(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記材料は、事前にラベル付けされた試験管セット、制御サンプル、評価サンプル、および評価材料のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする新しい医療サービス、または消費者によって使用される製品の変更に関する統計的および/または臨床的受容性を評価する請求項4に記載の方法。
前記データベースが、製造者によって実施される教育および技術的サポート、前記製造者によって提供される現在の白書、前記製造者によって保持される文献検索、前記製造者によって推奨される臨床的制限、前記製造者によって生成される臨床データの要約テーブルおよび分析的な配列スプレッドシートのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする新しい医療サービス、または消費者によって使用される製品の変更に関する統計的および/または臨床的受容性を評価する請求項1に記載の方法。
前記クライアントコンピュータから提供される改訂された要求に基づいて、検査プロトコルを生成し、かつ提供するようにさらに使用された前記比較をさらに備えることを特徴とする少なくとも1つのクライアントコンピュータとサーバコンピュータの間で妥当性検査機能を提供するという業務手順を支援するための請求項11に記載のシステム。
前記クライアントコンピュータによって生成されたデータおよび検査結果を受け取り、かつ分析するための等価ソフトウェアパッケージおよび統計的な分析ツールのうちの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする少なくとも1つのクライアントコンピュータとサーバコンピュータの間で妥当性検査機能を提供するという業務手順を支援するための請求項11に記載のシステム。
前記データベースは、製造者によって実施される教育および技術的サポート、前記製造者によって提供される現在の白書、前記製造者によって保持される文献検索、前記製造者によって推奨される臨床的制限、前記製造者によって生成される臨床データ要約テーブルおよび分析的な配列スプレッドシートのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする少なくとも1つのクライアントコンピュータとサーバコンピュータの間で妥当性検査機能を提供するという業務手順を支援するための請求項11に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図中、同様の番号は同様のエレメントを指す。
【0018】
以下に記載の本発明の諸実施形態は、ユーザとの妥当性検査情報の交換を介して、新規のまたは変更された製品の臨床的妥当性を示す系統的な手法を確立するための機構を提供する。本システムおよび方法は、新規のまたは変更された製品の臨床的妥当性を示すために、情報を収集し、再検討し、および提供するための、インターネット、エキストラネット、コンパクトディスク、またはテキストベースの機構などの情報交換機構を含む。ユーザ要求は、収集された情報に照らして評価されて、必要なプロトコル、制限、および製品の臨床的妥当性を示すのに必要なその後の検査を決定する。以下で示す特有の実施例では、本発明の諸実施形態は、試験管製品(すなわち、ガラスおよびプラスチック試験管の開発および/または変換)に関係する応用例により提供される。しかし、本発明は、どんな数の様々な製品もしくはサービス、および他の利用分野に対しても、同じまたは類似の方法で適用することが可能である。
【0019】
以下に述べる実施例では、本発明の諸実施形態は、プロトコル、制限、および臨床的な妥当性を示すために必要な検査を決定する機構を提供する。検査の必要性が決定された後、実施形態はさらに、新規のまたは変更された製品に対する臨床的妥当性を示すことになるどの被検化合物を検査すべきかなど、特有の検査を決定するように働く。本機構はさらに、どのように被検化合物を検査または評価すべきかを決定するために使用され、またその評価を実施するのに必要な特有のコンポーネントを供給するための機能も提供することができる。そのようにすると、本発明の諸実施形態を、新しい医療サービス、または臨床検査施設または病院などの顧客によって使用される製品の変更に関する統計的もしくは臨床的受容性または妥当性検査を評価するために用いることができる。最後に、完了した妥当性検査の文書を提供するのに本機構を使用することができ、また将来の妥当性検査で使用するために1つまたは複数のデータベースを更新することに本機構を使用することもできる。
【0020】
本発明で開示の諸実施形態で使用される分析的な配列技法の目的は、新しい製品またはシステムの臨床的妥当性を示すことになる、どの被検化合物を検査すべきかなど、特有の検査を決定するための系統的な手法を確立することである。上記のように、検査施設には、製品またはプロセスの変更が臨床的使用で許容されるための臨床的かつ統計的な等価性の必要度を示すという荷の重い課題が課せられている。変更が識別されると、通常、その変更が臨床行為に負の影響を与えないことを示す妥当性検査手法が必要である。この妥当性検査を、等価性を示す定期刊行物および臨床的な文書(すなわち、白書)から収集された情報など、いくつかの方法で満足させることができる。
【0021】
