特許第5650918号(P5650918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5650918
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20141211BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20141211BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   G09F9/30 349C
   G09F9/30 349B
   G09F9/302 C
   G02F1/1335 505
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-72301(P2010-72301)
(22)【出願日】2010年3月26日
(65)【公開番号】特開2011-203610(P2011-203610A)
(43)【公開日】2011年10月13日
【審査請求日】2013年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(74)【代理人】
【識別番号】100092152
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 毅巖
(72)【発明者】
【氏名】松井 靖幸
(72)【発明者】
【氏名】加邉 正章
(72)【発明者】
【氏名】境川 亮
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸治
(72)【発明者】
【氏名】関 健太
【審査官】 佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−295717(JP,A)
【文献】 特開2008−122834(JP,A)
【文献】 特開2005−157392(JP,A)
【文献】 特開2008−233588(JP,A)
【文献】 特開2004−004822(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/088656(WO,A1)
【文献】 特開2005−062760(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/109577(WO,A1)
【文献】 特開2007−114295(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/024705(WO,A1)
【文献】 特開2005−309305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
G02F 1/13−1/141
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色の光を通過させる第1カラーフィルターを備え、第1原色を表示する第1副画素、緑色の光を通過させる第2カラーフィルターを備え、第2原色を表示する第2副画素、青色の光を通過させる第3カラーフィルターを備え、第3原色を表示する第3副画素、及び、白色を表示する第4副画素、が2次元マトリクス状に配列されて成る画像表示パネルを備えた画像表示装置であって、
各第4副画素の周縁部の少なくとも一部のみに遮光領域が設けられ、
前記第1副画素と前記第2副画素との境界領域は、第1カラーフィルターの延在部と第2カラーフィルターとの2層構造又は第1カラーフィルターと第2カラーフィルターの延在部との2層構造となっており、
前記第2副画素と前記第3副画素との境界領域は、第2カラーフィルターの延在部と第3カラーフィルターとの2層構造又は第2カラーフィルターと第3カラーフィルターの延在部との2層構造となっており、
前記第3副画素と前記第1副画素との境界領域は、第3カラーフィルターの延在部と第1カラーフィルターとの2層構造又は第3カラーフィルターと第1カラーフィルターの延在部との2層構造となっており、
前記遮光領域は、前記第1副画素、前記第2副画素及び前記第3副画素の周縁の前記第4副画素と隣接していない部分には、設けられていない画像表示装置。
【請求項2】
各第4副画素の全周縁部に遮光領域が設けられている請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
各第4副画素の周縁部の一部に、遮光領域が設けられている請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
第1副画素と第4副画素とは隣接しており、
遮光領域は、隣接する第1副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
第2副画素と第4副画素とは隣接しており、
遮光領域は、隣接する第2副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
第4副画素同士は隣接しており、
遮光領域は、隣接する第4副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
遮光領域はカラーフィルターの光出射面側に設けられている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
第1副画素、第2副画素及び第3副画素から第1の画素が構成されており、
第1副画素、第2副画素及び第4副画素から第2の画素が構成されており、
第1の画素及び第2の画素から画素群が構成されており、
画像表示パネルは、画素群が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記第1の方向に沿って、前記第1の画素と前記第2の画素とが隣接して配置され、
前記第2の方向に沿って、前記第1の画素と前記第2の画素とが隣接して配置されている請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
第1副画素、第2副画素、第3副画素及び第4副画素から画素が構成されており、
