(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物品(W)を検査する検査装置(7)の後段に設けられ、前記検査装置から送られてきた前記物品を所定の搬送方向(Y)に搬送するための搬送路(3,13,23)を形成する搬送コンベア(2,12,22)と、基端部(4a)に設けられた回動軸(5)を中心に先端部(4b)が前記搬送路を横切るように動作し、前記物品を該物品と対向する選別面(6)に沿わせて移動させながら前記搬送方向と異なる方向に排出する選別アーム(4)とを備え、前記検査装置による検査結果に基づいて、前記物品を、良品として前記搬送方向に搬送するか又は不良品として前記搬送方向と異なる方向に排出することにより選別する選別装置(1,11,21)において、
前記搬送路のうち、前記選別アームの可動範囲の前段を第一領域搬送路(3a,13a,23a)とするとともに該選別アームの可動範囲を第二領域搬送路(3b,13b,23b)とし、前記搬送コンベアにおいて、前記物品が良品、不良品の順に送られてきたときに、前記第二領域搬送路における該良品の搬送速度が前記第一領域搬送路における該不良品の搬送速度より速くなるように該良品の搬送速度を前記第二領域搬送路にて加速する制御を行うことを特徴とする選別装置。
前記搬送コンベア(2)は、前記第一領域搬送路(3a)を形成する第一の搬送コンベア(2a)と、前記第二領域搬送路(3b)を形成する第二の搬送コンベア(2b)とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の選別装置。
前記搬送コンベア(12,22)は、前記第二領域搬送路(13b,23b)にて良品の前記物品(W)の搬送速度が加速するように該良品にエアーを吹き付けるエアー吹出口(14,24)を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の選別装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の各実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
本発明による選別装置は、商品の製造ラインの一部を構成している。製造ラインでは、例えば包装装置で袋詰め又は箱詰めされた物品を所定の間隔をあけて搬送しながら検査装置にて物品の重量や異物混入の有無などを検査し、この検査結果に基づいて物品を良品又は不良品に判別した判別信号を出力する。選別装置は、この判別信号を受けて物品を選別する装置である。
【0022】
「第一の実施の形態」
まず、
図1〜3を参照して本発明の第一の実施の形態を説明する。
図1に示すように、選別装置1は、搬送コンベア2(2a,2b)と、選別アーム4,4とを備えている。
【0023】
搬送コンベア2は、第一の搬送コンベア2aと、第二の搬送コンベア2bとからなる。第一及び第二の搬送コンベア2a,2bには共にベルトコンベアを採用している。第一の搬送コンベア2aは、物品Wの搬送方向Yに並んだ図示しない一対のローラの間に搬送ベルト3(3a)が掛け回されてなる。一対のローラのうち、一方は駆動ローラに設定され、他方は従動ローラに設定されている。なお、駆動ローラは、図示しないモータなどの駆動源に接続されており、駆動源から駆動力を受けると所定方向に回転する。搬送ベルト3aは、駆動ローラの回転によって所定方向に循環する。搬送ベルト3aの循環方向が物品Wの搬送方向Yとなる。また、搬送ベルト3aは、第一の搬送コンベア2aにおける物品Wの搬送路を形成する。
【0024】
第二の搬送コンベア2bは、第一の搬送コンベア2aと同様に、物品Wの搬送方向Yに並んだ図示しない一対のローラの間に搬送ベルト3(3b)が掛け回されてなる。一対のローラのうち、一方は駆動ローラに設定され、他方は従動ローラに設定されている。なお、駆動ローラは、図示しないモータなどの駆動源に接続されており、駆動源から駆動力を受けると所定方向に回転する。搬送ベルト3bは、駆動ローラの回転によって所定方向に循環する。搬送ベルト3bの循環方向が物品Wの搬送方向Yとなる。また、搬送ベルト3bは、第二の搬送コンベア2bにおける物品Wの搬送路を形成する。
