(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、前記第1のチップは、前記複数のメモリセルが有する複数のデータに関連するパス/フェイル判定を行い、そのパス/フェイル判定の結果を前記第2のチップへ転送する第2の出力回路を含み、
更に、前記第2のチップは、前記複数の第1のチップが有する複数の前記第2の出力回路から転送された複数の前記パス/フェイル判定の結果を解析し、その解析結果を前記複数のメモリセルのリペア情報として前記電気ヒューズに設定する解析回路を含む、請求項1に記載の半導体装置。
前記電気ヒューズから読み出されたアドレスは、前記外部信号端子を介することなく前記貫通電極を介して前記インターフェースチップから前記複数のコアチップへ供給される、ことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
前記複数のテスト回路による前記複数のパス/フェイル判定の結果は、前記貫通電極を介して前記複数のコアチップから前記インターフェースチップに供給される、ことを特徴とする請求項14に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の課題を解決する技術思想(コンセプト)の代表的な一例は、以下に示される。但し、本願の請求内容はこの技術思想に限られず、本願の請求項に記載の内容であることは言うまでもない。
【0015】
すなわち、本発明による半導体装置は、バックエンド部が集積された複数のコアチップとフロントエンド部が集積されたインターフェースチップを積層し、コアチップ側に光学ヒューズを設け、インターフェースチップ側に電気ヒューズを設け、半導体装置の起動時において、電気ヒューズの情報を貫通電極を介してコアチップに転送することを技術思想とするものである。これにより、コアチップ側に電気ヒューズを設ける必要がなくなるため、コアチップの面積増大を防止することができる。しかも、電気ヒューズの情報は、貫通電極を介してコアチップに転送されることから、半導体装置の外部端子を介してインタフェースチップが、半導体装置外のメモリコントローラとの間で行う必要のあるイニシャライズ作業を阻害することもない。
【0016】
図1は、本発明の原理を説明するためのブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本発明による半導体装置は、複数の第1のチップ100と第2のチップ200を含んでいる。複数の第1のチップ100は互いに同じ回路構成を有するチップであり、それぞれ複数のメモリセルからなるメモリセルアレイ110を備えている。第1のチップ100は、半導体装置の外部と直接通信することなく第2のチップ200を介して通信するため、外部端子300には直接接続されていない。複数の第1のチップ100と第2のチップ200との接続は、それぞれ対応する内部配線400を介して行われる。内部配線400は、それぞれ対応する第1のチップ100の基板を貫通する貫通電極を含んでいる。
【0018】
第2のチップ200は、複数の第1のチップ100を制御するチップであり、半導体装置の外部と通信するため外部端子300に直接接続されている。第2のチップ200は、アクセス制御回路210、電気ヒューズ220及びフラグヒューズ230を有している。フラグヒューズ230は、電気ヒューズ220と同一の構造を有しており、電気ヒューズ220に情報を設定したか否かを示す第1のフラッグ情報FL1を格納する。電気ヒューズ220にプログラムされた電気ヒューズ情報AFと、フラグヒューズ230にプログラムされたフラッグ情報FL1は、出力回路240に供給される。出力回路240は、電気ヒューズ情報AF及びフラッグ情報FL1を、内部配線400を介して第1のチップ100に供給する役割を果たす。
【0019】
第1のチップ100は、光学ヒューズ120及びその光学ヒューズ120にプログラムされた光学ヒューズ情報LFを保持する第1のラッチ回路101を有している。さらに、第1のチップ100は、フラグヒューズ130を有している。フラグヒューズ130は、光学ヒューズ120と同一の構造を有しており、光学ヒューズ120に光学ヒューズ情報LFを設定したか否かを示す第2のフラッグ情報FL2を格納する。第2のフラッグ情報FL2は、第4のラッチ回路104にラッチされる。
【0020】
内部配線400を介して第2のチップ200から転送された電気ヒューズ情報AF及び第1のフラッグ情報FL1は、第1のチップ100に設けられた入力回路140によって受信され、それぞれ第2のラッチ回路102及び第3のラッチ回路103にラッチされる。
【0021】
第1のラッチ回路にラッチされた光学ヒューズ情報LFと、第2のラッチ回路にラッチされた電気ヒューズ情報AFは、制御回路150に含まれる選択回路151に供給される。選択回路151は、光学ヒューズ情報LF及び電気ヒューズ情報AFのいずれか一方を選択する回路であり、その選択は、第3及び第4のラッチ回路103,104にラッチされた第1及び第2のフラッグ情報FL1,FL2に基づいて行われる。選択された光学ヒューズ情報LF又は電気ヒューズ情報AFは、制御回路150に含まれるアドレス比較回路152に供給される。
【0022】
アドレス比較回路152は、選択された光学ヒューズ情報LF又は電気ヒューズ情報AFとアクセスが要求されたアドレスADDとを比較する回路であり、両者が一致した場合には、冗長判定信号HITを活性化する。冗長判定信号HITが活性化すると、アクセス制御回路160によるメモリセルアレイ110へのアクセスが中止され、その代わりに、冗長セルを含む冗長アレイ170に対するアクセスが行われる。これにより、不良のあるメモリセルの代わりに冗長セルがアクセスされることになる。
【0023】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図2は、本発明の好ましい実施形態による半導体装置10の構造を説明するための模式的な断面図である。
【0025】
図2に示すように、本実施形態による半導体装置10は、互いに同一の機能、構造を持ち、夫々同一の製造マスクで製作された8枚のコアチップCC0〜CC7、コアチップとは異なる製造マスクで製作された1枚のインターフェースチップIF及び1枚のインターポーザIPが積層された構造を有している。コアチップCC0〜CC7及びインターフェースチップIFはシリコン基板を用いた半導体チップであり、いずれもシリコン基板を貫通する多数の貫通電極TSV(Through Silicon Via)によって上下に隣接するチップと電気的に接続されている。一方、インターポーザIPは樹脂からなる回路基板であり、その裏面IPbには複数の外部端子(半田ボール)SBが形成されている。
【0026】
コアチップCC0〜CC7は、「外部端子を介して外部とのインターフェースを行ういわゆるフロントエンド部と複数の記憶セルとそれら記憶セルへアクセスするいわゆるバックエンド部の両者を含む周知で一般的なそれ自身が単体チップでも動作し、メモリコントローラと直接通信できる通常のメモリチップである特に限定されないが1GbのDDR3(Double Data Rate 3)型SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)」に含まれる回路ブロックのうち、外部とのインターフェースを行ういわゆるフロントエンド部(フロントエンド機能)が削除された半導体チップである。言い換えれば、原則として、バックエンド部に属する回路ブロックのみが集積された半導体チップである。フロントエンド部に含まれる回路ブロックとしては、メモリセルアレイとデータ入出力端子との間で入出力データのパラレル/シリアル変換を行うパラレルシリアル変換回路(データラッチ回路)や、データの入出力タイミングを制御するDLL(Delay Locked Loop)回路などが挙げられる。詳細は後述する。インターフェースチップIFは、フロントエンド部のみが集積された半導体チップである。よって、インターフェースチップの動作周波数は、コアチップの動作周波数よりも高い。コアチップCC0〜CC7にはフロントエンド部に属するこれらの回路は含まれていないため、コアチップの製造過程において、そのコアチップがウェハ状態で実施されるテスト動作時を除きコアチップCC0〜CC7を単体で動作させることはできない。コアチップCC0〜CC7を動作させるためには、インターフェースチップIFが必要である。よって、コアチップは、一般的な単体チップの記憶集積度よりも集積度が高い。インターフェースチップIFは、外部と第1の動作周波数で通信するフロントエンド機能を有し、複数のコアチップCC0〜CC7は、インターフェースチップIFとのみ通信し、且つ第1の動作周波数よりも低い第2の動作周波数で通信するバックエンド機能を有する。よって、複数のコアチップCC0〜CC7のそれぞれは、複数の情報を記憶するメモリセルアレイを備え、複数のコアチップCC0〜CC7からインターフェースチップIFへパラレルに供給される一つのI/O(DQ)当たりの複数のリードデータは、インターフェースチップIFからコアチップへ与える一回のリードコマンドに関連する複数のビット数である。所謂、複数のビット数は、周知のプリフェッチデータ数に対応する。
