(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体ケース(1)と、肌面を冷却するヘッド(2)と、ヘッド(2)を冷却するための熱電変換素子(44)を含む冷却部(12)と、冷却部(12)に接続される放熱用のヒートシンク(30)と、ヒートシンク(30)に熱交換風を供給する送風手段(31)とを備えており、
本体ケース(1)に設けられるスイッチ(3・4)の操作により、熱電変換素子(44)および送風手段(31)の駆動が開始され、熱電変換素子(44)および送風手段(31)の駆動が開始されてから所定時間が経過すると送風手段(31)の駆動が停止され、送風手段(31)の駆動が停止されてから所定時間が経過すると熱電変換素子(44)の駆動が停止されることを特徴とする美容器具。
本体ケース(1)と、肌面を冷却するヘッド(2)と、ヘッド(2)を冷却するための熱電変換素子(44)を含む冷却部(12)と、冷却部(12)に接続される放熱用のヒートシンク(30)と、ヒートシンク(30)に熱交換風を供給する送風手段(31)とを備えており、
本体ケース(1)に設けられるスイッチ(3・4)の操作により、熱電変換素子(44)および送風手段(31)の駆動が開始され、熱電変換素子(44)および送風手段(31)の駆動が開始されてから所定時間が経過すると送風手段(31)の駆動が制限され、送風手段(31)の駆動が制限されてから所定時間が経過すると熱電変換素子(44)および送風手段(31)の駆動が停止されることを特徴とする美容器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3の美容器具では、放熱促進用の送風手段が設けられず、ヘッドを冷却するまでに時間を要する。特許文献1および特許文献2の美容器具では、放熱促進用の送風手段は設けられているが、冷却されたヘッドを肌面に接触させて冷却の手入れを行うときも送風手段が通常の回転数で回り続けていれば、その分、電力を消費する。また、送風手段や、それを駆動するモーターから発する耳障りな音を伴うため、安らかな気持ちで手入れを行うことができない。
また、特許文献1の美容器具では、ペルチェ素子の放熱作用を促進するために、美容器本体の内部に送風手段を配置し、美容器本体の上下に冷却風の吸込み口と排出口とを開口している。そのため、単に冷却された冷却板を顔肌に押当てて冷却する限りは問題ないが、特許文献3の美容器具のように、化粧水を併用して肌面の冷却を行うような場合に問題を生じる。詳しくは、化粧水が冷却風の吸込み口や排出口から美容器本体の内部に入り込み、美容器本体の内部に配置した回路基板や、回路基板に実装された電子部品等に付着して、回路の短絡や、誤作動を生じるおそれがある。また、この種の美容器本体の内部に配置した回路基板には、ペルチェ素子や送風手段の駆動状態を制御する制御回路、あるいはイオン導入用のパルス電流を生成するための電流調整回路などが組み込んであるが、回路基板に実装された電子部品が熱交換後の温風に晒されて過熱状態に陥り、誤作動を生じるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、ヘッドの冷却準備時間を短くするとともに、電力消費量を低減できる美容器具を提供することにある。
本発明の目的は、化粧水等の液体がたとえ本体ケースの内部に入り込んだとしても、制御回路や、制御回路の基板に実装された電子部品等に化粧水等の液体が付着するのを防止でき、さらに、電子部品が過熱状態に陥るのを防止して、安全性と信頼性を向上できる美容器具を提供することにある。
本発明の目的は、熱電変換素子から放出される熱をより効果的に排出して、美容器具が過熱状態に陥るのを解消でき、美容器具が適正な使用時間を越えて使用されるような場合であっても、ユーザーの安全性を確保し保護できる美容器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の美容器具は、本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えている。本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作により、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始され、所定時間が経過すると送風手段31の駆動が停止され、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動が停止される。
【0009】
本発明の美容器具は、本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作により、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始され、所定時間が経過すると送風手段31の駆動が制限され、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44および送風手段31の駆動が停止される。
【0010】
また、上記一連の動作が、連続して所定回数繰り返された場合、スイッチ3・4の操作により、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始され、所定時間が経過しても熱電変換素子44および送風手段31が駆動し続け、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44および送風手段31の駆動が停止される。
【0011】
また、上記一連の動作が、連続して所定回数繰り返された場合、スイッチ3・4の操作により、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始され、所定時間が経過しても熱電変換素子44および送風手段31が駆動し続け、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動が停止され、さらに所定時間が経過すると送風手段31の駆動が停止される。
【0012】
また、熱電変換素子44の駆動が停止された後、再び送風手段31の駆動が開始され、所定時間の経過後、送風手段31の駆動が停止される。
【0013】
また、本体ケース1に発光表示手段6dを備え、スイッチ3・4の操作により、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始されたときに発光表示手段6dが点滅駆動となり、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発光表示手段6dが点灯駆動となり、さらに所定時間が経過して熱電変換素子44および送風手段31の駆動が停止されたときに発光表示手段6dの駆動を停止した。
【0014】
また、本体ケース1の内部に発音表示手段6dを有し、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発音表示手段 を駆動する。
【0015】
また、本発明に係る美容器具は、
図1に示すように、本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えている。本体ケース1の内部に、熱電変換素子44の駆動を制御する制御回路87が配置される電気部品エリア15と、ヒートシンク30および送風手段31が配置される通風エリア13を有する。通風エリア13を形成する壁には空気の吸込み口61と排出口62を開口する。通風エリア13と電気部品エリア15は、本体ケース1の内部に固定したカバー体18で区画する。
【0016】
冷却部12は、本体ケース1の上部に配置する。熱電変換素子44の高温面側に、熱電変換素子44の高温面側で発生する熱を放出するヒートシンク30を配置する。ヒートシンク30は、冷却部12からカバー体18の外面にわたって縦長に配置する。
【0017】
ヒートシンク30の下方に冷却風を送給する送風手段31を配置する。ヒートシンク30は、板状のシンクベース54と、シンクベース54に突設される多数個のフィン55とを備えている。カバー体18の外面の上部をシンクベース54で覆う。
【0018】
シンクベース54の上下中途部に段違い部57を形成する。
【0019】
シンクベース54と、同ベース54に対向する本体ケース1の周壁とで挟まれる熱交換通路60を、その通路断面積がヒートシンク30の上部から下部へ向かって小さくなるように形成する。
【0020】
シンクベース54と、同ベース54に対向するカバー体18との間に、熱交換通路60の前後隙間より小さな通風隙間63を設ける。
【0021】
冷却部12と電気部品エリア15との間の本体ケース1の内部にバイブレータ33を配置する。
図6に示すように、バイブレータ33は、本体ケース1に締結固定したカバー体18に設けた押圧壁22で固定する。
【0022】
送風手段31より下側の本体ケース1の周壁に排出口62を開口する。送風手段31から送給される熱交換風を排出口62へ向かって変向案内する変向体32を、排出口62と対向する本体ケース1の内面に固定する(
図7参照)。
【0023】
変向体32に隣接して、給電リード77を含む給電用のソケット75を配置する。ソケット75の通風エリア13側の周面を変向体32で覆う。
【0024】
給電リード77は、カバー体18に開口したリード開口78を介して電気部品エリア15の内部に導入する。変向体32の一部を、給電リード77とリード開口78との間の隙間を塞ぐパッキン79で受け止める。
【0025】
イオン導入またはイオン導出用のパルス電流を発生する制御回路87を電気部品エリア15に配置する。ヘッド2の接触板39は、イオン導入またはイオン導出用の第1電極9を兼ねている。グリップを兼ねる本体ケース1の外面に、イオン導入またはイオン導出用の第2電極10を配置する。
【発明の効果】
【0026】
本発明においては、本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作により、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始され、所定時間が経過すると送風手段31の駆動が停止され、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動が停止されるように制御した。これによって、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが低減する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
【0027】
また、本発明においては、本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作により、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始され、所定時間が経過すると送風手段31の駆動が制限され、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44および送風手段31の駆動が停止されるように制御した。これによって、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が制限されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中は送風手段31が低騒音となり使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の駆動による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが低出力駆動となり音が低減される。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
【0028】
