特許第5651010号(P5651010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5651010-フェニルアルキルシロキサンの製造方法 図000013
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651010
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】フェニルアルキルシロキサンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/08 20060101AFI20141211BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20141211BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20141211BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20141211BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20141211BHJP
   C09D 183/04 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   C08G77/08
   C08L83/04
   C08K5/00
   C08K3/00
   C09K3/10 G
   C09D183/04
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-511618(P2010-511618)
(86)(22)【出願日】2008年6月10日
(65)【公表番号】特表2010-529273(P2010-529273A)
(43)【公表日】2010年8月26日
(86)【国際出願番号】EP2008057244
(87)【国際公開番号】WO2008152042
(87)【国際公開日】20081218
【審査請求日】2010年12月27日
(31)【優先権主張番号】0711313.7
(32)【優先日】2007年6月11日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ コーニング コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利
(74)【代理人】
【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(72)【発明者】
【氏名】ギュベル、フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ロブリ、ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・スティプハウト、アンヌ−マリー
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第02432665(US,A)
【文献】 けい素樹脂 プラスチック材料講座6,日本,日刊工業新聞社,1961年 8月15日,p. 76 - 77, p. 79 - 83, p. 95 - 98
【文献】 シリコーンハンドブック,日本,日刊工業新聞社,1990年 8月31日,p. 344
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00−77/62
C08L 83/00−83/16
C08K 3/00−5/59
C09D 183/00−183/16
C09K 3/00−3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空下、200〜1000の平均MWを有する低MWフェニルアルキルシロキサンの量に基づいて50ppm以上の量で水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムアルコキシドおよびホスホニウムヒドロキシドの群から選ばれる1種以上のアルカリを含むアルカリ水溶液の存在下で該低MWフェニルアルキルシロキサンを重合することにより、該低MWフェニルアルキルシロキサンから、10,000を超える平均MWを有しかつケイ素原子のすべてがフェニル基と結合されている高MWフェニルアルキルシロキサンを製造する方法。
【請求項2】