【0027】
インターフェースチップIFは、8枚のコアチップCC0〜CC7に対する共通のフロントエンド部として機能する。したがって、外部からのアクセスは全てインターフェースチップIFを介して行われ、データの入出力もインターフェースチップIFを介して行われる。本実施形態では、インターポーザIPとコアチップCC0〜CC7との間にインターフェースチップIFが配置されているが、インターフェースチップIFの位置については特に限定されず、コアチップCC0〜CC7よりも上部に配置しても構わないし、インターポーザIPの裏面IPbに配置しても構わない。インターフェースチップIFをコアチップCC0〜CC7の上部にフェースダウンで又はインターポーザIPの裏面IPbにフェースアップで配置する場合には、インターフェースチップIFにTSVを設ける必要はない。また、インターフェースチップIFは、2つのインターポーザIPに挟まれるように配置しても良い。
【0028】
インターポーザIPは、半導体装置10の機械的強度を確保するとともに、電極ピッチを拡大するための再配線基板として機能する。つまり、インターポーザIPの上面IPaに形成された電極91をスルーホール電極92によって裏面IPbに引き出し、裏面IPbに設けられた再配線層93によって、外部端子SBのピッチを拡大している。
図2には、2個の外部端子SBのみを図示しているが、実際には多数の外部端子が設けられている。外部端子SBのレイアウトは、規格により定められたDDR3型のSDRAMにおけるそれと同じである。したがって、外部のコントローラからは1個のDDR3型のSDRAMとして取り扱うことができる。
【0029】
図2に示すように、最上部のコアチップCC0の上面はNCF(Non-Conductive Film)94及びリードフレーム95によって覆われており、コアチップCC0〜CC7及びインターフェースチップIFの各チップ間のギャップはアンダーフィル96で充填され、またその周囲は封止樹脂97によって覆われている。これにより、各チップが物理的に保護される。
【0030】
コアチップCC0〜CC7に設けられたTSVの大部分は、積層方向から見た平面視で、すなわち
図2に示す矢印Aから見た場合に、同じ位置に設けられた他層のTSVと短絡されている。つまり、
図3(a)に示すように、平面視で同じ位置に設けられた上下のTSV1が短絡され、これらTSV1によって1本の配線が構成されている。各コアチップCC0〜CC7に設けられたこれらのTSV1は、当該コアチップ内の内部回路4にそれぞれ接続されている。したがって、インターフェースチップIFから
図3(a)に示すTSV1に供給される入力信号(コマンド信号、アドレス信号など)は、コアチップCC0〜CC7の内部回路4に共通に入力される。また、コアチップCC0〜CC7からTSV1に供給される出力信号(データなど)は、ワイヤードオアされてインターフェースチップIFに入力される。
【0031】
これに対し、一部のTSVについては、
図3(b)に示すように、平面視で同じ位置に設けられた他層のTSV2と直接接続されるのではなく、当該コアチップCC0〜CC7に設けられた内部回路5を介して接続されている。つまり、各コアチップCC0〜CC7に設けられたこれら内部回路5がTSV2を介してカスケード接続されている。この種のTSV2は、各コアチップCC0〜CC7に設けられた内部回路5に所定の情報を順次転送するために用いられる。このような情報としては、後述する層アドレス情報が挙げられる。
【0032】
さらに他の一部のTSV群については、
図3(c)に示すように、平面視で異なる位置に設けられた他層のTSVと短絡されている。この種のTSV群3に対しては、平面視で所定の位置Pに設けられたTSV3aに各コアチップCC0〜CC7の内部回路6が接続されている。これにより、各コアチップに設けられた内部回路6に対して選択的に情報を入力することが可能となる。このような情報としては、後述する不良チップ情報が挙げられる。
【0033】
このように、コアチップCC0〜CC7に設けられたTSVは、
図3(a)〜(c)に示す3タイプ(TSV1〜TSV3)が存在する。上述の通り、大部分のTSVは
図3(a)に示すタイプであり、アドレス信号、コマンド信号、クロック信号などは
図3(a)に示すタイプのTSV1を介して、インターフェースチップIFからコアチップCC0〜CC7に供給される。また、リードデータ及びライトデータについても、
図3(a)に示すタイプのTSV1を介してインターフェースチップIFに入出力される。これに対し、
図3(b),(c)に示すタイプのTSV2,TSV3は、互いに同一の構造を有するコアチップCC0〜CC7に対して、個別の情報を与えるために用いられる。
【0034】
図4は、
図3(a)に示すタイプのTSV1の構造を示す断面図である。
【0035】
図4に示すように、TSV1はシリコン基板180及びその表面の層間絶縁膜181を貫通して設けられている。TSV1の周囲には絶縁リング182が設けられており、これによって、TSV1とトランジスタ領域との絶縁が確保される。
図4に示す例では絶縁リング182が二重に設けられており、これによってTSV1とシリコン基板180との間の静電容量が低減されている。
【0036】
シリコン基板180の裏面側におけるTSV1の端部183は、裏面バンプ184で覆われている。裏面バンプ184は、下層のコアチップに設けられた表面バンプ185と接する電極である。表面バンプ185は、各配線層L0〜L3に設けられたパッドP0〜P3及びパッド間を接続する複数のスルーホール電極TH1〜TH3を介して、TSV1の端部186に接続されている。これにより、平面視で同じ位置に設けられた表面バンプ185と裏面バンプ184は、短絡された状態となる。尚、図示しない内部回路との接続は、配線層L0〜L3に設けられたパッドP0〜P3から引き出される内部配線(図示せず)を介して行われる。
【0037】
図5は、半導体装置10の回路構成を示すブロック図である。
【0038】
図5に示すように、インターポーザIPに設けられた外部端子には、クロック端子11a,11b、クロックイネーブル端子11c、コマンド端子12a〜12f、アドレス端子13a〜13c、データ入出力端子14、データストローブ端子15a,15b、キャリブレーション端子16、電源端子17a,17b及びデータマスク端子18が含まれている。これら外部端子のうち、電源端子17a,17bを除く外部信号端子は、全てインターフェースチップIFに接続されており、コアチップCC0〜CC7には直接接続されない。
【0039】
まず、これら外部端子とフロントエンド機能を有するインターフェースチップIFとの接続関係、並びに、インターフェースチップIFの回路構成について説明する。
【0040】
クロック端子11a,11bはそれぞれ外部クロック信号CK,/CKが供給される端子であり、クロックイネーブル端子11cはクロックイネーブル信号CKEが入力される端子である。供給された外部クロック信号CK,/CK及びクロックイネーブル信号CKEは、インターフェースチップIFに設けられたクロック発生回路21に供給される。本明細書において信号名の先頭に「/」が付されている信号は、対応する信号の反転信号又はローアクティブな信号であることを意味する。したがって、外部クロック信号CK,/CKは互いに相補の信号である。クロック発生回路21は内部クロック信号ICLKを生成する回路であり、生成された内部クロック信号ICLKは、インターフェースチップIF内の各種回路ブロックに供給される他、TSVを介してコアチップCC0〜CC7にも共通に供給される。
