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特許5649957メタライジングされている表面を有するセラミックボディを備えた構成部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649957
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】メタライジングされている表面を有するセラミックボディを備えた構成部材
(51)【国際特許分類】
   C04B 41/88 20060101AFI20141211BHJP
   C04B 37/02 20060101ALI20141211BHJP
   H01L 23/13 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   C04B41/88 A
   C04B37/02 Z
   H01L23/12 C
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-504630(P2010-504630)
(86)(22)【出願日】2008年4月17日
(65)【公表番号】特表2010-526008(P2010-526008A)
(43)【公表日】2010年7月29日
(86)【国際出願番号】EP2008054625
(87)【国際公開番号】WO2008128944
(87)【国際公開日】20081030
【審査請求日】2011年3月15日
(31)【優先権主張番号】102007019635.2
(32)【優先日】2007年4月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511004645
【氏名又は名称】セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】CeramTec GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ペーター クルーゲ
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−284808(JP,A)
【文献】 特開2004−335877(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/005281(WO,A1)
【文献】 特開2005−101624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 37/00−37/04,41/88
H01L 23/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックボディ(2)を備えた構成部材(1)であって、該セラミックボディ(2)はメタライジング部(5,6;11)によってセラミックボディ(2)の表面(3,4)の少なくとも1つの領域においてカバーされている、セラミックボディを備えた構成部材において、
同種又は種々異なる材料から成るメタライジング部(5,6)の少なくとも2つの層の間、及びメタライジング部の層(5;11)とセラミックスとの間の部分放電耐性は20pCより小さく、
セラミックボディ(2)は、上面と下面と側面とを有し、上面と下面とが、それぞれ異なる大きさの表面を有しているように構成して、立体的に構造化され(7)、メタライジング部(5,6)が、セラミックボディ(2)の、上面と、下面および側面の少なくとも一方の表面とに設けられることを特徴とする、セラミックボディを備えた構成部材。
【請求項2】
メタライジング部(5,6;11)として、有利にはコーティング又はシート又は金属薄板の形式の金属が、セラミックボディ(2)に全面的に又は部分的に素材結合式に結合されているか、又は機械的な形状結合により結合されていて、前記金属はキャリアボディと同じ又はキャリアボディとは異なる熱伝導率を有していることを特徴とする、請求項記載の構成部材。
【請求項3】
メタライジング部(5,6;11)は、純粋な品質又は工業用の品質におけるタングステン、銀、金、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム又は鋼から成っているか、又は、少なくとも2つの種々異なる金属の混合物、及び/又は付加的に又は単独で、反応はんだ、軟質はんだ又は硬質はんだ(9;13)から成っていることを特徴とする、請求項1または2記載の構成部材。
【請求項4】
セラミックボディ(2)におけるメタライジング部(5,6;11)は、少なくとも1つの層から成っており、かつ、DCB方法(銅ダイレクトボンディング法)の使用のもと、又はAMB方法(活性金属はんだ付け法)の使用のもと、又はスクリーン印刷方法の使用のもと、又は電解式の方法の使用のもと、又は化学的な析出法の使用のもと、又は蒸着方法の使用のもと、又は接着又は付着を介して、又は前記方法の組合せを介して、相対している及び/又は隣接している面において前記ボディの表面に被着されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項5】
メタライジング部(5,6;11)は金属体としてセラミックボディ(2)の表面を、部分的に又は全面的にカバーするか、又は、