前記低MWフェニルアルキルシロキサンのアルキル置換基が1〜6個の炭素原子を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低MWフェニルアルキルシロキサンが直鎖状であること、および/または、前記低MWフェニルアルキルシロキサンが−OH停止されていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルカリが水酸化アルカリ金属から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、初期は真空下で進み、その後、重合停止前は大気圧前後で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記重合反応が中和剤を用いて停止されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニルアルキルシロキサン、特にフェニルメチルシロキサンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェニルアルキルシロキサン、特にフェニルメチルシロキサンは当技術分野で、低いガス透過性を有し、ガスの浸入・浸出に対し空間を密閉するためのシーラント使用に特に適するものとして知られている。従って、25℃で少なくとも10000mPa・sの粘度、より好ましくは25℃で100000mPa・sを超える粘度を有するフェニルメチルシロキサンは、工業的に所望されるポリマーであるが、共重合体の形式以外で製造することは非常に困難であると知られていた。例えば、英国特許第2249552号は、周囲がシールされている空間内部にガス、例えばアルゴンを含有する複数のガラス窓枠を含む複合窓枠断熱ガラスユニットのシールに用いるシーラント組成物におけるフェニルメチルシロキサンの使用を開示している。断熱ガラスユニットからのアルゴンガスの浸出はユニットの内破をもたらすので、ユニットの十分な密閉が必要である。そのような極端な場合、シーラントはアルゴン、窒素および酸素に対してガス選択性を示す。この用途では、一般に使われているすべてのシーラント、例えばポリスルファイド、ポリウレタンおよびシロキサンをベースにしたものは、そのような選択性を示す。後者の場合、その作用はシロキサンマトリックスの極めて高いガス透過性によって強調される。
【0003】
高い分子量(MW)のフェニルアルキルシロキサンコポリマーは、慣習的に触媒、例えば水酸化アルカリ金属、塩化水素、ドデシルベンジルスルホン酸またはホスホニトリル化合物の存在下、−OH末端低MWフェニルメチルシロキサンおよび低MW−OH末端ジメチルシロキサン(およそ1100のMW)の重合により製造されている。低MW−OH末端ジチルシロキサンの不存在下では、高MWフェニルメチルシロキサンへの重合は起こらない。実際には、低MW−OH末端ジメチルシロキサンの不存在はフェニルメチルシロキサンの粘度低下をもたらし、低MW環状シロキサンの形成を示すこととなる。一方、低MW−OH末端ジメチルシロキサンの存在下では、純粋なフェニルメチルシロキサンよりもジメチル/フェニルメチルシロキサンコポリマーが形成される。
【0004】
高い分子量(MW)のフェニルエチルシロキサンを製造する一連の別方法が、粉末状アルカリ性触媒(ほとんどの場合粉末状水酸化ナトリウム)を用いる米国特許第2,432,665号に記載されている。典型的にはコポリマーは製造されないが、用いるプロセスは工業的に適するサイズのポリマーを得るために要する時間の長さにより実用的でなかった。幾つかの実施例では、得られたポリマーは小さすぎた(例えば、25℃で100000mPa・s未満の粘度)。しかし、適するサイズのポリマーを製造するには、その方法は受け入れ難いほどの長い反応時間、例えば100時間を超える時間を要した。このような非常に長いバッチ重合は工業的利用には実用的でない。アルカリ金属に対するSiの推奨原子比率は500:1と100:1との間の範囲である。それが、長時間の重合反応または受け入れ難いほどの小さいポリマーをもたらす方法を示す米国特許第2,432,665号等の開示であって、そのことが純粋なポリマーよりむしろコポリマーとしてフェニルアルキルシロキサンを工業的に製造することに当業者を導いたと理解されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低MW−OH末端ジメチルシロキサンの不存在下で、低MWフェニルアルキルシロキサンから高MWフェニルアルキルシロキサンを製造するための工業的に実用的な方法の提供を求めている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それ故、本発明により、真空下、200〜1000の平均MWを有する低MWフェニルアルキルシロキサンの量に基づいて50ppm以上の量で水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムアルコキシドおよびホスホニウムヒドロキシドの群から選ばれる1種以上のアルカリを含むアルカリ水溶液の存在下で低MWフェニルアルキルシロキサンを重合することにより、低MWフェニルアルキルシロキサンから、10,000を超える平均MWを有しかつ実質的にケイ素原子のすべてがフェニル基と結合されている高MWフェニルアルキルシロキサンを製造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】水酸化ナトリウム触媒を用いた系の粘度および水酸化カリウムを用いた系の粘度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
別段の表示がない限り、分子量および/またはMWへのすべての言及は、該当するオリゴマー/ポリマーの数平均分子量をさすと見なされるものとする。
【0009】
本発明者らはこのバルク重合方法はコモノマーおよび溶剤を必要とせず、前述されたよりも著しくより高速度で高分子量ポリマーの製造を可能にすることを見出した。