しかし、通常、残りの臨床的データギャップまたは妥当性検査の細目を満たすのにさらなる検査が必要であり、それには既存の論文を利用することはできない。このようなギャップを埋めるための検査は、多くの場合、法外なコストがかかり、また多くの無関係な検査施設を通じて冗長に実施されることがしばしば起こり得る。したがって、臨床的な文書ギャップを低減または除去するために、以下でより詳細に述べる分析的な配列技法を用いた系統的な手法を、クライアントとの通信を確立することにより、また妥当性検査手法を識別し実施することにより、さらにその後、収集された検査結果を文書にすることにより、使用することができる。このような技法を用いることにより、前の文書がその特有の検査を再度実施する必要のないことを示し得る場合、検査を実施する必要性を回避できる。
【0022】
本発明の諸実施形態はまた、収集された臨床検査結果を、新規のもしくは変更された医療製品または使用変更の臨床的有効性を示すために生成された、提示可能なレポートに変換するための機構を提供する。これらの、および他の目的は、一連のステップを実行するためのインターネット、エキストラネット、コンパクトディスク、またはテキストベースの機構を提供することによって達成され、その諸ステップが実施されたとき、変更を実施することの臨床的な有効性を示す表示可能なレポートを得ることができる。
【0023】
当業者であれば周知のように、インターネット、エキストラネット、コンパクトディスク、またはテキストベースの機構などの通信媒体は、交換のためにユーザを結合する既存のハードウェアおよびソフトウェアを含むことができ、通常、従来のクライアント/サーバモデルに従う。用語「クライアント」および「サーバ」は、データの要求側(すなわち、クライアント)として、あるいはデータの提供側(すなわち、サーバ)としてのコンピュータの一般的な役割を指すために使用される。典型的なウェブ環境内では、ウェブブラウザがクライアント中に常駐し、ウェブ文書がサーバ中に常駐し、またクライアントとサーバは「HTTP」(HyperText Transfer Protocol)と呼ばれるプロトコルを用いて通信する。ウェブ環境内の位置は、サイトとして定義され、それぞれが、通常、そのサイトを識別する標準化されたURL(uniform resource locator)を含む。ブラウザは、サーバまたはサイトへの接続を開くために使用され、文書を求める要求を開始する。サーバは、通常、標準のHTML(Hypertext Markup Language)フォーマットでコード化されたテキスト文書の形式で要求された文書を送達する。前述の対話における接続が閉じられると、サーバは受動的な役割で働く。すなわち、サーバは、クライアントからコマンドを受け取るが、どんなアクションもクライアントに実施を要求することはできない。さらに他のバージョンでは、テキストベースの媒体を提供することも可能であり、それは、上記のハードウェアおよびソフトウェアを必要とせずに、上記の同じ機能を実施する。
【0024】
以下に記載の本発明の諸実施形態は、コンピュータネットワークシステム(インターネット、エキストラネット、またはコンパクトディスク実施形態の場合)、またはテキストシステム(テキスト実施形態の場合)を用いる系統的な手法を提供し、ベンダ、製造者、または外部パーティが直接または間接に、臨床検査が実施されたことを示す必要のある、または必要のない臨床検査施設、病院、または他のエンティティなどのクライアントを支援する。そのように示すことにより、検査施設は、すべての優れた臨床検査施設のガイドラインおよび規制に準拠することが保証される。このような保証は、ISO(国際標準化機構)、FDA(米国食品医薬品局)、CLIA(臨床検査施設改善法)、NCCLS(米国臨床検査標準委員会)、CAP(米国病理学会)、および以下同様のものなどの監査団体によって、通常、臨床検査施設の検査に当たり再検討される。
【0025】
本発明の開示された諸実施形態は、表示可能なレポートが得られる一連のステップを提供することにより、収集された臨床検査結果を、臨床的有効性を示すことに使用するため生成された提示可能なレポートに変換するように働く。その諸ステップは、以下で述べる実施例中の検査施設などの顧客と、製品の製造者など少なくとも1つの外部パーティとの間で対話および情報交換することを含む。その交換を、インターネットもしくはエキストラネット通信、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、テキストなどを介して実行することができる。
【0026】
例えば、以下で説明するその交換および作業結果(work product)を、インターネットもしくはエキストラネットを介して、またはテキストベースの通信として提供することができる。このようなテキストベースの通信は、いずれのパーティによっても継続的に更新でき、また将来の使用のために検査施設で維持可能な手紙、メモ、および/またはテーブルを含むことができる。以下で説明する、またインターネットもしくはエキストラネット通信を介して提供されたエレメントと実質的に同一の、各エレメントを含めたテキストの集合体を配置し、バインダとして提供することができる。
【0027】