平行平面の形式おいて、部分的に又は完全にカバーするか、又は、
幾何学的に任意に成形されてカバーするか、又は、
前記形式の組合せにおいてカバーすることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項6】
セラミックボディ(2)における少なくとも1つのメタライジング部(5)に、少なくとも1つの別のメタライジング部(6)が被着されていて、該別のメタライジング部(6)はメタライジング部(5)の表面を部分的に又は全面的にカバーしていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項7】
セラミックボディ(2)における1つ又は複数のメタライジング部(11)は、銅のみから成っており、セラミックボディ(2)との結合は、引き続きの熱的な処理を備えたスクリーン印刷方法によって、又はDCB方法によって行われることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項8】
セラミックボディ(2)における1つ又は複数のメタライジング部は、アルミニウムのみから成っていて、セラミックボディ(2)との結合は、引き続きの熱的な処理を備えたスクリーン印刷方法によって、又はAMBプロセスによって行われることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項9】
少なくとも1つのメタライジング部及び/又は別のメタライジング部(5,6;11)のセラミックボディ(2)への結合は、90%より大きいことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項10】
少なくとも1つのメタライジング部(5,6;11)は、少なくとも12N/cmの付着耐性でセラミックボディ(2)に結合されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項11】
メタライジング部(5,6;11)の層の厚さは2mm以下であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項12】
セラミックボディ(2)の少なくとも1つの表面又はメタライジング部に、別の層(11)又は構成部材の付着仲介をするために、介在層(12)が被着されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項13】
介在層(12)の厚さは20μm以下であることを特徴とする、請求項12記載の構成部材。
【請求項14】
介在層(12)はAlから成っていることを特徴とする、請求項12又は13記載の構成部材。
【請求項15】
セラミック材料は、主成分として50.1〜100重量%のZrO/HfO、又は50.1〜100重量%のAl、又は50.1〜100重量%のAlN、又は50.1〜100重量%のSi、又は50.1〜100重量%のBeO、又は50.1〜100重量%のSiC、又は前記割合範囲内での任意の組合せの少なくとも2つの主成分の組合せを含有し、及び、
副成分として、49.9重量%以下の割合で単独で又は前記割合範囲における任意の組合せで、少なくとも1の酸化数の状態で及び/又は化合物の形の元素Ca,Sr,Si,Mg,B,Y,Sc,Ce,Cu,Zn,Pbを含有しており、
主成分と副成分とが、3重量%以下の不純物の割合を差し引いて、100重量%の全体組成になるように互いに任意の組合せで互いに組み合わされていることを特徴とする請求項1から14までのいずれか一項記載の構成部材。
【請求項16】
セラミックボディ(2)は冷却リブ(7)を備えてヒートシンクとして構成されていることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一項記載の構成部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセラミックボディを備えた構成部材であって、セラミックボディはその表面の少なくとも1つの領域においてメタライジング部でカバーされている、セラミックボディを備えた構成部材に関する。
【0002】
常に比較的高い電圧領域における出力電子機器の広まりによって、高い絶縁電圧と、高い部分放電耐性に関する要求は厳しくなっている。絶縁耐性及び部分放電耐性は、とりわけ厚さ、材料及び底部絶縁の同質性、及びケーシング材料及び充填材料、場合によってはチップアッセンブリにも依存している。
【0003】
約3kHzより低い周波数による負荷交番、とりわけ、例えばトラクション使用(Traktionsanwendung)、リフティング使用(Aufzugsanwendung)及びパルス使用において優勢である断続的な運転時における負荷交番から、モジュール内蔵型の結合、つまり、ボンディング結合、チップの背面はんだ付け、DCB/ボンディングプレートのはんだ付け及び基板ラミネート(Al又はAlN上のCu)の温度交番負荷がもたらされる。個々の層の種々異なる長さ膨張係数により、製造中及び運転中の熱的な歪みが生じる。熱的な歪みは最終的に材料疲労及び磨耗に繋がる。寿命(可能な切換えサイクル数)はこのサイクル中のチップ温度の変動の増大する振幅と共に低下する。
【0004】
DE102004033227A1において、プレート形の金属セラミック基板が公知である。金属セラミック基板は10pCより低い部分放電耐性を確実に遵守する。
