庭の電気機器)に供給される。
【0050】
燃料電池12の発電で消費されなかった燃料ガスであるオフ燃料ガスの排出は、上流端を燃料電池12に、下流端を排気口17に接続したオフ燃料ガス路25を介して行われる。
【0051】
燃料電池12の発電で消費されなかった酸化剤ガスであるオフ酸化剤ガスの排出は、上流端を燃料電池12に、下流端を排気口17に接続したオフ酸化剤ガス路26を介して行われる。
【0052】
オフ燃料ガス及びオフ酸化剤ガスは、いずれも排気口17から排出経路19を通じて、建物200の外部へ排出される。
【0053】
空気供給器15は、筐体11内に建物200の外部から空気を導入し、筐体11内を換気する。その換気風量を調節できれば、どのような構成であってもよく、本実施の形態1では、換気ファン(モータファン)とした。換気ファン15による排気は、換気ファン15の下流端を排気口17に接続した換気経路30を介して行われる。
【0054】
換気ファン15の動作による換気は、供給経路18を通じ、給気口16から建物外部の
空気が筐体11内に導入され、さらに筐体11内の空気が換気ファン15から、換気経路30を介して、排気口17から排出経路19を通じて、建物200の外部に排出されることで行われる。
【0055】
排気口では、オフ燃料ガス、オフ酸化剤ガス、換気空気が集合し、建物200の外部へ排出される。
【0056】
温度検知器20は、供給経路18を通じ、給気口16から筐体11内に導入される空気の温度を検知する。本実施の形態1では、筐体11内に配置した。これにより、筐体内に導入された外気の温度を確実に検知することができる。なお、温度検知器20の配置はこれに限定されず、供給経路18、排出経路19に配置されてもよい。温度検知器20は、筐体11内に導入された空気の温度を検知するものであり、その形態は限定されない。温度検知器20は、例えば、サーミスタ、熱電対等で構成されてもよい。また、温度検知器20は、建物外部から筐体11内へ供給される空気の温度を検知するので、給気口16の近傍に配置されることが望ましい。
【0057】
制御器21は、空気供給器15を動作させた後に温度検知器20が検知する検知温度が第1所定温度以下の場合、空気供給器15の空気供給量を減少させ且つ引き続き動作させる。尚、本実施の形態において「引き続き動作をさせる」とは、空気供給器15を連続動作させることと、空気供給器15を間欠的に動作させることとの双方をも含む。
【0058】
制御器21は、燃料電池システム100を構成する各機器を制御する機器であれば、どのような形態であってもよい。制御器21は、マイクロプロセッサ、CPUなどに例示される演算処理部と、各制御動作を実行するためのプログラムを格納した、メモリ等から構成される記憶部を備えている。そして、制御器21は、演算処理部が、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、これらの情報を処理し、かつ、これらの制御を含む燃料電池システム100に関する各種制御を行う。
【0059】
なお、制御器21は、単独の制御器で構成される形態だけでなく、複数の制御器が協同して燃料電池システム100の制御を実行する制御器群で構成される形態であっても構わない。また、制御器21は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable logic controller)、論理回路等によって構成されてもよい。
【0060】
次に本実施の形態1に係る燃料電池システム100の動作について、
図1と
図2を参照しながら説明する。本実施の形態は、燃料電池システム100の動作に関わるものであり、特に燃料電池システム100を起動させる際の初期の動作に関するものである。
【0061】
図2は、本実施の形態1に係る燃料電池システム100の動作を模式的に示すフローチャートである。
【0062】
図2に示すように、制御器21は、燃料電池システム100に作動指令が入力されたか否かを確認する(ステップS101)。燃料電池システム100に作動指令が入力される例として、例えば、燃料電池システム100の使用者が、図示されていないリモコンを操作して、燃料電池システム100が作動するように操作した場合や、予め設定された作動開始時間になった場合等が挙げられる。
【0063】
燃料電池システム100は作動指令が入力されていない場合(ステップS101でNo)には、制御器21は、作動指令が入力されるまで、ステップS101を繰り返す。
【0064】
ステップS101で燃料電池システム100に作動指令が入力された場合(ステップS101でYes)には、ステップS102に進む。
【0065】