画像表示パネルは、画素が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記画素は、前記第1の方向に沿って、第1副画素、第2副画素、第3副画素及び第4副画素が配列されて構成されている請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
第1副画素、第2副画素及び第3副画素から第1の画素が構成されており、
第1副画素、第2副画素及び第3副画素から第2の画素が構成されており、
画素群は、第1の画素、第2の画素、及び、第1の画素と第2の画素との間に配置された第4副画素から構成されており、
画像表示パネルは、画素群が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばカラー液晶表示装置等の画像表示装置では、その高性能化に伴い、消費電力の増大が課題となっている。特に、高精細化、色再現範囲の拡大や高輝度化に伴い、例えばカラー液晶表示装置の場合、バックライトの消費電力が増大してしまう。この問題を解決するために、表示画素を、赤色を表示する赤色表示副画素、緑色を表示する緑色表示副画素、青色を表示する青色表示副画素の3つの副画素に加え、例えば、白色を表示する白色表示副画素の4副画素構成とし、この白色表示副画素により輝度を向上させる技術が注目されている。そして、4副画素構成によって従来と同じ消費電力で高輝度が得られるが故に、輝度を従来と同じとする場合には、バックライトの消費電力を下げることが可能となるし、表示品位の向上を図ることができる。
【0003】
ここで、例えば、特許第3167026号公報に開示されたカラー画像表示装置は、
入力信号より加色3原色法における3種類の色信号を生成する手段と、
これらの3色相の色信号より各々同比率にて加色して得られる補助信号を生成し、補助信号と、補助信号を3色相の信号から減算した3種類の色信号の計4種の表示信号を表示器に供給する手段、
を有する。尚、3種類の色信号によって赤色表示副画素、緑色表示副画素及び青色表示副画素が駆動され、補助信号によって白色表示副画素が駆動される。
【0004】
ブラックマトリクスが設けられていないカラーフィルター(便宜上、『ブラックマトリクス・レス・カラーフィルター』と呼ぶ)を用いる画像表示装置が周知である。ブラックマトリクスを設けないことで、所謂高開口率(高透過率)を達成することが可能となる。このような画像表示装置にあっては、隣接する副画素に対応するカラーフィルター層を重ね合わせることで、ブラックマトリクスの代替としての遮光部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3167026号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した1つの画素を4種類の副画素から構成する場合において、ブラックマトリクス・レス・カラーフィルターを採用した場合、白色発光の第4副画素の周辺においては遮光部が形成されていないが故に、図1の(C)及び図2の(B)に概念的な一部断面図を示すように、視野角に依存した色シフト(視野角を振って画像表示装置において画像を観察した場合、見る角度、方向によって表示される画像の色にシフトが生じる現象)、あるいは、混色といった問題が生じる。即ち、カラー画像表示装置における画像を斜め上方から眺めたとき、第4副画素を通過した光の一部が第1副画素あるいは第2副画素に侵入してしまい、第4副画素に色が付いているように見えてしまう。尚、図1の(B)、(C)、及び、図2の(A)、(B)において、点線で囲み、「黒」と表示した領域は、カラー画像表示装置における画像を斜め上方から眺めたとき、黒く見える領域であり、遮光領域あるいは遮光部に相当する。
【0007】
また、図3の(B)に概念的な一部断面図を示すように、白色発光の第4副画素周辺における配線反射が大きく、画質劣化等が生じるといった問題がある。即ち、矢印「b」で示される外光がカラー画像表示装置に入射し、配線24に衝突し、配線24によって反射されても、遮光部によって遮られ、外部に出射されることはない。然るに、矢印「B」で示される外光がカラー画像表示装置に入射し、配線24に衝突し、配線24によって反射されたとき、遮光部が存在しないが故に、外部に出射されてしまい、画質劣化等が生じる。
【0008】
従って、本発明の目的は、所謂開口率(高透過率)の大きな低下を招き難く、しかも、視野角に依存した色シフトあるいは混色、配線反射といった問題が生じ難い画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の画像表示装置は、
第1原色の光を通過させる第1カラーフィルターを備え、第1原色を表示する第1副画素、
第2原色の光を通過させる第2カラーフィルターを備え、第2原色を表示する第2副画素、
第3原色の光を通過させる第3カラーフィルターを備え、第3原色を表示する第3副画素、及び、
第4の色を表示する第4副画素、
が2次元マトリクス状に配列されて成る画像表示パネルを備えた画像表示装置であって、
各第4副画素の周縁部の少なくとも一部に遮光領域が設けられている。
【0010】
尚、『第4副画素の周縁部』には、第4副画素に隣接する副画素と第4副画素との境界領域が含まれる。即ち、『第4副画素の周縁部の少なくとも一部に遮光領域が設けられている』とは、第4副画素に隣接する副画素と第4副画素との境界領域の少なくとも一部に遮光領域が設けられていると同意である。以下の説明においても同様である。
が含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像表示装置にあっては、各第4副画素の周縁部の少なくとも一部に遮光領域が設けられているので、視野角に依存した色シフトあるいは混色といった問題が生じることを防止することができるし、第4副画素周辺における配線反射が大きく、画質劣化等が生じることも防止することができる。また、画像表示装置の組立時の合わせズレによる色シフトあるいは混色の発生も、遮光領域を設けることで、効果的に防ぐことができる。そして、画質を損なうことなく画像表示装置の輝度のダイナミックレンジ拡大若しくは低消費電力化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1の(A)は、実施例1の画像表示装置の概念的な一部断面図であり、図1の(B)は、視野角に依存した色シフトあるいは混色の発生の有無を説明するための実施例1の画像表示装置の概念的な一部断面図であり、図1の(C)は、視野角に依存した色シフトあるいは混色の発生の有無を説明するための従来のブラックマトリクス・レス・カラーフィルターを採用した画像表示装置の概念的な一部断面図である。