【0010】
上述のとおり、高MWフェニルアルキルシロキサンは、アルカリ、例えば水酸化アルカリ金属の存在下で−OH末端低MWフェニルメチルシロキサンおよび低MW−OH末端ジメチルシロキサンを重合することにより製造されていた。しかしながら、そのようなコポリマーを製造するこれらの従来法に用いられる触媒量は本発明の方法よりも約一桁少ない。従って、従来法では触媒は、典型的に本発明で使われる50ppm以上と比較して、10ppm、通常5ppmより少ない量で存在する。
【0011】
それ故、本発明の方法では、低MWフェニルアルキルシロキサンが重合されて高MWフェニルアルキルシロキサンを製造する。低MWフェニルアルキルシロキサンのアルキル置換基は好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、すなわちメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびヘキシル基(これらの構造異性体を含む)から選ばれ、特にメチル基が好ましい。
【0012】
本発明で用いられる低MWフェニルアルキルシロキサンは200〜1000、好ましくは400〜800、より好ましくは600〜800の平均MWを有することができる。特に好ましい低MWフェニルアルキルシロキサンは650〜750の平均MW、例えばおよそ700の平均MWを有するフェニルメチルシロキサンである。
【0013】
本発明で用いる好ましい低MWフェニルアルキルシロキサンは直鎖状であるが、わずかに分岐を有することができ、好ましくは−OH末端化されている。
【0014】
低MWフェニルアルキルシロキサンはアルカリ水溶液の存在下で重合される。好適なアルカリはアルカリ金属化合物、例えば水酸化アルカリ金属、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化ルビジウムが挙げられ、水酸化カリウムが好ましい。しかし、他のアルカリ、例えば水酸化アンモニウム、アルカリ土類金属化合物、例えば水酸化マグネシウムおよびカルシウムなど、水酸化テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムアルコキシド(例えばブトキシド)およびホスホニウムヒドロキシドも使用することができる。好ましくは水酸化テトラアルキルアンモニウム中に含まれる各アルキル基は同じでも異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を有し、例として水酸化シクロペンチルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチル(エチル)アンモニウムおよび水酸化ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムが挙げられる。テトラアルキルホスホニウムヒドロキシドは、例えばテトラエチルホスホニウムヒドロキシドを含み得る。好ましくはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドに含まれる各アルキル基は同じでも異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を有し、イソプロピルトリメチルホスホニウムヒドロキシドである。
【0015】
米国特許第2432665号の教示に反して、発明者らは劇的に大きいポリマーが短い反応時間で製造できることを意外なことに見出した。本発明による方法で水酸化カリウムの使用が予想外にあたかも二段階重合反応のように追加された利点を与えている。それにより、初期の重合は水酸化ナトリウムで重合される同じモノマーの重合よりも遅いが、ある時間後は段階変化があり、鎖長の増加速度が著しく増加する。
【0016】
縮合反応中に生じる水を除去するために、真空、典型的には動的真空を用いることが推奨される。
【0017】
さらに、発明者らは、得られる製造ポリマーは重合反応の初期に真空を施し、その後反応完了前に真空を取り除くことにより、少なくとも部分的にコントロールできることを確認した。真空は、反応の間、水および他の縮合副生成物を除去するために用いられる。時間の経過とともに、起こっている縮合反応の副生成物として製造される水の量は増加する。水または他の縮合副生成物の真空による抜取りは一般に重合速度を増加させる。しかし、重合プロセスが十分に機能すると、例えば15〜20分後に真空を取り除くと反応はゆっくりとなり、立ち代わって最終品の分子量(および粘度)をより良くコントロールすることができる。
【0018】
粘度と分子量との間に正比例関係があることはよく知られている。広範囲の研究の後に、発明者らは分子量Mnと粘度cP(mPa・s)との間に次の関係があることを確認した:
【0019】
【数1】
【0020】
この利点は水酸化カリウム水溶液で触媒化された重合プロセスに特に適していることが分かった。粘度の増加速度における段階変化の直前に真空を取り除くことができ、これが重合プロセスをコントロールされなくなることから防ぎ、先行技術の教示に反して工業的に応用できるポリマーの時宜に即した製造を可能にするからである。
【0021】