ステップS102で、制御器21は、空気供給器(換気ファン)15を第1の出力で動作を開始させ、ステップS103へ進む。ここで、まず換気ファン15を最初に作動させるのは、可燃ガスの供給を開始し、万が一、筐体11内で可燃ガスの漏れが発生した場合でも、可燃ガスを希釈して筐体11内から建物200の外部へ安全な状態で排出することを可能とするためである。
【0066】
ステップS103で、制御器21は、温度検知器20で、建物200の外部から導入される空気の温度検知を開始し、ステップS104へ進む。
【0067】
ステップS104で、制御器21は、換気ファン15の作動時間が、所定時間を経過したか否かを判別する。
【0068】
ステップS104で、換気ファン15の作動時間が、所定時間経過していない場合(ステップS104でNo)には、制御器21は、第1所定時間が経過するまで、ステップS104を繰り返す。
【0069】
ステップS104で、換気ファン15の作動時間が、所定時間を経過した場合(ステップS104でYes)には、ステップS105へ進む。ステップS104で示す第1所定時間は、換気ファン15の動作により、建物200外部の空気が供給経路18を通過し、筐体11内に到達するために要する時間であり、換気ファン15の風量や供給経路18の容量により決定する値である。これにより、システムの起動後に筐体内に導入された外気が熱交換により十分に温められるので、凍結抑制効果が高まる。ここで第1所定時間とは燃料電池システムの起動から温度検知器20の検知温度が一定になるまでに要する時間であって、予め、シミュレーションや実験等により定められてもよい。尚、本実施の形態1では、所定時間としたが、所定量としても構わない。
【0070】
ステップS105で、制御器21は、温度検知器20で検知した所定時間経過時の温度を記憶し、ステップS106へ進む。
【0071】
ステップS106で、制御器21は、ステップS105で記憶した検知温度と、制御器21が予め記憶していた第2所定温度の比較を行う。
【0072】
ステップS106で、制御器21は、検知温度が、第2所定温度より高い場合(ステップS106でNo)には、ステップS108に進み、換気ファン15を第1の出力で動作させる。
【0073】
ステップS106で、検知温度が、第2所定温度以下の場合(ステップS106でYes)には、ステップS107に進み、換気ファン15を第1の出力より小さい第2の出力に変更して動作させ、ステップS109へ進む。
【0074】
ステップS109で、制御器21は、温度検知器20で、筐体内の温度を検知する。
【0075】
ステップS110で、制御器21は、検知温度を記憶する。
【0076】
ステップS111で、制御器21は、記憶した検知温度と、制御器21が予め記憶していた第1所定温度との比較を行う。ステップS111で、検知温度が、第1所定温度より高い場合(ステップS111でNo)には、ステップS108に進み、換気ファン15を第1の出力で動作させ、起動を継続する。
【0077】
ステップS111で、検知温度が、第1所定温度以下の場合(ステップS111でYes)には、ステップS107にもどる。
【0078】
また、換気ファン15を第1の出力より小さい第2の出力に変更して動作させるとは、筐体11内が凍結しない空気供給量まで出力を減少させ且つ引き続き換気ファン15を動作させることである。第2の出力は、例えば、予め記憶した、第2所定温度と空気供給量の関係から設定した流量でもよい。
【0079】
以上のように、本実施の形態1で示した燃料電池システム100では、動作を開始する際、まず換気ファン15を第1の出力で第1所定時間作動させ、筐体11内に外気を到達させる。温度検知器20で検知した温度と第2所定温度とを比較し、第2所定温度以下である場合、換気ファン15を第1の出力より小さい第2の出力に変更して動作し、空気供給量を減少させ且つ引き続き換気ファン15を動作させる。これにより、筐体11内の冷却が抑制されるので、凍結を防止することができる。
【0080】
さらに、温度検知器20で筐体内温度を検知した検知温度と第1所定温度とを比較し、第1所定温度以上である場合、凍結が起きない条件と判断し、換気ファン15を第1の出力に戻し、動作を継続することができる。
【0081】
なお、本実施の形態1では、制御器21は、換気ファン15を所定時間運転させた後に温度検知器20が検知する温度が第1所定温度以下の場合に、換気ファン15の空気供給量を減少させた上で動作を継続させたが、これに限られるものではなく、制御器21は、換気ファン15を動作させて所定時間経過した後に、温度検知器20の検知温度が所定の温度幅内でかつ第1所定温度以下の場合に、換気ファン15の空気供給量を減少させた上で動作を継続させてもよい。これにより、システムの起動後、筐体内に導入された外気が熱交換により十分温められ且つ外気の温度が安定するので、凍結抑制効果が高まる。
