(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各前記複数の第1プリズムは、前記光源と各前記複数の第1プリズムを結んだ線の各前記複数の第1プリズムの垂線を対称軸とした第1対称線の全てが交わる交点を持つように設けられ、
各前記複数の第2プリズムは、前記光源と各前記複数の第2プリズムを結んだ線の各前記複数の第2プリズムの垂線を対称軸とした第2対称線の全てが交わる交点を持つように、かつ前記第1表示パターンの対応される位置における前記複数の第1プリズムによって規定される前記第1対称線と前記第2対称線とが交点を持つように設けられる、
請求項1に記載の画像表示装置。
前記複数の第1プリズム及び前記複数の第2プリズムは、各々、前記導光板の前記第1面においてそれぞれ異なる中心点を持つ円弧状に、連続的もしくは間欠的に配置されている、
請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、立体表示の原理を説明するための概念図である。
図1では、観測者を基準に奥側から手前側に向かって「ABC」の各文字が立体的に表示される場合を考える(
図1(d)参照)。詳細には、各文字は奥側から「A」、「B」、「C」の順に立体的に視認される。このような表示を行うために、
図1(a)に示すような右眼用画像(第1画像)と、
図1(b)に示すような左眼用画像(第2画像)を1枚あるいは複数枚の導光板を用いて表示する。右眼用画像は、観測者の右眼の存在する方向へ進行し、左眼用画像は、観測者の左眼の存在する方向へ進行するようにそれぞれ形成される。このとき、右眼用画像、左眼用画像のそれぞれについて、表示する画像の奥行きの深さに応じ、より遠い位置(深い位置)に配置される画像の部分については間隔をより広げるように調整する。
図1(c)に示すように、本例では奥側から「A」、「B」、「C」の順で配置されているので、右眼用画像と左眼用画像との間隔を、表示画像「A」についてL1、表示画像「B」についてL2、表示画像「C」についてL3とすると、L1<L2<L3の関係が満たされるように、右眼用画像および左眼用画像が形成される。
【0019】
観察者がこれらの右眼用画像、左眼用画像を観察すると、
図1(d)に示すように、奥側から手前側に向かって「A」、「B」、「C」の順に各表示画像が配置された立体感のある画像を観測することができる。各表示画像はそれぞれの右眼用画像、左眼用画像からの光線の光路上にある交点で浮かび上がっているかのように観測されるため、間隔の大きいほうがより観測者に近い側に交点を持ち、より手前となる。導光板には、表示画像の内容に対応した多数のプリズムが設けられており、導光板の端面から入射された光の出光方向をプリズムによってコントロールする。それにより、右眼用画像は右眼の方向へ表示され、左眼用画像は左眼の方向へ表示される。したがって、観測者は融像をさせるための焦点ずらし等を行うことなく、自然な状態で立体的な表示を視認することができる。
図1においては「ABC」の文字が導光板よりも手前に浮かび上がる場合を考えたが、導光板よりも奥側にあるように観測させることもできる。右眼用画像、左眼用画像の光路を延長させたものが導光板よりも奥側で交点を持てば、奥に画像があるかのように観測される。
【0020】
図2は、一実施形態の画像表示装置の基本的な構成を示す概略斜視図である。
図2に示す画像表示装置は、導光板1と、この導光板1の端部に設けられた光源(LED)2を含んで構成される。導光板1は、右眼用画像の表示パターン(第1表示パターン)3と左眼用画像の表示パターン(第2表示パターン)4を一方の表面(第1面)に有する。これらの表示パターン3、4は、導光板1の表面に設けられた微小な凹凸部からなる。
【0021】
図3は、各表示パターンの部分的な拡大図である。
図3に示すように、多数のプリズムからなる表示パターン3、4のそれぞれは、表示エリアの輝度が均一になるように、光源1からの距離が大きくなるにしたがってパターンの密度や深さが増大する。そして、右眼用画像の表示パターン3は右眼側に、左眼用画像の表示パターン4は左眼側にそれぞれ出光するように、光軸に対してプリズムの反射面の角度が設定される。なお、
図3では説明の便宜上、表示パターン3を構成する各プリズムを黒色で表示しているが、実際には着色はなされていない。
【0022】
図4は、配光制御の原理について説明するための図である。
図4(a)に示すように、プリズム11を導光板1の一面であるxy平面に配置し、z軸方向に出光するモデルを考える。なお、ここでは導光板1から出光する際における導光板1と外界(空気)との界面での屈折は無視する。このとき、プリズム11の反射面21の方向を変える、すなわちxy平面で回転させることにより、x軸方向の出光角度の制御を行うことができる。例えば、反射面21の角度が45°(基準:xy平面)であるプリズム11をxy平面で角度αだけ回転させると、入射光i(0,1,0)に対して、プリズム11の反射面21の法線Nは、(−sin45°sinα,−sin45°cosα,cos45°)となり、反射光jは、{−2sinαcosαsin
245°,1−2(sin45°cosα)
