【実施例】
【0026】
(クリーム状洗顔料の評価)
本発明のクリーム状洗顔料を以下の(1)〜(4)の項目にて評価した。
(1)起泡性の評価
25mL共栓試験管に各試料が5重量%となるように希釈した水溶液2gを入れて15秒間振とうし、振とう停止から1分後に泡の高さを測定し、起泡性として次のように評価した。
○:泡の高さ6cm以上
△:泡の高さ4cm以上6cm未満
×:泡の高さ4cm未満
【0027】
(2)ぬめり感の評価
専門のパネラー5名により、官能試験によって評価した。各試料1gを泡立て、顔面を洗浄し、水で洗い流した後のぬめり感を以下の基準で評価し、その平均値を評価値とした。
5点:ぬめり感無し
3点:ぬめり感やや有り
1点:ぬめり感有り
(表記方法)
評価値を以下の表記方法で表1〜6に示した。
○:3.5点以上
△:2.0点以上3.5点未満
×:2.0点未満
【0028】
(3)つっぱり感の評価
(2)の評価に続いて、つっぱり感について評価した。
5点:つっぱり感無し
3点:つっぱり感やや有り
1点:つっぱり感有り
(表記方法)
評価値を(2)と同様の表記方法で表1〜6に示した。
【0029】
(4)経時安定性の評価
各試料を透明ガラス容器に密封して、常温、40℃、−4℃で1ヶ月保存し、その外観を常温保存品と比較観察して、次のように評価した。
◎:常温保存品と比較して、外観の変化なし 非常に良い
○:常温保存品と比較して、外観がやや変化する 良い
△:常温保存品と比較して、外観が変化する やや悪い
×:常温保存品と比較して、外観の変化が著しい 悪い
【0030】
【表1】
※1:川研ファインケミカル(株)製「ソフタゾリンLMEB」
※2:日本油脂(株)製「ダイヤポンK−SF」
【0031】
上記表1に記載の(B)成分、トリポリりん酸ナトリウム、ステアリン酸グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール及び精製水を混合、加熱し、80℃で均一になるまで撹拌し、その後(A)及び(C)成分を添加し、均一になるまで撹拌した後冷却して、クリーム状洗顔料を調製した。
【0032】
表1に示す結果のように、カルボベタイン型両性界面活性剤であるヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシンを0.5〜10重量%の範囲で配合したクリーム状洗顔料は起泡性に優れ、洗浄後のぬめり感、つっぱり感が少なく、経時安定性が良好であった。これに対して、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシンを0.27重量%配合したクリーム状洗顔料は、洗浄後のつっぱり感が強く、経時安定性がやや悪かった。また、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシンを12.15重量%配合したクリーム状洗顔料は、洗浄後のぬめり感が強かった。
【0033】
【表2】
【0034】
上記表2に記載の(B)成分、トリポリりん酸ナトリウム、ステアリン酸グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール及び精製水を混合、加熱し、80℃で均一になるまで撹拌し、その後(A)及び(C)成分を添加し、均一になるまで撹拌した後冷却して、クリーム状洗顔料を調製した。
【0035】
表2に示す結果のように、高級脂肪酸塩であるミリスチン酸カリウムを10〜50重量%の範囲で配合したクリーム状洗顔料は起泡性に優れ、洗浄後のぬめり感、つっぱり感が少なく、経時安定性が良好であった。これに対して、ミリスチン酸カリウムを5重量%配合したクリーム状洗顔料は、起泡性が悪く、経時安定性が悪かった。また、ミリスチン酸カリウムを60重量%配合したクリーム状洗顔料は、つっぱり感が強く、経時安定性が悪かった。
【0036】
【表3】
【0037】
上記表3に記載の(B)成分、トリポリりん酸ナトリウム、ステアリン酸グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール及び精製水を混合、加熱し、80℃で均一になるまで撹拌し、その後(A)及び(C)成分を添加し、均一になるまで撹拌した後冷却して、クリーム状洗顔料を調製した。
【0038】
表3に示す結果のように、アシルメチルタウリン型陰イオン性界面活性剤であるヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムを0.5〜5重量%の範囲で配合したクリーム状洗顔料は起泡性に優れ、洗浄後のぬめり感、つっぱり感が少なく、経時安定性が良好であった。これに対して、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムを0.15重量%配合したクリーム状洗顔料は、起泡性が悪かった。また、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムを6重量%配合したクリーム状洗顔料は、洗浄後につっぱり感をやや感じ、経時安定性がやや悪かった。
