(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の携帯電話機における好適な実施の形態について、
図1から
図9を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
時間限定定額通話を提供する本携帯電話機10で近距離無線通信手段11としてブルートゥースを搭載し、メイン端末となる第2携帯電話機50(例えばスマートフォン)とブルートゥース接続を行っておく。
そして、本携帯電話機10の電話帳に相手がどのキャリアの携帯電話機を持っているかをそれぞれ登録しておく。特に通話無料サービスの相手か否かを判断するデータをそれぞれの電話番号毎に記憶しておく。
本携帯電話機10で電話をかける場合、発信先の相手がメイン端末経由で無料通話の相手だった場合にはブルートゥース経由で電話を掛けることにより、時間制限なしに無料通話を提供することができる。
電話帳に通話無料の相手かどうかの情報がない場合に、ユーザが、発信を行う際にブルートゥース経由か本端末の通信キャリア経由かを選択する。
【0011】
これにより、第2携帯電話機50をカバンの中に入れたままでも、1台の本携帯電話機10で、通話料金がもっとも安く、通話時間に制限のない通話も可能である。また、本携帯電話機10と第2携帯電話機50の両方のサービスの提供を、1台の本携帯電話機10を操作、使用することで受けることができる。
また、使用者が2台の携帯電話機のいずれを使用すべきかを考えて使い分けするなどの面倒もなくなる。
【0012】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態の携帯電話機を使用した携帯電話システムの全体構成を表したものである。
本携帯電話機10は、キャリアAの携帯電話機で、キャリアA経由の通話(携帯電話機能)を行うための公衆無線通信手段12を備えており、時間限定定額通話サービスの契約をしている。時間限定定額通話サービスは、1回の通話が所定時間Tk以内(例えば10分以内)の通話で、月当たり所定回数n回(例えば300回)まで通話料金が無料となるサービスで、所定時間を超える通話や所定回数を超える通話は有料となるサービスである。
【0013】
また本実施形態の携帯電話機(以下、本携帯電話機という)10は、近距離無線通信手段11を備えている。本携帯電話機10では、近距離無線通信手段11としてブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を搭載している。
そして、本携帯電話機10をクライアント端末とし、近距離無線通信手段51としてブルートゥースを搭載しているスマートフォン等の他の携帯電話機(第2携帯電話機という)50をメイン端末としてブルートゥース接続を行っておく。
第2携帯電話機50はキャリアBの携帯電話機であり、キャリアB経由の通話を行うための公衆無線通信手段52を備えており、例えば、登録した特定の携帯電話機とは通信無料のサービス(特定話者無料通話サービス)の契約がされているものとする。
【0014】
また、本携帯電話機10の、通話相手となる携帯電話機60、70、80…の電話番号等のデータを保存する電話帳データに、当該電話番号がどのキャリアの携帯電話機かを登録しておく。さらに、第2携帯電話機50との間で通話無料サービスの対象となっている携帯電話機の電話番号か否かを示すデータ(無料通話相手判断データ)を記憶しておく。無料通話相手判断データは、所定条件を満たす場合に無料となる場合には当該所定条件も含めてユーザが入力することにより記憶する。
【0015】
本携帯電話機10から、他の携帯電話機70(キャリアB)に電話をかける場合、携帯電話機70が第2携帯電話機50で無料通話の相手として登録されていれば、ブルートゥース経由で電話を掛ける。これにより、本携帯電話機10は、ブルートゥース経由で第2携帯電話機を使用して携帯電話機70と、時間制限なしに無料通話を提供することができる。
【0016】
一方、かける相手の携帯電話機80が第2携帯電話機50の無料通話相手でない場合や無料通話相手か否かの判断情報が存在しない場合、本携帯電話機10は、自己機が契約しているキャリヤA経由によるか、ブルートゥース経由(第2携帯電話機50が契約しているキャリヤB経由)によるかの選択画面を提示し、選択された経由の通信を行う。
【0017】
このように、ホスト端末として機能する第2携帯電話機50との間で、本携帯電話機10をクライアント端末としてブルートゥース接続をさせることで、自己機が契約しているキャリアAのサービスを使用した通話に加え、第2携帯電話機50で契約しているキャリアBのサービスを使用した通話も行うことができる。
そして、第2携帯電話機50をカバンの中等に入れたままでも、本携帯電話機10一台で、通話料金がもっとも安く、通話時間に制限のない通話を選択することができ、キャリアAとキャリアBの両方のサービスを本携帯電話機10一台で利用することができる。
このように使用者は、2台(3台以上の複数台でも可能)の携帯電話を考えて使い分けするなどの面倒がなくなる。
【0018】
図2は本実施形態における本携帯電話機10の構成図である。
本携帯電話機10は、
図1で説明したように、近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12を備えている。
近距離無線通信手段11としては、ブルートゥース、HomeRF(商標)、ジグビー(ZigBee:登録商標)、赤外線通信、トランスファージェット(TransferJet:登録商標)等を使用することができるが、本実施形態ではブルートゥースが使用される。