【0082】
なお、本実施の形態1では、空気供給器として換気ファンを使用したが、換気ファンを必要としない燃料電池システムでは、空気供給器として、酸化剤ガス供給装置を空気供給器として用いてもよい。この場合、空気供給器である酸化剤ガス供給器が筐体外から外気を導入することができるので同等の効果が得られる。
【0083】
なお、本実施の形態1では、筐体内に温度検知器20を1つ備える形態としたが、これに限らず、屋外に温度検知器を備え、筐体内に導入する外気の温度である第1所定温度を検知し、さらに筐体内、供給経路、排出経路のうち少なくとも一つを備え、筐体内の温度である第2所定温度を検知するような温度検知器を2つもつ構成であってもよい。
【0084】
(変形例1)
本発明の実施の形態1の変形例に係る燃料電池システムの構成について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の実施の形態1の変形例に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
【0085】
図3に示すように、実施の形態1の変形例に係る燃料電池システム100は、原料ガスを改質して燃料電池12に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器31と、原料ガス、またはオフ燃料ガスを燃焼させる燃焼器32と、燃焼器32に空気を供給する燃焼空気供給器33とを備えている。
【0086】
燃料生成器31には、燃料ガス供給器13及び水供給器37が接続されていて、原料及び水蒸気が、それぞれ、燃料生成器31に供給される。原料としては、メタンを主成分とする天然ガス、LPガス等を用いることができる。
【0087】
燃料生成器31は、改質触媒を有している。改質触媒としては、例えば、原料と水蒸気から水素含有ガスを発生させる水蒸気改質反応が行えるどのような物質を触媒と使用してよく、アルミナ等の触媒担体にルテニウムを担持させたルテニウム系触媒や同様の触媒担体にニッケルを担持させたニッケル系触媒等を使用することができる。
【0088】
そして、燃料生成器31では、供給された原料と水蒸気の改質反応により、水素主成分とした燃料ガスが生成される。生成された燃料ガスは、燃料電池12へ供給される。
【0089】
燃焼器32は、原料あるいは、オフ燃料ガスを燃焼させ、その燃焼熱で燃料生成器31を加熱するよう構成されている。燃焼器32には、オフ燃料ガス路25が接続されており、オフ燃料ガス路25は、上流端を燃料電池12に、下流端を燃焼器32に接続されている。また、燃焼器32は、換気ファン15(空気供給器)より空気供給の出力が小さい燃焼空気供給器33が燃焼空気路35を介して連通している。燃焼空気路35は、上流端を燃焼空気供給器33に、下流端を燃焼器32に接続されている。
【0090】
燃焼空気供給器33は、燃焼器32へ燃焼用の空気を供給するものであれば、どのような構成であってもよく、例えば、ファンやブロワ等のファン類やダイアフラム式のポンプなどで構成されていてもよい。本変形例1では、燃焼空気供給器33としてモータファンである燃焼ファンを用いた。
【0091】
さらに燃焼器32は、燃焼排ガスを流す燃焼排ガス路34が接続されている。燃焼排ガス路34は、上流端を燃焼器32、下流端を排気口17に接続されている。燃焼排ガス路34には、熱交換器(図示せず)が配置され、排熱回収経路(図示せず)を通じて、燃焼排ガスの熱を回収する構成となっている。
【0092】
次に本変形例1の動作について
図3と
図4を参照しながら説明する。
【0093】
図4は、本変形例1に係る燃料電池システム100の動作を模式的に示すフローチャートである。
【0094】
図4に示すステップS101’からステップS105’までの内容は、実施の形態1の
図2におけるステップS101からステップS105までと同様であるので説明を省略し、ステップS106’からの動作について説明する。
【0095】
ステップS106’で、制御器21は、ステップS105’で記憶した検知温度と、制御器21が予め記憶していた第2所定温度との比較を行う。
【0096】
ステップS106’で、制御器21は、記憶した検知温度が、第2所定温度より高い場合(ステップS106’でNo)には、ステップS108’に進み、空気供給器である換気ファン15を第1の出力で動作させ、燃焼空気供給器33を動作させ、起動を継続する。
【0097】