上記一連の動作が、連続して所定回数繰り返された場合、所定時間が経過しても熱電変換素子44および送風手段31が駆動し続け、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44および送風手段31の駆動が停止されるよう制御した。これにより通常の使用状態とは異なる状態を生じさせることで使用者に誤った使い方(連続使用)であることを認識させることができる。また仮に連続使用された場合でも、送風手段31の連続駆動により、放熱を促進し、ヘッド2の冷却を行うことができる。
【0029】
上記一連の動作が、連続して所定回数繰り返された場合、所定時間が経過しても熱電変換素子44および送風手段31が駆動し続け、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動が停止され、さらに所定時間が経過すると送風手段31の駆動が停止されるように制御した。これにより、肌の手入れが終了しても、なおも送風手段31を駆動させることができるため、次の使用者が肌の手入れを行う場合に、ヘッド2が所望する冷却温度になりやすい。
【0030】
熱電変換素子44の駆動が停止された後、再び送風手段31の駆動が開始され、所定時間の経過後、送風手段31の駆動が停止されるように制御した。これにより、肌の手入れが終了しても、なおも送風手段31を駆動させることができるため、次の使用者が肌の手入れを行う場合に、ヘッド2が所望する冷却温度になりやすい。
【0031】
熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始されたときに発光表示手段6dを点滅駆動させることにより、使用者に準備時間であることを認識させることができ、また、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発光表示手段6dを点灯駆動させることにより、使用者に準備時間が終了し使用可能時間であることを認識させることができる。さらに所定時間が経過して熱電変換素子44および送風手段31の駆動が停止されたときに発光表示手段6dの駆動を停止したことにより、使用者に美容器具の使用が停止されたことを認識させることができる。
【0032】
所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発音表示手段(ブザー)95を駆動することにより、使用者に準備時間が終了し使用可能時間であることを認識させることができる。ここで、送風手段31の駆動が停止されたとき発音表示手段(ブザー)95を駆動するとは、送風手段31の駆動が停止したちょうどそのときや、或いは、送風手段31の停止から僅かに時間をおいて、例えば、1秒後に、発音表示手段(ブザー)95を駆動することも含むものである。
【0033】
本発明においては、本体ケース1の内部を通風エリア13と、電気部品エリア15とに区分し、通風エリア13の内部に送風手段31と放熱用のヒートシンク30を配置した。また、カバー体18で区画した電気部品エリア15の内部に、冷却部12の熱電変換素子44の駆動を制御する制御回路87を配置した。このように、電気部品エリア15に制御回路87を配置すると、肌冷却を行う際に化粧水等の液体が本体ケース1の内部に入り込んだとしても、制御回路87の基板に液体が付着するのを防止できる。また、熱交換後の温風や、ヒートシンク30から放出される輻射熱によって、制御回路87が加熱されるのを防止して、その電子部品等が過熱状態に陥るのを防止できる。したがって、化粧水等の液体の付着による短絡や誤作動を生じる余地がなく、さらに電子部品の過熱に伴う故障や火傷を生じる余地のない、安全性と信頼性に優れた美容器具を提供できる。
【0034】
ヒートシンク30を、本体ケース1の上部に配置した冷却部12から、カバー体18の外面にわたって縦長に配置すると、冷却風とヒートシンク30との接触機会を多くして、熱電変換素子44から放出される熱を、本体ケース1の外へ効果的に排出できる。また、カバー体18の外面の一部をヒートシンク30で覆うので、冷却風とともに通風エリア13の内部に入り込んだ化粧水等の液体をヒートシンク30で遮って、液体がカバー体18の外面に付着するのを極力避けることができる。
【0035】
板状のシンクベース54と、シンクベース54に突設される多数個のフィン55とでヒートシンク30を構成し、カバー体18の外面の上部をシンクベース54で覆うと、通風エリア13の内部に入り込んだ化粧水等の液体を、板状のシンクベース54でさらに効果的に遮ることができる。したがって、液体がカバー体18に付着するのをさらに確実に防止して、回路基板14や電子部品等の故障を防止できる。
【0036】
シンクベース54の上下中途部に段違い部57を設けると、ヒートシンク30のフィン55の間に入り込んだ化粧水等の液体を段違い部57で受止めて、一時的に段違い部57に滞留することができる。したがって、フィン55の間に入り込んだ液体が、冷却風とともにヒートシンク30を素通りして、通風エリア13の下流側に配置した送風手段31に付着するのを抑止できる。また、段違い部57に滞留した液体の一部は、シンクベース54に沿って流下する間に、シンクベース54の熱で加熱して蒸発することができる。
【0037】
シンクベース54と本体ケース1の周壁との間に設けた熱交換通路60を、その通路断面積がヒートシンク30の上部から下部へ向かって小さくなるように形成すると、ヒートシンク30の下端側における冷却風の流速を高めることができる。したがって、フィン55の間を通過する冷却風の通過速度を大きくして、フィン55と冷却空気との接触機会を増加でき、ヒートシンク30の熱交換効率を高めることができる。これにより、熱電変換素子44から放出される熱をより効果的に排出でき、たとえば美容器具が適正な使用時間を越えて使用されるような場合であっても、美容器具が過熱状態に陥るのを解消して、ユーザーの安全性を確保し保護できる。
【0038】
シンクベース54とカバー体18との間に、熱交換通路60の前後隙間より小さな通風隙間63を設けると、シンクベース54の熱がカバー体18へ伝導するのを、通風隙間63を流れる空気層で遮断できる。同様にして、シンクベース54の輻射熱がカバー体18へ到達するのを、通風隙間63を流れる空気層で遮断でき、電気部品エリア15内の電子部品をヒートシンク30の熱から保護することができる。また、通風隙間63の隙間寸法を熱交換通路60の前後隙間より小さくするので、通風隙間63を通過する空気の量を制限することができる。したがって、送風手段31に吸い込まれる冷却風の殆どを熱交換通路60に沿って流動させて、冷却風とヒートシンク30との間の熱交換を効果的に行ないながら、ヒートシンク30からカバー体18へ向かう熱の移動を防止できる。
【0039】
バイブレータ33を本体ケース1に締結固定したカバー体18の押圧壁22で固定すると、バイブレータ33を固定するためのビスや固定構造を省略して、その分だけ構造の簡素化を実現できる。また、カバー体18に設けた押圧壁22でバイブレータ33の外面を覆い隠すので、通風エリア13に入り込んだ化粧水等の液体を押圧壁22で遮って、バイブレータ33に付着するのを防止できる。
【0040】
送風手段31の下方に変向体32を配置し、送風手段31から送給される熱交換風を変向体32で排出口62へ向かって変向案内すると、熱交換風を本体ケース1の外へ効果的に排出することができる。これにより、通風エリア13に熱交換後の高温の空気が籠るのを解消できるので、ヒートシンク30における放熱作用を促進して熱交換効率をさらに向上できる。
【0041】
変向体32に隣接して給電用のソケット75を配置し、その通風エリア13側の周面を変向体32で覆うと、ソケット75の近傍にまで到達した化粧水等の液体が、ソケット75や給電リード77等に付着するのを変向体32で阻止できる。したがって、ソケット75の周辺における液体の付着に伴う故障や事故を未然に防止できる。
【0042】
ソケット75から導出した給電リード77と、カバー体18に開口したリード開口78との間をパッキン79でシールし、変向体32の一部をパッキン79で受け止めるようにすると、変向体32の動きをパッキン79で緩衝し制振できる。したがって、変向体32が送風手段31やバイブレータ33の振動を受けて振動するのを抑制できる。また、変向体32がカバー体18に接当して、接当騒音が発生するのを解消できるので、美容器具を使用する時の運転騒音を低下して静粛性を向上できる。
【0043】
ヘッド2の接触板39を利用してイオン導入またはイオン導出用の第1電極9とし、本体ケース1の外面にイオン導入またはイオン導出用の第2電極10を配置した美容器具によれば、イオン導入作用によって化粧水を肌に効果的に浸透させ、またはイオン導出作用によって肌の微細な汚れを効果的に落とすことができるなど、さらに広範な美容効果を発揮できる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(実施例)
図1ないし
図9は本発明に係る美容器具の第1実施例を示す。本発明における前後・左右・上下とは、
図2および
図3に示す交差矢印と、矢印の近傍に表示した前後・左右・上下の表記に従う。
図2および
図3において美容器具は、グリップを兼ねる本体ケース1を基本構造体にして、その前面上部にヘッド2が突設してある。またその内部には、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えている。ヒートシンク30は、アルミニウム製のダイキャスト成形品からなり、その表面にアルマイト処理を施し放熱効果を高めている。
【0046】
本体ケース1の前面には、電源投入用の電源ボタン(スイッチ)3と、運転モードを切り換えるモードボタン(スイッチ)4と、イオン導入時の電位を切り換える強弱ボタン(スイッチ)5と、運転モードの違いに応じて点灯される4個のLEDからなるモード表示灯(発光表示手段)6a、6b、6c、6dと、電位の違いに応じて点灯される2個のLEDからなる強弱表示灯(発光表示手段)7a、7bなどが設けてある。電源ボタン3は、本体ケース1の表面にある電源操作ノブ3aとその奥にある電源スイッチ3bとからなる。モードボタン4は、本体ケース1の表面にあるモード操作ノブ4aとその奥にあるモードスイッチ4bとからなる。強弱ボタン5は、本体ケース1の表面にある強弱操作ノブ5aとその奥にある強弱スイッチ5bとからなる。
【0047】
本体ケース1の左右両側には、上下端が半楕円状に丸められた縦長の第2電極10が配置してある。第2電極10は、人体に微弱なパルス電流を供給するイオン導入またはイオン導出用の電極であって、第1電極9を兼ねる接触板39と協同してパルス電流を人体に供給する。第2電極10は、本体ケース1に対して固定されており、後述する圧縮コイル形のばね94を介して、イオン導入またはイオン導出用の制御回路87の出力リード90と電気的に接続されている(
図9参照)。
【0048】
本体ケース1は、前後に分割された前ケース1aと後ケース1bをビス8(
図1参照)で蓋合わせ状に接合して中空ケース状に構成してあり、その内部には、冷却部12の一部が収容される通風エリア13と、マイコンや各種電子部品を含む制御回路87や、それを搭載する回路基板14が配置される電気部品エリア15とが区画してある。具体的には、前ケース1aの内面に周回状に突設される区画リブ17と、区画リブ17の開口面を塞ぐカバー体18とで電気部品エリア15を区画し、電気部品エリア15以外の本体ケース1の内部空間の主に後半部側を通風エリア13としている。つまり、本体ケース1の壁とカバー体18の壁により、通風エリア13と電気部品エリア15とが区分してある。制御回路87は、冷却部12のペルチェ素子(熱電変換素子)44、バイブレータ33(モーター82)、送風手段31(モーター66)、ブザー(発音表示手段)95、モード表示灯(発光表示手段)6a、6b、6c、6d、強弱表示灯(発光表示手段)7a、7bの駆動、および第1電極9・第2電極10への微弱なパルス電流の供給(通電)を制御している。
【0049】