本携帯電話機10と第2携帯電話機50は、少なくともハンズフリー通話を可能にするプロファイルHFP、その他のプロファイルを備え、本携帯電話機10がクライアント端末、第2携帯電話機50がホスト端末として接続される。
本実施形態では、キャリアAはPHS(Personal Handy−phone System)による公衆無線通信サービスを提供しているものとする。また、キャリアB、キャリアC…は、例えば、W−CDMA方式その他の各種方式による公衆無線通信サービスを提供しているものとする。
【0019】
本携帯電話機10は、更に、制御手段13、通信経路切替手段14、無料通話相手判断手段15、通信経路表示手段16、時間計測手段17、通話回数記憶手段18、無料相手時自動発信設定データ記憶手段19、操作手段20、表示手段21、音声通話駆動手段22、スピーカ23、マイク24、ホスト情報記憶手段25、音声メッセージ格納手段26、電話帳データ記憶手段27、電話番号判別手段28、電話帳データ受信手段29、時計30、その他の各種機能を実現する手段を備えている。
【0020】
制御手段13は、CPU、ROM、RAMを備え、本携帯電話機10における基本機能である通話機能を含めた各種機能を実現するために、ROMに格納された制御プログラムに従って、近距離無線通信手段11〜時計30の各部、各機能部を制御するようになっている。
ROMには、本実施形態における、発信処理プログラムや、第2携帯電話機50で着信した場合の着信処理プログラム、電話帳データ書き換え処理プログラム等の各種プログラムが格納されている。
制御手段13のCPUはROMのプログラムに従ってRAMを作業領域として発信処理等の各種処理を行う。
【0021】
通信経路切替手段14は、近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12の何れか一方の使用、又は双方の使用をするように切り替える。すなわち、本実施形態における発信処理において、近距離無線通信手段11を使用したブルートゥース経由(第2携帯電話機50のキャリアB経由)の発信及び通話と、公衆無線通信手段12を使用したキャリアA経由の発信及び通話の何れかに切り替える。
また、第2携帯電話機50の着信処理における、通話中の相手を待たせて他の着信を受けるコールウェイティングにおいて、近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12の両者を使用し、選択された通話待ち状態の側に保留中の音声メッセージを流し、通話側を通話に使用する。
【0022】
無料通話相手判断手段15は、通話相手が近距離無線通信手段11を経由して第2携帯電話機50から発信及び通話した場合に、通話料金が無料となる相手か否かを、後述する電話帳データ記憶手段27の無料通話相手判断データに基づいて判断する。無料通話相手か否かの判断結果は、通信経路切替手段14を近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12のどちら側に切り替えて使用するのかの判断に使用される。
【0023】
通信経路表示手段16は、近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12のどちらの通信経路で通話しているかを判別するための表示を行う。本実施形態では、例えば近距離無線通信手段11(ブルートゥース経由)での通話の場合は青色LEDを点滅状態とし、公衆無線通信手段12経由の通話の場合には緑色LEDを点滅状態とすることで、使用経路を識別可能に表示している。なお、保留中の場合には対応するLEDを点灯(又は早い点滅)状態とする。
以上は例示であり、表示色や表示状態(点灯、点滅等)については他の状態を選択することができ、ユーザが任意に設定するようにしてもよい。
また、表示だけでなく、使用中の経路毎に異なるBGMを流すことで通信経路を明示するようにしてもよい。
通信経路表示手段16は、LEDで構成する場合だけでなく、後述する表示手段21に通信経路を明示的に表示することで、表示手段21と兼用するようにしてもよい。
【0024】
時間計測手段17は、本携帯電話機10が、近距離無線通信手段11と第2携帯電話機50を使用して無料通話をした時間を計測する。
計測した通話時間は、後述する、電話帳データ記憶手段27の発信相手の電話番号に対応する無料通話時間データ保存領域に個別に保存される。この無料通話時間は、予め決められた累計時間Tsの間は無料通話となる条件付き無料通話の契約がなされている場合に使用される。
掛かる契約がなされている場合、無料通話相手判断手段15は、発信相手が無料通話相手か否かを判断する場合に、当該発信相手が条件付き無料通話の契約対象として登録されていて、且つ個別に保存された無料通話時間を累計しその累計値が累計時間Tsを超えていない場合には、無料通話相手と判断する。無料通話時間データ保存領域に個別に保存されている無料通話時間は、契約で規定された所定期間毎(例えば、毎月末毎、毎月指定日)にクリアされる。
一方、条件付き無料通話の契約ではない場合、例えば、累計時間の制限がなく無料通話可能な契約である場合には、時間計測手段17は無料通話時間の計測は行わない。
【0025】
なお、無料通話時間を、通話した電話番号に対応する無料通話時間データ保存領域に個別保存して、発信時に累計を算出するのではなく、時間計測手段17が、無料通話した時間を累計無料通話時間として累計し、記憶しておくようにしてもよい。この場合も、累計時間は、契約で規定された所定期間毎にクリアされる。