【0025】
選別アーム4,4は、搬送路3a,3bの両側部に設けられている。選別アーム4は、基端部4aが物品Wの搬出側に位置するとともに先端部4bが物品Wの搬入側に位置し、その長手方向が搬送方向Yに沿って配設されている。選別アーム4は、基端部4aに設けられた回動軸5に回動可能に軸支されている。また、選別アーム4は、回動軸5を中心に先端部4bが第一の搬送コンベア2aの搬送路3aを横切るように動作する。さらに、選別アーム4は、搬送されてきた物品Wと対向する面を選別面6とし、選別面6に物品Wを沿わせて移動させながら搬送方向Yと異なる方向に物品Wを排出する。
【0026】
また、上述した搬送路3(3a,3b)のうち、第一の搬送コンベア2aの搬送路3aは、選別アーム4の可動範囲の前段の領域となり、第一領域搬送路として設定されている。第二の搬送コンベア2bの搬送路3bは、選別アーム4の可動範囲の領域となり、第二領域搬送路として設定されている。なお、第一、第二の搬送コンベア2a,2bの速度制御は、これらに付与する駆動力、つまり、各駆動ローラに接続された駆動源からの駆動力を制御して行う。駆動源の駆動力の制御は図示しない制御部が行う。また、第一領域は加減速領域である。したがって、第一領域搬送路3aにおいては物品Wの搬送速度を加減速する。さらに、第二領域は加速領域である。したがって、第二領域搬送路3bにおいては物品Wの搬送速度を加速する。なお、選別装置1の物品搬送速度は、選別装置1の前段に設置されている検査装置7の物品搬送速度よりも低速にならないように設定されている。ここで、選別装置1の物品Wの標準搬送速度をV
0 、第一領域搬送路3aにおける加速した物品搬送速度をV
1 、第一領域搬送路3aにおける減速した物品搬送速度をV
-1、第二領域搬送路3bにおける加速した物品搬送速度をV
2 とすると、これらの関係は、V
-1<V
0 <V
1 ≦V
2 となる。ただし、上述したように、選別装置1の物品搬送速度は前段の検査装置7よりも低速にならないことから、検査装置7の物品搬送速度をV
CWとすると、第一領域搬送路3aにおける減速した物品搬送速度V
-1は、検査装置7の物品搬送速度V
CWと同一速度に設定されている(V
-1=V
CW)。したがって、物品搬送速度の関係は、V
CW<V
0 <V
1 ≦V
2 となる。
【0027】
図1に示すように、選別装置1の前段には、この例では検査装置として重量測定装置(秤量コンベア)7が設置されている。秤量コンベア7は、前段の助走コンベア8から搬送されてきた物品Wの重量を測定し、その測定結果(重量)が所定範囲内にあるときは図示しない判別部から良品としての判別信号を出力し、重量が所定範囲よりも軽量であるときは軽量の不良品としての判別信号を出力するとともに選別指示信号を出力し、重量が所定範囲よりも過量であるときは過量の不良品としての判別信号を出力するとともに選別指示信号を出力する。
【0028】
秤量コンベア7の判別部から各判別信号が出力されると、選別装置1はこの判別信号を受けて、物品Wが良品の場合には選別アーム4,4が搬送方向Yに沿った基本姿勢から動作せず、第一及び第二の搬送コンベア2a,2bは良品W
OKを搬送方向Yに搬送し、物品Wが軽量の不良品の場合には一方の選別アーム4が軽量不良品W
NGの搬送を遮る姿勢(選別姿勢)となるように動作してこの不良品W
NGを搬送方向Yと異なる方向に排出し、物品Wが過量の不良品の場合には他方の選別アーム4が過量不良品W
NGの搬送を遮る姿勢(選別姿勢)となるように動作してこの不良品W
NGを搬送方向Yと異なる方向であり、且つ軽量不良品W
NGの排出方向とは反対の方向に排出する。なお、秤量コンベア7の搬入側には、物品Wの搬入を検知する検知手段として投受光センサ9,9が設けられている。
【0029】
図1に示すように、選別装置1では、秤量コンベア7から良品、不良品の順に物品Wが送られてきたときに、それまでは所定の間隔d
0 をあけて、例えば20m/min程度の物品搬送速度V
0 だったものが、良品W