カバー体18は、トレー状のプラスチック成形品からなり、区画リブ17に接合される周囲壁19と、周囲壁19の後面を塞ぐ後壁20を一体に備えている。周囲壁19の上端には、締結座21が張り出してあり、その左右中央部分にバイブレータ33を固定する押圧壁22が一体に形成してある(
図9参照)。
図5に示すように、後壁20の下部には、ファンケース65の周面の一部を収容する長円状の凹部23が凹み形成してあり、その左右両側にファンケース65を固定するためのねじボス24が突設してある。カバー体18の区画リブ17との接合面はシールリング25でシールしてある。押圧壁22は長方形状に張り出してあり、バイブレータ33用のモーター82の周面全体を覆う状態で、同モーター82を押圧固定する(
図9参照)。
【0050】
通風エリア13の上部には冷却部12が設けてあり、さらに、冷却部12の後端に接続した放熱用のヒートシンク30と、送風手段31と、変向体32とが、通風エリア13内に上下に間隔をあけた状態で記載順に配置してある。これにより本体ケース1の上部構造が占める空間量を小さくして、本体ケース1のグリップ部分をスリム化できる。また、冷却部12と電気部品エリア15との間の前ケース1aの内部に、美容器具の全体を振動させるためのバイブレータ33が配置してある。
【0051】
冷却部12は、ヘッド2と接触して、ヘッド2の表面を冷却する冷却ユニット37を含んで構成する。円筒状のヘッドケース36は、前ケース1aの内面にビス35で固定されて前ケース1aより前方へ突出しており、その突端にヘッド2が固定してある。これらヘッド2、ヘッドケース36、本体ケース1で囲まれる空間内に冷却部12は収容されている。なお、ヘッドケース36は特に必要はなく、ヘッド2が直接本体ケース1から突出する構成であってもよい。その場合、冷却部12のほとんどが本体ケース1内に収容される。また、ヘッドケース36は、本体ケース1とは別の名称としているが、本体ケース1の一部としてみることもできる。ヘッド2は、チタン板を皿状に成形した接触板39と、接触板39の周縁部分を固定保持する保持リング40とからなる。
図6に示すように、保持リング40は、ヘッドケース36の突端外面に外嵌装着されてビス41で固定してある。ヘッドケース36と前ケース1aとの間、および接触板39とヘッドケース36との間は、それぞれシールリング26・27でシールしてある。接触板39はチタンに限らず、電流を流せて熱伝導がよければアルミニウムなどの他の金属であってもよい。
【0052】
冷却ユニット37は、ペルチェ素子(熱電変換素子)44と、同素子44を間に挟んで低温面側と高温面側に密着される冷熱ブロック45および温熱ブロック46と、これら三者44・45・46を支持する冷却部ホルダー47などで構成する。冷熱ブロック45および温熱ブロック46とペルチェ素子44とは伝熱シート48を介して密着してある。伝熱シート48は、アルミニウムシートの表裏のそれぞれにシリコンをコーティングして構成してある。ペルチェ素子(熱電変換素子)44と、冷熱ブロック45と、温熱ブロック46とは、冷却部ホルダー47に挿通したビス49で、両ブロック45・46の間に配置した熱絶縁体50と共に締結されてユニット部品化してある(
図5参照)。
【0053】
冷却部ホルダー47を、
図9に示すように前ケース1aに4個のビス51で固定することにより、冷熱ブロック45の前端面が接触板39の内面に密着する状態で、冷却ユニット37が前ケース1aおよびヘッドケース36に固定してある。この状態の温熱ブロック46の後端は、前後ケース1a・1bの接合面より後ケース1b側へ入り込んでいる(
図6参照)。
【0054】
冷熱ブロック45および温熱ブロック46は、それぞれアルミニウム製のダイキャスト成形品からなる。ペルチェ素子(熱電変換素子)44で発生した熱の放出をより効果的に行うために、温熱ブロック46の体積(質量)を冷熱ブロック45の体積(質量)に比べて十分に大きくして、単位時間当たりの熱伝導量(熱容量)を大きくしている。これにより、ペルチェ素子44の高温面側で発生する熱を、温熱ブロック46の後端に固定したヒートシンク30へ効果的に伝導して放熱作用を促進できる。一方で、温熱ブロック46の表面積を冷熱ブロック45の表面積に比べて十分に大きくして、温熱ブロック46における単位時間当たりの放熱量を大きくしている。また、ヒートシンク30の体積(質量)を温熱ブロック46の体積(質量)に比べて大きくして、単位時間当たりの熱伝導量(熱容量)を大きくしている。これにより、ペルチェ素子(熱電変換素子)44の高温面側で発生する熱を、温熱ブロック46およびヒートシンク30の両者の熱容量によって、蓄えることができるので、送風手段31の駆動を意図的に停止することができる。或いは、熱容量が少なければ、送風手段31用のモーター66が不用意に止まった場合に、ペルチェ素子(熱電変換素子)44の低温面側が熱くなり、それに伴い接触板39が熱くなって使用者に不快な思いをさせる場合があったが、それを防止することができる。さらに、ヒートシンク30の表面積を温熱ブロック46の表面積よりも大きくしていることにより、より一層放熱効果が高い。温熱ブロック46とヒートシンク30は一体のアルミダイキャスト成形品であってもよい。放熱効率を向上させるため温熱ブロック46の周囲に複数のフィンを設けることもできる。
【0055】
図5および
図6に示すように、ヒートシンク30は、板状のシンクベース54と、シンクベース54の後面に突設される多数個のフィン55とを一体に備えたアルミニウム製のダイキャスト成形品からなる。ヒートシンク30は、シンクベース54の上部を温熱ブロック46に相対移動不能に係合した接触状態で、温熱ブロック46にねじ込まれるビス56で分離不能に締結してある。シンクベース54の上下中途部には斜め下向きに傾斜する段違い部57が形成してあり、したがって、段違い部57より下側の板状部54bは、段違い部57より上側の板状部54aよりも後ケース1bに接近している。冷却部12とヒートシンク30との接続は、温熱ブロック46に対してシンクベース54を直接固定する上記構造に限らず、温熱ブロック46とシンクベース54の向き合う面が接触した状態のままで、ヒートシンク30を前ケース1aに締結する固定構造とすることができる。
【0056】
フィン55と冷却風との接触機会を増加して熱交換効率を高めるために、ヒートシンク30は通風エリア13に沿って縦長に形成してある。さらに、シンクベース54と、同ベース54に対向する後ケース1bの周壁とで挟まれる熱交換通路60の通路断面積を、ヒートシンク30の側から送風手段31の側へ向かって小さくなるようにしている。より具体的には、シンクベース54と対向する後ケース1bの周壁を、シンクベース54に接近する向きに凹ませて、熱交換通路60の通路断面積を、シンクベース54の上端側から下端側へ向かって下すぼまり状に形成している。因みに、シンクベース54の下端側と後ケース1bの周壁との対向間隔を、シンクベース54の上端側と後ケース1bの周壁との対向間隔より小さくして、熱交換通路60の通路断面積を、送風手段31の側へ向かって下すぼまり状に形成することができる。
【0057】
上記のように、ヒートシンク30の上下長を大きくすることにより、フィン55による放熱量を増強できる。さらに、熱交換通路60を下すぼまり状に形成することにより、フィン55の間を通過する冷却風の通過速度を大きくして、フィン55と冷却空気との接触機会を増加でき、全体としてヒートシンク30の熱交換効率を高めることができる。ヒートシンク30を、冷却部12からカバー体18の外面にわたって縦長に配置するので、下側の板状部54bの過半下部はカバー体18の後面上部の外方を覆っている(
図1、
図6参照)。そのため、吸込み口61から浸入した化粧水をシンクベース54で遮蔽して、化粧水がカバー体18に付着するのをよく防止できる。また、シンクベース54の上下中途部に段違い部57を設けておくことにより、上側の板状部54aに沿って流下する化粧水を段違い部57で受け止めて、そこに滞留させることができる。
【0058】
シンクベース54の上側の板状部54aと対向する後ケース1bの周壁には、冷却空気用の吸込み口61の一群が開口してある。また、後ケース1bの下部側の周壁には、熱交換後の温風を排出する一群の排出口62が開口してある。このように、本体ケース1の下部側から温風を排出する構造を採用すると、冷却対象の肌から遠ざかった位置で温風を排出できるので、ユーザーに不快感を与えることがない。本実施例では吸込み口61、排出口62が側方(後方)に向けて開口しているが、それに限らず吸込み口61が上方に向けて開口し、排出口62が下方に向けて開口するものであってもよい。
【0059】
先に説明した下側の板状部54bとカバー体18との間には、熱交換通路60の前後隙間より小さな通風隙間63が確保してあり、したがって通風エリア13内の冷却風の一部は通風隙間63を経由して送風手段31に吸い込まれる。このように、通風隙間63を確保しておくことにより、シンクベース54の熱がカバー体18へ伝導するのを防止できる。また、通風隙間63の隙間寸法が小さいので、送風手段31に吸い込まれる冷却風の殆どを熱交換通路60に沿って流動させて、熱交換を効果的に行なうことができる。
【0060】
送風手段31は、モーターホルダーを兼ねるファンケース65と、ファンケース65の上半部に固定されるモーター66と、その出力軸に固定される軸流型のファン67とで構成してある。ファン67の回転・停止は、制御回路87からモーター66への駆動電流を制御してモーター66の出力を切り替えることで行っている。送風手段31は、軸流型のファンに限らず、遠心型のファンであってもよい。また、送風手段31は、放電電極と対向電極とを設け、両者に高電圧を印加してイオン風を発生させるものであってもよい。この場合、送風力は小さいが音はほとんど発生しない。通風エリア13内の空気を変向体32へ向かって下向きに送給する。ファンケース65は、先に説明したねじボス24にビス71で固定してある(
図9参照)。なお、ファンケース65の周囲は、カバー体18と後ケース1bから対向状に張り出した区分壁72で上下に区分してあり(
図7参照)、したがって、送風手段31から送出された熱交換後の温風が熱交換通路60側へ逆流することはない。
【0061】
図5に示すように、変向体32は、前面および下面が開口するカバー状の構造体からなり、後面側から見た外形形状は逆凸字状に形成してある(
図9参照)。
図7に示すように排出口62と対向する変向体32の上半側の幅広の部分には、変向壁68が下り傾斜状に形成してある。また、変向壁68の上端の傾斜部内面には、接当リブ69が設けてある。先に述べた凹部23の下端には、部分球面状の変向面70が形成してあり、この変向面70によって送風手段31から送給される熱交換風を、変向壁68と共同して排出口62へ向かって変向案内できる。上記実施例では、本体ケース1の上部に吸込み口61を、本体ケース1の下部に排出口62を形成して、通風エリア13内の熱交換(冷却)風を下向きに送給したが、本体ケース1の上部に排出口62を、本体ケース1の下部に吸込み口61を形成して、通風エリア13内の熱交換(冷却)風を上向きに送給してもよい。当然その場合の送風手段31の送風方向は逆に設定する。
【0062】
前後ケース1a・1bの下端内面には給電用のソケット75が配置してあり、その通風エリア13側の周面が変向体32で覆ってある。変向体32およびソケット75は、前後ケース1a・1bを締結する下側2個のビス8を利用して固定されて、本体ケース1と一体化してある。
図7に示すように、給電用のソケット75の内部には、電源アダプターから導出された給電プラグ74を接続するための2個の接続ピン76が設けてあり、接続ピン76に接続した給電リード77がソケット75の上端から導出してある。給電リード77は、カバー体18に開口したリード開口78を介して電気部品エリア15の内部に導入されて回路基板14に接続してある。給電リード77とリード開口78との間の隙間は、リード開口78に装着したゴム製のパッキン79で封止してある。
【0063】