【0005】
本発明の目的は、表面をメタライジングされた、プレート形で平らなだけではなく、高い部分放電耐性を有するセラミックボディを備えた構成部材を提供することである。
【0006】
この目的の達成は請求項1の特徴部によってもたらされる。本発明の有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明に係る構成部材は、セラミックボディを備えた構成部材であって、該セラミックボディはメタライジング部によってセラミックボディの表面の少なくとも1つの領域においてカバーされている、セラミックボディを備えた構成部材において、同種又は種々異なる材料から成るメタライジング部の少なくとも2つの層の間、及びメタライジング部の層とセラミックスとの間の部分放電耐性は20pCより小さく、セラミックボディは立体的に構造化されていることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、キャビティを形成する欠陥個所は、2つのメタライジング部の間の移行部、及びメタライジング部とセラミックボディとの間の移行部、及び接続される構成部材とメタライジング部との間の移行部において、100μmの直径と100μmの高さとを越えていない。
【0009】
好ましくは、構造化されたメタライジング部によって形成された欠陥個所は、突出部又は窪みの形式において、10μmを下回らない曲率半径をもって延在する縁部を有する
【0010】
好ましくは、メタライジング部として、有利にはコーティング又はシート又は金属薄板の形式の金属が、セラミックボディに全面的に又は部分的に素材結合式に結合されているか、又は機械的な形状結合により結合されていて、前記金属はキャリアボディと同じ又はキャリアボディとは異なる熱伝導率を有している。
【0011】
好ましくは、メタライジング部は、純粋な品質又は工業用の品質におけるタングステン、銀、金、銅、白金、パラジウム、ニッケルアルミニウム又は鋼から成っているか、又は、少なくとも2つの種々異なる金属の混合物、及び/又は付加的に又は単独で、反応はんだ、軟質はんだ又は硬質はんだから成っている。
【0012】
好ましくは、コーティング又はシート又は金属薄板の形式のメタライジング部の金属に接着を仲介する添加剤、又は、特にガラス又は重合性の材料といった他の添加剤が添加されているか又は前記金属にコーティングされている。
【0013】
好ましくは、セラミックボディにおけるメタライジング部は、少なくとも1つの層から成っており、かつ、DCB方法(銅ダイレクトボンディング法)の使用のもと、又はAMB方法(活性金属はんだ付け法)の使用のもと、又はスクリーン印刷方法の使用のもと、又は電解式の方法の使用のもと、又は化学的な析出法の使用のもと、又は蒸着方法の使用のもと、又は接着又は付着を介して、又は前記方法の組合せを介して、前記ボディの表面において相対している及び/又は隣接している面に被着されている。
【0014】
好ましくは、メタライジング部は金属体としてセラミックボディの表面を、部分的に又は全面的にカバーするか、又は、平行平面の形式又はほぼ平行平面の形式において、部分的に又は完全にカバーするか、又は、幾何学的に任意に成形されてカバーするか、又は、前記形式の組合せにおいてカバーする。
【0015】
好ましくは、セラミックボディにおける少なくとも1つのメタライジング部に、少なくとも1つの別のメタライジング部が被着されていて、該別のメタライジング部はメタライジング部の表面を部分的に又は全面的にカバーしていることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、メタライジング部の層厚さが2mmより小さい。
【0017】
好ましくは、セラミックボディにおける1つ又は複数のメタライジング部は、銅のみから成っており、セラミックボディとの結合は、引き続きの熱的な処理を備えたスクリーン印刷方法によって、又はDCB方法によって行われる。
【0018】
好ましくは、セラミックボディにおける1つ又は複数のメタライジング部は、アルミニウムのみから成っていて、セラミックボディとの結合は、引き続きの熱的な処理を備えたスクリーン印刷方法によって、又はAMBプロセスによって行われる。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つのメタライジング部及び/又は別のメタライジング部のセラミックボディへの結合は、90%より大きい。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つのメタライジング部は、少なくとも12N/cmの付着耐性でセラミックボディに結合されている。
【0021】
好ましくは、メタライジング部の層の厚さは2mm以下である。
【0022】
好ましくは、セラミックボディの少なくとも1つの表面又はメタライジング部に、別の層又は構成部材の付着仲介をするために、介在層が被着されている。
【0023】
好ましくは、介在層の厚さは20μm以下である。
【0024】
好ましくは、介在層はAlから成っている。
【0025】