図1の流れ図で示すように、第1ステップ5は、検査施設における臨床行為の変更に関する妥当性を検査する必要性を検査施設が製造者に送信するなど、顧客またはユーザの要求通信からなり、またその変更が妥当性の検査結果を示すことを必要とする場合もある。このような変更の実施例は、ガラス管からプラスチック管への変換、血清管から血漿管への変換、機械的なセパレータからゲルセパレータ(gel separator)への変換、ゲルセパレータから機械的なセパレータへの変換、新しいマシンまたは分析装置の変更、試薬の供給者の変更などを含むことができる。
【0028】
次に、製造者からの返事通信からなる第2ステップ10に進み、製造者は、提案された臨床行為の変更の妥当性を検査するために、検査施設に分析的な配列を提示する。第3ステップ15で、次いで、検査施設は、その分析的な配列を再検討して、現在の検査施設の必要性に対し配列内のどの検査が適用可能であるかを識別することができる。第4ステップ25で、次いで、検査施設は、分析的な配列内の特有の検査を識別し、製造者に要求することができる。配列内の検査を、当業者には周知のように、表示されたテキスト中から視覚的に選択する(すなわち、選択されたテキストをハイライトする)機能を有するインターネットウェブページのサーベイによるなど、任意の数の方法で識別し検査施設に提供することができる。
【0029】
第5ステップ30で、次いで、製造者は、妥当性が検査された変更を示すために現在のクライアントで必要とされる検査の程度を低減するために、既知の比較が前に識別されていることを教示する情報を含む少なくとも1つのデータベースを調査することができる。データベースは、製造者の白書、文献検索、および製造者により知られたまたはアクセス可能な情報から組み立てられた情報を含むことができる。第6ステップ40で、製造者は、どの要求が、既存の情報と、検査を必要とする残りの情報ギャップとを満足させることができるかを識別するために、クライアントにより選択された分析的な配列検査をデータベースの調査と比較することができる。次いで、製造者は、比較結果、関連する既存情報、および必要な検査を検討のために検査施設に送る。
【0030】
第7ステップ45で、検査施設は、比較結果、関連する既存情報、必要な検査、および製造者により推奨された臨床範囲を含めて、何を検査すべきかに関してそのギャップを解釈することができる。第8ステップ55で、次いで、検査施設は、所望する検査および臨床範囲を確認または調整するために、製造者により推奨された検査および臨床範囲を再検討することができる。次いで、検査施設は、改訂した要求を製造者に送ることができる。第9ステップ60で、次いで、製造者は、上記に基づいて検査プロトコルを生成し、検査施設に提供することができる。
【0031】
第10ステップ70で、製造者はさらに、事前にラベル付けした試験管セット、制御もしくは評価サンプル、または評価のために必要な任意の材料などの材料を検査施設に提供することができる。第11ステップ75で、次いで、検査施設は、プロトコルに対する検査のために材料を使用することができる。第12ステップ80で、検査後、製造者は、等価ソフトウェアパッケージまたは任意の数の統計分析ツールを用いて、検査施設によって生成されたデータおよび検査結果を受け取って分析することができ、その後、第13ステップ90で、変更の妥当性検査を示す提示可能なレポートを、検査施設に提供することができる。次いで、製造者は、データベースを更新して新しい結果を含めることができる。
【0032】
上記の諸ステップは、多くの代替形態、変更形態、および追加のエレメントを有することができる。例えば、所望の結果を達成するために、検査施設は、諸ステップをすべて完了しなくてもよい。特有の変更の文書または妥当性検査を求める要求が、上記交換の限定された実施を要求(すなわち、ステップ55で示す臨床範囲に対する顧客要求)するに過ぎないこともあり得る。製造者に対する文書要求を、上記で実施される検査ギャップ分析なしに完了することができるが、しかし、本発明の諸実施形態を介して達成することもできる。
図1の流れ図では、各ステップを、本発明の実施形態の他の応用例における前またはその後のステップに依存することなく、別個に実施することができる。上記の諸実施形態に対する他の変形形態は、その後の妥当性検査に使用するために、また妥当性検査を必要とする他の検査施設のために、製造者の白書または文献に検査の一部分を追加あるいは削除するための諸ステップを含むことができる。
【0033】
上記の本発明の諸実施形態では、いくつかの場合、外部パーティまたは製造者は、検査またはさらなる検査をなぜ必要としないかを示すために使用可能な継続的に更新された情報をデータベースに格納することにより、病院、クリニック、またはリファレンス検査施設などのクライアントと共に作業することができる。このようなデータベースを、将来の妥当性検査ギャップ分析を実施するために臨床的な配列内に格納することができる。
【0034】
上記のように、第5ステップ30および第6ステップ40で、ギャップ分析が、それぞれ提供されており、製造者は、いくつかのツールおよびデータベースを用いて、どの既知の比較が前に識別されているかを判定する。第6ステップ40で、製造者は、どのユーザ要求が、既存情報、および検査施設の検査が必要な残りの情報ギャップで満足され得るかを識別するために、クライアントによって選択された分析的な配列検査を、調査と比較する。
【0035】
ギャップ分析を含む各ステップを実施可能にするための製造者によって提供可能な検査施設変換ツールおよびデータベースは、次のものを含むことができる。
【0036】
1)製造者または外部パーティによって実施される教育および技術的サポート、
