(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記全体的な評価種類は、少なくとも、良いレーティングの総数、悪いレーティングの総数、および悪いレーティングの平均の割合を含む、複数の一般的な評価パラメータを有する、請求項1に記載の方法。
現在の取引を完了する際に前記評価データを収集するために、前記現在の取引に関連する前記第1の種類の前記ユーザのうちの1人に、評価アンケートを前記サーバーコンピュータにより送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記第2の種類の前記ユーザは売り手であり、前記複数の種類の評価パラメータは、以下の項目、すなわち、取引の総数、取引に関連する金額、取引に関連する平均金額、買い手の総数、良いレーティングを受けた総数、平均的なレーティングを受けた総数、悪いレーティングを受けた総数、悪いレーティングの割合、製品がどの程度その記述と一致するかについての平均的なスコア、サービス品質の平均的なスコア、タイムリーな配達の平均的なスコア、及び価格の満足度の平均的なスコア、のうちの少なくともいくつかを含む、請求項1に記載の方法。
前記第2の種類の前記ユーザは買い手であり、前記複数の種類の評価パラメータは、以下の項目、すなわち、取引のあった売り手の総数、コミュニケーション能力の平均的なスコア、平均的な親切度スコア、および平均的な信用度スコアのうちの少なくともいくつかを含む、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
既存の大規模なEコマースウェブサイトは、通常、以下に記載されている方法等の、一組の評価方法を有する。
【0004】
Eコマース取引を完了すると、ウェブサイトは、良いレーティング、平均的なレーティング、および悪いレーティング等のいくつかの種類を含み得る、オプションをクリックすることで、買い手に対し、売り手を評価するように勧める。買い手は、取引の経験に基づいて、選択を行う。買い手が取引に満足している場合、通常、良いレーティングが選択される。満足していない場合には、悪いレーティングを選択されることがある。買い手が評価を実行しない場合、システムは、既定により、取引のレーティングを良いレーティングにするように設定されている。この方法を使用して、各売り手は、評価データを段階的に累積する。ウェブサイトは、このデータを、良いレーティングの割合および売り手の信用度スコア等の、特定の基準に変換する。
【0005】
良いレーティングの割合は、売り手が受けた過去の良いレーティングの総数を、受けた全てのレーティングの総数で除算することで計算され、パーセンテージ表示される。信用度スコアは、良いレーティングの累積総数に基づいて計算される。例えば、良いレーティングを受けることにより、信用度にポイントが加算され、悪いレーティングによって、信用度からポイントが減少する。平均的なレーティングの場合は、ポイントは加算されない。
【0006】
例えば、売り手が登録以来、100の売取引を完了しており、97回の良いレーティング、2回の平均的なレーティング、および1回の悪いレーティングを受けている場合、売り手は、以下のレーティングおよびスコアを有する。
【0007】
良いレーティングの割合=97/(97+2+1)=97%
信用度スコア=97×1+2×0+1×(−1)=96ポイント
売り手のレーティングスコアを計算した後、ウェブサイトは、売り手の信用度スコアを、特定のルールに基づいて、特定のランキング等級に変換する。ランキング等級の総数は通常、10および15の間であり、各ランキング等級は、特定のアイコンによって表される。ランキング等級および信用度スコアの間には、明確な対応関係が存在する。例えば、96ポイントを超えるスコアが、第3のランキング等級に相当する場合がある。
【0008】
このため、ウェブサイトは、買い手から受信された売り手の、良い、平均的、悪いというレーティングを、売り手の3つの基準、つまり、良いレーティングの割合、全体的な信用度スコア、およびランキング等級に変換する。これらの3つの基準は、ウェブサイト上における、売り手の長期的な基準になる。買い手は、通常、これらの3つの基準に基づいて売り手を判断し、次に、購入するかどうかを決定する。
【0009】
しかし、既存の評価方法は過剰に簡略化されているため、取引関係者は、他の関係者の挙動を総合的に理解することができていない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
既存の評価方法において、評価システムは、評価要求モジュール、データ収集モジュール、算出モジュール、およびウェブページ表示モジュールを含む。取引が行われるたびに、評価要求モジュールは、買い手に対し、良いレーティング、平均的なレーティング、および悪いレーティング等のいくつかの種類のレーティングを含んでもよい、ランキングオプションをクリックスルーすることにより、売り手を評価するように勧める。評価を完了すると、評価データはデータベースに格納される。呼び出し時に、データ収集モジュールはデータベースからの評価データを読み込み、算出モジュールへ評価データを送信する。受信された評価データに基づいて、算出モジュールは、良いレーティングの割合、全体的な信用度スコアおよびランキングを算出し、これがウェブページ表示モジュールに送信されて、ウェブページ表示モジュールにより、関連するウェブページ上に表示される。