【0041】
また、インターフェースチップIFにはDLL回路22が含まれており、DLL回路22によって入出力用クロック信号LCLKが生成される。入出力用クロック信号LCLKは、インターフェースチップIFに含まれる入出力バッファ回路23に供給される。DLL機能は、半導体装置10が外部と通信するに当たり、外部との同期がマッチングされた信号LCLKでフロントエンドを制御するためのものである。故に、バックエンドであるコアチップCC0〜CC7には、DLL機能は不要である。
【0042】
コマンド端子12a〜12fは、それぞれチップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、オンダイターミネーション信号ODT、及びリセット信号/RESETが供給される端子である。これらのコマンド信号は、インターフェースチップIFに設けられたコマンド入力バッファ31に供給される。コマンド入力バッファ31に供給されたこれらコマンド信号は、コントロールロジック32に供給される。コントロールロジック32には、レイテンシコントローラ32a及びコマンドデコーダ32bが含まれており、内部クロックICLKに同期して、コマンド信号の保持、デコード及びカウントなどを行うことによって、各種内部コマンドICMDを生成する。生成された内部コマンドICMDは、インターフェースチップIF内の各種回路ブロックに供給される他、TSVバッファ34及びTSVを介してコアチップCC0〜CC7にも共通に供給される。
【0043】
アドレス端子13aはバンクアドレスBA0〜BA2が供給される端子であり、アドレス端子13bはアドレス信号A0〜A(N−3)が供給される端子であり、アドレス端子13cはアドレス信号AN〜A(N−2)が供給される端子である。供給されたアドレス信号A0〜AN,BA0〜BA2は、インターフェースチップIFに設けられたアドレス入力バッファ41に供給される。アドレス入力バッファ41の出力は、コントロールロジック32及び層アドレスバッファ48に供給される。層アドレスバッファ48は、TSVを介して層アドレス(レイヤ情報)EXAをコアチップCC0〜CC7に共通に供給する役割を果たす。また、モードレジスタセットにエントリーしている場合には、コントロールロジック32に供給されたアドレス信号A0〜A15はインターフェースチップIFに設けられたモードレジスタ42に供給される。また、バンクアドレスBA0〜BA2については、コントロールロジック32によってデコードされ、これにより得られるバンク選択信号がFIFO回路25に供給される。これは、ライトデータのバンク選択がインターフェースチップIF内で行われるためである。
【0044】
データ入出力端子14は、リードデータ又はライトデータDQ0〜DQ7の入出力を行うための端子である。また、データストローブ端子15a,15bは、ストローブ信号DQS,/DQSの入出力を行うための端子である。さらに、データマスク端子18は、データマスク信号DMが供給される端子である。これらデータ入出力端子14、データストローブ端子15a,15b及びデータマスク端子18は、インターフェースチップIFに設けられた入出力バッファ回路23に接続されている。入出力バッファ回路23には、入力バッファIB及び出力バッファOBが含まれており、DLL回路22より供給される入出力用クロック信号LCLKに同期して、リードデータ又はライトデータDQ0〜DQ7及びストローブ信号DQS,/DQSの入出力を行う。また、入出力バッファ回路23は、コントロールロジック32から内部オンダイターミネーション信号IODTが供給されると、出力バッファOBを終端抵抗として機能させる。さらに、入出力バッファ回路23には、キャリブレーション回路24からインピーダンスコードDRZQが供給されており、これによって出力バッファOBのインピーダンスが指定される。
【0045】
キャリブレーション回路24には、出力バッファOBと同じ回路構成を有するレプリカバッファRBが含まれており、コントロールロジック32よりキャリブレーション信号ZQCが供給されると、キャリブレーション端子16に接続された外部抵抗(図示せず)の抵抗値を参照することによってキャリブレーション動作を行う。キャリブレーション動作とは、レプリカバッファRBのインピーダンスを外部抵抗の抵抗値と一致させる動作であり、得られたインピーダンスコードDRZQが入出力バッファ回路23に供給される。これにより、出力バッファOBのインピーダンスが所望の値に調整される。
【0046】
入出力バッファ回路23は、FIFO回路25に接続されている。FIFO回路25は、周知なDDR機能を実現するレイテンシ制御によって動作するFIFO機能を実現するFIFO回路部(不図示)とマルチプレクサ(不図示)とを含み、コアチップCC0〜CC7から供給されるパラレルなリードデータをシリアル変換するとともに、入出力バッファから供給されるシリアルなライトデータをパラレル変換する回路である。したがって、FIFO回路25と入出力バッファ回路23との間はシリアル接続であり、FIFO回路25とコアチップCC0〜CC7との間はパラレル接続である。FIFO回路25が出力するパラレルなライトデータは、TSVバッファ26を介してコアチップCC0〜CC7に供給され、コアチップCC0〜CC7から出力されるパラレルなリードデータは、TSVバッファ26を介してFIFO回路25に供給される。本実施形態では、コアチップCC0〜CC7がDDR3型のSDRAMのバックエンド部であり、プリフェッチ数が8ビットである。また、FIFO回路25とコアチップCC0〜CC7はバンクごとに接続されており、各コアチップCC0〜CC7に含まれるバンク数は8バンクである。したがって、FIFO回路25とコアチップCC0〜CC7との接続は1DQ当たり64ビット(8ビット×8バンク)となる。
【0047】
このように、FIFO回路25とコアチップCC0〜CC7との間においては、基本的に、シリアル変換されていないパラレルデータが入出力される。つまり、通常のSDRAM(それは、フロントエンドとバックエンドが1つのチップで構成される)では、チップ外部との間でのデータの入出力がシリアルに行われる(つまり、データ入出力端子は1DQ当たり1個である)のに対し、コアチップCC0〜CC7では、インターフェースチップIFとの間でのデータの入出力がパラレルに行われる。この点は、通常のSDRAMとコアチップCC0〜CC7との重要な相違点である。但し、プリフェッチしたパラレルデータを全て異なるTSVを用いて入出力することは必須でなく、コアチップCC0〜CC7側にて部分的なパラレル/シリアル変換を行うことによって、1DQ当たり必要なTSVの数を削減しても構わない。例えば、1DQ当たり64ビットのデータを全て異なるTSVを用いて入出力するのではなく、コアチップCC0〜CC7側にて2ビットのパラレル/シリアル変換を行うことによって、1DQ当たり必要なTSVの数を半分(32個)に削減しても構わない。
【0048】
更に、FIFO回路25は、インターフェースチップ単位で試験ができる機能が付加されている。インターフェースチップには、バックエンド部が存在しない。このため、原則として単体で動作させることはできない。しかしながら、単体での動作が一切不可能であると、ウェハ状態でのインターフェースチップの動作試験を行うことができなくなってしまう。これは、インターフェースチップと複数のコアチップの組み立て工程を経た後でなければ、半導体装置10を試験することができないことを示し、半導体装置10を試験することによって、インターフェースチップIFを試験することを意味する。インターフェースチップIFに回復できない欠陥がある場合、半導体装置10全体の損失を招くことになる。この点を考慮して、本実施形態では、FIFO回路25には、試験用に擬似的なバックエンド部の一部が設けられており、試験時に簡素な記憶機能が可能とされている。