2)検査施設の必要性に基づいて製造者または外部パーティによって提示される他の分析的な配列検査戦略、
3)識別段階で見出される将来のギャップを低減するために、製造者または外部パーティによって提供される現在の白書。
【0037】
4)製造者または外部パーティによってデータベース中に保持される文献検索、
5)製造者または外部パーティによって推奨され、かつ検査施設によって合意された臨床的制限、
6)製造者または外部パーティによって生成され、かつ新しい研究結果で継続的に更新される臨床データ要約テーブルおよび分析的な配列スプレッドシート、
7)製造者または外部パーティによって、好ましくは自動的に生成される総称プロトコル、
8)製造者、外部パーティ、またはサードパーティによって提供される試験管などの準備された妥当性検査サプライ、
9)製造者または外部パーティによって提供されることが好ましい等価ソフトウェアまたは任意の統計分析ツール、および
10)製造者または外部パーティによって保持され、また新しい研究で更新される測定装置/試薬/試験管の結果データベース。
【0038】
本発明の一実施形態による包括的な分析的配列機構の一部として、上記のツールを組み合わせることができる。前に述べたように、新しい技術は、新しい方法および評価分析をコンスタントに追加しており、本分析的な配列検査技法は、複数の製品を評価するための科学的手法を提供し、この動的環境における臨床性能情報に対する顧客の必要性に対応する。以下の実施例で示す好ましい実施形態では、本分析的な配列検査技法が、1つの試験管タイプの製品から他のタイプに変更する場合の性能を確認するために適用される。
【0039】
具体的には、本分析的な配列機構は、ユーザに情報配列を提供すること、および情報を利用可能な技術に含めることを含む技法を組み込む。多数のこのような分析的な配列を構築し提供することができるが、しかし、以下の実施例では、試験管の変換の妥当性検査で使用される一連の被検化合物に対する特有の製造者によって使用される反応原理、検出機構、および測定装置/試薬を含む1つの配列を論ずるものとする。以下の実施例では、その分析的な配列が、1つの試験管タイプから他のタイプに変える場合の性能を確認するために使用されるが、その情報はさらに、特有の検査方法を用いて特有の試験管評価を文書化する臨床レポートにリンクする。
【0040】
多数の変量が存在し、そのすべてを検査することが非現実的である場合、妥当性検査を行うには臨床的に正しい戦略が必要である。分析的な配列技法の目的は、多数の変量を分析すると共に、この実施例では、検査施設などのクライアントに対して、外部パーティ製品の臨床的妥当性を示すことになる検査すべき特有の被検化合物を決定する系統的な手法を確立することである。外部パーティまたは製造者が、既存の製品を強化したり、新しい製品を開発すると、それぞれの安全性と有効性を示すことが必要となる。臨床検査は、製造者によりまた変換中は検査施設により行われる、それらの製品の妥当性検査にとって重要なものである。多くの場合、すべての置換を検査するのは非現実的であるが、製品の臨床的性能の多数のエレメントを正しく再検討するために配列の概念を使用することができる。スプレッドシート上で示しかつ以下でより詳細に述べるように、本システムは、すべての適切な考慮領域を表す被検化合物の範囲を検査することに依存する。
【0041】
第1の応用例では、本発明の実施形態を、1つの製品から、現在利用可能な採血試験管など代替製品に変更する制度的な変更に適用することができる。採血用ガラス真空管は、40年にわたり販売されており、このような一実施例は、ガラス血清分離管(すなわち、SST)を含む。SST管は、通常、血清と凝血塊の間にチキソトロピーゲル(thxotropic gel)バリアを含み、閉じた試験管において血液を収集し、移送し、分離し、処理するための閉じたシステムを作成する。しかし、プラスチック管は、最近、いくつかの所定の化学検査および血液学検査に関して、ガラス管に対する文書化された分析的等価性によって利用可能となっており、ガラス管に関連するものより破損の危険が低い。
【0042】
第1の応用例では、本発明の実施形態は、1つの試験管タイプから他のタイプへの制度的な変更、すなわち、上記のようにガラス管からプラスチック管へ変換を可能にするために使用される。本発明の実施形態により、プラスチック管の製造者は上記の諸ステップを用いてこのような変更が可能となり、その諸ステップは、通常、事前の分析フェーズの後に、包括的な分析的配列機構による以下のツールを提供する。主要なツールの要約には、次のものが含まれる。
【0043】
1)関連する製造者白書の再検討、
2)文献検索、
4)臨床データ要約テーブルなど製造者または外部パーティ情報の再検討、
5)上記の検査施設変換ツール(すなわち、ギャップ分析ツール)を用いたギャップ分析、および
6)統計的かつ臨床的差異ならびに潜在的な干渉の評価。
上記で概要を示した
図1の諸ステップを通して実施されるこれらのツールにより、分析検査がある場合、顧客がある試験管タイプから他のものに変更することに成功するには、どの分析検査が必要かを判定することができる。
【0044】