OKが第一領域搬送路に搬入されると、良品W
OKの搬送速度V
1 は30m/min程度に加速する。次いで、良品W
OKが第二領域搬送路に搬入されると、良品W
OKの搬送速度V
2 は40m/min程度に更に加速する。この結果、後続する不良品W
NGとの間隔d
1 が広がることになる(d
0 <d
1 )。
【0030】
また、選別装置1では、秤量コンベア7から不良品、良品の順に物品Wが送られてきたときに、それまでは所定の間隔d
0 をあけて、例えば20m/min程度の物品搬送速度V
0 だったものが、良品W
OKが第一領域搬送路に搬入されると、良品W
OKの搬送速度V
CWは10m/min程度に減速する。また、良品W
OKに先行している不良品W
NGが第二領域搬送路3bに搬入されると、不良品W
NGの搬送速度V
2 は40m/min程度に加速する。これにより、不良品W
NGを速やかに排出するとともに、選別アーム4は、選別姿勢から基本姿勢に復帰する動作を余裕をもって行うようになる。
【0031】
ここから、
図2,3を参照して、物品Wが良品、不良品、良品の順に送られてきたときのいくつかの状態における各部の動作及びそのタイミングを説明する。
【0032】
物品Wが所定の間隔d
0 (
図1参照)をあけて搬送されていると、
図3に示すように、第一、第二の搬送コンベア2a,2bは共に物品搬送速度V
0 となる速度を継続しており、秤量コンベア7の判別部から良品としての判別信号が出力され、良品としての判別信号を受けて、第一の搬送コンベア2aは物品搬送速度V
1 となるように速度上昇を開始する。このとき、
図2(a)に示すように、良品W
OKは第一領域搬送路3aに搬入されて加速する。なお、
図3中のT
1 ,T
2 ,T
3 は、秤量コンベア7の判別部における各物品Wを良品、不良品に判定するまでにかかる判定時間を示している。また、上述したように、V
0 は選別装置1における物品Wの標準搬送速度、V
1 ,V
CWは第一領域搬送路3aにおける物品Wの搬送速度、V
2 は第二領域搬送路3bにおける物品Wの搬送速度である。
【0033】
次に、
図3に示すように、次の物品Wが秤量コンベア7の判別部で不良品と判定されて不良品としての判別信号と選別指示信号が出力され、不良品としての判別信号を受けて、選別アーム4は動作を開始し、第二の搬送コンベア2bは物品搬送速度V
2 となるように速度上昇を開始する。このとき、
図2(b)に示すように、最初の良品W
OKは第二領域搬送路3bに搬入されて加速し、次の不良品W
NGは第一領域搬送路3aに搬入される。
【0034】
次に、
図3に示すように、選別アーム4は動作を終了し、第一の搬送コンベア2aは物品搬送速度V
1 に速度上昇する。また、第二の搬送コンベア2bは物品搬送速度V
2 の速度を継続する。このとき、
図2(c)に示すように、最初の良品W
OKは第二領域搬送路3bにて加速した速度で搬送されており、また、次の不良品W
NGは第一領域搬送路3aにて加速した速度で搬送されている。選別アーム4は、不良品W
NGが第二領域搬送路3bに搬入されてきたときにこれを排出するために選別姿勢をとっている。なお、
図3中のt1は、選別アーム4が選別姿勢をとるまでの動作時間であり、t2は選別アーム4が基本姿勢に復帰するまでの動作時間である。
【0035】
次に、
図3に示すように、次の物品Wが秤量コンベア7の判別部で良品と判定されて良品としての判別信号が出力されると、良品としての判別信号を受けて、第一の搬送コンベア2aは物品搬送速度V
CWとなるように速度下降を開始する。また、第二の搬送コンベア2bは物品搬送速度V
2 の速度を継続する。また同時に、選別指示信号出力が終了し、これを受けて、選別アーム4は復帰動作を開始する。このとき、
図2(d)に示すように、不良品W
NGは第二領域搬送路3bにて排出され、次の良品W
OKは第一領域搬送路3aに搬入されて減速する。
【0036】
最後に、
図3に示すように、選別アーム4の復帰動作が終了し、第一、第二の搬送コンベア2a,2bは共に標準搬送速度V
0 となるようにそれぞれ速度上昇又は速度下降を開始する。このとき、
