(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[測定システムの構成例]
図1は、本発明を適用した測定システムの一実施の形態の構成例を示している。
【0014】
図1の測定システムは、ヘッド計測装置1、ストロボカメラ2、データ処理装置3、及び動画像カメラ4を有し、プレーヤ(被験者)がゴルフクラブをスイングして、所定の位置に置かれたゴルフボールを打撃したときの、打撃物であるゴルフクラブの速度と、被打撃物であるゴルフボールの速度を同時に測定するシステムである。以下において、ゴルフクラブの速度はヘッドスピード、ゴルフボールの速度はボールスピードともいう。
【0015】
図1の測定システムは、ゴルフボールがゴルフクラブに打撃された瞬間のゴルフクラブとゴルフボールの速度を測定して表示するインパクト測定モード(第1の測定モード)と、ゴルフクラブとゴルフボールの速度の測定の他に、プレーヤのスイング動作全体の画像も撮影して表示する画像付き測定モード(第2の測定モード)とを有している。
【0016】
ヘッド計測装置1は、ドップラセンサ11、コンパレータ12、及びADC(A/Dコンバータ)13を、それぞれ2個ずつ備えている。ドップラセンサ11は、マイクロ波の信号を送信信号として出力するとともに、出力した送信信号が所定の物体に反射して周波数が変更され、所定のドップラ周波数となった反射信号(以下、ドップラ信号という。)を受信する。ドップラセンサ11が出力する送信信号の周波数は、例えば、24.11GHzである。コンパレータ12は、ドップラセンサ11が受信したドップラ信号の出力レベルを、予め設定された基準レベルV
THと比較し、その出力レベルが基準レベルV
TH以上である場合に、測定対象の物体を検出した検出信号K1またはK2を出力する。ADC13は、ドップラセンサ11が出力するドップラ信号を所定のビット数(例えば、16ビット)でAD変換し、AD変換後のデジタル化されたドップラ信号SIG1またはSIG2を出力する。
【0017】
2個のドップラセンサ11、コンパレータ12、及びADC13のうち、一方は右打ちのプレーヤのヘッドスピード検出用であり、他方は左打ちのプレーヤのヘッドスピード検出用である。本実施の形態では、ドップラセンサ11a、コンパレータ12a、及びADC13aが右打ち用に設定されており、ドップラセンサ11b、コンパレータ12b、及びADC13bが左打ち用に設定されている。右打ち用と左打ち用の違いは、ヘッド計測装置1内のドップラセンサ11の取り付け位置の違いであるが、詳細については
図3を参照して後述する。
【0018】
以下では、右打ちのプレーヤ用の設定がなされている場合について主に説明し、左打ちのプレーヤ用の設定にした場合の相違部分については必要に応じて適宜説明する。
【0019】
ヘッド計測装置1は、マイクロホン14、バッファメモリ15、切替部16、表示部17、制御部19、及び入出力部20も有している。
【0020】
マイクロホン14は、被打撃物であるゴルフボールが打撃物であるゴルフクラブに打撃されたときの音声信号Mを取得することで、インパクトの瞬間、即ち、被打撃物であるゴルフボールが打撃物であるゴルフクラブに打撃された瞬間のタイミングを検出する。
【0021】
バッファメモリ15は、制御部19の制御により、ドップラセンサ11aから出力されたドップラ信号SIG1、または、ドップラセンサ11bから出力されたドップラ信号SIG2を、予め設定された測定時間に対応する所定のデータ量だけ記憶する。バッファメモリ15はリングバッファとなっており、基準レベルV
TH以上の新たなドップラ信号が供給されると、そこに記憶されている所定量のデータのうち、古いものから順次更新される。具体的には、例えば、右打ち用の設定の場合、ドップラ信号SIG1が、アドレスの小さな方から順に書き込まれ、全てのデータ領域に対し書き込みがされた場合、データの古い方から(即ち、アドレスの小さな方から)再度上書きすることにより、一定量(一定時間)の最新のドップラ信号SIG1がバッファメモリ15に記憶される。左打ち用の設定の場合には、ドップラ信号SIG1ではなくドップラ信号SIG2が、同様の要領でバッファメモリ15に記憶される。
【0022】
切替部16は、例えば、DIPスイッチ等により構成され、右打ちのプレーヤ用と、左打ちのプレーヤ用の動作設定を切り替える。換言すれば、切替部16は、制御部19が行うゴルフクラブの速度の演算対象を、ドップラセンサ11aのドップラ信号とするか、または、ドップラセンサ11bのドップラ信号とするかを切り替える。なお、右打ちのプレーヤ用と、左打ちのプレーヤ用の動作設定を切り替えは、ヘッド計測装置1とデータ処理装置3を接続し、入出力部20を介してデータ処理装置3から供給される制御信号に基づいて行うようにしてもよい。この場合、切替部16は省略することができる。