事前の分析フェーズは、実施期間と見なすべきであり、医者などの顧客が検査を命令した時間から開始され、被検物が検査または分析装置に届いた時間にまで及ぶ。多くの事前分析エレメントが、被検物の完全性に影響し、最後に分析結果に影響し得る。したがって、試験管タイプの臨床的比較が、試験管の差だけを反映し、他の事前分析変量の変化を同様に反映していないことを保証するために、収集変量(すなわち、被検物の混合、凝固時間、スピン時間、血清対血漿、被検物移送時間および温度および容量)、処理変量(すなわち、遠心分離機速度、時間および温度)、および保管変量(すなわち、時間および温度)を含む、事前分析変量のすべてを検討することが不可欠である。
【0045】
例えば、安全に設計された製品(すなわち、耐破損プラスチック管)の急増により、製品訓練は、適正な使用および保護のために重要である。収集者は、安全な装置の使用、注射針の処分、および患者の介護に注意を向ける必要があり、これらの作業により、適正な被検物の処理技法から注意がそらされる可能性がある。さらに他の実施例では、正しく混合することは、プラスチック管の適正な製品性能のための重要なステップである。ガラス管からプラスチック管に切り替える検査施設は、ガラス破損問題を低減することになるが、適切に扱わないと事前分析エラーの増加を見る可能性がある。したがって、安全設計された装置の使用における訓練は、被検物の取扱い技法を訓練し補強する機会を作り、事前分析における悪影響を最小化する。
【0046】
図2Aから2Fで、本発明の一実施形態による
図1の流れ図で提供された、変動検討のための分析的な配列スプレッドシートの実施例を示すテーブルを示す。ガラスからプラスチックの血清管に変更したい検査施設は、通常、検査施設が高い頻度で(すなわち、大容量で)検査する血清被検化合物、最大の感度を必要とする血清被検化合物、異なるクラスの化合物(すなわち、疎水性から親水性、有機/無機化合物など)の範囲にわたる血清被検化合物、および医療上最も重要な血清被検化合物を検査することができる。選択された被検化合物を、その検査施設によく見られる様々な測定装置で様々な方法によって検査することができる。
【0047】
様々な患者の個体群を含めることはまた、広範囲の値をカバーするために必要である。これらの分類における特有の被検化合物の検査が成功したのに続いて、検査施設は、次いで、大部分の被検化合物に対してプラスチック管が妥当であることを示すことができる。
図2Aから2Fに示すものなど、配列テーブルが与えられているので、検査施設は、代表的な被検化合物を選択することにより様々なカテゴリをカバーすることができ、それにより、正しく選択した場合、その検査施設の環境中で、品質と妥協せずに製品の妥当性を検査するために必要な検査量が大きく低減されることになる。
【0048】
図1で前述したように、第1ステップ5は、検査施設における臨床行為の変更の妥当性を検査する必要性に対する製造者への要求通信からなり、その後、返事通信からなる第2ステップ10に進み、製造者が、臨床行為の提案された変更に関する妥当性を検査するために、
図2Aから2Fに示す配列テーブルなど、1つまたは複数の分析的な配列テーブルを検査施設に提示する。
【0049】
図2Aから2Fのテーブルは、本発明の一実施形態による分析的な配列検査技法および臨床的な文書の諸実施例を示す。検査選択用の主要な領域は、1つまたは複数のテーブルに様々なボックスで示されており、大容量検査(high volume tests)、高感度評価分析(highly sensitive assays)、困難な評価分析(difficult assays)、化合物のクラス(class of compound)もしくは被検化合物(analyte)、医療的に重要な被検化合物(medically critical analytes)、疾病状態(disease states)、測定装置(instruments)、血液バンキング(blood banking)、および評価分析タイプ(assay types)を、任意の数の関係するまたはさらに必要なカテゴリの他に含むことができる。これらのカテゴリ内に、サブカテゴリ(すなわち、第2レベル)および個々の被検化合物が例として一覧表示されている。
【0050】
この実施例では、大容量検査カテゴリを、パネル(panels)および特有の検査にブレークダウンすることができる。化学部門によって検査される主要な化学パネルは、基礎代謝検査、包括的な代謝検査、脂質プロファイル、および肝機能検査からなる。例えば、R−HCG(妊娠)、TSHおよびいくつかの薬物など、そのパネルに含まれていない大容量の他の特有の検査も含む。
【0051】
高感度評価分析カテゴリ中にリストされた被検化合物は、個人の代謝状況の変化に非常に影響されやすい。被検化合物の濃度のわずかな変化により、患者の状態に大きな変化を生む可能性がある。これらの被検化合物のいくつかは、他の被検化合物に対し非常にわずかな濃度で患者の血液中に存在する。
【0052】
困難な評価分析カテゴリは、関心対象の被検化合物(すなわち、ビリルビン)に対して、構造および/または化学的性質が類似する化合物からの汚染に対して感度の高い評価分析を含む。また、そこには、実施するのが難しい評価分析(すなわち、ビタミン)、また分析前に何らかのサンプルの用意が必要となり得る評価分析(すなわち、葉酸塩、UIBC、シクロスポリン)もある。
【0053】