【0049】
電源端子17a,17bは、それぞれ電源電位VDD,VSSが供給される端子であり、インターフェースチップIFに設けられたパワーオン検出回路43に接続されるとともに、TSVを介してコアチップCC0〜CC7にも接続されている。パワーオン検出回路43は、電源の投入を検出する回路であり、電源の投入を検出するとインターフェースチップIFに設けられた層アドレスコントロール回路45を活性化させる。
【0050】
層アドレスコントロール回路45は、本実施形態による半導体装置10のI/O構成に応じて層アドレスを変更するための回路である。上述の通り、本実施形態による半導体装置10は8個のデータ入出力端子14を備えており、これにより最大でI/O数を8ビット(DQ0〜DQ7)に設定することができるが、I/O数がこれに固定されるわけではなく、例えば4ビット(DQ0〜DQ3)に設定することも可能である。これらI/O数に応じてアドレス割り付けが変更され、層アドレスも変更される。層アドレスコントロール回路45は、I/O数に応じたアドレス割り付けの変更を制御する回路であり、TSVを介して各コアチップCC0〜CC7に共通に接続されている。
【0051】
また、インターフェースチップIFには層アドレス設定回路44も設けられている。層アドレス設定回路44は、TSVを介してコアチップCC0〜CC7に接続されている。層アドレス設定回路44は、
図3(b)に示すタイプのTSV2を用いて、コアチップCC0〜CC7の層アドレス発生回路46にカスケード接続されており、テスト時においてコアチップCC0〜CC7に設定された層アドレスを読み出す役割を果たす。
【0052】
さらに、インターフェースチップIFには不良チップ情報保持回路33が設けられている。不良チップ情報保持回路33は、正常に動作しない不良コアチップがアセンブリ後に発見された場合に、そのチップ番号を保持する回路である。不良チップ情報保持回路33は、TSVを介してコアチップCC0〜CC7に接続されている。不良チップ情報保持回路33は、
図3(c)に示すタイプのTSV3を用いて、シフトされながらコアチップCC0〜CC7に接続されている。
【0053】
さらに、インターフェースチップIFには、電気ヒューズ回路83が設けられている。電気ヒューズ回路83は、アセンブリ後に発見された不良を冗長回路によって置換するために必要な情報が記憶される回路である。電気ヒューズ回路83に記憶される情報としては、少なくとも、TSVの不良に関する情報と、コアチップCC0〜CC7内のメモリセルの不良に関する情報が含まれる。TSVの不良については、TSVバッファ26,34によって他のTSVに置換することによって救済されるが、これに関しては本発明の要旨と直接関係がないため、詳細な説明は省略する。TSVの不良は、DFT回路81を用いて検出され、電気ヒューズ回路83にプログラムされる。
【0054】
電気ヒューズ回路83には、置換元のワード線を示すロウアドレス又は置換元のビット線を示すカラムアドレスが記憶される。置換先となる冗長ワード線又は冗長ビット線は、当該コアチップCC0〜CC7に含まれる冗長ワード線又は冗長ビット線が使用される。
【0055】
電気ヒューズ回路83に記憶される情報のうちメモリセルの不良アドレスに関する情報は、シリアライザ84によってシリアルデータALDにシリアル変換された後、TSVを介してコアチップCC0〜CC7に転送される。
図5に示すように、不良アドレスの転送は、TSV自体の不良によって転送不能となることを防止すべく、複数のTSVが並列に用いられている。その他、置換できないTSVを使用する信号、例えば、層アドレスEXAや後述する判定信号P/Fなどに対しても、複数のTSVが並列に用いられる。
【0056】
電気ヒューズ回路83へのプログラムは、解析回路82によって行われる。解析回路82はDFT回路37の出力である信号FENTにより活性化され、コントロールロジック32より供給されるアドレスと、コアチップCC0〜CC7より供給される判定信号P/Fに基づき、不良のあるメモリセルの出現パターンを解析する。解析は、不良のあるメモリセルをワード線単位又はビット線単位で置換した場合に、もっとも効率よく置換可能なパターンを特定する。このことは、電気ヒューズ回路83により記憶されるアドレスがメモリセル単位のアドレスではなく、ワード線単位又はビット線単位のアドレスであることを意味する。ワード線単位又はビット線単位での置換は、コアチップCC0〜CC7の製造時においてウェハ状態で行われ、ウェハ状態での置換に用いられなかった残余の冗長ワード線又は冗長ビット線が電気ヒューズ回路83によって使用されることになる。よって、解析回路82は、フェイルメモリ・リペア・アナライザである。
【0057】
一方、電気ヒューズ回路83にプログラムされた情報の読み出しは、ロード回路85を用いて行われる。ロード回路85は、電気ヒューズ回路83にプログラムされた情報の読み出しを行うとともに、タイミング信号ALFL,ALCKを生成することにより、シリアライザ84とコアチップCC0〜CC7との同期を取る役割を果たす。
【0058】
以上が外部端子とインターフェースチップIFとの接続関係、並びに、インターフェースチップIFの回路構成の概要である。次に、コアチップCC0〜CC7の回路構成について説明する。
【0059】
図5に示すように、バックエンド機能を有するコアチップCC0〜CC7に含まれるメモリセルアレイ50は、いずれも8バンクに分割されている。尚、バンクとは、個別にコマンドを受け付け可能な単位である。言い換えれば、夫々のバンクは、互いに非排他制御で独立に動作することができる。半導体装置10の外部(半導体装置10を制御する外部のコントローラ)からは、独立に夫々のバンクをアクセスできる。例えば、バンク1のメモリセルアレイ50とバンク2のメモリセルアレイ50は、異なるコマンドにより夫々対応するワード線WL、ビット線BL等を、時間軸的に同一の期間に個別にアクセス制御できる非排他制御の関係である。例えば、バンク1をアクティブ(ワード線とビット線をアクティブ)に維持しつつ、更にバンク2をアクティブに制御することができる。但し、半導体装置10の外部端子(例えば、複数の制御端子、複数のI/O端子)は、共有している。メモリセルアレイ50内においては、複数のワード線WLと複数のビット線BLが交差しており、その交点にはメモリセルMCが配置されている(
図5においては、1本のワード線WL、1本のビット線BL及び1個のメモリセルMCのみを示している)。
【0060】
メモリセルアレイ50には、複数の冗長ワード線RWLに接続された冗長セルRMCからなるロウ冗長アレイ50aと、複数の冗長ビット線RBLに接続された冗長セルRMCからなるカラム冗長アレイ50bを有している。ロウ冗長アレイ50aは、アクセスが要求されたメモリセルが不良ワード線に属している場合に代替アクセスされ、カラム冗長アレイ50bは、アクセスが要求されたメモリセルが不良ビット線に属している場合に代替アクセスされる。このような代替アクセスは、上述した電気ヒューズ回路83又は後述する光学ヒューズ回路55,57に記憶されたアドレスに対してアクセスが要求された場合に行われる。
【0061】
ワード線WLの選択はロウデコーダ51によって行われる。また、ビット線BLはセンス回路53内の対応するセンスアンプSAに接続されている。センスアンプSAの選択はカラムデコーダ52によって行われる。
【0062】
ロウデコーダ51は、ロウ制御回路61より供給されるロウアドレスによって制御される。ロウ制御回路61には、TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるロウアドレスを受けるアドレスバッファ61aが含まれており、アドレスバッファ61aによってバッファリングされたロウアドレスがロウデコーダ51に供給される。TSVを介して供給されるアドレス信号は、TSVレシーバ35及びコントロールロジック63を介して、ロウ制御回路61などに供給される。また、ロウ制御回路61にはリフレッシュカウンタ61bも含まれており、コントロールロジック回路63から内部リフレッシュコマンドが発行された場合には、リフレッシュカウンタ61bが示すロウアドレスがロウデコーダ51に供給される。