【0023】
表示部17は、3つのLED18a乃至18cを備え、制御部19からの制御信号に基づいて、LED18a乃至18cを点灯または消灯させる。1番目のLED18aは、ドップラセンサ11aが物体(ゴルフクラブ)を検出したとき、点灯する。2番目のLED18bは、インパクトが検出されたとき、点灯する。3番目のLED18cは、ドップラセンサ11aが物体(ゴルフクラブ)を検出し、かつ、物体検出から所定時間内にインパクトが検出されたとき、点灯する。換言すれば、3番目のLED18cは、1番目のLED18aが点灯してから所定時間の間に2番目のLED18bが点灯したとき、点灯する。詳細は後述するが、3番目のLED18cの点灯は、制御部19で演算されたヘッドスピードがストロボカメラ2に出力されたことを意味する。
【0024】
なお、3つのLED18a乃至18cは、点灯の代わりに、点滅等の表示でもよい。また、3つのLED18a乃至18cの点灯を制御する制御信号をデータ処理装置3に送信し、LED18a乃至18cと同様の表示を、データ処理装置3の後述する表示部34に表示させるようにしてもよい。この場合、表示部17は省略することができる。
【0025】
制御部19は、切替部16の設定に基づいて、ドップラ信号SIG1及びSIG2の制御を行う。即ち、制御部19は、切替部16において右打ち用の動作設定がなされている場合、コンパレータ12aから物体(ゴルフクラブ)を検出した旨の検出信号K1が供給された時点から、ADC13aから供給されるドップラ信号SIG1のバッファメモリ15への書き込みを開始する。そして、制御部19は、ヘッドスピードの計測に十分なデータ(ドップラ信号SIG1)がバッファメモリ15に保存されたときから、ヘッドスピードの演算を開始する。ヘッドスピードの演算は、ドップラ信号SIG1が新たにバッファメモリ15に供給される度に実行される。即ち、ドップラ信号SIG1の更新に応じて、ヘッドスピードも更新されることで、インパクトにより近いタイミングで計測された最新のヘッドスピードが常に求められる。
【0026】
ヘッドスピードは、次のドップラ効果の公式により求めることができる。
v=(c・F
d)/(2・F
t)
ここで、cは光速(299792485m/s)、F
dは、受信したドップラ信号SIG1の周波数(ドップラ周波数)、F
tは、ドップラセンサ11aの出力周波数である。
【0027】
また、制御部19は、検出信号K1が供給されてから所定の時間内に、マイクロホン14からの音声信号Mによりインパクトの瞬間が検出されたとき、直近に計測されたヘッドスピードを、入出力部20を介して、ストロボカメラ2に送信する。また、制御部19は、計測結果であるヘッドスピードをストロボカメラ2に送信した後、ドップラ信号SIG1のバッファメモリ15への書き込みを終了(停止)する。
【0028】
さらに制御部19は、表示部17のLED18a乃至18cの点灯を制御する。具体的には、制御部19は、コンパレータ12aから検出信号K1が供給されたとき、1番目のLED18aを点灯させ、検出信号K1が供給されてから所定の時間内に、マイクロホン14から音声信号Mが供給されたとき、2番目のLED18bを点灯させる。そして、制御部19は、計測結果であるヘッドスピードをストロボカメラ2に出力したとき、3番目のLED18cを点灯させる。また、制御部19は、LED18a乃至18cの消灯も制御する。
【0029】
このように、ゴルフクラブの検出、インパクトの瞬間の検出、計測結果であるヘッドスピードの出力、のそれぞれに対応してLED18a乃至18cを点灯させることにより、測定データが正常に取得できたか否かを一目で分かりやすくしている。
【0030】
切替部16において左打ち用の動作設定がなされている場合には、制御部19は、上述した検出信号K1およびドップラ信号SIG1に代えて、検出信号K2およびドップラ信号SIG2を用いて同様の制御を行う。従って、右打ち用の設定か、または、左打ち用の設定かに応じて、2個ずつ用意されたドップラセンサ11、コンパレータ12、及びADC13の一方は未使用となる。ヘッド計測装置1を右打ち専用、または、左打ち専用とする場合には、切替部16と、ドップラセンサ11、コンパレータ12、及びADC13の不要な一方は省略し、コストダウンさせることができる。
【0031】
ストロボカメラ2は、通信部21、制御部22、撮像部23、及び、ストロボ装置24を備える。なお、ストロボ装置24は2個設けられており、それらをストロボ装置24aおよび24bと区別する。
【0032】