図2(e)に示すように、第一領域搬送路3aに搬送されていた次の良品W
OKは第二領域搬送路3bに搬入される。なお、選別アーム4は基本姿勢に復帰している。
【0037】
上述した第一の実施の形態によれば、搬送路3のうち、選別アーム4の可動範囲の前段を第一領域搬送路3aとするとともに選別アーム4の可動範囲を第二領域搬送路3bとし、秤量コンベア7から物品Wが良品、不良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第二領域搬送路3bにてV
2 に加速することにより、これに後続する不良品W
NGとの間隔d
1 が広がるようになる。この結果、良品W
OKが、不良品W
NGを排出するために選別アーム4が動作してもこれと干渉することがなくなり、選別アーム4は良品W
OKが離れるのを待たずにすぐに動作を開始することができる。これにより、選別アーム4の動作時間を短縮しなくても、選別装置1における物品Wの間隔d
0 を秤量コンベア7の検査能力に近づけることができるようになり、選別能力が向上する。
【0038】
また、秤量コンベア7から物品Wが良品、不良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第一領域搬送路3aにてV
1 に加速することにより、後続する不良品W
NGとの間隔d
1 が更に広がるようになる。これにより、選別アーム4の動作を速やかに開始することができ、選別能力が向上する。
【0039】
さらに、秤量コンベア7から物品Wが不良品、良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第一領域搬送路3aにてV
CWに減速することにより、選別アーム4が動作を開始して選別姿勢になるまでの時間を確保することができる。
【0040】
また、搬送コンベア2が、第一領域搬送路3aを形成する第一の搬送コンベア2aと、第二領域搬送路3bを形成する第二の搬送コンベア3bとからなることにより、各領域搬送路3a,3bごとの物品Wの搬送速度の加減速が容易となる。
【0041】
「第二の実施の形態」
次に、
図4,5を参照して本発明の第二の実施の形態を説明する。
なお、第二の実施の形態において、上述した第一の実施の形態と同等又は同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
図4に示すように、選別装置11は、搬送コンベア12と、選別アーム4,4とを備えている。
【0043】
搬送コンベア12にはベルトコンベアを採用しており、物品Wの搬送方向Yに並んだ図示しない一対のローラの間に二つの搬送ベルト13,13がローラの軸方向に所定間隔をあけて掛け回されてなる。一対のローラのうち、一方は駆動ローラに設定され、他方は従動ローラに設定されている。なお、駆動ローラは、図示しないモータなどの駆動源に接続されており、駆動源から駆動力を受けると所定方向に回転する。二つの搬送ベルト13,13は、駆動ローラの回転によって所定方向に循環する。二つの搬送ベルト13,13の循環方向が物品Wの搬送方向Yとなる。
【0044】
二つの搬送ベルト13,13の間には、物品Wの搬送方向Yに並んで複数(四つ)のエアー吹出口14(14a〜14d)が設けられている。各エアー吹出口14a〜14dは搬送方向Yの下流側を向いており、搬送方向Yに高圧エアーを吹き出すものである。
【0045】
また、二つの搬送ベルト13,13は、物品Wの搬送路を形成する。搬送路13のうち、選別アーム4の可動範囲の前段の領域は第一領域搬送路13aとして設定され、選別アーム4の可動範囲の領域は第二領域搬送路13bとして設定されている。また、第一領域搬送路13aは加減速領域であり、物品Wが第一領域搬送路13aにあるときには、物品Wの搬送速度を搬送コンベア12の速度制御により加減速する。なお、搬送コンベア12の速度制御は、駆動源の駆動制御を介して制御部が行う。第二領域搬送路13bは加速領域であり、第二領域搬送路13bにおいては、物品Wの搬送速度をエアー吹出口14a〜14dから高圧エアーを吹き付けることにより加速する。なお、各エアー吹出口14a〜14dから高圧エアーを吹き出すタイミングやエアー圧などの制御は制御部が行う。第二の実施の形態においても、上述した第一の実施の形態と同様に、選別装置11の物品Wの標準搬送速度をV