化合物のクラスのカテゴリでは、いくつかのタイプの化合物が血清/血漿中に存在する。それは次のものを含む。すなわち、鉄/金属(すなわち、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)、脂質(すなわち、コレステロール、トリグリセリド、リポタンパク質)、TDM(すなわち、治療用薬物)、毒性検査(すなわち、薬物の乱用)、代謝物(すなわち、グルコース、クレアチン、尿酸)、タンパク質(すなわち、総合タンパク質、アルブミン、いくつかのホルモン)、およびステロイド(すなわち、テストステロン、エストラジオール、黄体ホルモン)である。化合物のこれらのクラスのそれぞれは、特有の化学特性を有しており、これらの各化学的な相互作用は、試験管に入れたコンポーネントのタイプに依存して変化する可能性がある。
【0054】
医療的に重要な被検化合物カテゴリは、その被検化合物の濃度変化により、患者の生命を脅かす可能性のあるグループを示す。それらの被検化合物はまた、特有の状態を診断するために重要であり、特定の疾病に対する患者の危険度を判定するために使用され、間違った結果は、患者の健康に有害となるはずである。疾病の状態カテゴリは、妊娠、腎臓、甲状腺、感染病、輸血薬、糖尿病、強心剤、腫瘍学、自己免疫性、および毒性検査カテゴリにグループ化されるいくつかの特有の疾病状態を表す。上記のように、評価において様々な患者の個体群を含めることが重要である。これらの患者サンプルは、広範囲にわたる特有の被検化合物値を提供し、それにより、本発明の諸実施形態は様々なタイプの被検化合物を検査することが可能になる。患者の被検物はまた、定性的な評価分析(すなわち、HbsAg)に対する潜在的な干渉を規制することにおいても重要である。
【0055】
測定装置カテゴリは、主として、パネル、免疫学的検定法、またはTDMを実施するタイプのものを含む、化学検査用の3つのタイプにグループ化されるシステムを含むことができる。しかし、測定装置の製造者は、検査施設の効率向上のために、これらの異なるプラットフォームを1つのシステムに統合化するようにしており、このカテゴリ内で、各主要な製造者は様々な評価分析を提供する。最良のパネルシステムは、現在Roche Integra(登録商標)もしくはHitachi(登録商標)、Dade Dimension(登録商標)RxL、Bayer Advia(登録商標)、Ortho Clinical Diagnostics,Inc.およびVitros(商標)である。主要な免疫学的検定法システムは、現在、Abbott、Bayer / Chiron、BeckmanおよびRocheを含む。TDM測定装置は、現在、Abbott、Roche、Dade、およびBeckmanを含む。これらは、例として提示したものであり、必要に応じて追加の製造者で置き換えまたは補うことができる。
【0056】
評価分析タイプカテゴリは、特定の被検化合物を測定するために使用される方法を定義する評価分析のタイプを示す。これらは、以下のカテゴリにグループ化される。すなわち、酵素、免疫学的検定法、鉄特有の電極(すなわち、ISE)、比色、クロマトグラフィ、電気泳動のカテゴリである。最後の2つは、高度に特殊化されたタイプの方法であり、普通は、特殊な化学研究所で実施される。酵素、比色、およびISEは、パネルプロファイル中の普通の被検化合物を測定するのに使用される方法である。これらは、数年にわたり改善されてきており、したがって、すべて完全にロバストである。酵素の評価分析は、LDH、ALKP、およびASTなど多くの血液酵素の活動を測定するために使用される。
【0057】
比色評価分析はまた、測光、または分光測光としても知られている。関心対象の被検化合物は、試薬基体と反応して、反応混合物の色変化を生じ、単一または複数波長における光の強度がその被検化合物の濃度に比例する。
【0058】
免疫学的検定法は、化合物の定性的または定量的検出のために抗体を使用する分析検査である。一方法として、免疫学的検定法を特徴付ける抗体の2つの重要なプロパティがある。それらは、結合した化合物に対して、また形成後の結合力に対して一義的な特異性がある。この注目すべき抗体の特異性により、多くの密接に関係する物質の存在中で、微少な被検化合物濃度を測定することができる。
【0059】
クロマトグラフィおよび電気泳動の評価分析は、気体(すなわち、ガスクロマトグラフィ)、液体(すなわち、液体クロマトグラフィもしくは毛細管電気泳動)または固体(すなわち、電気泳動)相中における他の類似の化合物から関心対象の被検化合物を分離する。これらは、分析の前に、サンプルの準備ステップが必要となり得る複雑な方法である。
【0060】
分子評価分析は、血液または血漿中の核酸(すなわち、DNAもしくはRNA)を測定する。一般に、血清の被検物から、これらの化合物の分析を実施することはない。分子評価分析はまた、非常に汚染されやすく、非常に特殊化された方法である。例えば、遺伝子病および標識ウィルス(viral marker)は分子方法によって決定される。
【0061】
血液バンキングカテゴリは、患者の血液型(すなわち、Rh)を決め、グループ化(すなわち、ABO)するために血清または血漿管を使用する特殊なカテゴリである。そのタイプのサンプルはまた、細胞の抗体をスクリーニングし、輸血のために単位血液(blood unit)の交差適合試験(cross matching)をするためにも使用される。
【0062】
図2Aから2Fは、ユーザの妥当性検査要求に関連する被検化合物および方法の例示的なビューを提供し、臨床的な文書が存在する場所を識別する。具体的には、あるカテゴリ中に文書が存在するかどうかを示すために、そのカテゴリを、ハイライトするか影を付けることができる。さらに、そのハイライトおよび影付けは、どの形式で利用可能な文書が提供されるかを示すために色を変えることもできる。(すなわち、白書)。上記のように、第3ステップ15で、ユーザまたは検査施設が、
