(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜
図15を全体的に参照すると、分注システム100の1つの実施形態は、シュラウド102と、容器104と、マニホルド(manifold)106と、キャップ108とを含む。シュラウド102は、その頂縁部114に向かって底縁部112から上向きに延びるほぼ円筒形の側壁110を含む。
図6を見るとよりはっきりとわかるように、シュラウド102の底縁部112によって開口部(opening)116が規定される。
図2に概ね示されるように、容器104はシュラウド102の開口部116に挿入され、マニホルド106およびキャップ108は、以下でより詳細に記載するように、少なくとも部分的にシュラウド102の上側部分の内側に配置されて適合される。
【0014】
1つの実施形態では、シュラウド102の底縁部112は、たとえば、テーブル、デスク、キャビネットなど、支持表面118上に載置されるように適合される。別の実施形態では、容器104の底縁部120は、シュラウド102の底縁部112から延び、支持表面118に載置されるように適合される。支持表面118に載置されたとき、分注システム100の中心軸または長手方向軸122は支持表面118に対してほぼ垂直となる(
図1参照)。2次軸124は、長手方向軸122に直交するように規定される。本明細書では、中心軸122および2次軸124は単に基準のために規定され、あらゆる限定を意図するものではない。容器は、分注システムの長手方向軸122によって規定される長さLを含む。より詳細には、容器の長さLは、容器の底縁部120と容器のマウンティングカップ(mounting cup)との間の距離、すなわち、長手方向軸122の周りの容器の側壁の長さとして記述することができる。1つの実施形態では、容器の長さは約5cm〜約30cmであり、より好ましくは、約10cm〜約23cmである。
【0015】
図6をより詳細に参照すると、シュラウド102の側壁110は、底縁部112では第1の直径d1によって規定される。1つの例では、直径d1は、約6.3cm(約2.5インチ)である。
図3〜
図5を見ると最もよく分かるように、側壁110は、底縁部112と頂縁部114と区切る変曲点126に達するまで、底縁部112から内向きに、長手方向軸122の方向に上に向かってテーパ状になっている。シュラウドは、底縁部112からシュラウド102の頂縁部114まで長手方向軸122に沿って規定された長さL2によって規定される(
図2および
図16A参照)。1つの実施形態では、シュラウド102の長さは約10cm〜約40cmであり、より好ましくは約15cm〜約25cmであり、最も好ましくは約20cm〜約23cmである。
図5をより詳細に参照すると、シュラウド102は、変曲点126では第2の直径d2によってさらに規定される。1つの例では、直径d2は約5.1cm(約2.0インチ)である。さらなる例では、d1とd2の比は約5:3〜約5:4となる。シュラウド102の側壁110は、変曲点126から外向きにシュラウドの頂縁部114に向かってテーパ状である。
図5では、シュラウド102は、その頂縁部114に近接した第3の直径d3によって規定される。1つの例では、直径d3は、約5.6cm(約2.2インチ)である。
【0016】
シュラウド102の向かい合った側部に、ほぼU字形の第1の切欠部128Aと第2の切欠部128Bとが設けられ、シュラウドを第1のウイング130Aと第2のウイング130Bとに分けて詳述する(たとえば、
図5参照)。本開示を目的とする場合に、切欠部(cutout)という用語は、1つまたは複数の空間、アパーチャ(aperture)、スロット、または、1つまたは複数の作動(actuating)表面の移動を可能にする空間がないことを概ね規定する最上(overriding)表面を、概ね規定する。第1のウイング130Aおよび第2のウイング130Bの表面積は、それぞれ、第1の切欠部128Aおよび第2の切欠部128Bの第1の下側端部129Aおよび第2の下側端部129Bとシュラウド114の頂縁部との間の面積として規定される。さらに、第1のウイング130Aおよび第2のウイング130Bは、第1の下側端部129Aおよび第2の下側端部129Bからシュラウド114の頂縁部に向かって延びる長さ部分によって規定される。各ウイング130Aおよび130Bは、丸みを帯びた頂縁部132Aおよび132Bをそれぞれ含み、第1のウイング130Aは、その頂縁部132Aに規定されたほぼU字形のノッチ134をさらに含む。1つの実施形態では、U字形のノッチ134は、流体材料が分注されるマニホルド106の放出口を受け入れるように構成される。他の実施形態では、第1のウイング130Aおよび第2のウイング130B、切欠部128A、128B、ならびに/あるいはノッチ134は、本開示の趣旨から逸脱することなく任意の好適な形状またはサイズとすることができる。
【0017】
図5をより詳細に参照すると、第1のウイング130Aは、中心軸122に沿って第2のウイング130Bよりも遠くまで延びている。ただし、他の実施形態では、第2のウイング130Bが第1のウイング130Aよりも遠くまで延びていてもよく、あるいは、ウイング130Aとウイング130Bとは同じ長さだけ延びていてもよい。
図5の実施形態では、第1のウイング130Aと第2のウイング130Bとの高さが異なる結果として、丸みを帯びた頂縁部132Aと頂縁部132Bとの間の接線136が傾斜する。傾斜した接線136は、U字形のノッチ134から離れるように上向きに角度がついた噴霧方向を観的にユーザに示す。
【0018】
図5には、第2のウイング130Bが、頂縁部132Bよりも下に設けられた、第1のウイング130Aと比較してより急峻に湾曲部分138を含んでいることがさらに示されている。さらに、シュラウド102のU字形の切欠部128Aおよび128Bは、緩やかに湾曲した、またはほぼ平坦部分140Aおよび140Bを提供する(たとえば、
図3および4参照)。湾曲部分138とほぼ平坦部分140Aおよび140Bとは、分注システム100の使用中に直感的に把持部分141として使用されるように適合される。把持部分141の表面積は、切欠部128Aの第1の下側端部129Aおよび切欠部128Bの第2の下側端部129Bと、シュラウド102の頂縁部114との間のシュラウド102の面積である。1つの例では、使用時に、ユーザの手は、湾曲部分138がユーザの手のひら上にほぼ載り、ユーザの親指が他のほぼ平坦な部分を握り、ユーザの親指以外の指が第1のウイング130Aを握った状態でユーザの何本かの指がほぼ平坦部分140Aおよび140Bのうちの一方を握るように分注システムを把持する。
【0019】