0 、第一領域搬送路13aにおける加速した物品搬送速度をV
1 、第一領域搬送路13aにおける減速した物品搬送速度をV
-1、第二領域搬送路13bにおける加速した物品搬送速度をV
2 とすると、これらの関係は、V
-1<V
0 <V
1 ≦V
2 となる。ただし、選別装置11の物品搬送速度は前段の検査装置(秤量コンベア)7よりも低速にならないことから、秤量コンベア7の物品搬送速度をV
CWとすると、第一領域搬送路13aにおける減速した物品搬送速度V
-1は、秤量コンベア7の物品搬送速度V
CWと同一速度に設定されている(V
-1=V
CW)。したがって、物品搬送速度の関係は、V
CW<V
0 <V
1 ≦V
2 となる。
【0046】
ここから、
図4,5を参照して、物品Wが良品、不良品、良品の順に送られてきたときの各部の動作及びそのタイミングを説明する。なお、
図5において、T
1 ,T
2 ,T
3 は、図示しない判別部における各物品Wを良品、不良品に判定するまでにかかる判別時間を示している。また、上述したように、V
0 は選別装置11における物品Wの標準搬送速度、V
CWは第一領域搬送路13aにおける物品Wの搬送速度である。さらに、t1は選別アーム4が選別姿勢をとるまでの動作時間であり、t2は選別アーム4が基本姿勢に復帰するまでの動作時間である。なお、判別部は、上述した第一の実施の形態同様に、秤量コンベア7による測定結果(物品Wの重量)が所定範囲内にあるときは良品としての判別信号を出力し、重量が所定範囲よりも軽量であるときは軽量の不良品としての判別信号を出力するとともに選別指示信号を出力し、重量が所定範囲よりも過量であるときは過量の不良品としての判別信号を出力するとともに選別指示信号を出力する。
【0047】
図4に示すように、物品Wが搬送方向Yに所定の間隔d
0 をあけて搬送されていると、
図5に示すように、秤量コンベア7の判別部から良品としての判別信号が出力され、良品としての判別信号を受けて、搬送コンベア12は物品搬送速度V
1 となるように速度上昇を開始する。このとき、良品W
OKは第一領域搬送路13aに搬入されて加速する。
【0048】
次に、
図5に示すように、次の物品Wが秤量コンベア7の判別部で不良品と判定されて不良品としての判別信号と選別指示信号が出力され、不良品としての判別信号を受けて、選別アーム4は動作を開始する。また、エアー吹出口14aのエアー吹出し信号が出力され、エアー吹出し信号出力終了と同時にエアー吹出口14bのエアー吹出し信号が出力され、エアー吹出口14dまで同一タイミングで順次信号出力しては終了する。このとき、第二領域搬送路13bに搬入された最初の良品W
OKに向けて物品搬送速度V
2 となるように、エアー吹出口14aから高圧エアーが吹き出し、その吹出しが終了すると同時に、エアー吹出口14bから高圧エアーが吹き出し、エアー吹出口14dまで順次高圧エアーが吹き出しては吹出しが終了する。すなわち、エアー吹出口14a〜14dからは連続的に高圧エアーが吹き出し、これにより、最初の良品W
OKは第二領域搬送路13bにて加速する。
【0049】
次に、
図5に示すように、選別アーム4の動作が終了し、搬送コンベア12は物品搬送速度V
1 に速度上昇する。また、エアー吹出口14aのエアー吹出し信号が出力され、エアー吹出し信号出力終了と同時にエアー吹出口14bのエアー吹出し信号が出力され、エアー吹出し信号出力が終了する。このとき、第一領域搬送路13aに搬送されていた次の不良品W
NGは、第二領域搬送路13bに搬入され、第二領域搬送路13bにてエアー吹出口14a,14bからの連続的な高圧エアーの吹き出しにより更に加速する。なお、選別アーム4は選別姿勢をとっており、不良品W
NGは、選別アーム4の選別面6に沿って移動する。
【0050】
次に、