通信部21は、ヘッド計測装置1の入出力部20と接続され、ヘッド計測装置1で計測されたヘッドスピードを取得し、制御部22に供給する。また、通信部21は、データ処理装置3の通信部31と接続され、制御部22から供給された、撮像部23で撮像された2枚の画像(のデータ)を、データ処理装置3に送信する。
【0033】
制御部22は、通信部21から供給される、ヘッド計測装置1で計測されたヘッドスピードに基づいて、撮像部23が行う2回の撮像のタイミングを決定し、決定した撮像タイミングに基づき、撮像部23およびストロボ装置24を制御する。
【0034】
より具体的には、制御部22は、通信部21から供給されるヘッドスピードに基づいて、1回目の撮像タイミングと、2回目の撮像タイミング(1回目の撮像タイミングから2回目の撮像タイミングまでの時間間隔)を決定する。そして、制御部22は、決定された1回目の撮像タイミングとなったときに、ストロボ装置24aを制御してストロボ発光させるとともに、撮像部23を制御して、撮像させる。また、制御部22は、決定された2回目の撮像タイミングとなったときに、ストロボ装置24bを制御してストロボ発光させるとともに、撮像部23を制御して、撮像させる。これにより、インパクト直後のゴルフボールを、異なる時刻で撮像した2枚の画像が得られる。換言すれば、通信部21から供給されるヘッドスピードに基づいて、撮像部23が2回の撮像を行ったとき、それぞれの画像にゴルフボールが捉えられるように、制御部22によって撮像タイミングが決定される。制御部22は、2回の撮像により得られた2枚の画像を、ヘッド計測装置1で計測されたヘッドスピードとともに、通信部21を介して、データ処理装置3に出力する。
【0035】
撮像部23は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサカメラにより構成され、制御部22から指示された撮像タイミングで撮像を行い、その結果得られた2枚の画像を制御部22に供給する。撮像部23の撮像により得られた2枚の画像は、データ処理装置3の演算部32が、インパクト直後のゴルフボールの運動状態(速度)を演算するために用いられる。
【0036】
ストロボ装置24は、ストロボ発光可能な照明装置であり、制御部22から指示された撮像タイミングでストロボ発光し、ゴルフボールに光を照射する。ストロボ装置24aは、1回目の撮像用のストロボ装置24であり、ストロボ装置24bは、2回目の撮像用のストロボ装置24である。
【0037】
データ処理装置3は、通信部31、演算部32、表示制御部33、及び表示部34により構成される。データ処理装置3は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成することができる。
【0038】
通信部31は、ストロボカメラ2及び動画像カメラ4と所定のデータ形式によるデータの授受を行う。具体的には、通信部31は、ストロボカメラ2から供給される、ヘッドスピードと、インパクト直後に撮像された2枚の画像を受信して、演算部32へ供給するとともに、画像付き測定モードにおいてはさらに動画像カメラ4から供給される、プレーヤのスイング動作を撮影して得られた動画像データも取得して、表示制御部33へ供給する。また、通信部31は、表示制御部33から供給される制御コマンドを、動画像カメラ4に送信する。
【0039】
演算部32は、ヘッド計測装置1で計測されて、ストロボカメラ2を介して供給されたヘッドスピードを表示制御部33に供給する。なお、ヘッドスピードは、通信部31から、直接、表示制御部33に供給するようにしてもよい。
【0040】
また、演算部32は、ストロボカメラ2で撮像された、インパクト直後のゴルフボールが映る2枚の画像から、ゴルフボールの運動状態、具体的には、速度、単位時間当たりの回転数、および、回転方向のなかの少なくとも1つを算出し、表示制御部33に供給する。本実施の形態のインパクト測定モードでは、ゴルフボールの速度が少なくとも求められるものとする。
【0041】
ゴルフボールの速度、並びに、単位時間当たりのゴルフボールの回転数および回転方向は、例えば、次のような方法で算出することができる。ゴルフボールには、その表面に、ゴルフボールメーカのメーカ名またはブランド名の文字やマーク(ロゴ)が付されていることが多い。演算部32は、ゴルフボールの表面に付されている文字やマークの一部を特徴点として検出する。そして、1回目の撮像により得られた第1の画像と、2回目の撮像により得られた第2の画像とで、対応する特徴点どうしの位置を比較することにより、ゴルフボールの移動距離、回転数および回転方向が算出される。ゴルフボールの移動距離を、第1の画像と第2の画像の撮像時間間隔で除算することで、ゴルフボールの速度が求められる。第1の画像と第2の画像の撮像時間間隔は、ストロボカメラ2から、2枚の画像とともに取得することができる。ゴルフボールの速度、並びに、単位時間当たりのゴルフボールの回転数および回転方向の詳細な算出方法については、例えば、本出願人の先願である特開2009-247642号公報に開示されている。