先に説明したように変向体32は、本体ケース1に固定してある。そのため、送風手段31の振動や、バイブレータ33の振動を受けて振動し、その上開口縁がカバー体18に接当して、接当騒音を生じるおそれがある。こうした騒音の発生を防ぐために、変向体32の接当リブ69の突端をパッキン79の後端面で受け止めて、変向体32がカバー体18に接当するのを防止し、変向体32の振動をパッキン79で吸収できるようにしている(
図7の拡大図参照)。
【0064】
前ケース1aの内部に配置したバイブレータ33は、モーター82と、その出力軸に固定される偏心重り83とで構成し、モーター82の回転駆動により振動を発生する。バイブレータ33は、後述するように振動により器具の状態を表示できる振動表示手段を兼ねている。前ケース1aの内部にはゴム製の装着座84が固定してあり、この装着座84に嵌め込んだモーター82をカバー体18に設けた押圧壁22で分離不能に固定保持している(
図6参照)。
【0065】
上述したように、電気部品エリア15には次のような部材が収容してある。ペルチェ素子(熱電変換素子)44への通電(駆動)状態と、バイブレータ(振動表示手段)33のモーター82への通電(駆動)状態と、ファン67用のモーター66(送風手段31)への通電(駆動)状態と、発音表示手段としてのブザー95への通電(駆動)状態と、モード表示灯(発光表示手段)6a、6b、6c、6dへの通電(駆動)状態と、強弱表示灯(発光表示手段)7a、7bへの通電(駆動)状態、および第1電極9・第2電極10への通電(駆動)状態を制御する制御回路87や制御回路87に命令信号を送出する各種スイッチ3b・4b・5bやそれらを搭載する回路基板14などが収容されている。制御回路87に接続される一方の出力リード89は、
図8に示すようにヘッドケース36の内部に設けた弾性変形可能な接触部93を一体に備えた接続端子91に接続されており、他方の出力リード90は、
図9に示すようにファンケース65の左右に固定した接続端子92に接続してある。前者の接続端子91は金属板材からなり、ヘッドケース36を前ケース1aに締結するビス35を利用してその自由端側、つまり接触部93側が弾性変形可能に固定してある。
【0066】
ヘッド2をヘッドケース36に組み付けた状態では、接続端子91の腕部の先端側に設けた接触部93が、第1電極9を兼ねる接触板39の内面に押圧された状態で密着している。このように、弾性変形可能な接触部93を介して接続端子91と第1電極9を導通すると、接続端子91の固定部分と第1電極9との間に寸法誤差が生じていたとしても、寸法誤差を接続端子91の腕部で吸収して、電気的な接続状態を良好に維持できる。とくに、美容器具の使用時には、ヘッド2が冷却され、あるいは常温に戻るため、温度変化に伴う各部品間の距離の変化を生じやすいが、こうした場合であっても電気的な接続状態を良好に維持できる。
【0067】
また、第2電極10用の接続端子92は、ファンケース65を固定するビス71を利用して固定してあり、第2電極10と接続端子92とは、第2電極10を押圧付勢するばね94を利用して導通してある。接続端子92と第2電極10とをコイル状のばね(弾性体)94を介して導通すると、接続端子92と第2電極10との間に寸法誤差が生じたとしても、寸法誤差をばね94で吸収できるので、良好な電気的接続状態を維持できる。
【0068】
接続端子91は、金属線材の基端部分をL字状に折り曲げて固定部とし、他方端を、コイル状に形成してばね性を備えた接触部93とすることができる。その場合には、固定部をビス35で固定し、自由端側の接触部93を第1電極9に押圧した状態で組み付け、接続端子91と第1電極9とを導通させる。この構造の場合にも、接続端子91の固定部分と第1電極9との間に寸法誤差が生じたとしても弾性接触によって良好な電気的接続状態を維持できる。
【0069】
図9において、符号101はペルチェ素子(熱電変換素子)44用の給電リード、符号102は送風手段31用の給電リード、符号103はバイブレータ33用の給電リードである。これらの各給電リード101・102・103のリード開口や、先に説明した出力リード89・90のリード開口も、給電リード77と同様にしてパッキンでシールしてある。
【0070】
以上のように構成した美容器具は、電源ボタン3がオン操作されると、制御回路87から駆動電流が供給されて、バイブレータ33のモーター82が起動され、所定時間(例えば1秒間)後、下記の第1モードとなり器具が待機状態となる。電源ボタン3がオン操作されたときバイブレータ33が駆動することにより、手の感触で器具が起動していることを確認できるので、ユーザーの安心感につながる。
【0071】
モードボタン4は、オン操作するごとに第1モードから第4モードまで切り換えることができる。また、モードボタン4をオン操作するごとに「ピッ」「ピッ」とブザー95の音を鳴らすよう制御している。第1モード(クレンジングモード)では、第1電極9をプラス極性、第2電極10をマイナス極性とした電圧が印加される。これにより化粧水が含浸された化粧用の綿マット97(
図3参照)を接触板39の外面にあてがい、その周囲をヘッド2に圧嵌装着されるキャップ98で固定した状態で、第2電極10を含む本体ケース1を手で握り、綿マット97(第1電極9)を顔などの肌にあてがえばイオン導出を行うことができ、肌の微細な汚れを落とすことができる。制御回路87は、モード表示灯(発光表示手段)6aにも通電し、モード表示灯6aを点滅、点灯或いは消灯を制御する。
【0072】
電源ボタン3をオン操作し、モードボタン4をオン操作して第1モードに切り替えた場合、第1電極9にオフ時間の長い人体検知用の微弱な電流(パルス信号)が送出される。この状態が器具の待機状態(このときモード表示灯6aは点滅状態)である。第2電極10を含む本体ケース1を手で握り、綿マット97(第1電極9)を肌にあてがえば、第1電極9から出力される先の微弱な電流(パルス信号)が人体を通り、他方の電極である第2電極10に入力され、制御回路87の人体検知信号判定回路がオン状態となり、その信号がマイコンに送出され、人体検知が確定する。これにより、制御回路87は、第1電極9にオフ時間の短い肌通電用のパルス信号が送出されて使用状態(このときモード表示灯6aは点灯状態)となる。つまり、第1電極9と第2電極10は、人体検知センサでもあり、肌への通電を行う電極ヘッドでもある。第1モードでは、制御回路87が、人体検知(上述の本体ケース1を手で握り、綿マット97(第1電極9)を肌にあてた状態)されてから計時がスタートし、肌への断続的な接触を繰り返し、人体検知の累計時間が所定時間(例えば5分)となると、自動的に第1電極9・第2電極10への通電を停止する。これと同期してモード表示灯6aが消灯する。制御回路87は、ブザー95への通電状態も制御しており、電源ボタン3をオン操作したとき、ブザー95が1回、「ピッ」と鳴って音で動作確認ができるようになっている。人体検知の累計時間が5分になると、つまり第1モードが終了したときは、ブザー95を長く2回、「ピーピー」と終了音で手入れの終わりを知らせるようにしている。このとき器具の待機状態も停止して電源はオフされる。
【0073】
第1モードにおいて、パルス間隔の広い待機状態或いは人体検知の状態のときに、電源ボタン3が再び押され電源のオフ操作が行われた場合或いは給電プラグ74が器具から引き抜かれて電源がオフされた場合は、第1モードが記憶された状態となり、再び電源ボタン3が押されオン操作されても、第1モードからスタートされる。人体検知の累計時間が指定時間の5分となり自動的に第1電極9・第2電極10への通電が停止された場合は、制御回路87には第2モードが記憶されているため、電源ボタン3がオン操作された場合は、モードボタン4をオン操作せずとも、第2モードからスタートする。
【0074】
第2モード(振動モード)では、第1電極9と第2電極10に極性を交互に切り替えた電圧が印加されるとともに、バイブレータ33が断続的に駆動される。これによりヘッド2を肌にあてがえば肌をほぐすことができる。制御回路87は、モード表示灯(発光表示手段)6bにも通電し、モード表示灯6bを点滅、点灯或いは消灯を制御する。
【0075】
電源ボタン3をオン操作し、続けてモードボタン4をオン操作して第2モードに切り替えた場合、第1モードと同様のパルス間隔の広い待機状態(このときモード表示灯6bは点滅状態)にあるが、第2電極10を含む本体ケース1を手で握り、第1電極9を肌にあてがえば、第1モードと同様に人体検知され、第1モードと同様のパルス間隔の狭い使用状態(このときモード表示灯6bは点灯状態)となる。なお、第1モードにおいて人体検知の累計時間が5分となり自動的に第1電極9・第2電極10への通電が停止された場合は、制御回路87には第2モードが記憶されているため、モードボタン4をオン操作せずとも、第2モードがスタートする。
【0076】
第2モードでは、制御回路87が、人体検知されてから計時がスタートし、肌への断続的な接触を繰り返し、人体検知の累計時間が所定時間(例えば5分)となると、自動的に第1電極9・第2電極10への通電およびバイブレータ33への通電を停止する。これと同期してモード表示灯6bが消灯する。制御回路87は、ブザー95への通電状態も制御しており、電源ボタン3をオン操作したとき、ブザー95が1回、「ピッ」と鳴って音で動作確認ができるようになっている。人体検知の累計時間が5分になると、つまり第2モードが終了したときは、ブザー95を長く2回、「ピーピー」と終了音で手入れの終わりを知らせるようにしている。このとき器具の待機状態も停止して電源はオフされる。
【0077】
第2モードにおいて、パルス間隔の広い待機状態或いは人体検知の状態のときに、電源ボタン3が再び押され電源のオフ操作が行われた場合或いは給電プラグ74が器具から引き抜かれて電源がオフされた場合は、第1モードが記憶された状態となり、再び電源ボタン3が押されオン操作されれば、第1モードからスタートされる。人体検知の累計時間が指定時間の5分となり自動的に第1電極9・第2電極10への通電およびバイブレータ33への通電が停止された場合は、制御回路87には第3モードが記憶されているため、電源ボタン3がオン操作された場合は、モードボタン4をオン操作せずとも、第3モードからスタートする。
【0078】
第3モード(水分浸透モード)では、第1電極9をマイナス極性、第2電極10をプラス極性とした電圧が印加される。これにより化粧水が含浸された化粧用の綿マット97をヘッド2に固定した状態で、綿マット97(第1電極9)を肌にあてがえばイオン導入を行うことができ、保湿成分を肌に浸透させて美容効果を高めることができる。制御回路87は、モード表示灯(発光表示手段)6cにも通電し、モード表示灯6cを点滅、点灯或いは消灯を制御する。
【0079】
電源ボタン3をオン操作し、続けてモードボタン4をオン操作して第3モードに切り替えた場合、第1モードと同様のパルス間隔の広い待機状態(このときモード表示灯6cは点滅状態)にあるが、第2電極10を含む本体ケース1を手で握り、綿マット97(第1電極9)を肌にあてがえば、第1モードと同様に人体検知され、第1モードと同様のパルス間隔の狭い使用状態(このときモード表示灯6cは点灯状態)となる。なお、第2モードにおいて人体検知の累計時間が5分となり自動的に第1電極9・第2電極10への通電が停止された場合は、制御回路87には第3モードが記憶されているため、モードボタン4をオン操作せずとも、第3モードがスタートする。
【0080】
第3モードでは、制御回路87が、人体検知されてから計時がスタートし、肌への断続的な接触を繰り返し、人体検知の累計時間が所定時間(例えば5分)となると、自動的に第1電極9・第2電極10への通電を停止する。これと同期してモード表示灯6cが消灯する。制御回路87は、ブザー95への通電状態も制御しており、電源ボタン3をオン操作したとき、ブザー95が1回、「ピッ」と短い音が鳴って動作確認ができるようになっている。人体検知の累計時間が5分になると、つまり第3モードが終了したときは、ブザー95を長く2回、「ピーピー」と終了音で手入れの終わりを知らせるようにしている。このとき器具の待機状態も停止して電源はオフされる。