図5に示すように、次の物品Wが秤量コンベア7の判別部で良品と判定されて良品としての判別信号が出力されると、良品としての判別信号を受けて、搬送コンベア12は物品搬送速度V
CWとなるように速度下降を開始する。また同時に、選別指示信号出力が終了し、これを受けて、選別アーム4は復帰動作を開始する。このとき、不良品W
NGは第二領域搬送路13bにて排出され、次の良品W
OKは第一領域搬送路13aに搬入されて減速する。
【0051】
最後に、
図5に示すように、選別アーム4の復帰動作が終了し、搬送コンベア12は標準搬送速度V
0 となるように速度上昇を開始する。このとき、第一領域搬送路13aに搬送されていた次の良品W
OKは第二領域搬送路13bに搬入される。なお、選別アーム4は基本姿勢に復帰している。
【0052】
上述した第二の実施の形態によれば、以下のような第一の実施の形態と同様の効果が得られる。すなわち、搬送路13のうち、選別アーム4の可動範囲の前段を第一領域搬送路13aとするとともに選別アーム4の可動範囲を第二領域搬送路13bとし、秤量コンベア7から物品Wが良品、不良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第二領域搬送路3bにて、エアー吹出口14a〜14dから順次高圧エアーを吹き付けて、V
2 に加速することができる。これにより、後続する不良品W
NGとの間隔d
1 が広がるようになる。この結果、良品W
OKが、不良品W
NGを排出するために選別アーム4が動作してもこれと干渉することがなくなり、選別アーム4は良品W
OKが離れるのを待たずにすぐに動作を開始することができる。これにより、選別アーム4の動作時間を短縮しなくても、選別装置11における物品Wの間隔d
0 を秤量コンベア7の検査能力に近づけることができるようになり、選別能力が向上する。
【0053】
また、秤量コンベア7から物品Wが良品W
OK、不良品W
NGの順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第一領域搬送路3aにてV
1 に加速することにより、後続する不良品W
NGとの間隔d
1 が更に広がるようになる。これにより、選別アーム4の動作を速やかに開始することができ、選別能力が向上する。
【0054】
さらに、秤量コンベア7から物品Wが不良品、良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第一領域搬送路13aにてV
CWに減速することにより、選別アーム4が動作を開始して選別姿勢になるまでの時間を確保することができる。
【0055】
このような効果に加えて、上述した第二の実施の形態によれば、搬送コンベア12が、第二領域搬送路13bにて良品W
OK又は不良品W
NGの搬送速度を加速するエアー吹出口14a〜14dを備えることにより、搬送コンベア12の駆動源によらずに、物品Wの搬送速度を制御することが可能となる。
【0056】
「第三の実施の形態」
次に、
図6,7を参照して本発明の第三の実施の形態を説明する。
なお、第三の実施の形態において、上述した第一及び第二の実施の形態と同等又は同一の箇所には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図6に示すように、選別装置21は、搬送コンベア22と、選別アーム4,4とを備えている。
【0058】
搬送コンベア22にはベルトコンベアを採用しており、物品Wの搬送方向Yに並んだ図示しない一対のローラの間に搬送ベルト23が掛け回されてなる。一対のローラのうち、一方は駆動ローラに設定され、他方は従動ローラに設定されている。なお、駆動ローラは、図示しないモータなどの駆動源に接続されており、駆動源から駆動力を受けると所定方向に回転する。搬送ベルト23は、駆動ローラの回転によって所定方向に循環する。搬送ベルト23の循環方向が物品Wの搬送方向Yとなる。
【0059】
選別アーム4,4には、その選別面6と反対の面に複数(三つ)のエアー吹出口24(24a〜24c)が選別アーム4の長手方向に並んで設けられている。エアー吹出口24a〜24cは、選別アーム4が選別姿勢のときに搬送方向Yの下流側を向くように設けられており、搬送方向Yに高圧エアーを吹き出すものである。