ステップS106’で、制御器21は、検知温度が、第2所定温度以下の場合(ステップS106’でYes)には、ステップS107’に進み、換気ファン15を停止し、換気ファン15より出力の小さい燃焼空気供給器33を動作させ、次のステップへ進む。
【0098】
ステップS109’で、制御器21は、温度検知器20で、筐体内の温度を検知する。
【0099】
ステップS110’で、制御器21は、検知温度を記憶する。
【0100】
ステップS111’で、制御器21は、記憶した検知温度と、制御器21が予め記憶していた第1所定温度との比較を行う。ステップS111’で、測定温度が、第1所定温度より高い場合(ステップS111’でNo)には、ステップS108に進み、換気ファン15を第1の出力で動作させ、かつ、燃焼空気供給器33を動作させ、起動を継続する。
【0101】
ステップS111’で、測定温度が、第1所定温度以下の場合(ステップS111’でYes)には、ステップS107’にもどる。
【0102】
以上のように、実施の形態1の変形例で示した燃料電池システム100では、作動を開始する際、まず換気ファン15を第1所定時間作動させ、筐体11内に外気を到達させ、温度検知器20で検知した温度と第2所定温度とを比較し、第2所定温度以下である場合、換気ファン15を停止し、換気ファン15より出力が小さい燃焼空気供給器33を動作させ、筐体11内に供給する空気量を低減することで、筐体11内の冷却を抑制し凍結を防止することができる。
【0103】
本変形例では、導入された外気の温度が更に低い場合には、燃焼空気供給器33を動作させて燃焼器32の燃焼を実行させるので、燃焼排ガスにより、排出経路19と供給経路18との熱交換を介して、筐体11内に導入される外気が暖められる。一方、換気ファン15は筐体11内の空気を排出するだけなので、換気ファン15により排出経路19から排出される空気の温度は低い。したがって、燃焼空気供給器33による燃焼排ガスの方が、換気ファン15による排気よりも、燃料電池システム100の凍結抑制効果が高い。この効果は、換気ファンの風量が燃焼空気供給器の風量よりも大きい場合に特に顕著であるので、本変形例のように、換気ファン15の風量が燃焼空気供給器33の風量よりも大きくなるような構成が望ましい。
【0104】
図5は、本実施の形態の変形例に係る燃料電池システム100における筐体内の検知温度Tの時間変化を模式的に示したグラフである。
図5に示すように、システムの起動直後は、換気ファン15により、冷たい外気が筐体11内に導入されるため、筐体内の温度は低下するが、第1所定時間t
1経過後、更に温度が第2所定温度T
2より低い場合には換気ファン15を停止させ、燃焼空気供給器33を動作させる。t
1以降は燃焼器32からの燃焼排ガスが排出経路19から排出され、筐体内の温度は上昇する。その後温度が第1所定温度T
1以上になると換気ファン15の動作を再開させる(時刻t
2)。
【0105】
(実施の形態2)
まず、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの構成について説明する。
【0106】
本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの構成について
図6を用いて説明する。実施の形態2に係る燃料電池システムは、燃料電池12を冷却する冷却水経路29、第1水循環器28と、冷却水タンク27が配置されている。燃料電池システム100は、その動作(発電)中には、第1水循環器28を動作させ、燃料電池12で発生した熱を熱媒体(水)で回収するよう構成されている。第1水循環器28は、冷却水を、その流量を調整しながら循環することができれば、どのような構成であってもよく、例えば、回転式ポンプやシリンダ式ポンプなどのポンプ類で構成されてもよい。
【0107】
また、オフ燃料ガス路25に、第1熱交換器41が配置され、オフ酸化剤ガス路26には、第2熱交換器42が配置されている。第1熱交換器41及び第2熱交換器42には、排熱回収経路43が通じている。排熱回収経路43には、温水を貯めるタンクから低温水が流れこみ、第1熱交換器41および第2熱交換器42を介してオフ燃料ガスとオフ酸化剤ガスから熱を回収し、温水となってタンクへ戻る。タンク内に貯められた温水は、給湯やお風呂、暖房などに利用される。
【0108】
また、
図6では示していないが、熱交換器を冷却水経路29の中に備え、排熱回収経路43を通じる構成としてもよい。
【0109】
燃料電池システム100は、その動作(起動、発電)中には、第2水循環器44を動作させ、オフ燃料ガスの熱及びオフ酸化剤ガスの熱を熱媒体(水)で回収するよう構成されている。第2水循環器44は、熱回収する水を循環することができれば、どのような構成であってもよく、例えば、回転式ポンプやシリンダ式ポンプなどのポンプ類で構成されてもよい。