【0063】
ロウデコーダ51には、図示しないアドレス比較回路が含まれており、ロウ制御回路61より供給されるロウアドレスと不良アドレスラッチ回路56に保持されたアドレスとの比較を行う。不良アドレスラッチ回路56は、光学ヒューズ回路55から読み出された不良ロウアドレスをラッチする回路である。不良アドレスラッチ回路56には、光学ヒューズ回路55から読み出された不良ロウアドレスをラッチする回路のみならず、電気ヒューズ回路83から読み出された不良ロウアドレスをラッチする回路も含まれている。そして、ロウデコーダ51による比較の結果、両アドレスが一致した場合には、ロウアドレスが示すワード線の代わりに、ロウ冗長アレイ50aに含まれる冗長ワード線に対してアクセスを行う。これに対し、両アドレスが不一致である場合には、ロウアドレスが示すワード線をそのままアクセスする。
【0064】
光学ヒューズ回路55には複数のヒューズセットが含まれており、各ヒューズセットがロウ冗長アレイ50a内の複数の冗長ワード線にそれぞれ対応している。つまり、あるヒューズセットにあるロウアドレスがプログラムされている場合、当該ロウアドレスに対するアクセスが要求されると、当該ヒューズセットに対応づけられた冗長ワード線に対してアクセスが行われる。さらに、光学ヒューズ回路55に含まれる一部のヒューズセットについては、電気ヒューズ回路83に含まれるヒューズセットと一対一に対応している。したがって、光学ヒューズ回路55に含まれる一部のヒューズセットによって置換先として指定される冗長ワード線は、電気ヒューズ回路83に含まれるヒューズセットによっても置換先として指定され得る。ただし、光学ヒューズ回路55と電気ヒューズ回路83が競合することはなく、一つの冗長ワード線は、光学ヒューズ回路55に含まれるヒューズセット及び電気ヒューズ回路83に含まれるヒューズセットのいずれか一方によって置換先として使用される。
【0065】
カラムデコーダ52は、カラム制御回路62より供給されるカラムアドレスによって制御される。カラム制御回路62には、TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるカラムアドレスを受けるアドレスバッファ62aが含まれており、アドレスバッファ62aによってバッファリングされたカラムアドレスがカラムデコーダ52に供給される。また、カラム制御回路62にはバースト長をカウントするバーストカウンタ62bも含まれている。
【0066】
カラムデコーダ52には、図示しないアドレス比較回路が含まれており、カラム制御回路62より供給されるカラムアドレスと不良アドレスラッチ回路58に保持されたアドレスとの比較を行う。不良アドレスラッチ回路58は、光学ヒューズ回路57から読み出された不良カラムアドレスをラッチする回路である。不良アドレスラッチ回路58には、光学ヒューズ回路55から読み出された不良カラムアドレスをラッチする回路のみならず、電気ヒューズ回路83から読み出された不良カラムアドレスをラッチする回路も含まれている。そして、カラムデコーダ52による比較の結果、両アドレスが一致した場合には、カラムアドレスが示すビット線の代わりに、カラム冗長アレイ50bに含まれる冗長ビット線に対してアクセスを行う。これに対し、両アドレスが不一致である場合には、カラムアドレスが示すビット線をそのままアクセスする。ビット線へのアクセスは、センス回路53内の対応するセンスアンプSAを選択することにより行う。
【0067】
光学ヒューズ回路57には複数のヒューズセットが含まれており、各ヒューズセットがカラム冗長アレイ50b内の複数の冗長ビット線にそれぞれ対応している。つまり、あるヒューズセットにあるカラムアドレスがプログラムされている場合、当該カラムアドレスに対するアクセスが要求されると、当該ヒューズセットに対応づけられた冗長ビット線に対してアクセスが行われる。さらに、光学ヒューズ回路57に含まれる一部のヒューズセットについては、電気ヒューズ回路83に含まれるヒューズセットと一対一に対応している。したがって、光学ヒューズ回路55に含まれる一部のヒューズセットによって置換先として指定される冗長ビット線は、電気ヒューズ回路83に含まれるヒューズセットによっても置換先として指定され得る。ただし、光学ヒューズ回路57と電気ヒューズ回路83が競合することはなく、一つの冗長ビット線は、光学ヒューズ回路57に含まれるヒューズセット及び電気ヒューズ回路83に含まれるヒューズセットのいずれか一方によって置換先として使用される。
【0068】
カラムデコーダ52によって選択されたセンスアンプSAは、さらに、図示しないいくつかのアンプ(サブアンプやデータアンプなど)を介して、データコントロール回路54に接続される。これにより、リード動作時においては、一つのI/O(DQ)あたり8ビット(=プリフェッチ数)のリードデータがデータコントロール回路54から出力され、ライト動作時においては、8ビットのライトデータがデータコントロール回路54に入力される。データコントロール回路54とインターフェースチップIFとの間はTSVバッファ27及びTSVを介してパラレルに接続される。また、データコントロール回路54には、テスト動作時におけるパス/フェイル判定を行い、そのパス/フェイル判定の結果を判定信号P/Fとして出力するテスト回路54aが含まれる。
【0069】
コントロールロジック回路63は、TSVを介してインターフェースチップIFから供給される内部コマンドICMDを受け、これに基づいてロウ制御回路61及びカラム制御回路62の動作を制御する回路である。コントロールロジック回路63には、層アドレス比較回路(チップ情報比較回路)47が接続されている。層アドレス比較回路47は、当該コアチップがアクセス対象であるか否かを検出する回路であり、その検出は、TSVを介してインターフェースチップIFより供給されるアドレス信号の一部である層アドレスEXAと、層アドレス発生回路46に設定された層アドレスLID(チップ識別情報)とを比較することにより行われる。インターフェースチップIFから供給される層アドレスEXAは、入力レシーバ49を介してコアチップCC0〜CC7に入力される。
【0070】
層アドレス発生回路46には、初期化時において各コアチップCC0〜CC7に固有の層アドレスが設定される。層アドレスの設定方法は次の通りである。まず、半導体装置10が初期化されると、各コアチップCC0〜CC7の層アドレス発生回路46に初期値として最小値(0,0,0)が設定される。コアチップCC0〜CC7の層アドレス発生回路46は、
図3(b)に示すタイプのTSVを用いてカスケード接続されているとともに、内部にインクリメント回路を有している。そして、最上層のコアチップCC0の層アドレス発生回路46に設定された層アドレス(0,0,0)がTSVを介して2番目のコアチップCC1の層アドレス発生回路46に送られ、インクリメントされることにより異なる層アドレス(0,0,1)が生成される。以下同様にして、生成された層アドレスを下層のコアチップに転送し、転送されたコアチップ内の層アドレス発生回路46は、これをインクリメントする。最下層のコアチップCC7の層アドレス発生回路46には、層アドレスとして最大値(1,1,1)が設定されることになる。これにより、各コアチップCC0〜CC7には固有の層アドレスが設定される。
【0071】
層アドレス発生回路46には、不活性化回路36から不良チップ信号DEF2が供給される。不活性化回路36は、TSVを介してインターフェースチップIFの不良チップ情報保持回路33から不良チップ信号DEF1が供給されると活性化する回路である。不良チップ信号DEF1は、
図3(c)に示すタイプのTSV3を用いて各コアチップCC0〜CC7に供給されるため、各コアチップCC0〜CC7に個別の不良チップ信号DEFを供給することができる。不良チップ信号DEF1は、当該コアチップが不良チップである場合に活性化される信号であり、これが活性化している場合、層アドレス発生回路46はインクリメントした層アドレスではなく、インクリメントされていない層アドレスを下層のコアチップに転送する。また、不良チップ信号DEF2はコントロールロジック回路63にも供給されており、不良チップ信号DEF2が活性化している場合にはコントロールロジック回路63の動作が完全に停止する。これにより、不良のあるコアチップは、インターフェースチップIFからアドレス信号やコマンド信号が入力されても、リード動作やライト動作を行うことはない。