【0026】
時間計測手段17は、また、本携帯電話機10または第2携帯電話機50が、キャリアとの間で、所定時間以内の通話に対して無料となるサービスに加入している場合に、通話開始からの時間を計測する。この計測した時間は、後述する表示手段21に表示し、また、所定時間間際(例えば、m秒前)にユーザに警告したりするために使用される。
【0027】
通話回数記憶手段18は、本携帯電話機10が上述したようにキャリアAとの間で、1回の通話が所定時間以内の通話で、月当たり所定回数n回まで通話料金が無料となるサービスに加入しているので、公衆無線通信手段12を使用してキャリアA経由の発信を行った回数を記憶する。この通話回数記憶手段18に記憶される合計通話回数も契約で定めた所定期日毎(例えば、毎月末毎、毎月指定日)にクリアされる。1回の通話時間については時間計測手段17で計測される。
なお、ユーザが本携帯電話機10と共に所有している第2携帯電話機50においても、回数制限付きの無料通話サービスに加入している場合にも、当該サービスを利用する毎に合計通話回数が、通話回数記憶手段18に本携帯電話機10の利用回数と区別して記憶される。
【0028】
無料相手時自動発信設定データ記憶手段19には、無料通話相手判断手段15において通話相手が無料通話の対象であると判断された場合に、ユーザの確認なしに、近距離無線通信手段11を使用したブルートゥース経由(第2携帯電話機50のキャリアB経由)の自動発信を行うか否かを示すデータが記憶される。具体的には、自動発信をする場合にはフラグ1が立てられる。
ユーザの確認なしに自動発信をするか否かについては、ユーザが選択し記憶するが、デフォルトとして自動発信をオフ(フラグを立てない)としてユーザ確認を行うようにしてもよい。この最初のユーザ確認の際に公衆無線通信手段12が選択された場合に、自動発信に変更するか否かを問い合わせ、回答に応じて(Yesの場合)変更するようにしてもよい。この問い合わせは、公衆無線通信手段12による通話が終了した後に行う。
【0029】
操作手段20は、電話番号の入力をはじめ各種操作を行うためのデバイスである。電源キー、オンフックキー、オフフックキー、テンキーその他の各種キーで構成される。
表示手段21は、操作手段20で入力された電話番号が表示されたり、電話帳データ記憶手段27から電話番号を選択する場合の各種画面が表示されたり、通信により取得した/送信する画像やメールのデータが表示される。
【0030】
音声通話駆動手段22は、スピーカ23とマイク24に接続され、通話機能を実現する。
また、音声通話駆動手段22は、通話以外にも使用され、本携帯電話機10の各種機能に従って、アラーム音や再生した音楽をスピーカ23から出力する。
また、録音機能に従って、マイク24からの入力を録音用に制御手段13に供給する。
【0031】
ホスト情報記憶手段25は、ブルートゥースのホスト端末である第2携帯電話機50に関する情報、例えば、第2携帯電話機50のキャリアを特定する情報(本実施形態の場合キャリアBを示す情報)が記憶される。
【0032】
音声メッセージ格納手段26は、後述する第2携帯電話機50による着信処理において、通話保留中の相手に対して近距離無線通信手段11又は公衆無線通信手段12から送信する、保留メッセージが格納されている。
音声メッセージ格納手段26には、また、本携帯電話機10の操作を音声で案内する場合の操作案内音声データも格納されている。
【0033】
電話帳データ記憶手段27は、本携帯電話機10や第2携帯電話機50から発信する通話相手の電話番号等の各種データが記憶されている。
図3は、電話帳データ記憶手段27に記憶される1レコードの内容について概念的に表したものである。
この電話帳データは、本携帯電話機10のユーザが操作手段20から個別に入力する場合と、第2携帯電話機50を含めた他の携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の端末装置から取得する場合とがある。
電話帳データは、通信相手毎に1レコードが作成され、氏名、電話番号1、電話番号2、…、その他のデータ、無料通話相手判断データが保存される。
その他のデータには、通信相手の住所や電話番号に対応したメールアドレス等が記憶される。
電話番号は、当該通信相手に対して、固定電話(自宅、会社)や携帯電話機(キャリアA、キャリアB…)といったように複数の連絡先がある場合にその各々について記憶可能になっている。
【0034】
無料通話相手判断データは、近距離無線通信手段11を経由して第2携帯電話機50から発信した場合に、無料通話相手か否かを判断するデータが各電話番号1、2、…毎に記憶される。
無料通話相手判断データとしては、24時間時間制限なしに通話無料の場合(完全無料)、特定の時間t1からt2迄の間の通話(
図3では1時から21時まで)に限り無料の場合(時間帯無料)、無料通話時間対象(所定通話累計時間内無料となる累計時間Ts)等の、各種条件やサービス内容に応じたデータが記憶される。なお、所定通話累計時間内無料の場合には、更に無料通話時間データ保存領域に時間計測手段17で計測された無料通話時間が保存される。
【0035】
なお、無料通話相手判断データには、対応する電話番号の電話機(固定電話機、携帯電話機)のキャリアを示すキャリア特定データを記憶するようにしてもよい。