【0081】
第3モードにおいて、パルス間隔の広い待機状態或いは人体検知の状態のときに、電源ボタン3が再び押され電源のオフ操作が行われた場合或いは給電プラグ74が器具から引き抜かれて電源がオフされた場合は、第1モードが記憶された状態となり、再び電源ボタン3が押されオン操作されても、第1モードからスタートされる。人体検知の累計時間が指定時間の5分となり自動的に第1電極9・第2電極10への通電が停止された場合は、制御回路87には第4モードが記憶されているため、電源ボタン3がオン操作された場合は、モードボタン4をオン操作せずとも、第4モードからスタートする。
【0082】
第1〜第3モードにおいて、強弱ボタン5をオン操作することにより、第1、第2の電極9・10に印加される電位を強弱に切り換えることができる。第1実施例においては、第1〜第3モードのときは、肌面への通電を行うため、本体ケース1を片手で握り、その手を第2電極10と接触させたうえで、ヘッド2を顔肌などの肌面に接触させる必要があるが、ヘッド2を半月状に2分割し、その一方を第1電極9とし、他方を第2電極10とすれば、本体ケース1を握る手に気を掛けることなく、ヘッド2を肌面に当てがうだけで、第1、第2の電極9・10による通電を行うことができる。電源ボタン3をもう一度オン操作するか、電源ボタン3のオン操作から所定時間(例えば30秒)が経過すると電源がオフされる。バイブレータ33は、それ専用の駆動スイッチを設けて、任意に駆動できるようにしてもよい。これにより、使用者が任意で肌面への振動マッサージを行うことができる。
【0083】
第4モード(クールモード=冷却動作)では、ペルチェ素子(熱電変換素子)44が駆動される。これにより、ヘッド2を肌にあてがえば肌面を冷却することができる。制御回路87は、モード表示灯(発光表示手段)6dにも通電し、モード表示灯6dを点滅、点灯或いは消灯を制御する。また、制御回路87は、ブザー95の駆動も制御している。
【0084】
図10において、電源ボタン3をオン操作し、続けてモードボタン4をオン操作して第4モードに切り替えたとき、制御回路87は、先ず、ペルチェ素子(熱電変換素子)44とともに送風手段31を駆動する(タイミングa)。ペルチェ素子44と送風手段31の駆動は所定時間A(例えば、90秒間)行う。所定時間Aの間はLEDからなるモード表示灯(発光表示手段)6dは点滅状態となっている。所定時間Aの経過後(タイミングb)は、ペルチェ素子44はそのまま駆動し続け、送風手段31の方は駆動を停止する。タイミングbから所定時間(例えば、1秒)が経過すれば準備完了を知らせるブザー(発音表示手段)95を、「ピッピッ」と短い音で2回発音駆動する。このときバイブレータ(振動表示手段)33を同時に所定時間駆動させるよう制御している。これにより音と振動による準備完了を使用者に認識させることができる。ブザー(発音表示手段)95とバイブレータ(振動表示手段)33は、どちらか一方または両方を駆動して使用者に準備完了を認識させることができる。
【0085】
この送風手段31の駆動を伴わないペルチェ素子44単独の駆動は、所定時間B(例えば、90秒間)行う。所定時間Aは、冷却準備時間であり、送風手段31が駆動することによりヘッド2の冷却時間を短くすることができる。さらに、所定時間Bが経過すれば、ペルチェ素子44の駆動を停止させるとともに再び送風手段31を駆動する(タイミングc)。所定時間Bは、冷却されたヘッド2で実際に手入れを行う使用時間であり、送風手段31の駆動が停止しているため、使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。また、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止するため、使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。タイミングcは、手入れ完了のときであり、手入れ完了を知らせるブザー95を、「ピーピー」と長い音で2回発音駆動する。このように冷却使用時間の終わりを告げる発音を行うことで、使用者は安心して美容器具の使用を終えることができる。その手入れ終了のタイミングcで、バイブレータ(振動表示手段)33を所定時間(例えば1秒間)駆動して使用者に振動による完了表示を行うことができる。これにより、耳の不自由な使用者に対して手入れの完了を認識しやすくすることができる。また、所定時間Bにおいて、所定時間B(ペルチェ素子44の駆動)の終了前(例えば5秒前)にブザー95を、「ピッ」と1回、発音駆動させている。これにより、使用者は手入れの終了を予め音により認識することができる。また、所定時間Bにおいて、所定時間B(ペルチェ素子44の駆動)の終了前(例えば5秒前)に所定時間(例えば0.5秒間)バイブレータ(振動表示手段)33を駆動させるように制御している。これにより、使用者は手入れの終了を予め振動により認識することができる。本実施例では、所定時間Bの終了前に音と振動により表示したが、どちらか一方だけでもよい。
【0086】
再び送風手段31が駆動してから所定時間C(例えば、30秒)が経過すれば、送風手段31の駆動を停止する(タイミングd)。この所定時間Cによって、肌の手入れが終了しても、なおも送風手段31を駆動させることができるため、次の使用者が肌の手入れを行う場合に、ヘッド2が所望する冷却温度になりやすい。このときの送風手段31は、その駆動状態が、所定時間Aの駆動状態と同じであってもよいし、それよりも大きい駆動状態、つまり送風手段31の回転数を所定時間の回転数よりも大きく設定してもよい。所定時間Aではモード表示灯6dは点滅状態となっていたが、タイミングbを過ぎてからの所定時間Bでは、モード表示灯6dは点灯状態となる。また、タイミングc以降は、モード表示灯6dは消灯状態となる。以上のとおり、本実施例においては、スイッチ投入から動作終了までトータルで210秒を要するが、その一連の冷却動作を制御回路87で自動的にプログラム通りに行っている。なお、送風手段31単独で駆動する所定時間Cの動作は省くこともできる。
【0087】
第1モード、第2モード、第3モード、第4モードのどのモードであっても、一連の動作時間中に、電源ボタン3が再び押され電源のオフ操作が行われた場合或いは給電プラグ74が器具から引き抜かれて電源がオフされた場合は、電源ボタン3が押されてオン操作されれば、第1モードの動作からスタートする。また、制御回路87は、第1モード、第2モードおよび第3モードにおいて、人体検知が所定時間(例えば、30秒)行われなければ、自動的に電源をオフするよう制御(オートオフ制御)している。第1モードでオートオフされた場合は、次の電源スイッチ(スイッチ)3がオン操作されれば第2モードからスタートし、第2モードでオートオフされた場合は、次の電源スイッチ(スイッチ)3がオン操作されれば第3モードからスタートし、第3モードでオートオフされた場合は、次の電源スイッチ(スイッチ)3がオン操作されれば第4モードからスタートするよう制御されている。
【0088】
タイミングa〜dまでの一連の冷却動作が終了すれば、器具の待機状態も停止して電源はオフされる。このとき制御回路87には第1モードが記憶されており、続けて電源ボタン(スイッチ)3をオン操作すれば、第1モードからスタートする。また、タイミングa〜dまでの一連の冷却動作が終了した際、制御回路87には、冷却動作の第1回がカウントされて記憶されている。電源ボタン(スイッチ)3をオン操作し、モードボタン(スイッチ)4を3回オン操作して第4モード(クールモード=冷却動作)を選択すれば、タイミングaから再び動作がスタートし、タイミングb、タイミングc、タイミングdという具合に第1回目と同様の一連の動作が自動的に行われる。タイミングa〜dまでの第2回目の一連の冷却動作が終了すれば、器具の待機状態も停止して電源はオフされる。このとき制御回路87には第1モードが記憶されており、続けて電源ボタン(スイッチ)3をオン操作すれば、第1モードからスタートする。また、タイミングa〜dまでの一連の冷却動作が終了した際、制御回路87には、冷却動作の第2回がカウントされて記憶されている。電源ボタン(スイッチ)3をオン操作し、モードボタン(スイッチ)4を3回オン操作して第3モード(クールモード=冷却動作)を選択すれば、タイミングaから再び同様の動作がスタートするが、上記一連の冷却動作が、連続して所定回数繰り返された場合、本実施例では、3回目の冷却動作のときに、以下のような動作を行う。
【0089】
すなわち、
図11に示すように、電源ボタン(スイッチ)3をオン操作し、続けてモードボタン(スイッチ)4を3回オン操作して第4モード(クールモード=冷却動作)に切り替えたとき、制御回路87は、先ず、ペルチェ素子(熱電変換素子)44とともに送風手段31を駆動する(タイミングa)。ペルチェ素子44と送風手段31の駆動は所定時間A(例えば、90秒)行う。所定時間Aの間はモード表示灯6dは点滅状態となっている。所定時間Aの経過後(タイミングb)は、ペルチェ素子44および送風手段31の双方を駆動し続ける。タイミングbから所定時間(例えば、1秒間)が経過すれば準備完了を知らせるブザー95を、「ピッピッ」と短い音で2回発音駆動する。ペルチェ素子44および送風手段31の双方の駆動は、所定時間B(例えば、90秒間)行う。所定時間Aは、冷却準備時間であり、送風手段31が駆動することによりヘッド2の冷却時間を短くすることができる。さらに、所定時間Bが経過すれば、ペルチェ素子44および送風手段31の双方の駆動を停止させるとともに再び送風手段31を駆動する(タイミングc)。
【0090】
ここで、所定時間Bは、第1回目、第2回目の使用の際は、送風手段31を停止していたが、3回目の所定時間Bの時間は、送風手段31を連続して駆動させている。それは、次のような不具合があるからである。すなわち、タイミングa〜dまでの一連の冷却動作を、複数の所定回数(本実施例では3回)、連続して繰り返せば、温熱ブロック46およびヒートシンク30の両者の熱容量を大きく確保していても、キャパシティ不足となり、両者による蓄熱および放熱が間に合わなくなり、ペルチェ素子44の低温面側の冷熱ブロック45が冷え難くなり、すなわち接触板39が冷え難くなり、ヘッド2が所望の冷却温度まで下がらなくなる虞れがあった。そこで、3回目の動作の際は、放熱効果を高めるため、実際の手入れの使用時間である所定時間Bにおいても、ペルチェ素子44および送風手段31の双方を駆動させている。このときの送風手段31は、その駆動状態が、所定時間Aの駆動状態と同じであってもよいし、それよりも大きい駆動状態、つまり送風手段31の回転数を所定時間の回転数よりも大きく設定してもよい。
【0091】
これにより通常の使用状態とは異なる状態を生じさせることで使用者に誤った使い方(連続使用)であることを認識させることができる。また仮に連続使用された場合でも、送風手段31の連続駆動により、放熱を促進し、ヘッド2の冷却を行うことができる。タイミングcは、手入れ完了のときであり、手入れ完了を知らせるブザー95を、「ピーピー」と長い音で2回駆動する。再び送風手段31が駆動してから所定時間C(例えば、30秒)が経過すれば、送風手段31の駆動を停止する(タイミングd)。この所定時間Cによって、肌の手入れが終了しても、なおも送風手段31を駆動させることができるため、次の使用者が肌の手入れを行う場合に、ヘッド2が所望する冷却温度になりやすい。第3回目の冷却動作においては、モード表示灯(発光表示手段)6dは、所定時間A、Bともに点滅状態となって連続使用を警告している。また、タイミングc以降は、モード表示灯6dは消灯状態となる。この場合もスイッチ投入から動作終了までトータルで210秒を要するが、その一連の冷却動作を制御回路87で自動的にプログラム通りに行っている。なお、送風手段31単独で駆動する所定時間Cの動作は省くこともできる。その後、カウントがリセットされなければ、4回目の冷却動作も、3回目と同様の冷却動作となり、それ以降も3回目と同様の冷却動作となる。