図2Aから2Fに示すものなど、1つまたは複数の分析的な配列テーブルを受け取ったとき、検査施設は、その配列内のどのエレメントが検査施設に適用可能であるかを識別する。次いで、第4ステップ25で、検査施設は、分析的な配列内で選択された特有のエレメントを識別し、製造者にそれを要求する。
【0063】
分析的な配列テーブルは、この製品実施例の妥当性検査において考慮する主要な領域に対するカテゴリを有しており、1つの試験管から他のものに変えるために必要な任意の残りの臨床検査のためのガイドラインとして働く。しかし、妥当性検査目的のために、任意の数の配列を作成することができる。
図1で概略を示した本実施例中で提供される配列テーブルは、一般に、血清に適用可能であり、主要なカテゴリから項目を選択することによって、検査施設は、どのように試験管が機能するかをよりよく理解し、臨床的な性能評価をコスト効率がよく、またタイムリーに達成することができる。臨床的な妥当性を示すために、検査戦略を各変換に適合させることができる。
【0064】
要求された後、第5ステップ30で、次いで、製造者は、妥当性が検査された変更を示すための検査施設から要求された検査の程度を低減するために、どの比較が前に識別されているかを教示する情報を含む少なくとも1つのデータベースを調査することができる。第4ステップ25で、製造者は、検査が必要な情報ギャップを識別するために、検査施設によって選択された分析的な配列検査を、第5ステップ30のデータベース調査と比較し、第6ステップ40で、その比較結果および必要な検査を、検討のために検査施設に送ることができる。上記のように、ギャップ分析は、教育的および技術的サポート、白書、文献検索、臨床的制限、および総称プロトコルを含む検査施設変換ツールを使用することができる。
【0065】
白書の場合、製造者または外部パーティは、製品に対するデータを顧客に提供するために、独立してまたは共同で臨床試験(すなわち、内部および外部の)を日常的に行うことができる。大部分の研究を、典型的な顧客の使用をシミュレートするように設計することが可能であり、様々なタイプの試験管相互間で、分析的、視覚的、または物理的結果を比較することができる。これらの研究結果を、白書の形で顧客に配布することが可能であり、関連する白書は、次いで、臨床データ要約(clinical data summary)テーブルに要約することができ、その一実施例を
図3に示す。第6ステップ40で、要約テーブルは、化学的性質(chemistries)、測定装置(instruments)、サンプルサイズ(sample sizes)などと関連付けられた利用可能な文書を示すいくつかの行と列を含むことができ、その比較結果および必要な検査を検査施設に送ることができる。
【0066】
通常、任意の試験管変換に先だって、試験管の変換前に必要となり得る臨床研究を評価および/または設計できるようにするために、製造者は、関連する白書および文献をすべて再検討することを推奨する。文献検索の場合、製造者は、様々な試験管の比較に対してこれらの文献検索を実施しかつ提供することができる。さらに、新しい文献は様々な定期刊行物中で毎月発行されるので、各ユーザが自分でその検索を行うことも推奨され得る。製造者は、共同作業および出版の機会を歓迎するはずであり、その場合、その要約されたデータに、特定の変換に対する適切な参照を追加することができる。要約されたデータは、白書、文献、任意の変換/定期的な更新に関する論文、および分析的な配列評価に基づいて、どの被検化合物が受容可能であるかを評価できるように設計される。要約されたデータはまた、任意の数の研究(すなわち、設計、分析、および成果)の要約を含むことができる。
【0067】
この評価に従って、ギャップ分析を検査施設で実施することができる。上記のように、第5ステップ30で、製造者は、妥当性が検査された変更を示すための検査施設によって要求された検査の程度を低減するために、要約されたデータを調査する。製造者は、検査が必要な情報ギャップを識別するために、データベース調査と、ユーザによって選択された分析的な配列検査を比較することができ、第6ステップ40で、検討のために比較結果および必要な検査を検査施設に送ることができる。具体的には、第7ステップ45で、検査施設は、次いで、比較結果、必要な検査、および製造者により推奨された臨床範囲を含めて、何を検査すべきかに関して任意のギャップを解釈することができる。次いで、検査施設は、所望する検査および臨床範囲を確認し、または調整することができ、次いで、第8ステップ55で、改訂した要求を製造者に送ることができる。
【0068】
ステップ第8の改訂要求を作成することにおいて、検査施設は、その変換タイプに関する要約されたデータを選択し、必要な検査メニューに対して、関連する白書および文献のデータを再検討する。不足している情報(すなわち、製造者により識別されたギャップ)に対して、製造者または外部パーティは、検査施設が自分のその評価および検査から適切な欄(すなわち、参照、サンプルサイズ、個体群分析方法の研究、および以下同様のものなど)を完成するように推奨することができる。
【0069】
第8ステップ55で、分析的な配列スプレッドシートおよび要約されたデータを用いて、顧客は、
1)すべての関連する必要な被検化合物などの情報を、適切なカテゴリに追加すること(すなわち、大容量の評価分析、困難な評価分析、化合物のクラスなど)、