本実施形態では、湾曲部分138ならびに/あるいはほぼ平坦部分140Aおよび140Bは、分注システム100を取り上げ、液体を分注するためにシュラウド102を握りしめるようにユーザに促す快適な把持部分141を提供する。実験的な試験により、分注システム100は、ユーザの手に保持される際に快適な感触がする、すなわち、テーパ状のシュラウド102は、従前の設計では見られないユーザの様々な大きさの手に収まるので、ユーザは、従来の設計よりも圧倒的に本実施形態を好むことが分かった。さらに、試験により、シュラウド102の周りのどこででも分注システム100を把持することができ、それにより、ユーザが、従来のデバイスで見られるような特定のボタンまたはトリガに手および/または(1本または複数の)指を再配向(reorient)する必要なく、簡単にかつ自然にデバイスを取り上げ、作動させることができるようになることをユーザは好むことが分かった。さらに、ユーザは、ユーザの親指および手のひらと一緒に複数の指を使用して、単純かつ快適にシュラウドを把持し、握りしめることができるので、システム100を作動させるのに必要な力/圧力は、ユーザの手全体に均一により分散し、システムを作動させるための、シュラウドに接触しているユーザの手の単位面積当たりの力全体は、他のトリガ/ボタンによって作動されるシステムよりも少なくなる。
【0020】
本明細書に開示された分注システムは、上記の利点を提供する作動部材または作動部分の形態の1つまたは複数の作動領域を備える。1つまたは複数の作動領域を握りしめること、押下すること、引くこと、枢動させること、または場合によっては作動させることにより、分注システムから流体が分注される。好ましい実施形態では、作動領域の表面積は、好ましくは把持部分の表面積の約15%〜約95%であり、より好ましくは把持部分の表面積の約40%〜約85%であり、最も好ましくは把持部分の表面積の約40%〜約50%である。別の好ましい実施形態では、作動領域の表面積は、シュラウドの表面積約10%〜約95%であり、より好ましくはシュラウドの表面積の約25%〜約95%である。さらに別の好ましい実施形態では、作動領域の長さ寸法L3は、分注システムの長手方向軸を中心として測定したときに、シュラウドの長さL2の約20%〜約90%であり、より好ましくはシュラウドの長さL2の約40%〜約60%である。特定の実施形態では、少なくとも1つの作動部材の長さは約5cm〜約40cmであり、シュラウドの長さは約10cm〜約80cmである。たとえば、
図16Aを参照すると、1つの実施形態では、作動領域(または第1のウイング130A)の長さL3は、下側外周Aとシュラウド102の頂縁部114との間で延び、長手方向軸122を中心として長さ約9cmであり、シュラウドの長さL2は長手方向軸を中心として約22cmである。したがって、本実施形態では、作動領域長さL3は、シュラウド102の長さL2の約40%である。
【0021】
作動部材または作動部分の作動領域は、分注システムから流体の分注を実効化するためにユーザによって接触され得る作動部材または作動部分の外側表面積全体を含むことが理解されよう。ヒンジ部材または枢動部材を利用する実施形態では、作動領域は、回転のセクションから作動部材または作動部分の外部周辺境界まで測定される。いくつかの実施形態では、1つの作動領域が提供され得る。他の実施形態では、作動領域は2つ以上の部材または部分を備え得る。さらに他の実施形態では、単一の作動部材または作動部分は、作動不可能な部材または部分と連携して提供される。
【0022】
分注システムの把持領域は、シュラウド、スリーブ、ハウジング、またはシステムを作動させるためにユーザが把持可能である他の保持構造の総表面積を備える。より詳細には、分注システムの把持領域は、保持構造に外接する下側外周と、保持構造の上端部の周りに延びる上側外周とによって境界を画定される。下側外周は、(1つまたは複数の)作動領域の最も下の部分の境界を画定する領域に隣接する保持構造に外接する線(たとえば、
図16Aの線Aを参照)として大まかに示され得る。同様に、上側外周は、保持構造の頂縁部の周りの保持構造に外接する線として大まかに示され得る。総把持表面を判断する際に、下側外周と上側外周とによって境界を画定される領域は連続すると仮定すべきであり、すなわち、アパーチャ、溝、切欠部または他の中断部は表面積計算から除外すべきである。
【0023】
図16Aに示される分注システムに関して、作動領域は、1つまたは複数のウイング130Aおよび130Bを備えるものとして大まかに示されている。本実施形態は、第1のウイング130Aの回転運動のみを開示しているが、第1のウイング130Aおよび第2のウイング130Bのうちの1つまたは複数を、回転、押下、水平作動、スライド、または分注システムをアクティブ化させるための任意の他のタイプの運動のために修正し得ることが考えられる。上述したように、第1のウイング130Aおよび第2のウイング130Bの表面積は、第1の切欠部128Aおよび第2の切欠部128Bの第1の下側端部129Aおよび第2の下側端部129Bに隣接する下側外周(
図16Aおよび
図33の線Aを全体的に参照)によって境界を画定される。下側外周とウイング130Aおよび130Bのそれぞれの周囲縁部間の第1のウイング130Aおよび第2のウイング130Bの残りの部分は、それの表面積を提供する。把持部分141の表面積は、下側外周Aと上側外周(
図16Aおよび
図33では概ね線Bとして示される)との間のシュラウド102の合計表面積として規定される。より詳細には、把持部分141は、シュラウド102の表面積が中断しなかったかのように計算される。本実施形態では、シュラウドの除去部分の表面積、たとえば、切欠部128Aおよび128BならびにU字形のノッチ134は、把持領域141の計算から除外されない。第1のウイング130Aに関すると、作動領域は把持部分141の表面積の約40%である。第2のウイング130Bが回転可能である一実施形態に関すると、作動領域は把持部分141の表面積の約50%である。最後に、デバイスを作動させるために第1のウイング130Aと第2のウイング130Bの両方が回転可能である一実施形態に関すると、作動領域は把持部分141の表面積の約85%である。
図16Aに示される1つの特定の実施形態では、把持部分の表面積は約94.97cm
2(14.72in
2)であり、第1のウイング130Aの表面積は約37.10cm
2(5.75in
2)であり、第2のウイング130Bの表面積は約44.97cm
2(6.97in
2)である。
【0024】