図2図2の(A)は、視野角に依存した色シフトあるいは混色の発生の有無を説明するための実施例1の画像表示装置の概念的な一部断面図であり、図2の(B)は、視野角に依存した色シフトあるいは混色の発生の有無を説明するための従来のブラックマトリクス・レス・カラーフィルターを採用した画像表示装置の概念的な一部断面図である。
図3図3の(A)は、配線反射の発生の有無を説明するための実施例1の画像表示装置の概念的な一部断面図であり、図3の(B)は、配線反射の発生の有無を説明するための従来のブラックマトリクス・レス・カラーフィルターを採用した画像表示装置の概念的な一部断面図である。
図4図4は、実施例1の画像表示装置を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図5図5は、実施例1の画像表示装置の変形例(1)を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図6図6は、実施例1の画像表示装置の変形例(2)を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図7図7は、実施例1の画像表示装置の変形例(3)を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図8図8は、実施例1の画像表示装置の変形例(4)を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図9図9の(A)及び(B)は、実施例2の画像表示装置及びその変形例(1)を構成する画像表示パネルにおける各画素の配置を模式的に示す図である。
図10図10の(A)及び(B)は、実施例2の画像表示装置の変形例(2)及び変形例(3)を構成する画像表示パネルにおける各画素の配置を模式的に示す図である。
図11図11は、実施例2の画像表示装置の変形例(4)を構成する画像表示パネルにおける各画素の配置を模式的に示す図である。
図12図12は、実施例3の画像表示装置を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図13図13は、実施例3の画像表示装置の変形例(1)を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図14図14は、実施例3の画像表示装置の変形例(2)を構成する画像表示パネルにおける各画素、画素群の配置を模式的に示す図である。
図15図15は、実施例1の画像表示装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本発明の画像表示装置、全般に関する説明
2.実施例1(本発明の画像表示装置、本発明の第1の形態の画像表示装置及び第1の構成)
3.実施例2(実施例1の変形、本発明の第1の形態の画像表示装置及び第2の構成)
4.実施例3(実施例1の変形、本発明の第1の形態の画像表示装置及び第3の構成)
5.実施例4(実施例1の変形、本発明の第2の形態の画像表示装置)
6.実施例5(実施例1の変形、本発明の第3の形態の画像表示装置)、その他
【0014】
[本発明の画像表示装置、全般に関する説明]
本発明の画像表示装置においては、各第4副画素の全周縁部に遮光領域が設けられている形態とすることができる。あるいは又、各第4副画素の周縁部の一部に、遮光領域が設けられている形態とすることができ、これによって、より一層高い開口率(高い透過率)を達成することが可能となる。そして、この場合、第4副画素の周縁部の一辺において、遮光領域は、連続状である形態とすることもできるし、不連続状である形態とすることもできる。
【0015】
上記の各種の好ましい形態を含む本発明の画像表示装置において、第1副画素は赤色を表示し、第2副画素は緑色を表示し、第3副画素は青色を表示し、第4副画素は白色を表示する形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『本発明の第1の形態の画像表示装置』と呼ぶ。
【0016】
そして、本発明の第1の形態の画像表示装置において、第1副画素と第4副画素とは隣接しており、遮光領域は、隣接する第1副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている構成とすることができ、また、このような構成を含む本発明の第1の形態の画像表示装置において、第2副画素と第4副画素とは隣接しており、遮光領域は、隣接する第2副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている構成とすることができる。
【0017】
尚、隣接する副画素と面する第4副画素の周縁部には、隣接する副画素と第4副画素との境界領域が包含される。即ち、『遮光領域は、隣接する副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている』とは、遮光領域が、第4副画素に隣接する副画素と第4副画素との境界領域に設けられていると同意である。以下の説明においても同様である。
【0018】
あるいは又、上記の各種の好ましい形態を含む本発明の画像表示装置において、第1副画素は赤色を表示し、第2副画素は緑色を表示し、第3副画素は青色を表示し、第4副画素は、黄色の光を通過させる第4カラーフィルターを備え、黄色を表示する形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『本発明の第2の形態の画像表示装置』と呼ぶ。第4副画素をこのような構成とすることで、色再現性の向上、透過率の一層の向上を図ることができる。
【0019】