このキャリア特定データは、第2携帯電話機50のキャリア(本実施形態ではキャリアB)が新たな無料サービスの提供を開始した場合に、新たな無料サービスの対象となるキャリア(通常は同一のキャリアBであるが、提供される場合には無料サービスの対象となる他のキャリアでもよい)の電話番号を抽出するために使用する。例えば、一括抽出した各電話番号と氏名を順次表示して、新たな無料サービスの対象か否かを順次ユーザが入力する。
また、無料通話相手判断データが記憶されていない(無料条件が入力されていない)電話番号への発信をした場合、当該電話番号のキャリアを読み出し、新たに無料サービスの対象となるキャリアであれば、通話終了後にユーザに無料対象相手であるか否か、対象である場合に無料通話相手判断データに登録するか否かを問い合わせ、回答に応じて登録/終了をする。
【0036】
図2に戻り、電話番号判別手段28は、後述する発信処理において使用され、ユーザが操作手段20から入力した電話番号が、電話帳データ記憶手段27に記憶されている電話番号か否かを判断する。
電話帳データ受信手段29は、後述する電話帳データ書換処理や、電話番号受信処理(例えば、図示しない赤外線通信による)によって他の携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の端末装置から電話番号を受信する。
【0037】
時計30は、現在時刻を知るために使用され、表示手段21に現在時刻を表示したり、発信先の電話番号が時間帯無料サービスの対象である場合に現在時刻が無料通話の対象時間内であるかを判断する場合に使用される。
【0038】
次に、以上のように構成された実施形態の動作について説明する。
図4は、本携帯電話機10からの発信処理の動作を表したフローチャートである。
発信処理において本携帯電話機10は、ユーザによって、操作手段20のテンキーから電話番号が入力されたのか、それとも電話帳データ記憶手段27に登録された電話番号が選択されたのかを制御手段13で判断する(ステップ10)。
電話番号が入力された場合(ステップ10;Y)、本携帯電話機10は、電話番号判別手段28により、入力された電話番号を電話帳データ記憶手段27に記憶している電話番号と比較し(ステップ11)、一致する電話番号データが記憶されているか否か判断する(ステップ12)。
【0039】
一致する電話番号データがある場合(ステップ12;Y)、及び、発信先の電話番号が電話帳データ記憶手段27から選択された場合(ステップ10;N)、本携帯電話機10は、発信先電話番号に対応する、電話帳データ記憶手段27の無料通話相手判断データ(
図3参照)を確認し(ステップ13)、当該発信先が第2携帯電話機50にとって無料通話相手か否かを無料通話相手判断手段15で判断する(ステップ14)。
【0040】
無料通話相手か否かについては、次のように判断される。
すなわち、無料通話相手判断手段15は、無料通話相手判断データに、24時間無料(完全無料)が記憶されていれば直ちに無料通話相手と判断し、時間帯無料データが記憶されていれば(
図3では1時から21時まで)時計30から取得した現在時刻が無料対象時間内であれば無料通話相手と判断する。
また、無料通話相手判断手段15は、所定通話累計時間内無料となる累計時間Ts(無料通話時間対象)が記憶されていれば、無料通話時間データ保存領域に格納されている各無料通話時間を累計し、記憶されている累計時間以内であれば無料通信相手と判断する。なお、無料通話の累計時間が時間計測手段17に記憶されている場合には、当該記憶されている累計時間を読み取り、累計時間Tsと比較して判断する。
【0041】
無料通話相手判断手段15は、以上の無料通話の各条件に該当する場合には、無料通話相手であると判断し(ステップ14;Y)、条件付き無料の場合の条件を満たしていない場合、及び、無料通話相手判断データにデータが記憶されていない場合には、無料通話相手ではないと判断する(ステップ14;N)。
【0042】
無料通話相手ではない場合(ステップ14;N)、及び、一致する電話番号データが存在しない場合(ステップ12;N)、制御手段13は、ステップ19に移行し、公衆無線通信手段12を通じて、本携帯電話機10が加入しているキャリアA経由の電話発信を行う(ステップ19)。
【0043】
一方、無料通話相手である場合(ステップ14;Y)、制御手段13は、無料相手時自動発信設定データ記憶手段19を確認し、無料通話相手の電話番号に自動発信して良いか否かを判断する(ステップ15)。
自動発信を許可する設定になっている場合(ステップ15;Y)、制御手段13は、通信経路切替手段14を制御して、近距離無線通信手段11を通じて第2携帯電話機50による発信を行う(ステップ16)。
【0044】
自動発信を許可する設定になっていない場合(ステップ15;N)、制御手段13は、近距離無線通信手段11か公衆無線通信手段12のどちらで電話するかを選択する選択画面を表示手段21に表示し、いずれにするかの選択をユーザに促す(ステップ17)。
なお、この通信手段の選択画面において、公衆無線通信手段12を使用した場合の残無料通話回数や、近距離無線通信手段11を使用した場合の残無料通話時間(該当する場合)を、ユーザによる選択の判断情報として併せて表示するようにしてもよい。
例えば、本携帯電話機10で加入しているキャリアAのサービス、すなわち300回の10分間無料通話の残回数が1回で、1分以内の通話で済む用事であればユーザは、近距離無線通信手段11を選択する良い判断情報となる。
【0045】
近距離無線通信手段11が選択された場合(ステップ18;Y)、制御手段13はステップ16に移行し、通信切替手段14を制御して、近距離無線通信手段11を通じて第2携帯電話機50による発信を行う。