好ましくは、セラミック材料は、主成分として50.1〜100重量%のZrO/HfO、又は50.1〜100重量%のAl、又は50.1〜100重量%のAlN、又は50.1〜100重量%のSi、又は50.1〜100重量%のBeO、又は50.1〜100重量%のSiC、又は前記割合範囲内での任意の組合せの少なくとも2つの主成分の組合せを含有し、及び、副成分として、49.9重量%以下の割合で単独で又は前記割合範囲における任意の組合せで、少なくとも1の酸化数の状態で及び/又は化合物の形の元素Ca,Sr,Si,Mg,B,Y,Sc,Ce,Cu,Zn,Pbを含有しており、主成分と副成分とが、3重量%以下の不純物の割合を差し引いて、100重量%の全体組成物になるように互いに任意の組合せで互いに組み合わされている。
【0026】
好ましくは、セラミックボディは冷却リブを備えてヒートシンクとして構成されている。
【0027】
本発明による構成部材は空間的に構造化されている。プレートの代わりにセラミックボディは三次元の構造部である。したがって、例えばプレートに別の部材を接続することができるので、任意の形状のボディがもたらされる。また、ボディ全体はワンピースであり、つまり、個々の部材から構成されているのではない。例えばプレートに他のプレートが垂直に立っていると、例えばE字形の全体ボディをもたらすことができる。この種の形状を、例えばヒートシンクは有している。
【0028】
本発明によれば、同種又は種々異なる材料から成るメタライジング部の少なくとも2つの層の間、及びメタライジング部の層とセラミックスとの間における部分放電耐性は20pCより小さい。この部分放電耐性は、規定された同じ又は種々異なる測定手法に応じて、同一又は非同一又は変更された規定の測定電圧において、又は同一又は非同一又は変更された測定条件において達成される。測定条件は、例えば圧力又は温度又は空気湿度又はメタライジング部の同一又は非同一の間隔であってよい。
【0029】
セラミックボディへのメタライジング部の被着時又はメタライジング部の互いの被着時に、気泡及びキャビティと、縁部領域における剥離とが形成されることがある。同様のことは、接続される構成部材とメタライジング部との間の移行部にも当てはまる。2つのメタライジング部の間、及びメタライジング部とセラミックボディとの間、又は接続される構成部材とメタライジング部との間の移行部における欠陥個所は、部分放電耐性に悪影響を及ぼす。したがって、20pCより小さい、要求されている部分放電耐性を越えないように、欠陥個所は100μmの直径と、100μmの高さとを超えてはならない。直径は円に内接する、任意に成形された欠陥個所の射影を描写する。
【0030】
さらに、構成部材の表面に設けられている突出部又は窪みの形式をした、メタライジング部の構造化により形成された欠陥個所は、この個所における電界の妨害に基づき、部分放電耐性に影響を与える。したがって、20pCより小さい、要求された部分放電耐性を超えないようにするために、欠陥個所は10μmを下回らない曲率半径をもって延在する縁部だけを有してよい。
【0031】
メタライジング部としてセラミックボディに、有利にはコーティング又はシート又は金属薄板の形式の金属が素材結合式(stoffschluessig)に又は機械的な形状結合(Formschluss)により全面的に又は部分面状的に結合されている。金属はセラミックボディと同じ又は種々異なる熱伝導率を有している。メタライジング部は、純粋又は工業用の品質において、例えばタングステン、銀、金、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、又は鋼、又は少なくとも2つの種々異なる混合物から成っていてよい。メタライジング部は、例えば付加的に反応はんだ、又は軟質はんだ、又は硬質はんだから成っていてもよい、又は、例えば単独で反応はんだ、又は軟質はんだ、又は硬質はんだから成っていてもよい。
【0032】
コーティング又はシート又は金属薄板の形状のメタライジング部の金属は、付着を仲介する添加剤、又は例えばガラス又は重合体の物質といった別の添加剤を添加することができるか、又はメタライジング部の金属にコーティングすることができ、その結果、セラミックボディへのメタライジング部の付着性が高まる。
【0033】
メタライジング部の1つの層又は複数の層は、DCB方法(Direct Copper Bonding:銅ダイレクトボンディング)の使用のもと、又はAMB方法(Active Metal Brazing:活性金属はんだ付け)の使用のもと、又はスクリーン印刷方法の使用のもと、又は電解的な方法の使用のもと、又は化学的な析出の使用のもと、又は蒸着方法の使用のもと、又は付着又は接着を介して、又は前記方法の組合せによって、相対している及び/又は隣接している面においてボディの表面に被着することができる。
【0034】
セラミックボディにおけるメタライジング部は、メタライジングされた面毎に少なくとも1つの層から成っている。メタライジング部はセラミックボディの表面を金属ボディとして、部分的に又は全面的にカバーするか、又は平行平面又はほぼ平行平面の形式において部分的又は完全にカバーするか、又は任意に幾何学的に成形されてカバーするか、又は前記形状の組合せにおいてカバーする。
【0035】
メタライジング部の層厚さは、20pCよりも小さい、要求されている部分放電耐性を超えないように、2mmより小さいことが望まれる。
【0036】
セラミックボディにおける1つのメタライジング部又は複数のメタライジング部は、銅のみから成っていてよい。セラミックボディとの結合は、熱的な処理を後続に伴うスクリーン印刷方法又はDCB方法によって行われる。