アルカリは、本発明で低MWフェニルアルキルシロキサンの量に基づいて少なくとも50ppmの量で使用される。本発明の方法に用いることができる触媒の量に対する理論的上限はないが、好ましい量は100ppmを超えて、より好ましくは300ppm以上である。50ppmから750ppmの範囲が特に好ましい。
【0022】
本発明の方法の重合反応は好ましくは70〜100℃、より好ましくは80〜90℃の温度で行われる。
【0023】
本発明の方法により製造される高MWフェニルアルキルシロキサンは実質的に純粋、すなわち実質的にケイ素原子のすべてがフェニル基と結合されている。重合反応はいつでも中和剤を用いて停止することができるが、高MWフェニルアルキルシロキサン製品は好ましくは10,000を超える、例えば30,000を超えるMWを有する。
【0024】
ジメチルシロキサンオリゴマーの完全な不存在下での純粋な低MWフェニルアルキルシロキサン(オリゴマー)の重合は、人間の多産性を害する微量の2,6−シス−ジフェニルヘキサアルキルシクロテトラシロキサンの形成を防ぐ利点を有する。結果として、本発明の方法で製造されたポリマーは測定可能な微量のこの中間体を好ましいことに有さないで、ジアルキル/フェニルアルキルシロキサンコポリマーが使用できない用途でそのポリマーの使用を可能にする。
【0025】
本発明の方法で製造された高MWフェニルアルキルシロキサンは、シーラント、特に断熱ガラスユニット(IGUs)用シーラントとして、その低ガス透過性のために有用であり、その特性は他の用途、例えばコンフォーマルコーティングおよび腐食防止でも有用である。フェニルアルキルシロキサンは、種々の他用途、例えば耐高温度性が有益である用途、例として、作動油、変圧器油、放射に曝される油および潤滑剤でも用いることができる。フェニルアルキルシロキサンフルイドの高屈折率のため、これらポリマーは例えば発光ダイオード(LEDs)レンズ、太陽電池およびアレイ用の光学接着剤、シーラントおよびコーティングならびに封止剤の処方に用いることができる。組成物はオプトエレクトロニクス部品を封止および保護する光学的透明性シリコーン材料を要する用途に良く適している。同材料は太陽電池もしくは発光ダイオード用、または他の光学部品で用いる封止剤として機能する。それには所望の基材への良好な接着および良好な機械的結着性を持たなければならない。
【0026】
太陽電池用途では、言うまでもなく封止はガラスと太陽電池との間でなされ、LEDではそれは半導体チップとガラスまたは樹脂であるレンズ/カバーとの間でなされることである。
【0027】
つやのある外観のため、またヘアーおよびスキン用パーソナルケア製品に用いられるローションの処方に用いることができる。それら特性は繊維および紙を処理するためのコーティング用としても有用である。
【0028】
本発明によるポリマーを含有する好ましいシーラントは一液または多液型のいずれかでユーザーに提供することができる(後者では使用直前にそれらが混ぜられる)。典型的にはそのような多液型組成物は、いずれのパートも使用前、混合されるまで事前硬化し得ないことを条件に任意の好適な組合せを有することができる。例えば、ポリマーおよび充填剤は一つのパートに存在し、架橋剤、接着促進剤(存在するなら)および触媒は二番目のパートにあるのがよい。本発明の方法で製造された高MWフェニルアルキルシロキサンを含む好ましいシーラント組成物は、10〜60%のOH末端フェニルアルキルシロキサン、好ましくはフェニルメチルシロキサン、0〜40%の可塑剤、例えば鉱物油、フタル酸エステルまたは低MWポリシロキサン、0〜10%のレオロジー添加剤、0〜85%の無機充填剤または無機充填剤の混合物、例えば炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、マイカまたはカオリン、0.1〜10%の架橋剤、0.01%〜5%の接着促進剤、および0.01〜5%のスズ、チタン、アルミニウム、ジルコニウムまたはビスマスベースの触媒を含む。
【0029】
任意の好適な架橋剤を使用することができる。それは1分子中に3個のケイ素結合加水分解性基を有するものであり;第四番目の基は適当な非加水分解性基である。これらケイ素結合有機基は適当なヒドロカルビル基であり、それは任意に例えばフッ素および塩素等のハロゲンで置換されている。そのような第四番目の基として、アルキル基(例えば、メチル、プロピル、およびブチルなど);シクロアルキル基(例えば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル等);アルケニル基(例えばビニルおよびアリル等);アリール基(例えば、フェニルおよびトリル等);アラルキル基(例えば2−フェニルエチル等)および前述の有機基中の水素のすべてまたは一部がハロゲンで置き換えることにより得られる基が挙げられる。しかしながら、好ましくは第四番目のケイ素結合有機基はメチルまたはエチルである。
【0030】