一方、公衆無線通信手段12が選択された場合(ステップ18;N)、制御手段13は、通信経路切替手段14を制御して、公衆無線通信手段12を通じて自己機で契約しているキャリアA経由の発信を行う(ステップ19)。
【0046】
制御手段13は、近距離無線通信手段11経由の電話発信(ステップ16)、又は公衆無線通信手段12経由の電話発信(ステップ19)をした後、通信経路表示手段16により使用中の通信経路に対応したLEDを点滅表示させることで、通信経路の識別表示を行う(ステップ20)。
次いで制御手段13は、本携帯電話機10のキャリアA、又は第2携帯電話機50のキャリアB経由による通話処理を行い(ステップ21)、処理を終了する。
【0047】
図5は、本携帯電話機10のキャリアA経由による公衆無線通信手段12を使用した通話処理のフローチャートである。
制御手段13は、公衆無線通信手段12を介して電話発信した通話相手の携帯電話機がオフフックすることで通信が確立し、通話が開始したか否かを監視している(ステップ210)。
通話が開始していない場合(ステップ210;N)、制御手段13は、本携帯電話機10がオンフックしたか否かを判断し(ステップ211)、オンフックした場合(ステップ211;Y)、
図4のメインルーチンにリーターンし、処理を終了する。
一方、オンフックしていない場合(ステップ211;N)、制御手段13は、ステップ210に戻り通話開始の監視を継続する。
【0048】
通話が開始されると(ステップ210;Y)、制御手段13は、通話回数をカウントアップ、すなわち、通話回数記憶手段18に格納されている通話回数に1を加えて更新する(ステップ212)。
次いで制御手段13は、本携帯電話機10又は通話相手がオンフックし通話回線が切断されたか否かを判断し(ステップ213)、オンフックしていれば(ステップ213;Y)、メインルーチンにリーターンする。
さらに制御手段13は、時間計測手段17により通話開始からの通話時間を計測し(ステップ214)、通話時間を表示手段21に表示する(ステップ215)。
【0049】
また制御手段13は、計測した通話時間が設定時間に到達したか否かを判断する(ステップ216)。
ここで設定時間は、デフォルトの値として、キャリアAの時間限定定額通話サービスにおいて規定されている、1回に無料通話できる所定時間Tkに設定されているが、ユーザがより短い時間に設定することができる。例えば、ユーザが所定時間Tkよりも所定時間tmだけ前の時間(例えば、1分前)に、後述の警告を受けたい場合、設定時間は(Tk−tm)に変更される。
【0050】
通話時間が設定時間(所定時間Tk)に到達していなければ(ステップ216;N)、制御手段13は、ステップ213に戻って、オンフック監視、通話時間計測、表示、時間経過監視(ステップ213〜216)を継続する。
一方、通話時間が設定時間を経過した場合(ステップ216;Y)、制御手段13は、警告処理行い(ステップ217)、ステップ213に戻る。この警告処理では、設定時間の経過を示す警告音、例えば、「ピッピッピッ…」を所定時間鳴らす。また振動により警告するようにしてもよい。
【0051】
本携帯電話機10の制御手段13は、ステップ213の判断において、オンフックを検出した場合(ステップ213;Y)、
図4のメインルーチンにリーターンし、処理を終了する。
【0052】
図6は、第2携帯電話機50に着信があった場合の第2携帯電話機50と本携帯電話機10の着信処理の1部について表したフローチャートである。
第2携帯電話機50は、音声着信があったか否かを監視しており(ステップ30)、音声着信があった場合(ステップ30;Y)、クライアントとして登録されている本携帯電話機10との間で近距離無線通信手段(ブルートゥース)51、11によるリンクが成立しているか否か判断する(ステップ31)。
本携帯電話機10とのリンクが成立していない場合(ステップ31;N)、第2携帯電話機50は、自己機による通常の通話処理を行い(ステップ32)、処理を終了する。
本携帯電話機10との間でリンクが成立している場合(ステップ31;Y)、第2携帯電話機50は、近距離無線通信手段51を介して本携帯電話機10に着信データを送信し(ステップ33)、処理を終了する。
【0053】
一方、本携帯電話機10では、制御手段13が、第2携帯電話機50からの着信データを近距離無線通信手段11で受信したか監視しており(ステップ41)、着信データを受信した場合(ステップ41;Y)、現在公衆無線通信手段12によるキャリアA経由の通話中であるか否かを判断する(ステップ42)。
公衆無線通信手段12による通話中でない場合(ステップ42;N)、制御手段13は、近距離無線通信手段11経由で第2携帯電話機50の着信処理(オフフック処理、及び通話処理)を行う(ステップ43)。
次いで制御手段13は、通信経路表示手段16により、青色LEDを点滅させて近距離無線通信手段11が使用中であることを示す通信経路の識別表示を行い(ステップ44)、近距離無線通信手段11を経由した第2携帯電話機50による通話処理を行う(ステップ45)。
【0054】
そして、制御手段13は、
図7で後述するように、近距離無線通信手段11を経由した第2携帯電話機50による通話中に、公衆無線通信手段12経由の着信があったか否かによる処理を行う(ステップ451〜ステップ458)。
【0055】
一方、第2携帯電話機50から着信データを受信(ステップ41;Y)した際に公衆無線通信手段12による通話中である場合(ステップ42;Y)、制御手段13は、通話中の相手を待たせて他の着信を受けるか否かを確認するコールウェイティング処理を行う。
