【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
水中油型乳化化粧料を調製し、粉体の分散安定性、乳化安定性、のびのなめらかさ、べたつき感のなさを評価した。実施例及び比較例の配合組成と評価結果を下記表1〜5に示す。配合量については重量%で示す。
【0025】
本実施例において評価した、粉体の分散安定性、乳化安定性、のびのなめらかさ、べたつき感のなさの評価基準については以下の通りである。
(1)粉体の分散安定性の評価基準
組成物をアクリル製の黒板上に伸ばし、状態を観察し凝集の度合いを評価した。粉体が凝集している場合は、凝集物が観察される。
◎:凝集物が認められない
○:凝集物がほとんど認められない
△:凝集物が若干認められる
×:凝集物が多数認められる
【0026】
(2)乳化安定性の評価基準
組成物の乳化安定性を顕微鏡(倍率15×40)にて評価した。
◎:顕微鏡で乳化粒子の合一が認められない
○:顕微鏡で乳化粒子の合一がほとんど認められない
△:顕微鏡で乳化粒子の合一が若干認められる
×:顕微鏡で乳化粒子の合一が認められる
【0027】
(3)のびのなめらかさの評価基準
専門パネラー10名によって、被試験料を顔部に手で塗布し、その時ののびのなめらかさを以下の基準で評価した。
◎:パネラー8名以上が、のびがなめらかだと認めた
○:パネラー6名以上8名未満が、のびがなめらかだと認めた
△:パネラー3名以上6名未満が、のびがなめらかだと認めた
×:パネラー3名未満が、のびがなめらかだと認めた
【0028】
(4)べたつき感の評価基準
専門パネラー10名によって、被試験料を顔部に手で塗布し、その時のべたつき感を以下の基準で評価した。
◎:パネラー8名以上が、使用後べたつき感がないと認めた
○:パネラー6名以上8名未満が、使用後べたつき感がないと認めた
△:パネラー3名以上6名未満が、使用後べたつき感がないと認めた
×:パネラー3名未満が、使用後べたつき感がないと認めた
【0029】
(実施例1の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分8を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜14、16〜18をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分10を成分1〜8に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜8、10に成分11〜14、16〜18を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
(実施例2の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分8を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜14、16〜18をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分10を成分1〜8に加える。
4.3の操作後1分後に、成分1〜8、10に成分11〜14、16〜18を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
(比較例1の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分8を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜14、16〜18をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分1〜8に成分11〜14、16〜18を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
(比較例2の製造方法)
1.成分1〜7に10を添加して70℃に加熱し、成分8を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜14、16〜18をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分1〜8、10に成分11〜14、16〜18を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
(比較例3の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分8を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜14、16〜18をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分10を成分1〜8に加える。
4.3の操作後10分後に、成分1〜8、10に成分11〜14、16〜18を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
(比較例4の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分8、9を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜13、16〜18をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分10を成分1〜9に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜10に成分11〜13、16〜18を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
(比較例5の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、ディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜18をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分10を成分1〜7に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜7、10に成分11〜18を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示した結果より、本発明の水中油型乳化物は、粉体分散安定性、乳化安定性、のびのなめらかさ及びべたつき感のなさともに良好であった。一方、成分(A)を配合していない比較例1は、粉体の凝集と乳化粒子の合一が確認された。また、成分(A)を最初にあるいは乳化10分前に油相に添加した比較例2、3は、粉体の凝集が確認された。平均粒子径の異なる粉体を油相あるいは水相に一緒に配合した比較例4、5は、粉体の凝集が確認された。
【0032】
(実施例3〜7の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分8を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分10〜16をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分9を成分1〜8に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜9に成分10〜16を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
【0033】
【表2】
【0034】
表2に示した結果より、各実施例はどれも良かったが、成分(A)の配合量が0.01重量%〜1.0重量%の範囲が良かった。さらに、成分(A)の配合量が0.1重量%〜1.0重量%の範囲が非常に良かった。
【0035】