また、開示された分注システムの作動領域は、システムを作動させるために必要な、ユーザの手の単位面積当たりの力を低減させるという固有の利点を有する。この利点は、より小さい作動表面を利用する従来技術のトリガ/ボタンシステムを上回る、本発明の作動領域の比較的大きい表面積によって実現される。本明細書で説明する実施形態では、より大きい作動領域は、作動中にユーザの手のより大きい部分を利用することによって、ユーザインタラクションが大きくなる。本明細書に記載された実施形態では、より大きい作動領域は、作動中にユーザの手のより広い部分を利用することによって、ユーザインタラクションが高められる。たとえば、
図16Aおよび
図33には、作動力が約5.90kg(13lb)である有する分注システムが示される。平均的なユーザは、デバイスをアクティブ化するために、本システムの作動領域、すなわち、第1のウイング130Aに3本または4本の指をあてることができ、それによって、指1本当たりの平均力は、約22kPa(3.25psi)〜約30kPa(4.33psi)になる。指1本当たりの平均力が約31kPa(4.5psi)未満となると、低い力プロファイルで分注システムをアクティブ化し、ユーザにとって快適となることが分かった。さらに、上述したように、第1のウイング130Aの表面積は約37.10cm
2(5.75in
2)であり、その結果、本発明の分注システムの作動領域全体の力は約158g/cm
2(2.26psi)となる。力が約204g/cm
2(2.90psi)未満となると、低い力プロファイルで分注システムをアクティブ化し、ユーザにとって快適となることが分かった。対照的に、市場に流通している市販のデバイスの平均力は、それらの作動表面全体にわたって著しく高くなる。たとえば、プロクター アンド ギャンブル カンパニーによって商品名ファブリーズ(Febreze)(登録商標)エアーエフェクト(Air Effects)(登録商標)で販売されるエアロゾル分注システムの作動力は、約5kgs(11lb)である。このデバイスの平均的なユーザは1本または2本の指を使用して、約4.13cm
2(0.64in
2)の作動表面をトリガし、その結果、作動表面全体にわたって指1本当たり約40kPa(5.5psi)〜約76kPa(11psi)の平均力と、約1208g/cm
2(17.19psi)の力とを生じる。同様に、商品名エアーウィック(Air Wick)(登録商標)エアフレッシュナーで販売される別の市販のエアロゾル分注システムは、約2.72kg(6lb)の作動力を有する。このデバイスの平均的なユーザは1本の指を使用して、約2.45cm
2(0.38in
2)の作動表面、すなわち、縦型作動ボタンをトリガし、その結果、作動表面全体にわたって指1当たり約41kPa(6psi)の平均力と、約1110g/cm
2(15.79psi)の力とを生じる。
【0025】
さらに、実験的な試験中に、ユーザは、本発明の分注システム100は、従来技術の設計をユーザに連想させず、その結果、ユーザは、使用していないときに分注システムをよく見える場所に出しておきやすくなることを指摘した。ユーザが分注システムの設計を魅力的であると感じるかどうかは、従来技術の分注システムで見られる、容器に対するキャップの割合が従来の約30/70となることを回避することに少なくとも部分的に基づいていることが分かった。より詳細には、試験により、目に見える容器の部分と比較して目に見えるキャップまたはシュラウドの割合を増加させることにより、それは消費者によって、たとえば、キャビネットの中、またはシンクの下に隠される他のディスペンサよりも、消費者が見える場所、たとえば、リビングルーム、キッチン、浴室またはオフィスに出しておく可能性が高い、より魅力的で好適な設計が提供されることが分かった。さらに、試験の結果を分析することによって目に見えるシュラウドの割合を分注システムの50パーセント以上まで増加させることによって、目に見えるキャップの割合を30〜50パーセントに増加させた設計よりもユーザ選好が驚くほど多く増加することが分かった。さらに、目に見えるキャップの割合を、50パーセントを超え100パーセントに近づくように増加させた結果、ユーザ選好がさらに多く、非直線的に、増加した。
【0026】
別の試験では、ユーザに、シュラウド102の底縁部112から測定したときに、容器104の長さのそれぞれ約100%、75%、50%、40%および30%を覆うシュラウド102を含む、
図16A〜16Eに示される分注システム100A〜100Eが提示された。ユーザは、どの分注システム100A〜100Eを最もよく好むか、よく見える場所に出しておく可能性が最も高いかに基づいて、様々な分注システム100A〜100Eを評価した。前述のように、従来は、ユーザは、70%〜0%を線形に露出させるように、容器のより大きい範囲を覆ったシュラウドをより一層好むと考えられていた。しかしながら、93人のユーザをサンプリングすると、ユーザは、容器のわずか50%を露出したものよりも、容器の70%を露出したシュラウドを好む結果となった。対照的に、容器のわずか50%を露出したシュラウドと容器の60%を露出したシュラウドとでは、ユーザ選好には著しい差はなかった。驚くべきことに、上述したように、分析は、よく見える場所に分注システムを保管したいというユーザの要望は、容器の25%のみを露出するものおよび容器の0%を露出するシュラウドを有するようなシステムについて著しく高いと結論付けた。分注システムをよく見える場所に出しておくというユーザの意図に関する最初の傾向は、ユーザが容器の25%以下が露出したシステムを望むであろうという結論に自然にはつながらなかった。本試験および以前の分析によるこれらの予期しない結果は、容器104の被覆範囲を前の設計よりも大きくするために、本開示のシュラウド102の設計に組み込まれた。1つの実施形態では、シュラウド102は、容器104の大部分を覆う。好ましい実施形態では、容器104の側壁104aの表面積の約0%〜約50%が底縁部よりも下に見え、より好ましくは、容器104の側壁104aの表面積の約0%〜約25%が底縁部よりも下に見える。
【0027】
本発明の分注システム100の別の利益は、そのシュラウド102が、古い容器を使い果たした場合には新しい容器104とともに、あるいは、新しい香りを望む場合には異なる容器とともに再利用できることである。他の実施形態では、シュラウド102は、容器104に取外し不可能となるように取り付けられて適合される。
【0028】
さらに、本実施形態では、シュラウド102は、液体を分注するための任意の明確なまたは目に見えるトリガまたはボタンを含まない。非限定的な例として、シュラウド内で延びているトリガまたは切欠部、あるいはシュラウド上の表示は、「明確(distinct)」であるかまたは「目に見える(visible)」ものであると考えられることがある。そうではなく、ユーザは、以下により詳細に記載するように、ウイング130Aおよび130Bを単に把持し、液体を分注するために握りしめる。実験的な試験によると、任意の明確なまたは目に見えるトリガまたはボタンがないことは、そのような構造を利用する他の設計よりも圧倒的に好まれることが判明した。