【0060】
また、搬送ベルト23は、搬送コンベア22における物品Wの搬送路を形成する。搬送路23のうち、選別アーム4の可動範囲の前段の領域は第一領域搬送路23aとして設定され、選別アーム4の可動範囲の領域は第二領域搬送路23bとして設定されている。また、第一領域搬送路23aは加減速領域であり、物品Wが第一領域搬送路3aにあるときには、搬送コンベア22の速度制御により、物品Wの搬送速度を加減速する。なお、搬送コンベア22の速度制御は、駆動源の駆動制御を介して制御部が行う。さらに、第二領域搬送路3bは加速領域であり、第二領域搬送路3bにおいては、選別アーム4が選別姿勢のときに、物品Wの搬送速度をエアー吹出口24a〜24cから高圧エアーを吹き付けることにより加速する。なお、各エアー吹出口24a〜24cから高圧エアーを吹き出すタイミングなどの制御は制御部が行う。上述した第一及び第二の実施の形態と同様に、第三の実施の形態においても、選別装置21の物品Wの標準搬送速度をV
0 、第一領域搬送路23aにおける加速した物品搬送速度をV
1 、第一領域搬送路23aにおける減速した物品搬送速度をV
-1、第二領域搬送路23bにおける加速した物品搬送速度をV
2 とすると、これらの関係は、V
-1<V
0 <V
1 ≦V
2 となる。ただし、選別装置21の物品搬送速度は前段の検査装置(秤量コンベア)7よりも低速にならないことから、秤量コンベア7の物品搬送速度をV
CWとすると、第一領域搬送路3aにおける減速した物品搬送速度V
-1は、秤量コンベア7の物品搬送速度V
CWと同一速度に設定されている(V
-1=V
CW)。したがって、物品搬送速度の関係は、V
CW<V
0 <V
1 ≦V
2 となる。なお、第三の実施の形態では、第二領域搬送路23bにおいて、エアー吹出口24a〜24cによる物品Wの搬送速度の加速は、選別アーム4の選別姿勢が条件となるため、不良品W
NGが後続するときの良品W
OKの場合に限られるが、例えば、搬送コンベア22を速度制御することにより、第二領域搬送路23bにて不良品W
NGが後続しないときの良品W
OKの搬送速度をV
2 とすることも可能である。
【0061】
ここから、
図6,7を参照して、物品Wが良品、不良品、良品の順に送られてきたときの各部の動作及びそのタイミングを説明する。なお、
図7において、T
1 ,T
2 ,T
3 は、図示しない判別部における各物品Wを良品、不良品に判別するまでにかかる判別時間を示している。また、上述したように、V
0 は選別装置11における物品Wの標準搬送速度、V
CWは第一領域搬送路23aにおける物品Wの搬送速度である。さらに、t1は、選別アーム4が選別姿勢をとるまでの動作時間であり、t2は選別アーム4が基本姿勢に復帰するまでの動作時間である。なお、判別部は、上述した第一及び第二の実施の形態同様に、秤量コンベア7による測定結果(物品Wの重量)が所定範囲内にあるときは良品としての判別信号を出力し、重量が所定範囲よりも軽量であるときは軽量の不良品としての判別信号を出力するとともに選別指示信号を出力し、重量が所定範囲よりも過量であるときは過量の不良品としての判別信号を出力するとともに選別指示信号を出力する。
【0062】
図6に示すように、物品Wが搬送方向Yに所定の間隔d
0 をあけて搬送されていると、
図7に示すように、秤量コンベア7の判別部から良品としての判別信号が出力され、良品としての判別信号を受けて、搬送コンベア22は物品搬送速度V
1 となるように速度上昇を開始する。このとき、良品W
OKは第一領域搬送路23aに搬入されて加速する。
【0063】
次に、
図7に示すように、次の物品Wが秤量コンベア7の判別部で不良品と判定されて不良品としての判別信号と選別指示信号が出力され、不良品としての判別信号を受けて、選別アーム4は動作を開始する。
【0064】
次に、
図7に示すように、選別アーム4の動作が終了し、搬送コンベア22は物品搬送速度V