【0018】
しかし、既存の評価方法が提供する評価情報の量は不十分であり、ユーザの総合的および客観的な評価プロフィールを得られない場合がある。本明細書中に開示された方法およびシステムは、こうした効率性を改善することを意図している。添付の図面および例示的な実施形態を用いて、本開示について、以下に詳細に記載する。
【0019】
図1は、例示的な実施形態における例示的な評価システムの概略的な構造図を示す。例示的な評価システム101は、本開示の方法を実施するための例示的な環境100に存在している。環境100で示されているように、いくつかのコンポーネントはクライアント側に常駐しており、他のコンポーネントはサーバ側に常駐している。しかし、これらのコンポーネントは、複数の他の位置に常駐している可能性がある。さらに、図示されるコンポーネントの2つ以上を、単一位置の単一コンポーネントを形成するために組み合わせてもよい。
【0020】
評価システム101は、ネットワーク(単数または複数)190を介して、181、182および183等のクライアント側のコンピューティングデバイス(クライアント端末)に接続されており、こうして、クライアント側のコンピューティングデバイスによって、ユーザ(図示せず)が評価システム101にアクセスできる。一実施形態では、コンピューティングデバイス102はサーバであるが、クライアント側のコンピューティングデバイス181、182および183は、それぞれ、ユーザ端末として使用されるコンピュータまたはポータブルデバイスにしてもよい。図示された査定システム101は、好ましくはサーバであるコンピューティングデバイスと共に実装され、プロセッサ(単数または複数)、入出力デバイス、コンピュータで読み込み可能なメディア、およびネットワークインターフェース(図示せず)等の、共通のコンピュータコンポーネントを含む。
【0021】
コンピュータで読み込み可能なメディアは、アプリケーションプログラムモジュールおよびデータ103(レーティングまたはランキング情報等)を格納する。アプリケーションプログラムモジュールは、プロセッサ(単数または複数)によって実行される場合に、プロセッサ(単数または複数)によって、本明細書に記載されるプロセスのアクションを実行させる、命令を含む。
【0022】
コンピュータで読み込み可能な媒体は、コンピュータデータを格納するために適した格納装置またはメモリデバイスのいずれかにしてもよいと考えられる。こうした格納装置またはメモリデバイスは、ハードディスク、フラッシュメモリデバイス、光学的データ格納装置、およびフロッピーディスクを含むが、これに制限されない。さらに、コンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータで読み込み可能な媒体は、ローカルシステムのコンポーネント(単数または複数)または複数のリモートシステムのネットワーク上に分散されるコンポーネントで構成されてもよい。コンピュータで実行可能な命令のデータは、有形の物理的なメモリデバイスで配信されてもよく、または電子的に伝送されてもよい。
【0023】
さらに、コンピューティングデバイスは、プロセッサ、入出力デバイスおよびメモリ(内部メモリまたは外部メモリ)を有する任意のデバイスにしてもよいと考えられ、パーソナルコンピュータに制限されない。特に、コンピュータデバイス102は、サーバコンピュータ、またはインターネットまたはイントラネットのいずれかであってもよいネットワーク(単数または複数)190を介して接続される、こうしたサーバコンピュータのクラスタにしてもよい。特に、コンピュータデバイス102は、ウェブサーバ、または、Eコマースサイト等のウェブサイトをホストするこうしたサーバのクラスタであってもよい。
【0024】
本開示において、「モジュール」または「装置」は、概して、特定のタスクまたは機能を実行するために設計される機能性を指す。モジュールまたは装置は、特定のタスクまたは機能に関連する目的を達成するための、ハードウェア、ソフトウェア、プランまたはスキーム、またはその組み合わせにすることができる。さらに、個別の装置の説明は、必ずしも、物理的な個別の装置が使用されることを示唆する訳ではない。そうではなく、説明は機能的なものにすぎず、構造的なものでなくてもよいため、いくつかの装置の機能を、単一の組み合わせられたデバイスまたはコンポーネントによって実行してもよい。コンピュータベースのシステムで使用する場合、プロセッサ、格納装置およびメモリ等の通常のコンピュータコンポーネントは、種々のそれぞれの機能を実行するために、1つ以上の装置またはデバイスとして機能するようにプログラムされてもよい。