架橋剤の具体例として、アルキルトリアルコキシシラン例えばメチルトリメトキシシラン(MTM)およびメチルトリエトキシシランなど、アルケニルトリアルコキシシラン例えばビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランなど、イソブチルトリメトキシシラン(iBTM)が挙げられる。他の好適なシランとして、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アルコキシトリオキシモシラン、アルケニルトリオキシモシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジ−ブトキシジアセトキシシラン、フェニル−トリプロピオノキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニル−トリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、メチルトリス(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(イソプロペノキシ)シラン、エチルポリシリケート、オルトケイ酸n−プロピル、オルトケイ酸エチル、ジメチルテトラアセトキシシロキサンが挙げられる。
【0031】
架橋剤は、式:
【0032】
【化1】
【0033】
(式中、R1およびR4は一価炭化水素であり、R2およびR5はアルキル基またはアルコキシル化アルキル基であり、R3は二価炭化水素基であり、ならびにaおよびbは0または1である)のジシラアルカンを含んでもよい。具体例として、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,1−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,1−ビス(メチルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−トリメトキシシリル−2−メチルジメトキシシリルエタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、および1−ジメチルメトキシシリル−2−フェニルジエトキシシリルエタンが挙げられる。
【0034】
さらに、別の架橋剤として、アルキルアルケニルビス(N−アルキルアセトアミド)シラン例えばメチルビニルジ−(N−メチルアセトアミド)シランおよびメチルビニルジ−(N−エチルアセトアミド)シランなど;ジアルキルビス(N−アリールアセトアミド)シラン例えばジメチルジ−(N−メチルアセトアミド)シランおよびジメチルジ−(エチルアセトアミド)シランなど;アルキルアルケニルビス(N−アリールアセトアミド)シラン例えばメチルビニルジ(N−フェニルアセトアミド)シランなど;ならびにジアルキルビス(N−アリールアセトアミド)シラン例えばジメチルジ(N−フェニルアセトアミド)シランなどが挙げられる。用いる架橋剤は上記の二種以上の任意の組合せを含むこともできる。特に好ましい架橋剤はメチルトリメトキシシランである。
【0035】
用いる架橋剤は、上記の二種以上の任意の組み合わせを含むこともできる。
【0036】
任意の好適な接着促進剤が本発明によるシーラント組成物に組み込むことができる。それらには、例えばアミノアルコキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシランなどのアルコキシシランで、例として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびメルカプト−アルキルアルコキシシランおよびγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレンジアミンとシリルアクリレートとの反応生成物が挙げられる。ケイ素基含有イソシアヌラート、例えば1,3,5−トリス(トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌラートなどを追加的に使用してもよい。さらに好適な接着促進剤は、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのようなエポキシアルキルアルコキシシランと、3−アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ置換アルコキシシランならびに任意にメチルトリメトキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン、メルカプトアルキルアルコキシシアンおよびそれらの誘導体のようなアルキルアルコキシシランとの反応生成物である。
【0037】
本組成物を硬化するために任意の好適な縮合触媒を用いることができ、それらには、スズ、鉛、アンチモン、鉄、カドミウム、バリウム、マグネシウム、亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ガリウムまたはゲルマニウムおよびジルコニウムを含む縮合触媒が挙げられる。例として、有機スズ金属触媒例えばトリエチルスズタルトラート、スズオクトアート、スズオレアート、スズナフタート(tin naphthate),ブチルスズトリ−2−エチルヘキソアート、スズブチラート、カルボメトキシフェニルスズトリスベラート、イソブチルスズトリセロエート、およびジオルガノスズ塩特にジオルガノスズジカルボン酸塩化合物例えばジブチルスズジラウラート、ジメチルスズジブチラート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズジアセタート、ジメチルスズビスネオデカノアート、ジブチルスズジベンゾアート、オクタン酸錫、ジメチルスズジネオデコノアート(dimethyltin dineodeconoate)、ジブチルスズジオクトアートが挙げられ、それらのうちジブチルスズジラウラート、ジブチルスズジアセタートが特に好ましい。鉄、コバルト、マンガン、鉛および亜鉛の2−エチルヘキソアートを含む他の例も代替的に使用可能であるが、チタナートおよび/またはジルコネートベース触媒が好ましい。