【0029】
再び
図5〜
図8を参照すると、シュラウド102は、側壁110の内側表面152から内向きに延びる水平方向プラットフォーム150をさらに含む。本実施形態では、水平方向プラットフォーム150は、第2のウイング130Bに隣接する内側表面152から延びる。ただし、他の実施形態では、プラットフォーム150は、本発明の趣旨から逸脱することなく、第1のウイング130Aまたはシュラウド102の任意の他の好適な部分から延びてもよい。
図7および
図8をより詳細に参照すると、プラットフォーム150の第1の端部154は側壁110に取り付けられ、および/または側壁110と一体に形成され、第2の端部156には取り付けられていない。プラットフォーム150はほぼ円形であり、対向する第1の平坦な縁部158Aおよび第2の平坦な縁部158Bによって切断されている。第1のレール160Aおよび第2のレール160Bは互いに対して概ね平行であり、それぞれ第1の縁部158Aおよび第2の縁部158Bから離れた位置でプラットフォーム150から上向きに延びる。レール160Aおよび160Bの背縁部162Aおよび162Bは、側壁108の内側表面152に取り付けられる、および/または、側壁108の内側表面152と一体である。
【0030】
さらに
図7および
図8をより詳細に参照すると、各レール160Aおよび160Bは、その中央部分に湾曲した切欠部164Aおよび164Bをさらに含む。第1のL型の部材166Aおよび第2のL型の部材166Bは、内側表面152の近い位置でレール160Aの内側表面168Aおよびレール160Bの内側表面168Bからそれぞれ延びる。第1のL型の部材166Aおよび第2のL型の部材166Bは、概ね第1のレール160Aおよび第2のL型の部材160Bと同じ高さである(たとえば、
図8参照)。第1の矩形空隙170Aおよび第2の矩形空隙170Bは、プラットフォーム150を貫通して、L型の部材166Aと内側表面168Aとの間、およびL型の部材166Bと内側表面168Bとの間に規定された領域に形成される。第3のL型の部材172Aおよび第4のL型の部材172Bは、内側表面152から遠い位置でレール160Aの外側表面174Aおよびレール160Bの外側表面174Bからそれぞれ延びる。第3のL型の部材172aおよび第4のL型の部材172bは、プラットフォーム150からL型の部材166Aおよび166Bよりも低い高さまで上向きに延びる(たとえば、
図8参照)第3の矩形空隙176Aおよび第4の矩形空隙176Bは、プラットフォーム150を貫通して、L型の部材172Aとレール160aの外側表面174Aとの間、およびL型の部材172Bとレール160bの174Bとの間に規定された領域に形成される。
【0031】
さらに、中央に配置された円筒壁(cylindrical wall)178は、プラットフォーム150から上向きに延び、レール160Aの湾曲した切欠部164aとレール160Bの湾曲した切欠部164bとの間に円形開口部180を規定する。さらに、
図8を見るとよりはっきりと分かるように、シュラウド102は、第1のウイング130Aに隣接して内側表面152から延びる階段状の突出部182を含む。
図15に関して以下により詳細に記載するように、円形開口部180および突出部182は、マニホルド108の一部分を支持するように適合される。またさらに、内側表面152に近い位置のプラットフォーム150の中央部分から、ほぼ円錐台状のカラム184が延びている。
【0032】
次に
図6および
図8を参照すると、プラットフォーム150の底面200は、容器104をそこに固定するように適合された機構を含む。本実施形態では、この機構は、プラットフォーム150から下向きに延びる複数のフック202を含む。さらに、フック202に近い位置のプラットフォームには、複数の切欠部204が規定されている。1つの実施形態では、切欠部204は、シュラウド102に容器を保持するために、容器104の一部分の周りに外向きにフック202を曲げることができるようにする。たとえば、
図2および
図15に概ね示されるように、容器104はエアロゾル容器とすることができ、マウンティングカップ210と、マウンティングカップの中央部分から延びたバルブステム212とを含み、バルブステム212は、傾斜してアクティブ化される、または軸方向に押し下げられる。
図15に、フック202をマウンティングカップ210の外周の部分の下に固定して、シュラウド102に容器104を固定するように構成された例を示す。他の考慮される実施形態では、他の既知の手段、たとえば、締まり嵌め、接着剤、ねじ接続、差し込みピン型接続などによって、シュラウド102に容器104を選択的に保持してもよい。
【0033】
次に
図9、
図10および
図15を参照すると、マニホルド106は、容器104のバルブステム212を受けるように適合された開口部222を規定するほぼ円筒形のベース220を含む。第1の中空チューブ224がベース220中に規定されており、開口部202から上向きに延びている。第1の中空チューブ224は、ベース220から離れるように角度を有して延びるアーム228内に規定された第2の中空チューブ226に流動的に結合される。アーム228の末端に排出ノズル230が設けられ、第1の中空チューブ224および第2の中空チューブ226を上昇した液体がそこを通ってマニホルド106から排出される。排出ノズル230は、たとえば、製造施設で簡単に修正および交換することができるスプレーインサート231をさらに含んでもよい。排出ノズル230およびスプレーインサート231は、様々なスプレーパターン、たとえば、液体のスプレー、ミストまたはストリーム(stream)の生成を可能にし、排出する液体の流体乱流(fluid turbulence)特性を変更するように設計され得る。
【0034】
水平方向シェルフ(horizontal shelf)232は、ベース220とアーム228との交点234に近い位置でマニホルド106から外向きに延びる。壁236は、水平方向シェルフ232の末端から下向きに延びる。さらに、第1の部材238Aおよび第2の部材238Bは、ベース220とアーム228との交点234に近い位置でマニホルド106の両側から外向きに延びる。本実施形態では、第1の部材238Aおよび第2の部材238Bはほぼ円筒形である。また、さらに、突出部240はベース220から上向きに延び、ベース220の末端から、ほぼ円筒形の部材238Bと同じ方向に水平方向に延びているロッド242を含む。
【0035】
次に
図11、
図12および