そして、本発明の第2の形態の画像表示装置において、第1副画素と第4副画素とは隣接し、且つ、第2副画素と第4副画素とは隣接しており、遮光領域は、隣接する第1副画素及び第2副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている構成とすることができる。一般に、黄色は第3カラーフィルターによって吸収されるので、第3カラーフィルターと第4カラーフィルターの延在部の2層構造、あるいは又、第3カラーフィルターの延在部と第4カラーフィルターの2層構造によって、遮光部としての機能を果たすことができるが、黄色は第1カラーフィルターあるいは第2カラーフィルターによって吸収されないからである。
【0020】
あるいは又、上記の各種の好ましい形態を含む本発明の画像表示装置において、第1副画素は赤色を表示し、第2副画素は緑色を表示し、第3副画素は青色を表示し、第4副画素は、シアン色の光を通過させる第4カラーフィルターを備え、シアン色を表示する形態とすることができる。尚、このような形態を、便宜上、『本発明の第3の形態の画像表示装置』と呼ぶ。第4副画素をこのような構成とすることで、色再現性の向上を図ることができる。
【0021】
そして、本発明の第3の形態の画像表示装置において、第2副画素と第4副画素とは隣接し、且つ、第3副画素と第4副画素とは隣接しており、遮光領域は、隣接する第2副画素及び第3副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている構成とすることができる。一般に、シアン色は第1カラーフィルターによって吸収されるので、第1カラーフィルターと第4カラーフィルターの延在部の2層構造、あるいは又、第1カラーフィルターの延在部と第4カラーフィルターの2層構造によって、遮光部としての機能を果たすことができるが、シアン色は第2カラーフィルターあるいは第3カラーフィルターによって吸収されないからである。
【0022】
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本発明の画像表示装置において、第4副画素同士は隣接しており、遮光領域は、隣接する第4副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている構成とすることができる。
【0023】
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本発明の画像表示装置において、視差を考慮すると、遮光領域はカラーフィルターの光出射面側に設けられていることが好ましい。但し、これに限定するものではなく、遮光領域をカラーフィルターの光入射面側に設けてもよい。
【0024】
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の表示装置において、
第1副画素、第2副画素及び第3副画素から第1の画素が構成されており、
第1副画素、第2副画素及び第4副画素から第2の画素が構成されており、
第1の画素及び第2の画素から画素群が構成されており、
画像表示パネルは、画素群が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、『第1の構成の本発明の画像表示装置』と呼ぶ。あるいは又、
第1副画素、第2副画素、第3副画素及び第4副画素から画素が構成されており、
画像表示パネルは、画素が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、『第2の構成の本発明の画像表示装置』と呼ぶ。あるいは又、
第1副画素、第2副画素及び第3副画素から第1の画素が構成されており、
第1副画素、第2副画素及び第3副画素から第2の画素が構成されており、
画素群は、第1の画素、第2の画素、及び、第1の画素と第2の画素との間に配置された第4副画素から構成されており、
画像表示パネルは、画素群が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、『第3の構成の本発明の画像表示装置』と呼ぶ。
【0025】
第4副画素は、1種類に限定されない。例えば、第4副画素を、白色を表示する副画素と黄色を表示する副画素の組合せから構成してもよいし、白色を表示する副画素とシアン色を表示する副画素の組合せから構成してもよい。
【0026】
遮光領域は、例えば、ポリイミド樹脂やアクリル樹脂、感光性ポリイミド樹脂、感光性アクリル樹脂等の樹脂に、顔料や染料、着色剤を添加した周知の材料に基づき、リソグラフィ技術や印刷法等の周知の方法に基づき形成すればよいし、あるいは又、物理的気相成長法や化学的気相成長法とパターニング技術との組合せに基づき形成すればよい。具体的には、例えば、金属材料(Cr、Ni、Mo、Al、Ta等、あるいは、その合金等)を用いて、スパッタリング法や蒸着法等とパターニング技術との組合せに基づき形成することができる。遮光領域の大きさ、形状は、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、例えば、画像表示装置の発光領域から出射された光を不所望に遮らない大きさ、形状とすればよい。具体的には、例えば、後述する配線の幅と同程度の幅の発光領域とすればよい。
【0027】
画像表示装置、それ自体の構成、構造は、周知の構成、構造とすればよい。
【0028】
副画素の配列状態として、例えば、デルタ配列(トライアングル配列)に類似した配列、ストライプ配列に類似した配列、ダイアゴナル配列(モザイク配列)に類似した配列、レクタングル配列に類似した配列を挙げることができる。一般的には、ストライプ配列に類似した配列は、パーソナルコンピュータ等においてデータや文字列を表示するのに好適である。これに対して、モザイク配列に類似した配列は、ビデオカメラレコーダやデジタルスチルカメラ等において自然画を表示するのに好適である。
【0029】
画像表示装置として、直視型あるいはプロジェクション型のカラー表示の画像表示装置、フィールドシーケンシャル方式のカラー表示の画像表示装置(直視型あるいはプロジェクション型)を挙げることができる。尚、画像表示装置を構成する画素の数は、画像表示装置に要求される仕様に基づき、決定すればよい。また、画像表示装置に要求される仕様に基づき、ライト・バルブを更に備えている構成とすることができる。