【0038】
縮合硬化組成物中に架橋剤(b)としてオキシモシランまたはアセトキシシランを含有するシリコーンシーラント組成物は、一般に、硬化用スズ触媒、特にジブチルスズジラウラート、ジブチルスズジアセタート、ジメチルスズビスネドデカノアートのようなジオルガノスズジカルボン酸塩化合物を用いる。
【0039】
アルコキシシラン架橋剤化合物を含む組成物について、好ましい硬化触媒はMがチタンまたはジルコニウムである、すなわち触媒はチタナートまたはジルコネート化合物を含むものである。チタナート化合物は特に好ましい。そのようなチタナートは一般式Ti[OR]4(式中、各Rは同じでも異なっていてもよく、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖状または分岐状でもよい一価の第一級、第二級または第三級脂肪族炭化水素基を表す。任意でチタナートは部分的に不飽和基を含むことができる。しかし、Rの好ましい例として、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルおよび分岐状第二級アルキル基例えば2,4−ジメチル−3−ペンチルなどが挙げられる。好ましくは、各Rが同じであるなら、Rは非分岐状第二級アルキル基、分岐状第二級アルキル基またはtert−アルキル基、特にテトラブチルチタナート、テトライソプロピルチタナートのようなtert−ブチルである。
【0040】
誤解をさけるために、非分岐状第二級アルキル基は、分岐状第二級アルキル基が例えば2,4−ジメチル−3−ペンチルなどのように1個以上の炭素原子の従属鎖を有するのに対して、1個以上の炭素原子を含有する従属鎖を有さない直鎖状有機鎖、すなわちイソプロピル基を意味することを意図している。
【0041】
任意の好適なキレート化チタナートまたはジルコネートも使用することができる。好ましくは、用いるキレート化剤はモノケトエステル、例えばアセチルアセトナートおよびアルキルアセトアセトナートで、それらはキレート化チタナート、例えばジイソプロピルビス(アセチルアセトニル)チタナート、ジイソプロピルビス(エチルアセトアセトニル)チタナート、ジイソプロポオキシチタンビス(エチルアセトアセタート)などを生じさせる。好適な触媒の例はさらに欧州特許第1254192号および国際公開第2001/49774号に記載されており、それらは参照により本明細書に援用される。
【0042】
本発明は次の実施例を経て詳細に記述される。すべての粘度測定は、別段の表示がない限り、25℃で行われた。
【実施例】
【0043】
<比較例1−ドデシルベンジルスルホン酸(DBSA)触媒を用いた低MWフェニルメチルシロキサンの重合>
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、40℃に加熱し、脱気した。50gのDBSA触媒が加えられ、真空にされた。
【0044】
長い時間をかけても粘度増加は見られなかった。反応を高めようとして、OH−末端ジメチルシロキサンフルイド(平均MW1100)が段階的に加えられた:
10.65gのジメチルシロキサンフルイド
+59.67gのジメチルシロキサンフルイド
+61.94gのジメチルシロキサンフルイド
+62.17gのジメチルシロキサンフルイド
+62.17gのジメチルシロキサンフルイド
+62.75gのジメチルシロキサンフルイド
+62.70gのジメチルシロキサンフルイド
2時間後、粘度増加は見られなかった。
【0045】
<比較例2−ホスホニトリル触媒を用いた低MWフェニルメチルシロキサンの重合>
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560、粘度1000cP(mPa・s))をIKA混合機に入れ、70℃に加熱された。0.033gのホスホニトリル触媒(10ppm活性成分、30%ジクロロメタン)が加えられ、真空にされた。粘度増加は見られなかった。
【0046】
およそ1時間後、反応を高めるために触媒量を増やして加え、かつ温度を120℃に上昇させた。反応器は強力に泡立ち、水が反応器壁に凝縮したが、粘度増加は見られなかった。3時間後反応を止め、ブルックフィールド粘度が反応ポリマーについて500cP(mPa・s)と測定され、純粋なOH−末端フェニルメチルシロキサンの初期値1000cP(mPa・s)と比較された。この粘度低下は重合よりも環状化が起こったことを示唆している。
【0047】
<比較例3−水酸化カリウム触媒を用いた低MWフェニルメチルシロキサンとジメチルシロキサンフルイドとの重合>