図15を参照すると、キャップ108は、上部壁260と、対向する第1の側壁262Aおよび第2の側壁262Bと、前面壁264とを含む。本実施形態では、第1および第2の側壁262ならびに前面壁264の各々は上部壁260の外周から延び、側壁は前面壁よりも実質的に遠くまで延びている。1つの実施形態では、上部壁260は、第1のウイング130Aの丸みを帯びた頂縁部132Aと第2のウイング130Bの丸みを帯びた頂縁部132Bとの間の接線136の角度に概ね対応するように傾斜している。この実施形態では、傾斜した上部壁260は、U字形ノッチ134から離れるように上向きに傾斜した噴霧方向をユーザにさらに直感で理解されるように示している。前面壁264は、マニホルド106のアウトレット、たとえば、排出ノズル230を受け入れ、シュラウド102のノッチ134とほぼ整列するように構成されたノッチ266をさらに規定する。
【0036】
キャップ108は、互いにほぼ平行に、上部壁の外周から離れた位置でキャップ108の上部壁260から下向きに延びる第1のレール268Aおよび第2のレール268Bをさらに含む。各レール268Aおよび268Bはそれぞれ、湾曲した切欠部270Aおよび270Bをさらに含む。第1のフック部材272Aおよび第2のフック部材272Bはそれぞれ、その中央部分に前面壁264に近い位置でレール268Aおよび268Bから延びる。同様に、第3のフック部材274Aおよび第4のフック部材274Bはそれぞれ、前面壁264から遠い位置にあるレール268Aおよび268Bから内向きに離れた位置から延びる。
図12を見るとよりはっきりと分かるように、第1のフック部材272Aおよび第2のフック部材272Bは、第3のフック部材274Aおよび第4274Bよりも遠くまで延びている。
【0037】
次に
図13〜
図15を参照すると、組み立てられた状態では、容器104は開口部116を通ってシュラウド102に挿入され、それにより、水平方向プラットフォーム150の底面200から延びたフック202は、容器104をそこに保持するために容器102のマウンティングカップ210と係合され、バルブステム212は円形開口部180内に配設される。マニホルド106は、ベース部材220の開口部222が水平方向プラットフォーム150の開口部180中の容器104のバルブステム212の周りに固定されるように、シュラウド102の頂縁部114を通り越して挿入される。さらに、マニホルド106は、水平方向シェルフ232と下向きに延びる壁236とが階段状の突出部182よりも上に、シュラウド102の内側表面152に当接するように、シュラウド102内に配設される。
【0038】
キャップ108は、側壁262Aおよび262Bならびに前面壁264がシュラウド102の頂縁部114内に配設され、ノッチ266がマニホルドの排出ノズル230およびシュラウドのノッチ134とほぼ整列するようにマニホルド106を覆って挿入される。キャップ108は、フック272Aおよび272Bが長方形の空隙176Aおよび176Bとそれぞれ整列し、フック274Aおよび274Bが長方形の空隙170Aおよび170Bとそれぞれ整列するように構成される。
図13および
図14をより詳細に参照すると、第1のL型の部材166Aおよび第2のL型の部材166Bは、切欠部276Aおよび276Bをさらに含む(
図13には切欠部276Aのみが示されており、切欠部276Bはその鏡像である)。同様に、第3のL型の部材172Aおよび第4のL型の部材172Bは、切欠部278Aおよび278Bをさらに含む(
図14には切欠部278Aのみが示されており、切欠部278Bは鏡像である)。キャップ108がシュラウド102と適切に整列し、それに固定されると、キャップ108のフック272および274は、切欠部278および276を規定するL型の部材172および166の一部分の下に係合する。シュラウド102の水平方向プラットフォーム150から延びるカラム184は、キャップ108をシュラウドに組み付けたときに、キャップ108がシュラウドに損傷を与えないように支持構造を提供する。さらに、シュラウド102の射出成形製造プロセス中、カラム184は成型キャビティへの入口の一部として形成することができる。
【0039】
さらに、キャップ108がシュラウド102に固定されると、シュラウド102の湾曲した切欠部164Aおよび164Bとキャップ180の湾曲した切欠部270Aおよび270Bはそれぞれ、ほぼ垂直方向に整列し、第1のトラック280Aおよび第2のトラック280Bを規定する(
図13〜
図15にはトラック280Aのみが示されており、トラック280Bはその鏡像である)。
図13および
図14を見るとよりはっきりと分かるように、マニホルド106の円筒部材238Aは、矢印Aの経路に沿ったマニホルドの移動を制約するようにトラック280A内に配設される。図示されていないが、鏡像構成では、円筒部材238Bはトラック280B内に配設される。さらに、突出部240とマニホルド106のロッド242とは、矢印方向Aに沿ったマニホルド106の移動をさらに制約するようにキャップ108の上部壁260と相互作用する。
【0040】
使用時、ユーザは、シュラウドのウイング130Aおよび130Bを把持し、ウイングを互いに対して押すように、分注システム100の長手方向軸122にほぼ直角である、また長手方向軸122を横断する矢印Bにほぼ沿った向きの内向きの力を作用させる。本実施形態では、容器104は、水平方向プラットフォーム150から延びたフック202によって、第2のウイング130Bに対して比較的一定の位置に保持される。ウイング130を互いに対して押すと、第1のウイング130Aは内向きに移動し、マニホルド106の下向きに延びた壁236を押し下げ、それにより、マニホルド106をほぼ矢印Aの方向に移動させる。マニホルド106が第2のウイング130Bに向かって戻るにつれて、マニホルド106のベース部材220とバルブステム212との間の結合に起因して、容器104のバルブステム212は、ほぼ径方向および/または軸方向に移動する。したがって、バルブステム212が作動し、そこから液体が分注され、第1の中空チューブ224および第2の中空チューブ226を通り、排出ノズル230を通って排出される。ウイング130Aおよび130Bは、矢印Bに沿って加えられる約5から約20ポンドの力で作動するように設計される。この構成のシュラウド102は、手のサイズおよび強度特性が約5〜約95パーセンタイルである男性消費者および女性消費者が、ウイング130Aおよび130Bを簡単に把持し、握りしめることができるように設計される。
【0041】
図17〜
図26を参照して、分注システム300の別の実施形態について記述するが、以下に言及する相違を除いて前述の実施形態と同じである。分注システム300は、分注システム300の偶発的な作動を防止するためのマニホルド保持システムを含む。チルトバルブおよび他のタイプのバルブステムは、製造プロセスおよび/または出荷プロセス中に偶発的にアクティブ化されることがある。本実施形態では、マニホルド保持システムは、分注システム300が最初の使用の準備ができるまで、容器104のバルブステム212の上にマニホルド106に保持するように修正されており、それにより、偶発的な作動が防止される。