【0042】
演算部32で求められたゴルフボールの速度と、ゴルフボールの回転数および回転方向は、ヘッド計測装置1による計測結果であるヘッドスピードとともに、表示制御部33に供給される。
【0043】
表示制御部33は、インパクト測定モードでは、ゴルフクラブの速度とゴルフボールの速度の両方を表示部34に表示させる。
【0044】
また、表示制御部33は、ゴルフクラブの速度とゴルフボールの速度の他に、ゴルフボールの速度(ボールスピード)[m/s]をゴルフクラブの速度(ヘッドスピード)[m/s]で除算して得られるミート率も表示部34に表示させるようにすることができる。さらに、表示制御部33は、ボールスピードを用いた所定の計算式で求められる標準的なゴルフボールの飛距離も併せて表示させるようにしてもよい。標準的なゴルフボールの飛距離は、例えば、(ボールスピード[m/s]×3.8)[yard]として計算することができる。
【0045】
さらに、画像付き測定モードでは、表示制御部33は、通信部31を介して動画像カメラ4から取得したプレーヤのスイング動作の動画像に、演算部32で求められたゴルフクラブの速度とゴルフボールの速度を重畳させて、表示部34に表示させる。あるいは、表示制御部33は、演算部32で求められたゴルフボールの速度、回転数および回転方向から、ゴルフボールの弾道(飛球の軌跡)を計測し、表示部34に表示させてもよい。
【0046】
プレーヤのスイング動作を撮影した所定期間の動画像のなかから、インパクト瞬間の画像を特定するには、例えば、次のようにすることができる。インパクトが検出された旨のタイミング信号(音声信号M)が、ヘッド計測装置1から、ストロボカメラ2を介して、データ処理装置3に供給される。このとき、ヘッド計測装置1の入出力部20は、タイミング信号をストロボカメラ2に出力すると同時に、内部カウンタによるカウント動作を開始する。データ処理装置3の表示制御部33は、ストロボカメラ2を介してタイミング信号を取得して、インパクトが検出されたことを認識するとともに、入出力部20のカウント値を読み込み、通信による遅れ量(入出力部20がタイミング信号を出力してから表示制御部33が認識するまでの時間差)を取得する。そして、表示制御部33は、タイミング信号を受信した時刻から遅れ量だけ遡った時刻に、動画像カメラ4で撮像された画像を、インパクト時の画像とする。これにより、動画像カメラ4で撮像されたスイング動作全体の動画像のなかからインパクト時の画像を正確に特定することができ、表示制御部33は、インパクト時の画像を中心として前後に所定枚数の撮像画像を、スイング動作全体の動画像として表示部34に表示させる。なお、ストロボカメラ2を介さずに、ヘッド計測装置1とデータ処理装置3を直接接続し、タイミング信号とカウント値を、ヘッド計測装置1から直接取得するようにしてもよい。
【0047】
表示部34は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成され、インパクト測定モードでは、ゴルフクラブの速度とゴルフボールの速度を表示する。また、画像付き測定モードでは、表示部34は、ゴルフクラブの速度とゴルフボールの速度の他に、プレーヤのスイング動作の動画像やゴルフボールの弾道も表示する。
【0048】
なお、演算結果の速度が前回の演算結果と全く同一である場合には、前回の測定表示のままなのか、新たに測定された結果であるのかが分からない場合もあり得る。そこで、最新の測定結果を表示する場合には、最初の一定時間、測定結果を点滅表示させることで、測定結果の表示が更新されたことを表すようにしてもよい。
【0049】
動画像カメラ4は、動画像を撮像可能なビデオカメラまたはビデオスチルカメラ等で構成され、画像付き測定モードにおいて、データ処理装置3の制御にしたがい撮像し、その結果得られる動画像データをデータ処理装置3に供給する。動画像カメラ4からデータ処理装置3に供給される動画像データには、動画像を構成する各画像の撮影時刻がメタデータとして含まれている。なお、インパクト測定モードのみで使用する場合、動画像カメラ4は省略することができる。
【0050】
[測定システムの配置例]
図2は、上面から見たときの、
図1の測定システムと、ゴルフボール及びプレーヤ一との位置関係を示す図である。なお、
図2は、プレーヤが右打ちである場合の例である。
【0051】
プレーヤ(の足)41がゴルフボール42を正面にして位置したとき、プレーヤ41とゴルフボール42を結ぶ直線上の、ゴルフボール42より向こう側の離れた位置にヘッド計測装置1が配置され、さらに、ヘッド計測装置1よりも向こう側の離れた位置に、動画像カメラ4が配置されている。換言すれば、プレーヤ41、ゴルフボール42、ヘッド計測装置1、及び動画像カメラ4が、その順で略一直線上に配置されている。動画像カメラ4は、三脚43で固定されている。