【0030】
画像表示装置は、カラー液晶表示装置に限定するものではなく、その他、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)、無機エレクトロルミネッセンス表示装置(無機EL表示装置)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED)、表面伝導型電子放出表示装置(SED)、プラズマ表示装置(PDP)、CRT等を挙げることができる。また、カラー液晶表示装置も、透過型の液晶表示装置に限定するものではなく、反射型の液晶表示装置、半透過型の液晶表示装置とすることもできる。
【実施例1】
【0031】
実施例1は、本発明の画像表示装置に関し、より具体的には、本発明の第1の形態の画像表示装置及び第1の構成の本発明の画像表示装置に関する。尚、以下の実施例においては、第1副画素Rは赤色を表示し、第2副画素Gは緑色を表示し、第3副画素Bは青色を表示するとする。
【0032】
実施例1の画像表示装置10の概念的な一部断面図を図1の(A)に示し、画像表示パネル11における各画素の配置を図4図5図6図7あるいは図8に模式的に示す。実施例1、あるいは後述する実施例2〜実施例5の画像表示装置10は、具体的にはカラー表示の透過型の液晶表示装置であり、
第1原色(赤色)の光を通過させる第1カラーフィルター31を備え、第1原色を表示する第1副画素R、
第2原色(緑色)の光を通過させる第2カラーフィルター32を備え、第2原色を表示する第2副画素G、
第3原色(青色)の光を通過させる第3カラーフィルター33を備え、第3原色を表示する第3副画素B、及び、
第4の色を表示する第4副画素、
が2次元マトリクス状に配列されて成る画像表示パネル11を備えている。そして、各第4副画素の周縁部の少なくとも一部に遮光領域40が設けられている。尚、遮光領域40は、カラーフィルターの光出射面側に設けられている。
【0033】
透過型の液晶表示装置は、例えば、透明第1電極を備えたフロント・パネル、透明第2電極を備えたリア・パネル、及び、フロント・パネルとリア・パネルとの間に配された液晶材料23から成る。
【0034】
フロント・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第1の基板21と、第1の基板21の内面に設けられた透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第1の基板21の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。更には、透過型のカラー液晶表示装置においては、第1の基板21の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。そして、フロント・パネルは、更に、オーバーコート層上に透明第1電極が形成された構成を有している。尚、透明第1電極上には配向膜が形成されている。一方、リア・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第2の基板22と、第2の基板22の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第2の基板22の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。透明第2電極を含む全面には配向膜が形成されている。これらの透過型のカラー液晶表示装置を含む液晶表示装置を構成する各種の部材や液晶材料23は、周知の部材、材料から構成することができる。スイッチング素子として、単結晶シリコン半導体基板に形成されたMOS型FETや薄膜トランジスタ(TFT)といった3端子素子や、MIM素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。第2の基板22の内面には、スイッチング素子を駆動するための配線24が設けられている。尚、上述したとおり、第1原色を通過させる第1カラーフィルター、第2原色を通過させる第2カラーフィルター、及び、第3原色を通過させる第3カラーフィルターは、第1の基板側に配設されている。また、図面においては、第1の基板21、第2の基板22、液晶材料23、配線24のみを図示し、その他の構成要素の図示は省略した。
【0035】
2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)あるいは後述する画素群を構成する画素の数P0×Q0[水平方向にP0個、垂直方向にQ0個]を(P0,Q0)で表記したとき、(P0,Q0)の値として、具体的には、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
【0036】
図15に概念図を示すように、実施例1の画像表示装置10は、画像表示パネル11と信号処理部12とを備えている。また、実施例1の画像表示装置組立体は、画像表示装置10と、画像表示装置(具体的には、画像表示パネル11)を背面から照明する面状光源装置16を具備している。
【0037】
実施例1において、信号処理部12は、画像表示パネル(より具体的には、カラー液晶表示パネル)11を駆動するための画像表示パネル駆動回路13、及び、面状光源装置16を駆動するための面状光源装置制御回路17を備えており、画像表示パネル駆動回路13は、信号出力回路14及び走査回路15を備えている。尚、走査回路15によって、画像表示パネル11における副画素の動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、TFT)がオン/オフ制御される。一方、信号出力回路14によって、映像信号が保持され、順次、画像表示パネル11に出力される。信号出力回路14と画像表示パネル11とは、配線DTL(配線24)によって電気的に接続されており、走査回路15と画像表示パネル11とは、配線SCL(配線24)によって電気的に接続されている。後述する種々の実施例においても同様とすることができる。第1副画素、第2副画素、第3副画素、第4副画素は、周知の駆動方法に基づき駆動すればよい。