【0025】
図1に示されるように、評価システム101は、パラメータ算出モジュール110、評価調査モジュール120、パラメータ呼び出しモジュール130、およびウェブ表示生成モジュール140を含む。パラメータ算出モジュール110は、種々の種類の評価パラメータの値を算出するために使用され、これについては、以下で説明する。評価調査モジュール120は、種々の種類の評価パラメータを呼び出すために、パラメータ呼び出しモジュール130に通知するために使用される。ウェブページからの評価情報の要求を受信すると、通知が送信されてもよい。評価調査モジュール120からの通知を受信すると、パラメータ呼び出しモジュール130は、種々の種類の評価パラメータをウェブ表示生成モジュール140へ送信するために、パラメータ算出モジュール110を呼び出す。パラメータ呼び出しモジュール130から送信された種々の種類のパラメータを受信すると、ウェブ表示生成モジュール140は、パラメータを表示するためにウェブページまたはウェブのフォームを生成する。
【0026】
以下に詳細に説明するように、評価システム101は、第2の種類のユーザを評価するために、第1の種類のユーザによって提出される評価データを受信するために、受信された評価データを使用して、少なくとも全体的な評価種類およびカテゴリ別評価種類を含む、複数の種類の評価パラメータを算出するために、ウェブページから第2の種類のユーザの評価情報の要求を受信すると、複数の種類の評価パラメータを呼び出すために、複数の種類の評価パラメータをフロントエンドへ送信するために、および、フロントエンドによって、ウェブページ上に複数の種類の評価パラメータを表示するために、適用される。
【0027】
このため、評価システム101は、少なくとも全体的な評価の種類およびカテゴリ別評価の種類を含む、種々の種類の評価パラメータを使用して、多面的な評価を提供する。評価システムはさらに、さらなる評価目的のために、通常の取引データおよび取引後イベント記録を利用してもよい。本開示の例示的な実施形態において提供されるシステムの使用により、取引の両関係者のより総合的な評価が実現可能になる。ユーザおよび取引の情報開示は、種々の種類の評価パラメータの取得および表示によって強化され、評価結果をより客観的かつ信頼性の高いものにする。
【0028】
図2は、売り手を評価する買い手の一例を用いた、オンライン評価システムを示す。オンライン評価システム201は、データ格納装置203、パラメータ算出モジュール210、評価調査モジュール220、パラメータ呼び出しモジュール230、ウェブ表示生成モジュール240、およびユーザ評価入力受信モジュール250を含む。
【0029】
パラメータ算出モジュール210は、種々の種類の評価パラメータの生成に使用される。評価調査モジュール220は、ウェブページからの評価情報の要求を受信すると、種々の種類の評価パラメータを呼び出すために、パラメータ呼び出しモジュール230に通知するために使用される。パラメータ呼び出しモジュール230は、評価調査モジュール220からの通知を受信すると、ウェブ表示生成モジュール240へ種々の種類の評価パラメータを送信するために、パラメータ算出モジュール210を呼び出すために使用される。ウェブ表示生成モジュール240は、パラメータ呼び出しモジュール230から送信されたものを受信すると、パラメータを表示するウェブページを生成するために使用される。ユーザ評価入力受信モジュール250は、取引の完了時に、入力された現在の取引のユーザ評価を受信するために使用される。ユーザが評価情報を入力する典型的な方法は、表示される選択肢のクリックによるものである。
【0030】
一実施形態では、買い手によるウェブページ上の売り手のリンクをクリックすると、評価調査モジュール220は、種々の種類の評価パラメータを得るためのパラメータ算出モジュール210を呼び出すためにパラメータ呼び出しモジュール230に通知するように、パラメータ呼び出しモジュール230へ要求を提出する。取得された評価パラメータは、次に、ウェブ表示生成モジュール240に送信される。ウェブ表示生成モジュール240は、次に、売り手の種々の種類の評価パラメータを、買い手へ表示するためにウェブページを生成する。
【0031】
例えば、取引を完了すると、パラメータ算出モジュール210は、現在の取引のデータをデータ格納装置203に格納し、種々の種類の評価パラメータの値を算出する。一実施形態では、評価パラメータは、以下の4つの異なる種類:全体的な評価パラメータ、カテゴリ別評価パラメータ、通常の取引データ、およびクレーム、訴訟および代金返済等の取引後イベント記録を含む。これらの異なる種類の評価パラメータについて、以下に詳細に説明する。
【0032】
全体的な評価パラメータは、時間経過に伴う一般的なレーティング基準である。これは、異なる態様を網羅してもよい。全体的な評価パラメータの実施例には、良いレーティングの総数、平均的なレーティングの総数、悪いレーティングの総数、および悪いレーティングのパーセンテージレートを含む。全ての全体的な評価パラメータは、種々の時間間隔に関して算出されてもよい。