【0042】
図18〜
図20に、水平方向プラットフォーム150を含む本実施形態のシュラウド102を示す。上述したように、水平方向プラットフォーム150は、第2のウイング130Bに隣接して側壁110の内側表面152から延びる。第1のレール160Aおよび第2のレール160Bは互いに対してほぼ平行であり、それぞれ、第1の縁部158Aおよび第2の縁部158Bから離れた場所でプラットフォーム150から上向きに延びている。レール160Aおよび160Bの背縁部162Aおよび162Bは、側壁110の内側表面152に取り付けられる、および/または場合によっては側壁110の内側表面152と一体である。第1のレール160Aおよび第2のレール160Bは、前述の実施形態に関して記載した湾曲した切欠部164Aおよび164Bの代わりに、長方形の切欠部302Aおよび302Bをそれぞれ含む。さらに、本実施形態には、円形開口部180を規定するためにプラットフォーム150から上向きに延びる中央に配置された円筒形壁178が含まれない。さらに、2つの突出部304(
図19および
図20参照)が第1のウイング130Aの内側表面152から内向きに延びて、水平方向プラットフォーム150の底面200に接触する。作動中に、第1のウイング130Aが第2のウイング130Bに向かって戻ると、突出部304は、ウイング130Aの移動を制御するために、水平方向プラットフォーム150の下方に重なる。
【0043】
図21および
図22に、本実施形態において使用するために修正されたキャップ108を示し、キャップ108は、ランプ306Aおよび306Bと、湾曲した切欠部270Aおよび270Bとそれぞれ対向する第1のレール268aおよび第2のレール268b内の半円の凹部308Aおよび308Bとを含む。ランプ306aおよび306bの上部に配置される半円の凹部308aおよび308bは、キャップ108内にマニホルド106を保持するに役立つ。キャップ108はまた、キャップ108の第1のレール268aおよび第2のレール268b上に配置された突出部310Aおよび310Bを含む(
図21および
図22には突出部310Aのみが示されており、突出部310Bはその鏡像である)。突出部310Aおよび310Bは、マニホルド106上の溝312Aおよび312Bと対合し(
図23参照)、キャップ108内にマニホルド106を保持するのに役立つ。
【0044】
図23に、本実施形態において使用される修正されたマニホルド106を示す。マニホルド106は、ほぼ円筒形のベース220の端部に取り付けられた円錐形のドッキングベース314を備える。マニホルド106はまた、水平方向シェルフ232上に溝312Aおよび312Bを備えた(溝312Aのみが図示されており、溝312Bがその鏡像である)。溝312Aおよび312Bは、容器104のバルブステム212より上にマニホルド106を保持する際に役立つように突出部310Aおよび310Bと対合する。
【0045】
次に
図24〜
図26を参照すると、組み立てられた状態では、容器104は開口部116を通ってシュラウド102に挿入され、それにより、水平方向プラットフォーム150の底面200から延びるフック202は、容器104をそこに保持するために容器104のマウンティングカップ210と係合され、バルブステム212は円形開口部180内に配設される。しかしながら、前述の実施形態とは異なり、本実施形態では、マニホルド106は、分注システム300の最初の組み立て中には容器104のバルブステム212上に着座しない。むしろ、マニホルド106は、ノッチ266がマニホルド106の排出ノズル230とほぼ整列し、円筒部材238Aおよび238Bがキャップ108の半円の凹部308Aおよび308B内に収容されるようにキャップ108に挿入される。マニホルド106をキャップ108に挿入すると、マニホルド106上の溝312Aおよび312Bは、キャップ108内にマニホルド106を保持するために、キャップ108の突出部310Aおよび310Bと対合する(
図24および
図25参照)。様々なスナッピング(snapping)機構または分離(breakaway)機構などの他の係合機構を使用して、キャップ108内にマニホルド106を保持できることが予想される。
【0046】
次いで、マニホルド106を内部に保持したキャップ108は、キャップ108の側壁262Aおよび262Bならびに前面壁264がシュラウド102の頂縁部114内に配設され、ノッチ266がシュラウド102のノッチ134とほぼ整列するように、シュラウド102の頂部に挿入される。キャップ108は、L型の部材172A、172B、166Aおよび166Bの一部分の下に、フック272A、272B、274Aおよび274Bを係合することによって、前述した方法と同様にシュラウド102に接続される。さらに、シュラウド102にキャップ108を固定すると、マニホルド106は、バルブステム212に対して非係合位置でキャップ108内に保持されたままとなり、流体の偶発的な放出が防止される。本実施形態では、バルブステム212は、偶発的な流体の放出を防止するために、ドッキングベース220と非係合関係で、部分的に円錐形のドッキングベース314内に配設される。他の実施形態では、円錐形のドッキングベース314は省略しても、修正してもよい。代替的に、バルブステム212全体を、マニホルド106のすべての部分の下に配設してもよい。さらに、バルブステム212は、マニホルド106の一部分、たとえば、ドッキングベース220に部分的に係合され得ることが考えられる。
【0047】
分注システム300をアクティブ状態にするために、キャップ108からマニホルド106を解放しなければならない。キャップ108からマニホルド106を解放するために、ユーザは、シュラウド102のウイング130Aおよび130Bを把持し、ほぼ矢印Bに沿って方向づけられた力を加えて、ウイングを一緒に押圧する。ウイング130Aおよび130Bが互いに押圧されると、第1のウイング130Aが内向きに移動し、マニホルド106を下向きに延びている壁236を押圧し、それにより、
図26に示されるように、マニホルド106を概ね矢印Aの方向に移動させる。マニホルド106が第2のウイング130Bに向かって戻ると、円筒部材238Aおよび238Bは、半円の凹部308Aおよび308Bから離れて、キャップ108の傾斜したランプ306Aおよび306Bの下に重なる。円筒部材238Aおよび238Bの移動により、マニホルド106のキャップ108の突出部310Aおよび310Bから解放される。さらに、円錐形のドッキングベース314は、マニホルド106のベース部材220を容器104のバルブステム212の上にガイドし、それにより、マニホルド106は、バルブステム212と密封して接続できるようになる(