【0092】
なお、第4モード(クールモード=冷却動作)において、冷却準備時間である所定時間Aの時間で、電源ボタン3が再び押され電源のオフ操作が行われた場合は、制御回路87は、冷却動作回数のカウントは行わないが、タイミングb以降の所定時間B、Cで、電源ボタン3が再び押され電源のオフ操作が行われた場合は、制御回路87は、冷却動作回数のカウントを行う。
【0093】
制御回路87における冷却動作回数のカウントがリセットされる場合は、次のような動作が行われたときである。すなわち、プログラムされた一連の冷却動作が終了するたびに、或いはタイミングb以降の所定時間B、Cで電源ボタン3が再び押され電源のオフ操作が行われるたびに制御回路87における冷却動作回数の記憶回路が1つずつカウントされることは上述したとおりであるが、その後、電源ボタン3やモードボタン4がオン操作されて第1モード、第2モード、または第3モードにおいて、第1電極9・第2電極10を同時に触れて人体検知が行われた場合、つまり人体(肌)に対して通電による肌の手入れが行われた場合と、或いは、給電プラグ74が器具から引き抜かれて電源がオフされた場合、つまり器具への電力の供給を完全にストップした場合、にカウントされた数字がリセットされるように制御されている。複数の所定回数とは、本実施例では3回としたが、2回でもよいし、4回、5回、或いはそれ以上であってもよい。
【0094】
また、モードボタン4をオン操作することで、第1モード(クレンジングモード)、第2モード(振動モード)、第3モード(水分浸透モード)、第4モード(クールモード=冷却動作)を自動的に連続して移行動作させる第5モード(全手入れモード)を設けることができる。この場合、冷却動作の駆動スイッチであるモードボタン4がオン操作されてから、冷却動作が始まる第4モードまでかなりの時間を要するが、このように、スイッチのオン操作が行われたちょうどそのタイミングで冷却動作がスタートするものに限らず、スイッチのオン操作後、所定時間(例えば1秒や数分)をおいて、スタートされるものであってもよい。
【0095】
なお、上記モード以外に、別のモードとして、ペルチェ素子(熱電変換素子)44の駆動、バイブレータ33の駆動、第1電極9と第2電極10への電圧印加を同時に行う第6モード(同時手入れモード)を設けてもよい。
【0096】
発音表示手段は、ブザーに限らず、制御回路87に所定の音声データを記憶しておき、制御回路87の音声出力回路から出力された信号を別途設けられたスピーカーから冷却動作のタイミングに応じて音声を発生するものであってもよい。上記実施例の冷却動作のタイミングにおいて、例えば、冷却準備が完了したときは準備完了表示として「冷却準備が完了しました。」、ペルチェ素子44の駆動の終了前に予鈴表示として「もうすぐ冷却を終了します。」、ペルチェ素子44の駆動が終了したときは冷却使用時間の終わりを告げる終了表示として「冷却が終了しました。」と発音駆動させるようにする。なお、この音声による発音表示手段は、これ単独で使用するか、もしくはブザーと併用してもよい。
【0097】
上記第1実施例の美容器具は、次のような実施形態で実施することができる。
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止する冷却動作を行う。
これによって、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。このため、送風手段31の駆動を停止し消費電力を削減できた分、その他機能の駆動を追加しても全体としてさほど消費電力量を増加させずにすむ。 したがって、上述では便宜上ペルチェ素子単独と表現したが、必要があれば送風手段31の駆動は停止する一方でペルチェ素子44とバイブレータ33などのその他機能を同時に駆動するよう制御してもよい。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
【0098】
さらにこの美容器具は、
一連の冷却動作が、連続して所定回数繰り返された場合、
スイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過しても熱電変換素子44および送風手段31を駆動し続け、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44および送風手段31の駆動を停止するよう制御している。
これにより通常の使用状態とは異なる状態を生じさせることで使用者に誤った使い方(連続使用)であることを認識させることができる。また仮に連続使用された場合でも、送風手段31の連続駆動により、放熱を促進し、ヘッド2の冷却を行うことができる。
【0099】
さらにこの美容器具は、
一連の冷却動作が、連続して所定回数繰り返された場合、
スイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過しても熱電変換素子44および送風手段31を駆動し続け、その後さらに所定時間が経過すると送風手段31の駆動はそのまま継続する一方で熱電変換素子44の駆動を停止し、その後さらに所定時間が経過すると送風手段31の駆動を停止する冷却動作を行う。
これにより、肌の手入れが終了しても、なおも送風手段31を駆動させることができるため、次の使用者が肌の手入れを行う場合に、ヘッド2が所望する冷却温度になりやすい。
【0100】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止し、その後再び送風手段31の駆動を開始し、所定時間の経過後、送風手段31の駆動を停止する冷却動作を行う。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、肌の手入れが終了しても、なおも送風手段31を駆動させることができるため、次の使用者が肌の手入れを行う場合に、ヘッド2が所望する冷却温度になりやすい。
【0101】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31と、発光表示手段6dとを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44、送風手段31および発光表示手段6dの駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止し、
さらに制御回路87は、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始されたときに発光表示手段6dを点滅駆動させ、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発光表示手段6dを点灯駆動させ、その後さらに所定時間が経過して熱電変換素子44および送風手段31の駆動を停止したときに発光表示手段6dの駆動を停止するように制御している。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、熱電変換素子44および送風手段31の駆動が開始されたときに発光表示手段6dを点滅駆動させることにより、使用者に準備時間であることを認識させることができ、また、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発光表示手段6dを点灯駆動させることにより、使用者に準備時間が終了し使用可能時間であることを認識させることができる。さらに所定時間が経過して熱電変換素子44および送風手段31の駆動が停止されたときに発光表示手段6dの駆動を停止したことにより、使用者に美容器具の使用が停止されたことを認識させることができる。
【0102】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31と、発音表示手段95とを備えており、
送風手段31は、モーター66とその回転軸に取り付けられるファン67とを含み、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44、送風手段31および発音表示手段95の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止し、
さらに制御回路87は、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発音表示手段95を駆動するよう制御している。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発音表示手段(ブザー)95を駆動することにより、使用者に準備時間が終了し使用可能時間であることを認識させることができる。ここで、送風手段31の駆動が停止されたとき発音表示手段(ブザー)95を駆動するとは、送風手段31の駆動が停止したちょうどそのときや、或いは、送風手段31の停止から僅かに時間をおいて、例えば、1秒後に、発音表示手段(ブザー)95を駆動することも含むものである。しかし、発音表示手段(ブザー)95を駆動する場合は、その音が、送風手段31が停止してからの方が、聞き取りやすいので、好ましくは、制御回路87は、所定時間Aが過ぎて送風手段31の駆動が停止された後の所定時間後(例えば1秒後)に発音表示手段95を所定時間(例えば0.2秒)駆動するよう制御する。これにより、送風手段31の駆動音が低下してからの発音表示となるため、使用者に冷却準備が完了していることを認識させやすい。
【0103】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31と、発音表示手段95とを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44、送風手段31および発音表示手段95の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止し、
さらに制御回路87は、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発音表示手段95を駆動し、さらに熱電変換素子44の駆動終了前に発音表示手段95を駆動させるよう制御している。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、所定時間が経過して送風手段31の駆動が停止されたときに発音表示手段95を駆動することにより、使用者に準備時間が終了し使用可能時間であることを認識させることができる。
また、使用者は熱電変換素子44の駆動の終了、すなわち冷却動作による手入れの終了について、手入れ終了前に予め音により認識することができる。
【0104】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31と、振動表示手段33とを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44、送風手段31および振動表示手段33の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止し、
さらに制御回路87は、所定時間が経過して熱電変換素子44の駆動が継続され、その後所定時間が経過して熱電変換素子44の駆動の終了前に振動表示手段33を駆動させるよう制御している。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、使用者は冷却動作による手入れの終了について、手入れ終了前に予め振動により認識することができる。
【0105】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44、送風手段31および第1電極9、第2電極10の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1の外面に、制御回路87から微弱な電流が供給される第1電極9と第2電極10を備えており、