【0033】
カテゴリ別評価パラメータは、特定のカテゴリおよび特性に関する、より特化したレーティング基準である。カテゴリ別評価パラメータの実施例には、製品のその記載との一致度合いの平均的なスコア、サービス品質の平均的なスコア、タイムリーな配達の平均的なスコア、および価格満足度の平均的なスコアを含む。全てのカテゴリ別評価パラメータは、種々の時間間隔に関して算出されてもよい。
【0034】
通常の取引評価パラメータは、取引そのものに直接関連するパラメータである。これらのパラメータは、通常、ユーザによる主観的な評価ではなく、取引を客観的に見た特性である。通常の取引データの実施例には、取引の総数、各取引に関連する金額、取引に関連する平均的な金額、および買い手数を含む。全ての取引パラメータは、種々の時間間隔に関して算出されてもよい。
【0035】
取引後イベント記録は、取引が実行された後に実行されるイベントの記録である。取引後イベント記録の実施例には、クレーム、訴訟および代金返済を含む。これらの記録は、クレームおよび訴訟の割合、および代金返済の割合等の、取引の異なる面を網羅するために、種々の取引後評価パラメータの算出の基礎としてもよい。
【0036】
機能的に、パラメータ算出モジュール210は、種々の種類の評価特権を生成するために、サブモジュールを含んでもよい。説明するように、第1のパラメータ算出サブモジュール211は、通常の取引データから種々の種類の通常の取引評価パラメータを生成するために使用される。一実施形態では、取引データから生成可能な種々の種類の通常の取引評価パラメータは、これらの4つの領域、つまり、取引の総数、各取引に関連する金額、取引に関連する平均的な金額、および買い手の総数のパラメータを含む。取引が完了すると、第1のパラメータ算出モジュール211は、システムの取引詳細テーブルへ、現在の取引の詳細を格納し、取引データのサマリー情報を更新する機能を実行させる。こうして、システムのデータベースで、取引情報サマリーテーブルが更新されるが、これは、取引の総数、取引に関連する金額、取引に関連する平均的な金額、および買い手の総数の更新を含む。
【0037】
現在の取引の情報は、取引情報サマリーテーブルの更新に使用される。例えば、取引の総数は1回増加し、取引に関連する平均的な金額が算出される、等である。新規買い手による購入が行われると、買い手の総数は1名増加する。
【0038】
第2のパラメータ算出サブモジュール212は、売り手の買い手評価から、種々の種類の全体的なまたはカテゴリ別評価パラメータを生成するために使用される。一実施形態では、これらの評価パラメータは、種々の時間間隔における、良いレーティングの総数、平均のレーティングの総数、悪いレーティングの総数、および悪いレーティングのパーセンテージ割合を含む、売り手の全体的な買い手評価の複数の領域を網羅する。これらの評価パラメータはさらに、種々の時間間隔における製品のその記載との一致度の平均的なスコア、種々の時間間隔におけるサービス品質の平均的なスコア(例えば、親切度および役立ち度)、種々の時間間隔におけるタイムリーな配達の平均的なスコア、および、種々の時間間隔における価格満足度の平均的なスコアを含む、売り手のカテゴリ別買い手評価の複数の領域を網羅してもよい。
【0039】
取引を完了すると、売り手に対する買い手の評価が入力される。これを行うためは、買い手に、ウェブページ上の売り手の完全な評価アンケートを勧めてもよい。評価の内容は、全体的な評価およびカテゴリ別評価の両方を含んでもよい。買い手は、種々のランキング選択肢をクリックスルーすることにより、評価を実行する。クリックスルーを実行し、提出ボタンをクリックすることにより、評価が提出される。第2のパラメータ算出サブモジュール212は、評価システム201のバックエンドにおいて、現在の評価のデータを格納する。バックエンドは、データベース内に格納される評価詳細テーブル上で動作し、取引記録を追加する。例えば、バックエンドは、買い手ID(つまり、買い手の識別子)、売り手ID、全体的な評価の値、およびカテゴリ別評価の各領域の値を含む、記録の種々のデータへと書き込みを行う。
【0040】
評価システム201のバックエンドは、現在の取引の評価結果を使用して、データベースの評価情報サマリーテーブルを更新する。更新される内容は、全体的な評価情報およびカテゴリ別評価情報の両方を含む。全体的な評価情報は、種々の時間間隔における良いレーティングの総数、種々の時間間隔における平均のレーティングの総数、種々の時間間隔における悪いレーティングの総数、および種々の時間間隔における悪いレーティングのパーセンテージ割合を含む。カテゴリ別評価情報は、種々の時間間隔における製品のその記載との一致度の平均的なスコア、種々の時間間隔におけるサービス品質(例えば、親切度および役立ち度)の平均的なスコア、種々の時間間隔におけるタイムリーな配達の平均的なスコア、および種々の時間間隔における価格満足度の平均的なスコア。)を含む。