【0110】
上記以外の構成は、実施の形態1と同等であるので詳細な説明は省略する。
【0111】
次に本実施の形態2の動作について
図7を参照しながら説明する。
【0112】
図7は、本実施の形態2に係る燃料電池システム100の動作を模式的に示すフローチャートである。
【0113】
図7に示すステップS201からステップS205までの内容は、実施の形態1のステップS101からステップS105までと同様であるので説明を省略し、ステップS206からの動作について説明する。
【0114】
ステップS206で、測定温度が、第4所定温度より高い場合(ステップS206でNo)には、ステップS208に進み、第1水循環器28と第2水循環器44を第3の出力で動作させ、次のステップに進み起動を継続する。
【0115】
ステップS206で、制御器21は、検知温度が、第4所定温度以下の場合(ステップS206でYes)には、ステップS207に進み、第1水循環器28と第2水循環器44の両方の水循環器を第4の出力で動作させ、次のステップS209へ進む。
【0116】
ステップS209で、制御器21は、温度検知器20で、筐体内の温度を検知する。
【0117】
ステップS210で、制御器21は、検知温度を記憶する。
【0118】
ステップS211で、制御器21は、記憶した検知温度と、制御器21が予め記憶していた第3所定温度との比較を行う。ステップS211で、検知温度が、第3所定温度より高い場合(ステップS211でNo)には、ステップS208に進み、第1水循環器28と第2水循環器44を第3の出力で動作させ、次のステップに進み起動を継続する。
【0119】
ステップ211で、検知温度が、第3所定温度以下の場合(ステップS211でYes)には、ステップS207にもどる。
【0120】
ここで、水循環器の第3の出力とは、水循環器の停止状態あるいは、燃料電池システムの通常時の水循環量を得る出力であり、第4の出力とは、過渡的な凍結を回避するための水循環量を得るための水循環器の出力である。
【0121】
以上のように、本実施の形態2で示した燃料電池システム100では、作動を開始する際、まず換気ファン15を作動させ、筐体11内に外気を到達させ、温度検知器20で検知した温度と第4所定温度とを比較し、第4所定温度以下である場合、第1水循環器28と第2水循環器44を第4の出力で動作させ、冷却水経路29と排熱回収経路43に水を通流させることで、換気ファン15の風量調整では凍結を回避できないような温度において、水循環器を動作させることで水経路の凍結を防止することができる。
【0122】
なお、本実施の形態2では、燃料電池システムは、冷却水経路及び熱回収経路の両方を備えた構成としたが、冷却水経路あるいは、熱回収経路のみで構成される燃料電池システムでもよい。
【0123】
また、本実施の形態2では、ステップS207で、第1水循環器28と第2水循環器44とを同時に動作をさせたがこれに限らず、第1水循環器と第2水循環器のうちいずれか一方を動作させてもよい。
【0124】
また、第3の出力は、第1水循環器28と第2水循環器44はそれぞれ固有の出力としてもよい。
【0125】
さらに、第3の出力は、温度検知器20で検知した温度によって、その出力を変化させてもよい。
【0126】
(実施の形態3)
次に本実施の形態3について
図8と
図9を参照しながら説明する。
【0127】
図8は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
【0128】
図8に示すように、実施の形態3に係る燃料電池システムは、加熱器22を備えている。加熱器22は、筐体11内を暖めるヒータであり、その形態は限定されない。例えば、セラミックヒータ、シーズヒータ、ラバーヒータ等で構成されてもよい。加熱器22以外の構成は、実施の形態1と同等であるので詳細な説明は省略する。
【0129】
図9は、本実施の形態3に係る燃料電池システム100の動作を模式的に示すフローチャートである。
【0130】
図9に示すステップS301からステップS305までの内容は、実施の形態1のステップS101からステップS105までと同様であるので説明を省略し、ステップS306からの動作について説明する。
【0131】
ステップS306で、検知温度が、第6所定温度より高い場合(ステップS306でNo)には、ステップS308に進み、加熱器22を第5の出力(停止状態(OFF))で動作し、次のステップに進み起動を継続する。
【0132】