ヘッド2が第1電極9を兼ねており、
本体ケース1を把持したとき手が触れる箇所に第2電極10が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止する冷却動作を行い、
この一連の冷却動作を制御回路87がカウントしており、
この一連の冷却動作が、連続して所定回数繰り返された場合、
スイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過しても熱電変換素子44および送風手段31を駆動し続け、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44および送風手段31の駆動を停止する冷却動作を行い、
ヘッド2(第1電極9)と第2電極10の双方が肌に触れたときに、その肌に対して通電を行う肌の手入れと、冷却されたヘッド2(第1電極9)を 肌に対して当接させる肌の手入れとの、少なくとも2つの使い方を有しており、
制御回路87においてカウントされた冷却動作は、ヘッド2(第1電極9)と第2電極10の双方が肌に触れたときにリセットされるよう制御されている。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、肌に対する通電と冷却を同じヘッド2で行うことができるので、コストを削減できるとともに使い勝手が向上する。
また、通常の使用状態とは異なる状態を生じさせることで使用者に誤った使い方(連続使用)であることを認識させることができる。仮に連続使用された場合でも、送風手段31の連続駆動により、放熱を促進し、ヘッド2の冷却を行うことができる。
また、一連の冷却動作のカウントのリセットを、肌通電用の第1電極9と第2電極10で行うことができるので、使用者が意図してリセットをしなくても通常の使用でリセット動作を行うことができる。
【0106】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却する冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えており、
冷却部12は、熱電変換素子44と、同素子44を間に挟んで低温面側と高温面側に密着される冷熱ブロック45および温熱ブロック46とを含み、
温熱ブロック46にはヒートシンク30が接続されており、
温熱ブロック46の体積を冷熱ブロック45の体積に比べて大きく設定しており、
ヒートシンク30の体積を温熱ブロック46の体積に比べて大きく設定しており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止し、その後さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44の駆動を停止するよう制御している。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、熱電変換素子44の高温面側で発生する熱を、温熱ブロック46およびヒートシンク30の両者の熱容量によって、蓄えることができるので、送風手段31の駆動を意図的に停止することができる。或いは、熱容量が少なければ、送風手段31用のモーター66が不用意に止まった場合に、熱電変換素子44の低温面側が熱くなり、それに伴いヘッド2(接触板39)が熱くなって使用者に不快な思いをさせる場合があったが、それを防止することができる。
【0107】
本願発明の第2実施例として、基本構造、基本動作は上記第1実施例と同様だが、ただ実際の手入れの使用時間である所定時間Bにおいて、送風手段31の駆動を停止するのではなく、駆動を制限するという制御を行うこともできる(
図12参照)。つまり、所定時間Bにおける送風手段31の回転数を所定時間Aにおける回転数よりも小さくして、騒音を低減する。これは、制御回路87からの電流を抑制してモーター66の出力を低下することで行う。一連の冷却動作が、連続して所定回数繰り返された場合、本実施例では、3回目の冷却動作のときに、
図13に示すように、所定時間Bにおいて制限されていた送風手段31の駆動が、所定時間Aのときと同じ状態で駆動して冷却効果を高めることができる。或いは、一連の冷却動作が、連続して所定回数繰り返された場合、点線で示すように所定時間A〜Cまでのすべての時間において第1回目(通常使用時)の送風手段31の駆動状態よりも拡大された駆動状態、つまり送風手段31を高回転で駆動して冷却効果をより高めるよう制御することもできる。この点については、上記第1実施例にも適用できる。
【0108】
上記第2実施例の美容器具は、次のような実施形態で実施することができる。
本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31とを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し、所定時間が経過すると送風手段31の駆動を制限し、さらに所定時間が経過すると熱電変換素子44および送風手段31の駆動を停止するよう制御している。
これによって、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が制限されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中は送風手段31が低騒音となり使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の駆動による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが低出力駆動となり音が低減される。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
【0109】
図14は、本発明の美容器具の第3実施例を示すクール動作のタイミングチャートである。基本構造、基本動作は上記第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0110】
この第3実施例では、所定時間Bは、ヘッド2を肌に接触させようがさせまいが、マイコンのタイマー回路により、所定時間の90秒で次の動作に移行するものであったが、所定時間Bの90秒は、人体検知を行っているときの累計時間とすることができる。つまり第2電極10を含む本体ケース1を手で握ったままで、人体検知用センサを兼ねている冷却用のヘッド2(第1電極9)を肌に接触したり、離したりして、肌の手入れを行うときの、ヘッド2の肌への接触時間の累計のことである。したがって、実際、肌から離した時間はカウントされないため、タイミングbからタイミングcまでの使用時間は、90秒を超える110秒となっている。
【0111】
所定時間Aではモード表示灯6dは点滅状態となっていたが、タイミングbを過ぎてからは、第2電極10を含む本体ケース1を手で握ったままで、ヘッド2(第1電極9)を肌に接触したときは、つまり人体検知センサがオン(作動)したときはモード表示灯6dは点灯状態となり、離した場合は、人体検知センサがオフとなり点滅状態となる。
【0112】
肌への接触時間をカウントした累計時間が所定時間の90秒に達すれば(タイミングc)、制御回路87は、熱電変換素子44、発光表示手段6dの駆動を停止する一方、送風手段31を駆動する。このタイミングcのとき、発音表示手段95が所定時間駆動することで肌の手入れが終了したことを使用者に報知できる。送風手段31は所定時間(例えば、30秒)が経過すれば、駆動が停止される(タイミングd)。このように、第1電極9、第2電極10は、クールモード(冷却動作)用の人体検知センサとなっており、ヘッド2の肌への接触時間を正確にカウントできている。したがって、ヘッド2による肌の手入れをほとんど行わないまま終了するのを防止できる。
【0113】
人体検知センサは、スイッチがオン操作されて冷却動作が始まれば(タイミングa)、第1電極9にオフ時間の長い人体検知用の微弱な電流(パルス信号)が送出され、第2電極10を含む本体ケース1を手で握り、第1電極9を肌にあてがえば、第1電極9から出力される先の微弱な電流(パルス信号)が人体を通り、他方の電極である第2電極10に入力され、制御回路87の人体検知信号判定回路がオン状態となり、その信号がマイコンに送出され、人体検知が確定するというものである。この確定時間の累計が所定時間の90秒に達すれば、制御回路87が上述したような制御を行う。
【0114】
また、肌に対して連続してヘッド2を動かしながら接触させた場合、肌からの熱によりヘッド2の冷却が妨げられて、肌が冷たさを感じなくなるという不具合が生じる虞れがあった。また、肌に対して連続して止めた状態でヘッド2を接触させた場合、逆に肌を冷却し過ぎるという不具合が生じる虞れがあった。そこで、この実施例においては、第1電極9、第2電極10による人体検知が、連続して所定時間(例えば、10秒)行われれば(タイミングb1)、発音表示手段(ブザー)95を、「ピピピ・・・」と連続して駆動する。このとき振動表示手段(バイブレータ)33も同時に駆動する。これによりヘッド2の肌への連続接触を音と振動で警告表示できるようにしている。この発音表示手段(ブザー)95および振動表示手段(バイブレータ)33の駆動は、人体検知が行われている間、実行される。人体検知が行われなくなれば、すなわち一方の電極または両方の電極を肌から離せば、発音表示手段(ブザー)95および振動表示手段(バイブレータ)33の駆動は停止する(タイミングb2)。発音表示手段(ブザー)95および振動表示手段(バイブレータ)33は、本実施例のように両者を駆動させてもよいが、どちらか一方を駆動させるように制御させることもできる。なお、この第3実施例では、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31は必ずしも必要なく省略できる。
【0115】
人体検知センサは、上記以外の次の構造であってもよい。例えば、ヘッド2を本体ケース1に対してフロート自在に構成する。このときヘッド2は本体ケース1内に配設されたばねで押し上げ付勢されている。ヘッド2が沈んだときにヘッド2の下端と当接するマイクロスイッチ、タクトスイッチなどの小型スイッチを本体ケース1の内部に配設する。ヘッド2を肌面に押し付けたとき、ヘッド2がばねの付勢力に抗しながら沈み、小型スイッチがヘッド2の下端に押されてスイッチがオンする。この小型スイッチからの出力信号が制御回路87に送信される。これによって制御回路87は、肌への接触が確定したと判断する。すなわち、これを人体検知センサとして、第3実施例の人体検知に関係する制御と同じ制御を行うことができる。
【0116】
上記第3実施例の美容機器は、次のような実施形態で実施することができる。
この美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、人体検知センサとを備えており、
肌面にヘッド2を接触した状態において人体検知センサが作動してヘッド2の肌への接触時間をカウントし、この接触時間が所定時間に達すれば熱電変換素子44の駆動を停止する。
これにより、ヘッド2の肌への接触時間を正確にカウントでき、ヘッド2による肌への冷却動作がほとんど行われないまま手入れが終了するのを防止できる。
【0117】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、人体検知センサとを備えており、
ヘッド2が人体検知センサを兼ねており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44など器具全体の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
肌面にヘッド2を接触して人体検知センサが作動すれば制御回路87がその接触時間をカウントし、この接触時間が所定時間に達すれば制御回路87が熱電変換素子44の駆動を停止する。