2,2sin45°cosαcos45°}となる。このとき、反射光jは、x方向に角度β=tan{1−2(sin45°cosα)
2/(2sin45°cosαcos45°)}だけ傾く。回転角度αを変えたときの反射光jの方向と、x軸方向の出光傾き角度βの関係を
図5に示す。
【0023】
以上のような本実施形態によれば、簡素な構成により、利用者が自然な状態で立体感のある画像を視認し得る画像表示装置が得られる。次に、画像表示装置のいくつかの実施例を説明する。
【0024】
(実施例1)
図6は、実施例1の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図6(a)は画像表示装置の平面図、
図6(b)は画像表示装置の断面図、
図6(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。図示のように、実施例1の画像表示装置では、各表示パターン3、4は、それぞれ導光板1の一面に一方を平行移動させたように設けられ、円弧状に配置されたプリズム11からなる領域である。表示パターン3の各プリズム(第1プリズム)11a、表示パターン4の各プリズム(第2プリズム)11bは、それぞれ繋がった連続のプリズムであり、
図6(b)に示すように、導光板1の一面から窪ませて設けられている。すなわち、各プリズムは、導光板1の表面(第1面)に設けられた凹部からなる。光源2からの光はこれらのプリズムによって反射され、導光板1の他方の表面(第2面)に進む。第1プリズム11aと第2プリズム11bは、その反射光がそれぞれ異なる目標点に対し集光される。このふたつの目標点が観測者の左右の眼の位置として想定されている。本例における表示パターン3と表示パターン4は、導光板1の中央付近において部分的に重なり、第1プリズム11aと第2プリズム11bは交差するように配置されている(
図6(c)参照)。なお、
図6(並びに以下の各実施例における図)では理解を容易にするために各表示パターン3、4を実際よりも拡大して示している。
【0025】
右眼用の表示パターン3は、円弧状に配置された第1プリズム11aの中心点6が光源2の右側に設定されている。左眼用の表示パターン4は、円弧状に配置された第2プリズム11bの中心点5が光源2の左側に設定されている。表示パターン3と表示パターン4は同一形状で同一の大きさを持つ画像をそれぞれ形成する。ここでは表示パターン3と表示パターン4自体も同一形状かつ同一の大きさで、表示パターン形状を反映した画像となる。そして、導光板1端部で並んでいる、光源2の中心位置と中心点5との距離7と、光源2の中心位置と中心点6との距離8はほぼ等しい。この画像表示装置においては、光源2の位置から各中心点5、6までの距離7、8のそれぞれを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。
図7にプリズムの形状の一例を示す。
図7(a)、
図7(b)はそれぞれ三角形状の断面形状をもち、平面視においては円弧状の形状をもつプリズムの例を示し、
図7(c)、
図7(d)はそれぞれ台形形状の断面形状をもち、平面視においては円弧状の形状をもつプリズムの例を示す。また、
図8に、各距離7、8と出光角度分布の関係を示す。
図8における曲線9は左眼用の表示パターン4に対応し、曲線10は右眼用の表示パターン3に対応する。
図8のように中心点5、6が一致(0mm)とすると出光も重なってしまうが、ある程度離れることによってそれぞれの表示パターンが反映された画像が形成される。よって、対応する2つの像がそれぞれに形成され、別々の配向に従って照射される。これが観測者の左右の眼にそれぞれ入ったときに立体的なひとつの画像として認識されることとなる。
図8では便宜上0mmを光源位置としたが、
図2における「A」や「C」のような位置に表示パターン3、4がある場合は光源が中心点5、6に挟まれない。この場合でも、各第1プリズム11a、第2プリズム11bからの反射光がそれぞれ左右の眼に入るように集光される。反射光は光源位置と各プリズムの任意の位置を結んだ線を、その位置のプリズムの垂線を対称軸とした対称な角度方向に伸びる直線として表される。垂線は円弧の接線と垂直として扱う。同一表示パターン内の全てのプリズムからの対称線は観測者の眼を想定された位置に集光するように交点を有する。ただし、この場合の集光は人の眼によって同時に観測できる程度の精度であればよい。この対称線は
図1(d)の破線に該当し、観測者の感じる像の位置も規定する。
【0026】
(実施例2)
図9は、実施例2の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図9(a)は画像表示装置の平面図、
図9(b)は画像表示装置の断面図、
図9(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例2の画像表示装置の基本的な構造は実施例1の場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。本例においては、表示パターン3と表示パターン4が重なる領域内において第1プリズム11aと第2プリズム11bが別体となるように形成されている(