すなわち、制御手段13は、近距離無線通信手段11経由で着信が有ったことを本携帯電話機10のユーザに知らせる着信報知処理を行う(ステップ46)。この着信報知処理では、着信を知らせるために、着信メッセージ音声又は/及び着信音をスピーカ23から出力する。なお、通話中の報知を避けるために、振動により着信を報知するようにしてもよい。
【0056】
そして、制御手段13は、通話中の着信報知に対してユーザが通話切替操作を行ったか否かを監視する(ステップ47)。
切替操作を行っていなければ(ステップ47;N)、制御手段13は、そのまま公衆無線での通話を継続しながら通話終了か否かを監視する(ステップ53)。
一方、通話切替操作がされた場合(ステップ47;Y)、制御手段13は、通信経路切替手段14により近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12の両者を使用状態とし、音声メッセージ格納手段26から公衆無線通話保留メッセージを読み出し、公衆無線通信手段12から切替操作前の通話相手に出力する(ステップ48)。
さらに制御手段13は、近距離無線通信手段11経由での、第2携帯電話機50を使用した通話処理を行う(ステップ49)。
制御手段13は、通話中の近距離無線通信手段11経由での通話が終了したか否かを、第2携帯電話機50に対するオンフック処理が行われたか否かにより判断する(ステップ50)。
【0057】
通話が終了していなければ(ステップ50;N)、制御手段13は、ステップ48に戻り、公衆無線通信手段12への保留メッセージの出力及び近距離無線通信手段11経由の通話を継続させる。
一方、通話が終了した場合(ステップ50;Y)、制御手段13は、公衆無線通信手段12への保留メッセージの出力を終了する(ステップ51)。この際制御手段13は、第2携帯電話機50間で通話終了処理を行ったあと、通信経路切替手段14により近距離無線通信手段11の使用を終了させる。
【0058】
公衆無線通信手段12の使用は保留メッセージ出力中も出力終了後も継続しており、保留メッセージの出力終了(ステップ51)により、制御手段13は、公衆無線通信手段12による通話を再開し、そのまま公衆無線での通話を継続しながら通話終了か否かを監視する(ステップ53)。
【0059】
ステップ53の通話終了の判断において、制御手段13は、通話中の本携帯電話機10又は第2携帯電話機50に対するオンフック処理が行われたか否かにより判断し、オンフック処理が行われていれば(ステップ53;Y)、着信処理を終了する。
【0060】
図7は、第2携帯電話機における着信処理の他の1部について表したフローチャートである。この処理では、近距離無線通信手段11を経由した第2携帯電話機50による通話中(ステップ45)に、公衆無線通信手段12経由の着信があったか否かによる処理である。
すなわち、制御手段13は、近距離無線通信手段11を経由した第2携帯電話機50による通話中に、公衆無線通信手段12経由の着信があったか否かを監視する(ステップ451)。
着信がなければ(ステップ451;N)、制御手段13は、ステップ53(
図6)に移行して、第2携帯電話機50による通話の終了を監視する。
【0061】
一方、公衆無線通信手段12経由の着信があった場合、制御手段13は、通話中の相手を待たせて他の着信を受けるか否かを確認するコールウェイティング処理を行う。
すなわち、制御手段13は、公衆無線通信手段12経由で着信が有ったことを本携帯電話機10のユーザに知らせる着信報知処理を行う(ステップ452)。この着信報知処理では、着信を知らせるために、着信メッセージ音声又は/及び着信音をスピーカ23から出力する。なお、通話中の報知を避けるために、振動により着信を報知するようにしてもよい。
【0062】
そして、制御手段13は、通話中の着信報知に対してユーザが通話切替操作を行ったか否かを監視する(ステップ453)。
切替操作を行っていなければ(ステップ453;N)、制御手段13は、そのまま近距離無線通信手段11を経由した第2携帯電話機50による通話を継続しながら、ステップ53(
図6)に移行し、通話終了か否かを監視する。
一方、通話切替操作がされた場合(ステップ453;Y)、制御手段13は、通信経路切替手段14により近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12の両者を使用状態とし、音声メッセージ格納手段26から近距離無線通話保留メッセージを読み出し、近距離無線通信手段11から切替操作前の通話相手に出力する(ステップ454)。
そして制御手段13は、公衆無線通信手段12経由での通話処理を行う(ステップ455)。
制御手段13は、通話中の公衆無線通信手段12経由での通話が終了したか否かを、本携帯電話機10の操作手段20によるオンフック処理が行われたか否かにより判断する(ステップ456)。
【0063】
通話が終了していなければ(ステップ456;N)、制御手段13は、ステップ454に戻り、近距離無線通信手段11への保留メッセージの出力及び公衆無線通信手段12経由の通話を継続させる。
一方、通話が終了した場合(ステップ456;Y)、制御手段13は、近距離無線通信手段11への保留メッセージの出力を終了する(ステップ457)。この際制御手段13は、本携帯電話機10で通話終了処理を行ったあと、通信経路切替手段14により公衆無線通信手段12の使用を終了させる。
【0064】