これにより、ヘッド2の肌への接触時間を正確にカウントでき、ヘッド2による肌への冷却動作がほとんど行われないまま手入れが終了するのを防止できる。
また、ヘッド2が人体検知センサを兼ねているので、コストを削減できるとともに使い勝手が向上する。
【0118】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、人体検知センサとを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44などの器具全体の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
人体検知センサは、第1電極9と第2電極10とを含み、
ヘッド2が第1電極9を兼ねており、
本体ケース1を把持したとき手が触れる箇所に第2電極10が配置されており、
肌面にヘッド2を接触して第1電極9と第2電極10の間が人体で導通されたときに人体検知センサが作動し、その作動を受けて制御回路87が肌に対 するヘッド2の接触時間をカウントし、この接触時間が所定時間に達すれば制御回路87が熱電変換素子44の駆動を停止する。
これにより、ヘッド2の肌への接触時間を正確にカウントでき、ヘッド2による肌への冷却動作がほとんど行われないまま手入れが終了するのを防止できる。
【0119】
さらに上記の美容器具は、次のような実施形態で実施することができる。
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、冷却部12に接続される放熱用のヒートシンク30と、ヒートシンク30に熱交換風を供給する送風手段31と、人体検知センサとを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44および送風手段31などの器具全体の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
人体検知センサは、第1電極9と第2電極10とを含み、
ヘッド2が第1電極9を兼ねており、
本体ケース1を把持したとき手が触れる箇所に第2電極10が配置されており、
本体ケース1に設けられるスイッチ3・4の操作を受けて、制御回路87が、熱電変換素子44および送風手段31の駆動を開始し冷却準備時間をつくり、
その後所定時間が経過すると、熱電変換素子44の駆動はそのまま継続する一方で送風手段31の駆動は停止して冷却使用時間をつくり、この冷却使用時間において、ヘッド2を肌に当てがい第1電極9と第2電極10の間が人体で導通されたときに人体検知センサが作動し、その作動を受けて制御回路87が肌に対するヘッド2の接触時間をカウントし、この接触時間が所定時間に達すれば制御回路87が熱電変換素子44の駆動を停止する冷却動作を行う。
これによりヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。送風手段31の駆動が停止されることにより、器具全体の消費電力量を少なくできる。このため、送風手段31の駆動を停止し消費電力を削減できた分、 その他機能の駆動を追加しても全体としてさほど消費電力量を増加させずにすむ。また、送風手段31がモーター66とその回転軸に取り付けられるファン67を含むものであれば、ヘッド2の冷却準備時間を短くできるとともに、使用時間中はその駆動が停止されるため使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。しかも、冷却準備時間中は、送風手段31の回転による音が発生していたものが準備時間が終了すればそれが停止する。これにより使用者は音の変化を認識し使用の可否を判断できるため使い勝手が向上する。
また、ヘッド2の肌への接触時間を正確にカウントでき、ヘッド2による肌への冷却動作がほとんど行われないまま手入れが終了するのを防止できる。
また、ヘッド2が人体検知センサを兼ねているので、コストを削減できるとともに使い勝手が向上する。
【0120】
さらにこの美容器具は、次のような実施形態で実施することができる。
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、人体検知センサとを備えており、
ヘッド2が人体検知センサを兼ねており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44など器具全体の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
肌面にヘッド2を接触して冷却を行う際、人体検知センサが作動し、
人体検知センサが作動すれば制御回路87がその作動時間をカウントし、
人体検知センサが連続して所定時間作動すれば発音表示手段95を駆動し、その駆動は、人体検知が作動している間、実行される。
したがって、ヘッド2が人体検知センサを兼ねているので、コストを削減できるとともに使い勝手が向上する。
また、使用者に対して音によってヘッド2が肌に連続接触されていることを警告できる。
【0121】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、人体検知センサとを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44などの器具全体の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
人体検知センサは、第1電極9と第2電極10とを含み、
ヘッド2が第1電極9を兼ねており、
本体ケース1を把持したとき手が触れる箇所に第2電極10が配置されており、
肌面にヘッド2を接触して第1電極9と第2電極10の間が人体で導通されたときに人体検知センサが作動し、人体検知センサが連続して所定時間作動すれば発音表示手段95を駆動し、その駆動は、人体検知が作動している間、実行される。
したがって、ヘッド2が人体検知センサを兼ねているので、コストを削減できるとともに使い勝手が向上する。
また、使用者に対して音によってヘッド2が肌に連続接触されていることを警告できる。
【0122】
さらにこの美容器具は、
グリップ兼用の本体ケース1と、肌面を冷却するヘッド2と、ヘッド2を冷却するための熱電変換素子44を含む冷却部12と、人体検知センサとを備えており、
本体ケース1の内部に、熱電変換素子44などの器具全体の駆動を制御する制御回路87が配置されており、
人体検知センサは、第1電極9と第2電極10とを含み、
ヘッド2が第1電極9を兼ねており、
本体ケース1を把持したとき手が触れる箇所に第2電極10が配置されており、
肌面にヘッド2を接触して第1電極9と第2電極10の間が人体で導通されたときに人体検知センサが作動し、その作動を受けて制御回路87が肌に対するヘッド2の接触時間をカウントし、この接触時間が所定時間に達すれば制御回路87が熱電変換素子44の駆動を停止し、
また、人体検知センサが作動すれば制御回路87がその作動時間をカウントし、
人体検知センサが連続して所定時間作動すれば発音表示手段95を駆動し、その駆動は、人体検知が作動している間、実行される。
したがって、ヘッド2の肌への接触時間を正確にカウントでき、ヘッド2による肌への冷却動作がほとんど行われないまま手入れが終了するのを防止できる。
また、ヘッド2が人体検知センサを兼ねているので、コストを削減できるとともに使い勝手が向上する。
また、使用者に対して音によってヘッド2が肌に連続接触されていることを警告できる。
【0123】
上記第1〜第3実施例では、電源オフの状態から先ず電源ボタン3をオン操作し、その後モードボタン4をオン操作して、第4モードであるクールモード(冷却動作)を行うようにしているが、例えば冷却機能のみの単機能の美容器具とすることができ、この場合は、電源ボタン4をオン操作するだけで、冷却動作がスタートするものとなる。この場合も冷却動作は、第1実施例とすべて同じ制御を行うものとする。また、上記実施例では、冷却動作の駆動用スイッチである電源ボタン3、モードボタン4をプッシュ式のスイッチとしたが、それに限らず、プル式のスイッチやスライド式のスイッチであってもよい。
【0124】
図15は本発明に係る第4実施例を示す概略図である。基本構造、基本動作は上記第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略するが、本実施例の美容器具においては、本体ケース1が、冷却部12が内蔵されるグリップケース1Aと制御回路87が内蔵されるコントロールケース1Bとに分離されている。
【0125】
図15に示すように、グリップケース1Aとコントロールケース1Bとは電力供給用のコード125を介して接続されている。グリップケース1Aの前面の上部にはヘッド2を有し、下方の左右側面には、第2電極10を有している。グリップケース1Aの内部には、冷却部12と、冷却部12に接続されるヒートシンク30、送風手段31、およびバイブレータ33が設けられている。コントロールケース1Bの内部には、器具全体の駆動を制御する制御回路87と、制御回路87や、冷却部12、送風手段31、バイブレータ33、発音表示手段95など機能部に電力を供給する電源部としてのバッテリー140が設けられる。コントロールケース1Bの上面には、電源投入用の電源ボタン(スイッチ)3と、運転モードを切り換えるモードボタン(スイッチ)4と、運転モードの違いに応じて点灯される4個のLEDからなるモード表示灯(発光表示手段)6a、6b、6c、6dとが設けられている。
【0126】
電源ボタン(スイッチ)3とモードボタン(スイッチ)4をオン操作することで、制御回路87が制御動作を行い、コントロールケース1B側からコード125を介して冷却部12、送風手段31、バイブレータ33、発音表示手段95など機能部を搭載するグリップケース1A側に駆動電流が供給される。
【0127】
また、コントロールケース1Bには、電力供給用のコード126を介して超音波式の美容器具121が連結されている。美容器具121は、グリップケース127と、グリップケース127の前面の上部に固定されるヘッド123と、グリップケース127内に設けられヘッド123に超音波振動を与えることができるピエゾ素子(超音波振動手段)122とを有している。美容器具121を制御する制御回路は上記冷却式の美容器具の制御回路87と共用しており、コントロールケース1Bの上面に、美容器具121用の電源ボタン124と駆動表示灯123が設けられている。
【0128】
電源ボタン124をオン操作すれば、制御回路87が制御動作を行い、コントロールケース1B側からコード126を介してグリップケース127側に駆動電流(パルス電流)が供給され、その駆動電流によりピエゾ素子(超音波振動手段)12が駆動する。このとき駆動表示灯123にも駆動電流が供給されて発光する。
【0129】
このように、本体ケース1を、冷却部12が内蔵されるグリップケース1Aと制御回路87が内蔵されるコントロールケース1Bとに分離すれば、冷却部12を含むグリップケース1A側が軽量化されて使用者が快適に肌の手入れを行うことができる。
【0130】
上記実施例では、イオン導入機能を備えた美容器具について説明したが、イオン導入機能は省略することができる。その場合には、パルス電流を供給する第2電極10を省略するとよい。また、イオン導入機能に換えて或いはイオン導入機能に加えて、ヘッド2の内部にピエゾ素子(超音波振動手段)を設けて、ヘッド2を超音波振動させることができる超音波振動機能を設けることもできる。この場合も冷却動作の所定時間Bの際にピエゾ素子(超音波振動手段)を駆動させることができる。本発明に係る美容器具は、顔肌の冷却・通電以外に、首周りの肌や胸周りの肌の冷却・通電を行う場合にも使用される。
【0131】
熱交換通路60は、シンクベース54と後ケース1bの前後間隔を下すぼまり状とする以外に、左右方向の間隔を下すぼまり状にし、あるいは前後間隔と左右間隔の両者を下すぼまり状に構成することができる。ヒートシンク30は、シンクベース54の前後面のそれぞれにフィン55を設ける形態を採ることができる。