図9(c)参照)。また、各表示パターン3、4を構成する各プリズムは、実施例1の場合のように連続的なものではなく、間欠的に設けられている。この場合における各プリズムの形状(長さ)は配置場所によって異なる。プリズムの形状については上記した実施例1の場合と同様である(
図7参照)。つまり、円弧を間欠的にした配置となっている。
図10に、各距離7、8と出光角度分布の関係を示す。
図10における曲線9は左眼用の表示パターン4に対応し、曲線10は右眼用の表示パターン3に対応する。
【0027】
(実施例3)
図11は、実施例3の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図11(a)は画像表示装置の平面図、
図11(b)は画像表示装置の断面図、
図11(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例3の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。本例においても、表示パターン3と表示パターン4の第1プリズム11aと第2プリズム11bは、互いに重なることのないように分割して設けられている(
図11(c)参照)。また、各表示パターン3、4を構成するプリズム11は、実施例2と同様に間欠的に設けられている。表示パターン3の第1プリズム11aは、中心点6と第1プリズム11aとを結ぶ方向に対して各第1プリズム11aの長手方向がほぼ垂直となるように配置されている。同様に、表示パターン4の第2プリズム11bは、中心点5と第2プリズム11bとを結ぶ方向に対して各第2プリズム11bの長手方向がほぼ垂直となるように配置されている。つまり、平面視において外縁が矩形状の各プリズムが実施例1の円弧上に、円弧と接するように配置されている。ただし、プリズムが矩形状の場合、反射光を想定した対称線は、各プリズムの中心にて規定する。
【0028】
図12にプリズムの形状の一例を示す。
図12(a)、
図12(b)はそれぞれ三角形状の断面形状をもち、平面視においては円弧状の形状をもつ円弧状のプリズムの例を示し、
図12(c)、
図12(d)はそれぞれ台形形状の断面形状をもち、平面視においては円弧状の形状をもつ円弧状のプリズムの例を示す。
図12(e)、
図12(f)はそれぞれ三角形状の断面形状をもち、平面視においては矩形状の形状をもつ直線状のプリズムの例を示し、
図12(g)、
図12(h)はそれぞれ台形形状の断面形状をもち、平面視においては矩形状の形状をもつ直線状の円弧状のプリズムの例を示す。
図12(i)は三角錐状のプリズムの例を示し、
図12(j)は球の一部を切り取ったような形状(部分球)のプリズムの例を示す。
【0029】
(実施例4)
図13は、実施例4の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図13(a)は画像表示装置の平面図、
図13(b)は画像表示装置の断面図、
図13(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例4の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。本例においても、表示パターン3と表示パターン4の第1プリズム11aと第2プリズム11bは、互いに重なることのないように分割して設けられている(
図13(c)参照)。
【0030】
また、各表示パターン3、4を構成するプリズム11は、実施例2と同様に間欠的に設けられている。
図13(c)に示すように、右眼用の表示パターン3の第1プリズム11aは、光源2と第1プリズム11aとを結ぶ方向(線)12に対して各第1プリズム11aの長手方向の垂線13が+θだけずれるように配置されている。同様に、左眼用の表示パターン4の第2プリズム11bは、光源2と第2プリズム11bとを結ぶ方向(線)12に対して各第2プリズム11bの長手方向の垂線13が−θだけずれるように配置されている。各プリズムの形状については上記した実施例3と同様である(
図12参照)。この画像表示装置においては、各プリズムの傾き角度θを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。
図14に、上記したプリズムの傾き角度θと出光角度分布の関係を示す。
図14における曲線9は左眼用の表示パターン4に対応し、曲線10は右眼用の表示パターン3に対応する。
図14のように角度を0とすると出光も重なってしまうが、第1プリズム11a、第2プリズム11bの垂線と光源とを結ぶ線の形成する角度が異なるように配置することによって離れた画像が形成される。これが観測者の左右の眼にそれぞれ入ったときに立体的なひとつの画像として認識されることとなる。
図14では第1プリズム11a、第2プリズム11bの形成する角度は同一の大きさで反対方向としたが、それぞれの角度は