1 に速度上昇する。また、エアー吹出口24aのエアー吹出し信号が出力され、エアー吹出し信号出力終了と同時にエアー吹出口24bのエアー吹出し信号が出力され、エアー吹出し信号出力終了と同時にエアー吹出口24cのエアー吹出し信号が出力され、エアー吹出し信号出力が終了する。このとき、次の不良品W
NGは第一領域搬送路23aにて加速して搬送され、また、選別アーム4は、不良品W
NGが第二領域搬送路23bに搬入されてきたときにこれを排出するために選別姿勢をとっている。この間、第二領域搬送路23bにて最初の良品W
OKに向けて物品搬送速度V
2 となるように、選別面6と反対の面に設けられているエアー吹出口24a〜24cのうち、良品W
OKから最も離れたエアー吹出口24aから高圧エアーが吹き出し、エアー吹出口24aからの高圧エアーの吹き出しが終了すると同時に、エアー吹出口24bから高圧エアーが吹き出し、エアー吹出口24bからの高圧エアーの吹き出しが終了すると同時に、エアー吹出口24cから高圧エアーが吹き出し、各エアー吹出口24a〜24cから吹き出した高圧エアーは、時間差を設けたことにより略同時に良品W
OKを吹き付けるようになる。これにより、最初の良品W
OKは第二領域搬送路13bにて加速する。第一領域搬送路23aに搬送されていた次の不良品W
NGは第二領域搬送路13bに搬入される。
【0065】
次に、
図7に示すように、次の物品Wが秤量コンベア7の判別部で良品と判定されて良品としての判別信号が出力されると、良品としての判別信号を受けて、搬送コンベア22は物品搬送速度V
CWとなるように速度下降を開始する。また同時に、選別指示信号出力が終了し、これを受けて、選別アーム4は復帰動作を開始する。このとき、不良品W
NGは第二領域搬送路23bにて排出され、次の良品W
OKは第一領域搬送路23aに搬入されて減速する。
【0066】
最後に、
図7に示すように、選別アーム4の復帰動作が終了し、搬送コンベア22は標準搬送速度V
0 となるように速度上昇を開始する。このとき、第一領域搬送路23aに搬送されていた次の良品W
OKは第二領域搬送路23bに搬入される。なお、選別アーム4は基本姿勢に復帰している。
【0067】
上述した第三の実施の形態によれば、以下のような第一及び第二の実施の形態と同様の効果が得られる。すなわち、搬送路23のうち、選別アーム4の可動範囲の前段を第一領域搬送路23aとするとともに選別アーム4の可動範囲を第二領域搬送路23bとし、秤量コンベア7から物品Wが良品、不良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第二領域搬送路3bにて、エアー吹出口24a〜24cから略同時に高圧エアーを吹き付けて、V
2 に加速することができる。これにより、後続する不良品W
NGとの間隔d
1 が広がるようになる。この結果、良品W
OKが、不良品W
NGを排出するために選別アーム4が動作してもこれと干渉することがなくなり、選別アーム4はその動作中に良品W
OKを強制的に離すことによりすぐに動作を開始することができる。これにより、選別アーム4の動作時間を短縮しなくても、選別装置21における物品Wの間隔d
0 を秤量コンベア7の検査能力に近づけることができるようになり、選別能力が向上する。
【0068】
また、秤量コンベア7から物品Wが良品、不良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第一領域搬送路23aにてV
1 に加速することにより、後続する不良品W
NGとの間隔d
1 が更に広がるようになる。これにより、選別アーム4の動作を速やかに開始することができ、選別能力が向上する。
【0069】
さらに、秤量コンベア7から物品Wが不良品、良品の順に送られてきたときに、良品W
OKの搬送速度を第一領域搬送路23aにてV
CWに減速することにより、選別アーム4が動作を開始して選別姿勢になるまでの時間を確保することができる。
【0070】
また、第二領域搬送路23bにて良品W
OKの搬送速度を加速するエアー吹出口24a〜24cを備えることにより、搬送コンベア22の駆動源によらずに、物品Wの搬送速度を制御することが可能となる。