【0072】
また、コントロールロジック回路63の出力は、モードレジスタ64にも供給されている。これにより、コントロールロジック回路63の出力がモードレジスタセットを示している場合、アドレス信号によってモードレジスタ64の設定値が上書きされる。これにより、コアチップCC0〜CC7の動作モードが設定される。
【0073】
さらに、コアチップCC0〜CC7には、内部電圧発生回路72が設けられている。内部電圧発生回路72には電源電位VDD,VSSが供給されており、内部電圧発生回路72はこれを受けて各種内部電圧を生成する。内部電圧発生回路72により生成される内部電圧としては、各種周辺回路の動作電源として用いる内部電圧VPERI(≒VDD)、メモリセルアレイ50のアレイ電圧として用いる内部電圧VARY(<VDD)、ワード線WLの活性化電位である内部電圧VPP(>VDD)などが含まれる。また、コアチップCC0〜CC7には、パワーオン検出回路71も設けられており、電源の投入を検出すると各種内部回路のリセットを行う。
【0074】
以上がコアチップCC0〜CC7の基本的な回路構成である。コアチップCC0〜CC7には外部とのインターフェースを行うフロントエンド部が設けられておらず、このため、原則として単体で動作させることはできない。しかしながら、単体での動作が一切不可能であると、ウェハ状態でのコアチップの動作試験を行うことができなくなってしまう。これは、インターフェースチップと複数のコアチップの組み立て工程を経た後でなければ、半導体装置10を試験することができないことを示し、半導体装置10を試験することによって、各コアチップをそれぞれ試験することを意味する。コアチップに回復できない欠陥がある場合、半導体装置10全体の損失を招くことになる。この点を考慮して、本実施形態では、コアチップCC0〜CC7にはいくつかのテストパッドTPとテスト用のコマンドデコーダ65のテスト用フロントエンド部で構成される試験用に擬似的なフロントエンド部の一部が設けられており、テストパッドTPからアドレス信号、テストデータやコマンド信号の入力が可能とされている。試験用のフロントエンド部は、あくまでウェハ試験において簡素な試験を実現する機能の回路であり、インターフェースチップ内のフロントエンド機能をすべて備えるわけではない、ことに注意が必要である。例えば、コアチップの動作周波数は、フロントエンドの動作周波数よりも低いことから、低周波で試験するテスト用のフロントエンド部の回路で簡素に実現することができる。
【0075】
テストパッドTPの種類は、インターポーザIPに設けられた外部端子とほぼ同様である。具体的には、クロック信号が入力されるテストパッドTP1、アドレス信号が入力されるテストパッドTP2、コマンド信号が入力されるテストパッドTP3、テストデータの入出力を行うためのテストパッドTP4、データストローブ信号の入出力を行うためのテストパッドTP5、電源電位を供給するためのテストパッドTP6などが含まれている。
【0076】
テスト時においては、デコードされていない通常の外部コマンドが入力されるため、コアチップCC0〜CC7にはテスト用のコマンドデコーダ65も設けられている。また、テスト時においては、シリアルなテストデータが入出力されることから、コアチップCC0〜CC7にはテスト用の入出力回路29及びテスト用のFIFO回路28も設けられている。テスト時においては、コアチップCC0〜CC7に含まれるDFT回路66が用いられる。
【0077】
以上が本実施形態による半導体装置10の全体構成である。このように、本実施形態による半導体装置10は、例えば1Gbのコアチップが8枚積層された構成を有していることから、この場合、合計で8Gbのメモリ容量となる。また、チップ選択信号/CSが入力される端子(チップ選択端子)は1つであることから、コントローラからはメモリ容量が8Gbである単一のDRAMとして認識される。但し、本発明においてコアチップの記憶容量については特に限定されない。
【0078】
次に、コアチップCC0〜CC7に含まれる不良セルの置換方法について説明する。
【0079】
不良セルの置換は、半導体装置10の製造段階において2回行われる。1回目はウェハプロセスにおいて行われ、2回目はアセンブリプロセスにおいて行われる。ウェハプロセスにおける置換は、ウェハプロセスで発生した欠陥をリペアするために、光学ヒューズ55,57を用いて行われ、アセンブリプロセスにおける置換は、アセンブリプロセスで発生した欠陥をリペアするために、電気ヒューズ回路83を用いて行われる。つまり、ウェハプロセスにおける置換では、当該コアチップCC0〜CC7自体に不良アドレスが記憶されるのに対し、アセンブリプロセスにおける置換では、インターフェースチップIFに不良アドレスが記憶される。
【0080】
図6は、コアチップCC0〜CC7に含まれる不良セルの置換方法を説明するためのフローチャートである。
【0081】
まず、ウェハ状態のコアチップCC0〜CC7に対して動作テストを行い、不良アドレスを検出する(ステップS10)。検出された不良アドレスは半導体装置10外のテスタ内で解析され、置換データが特定される。置換データとは、置換元のワード線又はビット線と、置換先のワード線又はビット線を特定する情報である。置換元のワード線又はビット線はロウアドレス又はカラムアドレスによって特定され、置換先のワード線又はビット線は光学ヒューズ回路55,57内の使用するヒューズセットのアドレスによって特定される。
【0082】
次に、置換データに基づき、光学ヒューズ回路55,57に対するプログラムを行う(ステップS11)。具体的には、レーザトリマーを用いてレーザービームを照射することにより、光学ヒューズ回路55,57に含まれる所定のヒューズセットに置換元のワード線を示すロウアドレス又は置換元のビット線を示すカラムアドレスをプログラムする。このようにしてウェハプロセスにおける置換作業が完了すると、ウェハが個片化される(ステップS12)。一方、インターフェースチップIFが含む電気ヒューズ回路83の設定については、コアチップCC0〜CC7とは別工程で作製する(ステップS13)
【0083】
次に、個片化されたコアチップCC0〜CC7とインターフェースチップIFを互いに積層し、
図2に示すようにパッケージングする(ステップS14)。パッケージングした後、2回目の動作テストを行い、不良アドレスを検出する(ステップS15)。積層するコアチップCC0〜CC7は、ウェハ状態で行った1回目の動作テスト及びこれに基づいた不良セルの置換によってすべてのアドレスが正常にアクセス可能であることが保証されているが、パッケージング時に生じる負荷やバーインテストによる負荷によって、新たな不良アドレスが生じている可能性がある。2回目の動作テストは、このような1回目の動作テストの終了後に生じた新たな不良アドレスを検出し、これを救済するために行う。
【0084】
次に、検出された不良アドレスに基づき、電気ヒューズ回路83に対するプログラムを行う(ステップS16)。具体的には、電気ヒューズ回路83に含まれる電気ヒューズコントローラ(後述)を用いて高電圧を
印加することにより、電気ヒューズ回路83に含まれるヒューズセットに置換元のワード線を示すロウアドレス又は置換元のビット線を示すカラムアドレスをプログラムする。これにより、一連の置換動作が完了し、半導体装置10が良品として出荷される。
【0085】
図7は、
図6に示したステップS15,S16の動作をより詳細に説明するためのフローチャートである。
【0086】
まず、コアチップCC0〜CC7のいずれかを選択し(ステップS20)、動作テストを行う(ステップS21)。動作テストにおけるパス/フェイル判定は、当該コアチップCC0〜CC7内のデータコントロール回路54(テスト回路54a)によって行われる。その結果得られる判定信号P/Fは、TSV1を介してインターフェースチップIF内の解析回路82に転送され、解析回路82によって解析される(ステップS22)。解析回路82は、発見された全ての不良セルをより少ない数の冗長ワード線又は冗長ビット線によって置換できるよう、不良アドレスの解析を行うことによって、置換データを生成する。置換データに含まれる置換先のワード線又はビット線に関する情報は、電気ヒューズ回路83内の使用するヒューズセットのアドレスによって特定される。