【0041】
第3のパラメータ算出サブモジュール213は、クレーム、訴訟および代金返済等の取引後イベント記録から種々の取引後評価パラメータを生成するために使用される。この種類の評価パラメータは、クレームおよび訴訟の割合、ならびに代金返済の割合等の2つの領域を含んでもよい。取引後に代金返済が発生する場合、第3のパラメータ算出サブモジュール213は、現在の代金返済に基づいて、クレーム、訴訟および代金返済のサマリーテーブルを更新し、新規の代金返済入力をテーブルに追加し、種々の時間間隔で代金返済の割合を再び算出する。さらに、新規クレームまたは訴訟が発生する場合、第3のパラメータ算出サブモジュール213は、準ずるデータに基づいてバックエンドのデータベースのサマリーテーブルを更新し、種々の時間間隔でクレームおよび訴訟の割合を再び算出する。
【0042】
ウェブ表示生成モジュール240はさらに、機能的な意味の、いくつかのサブモジュールを含む。フォーマット設定サブモジュール241は、評価パラメータを表示するために、ウェブページのフォーマットのセットアップのために使用される。特定のフォーマットに従い、種々の種類の評価パラメータが表示され、これは、各パラメータが表示される位置、および対応する評価パラメータが表示される時間間隔を含む。表示される種々の時間間隔に関し、フォーマットは、表示されるパラメータの時間領域を設定する。例えば、全体的な評価表示は、ユーザにより詳細な評価情報を与えるために、1ヶ月、3ヶ月、および1年に関連付けられる評価パラメータの表示を含んでもよい。
【0043】
パラメータ対応サブモジュール242は、フォーマット設定サブモジュール241によって設定されるウェブページの表示フォーマットに従う、種々の種類の評価パラメータの入力のために使用される。
【0044】
図3は、売り手の種々の種類の評価パラメータの例示的な表示を示す。表示されるデータは、フォーマット設定サブモジュール241によって設定されるウェブページフォーマットに基づいて、構成される。
図3に示されるように、4つの主要な種類の評価パラメータ、すなわち、全体的な評価、取引データ、カテゴリ別評価、および取引後データが存在し、これらの各種類は複数の評価基準を含む。売り手の複数の評価基準(図示されるように、各主要な種類では4つ)は時間領域を有し、異なる時間間隔で表示される。これにより、買い手は、過去の各期間の売り手の状態を明確に理解し、かつ、売り手の取引についての変化および傾向、例えば、レーティングが上がっているか下がっているか、売り手が長期間にわたって活動を行っているか、または、最近の短期間において取引数の激増がないかどうか、を理解することができる。
【0045】
時間領域の表示(例えば、種々の時間間隔)は、短期間で生成される架空の取引、または、数名が互いに偽りの信用度を付与し合うことによる、一時的な取引履歴における欠陥を明らかにするのに役立つ可能性がある。情報が明らかになるなら、買い手は、1ヶ月以内に多くの取引を行っている売り手よりも、長期間にわたって着実な取引をしている売り手を選択しようとする可能性がある。
【0046】
種々の評価種類の中で、全体的な評価は、買い手の売り手に対する全体的な印象に関するものであり、買い手が売り手を評価および理解するための簡単かつ迅速な方法を提供するという利点がある。カテゴリ別評価は、全体的な評価の一部として考えてもよい。この意味で、全体的な評価は、種々のカテゴリ別評価の概要であると考えてもよい。全体的な評価およびカテゴリ別評価は、共に、別の取引関係者(例えば、売り手)に関して、取引関係者(例えば、買い手)によって入力される評価から得られる。通常の状況下では、カテゴリ別評価の結果および全体的な評価の結果は、互いに一致するべきである。
【0047】
ユーザが偽りの信用度を作成するために過度に何度も行われる評価を作成することを防ぐために、特定の限られた期間(例えば、半年)内における、買い手による売り手の複数の評価は、1回の票としてのみ、カウントする。こうした何度も行われる複数の評価の例示的なカウントのルールについて、以下に記載する。
【0048】
システムは、限られた期間に同じユーザによって提出された複数の評価において、悪いレーティング数よりも良いレーティング数が多い場合に、1回の良いレーティングをカウントし、複数の評価において悪いレーティングの数が良いレーティングの数よりも多い場合に、1回の悪いレーティングをカウントし、複数の評価において悪いレーティングの数が良いレーティングの数と等しい場合に、1回の平均のレーティングをカウントする。取引後に買い手が評価を実行しない場合には、システムは、既定で、これを良いレーティングとして解釈してもよい。
【0049】