【0038】
面状光源装置は、2種類の面状光源装置(バックライト)のいずれか、即ち、例えば実開昭63−187120や特開2002−277870に開示された直下型の面状光源装置、並びに、例えば特開2002−131552に開示されたエッジライト型(サイドライト型とも呼ばれる)の面状光源装置とすることができる。また、面状光源装置16を構成する光源として、発光素子、具体的には、発光ダイオード(LED)を挙げることができる。発光ダイオードから成る発光素子は占有体積も小さく、複数の発光素子を配置するのに好適である。発光素子としての発光ダイオードとして、白色発光ダイオード(例えば、紫外又は青色発光ダイオードと発光粒子とを組み合わせて白色を発光する発光ダイオード)から構成することができる。あるいは又、赤色(例えば、主発光波長640nm)を発光する赤色発光素子(例えば、発光ダイオード)、緑色(例えば、主発光波長530nm)を発光する緑色発光素子(例えば、GaN系発光ダイオード)、及び、青色(例えば、主発光波長450nm)を発光する青色発光素子(例えば、GaN系発光ダイオード)の組合せから構成することもできる。赤色、緑色、青色以外の第4番目の色、第5番目の色・・・を発光する発光素子を更に備えていてもよい。あるいは又、面状光源装置の光源として、冷陰極線型の蛍光ランプ(CCFL)、熱陰極線型の蛍光ランプ(HCFL)あるいは外部電極型の蛍光ランプ(EEFL,External Electrode Fluorescent Lamp)を用いることもできる。
【0039】
面状光源装置の駆動方法、駆動条件は特に限定するものではなく、光源を一括して制御してもよい。即ち、例えば、複数の発光素子を同時に駆動してもよい。あるいは又、複数の発光素子を部分駆動(分割駆動)してもよい。即ち、面状光源装置を複数の面状光源ユニットから構成する場合、画像表示パネルの表示領域をS×T個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときのこれらのS×T個の表示領域ユニットに対応したS×T個の面状光源ユニットから面状光源装置を構成し、S×T個の面状光源ユニットの発光状態を個別に制御する構成としてもよい。
【0040】
(P0,Q0)の値と(S,T)の値との関係として、限定するものではないが、以下の表1に例示することができる。1つの表示領域ユニットを構成する画素の数として、20×20乃至320×240、好ましくは、50×50乃至200×200を例示することができる。表示領域ユニットにおける画素の数は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。
【0041】
【0042】
実施例1〜実施例3において、第4副画素Wは白色を表示するとする。第4副画素Wにはカラーフィルターは備えられていない。ここで、第4副画素Wには、カラーフィルターの代わりに透明な樹脂層が備えられていてもよく、これによって、カラーフィルターを設けないことによって第4副画素Wに大きな段差が生じることを防止することができる。後述する実施例2〜実施例3においても同様とすることができる。
【0043】
そして、実施例1にあっては、各第4副画素Wの全周縁部に遮光領域40が設けられている。即ち、各第4副画素Wの全周縁部に亙って、遮光領域40が連続して設けられている。あるいは又、実施例1にあっては、各第4副画素Wの周縁部の一部に、遮光領域40が設けられている。そして、設けられた遮光領域40は、第4副画素Wの周縁部の一辺において連続状である。
【0044】
図4図5図6図7あるいは図8に示すように、実施例1の画像表示装置10にあっては、
第1副画素R、第2副画素G及び第3副画素Bから第1の画素Px1が構成されており、
第1副画素R、第2副画素G及び第4副画素Wから第2の画素Px2が構成されており、
第1の画素Px1及び第2の画素Px2から画素群が構成されており、
画像表示パネル11は、画素群が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る。尚、図面においては、第1の画素Px1を実線で囲み、第2の画素Px2を点線で囲んでいる。
【0045】
尚、第3副画素Bを青色を表示する副画素としたが、これは、青色の視感度が緑色の視感度と比較して約1/6であり、画素群において青色を表示する副画素の数を半分としても大きな問題が生じないが故である。
【0046】
ここで、図4図5あるいは図6に示すように、第2の方向に沿って、第1の画素Px1と第2の画素Px2とが隣接して配置されている。そして、第2の方向に沿って、第4副画素Wと第3副画素Bとは隣接して配置されている。あるいは又、図7あるいは図8に示すように、第1の方向に沿って、第1の画素Px1と第2の画素Px2とが隣接して配置されている。そして、第2の方向に沿って、第2の画素Px2と第2の画素Px2が隣接して配置され、第4副画素Wと第4副画素Wとは隣接して配置されている。
【0047】
尚、図4及び図7に示す例にあっては、各第4副画素Wの全周縁部に遮光領域40が設けられている。
【0048】
また、図5図6及び図8に示す例にあっては、各第4副画素Wの周縁部の一部に遮光領域40が設けられている。具体的には、第1副画素Rと第4副画素Wとは隣接しており、遮光領域40は、隣接する第1副画素Rと面する第4副画素Wの周縁部に設けられている。更には、第2副画素Gと第4副画素Wとは隣接しており、遮光領域40は、隣接する第2副画素Gと面する第4副画素Wの周縁部に設けられている。尚、図8に示す例にあっては、隣接する第4副画素Wと面する第4副画素Wの周縁部(第1の方向に沿った周縁部)には遮光領域40は設けられていない。そして、隣接する第4副画素Wにおいて、遮光領域40が、第2の方向に沿って連続的に設けられている。
【0049】
ここで、第2の方向に沿って、第1の画素Px1を構成する第1副画素Rと第2の画素Px2を構成する第1副画素Rとは隣接して配置されていてもよいし、隣接して配置されていなくともよい。同様に、第2の方向に沿って、第1の画素Px1を構成する第2副画素Gと第2の画素Px2を構成する第2副画素Gとは隣接して配置されていてもよいし、隣接して配置されていなくともよい。