2)分析的な配列スプレッドシートから、制御および評価サンプル間の有意なまたは非有意な差を有するすべての被検化合物を示すこと(すなわち、カラーコード)、および
3)検査施設によって要求しまだスプレッドシート中に文書化されていない検査化合物を示すこと、
が指示される。そのようにすると、ギャップ分析テーブルにおける残りの被検化合物ギャップ、問題の被検化合物、または製造者に対して参照範囲変更を要求する被検化合物を識別することができる。これらは、検査施設がさらに調査をしたい被検化合物である。
図4は、ガラスからプラスチックSSTへの変換のための被検化合物配列ギャップ分析テーブルの一実施例である。
図4のテーブルで示すように、問題の被検化合物(analytes)は、化合物のクラス(class of compound)、容量(volume)、感度(sensitivity)、測定装置(instrument)、および方法(method)によって製造者に識別され、記録される。なお、他の実施例では、他の指定カテゴリを提供することができる。
【0070】
第9ステップ60で、識別された後、製造者は、次いで、上記に基づいて検査プロトコルを生成し検査施設に提供する。製造者はまた、事前にラベル付けした試験管セット、制御もしくは評価サンプル、またはその評価に必要な任意の材料などの材料を検査施設に提供することができる。次いで、検査施設は、プロトコルに対する検査のためにその材料を使用することができる。検査後、製造者は、等価ソフトウェアパッケージまたは任意の数の統計分析ツールを用いて検査施設によって生成されたデータおよび検査結果を受け取り、分析することができ、その後、その変更の妥当性検査を示す提示可能なレポートを検査施設に提供することができる。
【0071】
上記のように、本発明の諸実施形態はまた、新規のもしくは変更された医療製品の変更、または使用変更の許可における臨床的有効性を示すために使用できる提示可能なレポートに、収集された臨床検査結果を変換するための機構を提供することができる。レポートを、すべての被検化合物を示す本や白書などのように構成することができ、組み合わせてプロトコルを定義できる1つまたは複数のギャップ分析を含むことができる。そのようにすると、単一の文書または本により完全な文書を提供することができる。
【0072】
本発明の一実施形態による評価を完了した後、検査施設は統計的にデータを分析する。データおよび統計的結論を再検討すると、実験者は、いくつかの統計的差異が臨床的な差ではないかもしれないと認識する可能性があり、したがって、その実験者は、受容性を判定するためのデータに臨床的制限を適用することができる。このように診断的に検査を行うことの医療上の有用性は、被検化合物の値の分析的に有意な変化の大きさを推定できることである。被検化合物の濃度は、正または負の偏りとなる可能性があり、それは、医者が正しい診断決定を得るために十分に小さい受容制限内に含まれる必要がある。正しい診断を行うためには、観察された分析的偏りが、分析手法固有の変動によって、または患者の生理および病理の一時変異により引き起こされたものであるかどうか、医者は区別できなければならない。したがって、受容性を判定するために臨床的制限をデータに適用することは有益となるはずである。
【0073】
本発明の諸実施形態は、多くの異なる被検化合物(すなわち、化学パネル)を同時に分析することができ、また内部的に臨床的な制限を適用できる等価性を検査するための統計的ツールを提供することができる。上記の諸実施形態は、包括的な分析的配列検査技法、白書、文献検索、臨床データ要約テーブルおよび分析的な配列スプレッドシート、ギャップ分析、および統計的/臨床的差異、さらに潜在的干渉などのツールも利用する。これらの諸ステップを、ある試験管タイプから他のタイプに変換するために、分析検査が必要な場合、施設にとってどの分析検査が必要となり得るかを判定するために使用することができる。
【0074】
製造者の採血試験管タイプ、サイズもしくは特定の検査施設の評価分析のための保管条件のいずれかを変更する場合は、その検査施設の要員が、試験管製造者のデータおよび自分のデータを再検討し、特有の測定装置/試薬システムに対する参照範囲を確立しかつ/または検査することができる。このような情報に基づき、検査施設は、その変更が適切かどうか決定することができる。
【0075】
最適に実施するために、上記の本発明の諸実施形態を、エキストラネットのサイト、インターネット接続、コンパクトディスク、または発行されたテキストを介して顧客に提供することができ、それにより、臨床的検査施設環境中で評価された、すべてではないが、大部分の被検化合物に対して、ガラスおよびプラスチック真空採血管など急速に開発されている製品に関して上記の臨床データの形式でユーザサポートを提供する。取得されたデータを、上記のものを超える任意の数の製品を開発し、変換して行く可能性のある臨床検査施設顧客またはサイトユーザに対して、コンプライアンスサポートを提供するために使用することができる。
【0076】
本発明のいくつかの例示的な実施形態だけを上記で詳細に説明してきたが、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示の実施形態において多くの変更が可能であることが、当業者であれば容易に理解されよう。したがって、このような変更はすべて、添付の特許請求の範囲およびその等価なもの中で定義される本発明の範囲に含まれるものとする。