図2における「A」や「C」のような位置に表示パターン3、4がある場合は光源、表示パターン、想定している観測者の眼の位置関係によって異なる。実施例3においても、反射光は光源位置と各プリズムを結んだ線を、その位置のプリズムの垂線を対称軸とした対称な角度方向に伸びる直線として表され、同一表示パターン内の全てのプリズムからの対称線は観測者の眼を想定された位置に集光するように交点を成す。よって、この場合は人の眼によって同時に観測できる程度の精度で集光するようにプリズムの垂線と光源を結ぶ線とが成す角度を設定すればよい。
【0031】
上記のようにプリズムを配置することによって、第1プリズム11aと第2プリズム11bは、観測者の右眼、左眼を想定した別々の目標点に対し集光することになる。しかし、表示パターンが大きい物の場合、同一表示パターン内のプリズムからの反射光が人の眼に対しても十分に集光することが難しくなる。そこで、同一の表示パターン内であってもその位置によってプリズムの形成する角度を異ならせることもできる。その場合の設計は、光源位置、観測者の眼の想定である目標点、プリズムの置かれる導光板上の位置を先に想定し、光源からの光が設定した目標点に反射されるように決められた位置のプリズムの角度を最後に決定する、という手法をとる。
【0032】
(実施例5)
図15は、実施例5の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図15(a)は画像表示装置の平面図、
図15(b)は画像表示装置の断面図、
図15(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例5の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例5の画像表示装置は、上記した実施例1の画像表示装置における導光板1の機能を2つの導光板1a、1bによって実現したものである。具体的には、導光板1aには右眼用の表示パターン3が設けられ、導光板1bには左眼用の表示パターン4が設けられている。
図15(b)に示すように、これらの導光板1a、1bは前後に重ねて配置されている。なお、導光板1a、1bの前後関係は逆でもよい。各プリズムの形状については実施例1と同様である(
図7参照)。実施例5における光源2は、導光板1a、1bの各々に光を入射させる。2つの導光板を用いることにより、表示パターン3、4の各々を構成する第1プリズム11a、第2プリズム11bをより高密度に配置することができる。それにより、画像の高精細化が図られる。光源2は導光板1a、1bで共通でもよく、それぞれに設置してもよい。また、
図1、
図2の「A」、「B」、「C」のように複数の画像を表示させたい場合はそれぞれの表示パターン3、表示パターン4を別々の導光板に設け、重ね合わせてもよい。「A」、「B」、「C」の場合は計6枚の導光板を重ね合わせる。
【0033】
(実施例6)
図16は、実施例6の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図16(a)は画像表示装置の平面図、
図16(b)は画像表示装置の断面図、
図16(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例6の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例6の画像表示装置は、上記した実施例4の画像表示装置における導光板1の機能を2つの導光板1a、1bによって実現したものである。具体的には、導光板1aには右眼用の表示パターン3が設けられ、導光板1bには左眼用の表示パターン4が設けられている。各プリズムの傾き角度θは、表示エリアによって変化させる場合もある。
図16(b)に示すように、これらの導光板1a、1bは前後に重ねて配置されている。なお、導光板1a、1bの前後関係は逆でもよい。プリズムの形状については実施例4と同様である(
図7参照)。実施例6における光源2は、導光板1a、1bの各々に光を入射させる。2つの導光板を用いることにより、表示パターン3、4の各々を構成するプリズムをより高密度に配置することができる。それにより、画像の高精細化が図られる。
【0034】
(実施例7)
図17は、実施例7の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図17(a)は画像表示装置の平面図、
図17(b)は画像表示装置の断面図、
図17(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例7の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例7の画像表示装置は、上記した実施例1の画像表示装置における光源2を2つ以上に増加させたものである。具体的には、実施例7の画像表示装置は、