【0050】
第1副画素Rと第2副画素Gとの境界領域、第1副画素Rと第3副画素Bとの境界領域、第2副画素Gと第3副画素Bとの境界領域には、遮光領域は設けられていない。そして、第1副画素Rと第2副画素Gとの境界領域には第2カラーフィルター32の延在部32Aが延び、第2カラーフィルター32の延在部32Aと第1カラーフィルター31との2層構造となっている。また、第1副画素Rと第3副画素Bとの境界領域には第3カラーフィルター33の延在部33Aが延び、第3カラーフィルター33の延在部33Aと第1カラーフィルター31との2層構造となっている。更には、第2副画素Gと第3副画素Bとの境界領域には第3カラーフィルター33の延在部33A’が延び、第3カラーフィルター33の延在部33A’と第2カラーフィルター32との2層構造となっている。そして、これらの2層構造によって、遮光部としての機能を果たすことができる。但し、2層構造を構成するカラーフィルターの延在部は例示であり、適宜、変更することができる。
【0051】
図1の(B)及び図2の(A)に、視野角に依存した色シフトあるいは混色の発生の有無を説明するための実施例1の画像表示装置10の概念的な一部断面図を示し、図1の(C)及び図2の(B)に、視野角に依存した色シフトあるいは混色の発生の有無を説明するための従来のブラックマトリクス・レス・カラーフィルターを採用した画像表示装置の概念的な一部断面図を示す。また、図3の(A)に、配線反射の発生の有無を説明するための実施例1の画像表示装置の概念的な一部断面図を示し、図3の(B)に、配線反射の発生の有無を説明するための従来のブラックマトリクス・レス・カラーフィルターを採用した画像表示装置の概念的な一部断面図を示す。
【0052】
図1の(B)及び図2の(A)、並びに、図1の(C)及び図2の(B)に示すように、このような構成の実施例1の画像表示装置10にあっては、視野角に依存した色シフトあるいは混色といった問題が生じ難いし、図3の(A)及び(B)に示すように、白色発光の第4副画素Wの周辺における配線反射を防止することができるので、画質劣化等が生じることもない。
【0053】
即ち、カラー画像表示装置における画像を斜め上方から眺めたとき、遮光領域40が設けられているが故に、第4副画素Wを通過した光の一部が第1副画素Rあるいは第2副画素Gに侵入してしまい、第4副画素に色が付いているように見えてしまうといった現象の発生を効果的に防止することができる。また、矢印「a」で示される外光がカラー画像表示装置に入射し、配線24に衝突し、配線24によって反射されても、カラーフィルターの2層構造によって遮られ、外部に出射されることはない。加えて、矢印「A」で示される外光がカラー画像表示装置に入射しても、遮光領域40によって、それ以上の侵入が防がれる結果、配線24に衝突することがなく、画質劣化等が生じることがない。更には、全ての副画素に遮光領域を設けているのではないが故に、開口率(高透過率)の大きな低下を招くこともない。また、第1の基板21と第2の基板22のセル合わせズレによる色シフトあるいは混色の発生も、遮光領域40を設けることで、効果的に防ぐことができる。
【0054】
尚、第3副画素Bと第4副画素Wには、以下の理由によって、遮光領域40を設ける必要がない場合がある。即ち、従来のブラックマトリクス・レス・カラーフィルターを採用した画像表示装置において、第4副画素に隣接する各副画素側から観察した場合の第4副画素が表示する色の色度座標における変化量を測定した。その結果、青色を表示する青色表示副画素(第3副画素側)側から観察した場合、第4副画素が表示する色の色度座標は黒体軌跡と概ね一致し、ニュートラルな色変化であった。一方、赤色を表示する赤色表示副画素側(第1副画素側)及び緑色を表示する緑色表示副画素側(第2副画素側)から観察した場合、第4副画素が表示する色の色度座標は黒体軌跡から大きく逸脱しており、ニュートラルな色変化からのずれが大きかった。従って、色シフト軽減効果を効果的に得るためには、第1副画素Rと第4副画素Wとの間、及び/又は、第3副画素Bと第4副画素Wとの間に遮光領域40を設けることが好ましいことが判明した。
【実施例2】
【0055】
実施例2は、実施例1の変形であるが、より具体的には、本発明の第1の形態の画像表示装置及び第2の構成の本発明の画像表示装置に関する。実施例2の画像表示装置においては、第1副画素R、第2副画素G、第3副画素B及び第4副画素Wから画素が構成されており、画像表示パネルは、画素が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る。
【0056】
具体的には、図9の(A)、(B)、及び、図10の(A)、(B)に示す例にあっては、矩形形状の1画素における第1象限、第2象限、第3象限及び第4象限に、第1副画素R、第2副画素G、第3副画素B、第4副画素Wが配置されている。但し、どの象限にどの副画素を配置するかは、本質的に任意である。
【0057】
ここで、図9の(A)に示す例にあっては、各第4副画素Wの全周縁部に遮光領域40が設けられている。即ち、各第4副画素Wの全周縁部に亙って、遮光領域40が連続して設けられている。
【0058】
また、図9の(B)、図10の(A)及び(B)に示す例にあっては、各第4副画素Wの周縁部の一部に遮光領域40が設けられている。具体的には、図9の(B)に示す例にあっては、第2副画素Gと第4副画素Wとは隣接しており、遮光領域40は、隣接する第2副画素Gと面する第4副画素Wの周縁部に設けられている。一方、図10の(A)に示す例にあっては、第1副画素Rと第4副画素Wとは隣接しており、遮光領域40は、隣接する第1副画素Rと面する第4副画素Wの周縁部に設けられている。更には、図10の(B)に示す例にあっては、第1副画素Rと第4副画素Wとは隣接しており、遮光領域40は、隣接する第1副画素Rと面する第4副画素Wの周縁部に設けられており、且つ、第2副画素Gと第4副画素Wとは隣接しており、遮光領域40は、隣接する第2副画素Gと面する第4副画素Wの周縁部に設けられている。
【0059】