近距離無線通信手段11使用は保留メッセージ出力中も出力終了後も継続しており、保留メッセージの出力終了(ステップ457)により、制御手段13は、近距離無線通信手段11と第2携帯電話機50経由による通話を再開し、ステップ53(
図6)に移行して、そのまま第2携帯電話機50経由での通話を継続しながら通話終了か否かを監視する。
【0065】
次に、電話帳データ書換処理について説明する。
この電話帳データ書換処理は、本携帯電話機10の電話帳データ記憶手段27に格納されている電話帳データを、電話帳データ受信手段29で取得した電話帳データに書き換える処理である。
外部装置、例えば、パーソナルコンピュータや他の携帯電話機(第2携帯電話機50を含む)等から電話帳データ受信手段29で受信する電話帳データには、通常、無料通話相手判断データは存在しない。このため、単純に電話帳データ受信手段29で取得した電話帳データに書き換えると、ユーザが各電話番号毎に個別に入力した無料通話相手判断データが消えてしまうことになる。
そこで、本実施形態の電話帳データ書換処理では、電話帳データ取得手段29で取得した電話帳データの各電話番号が既登録の番号か否かを判断し、既登録の電話番号であれば既に登録されている無料通話相手判断データを、新たに書き込む電話データに自動で付加する。
【0066】
図8は、電話帳データ書換処理の動作を表したフローチャートである。
制御手段13は、電話帳データ取得手段29で新たに取得した電話帳データ(新電話帳データという)と、既に電話帳データ記憶手段27に記憶されている電話帳データ(既登録電話帳データという)とを、一時RAMに格納する。
そして、制御手段13は、RAMに格納した新電話帳データから書き換える電話番号を1つ読み出して、既登録電話帳データと比較し(ステップ41)、一致する電話番号が存在するか否かを判断する(ステップ42)。
一致する電話番号がある場合(ステップ42;Y)、制御手段13は、一致する電話番号に対して既登録電話帳データに登録されている無料通話相手判断データを付加して、電話帳データ記憶手段27に保存する(ステップ43)。
一方、一致する電話番号が存在しない場合(ステップ42;N)、制御手段13は、電話帳データ記憶手段27に比較した電話番号を書き換え又は新規保存をする(ステップ44)。
【0067】
次いで制御手段13は、書き換えが終了したか否か、すなわち、新電話帳データの全電話番号についての判断が終了したか否かを判断する(ステップ44)。
書き換えが終了していなければ(ステップ45;N)、制御手段13は、ステップ41に戻り、RAMから新電話帳データの次の電話番号を読み出し、同様の処理を継続する。
全ての電話番号についての書き換えが終了したら(ステップ45;Y)、制御手段13は電話帳書換処理を終了する。
【0068】
次に第2実施形態について説明する。
以上説明してきた第1実施形態では、本携帯電話機10の近距離無線通信手段11による接続対象として第2携帯電話機50(他の携帯電話機)とする場合について説明したが、第2実施形態では、固定電話機を近距離無線通信手段11の接続対象とする。
【0069】
図9は、第2実施形態における、固定電話機50’と本携帯電話機10の外観について表した説明図である。
図9に示すように、本実施形態では、固定電話機50’と本携帯電話機10によりシステム構成され、本携帯電話機10は固定電話機50’上に載置可能になってる。
本携帯電話機10の構成は第1実施形態と同一であり、近距離無線通信手段11のホスト端末の設定が第2携帯電話機50ではなく固定電話機50’となっている。
【0070】
固定電話機50’は、主として家庭で使用される電話機(IP電話を含む)であり、近距離無線通信手段51、固定電話通信手段53、充電端子54を備えている。
近距離無線通信手段51は、上述した第1実施形態と同様に、各種近距離無線が使用可能であるが、第2実施形態ではブルートゥースが使用され、本携帯電話機10に対するホスト端末となる。
固定電話通信手段53は第1実施形態における公衆無線通信手段52に対応し、固定回線公衆網と有線により接続されている。
【0071】
充電端子54は、本携帯電話機10を充電するための端子であり、本携帯電話機10の載置箇所に配置されている。本携帯電話機10の対応箇所にも充電端子が配置されていて、本携帯電話機10を固定電話機50’上にセットした状態で、本携帯電話機10の充電ができるようになっている。
本実施形態において固定電話機50’は、近距離無線通信手段51と近距離無線通信手段11を介して本携帯電話機10と近距離無線でつながれる(ペアリングされる)ようになっており、固定電話機50’への着信は
図6で説明した着信処理により本携帯電話機10で受けることになる。
充電端子54で本携帯電話機10を充電している間は、必ず本携帯電話機10と固定電話機50’とがペアリングされるようになっている。
【0072】
但し、本携帯電話機10が充電端子54を介して充電中(固定電話機50’上に本携帯電話機10が置かれている状態)である場合の着信音については固定電話機50’のスピーカだけから出力するようにしてもよい。
【0073】
一方、固定電話機50’により固定回線公衆網経由で発信する場合には、本携帯電話機10から近距離無線通信手段11、近距離無線通信手段51を介して発信処理が行われる。
すなわち、固定電話機50’には、いわゆる固有の受話器やディスプレイ、テンキー(ダイヤル)は存在しない。受話器等の各機能を本携帯電話機10が代用することになる。
このため、本実施形態における固定電話機50’を小型にすることができる。
【0074】