一実施形態では、良いレーティングの割合ではなく、悪いレーティングの割合が、全体的な評価の判断基準として選択される。これは、いくつかの理由で、利点を有する場合がある。第一に、売り手の良いレーティングの割合は、通常、97%を超えるほど、大変高いため、98%の良いレーティングの割合を有する売り手は、ほとんどの買い手にとって、99.5%の良いレーティングの割合を有する売り手と、違いがあるとは考えられない。しかし、悪いレーティングの割合という観点から考えた場合に、これらの2名の売り手の悪いレーティングの割合が、それぞれ、2%および0.5%であると、これは4倍の差を示している。
【0050】
第二に、買い手の本当の関心は、売り手が有する良いレーティングの割合の高さではない場合がある。それよりも、買い手は、売り手の悪いレーティングの割合がいくらであるか、売り手との商取引で問題が生じる可能性がどれだけあるか、およびリスクがどれだけ高いか、についてより関心がある場合がある。
【0051】
例えば、ある売り手が、登録後、100回の売り手としての取引を完了し、97回の良いレーティング、2回の平均的なレーティングおよび1回の悪いレーティングを受け、別の売り手も、100の売り手としての取引を完了し、97回の良いレーティング、0回の平均的なレーティングおよび3回の悪いレーティングを受けたと想定する。
【0052】
第1の売り手の良いレーティングの割合は、以下のようになる。
97/(97+2+1)=97%
第2の売り手の良いレーティングの割合は、以下のようになる。
97/(97+3)=97%
第1の売り手の悪いレーティングの割合は、以下のようになる。
1/(97+2+1)=1%
第2の売り手の悪いレーティングの割合は、以下のようになる。
3/(97+3)=3%。
両売り手は、良いレーティングの割合に関して、同じである。しかし、第2の売り手の悪いレーティングの割合は、第1の売り手の悪いレーティングの割合の3倍である。このため、買い手は、第2の売り手との商取引は、第1の売り手との商取引よりもリスクが高いと結論付ける可能性がある。
【0053】
一実施形態では、カテゴリ別評価の4つの領域(例えば、4つの異なる評価パラメータ)は、それぞれ、複数の個別のポイントを使用するレーティングスキームを適用する。例えば、買い手が選択できる5つの異なるグレードを提供する5ポイントルールを使用してもよい。各領域の売り手のスコアは、買い手から受けた評価の平均である。この5ポイントスキームでは、1ポイントのレーティングは、「非常に悪い」を表し、2ポイントは「悪い」を表し、3ポイントは「平均」を表し、4ポイントは「良い」を表し、5ポイントは「非常に良い」を表す。
【0054】
半年以内に買い手が同じ売り手に複数回、スコアを割り当てる場合、平均的なスコアのみ(半年の期間内で同じ買い手によって与えられた全スコアの平均)を、1回のスコアとして記録し、これが、売り手の全体的な平均的なスコアを得るために、他の買い手からのスコアと共に使用される。これは、複数の評価を提出することによって、買い手が評価を上げることを防止する。ユーザが評価を実行しない場合には、システムは、自動的に5ポイントのスコアを与える。
【0055】
例えば、売り手が、半年で10回の取引を実行し、4回の取引は、同じ買い手に関連するものであるとする。買い手は、ある取引における売り手のサービス品質(例えば、親切度および役立ち度)に5ポイントの票を与え、他の3回の取引のそれぞれのサービス品質に、4ポイントを与えた。この条件下では、買い手によって与えられる売り手のサービス品質スコアは、以下のようになる。
(5×l+4×3)/(l+3)=4.25。
他の6回の取引に関連する買い手が全て異なる場合、および、売り手のサービス品質にこれらのスコア、3、3、4、4、5、および5を与える場合、サービス品質の売り手の全体的な平均スコアは次のようになる。
(4.25+3+3+4+4+5+5)/7≒4.0357。
悪いレーティングの割合およびカテゴリ別評価スコアが同じであっても、2名の売り手の実際の取引履歴は非常に異なる可能性がある。例えば、第1の売り手は、1回の取引しか実行したことのない新規売り手である可能性があり、第2の売り手は、既に5年の経験がある可能性がある。全体的な評判および売り手の考えられるリスク度合いは、その取引履歴および取引数等の履歴データに大きく関連する。このため、通常の取引評価パラメータ、およびクレーム、訴訟および代金返済等の取引後評価パラメータが、参照として、買い手に与えられる。
【0056】
例えば、ある売り手が10回の取引を実行し、悪いレーティングがなく(0の悪いレーティングの割合)、配達時間について4.5のスコアがあると仮定する。別の売り手も、100回の取引を実行しており、悪いレーティングがなく、配達時間についてのスコアが4.5である。悪いレーティングの割合および配達時間で考えると、両者は同じである。しかし、第2の売り手は、明らかに、より良い全体的な評判を有する。
【0057】