【0087】
解析の結果、全てのヒューズセットを使用しても置換を行うことができない場合(ステップS23:NO)、当該半導体装置10は不良品として取り扱われる(ステップS27)。さらに、電気ヒューズ回路83内のヒューズセットを使用して置換を行うことができる場合であっても、電気ヒューズ回路83内の使用すべきヒューズセットが、すでに光学ヒューズ回路55,57内のすでに使用されているヒューズセットに割り当てられている場合にも(ステップS24:NO)、当該半導体装置10は不良品として取り扱われる(ステップS27)。これらのいずれでもない場合は、電気ヒューズ回路83内の所定のヒューズセットに対して、置換元のワード線を示すロウアドレス又は置換元のビット線を示すカラムアドレスをプログラムする(ステップS25)。これにより、当該コアチップにおいて新たに生じた不良アドレスが救済される。
【0088】
そして、このような動作を全てのコアチップCC0〜CC7に対して順次行い、全てのコアチップCC0〜CC7に対して上記の動作が完了すると(ステップS26:YES)、一連の置換動作が完了し、半導体装置10が良品として出荷される。
【0089】
図8は、電気ヒューズ回路83にプログラムされた置換データのロード動作を説明するためのフローチャートである。
【0090】
置換データのロード動作は、コマンド端子12fに供給されるリセット信号/RESETがハイレベルに変化したことに応答して行われる(ステップS31)。リセット信号/RESETがハイレベルに変化すると、インターフェースチップIFに含まれるロード回路85が活性化し、電気ヒューズ回路83にプログラムされた置換データが読み出される(ステップS32)。電気ヒューズ回路83から読み出された置換データは、シリアライザ84によってシリアル変換され、TSV1を介して各コアチップCC0〜CC7に転送される(ステップS33)。シリアライザ84によって置換データを転送する際には、層アドレスバッファ48によって層アドレスEXAも同時に転送される。これにより、各コアチップCC0〜CC7に対して共通に供給される置換データは、層アドレスEXAが示すコアチップに対してのみ有効となり、当該コアチップに含まれる不良アドレスラッチ回路56,58にラッチされる。そして、全ての置換データをそれぞれ対応するコアチップCC0〜CC7に転送完了すると、一連の転送動作が完了する(ステップS34)。
【0091】
図9は、電気ヒューズ回路83の構成をより詳細に示すブロック図である。
【0092】
図9に示すように、電気ヒューズ回路83はバンクごとに設けられている。本実施形態では8バンク構成であることから、電気ヒューズ回路83は8つの電気ヒューズ回路83−0〜83−7に分かれており、それぞれバンク0〜バンク7に対応している。電気ヒューズ回路83−0〜83−7はそれぞれ同じ回路構成を有しているため、
図9においては、代表して電気ヒューズ回路83−0の回路構成のみを図示している。
【0093】
電気ヒューズ回路83−0には、それぞれコアチップCC0〜CC7に割り当てられた複数のヒューズセット83−00〜83−07が含まれている。ヒューズセット83−00〜83−07のそれぞれには、ロウアドレス用及びカラムアドレス用の複数のヒューズセットが含まれている。各ヒューズセットにはそれぞれ対応するコントロール回路83aが割り当てられており、電気ヒューズコントローラ83bによる制御のもと、ヒューズセットに対する書き込み及び読み出しが行われる。ヒューズセットに書き込むべきデータ及びヒューズセットから読み出されたデータは、転送制御回路83cを介して送受信される。
【0094】
各ヒューズセットは、複数の電気ヒューズによって構成されている。電気ヒューズとは、電気的に書き込み可能な記憶素子であり、不揮発性かつ不可逆性のワンタイムROMであることが好ましい。ワンタイムROMとしては、高電圧の
印加による絶縁破壊(絶縁膜の破壊)の有無によってデータを記憶するアンチヒューズ素子を好ましく用いることができる。
【0095】
転送制御回路83cを介して読み出されたデータは、シリアライザ84によってシリアル変換された後、TSVを介してコアチップCC0〜CC7に転送される。また、電気ヒューズ回路83に書き込むべきデータは、コントロールロジック32及び解析回路82から与えられ、電気ヒューズコントローラ83bによる制御のもと、所定のヒューズセットにプログラムされる。したがって、電気ヒューズコントローラ83bは電気ヒューズセットに対するプログラムを行うプログラム回路として機能する。
【0096】
図10は、不良アドレスラッチ回路56の構成をより詳細に示すブロック図である。
【0097】
図10に示すように、不良アドレスラッチ回路56は、光学ヒューズ回路55から読み出された置換データをラッチするラッチ回路56aと、電気ヒューズ回路83から読み出された置換データをラッチするラッチ回路56bを備えている。ラッチ回路56bの前段には、データコントロール回路56cとデータラッチ回路56dが設けられており、これら回路56c,56dの制御により、TSVを介してインターフェースチップIFから転送された置換データがラッチ回路56bにラッチされる。
【0098】
ラッチ回路56aの出力とラッチ回路56bの出力は、選択回路56eに供給される。選択回路56eは、ラッチ回路56aの出力とラッチ回路56bの出力のいずれか一方を選択する回路であり、選択された置換データがロウデコーダ51に供給される。選択回路56eによる選択は、後述するフラッグ情報に基づいて行われる。ロウデコーダ51にはアドレス比較回路51aが設けられており、選択回路56eによって選択された置換データとアクセスが要求されたロウアドレスとの比較が行われる。その結果、両者が一致した場合には、ロウアドレスが示すワード線の代わりに、ロウ冗長アレイ50aに含まれる冗長ワード線に対してアクセスが行われる。これに対し、両アドレスが不一致である場合には、ロウアドレスが示すワード線をそのままアクセスする。
【0099】
カラム側の不良アドレスラッチ回路58についても、上記の不良アドレスラッチ回路56と同様の回路構成を有しているため、重複する説明は省略する。
【0100】
上述の通り、インターフェースチップIFから転送される置換データは、各コアチップCC0〜CC7に対して共通に供給されるため、各コアチップCC0〜CC7は、転送された置換データを取り込むべきか否かを判断するために層アドレスEXAが必要となる。このため、
図11に示すように、置換データを各コアチップCC0〜CC7に転送する際には、層アドレスEXAも同時に転送される。これにより、各コアチップCC0〜CC7に対して共通に供給される置換データは、層アドレスEXAが示すコアチップに対してのみ有効となる。つまり、層アドレスEXAが各コアチップCC0〜CC7に固有の層アドレスLIDと一致した場合のみ、データコントロール回路56c及びデータラッチ回路56dは有効となり、転送された置換データをラッチ回路56bに対して書き込む処理を行う。一連の転送動作は、インターフェースチップIF内で生成された内部クロック信号ICLKに同期して行われる。
【0101】
図12は、電気ヒューズ回路83及び不良アドレスラッチ回路56の構成をより詳細に示すブロック図である。
【0102】
すでに説明したように、バンクごとに電気ヒューズ回路83−0〜83−7に分かれており、各電気ヒューズ回路83−0〜83−7はそれぞれコアチップCC0〜CC7に割り当てられた複数の電気ヒューズセット83−00〜83−07が含まれている。
図12に示すように、電気ヒューズセット83−00には、X+1個のヒューズセットが含まれており、これにより、X+1個のロウアドレス(又はカラムアドレス)を記憶することができる。
【0103】
一方、