ステップS306で、制御器21は、検知温度が、第6所定温度以下の場合(ステップS306でYes)には、ステップS307に進み、加熱器22を第6の出力(起動状態(ON))で動作させ、次のステップS309へ進む。
【0133】
ステップS309で、制御器21は、温度検知器20で、筐体内の温度を検知する。
【0134】
ステップS310で、制御器21は、検知温度を記憶する。
【0135】
ステップS311で、制御器21は、記憶した検知温度と、制御器21が予め記憶していた第5所定温度との比較を行う。ステップS311で、検知温度が、第5所定温度より高い場合(ステップS111’でNo)には、ステップS308に進み、加熱器22を第5の出力(停止状態(OFF))で動作し、次のステップに進み起動を継続する。
【0136】
ステップ211で、検知温度が、第5所定温度以下の場合(ステップS311でYes)には、ステップS307にもどる。
【0137】
以上のように、本実施の形態3で示した燃料電池システム100では、作動を開始する際、まず換気ファン15を作動させ、筐体11内に外気を到達させ、温度検知器20で検知した温度と第6所定温度とを比較し、第6所定温度以下である場合、加熱器22を第6の出力で動作させ、筐体11内を暖めることで、筐体11内の凍結を防止することができる。
【0138】
なお、本実施の形態3では、加熱器22の第6の出力を起動状態(ON)としたが、温度検知器20で検知される温度によって、加熱器22の出力を変化してもかまわない。
【0139】
(実施の形態4)
まず、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの構成について説明する。
実施の形態4に係る燃料電池システムは、その構成は実施の形態1で示される
図1と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0140】
次に本実施の形態4の動作について
図1と
図10を参照しながら説明する。
【0141】
図10は、本実施の形態4に係る燃料電池システム100の動作を模式的に示すフローチャートである。
【0142】
図10に示すステップS401からステップS405までの内容は、実施の形態1の
図2におけるステップS101からステップS105までと同様であるので説明を省略し、ステップS406からの動作について説明する。
【0143】
ステップS406では、ステップS405で記憶した検知温度と、第4所定温度の比較を行う。
【0144】
ステップS406で、検知温度が、第4所定温度以下の場合(ステップS406でYes)には、ステップS407へ進み、燃料電池システムの動作を禁止する。
【0145】
ここで、第4所定温度とは、筐体11内で凍結が発生する可能性が高い温度として−20℃以下とした。ただし、第4所定温度はこれに限定されない。
【0146】
ステップS406で、制御器21は、検知温度が、第4所定温度より高い場合(ステップS406でNo)には、ステップS408に進み、空気供給器を第1の出力で動作を継続し、ステップS409へ進む。
【0147】
ステップS409で、制御器21は、ステップS405で記憶した検知温度と、予め記憶していた第1所定温度の比較を行う。
【0148】
ステップS409で、制御器21は、検知温度が、第1所定温度より高い場合(ステップS409でNo)には、ステップS411に進み、換気ファン15を第1の出力で継続動作させ、次のステップである起動動作の継続へと進む。
【0149】
ステップS409で、制御器21は、検知温度が、第1所定温度以下の場合(ステップS409でYes)には、ステップS410に進み、換気ファン15を第2の出力で動作させ、次のステップである起動動作の継続へと進む。
【0150】
以上のように、本実施の形態4で示した燃料電池システム100では、動作を開始する際、まず空気供給器15を作動させ、筐体11内に外気を到達させ、温度検知器20で検知した温度と第4所定温度とを比較し、凍結回避が困難な温度である第4所定温度以下である場合、燃料電池システムは動作を禁止し、外気を筐体内に取り込まない状態とすることで凍結を回避することが可能となる。
【0151】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムについて説明する。
【0152】
図11は、本実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図11に示すように、実施の形態5に係る燃料電池システムは、空気供給器15、加熱器22、第1水循環器28、第2水循環器44を備えている。
【0153】
次に本実施の形態5の動作について
図11と