図17(a)に示すように3つの光源2a、2b、2cを備える。右眼用の表示パターン3は、円弧状の第1プリズム11aの中心点6が光源2cの右側に設定されている。左眼用の表示パターン4は、円弧状の第2プリズム11bの中心点5が光源2aの左側に設定されている。右眼用表示パターン3は対応する右眼用の光源、この場合は光源2cからの光を観測者の眼を想定した目標点に対し反射、集光する。左眼用表示パターン4は対応する左眼用の光源、この場合は光源2aからの光を観測者の眼を想定した目標点に対し反射、集光する。そして、光源2aの中心位置と中心点5との距離7と、光源2cの中心位置と中心点6との距離8はほぼ等しい。この画像表示装置においては、各光源2a、2cの位置から各中心点5、6までの距離7、8のそれぞれを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。光源を複数にすることで、光量を増やし、表示画像の輝度をより高めることができる。
【0035】
(実施例8)
図18は、実施例8の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図18(a)は画像表示装置の平面図、
図18(b)は画像表示装置の断面図、
図18(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例8の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例8の画像表示装置は、上記した実施例4の画像表示装置における光源2を2つ以上に増加させたものである。具体的には、実施例8の画像表示装置は、
図18(a)に示すように3つの光源2a、2b、2cを備える。
図18(c)に示すように、右眼用の表示パターン3の第1プリズム11aは、光源2cと第1プリズム11aとを結ぶ方向(線)12に対して各第1プリズム11aの長手方向の垂線13が+θだけずれるように配置されている。同様に、左眼用の表示パターン4の第2プリズム11bは、光源2aと第2プリズム11bとを結ぶ方向(線)12に対して各第2プリズム11bの長手方向の垂線13が−θだけずれるように配置されている。この画像表示装置においては、各プリズムの傾き角度θを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。光源を複数にすることで、光量を増やし、表示画像の輝度をより高めることができる。
【0036】
それぞれの表示パターンに対応する光源が存在する場合でも、同一表示パターン内でプリズム傾き角度を位置によって異ならせることができる。その場合、各プリズムと結ばれ垂線との角度を形成するのはそれぞれに対応する光源である。
【0037】
(実施例9)
図19は、実施例9の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図19(a)は画像表示装置の平面図、
図19(b)は画像表示装置の断面図、
図19(c)〜
図19(e)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例9の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例9の画像表示装置は、2つ以上の光源と2つの導光板を備える点が上記各実施例とは異なっている。具体的には、導光板1aには右眼用の表示パターン3が設けられ、導光板1bには左眼用の表示パターン4が設けられている。そして、光源2dは導光板1bの端部に設けられ、光源2eは導光板1aの端部に設けられている。右眼用の表示パターン3は、円弧状のプリズムの中心点6が光源2eの右側に設定されている。左眼用の表示パターン4は、円弧状のプリズムの中心点5が光源2dの左側に設定されている。この画像表示装置においては、各光源2d、2eの位置から各中心点5、6までの距離7、8のそれぞれを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。各表示パターン3、4を構成するプリズムは、
図19(c)に示すように連続的な円弧状でもよいし、
図19(d)に示すように間欠的な円弧状でもよいし、
図19(e)に示すように各中心点とプリズムとを結ぶ方向に対して各プリズムの長手方向がほぼ垂直となるもの(円弧ドット)でもよい。
【0038】
(実施例10)
図20は、実施例10の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図20(a)は画像表示装置の平面図、
図20(b)は画像表示装置の断面図、
図20(c)〜
図20(e)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例10の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例10の画像表示装置は、上記した実施例9の画像表示装置における各表示パターン3、4の各中心点5、6の位置を変更したものである。具体的には、右眼用の表示パターン3は、円弧状のプリズムの中心点6が光源2dの右側に設定されている。左眼用の表示パターン4は、円弧状のプリズムの中心点5が光源2eの左側に設定されている。この画像表示装置においては、各光源2d、2eの位置から各中心点5、6までの距離7、8のそれぞれを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。実施例9と同様に、各表示パターン3、4を構成するプリズムは、