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱し、脱気した。1.02gのKOH(0.1N)が加えられ、真空にされた。長い時間をかけても粘度増加は見られなかった。反応を高めようとして、261gのOH−末端ジメチルシロキサンフルイド(平均MW1100)が加えられた。溶液は乳白色になったが、粘度増加は見られなかった。1時間後さらに反応を高めるために、2gのKOH(0.1N)が加えられたが、何も効果がなかった。最後に多量のKOH(6g、1.0N)が反応をさらに高めようとして系に加えられた。10分後に乳白色溶液が透明溶液に変わり、フェニルメチルシロキサンとジメチルシロキサンとの間の結合が起こりつつあることを示した。20分後激しい泡立ちが見られ、粘度が急激に増加した。反応は25分後に停止された。コポリマー反応器から取り除かれ、23℃で測定された粘度は500,000cP(mPa・s)であった。
【0048】
<水酸化カリウム触媒を用いたジメチルシロキサンフルイドの不在下での低MWフェニルメチルシロキサンの重合>
〔実施例1〕
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱し、脱気した。6gのKOH(1N)が加えられ、真空にされた。30分後、粘度は急激に増加し、高い泡立ちが起こった。10分後アルカリ触媒は6gの酢酸(1N)で中和された。23℃で測定された粘度は100,000cP(mPa・s)であり、分子量はプロトンNMRにより約30,000と測定された。
【0049】
〔実施例2〕
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱し、脱気した。5.42gのKOH(1N)が加えられ、真空にされた。30分後、粘度は急激に増加し、高い泡立ちが起こった。アルカリ触媒は5.66gの酢酸で中和された。23℃で測定された粘度は反応直後に550,000cP(mPa・s)であり、反応から1日後に728,000cP(mPa・s)であり、反応から20日後に1,136,000cP(mPa・s)であり、反応から27日後に1,148,000cP(mPa・s)であった。
【0050】
〔実施例3〕
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱し、脱気した。4.22gのKOH(1N)が加えられ、真空にされた。10分後、泡立ちの形成が始まり、溶液は乳白色に変わった。さらに10分後0.5gの酢酸が加えられ、さらに14分後追加の酢酸0.41gが加えられた。23℃で測定された粘度は反応直後に13,050cP(mPa・s)であり、反応1日後に52,200cP(mPa・s)であり、反応2日後に49,600cP(mPa・s)であった。
【0051】
〔実施例4〕
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱し、脱気した。10分後4.74gのKOH(1N)が加えられ、真空にされた。5分以内に、泡立ちの形成が始まり、溶液は乳白色に変わった。15分後0.5gの酢酸が溶液に加えられ、さらに14分後さらに0.41gが加えられ、2分後さらに1.06gが続いた。23℃で測定された粘度は反応直後に37,300cP(mPa・s)(平均MW23,200)であり、反応20日後に189,200cP(mPa・s)であり、反応26日後に208,800cP(mPa・s)であった。
【0052】
〔実施例5〕
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱し、脱気した。1.02gのKOH(1N)が加えられ、真空にされた。5分以内に、泡立ちの形成が始まり、2時間20分以内に溶液は乳白色に変わった。20分後0.12gの酢酸が溶液に加えられ、20分後さらに0.1gが続いた。23℃で測定された粘度は反応1日後に136,400cP(mPa・s)(平均MW25,700)であり、反応20日後に189,200cP(mPa・s)であり、反応11日後に143,200cP(mPa・s)であった。
【0053】
〔実施例6〕
1kgのOH−末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱した。4.0gのKOH(1N)が加えられ、40分後真空にされ、泡立ちの形成が始まった。40分後にビス(トリメチルシリル)水素ホスファートとビス(トリメチルシリル)二水素ホスファートの70/30混合物1.34gを加えて、KOHを中和した。23℃で測定された粘度は反応1日後に34,900cP(mPa・s)(平均MW13,000)であり、反応12日後に39,000cP(mPa・s)に上昇した。
【0054】
〔実施例7〕
3kgのOH末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をMolteni混合機に入れ、90℃に加熱した。反応器に動的真空が10分間施された。11.90gのKOH(1N)が反応器に加えられ、攪拌混合物を25分間20mmHgに減圧した。その後、大気圧下で、さらに(a)10、(b)13、(c)15、(d)17分間攪拌された。その後、水希釈酢酸(10重量%)7.200gが加えられ、10分間攪拌された。動的真空が5分間施され、反応は停止された。(a)52,000cP(mPa・s)、(b)74,000cP(mPa・s)、(c)95,000cP(mPa・s)および(d)119,000cP(mPa・s)の粘度のポリマーそれぞれが得られた。