システムは、過去のレーティングにおける組み合わせられた評価パラメータに基づき、全体的な信用度スコアを算出してもよい。しかし、好適には、現在開示された方法はこうした全体的な信用度スコアを提供するものではなく、全体的な評価およびカテゴリ別評価等の評価パラメータに基づいて、意義のある全体的な信用度スコアを算出する信頼性のあるアルゴリズムを得ることは困難であることがわかっている。これは、各買い手が、売り手の信用度についての最終的な結論に達するために、種々の評価パラメータを統合する独自の方法を有する可能性があるためである。つまり、異なる買い手は、同じ全体的な評価、カテゴリ別評価、および取引データに基づいて、売り手に対し、異なる全体的なスコアを与えてもよい。システムが全体的な信用度スコアを提供する場合、これは誤ったものである可能性があり、さらに、いくつかの買い手の実際の意図にそぐわない可能性もある。
【0058】
システムが、管理目的または勧告目的のために、売り手の全体的な信用度スコアを算出する必要がある場合、1つの全体的な信用度スコアでは、全ての状況を処理するためには十分でない可能性がある。システムは、実際的なニーズに従って、種々の信用度スコアまたはランキングを算出してもよい。システムは、種々の種類の評価パラメータの上記の複数領域データに基づいて、種々の信用度スコアを算出するために、種々の重みを設定してもよい。一実施形態では、こうした結果は、買い手ではなく、売り手のみに公開される。この場合、算出アルゴリズムは、説得力あるものにするために、売り手に開示する必要がある場合がある。
【0059】
開示された評価方法は、従来の評価スキームを使用し、全体的な信用度スコアを算出する既存の評価システムに適用されてもよい。この場合、全体的な信用度スコアの既存の算出アルゴリズムは、既存および新規の評価スキームの間の移行期間中、維持されてもよい。しかし、偽りの信用度を作成することをより困難にするために、特定の更新を行う必要があってもよい。ある例示的なスキームでは、半年毎に1回、売り手に関して、買い手によって行われる全体的な評価をカウントする。買い手が売り手の複数の評価を行う場合、複数の評価に基づいて、1のみのスコアが算出される。システムはさらに、上限によって、各売り手の信用度の月の最大増加を制限してもよい。例えば、売り手の信用度は、一ヶ月につき、1レベル、最大で上がってもよい。従って、売り手は、5ハートのレーティングを得るために、少なくとも5ヶ月が必要になり、5ダイヤモンドを得るために、少なくとも10ヶ月が必要になる。これは、偽りの信用度を作成することで、売り手がほんの数日でダイヤモンドのステータスを得ることを防止する制限である。
【0060】
上記の上限利用のスキームはさらに、仮想的な物品の売り手および現実的な物品の売り手の間の不公平な結果を低減することもできる。同時に、通常の取引を行う現実的な物品のほとんどの売り手は、ほとんどの状況において上限を上回るのではないため、この上限に影響されない。このスキームは、Eコマースウェブサイトの取引に負の影響をおよぼすものではない。逆に、スキームは、偽りの信用度を作成することをより困難かつより金銭的に負担をかけるものにすることにより、合法的な売り手にとっては利益のあるものにすることができるため、全体的に、ウェブサイトの取引パフォーマンスを向上させる可能性がある。
【0061】
このため、本開示の例示的な実施形態によって提供されるシステムが、売り手のより総合的な評価を実現してもよい。該システムは、取引の情報開示を向上させるとともに、種々の種類の評価パラメータを取得および表示し、評価結果をより客観的および信頼性の高いものにすることにより、買い手が売り手をよりよく理解できるようにする。
【0062】
図4は、売り手が買い手によって評価される例示的なプロセスを示す。例示的なプロセスは、オンライン評価方法に照らして理解され得る。該プロセスを、以下に記載する。
【0063】
ブロックS410:取引を完了すると、システムによって、買い手は、システムによって買い手に提供される種々のレーティングの選択肢をクリックスルーすることで、現在の取引を評価できる。例えば、取引完了後、買い手は、ウェブページ上の売り手の評価アンケートを実行するように勧められる。評価の内容は、全体的な評価およびカテゴリ別評価等の複数の種類の評価を含んでもよい。買い手は、種々のレーティングの選択肢をクリックスルーすることで評価アンケートを実施し、アンケートを完了すると評価を提出する。ウェブページは、処理のために、システムに評価を送信する。
【0064】
ブロックS420:システムは、本明細書に開示された種々の種類の評価パラメータを算出する。例えば、取引の完了後、システムは、現在の取引データを格納する。現在の取引データに基づき、システムは、本明細書に開示された種々の種類の評価パラメータを算出するために、取引情報サマリーテーブル、評価情報サマリーテーブル、および取引後イベント記録のサマリーテーブル(クレーム、訴訟および代金返済等)を更新する。
【0065】
ブロックS430:ウェブページからの評価情報の要求を受信すると、システムは、送信および表示される種々の種類の評価パラメータを呼び出す。例えば、買い手がウェブページ上の売り手のリンクをクリックすると、システムのフロントエンドは、種々の種類の評価パラメータを呼び出すように要求するために、バックエンドに通知を送信する。
【0066】