【0039】
【表4】
※3:日本油脂(株)製「PEG#1500」
【0040】
上記表4に記載の(B)成分、(D)成分、トリポリりん酸ナトリウム、ステアリン酸グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール及び精製水を混合、加熱し、80℃で均一になるまで撹拌し、その後(A)及び(C)成分を添加し、均一になるまで撹拌した後冷却して、クリーム状洗顔料を調製した。
【0041】
表4に示す結果のように、平均分子量が1000〜4000の範囲内のポリエチレングリコールであるポリエチレングリコール1500を1〜5重量%の範囲で配合した実施例12〜14のクリーム状洗顔料は実施例9と比較して、起泡性、洗浄後のぬめり感、つっぱり感及び経時安定性の各項目は同様に良好であった。特に経時安定性は実施例9と比較して明らかに向上した。これに対して、ポリエチレングリコール1500を0.1重量%配合した場合や10重量%配合した場合は経時安定性が改善されなかった。この結果より、平均分子量が1000〜4000の範囲内のポリエチレングリコールを1〜5重量%配合すると、クリーム状洗顔料の経時安定性がさらに向上することが明らかとなった。
【0042】
【表5】
※4:日本油脂(株)製「PEG#1000」
※5:日本油脂(株)製「PEG#4000」
※6:日本油脂(株)製「PEG#600」
※7:日本油脂(株)製「PEG#6000」
【0043】
上記表5に記載の(B)成分、(D)成分(又はポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール6000)、トリポリりん酸ナトリウム、ステアリン酸グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール及び精製水を混合、加熱し、80℃で均一になるまで撹拌し、その後(A)及び(C)成分を添加し、均一になるまで撹拌した後冷却して、クリーム状洗顔料を調製した。
【0044】
表5に示す結果のように、ポリエチレングリコールを配合していない実施例17と比較してポリエチレングリコールの平均分子量が1000〜4000の範囲外であるポリエチレングリコール600やポリエチレングリコール6000を配合した実施例20及び21のクリーム状洗顔料は、経時安定性の改善は見られなかった。それに対し、実施例17にポリエチレングリコール1000又は4000を5重量%配合した実施例18及び19は経時安定性の向上が見られた。この結果より、平均分子量が1000〜4000の範囲内のポリエチレングリコールを配合することによって経時安定性がさらに向上することが明らかとなった。
【0045】
【表6】
※8:川研ファインケミカル(株)製「ソフタゾリンLHL」
※9:松本油脂製薬(株)製「ビスターLAP」
※10:川研ファインケミカル(株)製「ソフタゾリンLSB」
【0046】
上記表6に記載の(B)成分、(D)成分、トリポリりん酸ナトリウム、ステアリン酸グリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール及び精製水を混合、加熱し、80℃で均一になるまで撹拌し、その後(A)成分(又はラウロアンホ酢酸ナトリウム水溶液、ラウラミドプロピルベタイン水溶液、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン水溶液)及び(C)成分を添加し、均一になるまで撹拌した後冷却して、クリーム状洗顔料を調製した。
【0047】
表6に示す結果のように、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルサルコシンを1.35重量%配合したクリーム状洗顔料は起泡性に優れ、洗浄後のぬめり感、つっぱり感は少なく、経時安定性も良好であった。これに対して他の両性界面活性剤を配合したクリーム状洗顔料は、それぞれに問題があった。ラウロアンホ酢酸ナトリウムを1.35重量%配合した場合は、起泡性が悪く、ぬめり感がやや強かった。ラウラミドプロピルベタインを1.35重量%配合した場合は、ぬめり感が強く、経時安定性が悪かった。ラウラミドプロピルヒドロキシスルタインを1.35重量%配合した場合は、起泡性がやや悪く、ぬめり感が強く、経時安定性が悪かった。
【0048】
以上に示す結果から明らかなように、起泡性に優れ、すすぎ時のぬめり感や洗浄後のつっぱり感が少なく、さらに経時安定性に優れたクリーム状洗顔料を提供するためには、カルボベタイン型両性界面活性剤が0.5〜10重量%、高級脂肪酸塩が10〜50重量%、アシルメチルタウリン型陰イオン性界面活性剤が0.5〜5重量%配合することが不可欠であり、平均分子量が1000〜4000のポリエチレングリコールを1〜5重量%配合することによりさらに経時安定性が向上する。