【0055】
〔実施例8〕
発明者らは水酸化ナトリウム水溶液および水酸化カリウム水溶液で触媒化された反応プロセスを比較した。1kgのOH末端フェニルメチルシロキサン(平均MW560)をIKA混合機に入れ、90℃に加熱し、攪拌しながら10分間脱気した。水酸化アルカリの1N溶液の記載量が加えられた。その後真空にされ、反応開始から粘度が測定された。その結果が下記の表にされた。
【0056】
【表1】
【0057】
当初はKOHの結果が水酸化ナトリウム触媒と同じではないが、初期の時間後は段階変化が起こり、KOHを用いた系の粘度が劇的に上昇しているのが見られることになる。それは本明細書に図1として提示されたグラフ表示にはっきりと見ることができる。
【0058】
<本発明により製造された高MWポリフェニルメチルシロキサンを含む一液型シーラント組成物>
〔実施例9〕
一液型シーラント組成物が次のようにして製造された;その成分は下記の表2に与えられている。ポリマー100部、可塑剤24部およびレオロジー添加剤3部がNeulinger混合機に加えられ、5分間攪拌された。充填剤128部が二回に分けて加えられ、続いて真空が5分間施された。架橋剤7部、接着促進剤0.2部および触媒2.4部が加えられ、5分間混合された。真空が5分間施され、最終のペーストが310mlカートリッジに詰められた。
【0059】
【表2】
【0060】
〔実施例10〕
一液型シーラント組成物が次のようにして製造された;その成分は下記の表3に与えられている。ポリマー100部、可塑剤48部およびレオロジー添加剤4部がNeulinger混合機に加えられ、5分間攪拌された。200部の充填剤1および40部の充填剤2が二回に分けて加えられ、続いて真空が5分間施された。架橋剤4部、接着促進剤2.8部および触媒1部が加えられ、5分間混合された。真空が5分間施され、最終のペーストが310mlカートリッジに詰められた。
【0061】
【表3】
【0062】
<本発明により製造された高MWポリフェニルメチルシロキサンを含む二液型シーラント組成物>
二液型シーラントのすべては、Semco(登録商標)カートリッジ中の10部のパートAと1部のパートBとを混合して製造された。
【0063】
〔実施例11−パートA〕
二液型シーラント組成物で用いるパートAが次のようにして製造された;その成分は下記の表4に与えられている。ポリマー100部および可塑剤39部がNeulinger混合機に加えられ、5分間攪拌された。45部の充填剤1、94部の充填剤2、12部の充填剤3および8.5部の充填剤4が二回に分けて加えられ、続いて真空が5分間施された。架橋剤0.9部が加えられ、5分間混合された。真空が5分間施され、最終のペーストが170mlカートリッジに詰められた。
【0064】
【表4】
【0065】
〔実施例12−パートA〕
二液型シーラント組成物で用いるパートAが次のようにして製造された;その成分は下記の表5に与えられている。ポリマー100部および可塑剤39部がNeulinger混合機に加えられ、5分間攪拌された。45部の充填剤1、94部の充填剤2、12部の充填剤3および8.5部の充填剤4が二回に分けて加えられ、続いて真空が5分間施された。0.9部の架橋剤1および12部の架橋剤2が加えられ、5分間混合された。真空が5分間施され、最終のペーストが170mlカートリッジに詰められた。
【0066】
【表5】
【0067】
〔実施例13−パートB〕
二液型シーラント組成物で用いるパートBが次のようにして製造された;その成分は下記の表6に与えられている。可塑剤100部が歯科用混合機に加えられ、続いて58部の充填剤1および12部の充填剤2が二回に分けて加えられ、1分間混合された。架橋剤11部、接着促進剤22部および触媒15部が加えられ、1分間混合された。
【0068】
【表6】
【0069】
〔実施例14−パートB〕
二液型シーラント組成物で用いるパートBが次のようにして製造された;その成分は下記の表7に与えられている。可塑剤100部が歯科用混合機に加えられ、続いて100部の充填剤1および18部の充填剤2が二回に分けて加えられ、1分間混合された。架橋剤17部、接着促進剤3部および触媒93部が加えられ、1分間混合された。
【0070】
【表7】
【0071】
〔実施例15−パートA〕
二液型シーラント組成物で用いるパートAが次のようにして製造された;その成分は下記の表8に与えられている。ポリマー100部および可塑剤20部がNeulinger混合機に加えられ、5分間攪拌された。100部の充填剤1および110部の充填剤2が二回に分けて加えられ、続いて真空が5分間施された。最終のペーストが170mlカートリッジに詰められた。
【0072】
【表8】
【0073】
〔実施例16−パートB〕
二液型シーラント組成物で用いるパートBが次のようにして製造された;その成分は下記の表9に与えられている。架橋剤100部が歯科用混合機に加えられ、続いて接着促進剤12.5部および触媒50部が加えられ、1分間混合された。
【0074】
【表9】
図1