【0037】
セラミックボディにおける1つのメタライジング部又は複数のメタライジング部は、アルミニウムのみから成っていてよい。セラミックボディとの結合は、熱的な処理を後続に伴うスクリーン印刷方法又はAMB方法によって行われる。
【0038】
セラミックボディ又はメタライジング部の表面に別の層を被着したい場合、付着仲介のために介在層を被着することは有利であり得る。この種の介在層は、有利には20μm以下の厚さを有している。例えば銅から成るメタライジング部をアルミニウムセラミックスにDCB方法によって被着したい場合、セラミックボディの表面にAlから成る介在層を形成すると有利である。これにより銅を備えたメタライジング部の付着耐性は高められる。
【0039】
少なくとも1つのメタライジング部及び/又は別のメタライジング部のセラミックボディへの結合は90%より大きい。
【0040】
少なくとも1つのメタライジング部はセラミックボディに、少なくとも12N/cmの付着耐性をもって結合されている。これにより、特に熱的な負荷によりセラミックボディからのメタライジング部の剥離は起こらないことが保証されている。
【0041】
構成部材のボディはセラミック材料から成っている。セラミック材料はその組成において、要求されている特性、例えば絶縁、部分放電耐性及び熱的な安定性に合わせることができる。
【0042】
セラミック材料は、主成分として50.1〜100重量%のZrO/HfO、又は50.1〜100重量%のAl,又は50.1〜100重量%のAlN,又は50.1〜100重量%のSi,又は50.1〜100重量%のBeO,又は50.1〜100重量%のSiC、又は前記割合範囲における任意の組合せの少なくとも2つの主成分の組合せを含み、かつ、セラミック材料は、副成分として、49.1重量%以下の割合で単独で又は前記割合範囲において任意の組合せで、少なくとも1の酸化数の状態の及び/又は化合物の形の元素Ca,Sr,Si,Mg,B,Y,Sc,Ce,Cu,Zn,Pbを含む。3重量%以下の不純物の割合を差し引いて、主成分と副成分とは、互いに任意の組合せで互いに100重量%の全体組成へと組合せ可能である。
【0043】
有利には、構成部材のセラミックボディはヒートシンクとして形成されている。ヒートシンクとは、電気的又は電子的な構成素子又は回路を支持し、構成素子又は回路を損なう恐れのある蓄熱が発生しないように、構成素子又は回路内に発生する熱を導出できるように成形されているボディのことである。キャリアボディは、非導電又はほぼ非導電であり、良好な熱伝導率を有する材料から成るボディである。この種のボディにとって理想的な材料はセラミックスである。
【0044】
ボディはワンピースであり、電子的な構成素子又は回路を保護する、熱を導出又は供給するエレメントを有している。有利には、キャリアボディは基板であり、エレメントは、加熱又は冷却媒体を負荷可能である孔、通路、リブ及び/又は切欠きである。媒体は液状又はガス状であってよい。キャリアボディ及び/又は冷却エレメントは、有利には少なくとも1つのセラミックス製の構成要素、又は種々異なるセラミック材料の複合体から成っている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の実施の形態を示した図である。
【0046】
本発明を、一実施の形態に基づいて詳しく説明する。本発明によるプレート形ではないセラミックボディ2を有する構成部材1が記載されている。プレート形ではないということは、セラミックボディ2の上面3と下面4とが、それぞれ種々異なる大きさの表面を有しているように構成されていることを意味する。ボディは立体的に構造化されている。構成部材1の上面3は本実施の形態においては平坦な表面を有している。上面3に種々異なるメタライジングされた領域5が被着されている。上面3は回路支持体である。セラミックボディ2の上面3の少なくとも1つのメタライジング部5に、少なくとも1つの別のメタライジング部6が載置されている。別のメタライジング部6は本実施の形態では第1のメタライジング部5の表面を部分的にカバーしている。
【0047】
本実施の形態では、セラミックボディ2はE字形である。ボディはヒートシンクである。セラミックボディ2の下面4は冷却リブ7を有している。冷却リブ7にもメタライジングされた領域5が備え付けられている。メタライジングされた領域5に、例えば電子的な構成部材をはんだ付けすることができる。
【0048】
セラミックボディ2の上面3において、チップ8がメタライジングされた領域5にはんだ結合部9を介して固定されている。線路10を介してチップ8はメタライジングされた領域5に接続されている。チップ8は熱源である。熱源の熱は冷却リブ7を介して排出される。
【0049】
DCB方法によって窒化アルミニウムセラミックスに銅から成るメタライジング部を被着したい場合に、Alから成る介在層がセラミックボディの表面に設けられていると有利である。本実施の形態においてこのことは、セラミックボディ2の左側の冷却リブ7に記載されている。ボディ2が窒化アルミニウムから成っていると仮定して、銅11から成るメタライジング部と、セラミックボディ2の表面との間に、Alから成る介在層12が製造されている。銅11から成るメタライジング部に、はんだ13を介して電子的な構成部材14が結合されている。
図1