【0052】
ストロボカメラ2は、ヘッド計測装置1の横で、飛球方向側に配置されている。なお、ストロボカメラ2の設置位置は、ストロボカメラ2の撮像タイミングに応じて最適な位置に決定すればよい。例えば、インパクト瞬間とほぼ同時とみなし、ヘッド計測装置1の上に重ねて配置してもよい。
【0053】
ヘッド計測装置1とストロボカメラ2は、USBケーブル44で接続されている。また、ストロボカメラ2とデータ処理装置3は、USBケーブル45で接続されている。データ処理装置3と動画像カメラ4も、USBケーブル46で接続されている。なお、各装置間の接続方法は、例えば、RS-232C、LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信など、有線、無線を問わず、各種の接続方法を採用することができる。
【0054】
本実施の形態では、ヘッド計測装置1、ストロボカメラ2、データ処理装置3、及び動画像カメラ4を別々に設けたが、それらの全部または一部を一体として構成してもよい。例えば、ヘッド計測装置1とストロボカメラ2を一体としたり、データ処理装置3としてのパーソナルコンピュータが動画像カメラ4としてのカメラを有している場合などのように、データ処理装置3と動画像カメラ4を一体とすることも可能である。
【0055】
[ドップラセンサ11と測定範囲との関係]
次に、
図3を参照して、ヘッド計測装置1内の2個のドップラセンサ11と、その測定範囲との関係について説明する。
図3においても、
図2と同様、プレーヤが右打ちである場合の例とする。
【0056】
ヘッド計測装置1内のマイクロホン14とゴルフボール42を結ぶ直線と、2個のドップラセンサ11aと11bを結ぶ直線は直交し、2個のドップラセンサ11aと11bを結ぶ直線上かつ2個のドップラセンサ11aと11bの中間にマイクロホン14が配置されている。従って、2個のドップラセンサ11aと11bは、ゴルフボール42とマイクロホン14を結ぶ直線に対して左右対称に配置されている。
【0057】
本実施の形態において、ドップラセンサ11a及び11bそれぞれのマイクロ波の放射角度は、例えば、80度であるとする。ドップラセンサ11aは、
図3に示すように、80度の扇形の測定範囲が、ゴルフボール42が置かれた位置から、ゴルフボール42の飛球方向と反対方向(飛球方向の後ろ側)を向くように配置されている。一方、ドップラセンサ11bは、80度の扇形の測定範囲が、ゴルフボール42が置かれた位置から、飛球方向と同方向を向くように配置されている。
【0058】
このような位置関係においては、プレーヤが右打ちである場合、ゴルフボール42を打撃するまでのゴルフクラブは、ドップラセンサ11aの測定範囲内で検出される。反対に、プレーヤが左打ちである場合には、ゴルフボール42を打撃するまでのゴルフクラブは、ドップラセンサ11bの測定範囲内で検出される。従って、ドップラセンサ11aが右打ちのプレーヤ用のヘッドスピード検出センサであり、ドップラセンサ11bが左打ちのプレーヤ用のヘッドスピード検出センサとなる。
【0059】
図3に示した例では、ゴルフボール42とヘッド計測装置1との距離が300mmに設定されているが、ゴルフボール42とヘッド計測装置1との距離としては300乃至600mm程度が適切である。
【0060】
[インパクト測定モードによる測定処理]
次に、
図4のフローチャートを参照して、インパクト測定モードによる測定処理について説明する。なお、インパクト測定モードの動作設定は、この処理の開始前に既に行われているものとする。また、ヘッド計測装置1の切替部16では右打ち用の設定がなされており、ドップラセンサ11aは、ヘッド計測装置1の電源投入とともにマイクロ波の出力を開始している。
【0061】
初めに、ステップS1において、制御部19は、ドップラセンサ11aが物体、即ちゴルフクラブを検出したかを判定する。具体的には、コンパレータ12aから検出信号K1が供給されたかを判定することで、ドップラセンサ11aがゴルフクラブを検出したか否かを判定し、ゴルフクラブを検出したと判定するまでステップS1の判定処理が繰り返される。
【0062】
そして、ステップS1で、ドップラセンサ11aがゴルフクラブを検出したと判定された場合、処理はステップS2に進み、制御部19は、1番目のLED18aを点灯させ、時間のカウントを開始する。
【0063】
ステップS3において、制御部19は、ADC13aによってデジタル化されて供給されるドップラセンサ11aのドップラ信号SIG1のバッファメモリ15への保存(書き込み)を開始する。