図12を参照しながら説明する。
【0154】
図12は、本実施の形態5に係る燃料電池システム100の動作を模式的に示すフローチャートである。
【0155】
図12に示すように、制御器21は、燃料電池システム100に作動指令が入力されたか否かを確認する(ステップS501)。
【0156】
燃料電池システム100は作動指令が入力されていない場合(ステップS501でNo)には、制御器21は、作動指令が入力されるまで、ステップS501を繰り返す。
【0157】
ステップS501で燃料電池システム100に作動指令が入力された場合(ステップS501でYes)には、ステップS502に進む。
【0158】
ステップS502で、制御器21は、換気ファン15を第1の出力で動作を開始させ、ステップS503へ進む。
【0159】
ステップS503で、制御器21は、温度検知器20で、建物200の外部から導入される空気の温度検知を開始し、ステップS504へ進む。
【0160】
ステップS504で、制御器21は、換気ファン15の作動時間が、所定時間を経過したか否かを判別する。
【0161】
ステップS504で、換気ファン15の作動時間が、所定時間経過していない場合(ステップS504でNo)には、制御器21は、第1所定時間が経過するまで、ステップS504を繰り返す。
【0162】
ステップS504で、換気ファン15の作動時間が、所定時間を経過した場合(ステップS504でYes)には、ステップS505へ進む。
【0163】
ステップS505で、制御器21は、温度検知器20で検知した所定時間経過時の温度を記憶し、ステップS506へ進む。
【0164】
ステップS506で、制御器21は、ステップS505で記憶した検知温度と、制御器21が予め記憶していた第2所定温度の比較を行う。
【0165】
ステップS506で、制御器21は、検知温度が、第2所定温度より高い場合(ステップS506でNo)には、ステップS508に進み、換気ファン15を第1の出力で動作を継続させ、起動を継続する。
【0166】
ステップS506で、制御器21は、検知温度が、第2所定温度以下の場合(ステップS506でYes)には、ステップS507に進み、換気ファン15を第2の出力に変更し、ステップS509へ進む。
【0167】
ステップS509では、ステップS505で記憶した検知温度と、第4所定温度の比較を行う。
【0168】
ステップS509で、検知温度が、第4所定温度以下の場合(ステップS509でYes)には、ステップS510へ進み、第1水循環器28、第2水循環器44を第4の出力で動作させ、ステップS512へ進む。
【0169】
ステップS509で、検知温度が、第4所定温度以上の場合(ステップS509でNo)には、ステップS511へ進み、第1水循環器28、第2水循環器44を第3の出力で動作させ、起動を継続する。
【0170】
ステップS512では、ステップS505で記憶した検知温度と、第6所定温度の比較を行う。
【0171】
ステップS512で、検知温度が、第6所定温度以下の場合(ステップS512でYes)には、ステップS513へ進み、加熱器を第6の出力(起動)で動作させ、起動を継続する。
【0172】
ステップS512で、検知温度が、第6所定温度以上の場合(ステップS512でNo)には、ステップS511へ進み、加熱器を第5の出力(停止)で動作させ、起動を継続する。
【0173】
本実施の形態5の第1所定温度、第2所定温度、第3所定温度の関係は、第1所定温度>第2所定温度>第3所定温度とした。つまり、第1所定温度は第2所定温度より大きく、第2所定温度は第3所定温度より高くなるように設定した。
【0174】
第3所定温度は、加熱による凍結回避を開始する温度として0℃、第2所定温度は、水循環による凍結回避を開始する温度として3℃、第1所定温度は空気風量の低下で凍結回避を回避する温度として5℃としてもよい。
【0175】
以上のように、本実施の形態5で示した燃料電池システム100では、動作を開始する際、まず空気供給器15を作動させ、筐体11内に外気を到達させ、温度検知器20で検知した温度により、凍結回避に必要な補機動作を選択することができ、本実施の形態1から5に記載した効果に加え、凍結回避動作を検知温度のレベルによって区別することで補機のエネルギー消費を制御することができるといった効果をさらに得ることができる。
【0176】
なお、本実施の形態1から5において、燃料電池システムの起動時について説明をしたがこれに限らず、起動中に検知温度が、第1所定温度、第3所定温度、第5所定温度を継続したとき、運転を起動から発電に移行し、発電開始後に筐体内温度が上昇し、第2温度、第4温度、第6温度を計測した場合も含める。