図12に示すように、不良アドレスラッチ回路56にはN+1個のラッチ回路56aと、X+1個のラッチ回路56bが設けられている。N+1個のラッチ回路56aは、それぞれ0番目〜N番目の光学ヒューズセットに対応している。このうち、0番目〜N−1−X番目の光学ヒューズセットに対応するラッチ回路56aは、ペアとなるラッチ回路56bを有しておらず、したがって、これに対応する選択回路56eは存在しない。
【0104】
これに対し、0番目〜N−X番目の光学ヒューズセットに対応するラッチ回路56aには、ペアとなるラッチ回路56bが存在する。具体的には、0番目〜N−X番目の光学ヒューズセットには、それぞれX番目〜0番目の電気ヒューズセットに対応するラッチ回路56bが割り当てられている。したがって、これらラッチ回路56a,56bに対しては選択回路56eが割り当てられ、いずれか一方の出力が選択される。インターフェースチップIFから転送された置換データは、ヒューズ選択回路56sの制御により、指定されたラッチ回路56bにラッチされる。
【0105】
これらラッチ回路56a,56bの出力はアドレス比較回路51aに供給され、アクセスが要求されたアドレスと一致すると、対応する冗長ワード線RWLに対してアクセスが行われる。
【0106】
図13は、光学ヒューズ回路55の選択順序と、電気ヒューズ回路83の選択順序との関係を説明するための図である。
【0107】
すでに説明したように、光学ヒューズ回路55へのプログラムは
図6に示したステップS11にて行われ、電気ヒューズ回路83へのプログラムは
図6に示したステップS16にて行われる。つまり、光学ヒューズ回路55へのプログラムが先に行われ、ステップS11にて使用されなかった残余のヒューズセットを電気ヒューズ回路83にて代替使用する構成である。したがって、光学ヒューズ回路55により選択される冗長ワード線と電気ヒューズ回路83により選択される冗長ワード線が競合することは許されない。このような競合を防止し、且つ、残余のヒューズセットを電気ヒューズ回路83にてより効率よく代替使用すべく、本実施形態では、
図13に示すように、光学ヒューズ回路55へのプログラムについては0番目の光学ヒューズセットから順次使用し(矢印LF)、電気ヒューズ回路83へのプログラムについてはN番目の光学ヒューズセットとペアを成す0番目の電気ヒューズセットから順次使用する(矢印AF)。これにより、残余のヒューズセットを電気ヒューズ回路83にて効率よく代替使用することが可能となる。
【0108】
図14は、アドレス比較回路51a及び選択回路56eの一例を示す回路図である。
図14に示す回路例は、ロウ側への適用が好適である。
【0109】
図14に示す例では、ロウアドレスの各ビットA0〜A13に対応する14個のラッチ回路56aと、14個のラッチ回路56bが設けられており、これらの出力がそれぞれEXNOR回路によってロウアドレスの対応する各ビットと比較される。ラッチ回路56aに対応するEXNOR回路の出力はANDゲート回路によってまとめられ、光学ヒューズヒット信号LFHITとして出力される。同様に、ラッチ回路56bに対応するEXNOR回路の出力もANDゲート回路によってまとめられ、電気ヒューズヒット信号AFHITとして出力される。
【0110】
これら光学ヒューズヒット信号LFHIT及び電気ヒューズヒット信号AFHITは、選択回路56eに供給され、選択信号SELによってそのいずれか一方が選択される。選択された信号は、冗長判定信号HITとして出力される。選択信号SELは、ANDゲート回路56fによって生成される。ANDゲート回路56fには、光学ヒューズイネーブル信号LFENがラッチされるラッチ回路56aeの出力と、電気ヒューズイネーブル信号AFENがラッチされるラッチ回路56beの出力が供給されている。電気ヒューズイネーブル信号AFENは
図1に示した第1のフラッグ情報FL1に相当し、対応する電気ヒューズセットが有効であるか否か、つまり、使用しているか否かを示す。また、光学ヒューズイネーブル信号LFENは
図1に示した第2のフラッグ情報FL2に相当し、対応する光学ヒューズセットが有効であるか否か、つまり、使用しているか否かを示す。
【0111】
光学ヒューズイネーブル信号LFENは、当該光学ヒューズセットを使用する場合にハイレベルとなる信号であり、電気ヒューズイネーブル信号AFENは、当該電気ヒューズセットを使用する場合にハイレベルとなる信号である。したがって、光学ヒューズセットが使用状態である場合には選択信号SELは必ずローレベルとなり、これにより選択回路56eは光学ヒューズヒット信号LFHITを選択する。これに対し、光学ヒューズセットが不使用状態であり且つ電気ヒューズセットが使用状態である場合には選択信号SELがハイレベルとなり、これにより選択回路56eは電気ヒューズヒット信号AFHITを選択する。
【0112】
図15は、アドレス比較回路51a及び選択回路56eの他の例を示す回路図である。
図15に示す回路例は、カラム側への適用が好適である。
【0113】
図15に示す例においては、カラムアドレスの各ビットY3〜Y9に対応する7個のラッチ回路56aと、7個のラッチ回路56bが設けられているが、ビットごとに選択回路56eに入力される点において
図14に示した回路例と相違している。7個の選択回路56eの出力は、それぞれEXNOR回路によって対応する各ビットと比較される。これらEXNOR回路の出力はANDゲート回路56gによってまとめられ、冗長判定信号HITとして出力される。
【0114】
7個の選択回路56eには、選択信号SELが共通に供給される。選択信号SELは、ANDゲート回路56fによって生成される信号であり、
図14を用いて説明したとおり、光学ヒューズセットが使用状態である場合には選択信号SELは必ずローレベルとなり、これにより選択回路56eは光学ヒューズ側を選択する。これに対し、光学ヒューズセットが不使用状態であり且つ電気ヒューズセットが使用状態である場合には選択信号SELがハイレベルとなり、これにより選択回路56eは電気ヒューズ側を選択する。
【0115】
さらに、光学ヒューズイネーブル信号LFENがラッチされるラッチ回路56aeの出力と、電気ヒューズイネーブル信号AFENがラッチされるラッチ回路56beの出力は、ORゲート回路56hに供給されている。ORゲート回路56hの出力はANDゲート回路56gに入力されている。これにより、光学ヒューズセット及び電気ヒューズセットがいずれも不使用状態である場合、冗長判定信号HITは必ず非活性状態に固定される。
【0116】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0117】
本願の技術思想は、揮発性及び不揮発性の記憶セルに関するコアチップとそのコアチップを制御するインターフェースチップを有する半導体装置に適用できる。更に、図面で開示した各回路ブロック内の回路形式、その他の制御信号を生成する回路は、実施例が開示する回路形式限られない。
【0118】
本発明の半導体装置の技術思想は、様々な半導体装置に適用することができる。例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Control Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、メモリ(Memory)等の機能を有する半導体装置全般に、本発明を適用することができる。
【0119】
また、トランジスタとして電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor; FET)を用いる場合は、MOS(Metal Oxide Semiconductor)以外にもMIS(Metal-Insulator Semiconductor)、TFT(Thin Film Transistor)等の様々なFETに適用できる。更に、装置内に一部のバイポーラ型トランジスタを有しても良い。
【0120】
更に、NMOSトランジスタ(N型チャネルMOSトランジスタ)は、第1導電型のトランジスタ、PMOSトランジスタ(P型チャネルMOSトランジスタ)は、第2導電型のトランジスタの代表例である。
【0121】
また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。