図26a参照)。
【0048】
好ましい実施形態では、溝312Aおよび312Bならびに突出部310Aおよび310Bは、一度だけ使用される。キャップ108からマニホルド106を解放し、ベース部材220がバルブステム212上に着座すると、分注システム300は動作状態になる。その後、分注デバイス300は、上述した方法と同じにように動作する。ユーザは、シュラウド102のウイング130A、130Bのうちの1つまたは複数を握りしめて、第1のウイング130Aにマニホルド106の下向きに延びている壁236を押圧する。マニホルド106は、第2のウイング130Bに向かって戻り、容器104のバルブステム212は、マニホルド106のベース部材220とバルブステム212との間の結合に起因して、ほぼ径方向および/または軸方向に動かされる。したがって、バルブステム212が作動し、分注システム300から流体が分注される。
【0049】
本開示の趣旨から逸脱することなく、分注システム100および300に他の修正を加えることができる。たとえば、
図27に、ディスペンサ100および300のキャップ108の上に置くことができる取外し可能な係止機構350を示す。係止機構350は、ディスペンサ100および300が輸送中に作動しないようにする。係止機構350は、キャップ108の側部にわたって延び、U型の切欠部128Aおよび128B内に着座する2つの翼状のタブ352Aおよび352Bを含む(
図27および
図28参照)。タブ352Aおよび352Bは、シュラウド102の第1のウイング130Aが第2のウイング130Bに向かって押し戻すことがないようにする。係止機構350はまた、キャップ108の前面壁264とシュラウド102の第1のウイング130Aとの間に延びる前面部分354を含む(
図27および
図29参照)。また、前面部分354は、シュラウドの第1の壁130Aが分注システム100、300を押し戻し、作動しないようにする。使用前に、ユーザは係止機構350を取り外し、分注システム100および300を動作可能な状態にする。
【0050】
図30〜
図32に、分注システム100および300のシュラウド102にキャップ108を取り付けるための代替実施形態を示す。チューブ部材360は、キャップ108の下面に配設され(
図30および
図31参照)、水平方向プラットフォーム150上の設けられた受容ポスト362と嵌合係合して(
図32参照)、シュラウド102内にキャップ108を保持する。さらに、本開示の趣旨から逸脱することなく、シュラウド102にキャップ108を取り付けるための他の固定手段および実施形態を実施することができる。
【0051】
図33および
図34に示すように、前述の実施形態のいずれかについて記載したシュラウド102は、U型の切欠部128Aおよび128Bではなく、テーパ状の切欠部370Aおよび370B(370Bのみが図示されており、370Aはその鏡像である)をそれぞれ含むように修正されてもよい。テーパ状の切欠部370Aおよび370Bは、シュラウド102の第1のウイング130A中へと延びる。テーパ状の切欠部370Aおよび370Bは、第1のウイング130Aを作動させるためのより少ない力を要求することによってデバイスが作動できるようにし、すなわち、第1のウイング130Aを握りしめ、内向きに押圧することはより簡単である。
【0052】
図35〜
図37に、前述の実施形態のいずれかとともに使用され得る、シュラウド102内のマニホルド106を保持するための代替的なマニホルド保持システムを示す。マニホルド106は、水平方向シェルフ232の末端に隣接して配設された円形のアパーチャ372を含むように修正されている。マニホルド106がシュラウド102中に挿入されると、階段状の突出部182から上向きに延びている円筒ピン374は、円筒形のアパーチャ372に挿入される(
図37参照)。このアパーチャ372とピン374との組合せは、分注システム100を動作させるとき、または容器104を交換するときに、マニホルド106が外れる、または崩壊することを防ぐ。
【0053】
図38〜
図41に示される代替実施形態では、分注システム100および300は、容器104の取外しおよび保持を補助するために、取外し可能なドア(door)376を含むように修正されてもよい。ドア376の形状は、シュラウド102の底縁部112によって規定される開口部116と同様である。ドアの外周表面378はねじ部380を含み、ねじ部380は、シュラウド102の底縁部112に隣接してシュラウド102の内側表面152に配設されたねじセクション382と係合する。組み立てられた状態では、容器104は、シュラウド102の開口部116を通して挿入される。次いで、ドア376は、シュラウド102のねじセクション382に回転可能に取り付けられ、それにより、容器104をシュラウド102内に保持する。ドア376がシュラウド102に取り付けられると、ドア376の内部386に配設された複数のリブ384が容器104の底縁部120に接触する。リブ384により、容器104のマウンティングカップ210は、前述の実施形態に記載されているように複数のフック202を必要とせずに、プラットフォーム150の底面200に対して保持される。他の実施形態では、ドア376は、プラットフォーム150の底面200に対して容器104を保持するのを補助するように設計された追加のサポートを含んでもよい。たとえば、ドア376は、容器104の中央ドーム部分121と相互作用するように設計された中央ドーム部分(図示せず)を含んでもよい。ドア376がシュラウド102に取り付けられると、容器104のバルブステム212は、アパーチャ180を通って延び、上記で説明したようにマニホルド106と係合する。使用時には、ユーザは、シュラウド102から容器104を取り外して、それを交換するために、ドア376を回して外すことができる。本開示の趣旨から逸脱することなく、スナップ式の(snap-fit)嵌め係合など、ドア376を開閉するための他の手段を使用して、シュラウド102の開口部116を閉じることができることが考えられる。
【0054】
図42に、容器104から液体を分注するためにウイング130Aとウイング130Bの両方を容器104に対して移動できるようにする機構を含む分注システム100の別の実施形態を示す。