【0064】
ステップS4において、制御部19は、バッファメモリ15に、ヘッドスピードの計測に十分なデータ(ドップラ信号SIG1)が保存されたか否かを判定する。ヘッドスピードを正確に計測するためには、ある程度の期間のドップラ信号SIG1が必要である。ステップS4では、ヘッドスピードを正確に計測するために予め設定された所定期間の長さのドップラ信号SIG1がバッファメモリ15に蓄積されたか否かが判定され、蓄積されたと判定されるまで、ステップS4の処理が繰り返される。ただし、ステップS4の処理にはタイムアウトが設定されており、ステップS4でNOと判定される状態が長く続き、タイムアウトが発生した場合には、ステップS1の処理に戻るようになされている。
【0065】
ステップS4で、ヘッドスピードの計測に十分なデータがバッファメモリ15に保存されたと判定された場合、処理はステップS5に進み、制御部19は、ヘッドスピードの計測を開始する。この処理以降、新たなドップラ信号SIG1がバッファメモリ15に供給される度に、ヘッドスピードも再計算(更新)される。
【0066】
ステップS6において、制御部19は、ドップラセンサ11aがゴルフクラブを検出してから所定の時間内にゴルフボールの打撃音を検出したかを判定する。より具体的には、制御部19は、ステップS2で開始したカウントが所定のカウント数となるまでの間に、ゴルフクラブがゴルフボールを打撃した音声信号Mがマイクロホン14から供給されたかを判定する。
【0067】
ステップS6で、所定の時間内にゴルフボールの打撃音を検出していないと判定された場合、処理はステップS7に進み、制御部19は、ドップラセンサ11aのドップラ信号のバッファメモリ15への保存を終了し、ステップS8において、点灯している1番目のLED18aを消灯させ、測定処理を終了する。
【0068】
従って、
図4の測定処理では、ドップラセンサ11aによりゴルフクラブが検出されてから、所定の時間内にゴルフボールの打撃音が検出されなかった場合、測定は行われない。
【0069】
一方、ステップS6で、所定の時間内にゴルフボールの打撃音を検出したと判定された場合、処理はステップS9に進み、制御部19は、ヘッドスピードの最新の計測結果を、入出力部20を介してストロボカメラ2に送信する。
【0070】
そして、ステップS10において、制御部19は、ドップラセンサ11aからのドップラ信号のバッファメモリ15への保存を終了し、ステップS11において、2番目及び3番目のLED18b及び18cを点灯させる。
【0071】
ステップS12において、ストロボカメラ2の制御部22は、ヘッド計測装置1で計測されたヘッドスピードを、通信部21を介して取得する。
【0072】
ステップS13において、制御部22は、取得したヘッドスピードに基づいて、撮像部23が行う2回の撮像のタイミングを決定し、決定した撮像タイミングに基づき、撮像部23に撮像させる。制御部22から指示された撮像タイミングにより、ストロボ装置24はストロボ発光し、撮像部23は撮像する。
【0073】
ステップS14において、制御部22は、2回の撮像により得られた2枚の画像を、ヘッド計測装置1で計測されたヘッドスピードとともに、通信部21を介して、データ処理装置3に転送する。
【0074】
ステップS15において、データ処理装置3の演算部32は、ストロボカメラ2から受信した2枚の画像に基づいて、ボールスピードを算出する。算出されたボールスピードは、ヘッド計測装置1による計測結果であるヘッドスピードとともに、表示制御部33に供給される。
【0075】
ステップS16において、表示制御部33は、演算部32から供給されたヘッドスピードとボールスピードを、表示部34に表示させる。
【0076】
ステップS17において、ヘッド計測装置1の制御部19は、ヘッドスピードの出力から一定時間経過後であって、ヘッドスピードとボールスピードの表示から一定時間経過後に相当する所定の時刻に、1乃至3番目のLED18a乃至18cを消灯させ、処理を終了する。
【0077】
以上のように、インパクト測定モードによる測定処理では、ヘッド計測装置1において、一定期間のドップラ信号に基づいて、ヘッドスピードが、インパクトの瞬間まで継続的に測定されるとともに、音声信号M(ゴルフボールの打撃音)により、インパクトの瞬間が検出される。そして、インパクトの直前に計測されたヘッドスピードが、ストロボカメラ2に供給される。
【0078】
ストロボカメラ2では、ヘッド計測装置1で計測されたヘッドスピードに基づいて、インパクト直後のゴルフボールを撮像する2回の撮像タイミングが決定されて、撮像される。そして、データ処理装置3において、撮像された2枚の画像に基づいて、ゴルフボールのボールスピードが計算される。