ブロックS440:呼び出し通知を受信すると、システムは、システムのフロントエンドに種々の種類の評価パラメータを送信する。例えば、システムのフロントエンドから送信された通知を受信した後、システムのバックエンドは、データベースから、上記のサマリーテーブルをフロントエンドへ読み込む。
【0067】
ブロックS450:システムは、フロントエンドが種々の種類の評価パラメータを受信した後で、パラメータを表示するために、ウェブページを生成する(またはこうしたウェブページが生成できるようにする)。システムのフロントエンドによって種々の種類の評価パラメータを受信する際に、パラメータを表示するウェブページを生成する例示的なプロセスが、サブブロックS451およびS452によって表されるが、これは以下に記載する。
【0068】
サブブロックS451:システムが、ウェブページ表示評価パラメータのフォーマットを設定する。種々の種類の評価パラメータは、パラメータが表示される、および時間間隔が表示される位置を含む、特定のフォーマットに従って表示される。例えば、1ヶ月、3ヶ月、および1年の評価パラメータを、さらに詳細にユーザが情報を取得する助けになるように、表示してもよい。
【0069】
サブブロックS452:システムによって、種々の種類の評価パラメータを、設定されたウェブページフォーマットに従って入力できる。異なる時間領域におけるいくつかの種類の基準を表示することにより、システムは、買い手が、過去の各期間の売り手の状態をはっきりと理解できるように、また、売り手の取引の変化および傾向を理解できるようにする。
【0070】
バックエンドによって提供されるデータに基づき、フロントエンドは、買い手に対して売り手の過去のパフォーマンスを表示するために、ウェブページを生成する。
【0071】
図1および
図2に示されるシステムおよび方法は、さらに、売り手による買い手の評価のために使用されてもよい。取引を完了すると、売り手に、ウェブページ上の買い手の評価アンケートに回答するように勧める。売り手が買い手を評価するために使用されるプロセスは、本明細書中に記載される売り手を評価するために買い手が使用するプロセスと類似している。
【0072】
しかし、買い手を評価するために使用される実際の評価パラメータは、評価パラメータは評価されている当事者の特徴に準拠すべきあるため、売り手の評価に使用されるものとは同じでない場合がある。
【0073】
図5は、買い手の種々の種類の評価パラメータの例示的な表示を示す。表示されるデータは、システムによって設定されるウェブページフォーマットに基づいて構成される。
図6に示されるように、異なる期間のそれぞれにおける4つの基準を表示することで、売り手は、過去の各期間の買い手の状態を明確に理解することができる。時間領域の表示は、短時間内に生成される架空の取引、または何人かが互いに偽りの信用度を付与し合うことによる、取引履歴における一時的な欠陥を明らかにする。売り手は、比較的、1ヶ月以内に多くの取引を行う買い手ではなく、長期における取引を行っている買い手を選択することを好む場合がある。
【0074】
売り手による偽りの信用度の作成を防ぐ上記のプロセスは、買い手による偽りの信用度の生成を防ぐために使用してもよい。具体的には、特定の期間(例えば、半年)内における売り手による買い手の評価は、複数の評価の平均化による、1つのみの評価としてカウントされる。
【0075】
一実施形態では、システムは、偽りの信用度を作成する行為によってより直接影響される可能性のある、全体的な信用度スコアを生成しない。通常、カテゴリ別評価のスコアは、こうした行為による影響度がより低い。
【0076】
さらに、取引データは、種々の時間間隔に従って表示される。取引データは、取引が集中する時間間隔を明確に示すことができる。偽りの評価行為の場合、関連付けられる取引は、多くの場合、最近の期間(例えば、最近1ヶ月)に集中しており、それより前の取引はほとんどないか、全くない。
【0077】
本開示の例示的な実施形態で提供される方法およびシステムは、偽りの評価行為を行うための金銭的負担を増加させ、ユーザの信用度を不法に向上させることをより困難にするものである。さらに、該システムは、バランスを取るために、新規および既存の買い手および売り手の両方の関心を考慮するものである。さらに、良いレーティングの割合ではなく、悪いレーティングの割合を、両方の取引関係者の関心のバランスを取るために、いくつかの実施形態で使用している。
【0078】
本明細書に記載される潜在的利益および利点は、添付の特許請求の範囲の範囲に対する制限または制約として解釈されないことが理解される。
【0079】
主題は、構造的特徴および/または方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、説明される具体的な特徴または動作に必ずしも制限されないことを理解されたい。むしろ、具体的な特徴および動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示される。