図20(c)に示すように連続的な円弧状でもよいし、
図20(d)に示すように間欠的な円弧状でもよいし、
図20(e)に示すように各中心点とプリズムとを結ぶ方向に対して各プリズムの長手方向がほぼ垂直となるもの(円弧ドット)でもよい。
【0039】
これらの実施例9、10のように、2つ以上の光源と2つの導光板を組み合わせることで、光源2eからの右眼用の光が左眼用の導光板1bの端部から入射せず、かつ光源2dからの左眼用の光が右眼用の導光板1aの端部から入射しないようにすることができる。それにより、各表示パターン3、4の中心点5、6の位置は各光源の左右どちらにも設定することが可能となる。
【0040】
(実施例11)
図21は、実施例11の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図21(a)は画像表示装置の平面図、
図21(b)は画像表示装置の断面図、
図21(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例11の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例11の画像表示装置は、上記の実施例9、10と同様に2つ以上の光源と2つの導光板を備えており、各表示パターン3、4を構成するプリズムの配置が異なっている。具体的には、実施例11の画像表示装置は、
図21(a)、
図21(b)に示すように2つの光源2d、2eを備える。
図21(c)に示すように、右眼用の表示パターン3のプリズムは、光源2dとプリズムとを結ぶ方向(線)12に対して各プリズムの長手方向の垂線13が+θだけずれるように配置されている。同様に、左眼用の表示パターン4のプリズムは、光源2eとプリズムとを結ぶ方向(線)12に対して各プリズムの長手方向の垂線13が−θだけずれるように配置されている。この画像表示装置においては、各プリズムの傾き角度θを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。
【0041】
(実施例12)
図22は、実施例12の画像表示装置の構成を示す図である。詳細には、
図22(a)は画像表示装置の平面図、
図22(b)は画像表示装置の断面図、
図22(c)は画像表示装置の平面図の部分拡大図である。実施例12の画像表示装置の基本的な構造は実施例1などの場合と同様であるので、共通部分についての詳細な説明は省略する。実施例12の画像表示装置は、上記の実施例11と同様に2つ以上の光源と2つの導光板を備えており、各表示パターン3、4を構成するプリズム11の配置が異なっている。具体的には、実施例12の画像表示装置は、
図22(a)、
図22(b)に示すように2つの光源2d、2eを備える。
図22(c)に示すように、右眼用の表示パターン3の第1プリズム11aは、光源2eと第1プリズム11aとを結ぶ方向(線)12に対して各第1プリズム11aの長手方向の垂線13が+θだけずれるように配置されている。同様に、左眼用の表示パターン4の第2プリズム11bは、光源2dと第2プリズム11bとを結ぶ方向(線)12に対して各第2プリズム11bの長手方向の垂線13が−θだけずれるように配置されている。この画像表示装置においても、各プリズムの傾き角度θを調整することにより出光方向の調整を行うことができる。
【0042】
これらの実施例11、12のように、2つ以上の光源と2つの導光板を組み合わせることで、光源2eからの右眼用の光が左眼用の導光板1bの端部から入射せず、かつ光源2dからの左眼用の光が右眼用の導光板1aの端部から入射しないようにすることができる。それにより、各表示パターン3、4のプリズムの回転方向(θ)はプラス方向、マイナス方向のいずれにも設定することが可能となる。また、左右の各光源2d、2eを、左右の各表示パターン3、4のいずれにも対応付けることが可能となる。
【0043】
なお、本発明は上述した内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。
【0044】
上記実施例においてはいずれも表示パターン3、4は同一形状で同一の大きさとしたが、これに限らない。例えば、四角錐状に組まれた骨組みを上面から見たような形状のように同一パターンの中でも表現した奥行きに差が生じるときは、その差に応じて形状を変化させることもある。ただし、その場合であっても2つの表示パターンは互いに対応する形状となっている。四角錐の場合では、各頂点や、辺など表示画像を形成する各要素は2つの表示パターン両方に含まれる。つまり、表示パターン4は表示パターン3の各要素を作りたい奥行きに合わせた距離に応じて、それぞれ平行移動させたものを合わせた形状となる。これにより、各要素における表示パターン3、4の間隔は一定ではなくなる。表示パターン3、4によって形成される右眼用画像、左眼用画像の各要素に対応する光は奥行きに関してもわずかに異なる位置に交点を持つため、それにより同一画像内でも立体感を出すことが可能となる。
【0045】
また、上記実施例はいずれもプリズムを凹部によって設けたが凸部によって設けられて勿論かまわない。