【0079】
即ち、
図1の測定システムでは、従来のように、1個のドップラセンサにより取得したドップラ信号に基づいて、ヘッドスピードとボールスピードの両方を測定するのではなく、ヘッドスピードについてはドップラセンサ11の信号から測定し、ボールスピードについては、ゴルフボールを撮像した2枚の画像から測定するようになされている。したがって、打撃物と被打撃物それぞれの運動状態である、ゴルフクラブとゴルフボールの両方の速度をより正確に測定することができる。
【0080】
インパクトの瞬間を検出する場合、単に音声信号のみを用いて打撃が行われたことを検出すると、ゴルフクラブによるゴルフボールの打撃以外の、関係のない音に反応してしまうことがある。一方、ドップラ信号を解析することでインパクトの瞬間を検出することは、短時間で高精度で求める必要があるため高価なプロセッサが必要となり、費用などの点で現実的ではない。そこで、本実施の形態では、コンパレータ12aから物体を検出した旨の検出信号K1が供給された時点から、即ち、ドップラセンサ11aがゴルフクラブを検出した時点から所定の時間内に、ゴルフボールの打撃音を検出したか否かを判定することで、高価なプロセッサを用いず、単に音声信号のみを用いて検出する場合より正確にインパクトの瞬間を特定している。即ち、
図1の測定システムによれば、より安価、かつ、高精度に、ゴルフクラブの速度とゴルフボールの速度を求めることができる。
【0081】
従来のゴルフクラブとゴルフボールの速度の測定では、プレーヤの一連のスイング動作の全てとゴルフボールが飛んでいる時間全部を格納するメモリ領域を確保し、記憶することが行われていた。これに対して、
図1の測定システムでは、上述したようにインパクトの瞬間を正確に特定することができるので、速度の演算に最低限必要なメモリ容量だけメモリ領域を確保し、記憶させておけばよい。従って、バッファメモリ15として必要なメモリ領域を、ゴルフクラブの速度を正確に測定できる最小のサイズとすることができる。例えば、インパクト前の0.2秒間の測定データを記憶する場合には、16Kバイトのメモリ領域があればよい。
【0082】
[本実施の形態の変形例]
上述した実施の形態では、インパクトの瞬間を検出する検出手段として、インパクト時の音を検出するマイクロホンを採用したが、これに限らず、その他のものを採用することができる。例えば、インパクトの瞬間を検出する検出手段としてラインセンサカメラを採用し、ラインセンサカメラが所定位置に置かれているゴルフボールを撮像し、撮像された画像に変化があった場合、即ち、撮像された画像からゴルフボールが消えた場合を、インパクトの瞬間として検出することができる。また、インパクトの瞬間を検出する検出手段として、透過型または反射型のレーザセンサを採用し、ゴルフボールに向けてレーザ光を照射し、透過してくるレーザ光の有無、または、反射してくるレーザ光の有無により、インパクトの瞬間を検出してもよい。
【0083】
また、上述した実施の形態では、ゴルフボールの運動状態を演算するための2枚の画像を、ストロボカメラ2内の1つの撮像部23で撮像するようにしたが、2枚の画像を異なるストロボカメラ2または撮像部23で撮像するようにしてもよい。即ち、ストロボカメラ2または撮像部23は2以上でもよく、2枚以上の画像を用いてゴルフボールの運動状態を演算するようにしてもよい。
【0084】
図1の測定システムは、例えば、ゴルフクラブを販売するスポーツ店や、ゴルフのレッスンを行うゴルフレッスン場などで利用される。
【0085】
しかしながら、ヘッド計測装置1は、携帯可能な小型の装置とすることが可能であるため、ストロボカメラ2(およびその先に接続されたデータ処理装置3)から切り離して、インパクト測定モードによるスピード測定のみを行う、ポータブル型の測定装置とすることも可能である。ポータブル型にした場合、例えば、ユーザ(プレーヤ)は、ゴルフ練習場などに持ち運んで使用することができる。ポータブル型のヘッド計測装置1とするには、バッテリと、計測結果のヘッドスピードを表示する7セグメントLED等をさらに設ければよい。
【0086】
しかし、ヘッド計測装置1を、ストロボカメラ2等から切り離して使用する場合、ストロボカメラ2による撮像は行われないため、ボールスピードについては計測できないことになる。
【0087】
そこで、ヘッド計測装置1単独による計測の場合、ヘッドスピードの計測に使用しない側のドップラセンサ11、コンパレータ12、及びADC13を、ボールスピードの計測に使用することができる。
【0088】
例えば、右打ち用の動作設定では、ドップラセンサ11aからのドップラ信号に基づいてヘッドスピードの計測が行われるが、ドップラセンサ11bは未使用となる。