なお、固定電話機50’では、ブルートゥースアダプタ等の近距離無線通信手段51を後付することで実現するようにしてもよい。
【0075】
本実施形態における本携帯電話機10における発信処理、着信処理、電話帳データ書換処理については第1実施形態と同様である。
但し、近距離無線通信手段11による接続対象が固定電話機50’であるが、無料通話相手判断データの入力項目についても同様に、固定電話機のキャリアに応じたデータが入力されることになる。
例えば、固定電話機50’がIP電話であり、同一キャリアのIP電話との通話が24時間無料である場合には、電話帳データの電話番号に対応して24時間無料のデータが入力される。
【0076】
この第2実施形態の場合、本携帯電話機10から固定電話機50’経由で発信することができるため、例えば、固定電話機50’からの通話が無料である場合だけでなく、本携帯電話機10から入力/選択された発信先電話番号が0AB〜J番号である場合には、近距離無線通信手段11経由での発信を行うようにしてもよい。この場合、固定電話同士の通話になるため、時間を気にせずに通話することができる。
【0077】
本携帯電話機10による、1回の時間制限付き無料通話の残回数が所定回数未満である場合に近距離無線通信手段11を使用した通話(固定電話機50’使用)とし、残回数が所定回数以上である場合には公衆無線通信手段12を使用した通話(キャリアA)としてもよい。
【0078】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明したように本実施形態によれば、本携帯電話機10に対するホスト端末として1台の電話機(第2携帯電話機50、固定電話機50’)が近距離無線通信でつながれる場合について説明したが、複数の電話機と接続可能にしてもよい。
すなわち、複数の第2電話機の各々をホスト端末とし、本携帯電話機10から発信する場合に、公衆無線通信手段12を使用し自己機のキャリア経由、又は、複数のホスト端末のうちの何れか1つの端末を選択して発信する。
このため、本携帯電話機10のホスト情報記憶手段25には、ホスト端末となる各電話機(携帯電話機、固定電話機)毎にキャリヤ情報等が記憶される。
そして、電話帳データ記憶手段27の無料通話相手判断データ(
図3参照)には、どのホスト端末(電話機)から発信した場合に無料なのかを区別するため、無料になるホストを特定するホスト情報が格納される。
本携帯電話機10から入力した発信先の電話番号に対して、複数のホスト端末(電話機)からの発信が通話無料である場合には、無料条件が最も有利なホスト端末の近距離無線通信手段51と近距離無線通信手段11とを接続して発信する。
但し、リンクしているホスト端末の中から最適なホスト端末を選択して発信する。
【0079】
図6で説明した発信処理において、無料通話相手でない場合(ステップ14;N)、直ちに公衆無線通信手段12を通じて電話発信する(ステップ19)場合について説明したが、公衆無線通信手段12による無料通話回数(説明した実施形態では300回)を超えているか否かを、通話回数記憶手段18に記憶した通話回数判断するようにしてもよい。
この場合、公衆無線通信手段12の無料通話回数を超えていなければ、公衆無線通信手段12による通話する。一方、無料通話回数を超えている場合には近距離無線通信手段11による通話と公衆無線通信手段12による通話(有料)のうち基本通話料金が安い方を選択する。基本通話料金については、ユーザが個別に入力するようにしても良いが、キャリアから受信して保存しておくようにしても良い。
【0080】
また、通話発信した電話番号に対して無料通話相手判断データが存在しない場合、当該通話の後に無料か否かの問い合わせ画面を本実施形態手段21に表示し、データ入力を促すようにしてもよい。
【0081】
また説明した実施形態では、無料通話相手判断データに従って、近距離無線通信手段11と公衆無線通信手段12のいずれを使用するか判断したが、無料通話相手判断データが全く保存されていない場合、無料通話相手判断データを設けない場合、無料通話相手判断データが存在するが無料となる対象ではない場合、に次のように判断してもよい。
例えば、本携帯電話機10がPHSで、第2携帯電話機50がPHS以外の電話機である場合、発信相手がPHSの場合には公衆無線通信手段12を使用する。この場合、発信相手がPHSか否かは電話番号の先頭番号が「070」である場合にPHSと判断する。
一方、発信先のキャリアが第2携帯電話機50のキャリアと同じ場合には、近距離無線通信手段11を使用して第2携帯電話機50から発信する。
発信先のキャリアが第2携帯電話機50のキャリアと異なる場合には、公衆無線通信手段12で発信する。
【0082】
以上において、発信先のキャリアの判定については、発信先の電話番号から判定する。すなわち、PHSを含め携帯電話では、先頭の6桁が特定のキャリアに割り当てられているので、先頭6桁とキャリアの割当表を記憶しておき、当該割当表から発信先のキャリアを判定する。
【0083】
説明した実施形態では、近距離無線通信手段11、第2携帯電話機50経由の発信と通話した場合に、時間計測手段17で通話時間を計測し、無料通話相手判断データの無料通話時間データ保存領域(
図3参照)、又は、無料通話時間の累計を時間計測手段17で保存しておき、発信処理(
図4参照)の無料通話相手か否かの判断(ステップ14)に使用する場合について説明した。
これに対し、無料通話時間を時間計測手段17で計測するのではなく、第2携帯電話機50自体が計測している無料通話時間を近距離無線通信手段11軽油で取得することで判断するようにしてもよい。