(実施例8の製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分9を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分11〜17をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分10を成分1〜7、9に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜7、9、10に成分11〜17を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
【0036】
【表3】
【0037】
表3に示した結果より、各実施例はどれも良かったが、内油相に含有する粉体の平均一次粒子径が100nm以下が非常に良かった。
【0038】
(実施例9〜14の製造方法)
1.成分1〜6を70℃に加熱し、成分7を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分9〜15をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分8を成分1〜7に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜8に成分9〜15を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
【0039】
【表4】
【0040】
表4に示した結果より、各実施例はどれも良かったが、成分(B)の配合量が0.1〜15.0重量%の範囲が良かった。さらに、成分(B)の配合量が1.0〜10.0重量%の範囲が非常に良かった。
【0041】
(実施例15〜20の製造方法)
1.成分1〜6を70℃に加熱し、成分7を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分9〜15をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分8を成分1〜7に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜8に成分9〜15を添加して乳化し、室温まで撹拌冷却する。
【0042】
【表5】
【0043】
表5に示した結果より、各実施例はどれも良かったが、成分(C)の配合量が0.1〜15.0重量%の範囲が良かった。さらに、成分(C)の配合量が1.0〜10.0重量%の範囲が非常に良かった。
【0044】
*1:SA−TTO−S−4(10%)(三好化成社製、平均粒子径短軸0.015μm、長軸0.075μm)
*2:酸化チタン AS−63D(東色ピグメント社製、平均粒子径0.25μm)
*3:ステアロイル乳酸ナトリウム(武蔵野化学社製)
*4:タイペークCR−50(石原産業社製、平均粒子径0.25μm)
*5:TTO−S−4(10%)(石原産業社製、平均粒子径短軸0.015μm、長軸0.075μm)
【0045】
以下に、本発明のかかる水中油型乳化組成物のその他の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
実施例21 サンスクリーンクリーム
配合成分 配合量(重量%)
(1) スクワラン 15
(2) トリエチルヘキサノイン 3
(3) ジメチルポリシロキサン 2
(4) ペンタステアリン酸デカグリセリル 2
(5) ベヘニルアルコール 2.5
(6) パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 2
(7) シリコーン処理微粒子酸化チタン(*1) 9
(8) ステアロイル乳酸カルシウム(*6) 0.7
(9) カラギーナン 1
(10)キサンタンガム 0.3
(11)酸化チタン(*4) 5
(12)プロピレングリコール 7
(13)パラオキシ安息香酸エステル 0.3
(14)精製水 残余
(15)香料 0.2
合計 100
*6:ベルフ(武蔵野工業社製)
【0047】
(製造方法)
1.成分1〜6を70℃に加熱し、成分7を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分9〜14をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分8を成分1〜7に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜8に成分9〜14を添加して乳化する。
5.50℃まで冷却し、成分15を添加し、室温まで撹拌冷却する。
【0048】
実施例22 サンスクリーン乳液
配合成分 配合量(重量%)
(1) スクワラン 7
(2) トリエチルヘキサノイン 2
(3) ペンタステアリン酸デカグリセリル 1
(4) パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 1
(5) シリコーン処理微粒子酸化亜鉛(*7) 7
(6) イソステアロイル乳酸ナトリウム(*8) 0.3
(7) キサンタンガム 0.5
(8) 酸化チタン(*4) 3
(9) 1,3−ブチレングリコール 7
(10)グリセリン 3
(11)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(12)精製水 残余
(13)香料 0.1
合計 100
*7:SI−UFZO−310 LHC(6%)(三好化成社製、平均粒子径0.025μm)
*8:リソラクト DIS(高級アルコール工業社製)
【0049】
(製造方法)
1.成分1〜4を70℃に加熱し、成分5を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分7〜12をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分6を成分1〜5に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜6に成分7〜12を添加して乳化する。
5.50℃まで冷却し、成分13を添加し、室温まで撹拌冷却する。
【0050】
実施例23 水中油型乳化ファンデーション
配合成分 配合量(重量%)
(1) スクワラン 4
(2) デカメチルシクロペンタシロキサン 10
(3) メチルフェニルポリシロキサン 5
(4) ステアリン酸 3
(5) ベヘニルアルコール 1
(6) セタノール 0.5
(7) ステアリン酸グリセリル 1
(8) シリコーン処理微粒子酸化チタン(*1) 10
(9) ステアロイル乳酸ナトリウム(*3) 0.6
(10)キサンタンガム 0.1
(11)タルク(*9) 4
(12)黄酸化鉄(*10) 1.7
(13)黒酸化鉄(*11) 0.3
(14)ベンガラ(*12) 0.8
(15)酸化チタン(*4) 3
(16)1,2−ペンタンジオール 0.5
(17)グリセリン 4
(18)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(19)精製水 残余
(20)香料 0.05
合計 100
*9:JA−68R(浅田製粉社製)
*10:TAROX 合成酸化鉄 LL−100(チタン工業社製)
*11:TAROX 合成酸化鉄 BL−100(チタン工業社製)
*12:TAROX 合成酸化鉄 R−516−L(チタン工業社製)
【0051】
(製造方法)
1.成分1〜7を70℃に加熱し、成分8を加えてディスパーにて均一に分散し、70℃に保温する。
2.成分10〜19をディスパーにて均一に混合し、70℃に加熱する。
3.成分9を成分1〜8に加える。
4.3の操作後5分後に、成分1〜9に成分10〜19を添加して乳化する。
5.50℃まで冷却し、成分20を添加し、室温まで撹拌冷却する。
【0052】
実施例21〜23はいずれも、優れた粉体分散安定性及び良好な感触を有するものであった。