図3を参照してわかるように、プレーヤが右打ちである場合、ドップラセンサ11bの測定範囲には、ゴルフクラブの打撃により飛球するゴルフボール42の軌道が含まれる。従って、ドップラセンサ11bを、ゴルフクラブで打撃された後のゴルフボール42の速度(ボールスピード)を測定するためのセンサとして使用することができる。ゴルフボール42の速度の計測方法は、ゴルフクラブの速度と同様である。ただし、このような機能をヘッド計測装置1に備えさせる場合、バッファメモリ15には、ボールスピード計測用のメモリ領域も必要になる。
【0089】
さらに、ヘッド計測装置1が、未使用のドップラセンサ11によるボールスピード計測機能を備えた場合には、ストロボカメラ2等と接続されている状態でも、未使用のドップラセンサ11によるボールスピード計測処理を実行し、ヘッドスピードとともにボールスピードをデータ処理装置3に提供するようにしてもよい。この場合、データ処理装置3は、例えば、2枚の画像から演算部32が算出したボールスピードと、ヘッド計測装置1で計測されたボールスピードの平均などを演算し、最終的なボールスピードとして表示させることができる。これにより、2個あるドップラセンサ11を有効利用し、かつ、ボールスピードの計測精度を向上させることができる。
【0090】
あるいはまた、ヘッド計測装置1が、ボールスピード計測機能を備え、ヘッドスピードとともにボールスピードを演算して、データ処理装置3に送信してきた場合には、データ処理装置3の演算部32には、ボールスピード以外のゴルフボールの運動状態、例えば、単位時間当たりの回転数などを演算させるようにすることができる。これにより、ヘッド計測装置1のボールスピード計測機能を有効活用して、データ処理装置3を他の機能に使用することができ、各装置のリソースを十分に生かすことができる。
【0091】
上述した実施の形態では、ゴルフにおける打撃物であるゴルフクラブの速度と被打撃物であるゴルフボールの速度を測定する例について説明したが、
図1の測定システムは、ゴルフ以外のスポーツにおける打撃物と被打撃物の速度の測定に利用することができる。例えば、野球における打撃物であるバットと被打撃物である野球用ボールの速度の測定、フットボール(サッカー)における打撃物であるプレーヤの脚部と被打撃物であるサッカーボールの速度の測定、テニスにおける打撃物であるテニスラケットと被打撃物であるテニスボールの速度の測定などに利用することができる。ただし、被打撃物の速度は所定の位置に静止している状態から移動したときの速度に限定される。
【0092】
[コンピュータのハードウエア構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0093】
図5は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータ(パーソナルコンピュータ)のハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0094】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0095】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
【0096】
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111を駆動する。
【0097】
撮像部121は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Mental Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子により構成される。撮像部121は、被写体を撮像し、撮像した被写体の画像データを、入出力インタフェース105を介してCPU101等に供給する。
【0098】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0099】
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体111に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0100】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0101】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0102】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0103】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。