図34では、排出部材420は、第1のウイング130Aから延び、容器104のバルブステム212に結合されている。くさび型部材422は、第2のウイング130Bから延びている。本実施形態では、ユーザが、ウイング130Aおよび130Bを把持し、矢印Cにほぼ沿って方向づけられた内向きの力を加えると、第1のウイング130Aが内向きに移動することにより、排出部材420がバルブステム212を作動させる。さらに、第2のウイング130Bが内向きに移動することにより、くさび型部材422を排出部材420に対して押圧して、バルブステム212を作動させる。実際、作動シーケンス中にウイング130Aとウイング130Bの両方が、バルブステム212を作動させるためにバルブステム212に伝達される力を加えることができることが考えられる。本実施形態では、ウイング130Aとウイング130Bの両方を移動させることにより、システム100を作動させるのに必要な、他のトリガ/ボタン作動型システムの上でシュラウド102に接触しているユーザの手の単位面積当たりの力全体をさらに低減することができる。
【0055】
図43および
図44は、
図42と同様の別の例を示し、ヒンジ424によって第2のウイング130Bにくさび型部材422が接続されている。本実施形態では、キャップ108がシュラウド102に配設されると、くさび型部材422が排出部材420に対して係止される。
【0056】
図45に、容器104から液体を分注するためにウイング130Aおよびウイング130Bの両方の容器104に対して移動できるようにする機構を含む分注システム100のさらに別の例を示す。
図45では、排出部材440は、容器104のバルブステム212に結合され、ウイング130Aの内側表面152と、ウイング130Bの内側表面152との間に保持された凹形状のばね442をさらに含む。ユーザがウイング130Aおよび130Bを把持し、矢印Dにほぼ沿って方向づけられた内向きの力を加えると、凹形状のばね442は下向きに曲がり、バルブステム212を作動させる。
図42〜
図44の実施形態と同様に、ウイング130Aとウイング130Bの両方を移動させることにより、システム100を作動させるのに必要な、他のトリガ/ボタン作動型システムの上でシュラウド102に接触しているユーザの手の単位面積当たりの力全体をさらに低減することができる。
【0057】
図46は、概して、本明細書に記載される分注システムとともに含まれ得る異なる機構を示す。
図46では、使用情報および/または購買情報を提供するために、シュラウド、キャップおよび/または容器に剥ぎ取り可能なラベル(peel away labeling)406が付加されており、剥ぎ取り可能なラベルは、ユーザが後で取り外すことができる。他の永久ラベルおよび/または取外し可能なラベルを分注システムの任意の部分に貼ることができ、たとえば、キャップ108は、分注システムを他のディスペンサと容易に区別することができるように、ブランド情報を含んでもよい。
【0058】
さらに、当業者に明らかになるように、シュラウド102、容器104、マニホルド106およびキャップ108は、任意の好適な材料から作製することができる。1つの実施形態では、
図47を参照すると、ポーション(portion)450またはシュラウド102全体は、ユーザがそれを通して容器104の表面の表示またはグラフィックス452を見ることができるように、透明または半透明である。様々な非限定的な例では、ポーション450は、透明プラスチック、たとえば、清澄化ポリプロピレン(clarified polypropylene)、ポリカーボネート、PET、イーストマン・トライタン(Eastman Tritan)(登録商標)、およびバレックス(Barex)(登録商標)から作製される。ポーション450は、シュラウド102全体またはシュラウドの一部分のみ、たとえば、変曲点126よりも下の一部分、または区別する表示またはグラフィックスを含む容器の領域に隣接する一部分を含むものであってもよい。上述したように、シュラウドは、ある容器を別の容器から区別するために様々な表面表示、色またはグラフィックスを含んでもよく、本明細書に開示される様々な容器とともに再利用することができる。本実施形態では、透明または半透明のポーション450により、ユーザは、容器から分注システム100を取り上げて液体を分注する前に、シュラウド内にどの容器が配設されているかを都合よく簡単に見ることができるようになる。シュラウド102が透明または半透明ではない実施形態では、ユーザは、U字形状の切欠部を通して見える、容器の表面表示、色またはグラフィックスを見ることによって、どの容器がシュラウド内に配設されているかをさらに見ることができる。
【0059】
図48に、切欠部504Aと切欠部504Bによって分離された重複部材502Aおよび502Bを有する分注システム500の異なる実施形態を示す(切欠部504Aのみ図示されている)。上述したように、記載した実施形態のうちのいずれかの切欠部は、1つまたは複数の作動領域の移動が分注システムの動作に影響を及ぼすことが可能である限り、任意の方法で製造することができる。本実施形態では、ユーザが部材502Aおよび502Bのうちの1つまたは複数を握りしめていることにより、部材502A、すなわち、本実施形態の作動部材または作動領域は、第2部材502Aの一部分の上をスライドし、上記の作動機構のいずれかによって分注システム500の作動に影響を及ぼす。
【0060】
さらなる例では、当業者に明らかになるように、本明細書に開示される分注システム100は、他のタイプの分注機構、たとえば、ポンプ作動ディスペンサ、電気機械式アトマイザ、芯ベース(wick-based)のシステムなどとともに使用することができる。さらに、シュラウド102および/または容器104は、他の設計選択に適応するように他の形態に成形されてもよい。また、さらに容器104は、分注されるべき任意のタイプの流動性物質または他の材料を保持してもよい。この物質は、液体または気体を含む任意の好適な形態とすることができる。容器は、放出を可能にするために推進剤(propellant)または他の圧縮ガスを含んでもよい。流体は、キャリア液に配合された芳香剤または殺虫剤、消臭剤、清浄製剤および/または研磨製剤などとすることができる。たとえば、流体は、プレッジ(PLEDGE)(登録商標)、家庭用途、商業用途および施設用途のための表面清浄化合物、またはグレード(GLADE)(登録商標)、家庭用脱臭剤を含むことでき、それらはともに、エス.シー.ジョンソン アンド サン,インコーポレイテッド(米国ウィスコンシン州ラシーン)によって販売されている。流体はまた、殺菌剤、エアフレッシュナー、臭気除去剤、カビ抑制剤、防虫剤などの、またはアロマセラピー特性を有する他の活性物質(actives)を含むことができる。代替的には、流体は、容器104から分注することができる、当業者には既知の任意の流体を含む。
【0061】
詳細には、上述した実施形態および実施例の各々の個々の特徴のすべての可能な異なる組合せおよび様々な組合せを含む本開示の他の実施形態が本明細書に含まれる。