図11に、実施例2の変形例の画像表示パネルにおける各画素の配置を模式的に示す。図11に示す例にあっては、第1の方向に沿って、第1副画素R、第2副画素G、第3副画素B及び第4副画素Wが配列され、1つの画素を構成する。ここで、遮光領域40は、隣接する第4副画素と面する第4副画素の周縁部にも設けられている。また、遮光領域40は、隣接する第1副画素Rと面する第4副画素Wの周縁部にも設けられている。即ち、第4副画素Wの4つの辺の内、3つの辺に相当する周縁部に遮光領域40が設けられている。尚、第1の方向に沿った、第1副画素R、第2副画素G、第3副画素B及び第4副画素Wの配列順は、本質的に任意である。
【0060】
以上に説明した点を除き、実施例2の画像表示装置は、実施例1にて説明した画像表示装置と同様の構成、構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0061】
実施例3も、実施例1の変形であるが、より具体的には、本発明の第1の形態の画像表示装置及び第3の構成の本発明の画像表示装置に関する。実施例3の画像表示装置においては、図12図13あるいは図14に示すように、
第1副画素R、第2副画素G及び第3副画素Bから第1の画素Px1が構成されており、
第1副画素R、第2副画素G及び第3副画素Bから第2の画素Px2が構成されており、
画素群は、第1の画素Px1、第2の画素Px2、及び、第1の画素Px1と第2の画素Px2との間に配置された第4副画素Wから構成されており、
画像表示パネルは、画素群が第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されて成る。
【0062】
尚、実施例3にあっては、具体的には、画素群PGは、第1の画素Px1及び第2の画素Px2から構成されており、画素群PGを構成する画素の数をp0としたとき、p0=2である。但し、p0=2に限定するものではなく、p0≧3とすることもできる。各画素群PGにおいて、第1の画素Px1と第2の画素Px2との間に第4の色(実施例3にあっては、具体的には白色)を表示する第4副画素Wが配置されている。
【0063】
そして、図12に示す例にあっては、第2の方向に沿って、第1の画素Px1と第1の画素Px1とは隣接しており、第2の方向に沿って第4副画素Wは隣接していない。即ち、第2の方向に沿って、第2の画素Px2と第4副画素Wとは、交互に配置されている。このような第2の画素Px2と第4副画素Wとの交互の配置により、画素ピッチにも依るが、第4副画素Wの存在に起因して画像に筋状のパターンが認められることを、確実に防ぐことができる。
【0064】
一方、図13に示す例にあっては、第2の方向に沿って、第1の画素Px1と第2の画素Px2とは隣接しており、第2の方向に沿って第4副画素Wは隣接していない。即ち、第2の方向に沿って、第2の画素Px2と第4副画素Wとは、交互に配置されている。
【0065】
更には、図14に示す例にあっては、第2の方向に沿って、第1の画素Px1と第1の画素Px1とは隣接しており、第2の画素Px2と第2の画素Px2とは隣接しており、第4副画素Wと第4副画素Wとは隣接している。
【0066】
以上に説明した点を除き、実施例3の画像表示装置は、実施例1にて説明した画像表示装置と同様の構成、構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0067】
実施例4も、実施例1の変形であるが、より具体的には、本発明の第2の形態の画像表示装置に関する。即ち、実施例4にあっては、第4副画素は、黄色の光を通過させる第4カラーフィルターを備え、黄色を表示し、遮光領域は、隣接する第1副画素及び第2副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている。第4副画素をこのような構成とすることで、色再現性の向上、透過率の一層の向上を図ることができる。この点を除き、実施例4の画像表示装置は、実施例1〜実施例3にて説明した画像表示装置と同様の構成、構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例5】
【0068】
実施例5も、実施例1の変形であるが、より具体的には、本発明の第3の形態の画像表示装置に関する。即ち、実施例5にあっては、第4副画素は、シアン色の光を通過させる第4カラーフィルターを備え、シアン色を表示し、遮光領域は、隣接する第2副画素及び第3副画素と面する第4副画素の周縁部に設けられている。第4副画素をこのような構成とすることで、色再現性の向上を図ることができる。この点を除き、実施例5の画像表示装置は、実施例1〜実施例3にて説明した画像表示装置と同様の構成、構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0069】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した画像表示装置、カラー液晶表示装置組立体、カラー液晶表示装置や面状光源装置の構成、構造は例示であるし、これらを構成する部材、材料等も例示であり、適宜、変更することができる。実施例においては、遮光領域を第1の基板側に設けたが、場合によっては、遮光領域を第2の基板側に設けてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10・・・画像表示装置、11・・・画像表示パネル、12・・・信号処理部、13・・・画像表示パネル駆動回路、14・・・信号出力回路、15・・・走査回路、16・・・面状光源装置、17・・・面状光源装置制御回路、21・・・第1の基板、22・・・第2の基板、23・・・液晶材料、24・・・配線、31・・・第1カラーフィルター、32・・・第2カラーフィルター、33・・・第3カラーフィルター、32A・・・第2カラーフィルターの延在部、33A,33A’・・・第3カラーフィルターの延在部、40・・・遮光領域、R・・・第1副画素、G・・・第2副画素、B・・・第3副画素、W・・・第4副画素、Px1・・・第1の画素、Px2・・・第2の画素
図1
図2
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